JPH0634727B2 - ベクタ−および形質転換体 - Google Patents

ベクタ−および形質転換体

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JPH0634727B2
JPH0634727B2 JP59170351A JP17035184A JPH0634727B2 JP H0634727 B2 JPH0634727 B2 JP H0634727B2 JP 59170351 A JP59170351 A JP 59170351A JP 17035184 A JP17035184 A JP 17035184A JP H0634727 B2 JPH0634727 B2 JP H0634727B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は動物細胞遺伝子操作系における外来遺伝子の発
現物を分泌するベクターおよび形質転換細胞に関する。
更に詳しくは本発明は動物細胞中でも微生物細胞中でも
同様に増殖し得るいわゆるシャトルベクターに関するも
のである。
〔従来の技術〕
近年に到り牛パピローマウイルス・タイプI(以下,B
PV−Iと略す)の遺伝子を含むDNAベクターを動物
細胞系に導入する試みが広く検討されている。(例えば
Eukaryotic Viral Vectors,79〜98頁,1982年 Y.Gluzm
an編,Cold Spring Harbor Laboratory;M.Low,N.Sarve
r,P.Howly,ウシパピローマウイルス,医学研究における
組換えDNA実験II,69〜88頁,1983年医学研究振興財
団編)。BPV−1の特徴は動物細胞に感染した場合核
内染色体には組込まれずに染色体外プラスミドとして存
在し,コピー数も10〜200コピー/細胞と多数存在する
こと,又7944塩基対からなるBPVの31%を削除した,
いわゆるBPV69(Bam HIとHind IIIで消化して31%
を除去した)の短かいベクターがけつ歯類由来のBPV
感受性細胞に感染してこれを癌化せしめ得ることが報告
されている。外来遺伝子発現用ベクターとしては複製,
維持に必要な最低限の機能を持つできるだけ小さいベク
ターを使用することが一般的であるから,BPV系ベク
ターではBPV69が外来遺伝子発現の際に使用されてい
る。又BPVが感染した結果癌化した細胞は細胞分裂速
度が早まり,かつそれを継代培養する際に高価な血清の
要求度が減少するなどの有利な性質を獲得することが報
告されている。又生産されるタンパク質の多くは細胞外
に分泌される。
以上にのべた諸性質からBPV感染動物細胞を宿主とし
BPVをベクターとする遺伝子工学的物質生産系は種々
の有利性を持つものと期待されている。特に動物細胞を
宿主とする遺伝子操作系は糖タンパク質などの生産系と
しての利用が重要であると考えられる。糖タンパク質な
どの複合タンパク質が生合成される場合はDNA→mR
NA→タンパク質→糖,リピドなどの付加→細胞外分泌
の順序を経るが,例えば大腸菌,枯草菌などの原核生物
の場合にはタンパク質に糖やリピドを付加する活性を欠
いている。従ってこれらの微生物を宿主として糖タンパ
ク質の遺伝子を発現させてもそれのタンパク質部分しか
合成されず従って得られる目的物は天然品とはその化学
構造が違った物となる大きな欠点を持っている。又大腸
菌を宿主とした場合には目的物は分泌されずに菌体内に
蓄積するため菌体中での一部分解は避けられず,又培養
後菌体からの抽出を行なう必要がありその結果抽出収率
の低下,および目的物の純度低下などの好ましくない欠
点を持っている。
本来,動物細胞で生産されている物質の生産の目的のた
めには動物細胞を宿主とする遺伝子操作技術の方がより
好ましい系であり,従って動物細胞生産系の生産効率の
上昇が強く要望されているゆえんである。
BPV−1遺伝子をベクターとする動物細胞発現系は最
近活発に検討され,これを使用して高等動物由来の外来
遺伝子を発現させた例がいくつか報告されている。Mani
atisはヒトHLA遺伝子の発現を報告し(Mol.Gel.Biol.
