JPH06346297A - 高効率金属錫粒溶解液 - Google Patents

高効率金属錫粒溶解液

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JPH06346297A
JPH06346297A JP14181093A JP14181093A JPH06346297A JP H06346297 A JPH06346297 A JP H06346297A JP 14181093 A JP14181093 A JP 14181093A JP 14181093 A JP14181093 A JP 14181093A JP H06346297 A JPH06346297 A JP H06346297A
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(57)【要約】 【目的】 ぶりき、薄錫めっき鋼板等電気錫めっき鋼板
の製造に用いられるSn 2+イオン補給のために必要な金
属錫粒の高効率な溶解液の提供を目的とする。 【構成】 H2SO4 5〜50g/l,Sn2+イオン
40〜100g/lおよび二つ以上の電子供与性置換基
を有し,そのうちの一つがヒドロキシ基である芳香族化
合物、好ましくはその配位位置がヒドロキシ基に対して
オルト位またはパラ位である芳香族化合物0.01〜2
g/lを主成分とする高効率金属錫粒溶解液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ぶりき、薄錫めっき鋼
板等電気錫めっき鋼板の製造に用いられるめっき液のS
2+イオン補給のために必要な金属錫粒の高効率な溶解
液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気錫めっき鋼板は、ハロゲン浴、フェ
ロスタン浴、アルカリ浴が従来から用いられており、め
っき時の電極に金属錫板を用いるいわゆる溶解性電極の
場合は、めっきに使用される量に相当するSn2+イオン
が溶解するために、特別な補給方法は不要である。しか
し、近年利点の多い不溶性電極が多く使用されるように
なり、Sn2+イオンの補給方法が重要な要素技術になっ
てきた。金属錫粒の溶解は、基本的にはめっき液に金属
錫粒を浸漬し、空気を吹き込むことによる酸化反応によ
るが、酸化が進みすぎると溶解したSn2+イオンが酸化
してしまって効率が落ちることになる。現在は、不溶性
電極でも使用可能であり、かつ金属錫粒溶解時でのSn
2+イオンの酸化もある程度抑える特性を有するので、フ
ェノールスルフォン酸を主成分とするフェロスタン浴が
電気錫めっきと金属錫溶解とに広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電気錫めっき時のSn
2+イオン補給のための金属錫粒溶解に現在広く用いられ
ているフェロスタン液は、主成分のフェノールスルフォ
ン酸の酸化抑制効果のため金属錫粒溶解性は比較的良
い。しかし、この液はフェノールスルフォン酸の環境有
害性とコスト高との欠点があるため、これらの欠点を克
服した液が強く望まれていた。金属錫粒は酸と酸素によ
って溶解するので、フェロスタン液よりも環境にやさし
く、かつコストも低い硫酸を主体とする液の使用が考え
られるが、溶解したSn2+イオンが直ちに酸化してしま
い、溶解効率を大幅に低下してしまう欠点があり、その
解決なくしては工業的に使用できないのが現状である。
そこで、本発明は、良環境性、低コストでかつ高効率金
属錫粒溶解性を有する液の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】従来から知られているよ
うに、酸性溶液中での金属錫の溶解は、空気吹き込みに
よって次の化学反応式(1)に従って進行すると考えら
れている。 2Sn+O2+4H+→2Sn2++2H2O (1) しかし、溶解したSn2+イオンはさらに酸化を受け、次
式(2)に従って錫酸化物(スラッジ)になってしま
う。また、生成した錫酸化物が金属錫粒を覆うので、金
属錫粒の溶解が停止してしまうことになる。 Sn2++O2→SnO2 (2)
【0005】本発明者らは、上述の課題に関し、環境に
やさしくかつ低コストである硫酸主体の液において、H
2SO4濃度とSn2+イオン濃度とのバランスで金属錫粒
溶解性を高める範囲があるであろうこと、さらにSn2+
イオンの過剰酸化を抑制する方法があれば高効率化でき
るであろうとの見通しの下に鋭意研究した結果、本発明
に至った。即ち、本発明は、H2SO4 5〜50g/
l,Sn2+イオン 40〜100g/lおよび二つ以上
の電子供与性置換基を有し、そのうちの一つがヒドロキ
シ基である芳香族化合物0.01〜2g/lを主成分と
する高効率金属錫粒溶解液、好ましくは、該芳香族化合
物の電子供与性置換基が酸素あるいは窒素を含み、その
酸素あるいは窒素がヒドロキシ基に対してオルト位また
はパラ位にベンゼン環へ配位していることを特徴とする
高効率金属錫粒溶解液である。
【0006】
【作用】以下、さらに本発明について詳細に説明する。
金属粒溶解液はめっき液との循環補給であるので、液の
構成成分、濃度はめっき性に担持されることと、金属錫
粒の溶解性が担保されることとが必要である。特に近年
ニーズが高まっている高生産性のための高速めっきのた
めには、高電流密度でのめっき性が重要である。本発明
での特許請求範囲Sn2+イオン 40〜100g/l
は、40g/l未満では50A/dm2以上の高電流密
度ではめっき焼けを生じてしまい、100g/l超では
金属錫粒溶解性が悪くなるからこの範囲とした。
【0007】H2SO4濃度は、5〜50g/lとする
が、これは5g/l未満では液のpHが高いために正常
な錫析出がみられず、50g/l超になればSn2+イオ
ンの過剰酸化は少なくなるものの析出錫の再溶解が生じ
るためのめっき効率低下とめっき装置の腐食性が高まる
こととの理由からこの範囲とした。硫酸濃度、Sn2+
オン濃度を上述の範囲に設定すれば、めっき性を損なわ
ずに金属錫溶解性を担保できるが、溶解で生じたSn2+
