JPH06347406A - 核燃料ペレットの周面検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 核燃料ペレットの周面検査装置において、上
記ペレットに衝撃を与えずスピーディに検査を行うと共
に、装置自体をよりコンパクトに形成せしめて省スペー
ス化を図ることを目的とする。 【構成】 アンダーローラパレット１の各回転ローラ２
上に核燃料ペレットＰの行・列を形成し、上記各回転ロ
ーラ２により列ごとに上記ペレットＰを回転させなが
ら、上記パレット１あるいは検査機構５を移動せしめ
て、上記ペレットＰ全列の検査を順次行うことを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は原子燃料棒に充填される
核燃料ペレットに係り、詳しくは、この燃料ペレットの
周面を非接触状態で検査する核燃料ペレットの周面検査
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】核燃料ペレットはその製造に際し、二酸
化ウラン粉末を金型で圧縮成形して円柱状のグリーンペ
レット（圧粉体）となし、このグリーンペレットを高温
で焼結して高密度の焼結ペレットと成す。そしてさら
に、この焼結ペレットの周面を研磨することにより、外
径等の寸法精度を高めた後に、核燃料ペレットとして燃
料被覆管内に充填して使用される。この核燃料ペレット
は、外径が約８〜１１ｍｍ、長さも約８〜１１ｍｍの円
柱状体である。

【０００３】ところで、このような核燃料ペレットは、
その製造過程において、円柱の周面及び端面に割れや欠
け、ピットなどの欠陥が発生することがあり、これらの
欠陥が所定の基準値以上である場合はその核燃料ペレッ
トを不良品として取り除かねばならない。そこで、上述
したような核燃料ペレット製造工程の最終段階において
は、全ての核燃料ペレットについて上記周面ならびにに
端面の検査を実施する必要があり、上記周面の検査装置
としては例えば特開昭６０−２１４２４３号公報に記載
のようなものも提案されている。

【０００４】即ち、この検査装置は、離隔して設けられ
た１対の波板状トレイと、これらトレイ間に介設された
搬送路兼用の検査台と、上記一方の波板状トレイから検
査台へ核燃料ペレットを押送する導入用プッシャと、こ
の検査台上の核燃料ペレットを上記他方の波板状トレイ
に押送する搬送用プッシャと、上記検査台上の核燃料ペ
レットの周面を検査する検査手段とからなり、２本の回
転ローラ間の上部によって形成される上記検査台に、ト
レイの溝ごとに同軸状に配列した核燃料ペレットを１列
ずつ送り出し、上記回転ローラにて上記ペレットを回転
させながら検査を行うものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の側面検査装置は、一方のトレイから検査台の回転ロ
ーラ上へ、さらにこの回転ローラから他方のトレイ上へ
と、前記各プッシャによって核燃料ペレットを移し替え
るものであり、上記トレイや回転ローラ上を摺擦するよ
うに送られる上記核燃料ペレットに対し、このペレット
に加わる上記移し替え時等の衝撃（カケ等の品質悪化要
因となる）を防ぐためには、どうしても送り速度が遅く
なって検査の処理時間が長くなるなどの問題を有してい
る。

【０００６】また、上記従来の検査装置においては、ペ
レットの列を一方のトレイから長尺の回転ローラを介し
他方のトレイに押送することから、ペレットの移動経路
が直線状に長くなると共に、ペレットを押送する前記各
プッシャの動作範囲も広くなって、装置全体が大型化す
るとの不都合も招来する。

【０００７】本発明は叙上の如き実状に対処し、核燃料
ペレットの搬送構造に新規な構成を見出すことにより、
上記ペレットに衝撃を与えずスピーディに検査を行うと
共に、装置自体をよりコンパクトに形成せしめて省スペ
ース化を図ることを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】即ち、上記目的に適合す
る本発明の核燃料ペレットの周面検査装置の特徴は、同
一水平面上に多数の回転ローラを平行に配設し、これら
回転ローラの上部の間に同軸状に整列させた核燃料ペレ
ットを列ごとに載置するアンダーローラパレットと、上
記アンダーローラパレットの各回転ローラを夫々同方向
に回転させる回転駆動機構と、上記核燃料ペレットの周
面を列ごとに非接触状態で検査する検査機構と、上記ア
ンダーローラパレットと検査機構とを相対して、これら
アンダーローラパレットと検査機構の少なくとも一方を
上記回転ローラの並び方向に移動させる送り機構、とを
備えたところにある。

【０００９】

【作用】上記本発明の検査装置では、アンダーローラパ
レットの回転ローラ間に複数列の核燃料ペレットを載置
し、回転駆動機構によって上記ローラを回転させること
により上記ペレットの列を回転させる。つまり、このペ
レット列を回転させることにより、上記検査機構側にペ
レットの全周を露出させることができる。