4(2)340(1984))ヒトIFNβ(Howleyら,Mol.Cel.Bio
l.3,233(1983))HBs抗原(Hofschneldeら,Mol.Cel.Bi
ol.3,1032(1983)などの発現が知られている。
上述の例ではBPV69を使用しこれのBam HIあるいは
Hind III切断点を利用して,その場所に外来遺伝子を
結合して発現ベクターの製造が実施されている。しかし
ながら上記ベクターでは目的とするタンパク質が十分満
足のいく効率で生産されないのが現状である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明はBPV−1ベクターを使用することにより外来
遺伝子の発現効率が高い新規ベクターを提供することを
目的とする。
〔問題を解決するための手段〕
本発明は、牛パピローマウイルス・タイプIの遺伝子を
含むDNAベクターを制限酵素PvuIIで切断して得ら
れる該牛パピローマウイルス・タイプI遺伝子の97%
を含むDNAフラグメントと、外来蛋白構造遺伝子およ
び該構造遺伝子の発現制御領域を含有するDNAフラグ
メントとを結合、閉環してなる発現効率が高い新規ベク
ター、および該ベクターにより形質転換して得られる形
質転換体を提供するものである。
BPV−1DNAを制限酵素BamHIで消化した線状D
NA(BPV−1の100%を含む)および制限酵素BamH
IとHind IIIで消化して得られる大きい断片(BPV
−1の69%を含む)と大腸菌ベクターpBR322の断片
(大腸菌中での複製の開始点およびアンピシリン耐性遺
伝子を含む)とを結合して動物細胞中でも大腸菌細胞中
でも維持増殖できるいわゆる“シャトルベクター”pdB
PV−1およびpBPV69TなどがHowley博士より構築
され(Proc.Natl.Acad.Sci.,79,7147(1982)),本発明に
おいて使用したベクターもHowley博士より供与を受けた
上記2種のベクターである。
上記ベクターに外来遺伝子を結合して動物細胞を宿主と
して発現させるためには,外来遺伝子をmRNAに転写
するプロモーターの下流に結合しなければならない。プ
ロモーターは動物ウイルス遺伝子のプロモーターもしく
は動物細胞遺伝子のプロモーターなどが好ましい。一例
としてSV40初期プロモーター,SV40後期プロモータ
ー,アデノウイルス遺伝子のプロモーター,HBウイル
ス遺伝子のプロモーター,レトロウイルス遺伝子のプロ
モーター等が動物ウイルス遺伝子のプロモーターとして
あげられる。また,チミジンキナーゼ遺伝子のプロモー
ター,メタロチオネイン遺伝子のプロモーター,インタ
ーフェロン遺伝子のプロモーター等が動物細胞遺伝子の
プロモーターとしてあげられる。本発明の実施例におい
てはSV40初期プロモーターを使用した例について述べ
るが,これに限定されるものではない。
本発明で使用される外来遺伝子がコードするタンパク質
もしくはペプチドが本発明のベクターを使用することに
よって動物細胞で産生される。このタンパク質もしくは
ペプチドは特に限定されず通常有用な生理活性たんぱく
質,酵素,ペプチド等を示す。本発明ではインターフェ
ロンγの例を示すが,もちろん本発明はこれによって限
定されるものではない。
BPV−1ベクターに,発現機能を持つ外来遺伝子を連
結し挿入する方法は多数存在する。BPV−1をBam H
IとHind IIIで消化して31%のDNA断片を除去した残
りの69%断片は細胞中で維持増殖するというベクターの
基本的性質を保持するから,しばしばこの断片に外来遺
