JPH0756161A - 液晶表示素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏光板の表面にカラーフィルタが設けられ、
該カラーフィルタの表面に拡散シートが接着されたカラ
ーの液晶表示素子で、接着面での気泡の発生による画像
品質の低下を防止した液晶表示素子を提供する。 【構成】 ２枚のガラス基板１ａ、１ｂの表示面側に設
けられた偏光板２の表面にカラーフィルタ５、６、７が
設けられ、さらにカラーフィルタ５、６、７上に拡散シ
ート４が多数の点状の接着剤８で接着されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子に関する。
さらに詳しくは、拡散シートが表示面側の偏光板の表面
にカラーフィルタを介して貼着された構造で、気泡の発
生を防止し、画像品質の向上を図った液晶表示素子に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、液晶表示パネルを用いてカラ
ー表示を行うばあい、カラーフィルタやカラー偏光板な
どを設ける方法が用いられている。カラーフィルタは任
意の色のフィルタを簡単に設け易い点で好ましく便利に
用いられている。カラーフィルタを設けるばあい、透明
基板の液晶層側に設ける方法と偏光板の表面に設ける方
法とがあるが前者は製造工程が複雑であるので、各画素
ごとに色を変える表示をしない簡易なカラー表示には後
者の方法が多く用いられている。このばあい、フィルタ
の表面保護や表示光の均一性保持のため、拡散シートが
カラーフィルタ上に接着されるのが一般的である。

【０００３】カラー表示を行う液晶表示パネルではたと
えば図２に示すように、偏光板表面にたとえば緑色の領
域Ｇ、赤色の領域Ｒ、黄色の領域Ｙなどのたとえば３色
のカラーフィルタが設けられている。カラーフィルタは
顔料、インキ基剤、添加剤などからなる印刷インキなど
を印刷したり、染色法や電着法などにより設けられる
が、単純な製造工程で大量生産の可能なスクリーン印刷
が広く用いられる。

【０００４】カラーフィルタが設けられたのち、拡散シ
ートの全面に接着剤を刷毛、ローラー、スプレーガンな
どを用いて全面に塗布し、偏光板のカラーフィルタ上に
接着する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来の拡散シートは全
面に接着剤が塗布されてカラーフィルタ上に接着されて
いる。しかし、たとえば図２のごとく緑、赤、黄の３色
のカラーフィルタを形成するばあい、各々の色を別々に
３度印刷をして形成する。このばあい、各色による透過
率が異なるため、カラーフィルタの厚さを変えて透過率
が色ごとにより異ならないようにされている。さらに印
刷の方法によってはズレが発生して異なる色がその境界
部分で重なったり、隙間が生じたりすることがある。そ
の結果、各色のカラーフィルタの表面が平面にならない
で、段差が生じやすい。段差のあるカラーフィルタ上
に、全面に接着剤を塗布した拡散シートを接着すると、
カラーフィルタの段差部分で拡散シートが浮くため気泡
が発生する。とくに図２の斜線部９に示されるように、
異なる色の境界部分およびその周辺部に気泡が発生しや
すい。

【０００６】このように気泡が多数、または大規模に発
生すると非常に見にくい画面となり、表示特性を劣化さ
せると共に、接着強度が低下し液晶表示素子の耐久性も
悪くなる。

【０００７】本発明はかかる問題を解消するためになさ
れたものであり、気泡の発生を防止し画像品質の向上し
た液晶表示素子を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子
は、２枚の透明基板に液晶材料が挾持され、前記２枚の
透明基板の両側にそれぞれ偏光板が設けられ、表示面側
の前記偏光板の表面にカラーフィルタが印刷され、該カ
ラーフィルタ上に拡散シートが接着されてなる液晶表示
素子であって、前記拡散シートが全体にわたって多数の
点状部分で接着せられてなることを特徴としている。

【０００９】

【作用】本発明の液晶表示素子によれば、散在した点状
の接着剤によって拡散シートをカラーフィルタに接着し
ているため、カラーフィルタの段差部分も他の部分と同
様、大部分は空気層を介して保持され、視認特性に影響
を与えない。したがって画像品質が向上する。

【００１０】

【実施例】つぎに、添付の図面を参照しながら本発明の
液晶表示素子を説明する。

【００１１】図１（ａ）は本発明の液晶表示素子の一実
施例を示す断面説明図、図１（ｂ）は本発明の液晶表示
素子の一実施例を示す平面説明図である。

【００１２】図１（ａ）において１ａ、１ｂは透明基板
（ここではガラス基板）であり、図１（ａ）ではガラス
基板１ａを表示面側とする。図示されていないが２枚の
ガラス基板１ａ、１ｂ間には液晶層が挾持され、ガラス
基板１ａ、１ｂの内面側には透明電極やＴＦＴ素子など
が形成され、画素ごとに点灯して画像を表示できるよう
になっている。ガラス基板１ａの上部には偏光板２が設
けられ、さらにその上に印刷を施し、図１（ａ）および
（ｂ）に示すように、カラーフィルタ５、６、７が設け
られている。なおガラス基板１ｂのリア側には、図示し
ない偏光板が設けられている。さらに拡散シート４がカ
ラーフィルタ５、６、７上に点状に接着して形成されて
いる。