【００１０】そして、この検査機構と上記アンダーロー
ラパレットの少なくとも一方を、上記送り機構によって
相対的に回転ローラの並び方向に移動させながら、上記
検査機構によってペレット列の全周を１列ごとに検査す
る。

【００１１】即ち、上記本発明の検査装置においては、
上記アンダーローラパレット上に予め核燃料ペレットの
行・列を形成し、これを上記パレットか検査機構を移動
させることによって、ペレット全列の検査を行うもので
あり、従来装置のようなペレットの移し替えがないこと
からペレットに衝撃を与える恐れがなく、上記移動速度
を適正に保って迅速かつ効率的に検査を行うことが可能
である。

【００１２】また、上記核燃料ペレットは、上述の如く
アンダーローラパレット上で行・列を形成した状態のま
ま検査に付されることから、ペレットの列を長手方向に
移動させる従来装置に比べ、検査装置自体を大幅に縮小
することができ、これにより省スペース化を実現するこ
とが可能である。

【００１３】

【実施例】以下、さらに添付図面を参照して、本発明の
実施例を説明する。

【００１４】図１は本発明実施例の核燃料ペレット周面
検査装置を示す斜視図、図２は同実施例の一部切欠側面
図、図３は図２のＡ−Ａ矢視図、図４は同実施例のアン
ダーローラパレットを示す斜視図、図５は図４のＢ−Ｂ
線断面図、図６は同実施例装置を組み込んだ核燃料ペレ
ットの各種検査システムを示す斜視図、図７は同システ
ムにおけるアンダーローラパレットの循環経路を示す斜
視図である。

【００１５】本発明実施例の周面検査装置は、図１乃至
図３に示すように、多数の回転ローラ２の上に核燃料ペ
レットＰを載置するアンダーローラパレット１と、上記
回転ローラ２を夫々同一方向に同時回転をさせる回転駆
動機構３と、２台のテレビカメラ４と画像処理制御盤Ｓ
等を主体とする検査機構５と、上記アンダーローラパレ
ットを回転ローラの並び方向に移動させる送り機構６と
を具備している。なお、上記アンダーローラパレット１
は、図２，図３、あるいは図６に示すように、パレット
両側部の下方に設けられた２条のフリーフローチェーン
コンベアＣによって、ペレットの積載位置から搬送され
る。また、図３のＣ₁ はチェーンコンベアの受け座、Ｃ
₂ はコンベアフレームを夫々示している。

【００１６】上記アンダーローラパレット１には、図４
にも示すように、同一水平面上に、ペレット最大径より
大きなローラピッチで配列された多数の回転ローラ２
が、近接して且つ平行になるように配設されている。そ
して、このパレット１は、これら回転ローラ２の上部間
に、図示の如く端面を合わせて同軸状に整列された複数
列の核燃料ペレットＰを、列ごとに載置するようになっ
ている。即ち、この回転ローラ２によって支持されたペ
レットＰは、図５に示す如くローラ２の回転によって該
ローラと反対方向に回転するようになっている。

【００１７】また、図４に示すように上記回転ローラ２
の一方の軸端部には夫々タイミングギヤ７が取着され、
２個のプーリ８間に架け渡したタイミングベルト９によ
って各回転ローラ２を同速で同方向に回転させるように
なっている。そして、上記プーリ８の一方にはクラッチ
１０ａが設けられており、後述する回転駆動機構のクラ
ッチ１０ｂとかみ合うようになっている。なお、同図に
示す１１ａは位置決めピン穴であり、後述する送り機構
の位置決めテーブルのピン１１ｂと嵌合する。

【００１８】一方、検査機構５は、図１，図２，図６に
示すように、垂直下方を撮影するよう固定され、前記パ
レット１上の１列のペレットを撮すように設定された２
台のＣＣＤテレビカメラ４と、該カメラの撮影部分に対
し、１列分のペレットに合わせて細長い焦点の光を斜め
から投射する投光装置１２と、これらテレビカメラや投
光装置１２を制御すると共に、テレビカメラ４からの画
像を処理するモニター付画像処理制御盤Ｓとを備えてい
る。上記テレビカメラ４によって得られた画像データ
は、この画像処理制御盤Ｓの画像処理装置へ送られて、
濃淡データ等によりペレットＰの欠陥の有無が自動的に
判別される。そして、上記アンダーローラパレット上の
多数のペレットＰは、行・列を識別することによりその
合否が制御板Ｓのコンピュータに記憶され、この内、不
良のペレットは後工程で除去される。また、上記画像処
理制御盤Ｓは、前記フリーフローチェーンコンベアＣの
運行や、上記検査機構、送り機構及び回転機構の各制御
等、側面検査装置やその他機構の作動状態のコントロー
ルを自動的に行うことが可能である。