イオンが前述の反応式(2)に従って酸化消費されてし
まうので溶解効率が大幅に低下する。従って、この酸化
を抑制することが重要になるが、そのためには溶解で生
じたSn2+イオンを直ちに捕捉して錯体としてしまう化
合物を予め溶液中に添加しておけばよい。
【0008】このような機能を有する最適な化合物は、
発明者らの研究の結果、二つ以上の電子供与性置換基を
有し、そのうちの一つのがヒドロキシ基である芳香族化
合物であることが判った。即ち、ヒドロキシ基を有する
芳香族化合物は還元性を有するので、上述の(2)式に
従って生成した4価のSnイオンの還元するためと、電
子供与性置換基から電子供与を受けた骨格のベンゼン環
が、電子過剰となってSn2+イオンと錯体結合するた
め、酸化を受けにくくすることとの2つの理由によるも
のと考えられる。したがって、その効果の発揮は供与電
子量に関係するので、電子供与性置換基の数は、1個で
はその効果が小さく、2個以上が必要になる。
【0009】ヒドロキシ基以外の置換基は、ヒドロキシ
基、アミノ基、メトキシ基等でよいので、具体例として
の化合物は、モノヒドロキシフェニル化合物(ヒドロキ
シアニソール、アミノフェノール等)、ジヒドロキシフ
ェニル化合物(2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,4
−ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,5−ジヒドロキ
シトルエン等)、トリヒドロキシフェニル化合物(ピロ
ガロール、フロログルシン、没食子酸、没食子酸n−プ
ロピル、3,4,5−トリヒドロシ安息酸等)である。
これらの化合物の添加濃度は0.01〜2g/lが最適
である。これは、0.01g/l未満ではその効果がな
く、2g/l超では効果はあるものの、飽和してしまう
ので経済的ではなく、良環境性を保つのにもマイナス面
があるためである。
【0010】さらに、上述の化合物の中でも詳細に検討
すると、置換基の配位箇所によってその効果が変わり、
特にオルト位(o−)とパラ位(p−)にある時に効果
が最大になるという極めて新しい知見を得た。即ち、フ
ロログルシンよりピロガロール没食子酸の方が、m−ア
ミノフェノールよりo−,p−アミノフェノールの方が
効果が大きい。これは、詳細は不明であるもののその分
子構造上ベンゼン環に電子が集まり易く錯体形成の容易
になることに関係したものであると考えられ、添加量も
これらオルト位、パラ位のものは0.01〜0.1g/
lと少量で効果を発揮する。
【0011】以上の金属錫溶解液を用いるには、特にそ
の装置、操業方法に特殊のものを必要とはせず、空気あ
るいは純酸素の吹き込みを行えばよい。温度は、通常の
考えである高くなれば溶解度が高まるという原理に沿う
ので、高い方が溶解度性はよいが、めっきとの関連から
30〜70℃が好ましい。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。表1に示す成分の各種金属錫溶解液を用いて金
属錫の溶解効率を求めた。実験は、内径100mm、高
さ900mmの錫溶解槽に、粒径約3mmの錫粒を5k
g充填し、80 lの金属錫溶液を60 l/minで
循環させ、1.5 l/minの酸素を吹き込んだ。溶
解槽内圧力は、2kgf/cm2とした。試験を2時間
行い、金属錫粒の試験前後での重量差からの溶解量を溶
解生成した全Sn2+イオン量と考え、スラッジとして沈
澱するSnO2の重量から消費されたSn2+イオン量を
求めて溶解効率を計算した。尚、めっき性はめっきの外
観観察、めっき効率、めっき密着性を総合的に判断し
た。
【0013】
【表1】
【0014】表1のNo.1比較例にみる如く、添加剤
のない場合は金属錫粒の溶解性が悪く、添加剤を含むこ
とによって溶解性が95%以上確保される。No.2,
4,5,6の比較例はH2SO4、Sn2+イオン濃度が本
発明の請求範囲を超えるものであるが、いずれもめっき
性が悪く、No.6はめっき性の面でめっき効率が低い
ことばかりでなく、金属錫粒溶解性も良くない。No.
9の比較例は添加剤濃度が請求範囲外(低い)のもので
あるが、溶解性が悪く、No.15の比較例は添加剤濃
度が請求範囲外で高いものであるが、その溶解効率向上
効果は飽和している。さらに、No.16の比較例は、
添加剤の化合物がベンゼン環に電子吸引性の置換基が付
いたものであるが、溶解効率の向上効果はあまりみられ
ない。
【0015】これらに対し、No.3,7,8,9,1
0,11,12,13,14の本発明は、いずれも溶解
効率が95%以上と高く、めっき性も良い。特にNo.
7,8に見るように、電子供与性置換基がオルト、パラ
位にあるものは、添加量が少なくても溶解性向上効果が
大きい。
【0016】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば電気錫めっき用硫酸浴の最大の弱点であった
金属錫粒の溶解が効率良く行えるばかりでなく、環境有
害性が大幅に低下でき、かつ高価な有機酸を要しないの
で極めて安価に行えるため、本発明は電気めっき工業的
価値が極めて高い効果を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 H2SO4 5〜50g/l,Sn2+イオ
    ン40〜100g/lおよび二つ以上の電子供与性置換
    基を有し、そのうちの一つがヒドロキシ基である芳香族
    化合物0.01〜2g/lを主成分とする高効率金属錫
    粒溶解液。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の芳香族化合物の電子供与
    性置換基が酸素あるいは窒素を含み、その酸素あるいは
    窒素がヒドロキシ基に対してオルト位またはパラ位にベ
    ンゼン環へ配位していることを特徴とする高効率金属錫
    粒溶解液。
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