【００１３】ここでカラーフィルタ５、６、７は、たと
えばグラビヤ印刷で緑色、赤色、黄色の順に印刷して形
成される。つぎにカラーフィルタ５、６、７の印刷方法
の一例について説明する。

【００１４】グラビヤ印刷の基本的機構は版銅、圧銅、
ドクター、インキ皿からなり、版銅には１インチあたり
150 〜170 本のピッチで碁盤目状にならんだセルにイン
キをつめ、ドクターで表面の余分なインキをかき取り、
圧銅で圧力をかけてインキをプラスチックフィルムに転
移させる。カラー印刷のばあいは、前記の基本機構を有
するグラビヤコーターを数台用意し、フィルタは一色印
刷するごとに乾燥させてから、次の印刷を行うグラビヤ
コーターへ移送される。

【００１５】本実施例の特徴は、図１（ａ）および
（ｂ）に示されるように、カラーフィルタ５、６、７が
設けられた偏光板２と拡散シート４との接着を点状接着
としたことである。図１（ｂ）においてカラー印刷され
た色の配置は図２と同様であり、点状の接着剤８により
貼着されている点で図２と異なる。図１（ｂ）では接着
剤８を規則的に配置しているが、これはランダムであっ
てもよい。しかしながら、拡散シート全面にわたり均一
な間隔で塗布することが好ましい。接着剤としては通常
の接着剤が用いられ、とくに限定されない。この接着剤
は印刷や散布などの方法によりカラーフィルタ面上また
は拡散シート４の全面に点状に付着させる。接着剤を付
着させる間隔は３〜５mm程度で、付着された接着剤の大
きさは0.5 〜１mmφ程度、厚さは10〜20μｍ程度が好ま
しい。カラーフィルタの段差部分を吸収する接着剤が必
要であるため、厚く形成する必要がある。

【００１６】また、接着剤８の形状は円形でなくてもた
とえば正方形や長方形などでもよい。さらに、接着剤８
同士の最大の間隔ａは、カラー印刷部分の厚さや接着剤
の種類と塗布量などに依存するが、間隔ａが大きすぎる
と接着強度が低下すると共に拡散シート４の平面度が維
持できなくなって表示特性が劣化し、逆に小さすぎると
従来のベタ塗りに近い状態となるので有効ではない。

【００１７】また、前述のカラーフィルタの印刷方法で
は凹版方式であるグラビヤ印刷でカラーフィルタを形成
したが、他に同じく凹版方式であるグラビヤオフセット
印刷、孔版方式であるシルクスクリーン印刷、凸版方式
であるフレキソ印刷などを用いてもよい。いずれの方式
でもフィルタ表面に段差や凹凸が生じるので本発明が画
像品質の向上のために有効である。

【００１８】この拡散シート４をカラーフィルタ５、
６、７上に接着するには、あらかじめ拡散シート４側ま
たはカラーフィルタ５、６、７側に印刷法などにより接
着剤を付着させておき、カラーフィルタ５、６、７上に
拡散シート４を重ね、必要により加熱しながら圧接する
ことにより行う。

【００１９】

【発明の効果】本発明の液晶表示素子は、全面に散在し
た点状の接着剤によって多色のカラーフィルタと拡散シ
ートが接着されているので、大規模な気泡の発生による
画質の低下を防止し、また接着剤の量は従来より少量で
よいので、コストダウンや作業時間の短縮もでき、経済
的効果も大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す概略説明図であり、
（ａ）は断面説明図、（ｂ）は平面説明図である。

【図２】従来の液晶表示素子の一例を示す平面説明図で
ある。

【符号の説明】

１ａ、１ｂ ガラス基板 ２ 偏光板 ４ 拡散シート ５ 緑のカラーフィルタ ６ 赤のカラーフィルタ ７ 黄のカラーフィルタ ８ 接着剤

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２枚の透明基板に液晶材料が挾持され、
   前記２枚の透明基板の両側にそれぞれ偏光板が設けら
   れ、表示面側の前記偏光板の表面にカラーフィルタが印
   刷され、該カラーフィルタ上に拡散シートが接着されて
   なる液晶表示素子であって、前記拡散シートが全体にわ
   たって多数の点状部分で接着せられてなる液晶表示素
   子。