【００１９】なお、上記検査機構５のテレビカメラ４
は、一台でペレット１列を撮するように設定することも
可能であるが、複数台を用いる方が画像は鮮明である。
また、この実施例では、上記テレビカメラ４と投光装置
１２とを固定し、アンダーローラパレット１を移動する
構成としているが、上記パレットの代わりに上記カメラ
４と投光装置１２とを移動させることも可能である。

【００２０】回転駆動機構６は後述する送り機構の基台
２４に設置され、図１に示すように、アンダーローラパ
レット１のクラッチ１０ａとかみ合わせるクラッチ１０
ｂと、このクラッチ１０ｂをギヤボックス１３を介して
回転させる回転駆動モータ１４と、これらモータ１４や
ギヤボックス１３と共にクラッチ１０ｂを進退させ、こ
のクラッチ１０ｂと上記パレットのクラッチ１０ａとの
連結・離脱を行うクラッチ用シリンダー１５とを備えて
いる。

【００２１】そして、送り機構６は、図２，図３に示す
ように、前記したフリーフローチェーンコンベアＣで搬
送されてきたアンダーローラパレット１を、ストッパー
１６を上昇させることによって規定の位置で止めるスト
ッパーシリンダー１７と、止められた上記パレット１
を、このパレットの位置決めピン穴１１ａにテーブル１
８の位置決めピン１１ｂを嵌合せしめて、上記搬送コン
ベアＣから規定高さまで持ち上げるテーブル用シリンダ
ー１９と、このテーブル用シリンダー１９と上記ストッ
パーシリンダー１７とを一体的に移動させる送り装置本
体２０とを有している。この送り装置本体２０は、上記
アンダーローラパレット１の回転ローラ２の並び方向と
平行に設けられた送りねじシャフト２１と、このシャフ
トを正逆回転させる送り用モータ２２と、上記ねじシャ
フト２１と螺合し該シャフトの回動によりシャフト沿い
に動くボールナット２３と、このボールナット２３と上
記テーブル用シリンダー１９及びストッパーシリンダー
１７とを一体的に結合する基台２４とを有している。

【００２２】次に、上記実施例の周面検査装置の動きを
説明する。先ず、図６の左端に示すように、ペレット搬
送コンベア２５により運ばれてきた１列ずつ分のペレッ
トＰをコンベア上で側面より押し出し２列にしたのち、
ペレット積載ロボット２６がチャック２７によって２列
ずつつかみ、ペレット積載ステーション２８にてアンダ
ーローラパレット１に積載する。

【００２３】ペレットＰが積載された上記アンダーロー
ラパレット１は、フリーフローチェーンコンベアＣによ
って同図に示す周面検査ステーション２９へと搬送され
る。ここで図２，図３に示すように、上記アンダーロー
ラパレット１は、送り機構のストッパーシリンダー１７
に止められて、位置決めピン穴１１ａにテーブル１８の
位置決めピン１１ｂを嵌合した状態で、位置合わせを正
確にしてテーブル用シリンダー１９により持ち上げられ
る。このときコンベアＣは連続して運転しており、前後
工程のアンダーローラパレットの搬送を受け持つことに
なる。このほかのステーションには上記ストッパー１６
と同様のストッパーが設けられており、送りと停止の動
作を制御することができる。

【００２４】図１及び図２は上記持ち上がった直後を示
すものであり、この状態で１列目のペレットＰがテレビ
カメラ４の撮影位置にくるようになっている。そして、
上記持ち上げと同時に、図１に示す如く、回転駆動機構
３のクラッチ１０ｂがクラッチ用シリンダー１５によっ
て前進し、アンダーローラパレット１のクラッチ１０ａ
と継ながって、回転駆動モータ１４の回転が上記パレッ
ト１の各回転ローラ２に伝達される。

【００２５】即ち、上記テレビカメラ４下方の１列目の
ペレットは、上記回転ローラ２によって回転し、全周面
の画像が上記テレビカメラ４に収録される。そしてこの
後、送り機構６のモータ２２が作動して、次の列のペレ
ットがテレビカメラ４の撮影位置にくるように、アンダ
ーローラパレット１がピッチ送りされ、この次列のペレ
ットの周面撮影が同様に行われる。以後、この作業が最
後のペレットの列まで順次繰り返して行われる。

【００２６】そして、最後の列のペレットの撮影が完了
すると、前記テーブル１８が下降してコンベアＣ上にパ
レット１をもどし、次いで前記ストッパーシリンダー１
７が下がりアンダーローラパレットは下工程へ流れる。
また、上記下降したテーブル１８は、次に送られてくる
アンダーローラパレット１に備えて、送り用モータ２２
の逆回転により自動的に元の位置に後退する。