伝子が挿入されて発現が行なわれた。発現用ベクターと
しては,複製・維持に必要な最低限の機能をもつできる
だけ小さいベクターを用いることが,使いやすいという
利点もあり一般的である。従って外来遺伝子を挿入した
後でも,元のベクターと同じ位の長さにするという方法
が通常の方法である。ところが本発明では,P.M.Howley
から分与されたpdBPV−1ベクターを使用してBPV
由来のDNAの中間に外来遺伝子を導入し,かつBPV
遺伝子を可能な限り,そのままの形で残すベクターの作
製方法について検討を加えたところ,従来のベクターよ
り発現効率の非常に高いベクターが得られることが発見
されたのである。
外来遺伝子を挿入する位置としては除去してもベクター
の機能を失なわないBamHIとHind III切断部位の中間
が望ましい。BPV−1のBamHI近傍には制限酵素Pv
u II切断部位が近接して2ケ所存在している(第1
図)。
pdBPV−1には,これ以外にはPvu II切断部位は存
在しないから,Pvu II消化により直線状のDNAが得
られ,これはBPV−1遺伝子の97%を含む好ましいベ
クター断片(10.3kbの断片)であった。第1図から理解
されるように,この断片はBPV−1由来のDNAの末
梢付近のみが削除(92-95%)された物で修飾の程度の
低いDNA断片である。
ここに得られたDNA断片に,先にのべたプロモータと
結合した外来遺伝子を結合することにより,本発明にも
とずくBPVベクターによる高発現ベクターの作製が完
成する。使用するプロモーターと目的タンパク質との結
合方法および上記断片への挿入方法はプロモーター,目
的遺伝子,塩基配列,制限酵素地図,必要とあれば合成
ヌクレオチドなどを利用すれば一般の遺伝子操作技術に
習熟した者に取って容易に設計し,実施できる物であ
る。以下にSV40初期プロモータにIFNγ遺伝子を結
合した例について説明するが,もちろん本発明はこれに
よって限定されるものではない。
IFNγのcDNAがpBR322中にクローニングされ
たプラスミドpIFNγ15をBamHIで切断して1.6kbの
DNA断片を得,これをDpnIで消化してIFNγ遺伝
子を含む0.8kbのDNAを得た。SV−40プロモーター
はMulliganらにより作製されたpSV2 rabbit β globi
nをHind IIIとBglIIで消化してSV40プロモーター,
SV40複製開始点,pBR322の複製開始点およびアン
ピシリン耐性遺伝子を含む断片を得た。こうして得られ
た両断片をT4のリガーゼにより連結し,得られたプラ
スミドを用いて大腸菌を組みかえ,プラスミドの制限酵
素切断地図を用いてスクリーニングを行ない,目的とす
るプラスミドpSVIFNγ,即ちSV40プロモータの
下流にIFNγを持つ目的プラスミドが得られた。pS
VIFNγをAccIIで消化すると目的のSV40プロモ
ーターを含むIFNγ遺伝子の断片が得られた。先に得
たBPV−1の97%を含むDNA断片とここに得たSV
40プロモーターを含むIFNγ遺伝子の断片とをT4リ
ガーゼで結合することにより,本発明にかかわる牛パピ
ローマウイルスタイプIの遺伝子DNAのPvu II切断
部位に外来遺伝子IFNγ(SV40のプロモーターを含
む)を挿入・連結したIFNγの発現ベクターpSVI
FNγ/BPV97の作製に成功した。
ここに得られる発現ベクターは大腸菌の中ではpBR32
2由来の部分により複製維持され,動物細胞中ではBP
Vに由来する部分により複製維持されるいわゆるシャト