【００２７】なお、ペレット周面検査が完了したアンダ
ーローラパレット１は、図６に示すペレット排出ステー
ション３０で、該パレット１上のペレットが積み換えら
れる。積み換えられたペレットは、次工程の端面及び外
径検査に付された後、不良のペレットが摘出される。

【００２８】また、空状態となったアンダーローラパレ
ット１は、図７に示すトラバース式パレット下降ユニッ
ト３１及びパレット循環コンベア３２にて返送され、パ
レット上昇ユニット３３により図６に示すパレット上昇
ステーション３４に送られて循環使用される。なお、こ
の実施例においては、パレット１を搬送するコンベアＣ
は図７や図６に示すように、検査効率向上のためにパレ
ット分岐ステーション３５からＬラインとＭラインの２
つのラインの構成となっており、当然のことながら周面
検査装置のシステムも上記２つのラインに対応してい
る。

【００２９】以上説明した検査装置ならびにその周辺の
システムの制御は、前記画像処理制御盤Ｓにて全て自動
で行われるものであり、特に上記本発明の周面検査装置
においては、ペレット周面の検査を、該ペレットに衝撃
を与えることなく極めて迅速に行わしめると共に、装置
自体もコンパクトに構成せしめて省スペース化を実現す
ることが可能である。

【００３０】以上、本発明の実施例を説明したが、アン
ダーローラパレット１に載置するペレットの列は、１パ
レットが燃料棒１本分に相当するよう１６列としてい
る。また、回転ローラ２の回転は、例えば６０°ずつス
テップ状に行うように配慮することも可能である。これ
には、前記回転駆動モータ１４にステッピングモータを
使用するのが好ましく、さらに送り用モータ２２にも上
記ステッピングモータを用いるようにしてもよい。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の核燃料ペ
レットの周面検査装置は、アンダーローラパレットの回
転ローラ上に核燃料ペレットの行・列を形成し、上記ロ
ーラにより列ごとにペレットを回転させながら、上記パ
レットあるいは検査機構を移動せしめて、ペレット全列
の検査を順次行うものであり、従来装置の如きペレット
の移し替えがないことからペレットに衝撃を与える恐れ
が皆無で、ペレット列の相対移動速度を適正に保ち極め
て迅速かつ効率的に検査を行わしめると共に、上記核燃
料ペレットは、上述の如くアンダーローラパレット上で
行・列を形成した状態のまま検査に付されることから、
ペレットの列を長手方向に移動させる従来装置に比べ、
検査装置自体を大幅に縮小せしめて省スペース化を実現
するとの顕著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の核燃料ペレットの周面検査装置
を示す斜視図である。

【図２】同実施例の一部切欠側面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ矢視図である。

【図４】同実施例のアンダーローラパレットを示す斜視
図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ線断面図である。

【図６】同実施例装置を組み込んだ核燃料ペレットの各
種検査システムを示す斜視図である。

【図７】同システムにおけるアンダーローラパレットの
循環経路を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ アンダーローラパレット ２ 回転ローラ ３ 回転駆動機構 ４ テレビカメラ ５ 検査機構 ６ 送り機構 ７ タイミングギヤ ８ プーリ ９ タイミングベルト １０ａ，１０ｂ クラッチ １１ａ 位置決めピン穴 １１ｂ 位置決めピン １２ 投光装置 １３ ギヤボックス １４ 回転駆動モータ １５ クラッチ用シリンダー １６ ストッパー １７ ストッパーシリンダー １８ テーブル １９ テーブル用シリンダー ２０ 送り装置本体 ２１ 送りねじシャフト ２２ 送り用モータ ２３ ボールナット ２４ 基台 ２５ ペレット搬送コンベア ２６ ペレット積載ロボット ２７ チャック ２８ ペレット積載ステーション ２９ 周面検査ステーション ３０ ペレット排出ステーション ３１ パレット下降ユニット ３２ パレット循環コンベア ３３ パレット上昇ユニット ３４ パレット上昇ステーション ３５ パレット分岐ステーション Ｐ 核燃料ペレット Ｓ 画像処理制御盤 Ｃ フリーフローチェーンコンベア

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 同一水平面上に多数の回転ローラを平行
   に配設し、これら回転ローラの上部の間に同軸状に整列
   させた核燃料ペレットを列ごとに載置するアンダーロー
   ラパレットと、このアンダーローラパレットの上記各回
   転ローラを夫々同方向に回転させる回転駆動機構と、上
   記核燃料ペレットの周面を列ごとに非接触状態で検査す
   る検査機構と、上記アンダーローラパレットと検査機構
   とを相対して、これらアンダーローラパレットと検査機
   構の少なくとも一方を上記回転ローラの並び方向に移動
   させる送り機構とを備えたことを特徴とする核燃料ペレ
   ットの周面検査装置。