ルベクターである。従って本ベクターを大量に得るため
には大腸菌を宿主として培養増殖単離精製するのが好ま
しい。挿入遺伝子のタンパク質への発現はプロモーター
が動物細胞プロモーターを使用するために,大腸菌では
不可能で真核細胞を宿主に使用する必要がある。大腸菌
で大量に得た本ベクターを使用して真核細胞を組み換え
ることにより,目的タンパク質を生産する組換え細胞が
得られる。BPV−1DNAを含むプラスミドが安定に
維持・増殖できる真核細胞としては,マウス由来のC−
127細胞,NIH3T3などが知られている。動物細胞
にベクターDNAを導入する手法は一般的な方法で充分
であり,例えば標準的リン酸カルシウム法などが適用で
きる。
BPV−1DNAを含むベクターで形質転換された細胞
は癌化し,細胞分裂速度が著名に増加し,その結果,組
換え細胞にみが細胞密度は濃いいわゆるフォーカスを形
成するのでこの性質は組換え細胞ともと通りの宿主細胞
との選別が容易に実施できる有利さを有している。組換
え細胞の選別のためには,薬剤耐性遺伝子を持つベクタ
ーとBPV−1DNAを含むベクターとを混合した上で
Co-Transformationし,該薬剤耐性となった組換え細胞
をスクリーニングすれば,その組換え細胞は高頻度にB
PVベクターでも形質転換されているという事実を利用
して組換え細胞を選別できる。BPV−1DNAを含む
ベクターで形質転換される細胞としてはマウス由来のC
127細胞あるいはNIH3T3細胞などBPV−1を含
むベクターが安定に維持される細胞が好ましく使用され
る。
本発明によるBPV−1ベクターで形質転換された細胞
は,通常の培地例えばDulbeccoのMEM培地中で増殖
し,培地中に目的タンパク質例えばIFNγを分泌す
る。組換え細胞は分裂速度が早く,かつ血清要求性が著
減するなどBPV−169%ベクターで認められた有利な
性質を保持していた。
〔発明の結果〕
本発明のベクターは,発現効率の高いBPV−1ベクタ
ーである。本実施例に示したヒトインターフェロンγの
発現量は,ヒト扁桃腺由来リンパ球をTPAとPHA−
Mで処理した際に合成される量の約30倍と非常に高い発
現であった。
以下,実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1 SV40プロモータの下流にIFNγ遺伝子を持つプラス
ミドpSVIFNγの作製 IFNγ遺伝子がpBR322中にクローニングされたプ
ラスミドpIFNγ−15(特願昭59-139398号)をBamH
Iで切断して得られるIFNγ遺伝子を含む1.6KbのD
NA断片をDpnIで消化し,アガロースゲル電気泳動を
行なった。0.8kbのIFNγ遺伝子を含むDNA断片の
バンドを切り出し,電気溶出法によりDNA断片をゲル
から溶出させ,ミリポアフィルターろ過,フェノール−
クロロホルム処理,エーテル処理によりアガロースを除
きエタノール沈澱により精製した。
次にpSV2 rabbit β globin(R.C.Mulliganet a
l,Science 209,1422(1980))をHind III,BglIIで消化
して得られる2つのDNA断片のうち,長い方のDNA
断片(SV40プロモーター,SV40ori,pBR322 ori,Am
耐性などを含む)を,上述のようにアガロースゲル電気
泳動,電気溶出法により精製した。このDNA断片を細
菌アルカリフォスファターゼ(BAP)処理により,脱
リン酸化した後,フェノール−クロロホルム処理により
BAPを失活させ,エタノール沈澱により精製した。E.
coli.DNA polymerase I Large Frag-mentで末
端を平滑末端とした後,これと先に得られたIFNγ遺
伝子を含む0.8kbのDNA断片とをT4リガーゼにより
連結した。大腸菌MC1061(J.Mol.Biol.138,179(1980))
を形質転換し,5×103コ/ngDNAの頻度で形質転換
体を得た。得られた形質転換体から12コを任意に選び,
アルカリSDS法でプラスミドDNAを調製し,制限酵
素処理アガロースゲル電気泳動法により,目的のプラス
ミドpSVIFNγ保持株を検索した。その結果,1株
が目的のプラスミドを保持していた。
実施例2 BPV−1のPvu II切断部位にIFNγ遺伝子が連結
されたベクターpSVIFNγ/BPV97の作製 BPV−1遺伝子を含むベクターとしてpdBPV−1(1
42-6)を使用した。(P.M.Howley et.al.,Proc.Natl.Aca
d.Sci.,79,7147(1982))。
pSVIFNγ/BPV97の作製手順を第1図に示す。
i)pdBPV−1(142-6)からのDNAの調製: pdBPV−1(142-6)をPvu IIで消化した。アガロー
スゲル電気泳動で10.3kbのDNA断片を含むアガロース
ゲルを切り出した。実施例1と同様に電気溶出法により
DNA断片を精製した。得られたDNA断片をBAPに
より脱リン酸化した。フェノール−クロロホルム処理に
より,BAPを失活させた後にエーテル処理,エタノー
ル沈澱により精製した。
ii)pSVIFNγからのDNA断片の調製: pSVIFNγをAcc IIで消化して,アガロースゲル
電気泳動で,2.9kbのDNA断片を含むアガロースゲル
を切り出した。実施例1と同様に,電気溶出法によりD
NA断片を精製した。
iii)pSVIFNγ/BPV97の構築: i)で調製した10.3kbのDNA断片0.3μgとii)で調
製した2.9kbのDNA断片0.1μgをT4DNAリガーゼ
6単位を用いて,10℃で一晩反応させた。反応溶液の1/
2量を用いてMC1061コンピテント細胞を常法に従い形
質転換し,1.4×104コ/μgDNAの頻度で形質転換体
を得た。得られたコロニーから,24個のコロニーを取り
上げ,アルカリSDS法でプラスミドDNAを調製し,
アガロースゲル電気泳動法により,目的のプラスミドp
SVIFNγ/BPV97の保持株を検索した。その結果
24株中3株が目的のプラスミドを保持していた。
実施例3 pSVIFNγ/BPV97によるマウスC127細胞の形
質転換 実施例2で作製したヒトIFNγ発現用ベクターpSV
IFNγ/BPV970.5pmolと,ネオマイシン耐性遺伝
子を持つベクターpSV2−neo(D.J.Southern et al,
J.Mol.Appl.Genet.1,327,1982)0.1pmolとをリン酸カル
シウム法(F.L.Graham et al,Virology 54,536,1973)に
より約5×105個のC127細胞(D.R.Lowy et al,J.Vi-ro
l.26,191,1978)に導入した。1600μg/mlG418(GIBCO
社)及び10%牛胎児血清を含むダルベッコMEM培地
(日水製薬(株))からなる選択培地で17日間培養した
ところ,26個のG418耐性となった形質転換体が得られ
た。このうち17個のクローンを96穴マイクロプレート(C
orning社)に分離した。細胞がconfluentになるまで培
養し,2〜4日後の培地中のインターフェロン活性を測
定したところ,最高20300単位/ml以上のヒトインター
フェロンγを産生する組換え細胞株が得られた。結果を
第1表に示す。
なお,インターフェロン活性の定量は,S.Ru-binstein
らの方法(J.Virology.37,755,1981)により,ヒトFL細
胞,Sindbis.virusを用いたCPE50法で行なった。標
準インターフェロンとしては,NIH標準ヒトインター
フェロンγとすり合わせを行なった組換え大腸菌由来の
ヒトインターフェロンγ8300単位/mlを用いた。
実施例4 形質転換体の有血清培地におけるヒトインターフェロン
γ産生能 実施例3で得られた形質転換体のうち,ヒトインターフ
ェロンγ産性能の高い,クローンについて,2〜4日お
きに培地を交換しながら,42日間に渡り,培地中に分泌
されたインターフェロン活性を測定した。
すべてのクローンが培地交換のみで生き続けるととも
に,インターフェロンを産生し続けた。
最も活性を高かったクローンNO.64−1は,42日間の合
計で約106細胞当り180万単位のヒトインターフェロンγ
を産生した。結果を第2図に示す。
実施例5 形質転換体の無血清培地におけるヒトインターフェロン
γ産性能 実施例4で得られたクローンNO.64−1を10%牛胎児血
清を加えたダルベッコMEM培地及び血清を加えないダ
ルベッコMEM培地にて9日間培養し,インターフェロ
ン産生量及び到達細胞数を調べた。
到達細胞数すなわち細胞の増殖速度は,無血清培地にす
ると,有血清培地の場合の80%に減少したが細胞当たり
のインターフェロン産生は変わらなかった。第2表にそ
の結果を示す。
実施例6 形質転換体の産生するヒトインターフェロンγの物性 実施例4で得られたクローンNO.64-1の産生したインタ
ーフェロン90単位を抗ヒトインターフェロンγ抗体3nl
(84単位のヒトインターフェロンγを中和する)あるい
は抗ヒトインターフェロンβ抗体12.5nl(560単位のヒト
インターフェロンβを中和する)で37℃30分間処理して
から残存インターフェロン活性を測定したところ抗ヒト
インターフェロンγ抗体で特異的に中和された。
また,66単位のインターフェロンをpH2の条件下で4℃
30分間処理してから残存インターフェロン活性を測定し
たところ検出限界以下(18単位>)であった。
この様に抗体により中和される,酸により失活するとい
う性質は,ヒトインターフェロンγに特異的な性質であ
る,測定結果を第3表に示す。
参考例−1 pSVIFNγ/BPV69Tで形質転換したC127細胞の
ヒトIFNγ産生能 実施例2で用いたBPV97の代わりにBPV69Tを使い
作製したヒトIFNγ発現ベクターpSVIFNγ/B
PV69T0.5pmolとpSV2−neo0.1pmolとをリン酸カル
シウム法により約5×105個のC127細胞に導入した。16
00μg/mlのG418及び10%牛胎児血清を含むダルベッ
コMEM培地で15日間培養したところ,14個のG418耐
性となった形質転換体が得られた。これらを96穴マイク
ロプレートに分離し,細胞がconfluentになるまで4日
間〜7日間培養した。こうして得られた培地中のIFN
活性を9ケのクローンについて測定したところ2000〜40
00単位/mlであった。これは実施例3で示したクローン
32-1及び64-1のIFN産生量の1/5以下である。
測定結果を第4表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のベクターpSVIFNγ/BPV97
作製方法を示す図であり,第2図は実施例4のクローン
NO.64-1を培地交換のみで維持した際に培地中に分泌さ
れるヒトIFNγ力価の積分値を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12P 21/02 F 8214−4B (C12N 5/10 C12R 1:91) (56)参考文献 Pro.Natl.Acad.Sci. USA,79(1982)P.7147−7151 Mol.Cell.Biol.,4 (2)(1984)P.340−350 Mol.Cell.Biol.,3 (2)(1983)P.233−240 EMBO J.,2(9)(1983)P. 1487−1492 Mol.Cell.Biol.,3 (6)(1983)P.1032−1039 Gene,21(3)(1983)P.267− 272

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】牛パピローマウイルス・タイプIの遺伝子
    を含むDNAベクターを制限酵素PvuIIで切断して得
    られる該牛パピローマウイルス・タイプI遺伝子の97
    %を含むDNAフラグメントと、外来蛋白構造遺伝子お
    よび該構造遺伝子の発現制御領域を含有するDNAフラ
    グメントとを結合、閉環してなるベクター。
  2. 【請求項2】外来蛋白構造遺伝子がヒトインターフェロ
    ンγである特許請求の範囲第(1)項記載のベクター。
  3. 【請求項3】牛パピローマウイルス・タイプIの遺伝子
    を含むDNAベクターを制限酵素PvuIIで切断して得
    られる該牛パピローマウイルス・タイプI遺伝子の97
    %を含むDNAフラグメントと、外来蛋白構造遺伝子お
    よび該構造遺伝子の発現制御領域を含有するDNAフラ
    グメントとを結合、閉環してなるベクターにより動物細
    胞を形質転換して得られる形質転換体。
JP59170351A 1984-08-17 1984-08-17 ベクタ−および形質転換体 Expired - Lifetime JPH0634727B2 (ja)

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