JP3083679B2 - めっき用高効率金属錫粒溶解液 - Google Patents
めっき用高効率金属錫粒溶解液Info
- Publication number
- JP3083679B2 JP3083679B2 JP05141810A JP14181093A JP3083679B2 JP 3083679 B2 JP3083679 B2 JP 3083679B2 JP 05141810 A JP05141810 A JP 05141810A JP 14181093 A JP14181093 A JP 14181093A JP 3083679 B2 JP3083679 B2 JP 3083679B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plating
- metal tin
- tin
- solution
- efficiency
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
Description
板等電気錫めっき鋼板の製造に用いられるめっき液のS
n2+イオン補給のために必要な金属錫粒の高効率な溶解
液に関するものである。
ロスタン浴、アルカリ浴が従来から用いられており、め
っき時の電極に金属錫板を用いるいわゆる溶解性電極の
場合は、めっきに使用される量に相当するSn2+イオン
が溶解するために、特別な補給方法は不要である。しか
し、近年利点の多い不溶性電極が多く使用されるように
なり、Sn2+イオンの補給方法が重要な要素技術になっ
てきた。金属錫粒の溶解は、基本的にはめっき液に金属
錫粒を浸漬し、空気を吹き込むことによる酸化反応によ
るが、酸化が進みすぎると溶解したSn2+イオンが酸化
してしまって効率が落ちることになる。現在は、不溶性
電極でも使用可能であり、かつ金属錫粒溶解時でのSn
2+イオンの酸化もある程度抑える特性を有するので、フ
ェノールスルフォン酸を主成分とするフェロスタン浴が
電気錫めっきと金属錫溶解とに広く使用されている。
2+イオン補給のための金属錫粒溶解に現在広く用いられ
ているフェロスタン液は、主成分のフェノールスルフォ
ン酸の酸化抑制効果のため金属錫粒溶解性は比較的良
い。しかし、この液はフェノールスルフォン酸の環境有
害性とコスト高との欠点があるため、これらの欠点を克
服した液が強く望まれていた。金属錫粒は酸と酸素によ
って溶解するので、フェロスタン液よりも環境にやさし
く、かつコストも低い硫酸を主体とする液の使用が考え
られるが、溶解したSn2+イオンが直ちに酸化してしま
い、溶解効率を大幅に低下してしまう欠点があり、その
解決なくしては工業的に使用できないのが現状である。
そこで、本発明は、良環境性、低コストでかつ高効率金
属錫粒溶解性を有するめっき用高効率金属錫粒溶解液の
提供を目的とする。
うに、酸性溶液中での金属錫の溶解は、空気吹き込みに
よって次の化学反応式(1)に従って進行すると考えら
れている。 2Sn+O2+4H+→2Sn2++2H2O (1) しかし、溶解したSn2+イオンはさらに酸化を受け、次
式(2)に従って錫酸化物(スラッジ)になってしま
う。また、生成した錫酸化物が金属錫粒を覆うので、金
属錫粒の溶解が停止してしまうことになる。 Sn2++O2→SnO2 (2)
やさしくかつ低コストである硫酸主体の液において、H
2SO4濃度とSn2+イオン濃度とのバランスで金属錫粒
溶解性を高める範囲があるであろうこと、さらにSn2+
イオンの過剰酸化を抑制する方法があれば高効率化でき
るであろうとの見通しの下に鋭意研究した結果、本発明
に至った。即ち、本発明は、H2SO4 5〜50g/
l,Sn2+イオン 40〜100g/lおよび二つ以上
の電子供与性置換基を有し、そのうちの一つがヒドロキ
シ基である芳香族化合物0.01〜2g/lを主成分と
するめっき用高効率金属錫粒溶解液、好ましくは、該芳
香族化合物の電子供与性置換基が酸素あるいは窒素を含
み、その酸素あるいは窒素がヒドロキシ基に対してオル
ト位またはパラ位にベンゼン環へ配位していることを特
徴とするめっき用高効率金属錫粒溶解液である。
金属粒溶解液はめっき液との循環補給であるので、液の
構成成分、濃度はめっき性に担持されることと、金属錫
粒の溶解性が担保されることとが必要である。特に近年
ニーズが高まっている高生産性のための高速めっきのた
めには、高電流密度でのめっき性が重要である。本発明
での特許請求範囲Sn2+イオン 40〜100g/l
は、40g/l未満では50A/dm2以上の高電流密
度ではめっき焼けを生じてしまい、100g/l超では
金属錫粒溶解性が悪くなるからこの範囲とした。
が、これは5g/l未満では液のpHが高いために正常
な錫析出がみられず、50g/l超になればSn2+イオ
ンの過剰酸化は少なくなるものの析出錫の再溶解が生じ
るためのめっき効率低下とめっき装置の腐食性が高まる
こととの理由からこの範囲とした。硫酸濃度、Sn2+イ
オン濃度を上述の範囲に設定すれば、めっき性を損なわ
ずに金属錫溶解性を担保できるが、溶解で生じたSn2+
イオンが前述の反応式(2)に従って酸化消費されてし
まうので溶解効率が大幅に低下する。従って、この酸化
を抑制することが重要になるが、そのためには溶解で生
じたSn2+イオンを直ちに捕捉して錯体としてしまう化
合物を予め溶液中に添加しておけばよい。
発明者らの研究の結果、二つ以上の電子供与性置換基を
有し、そのうちの一つのがヒドロキシ基である芳香族化
合物であることが判った。即ち、ヒドロキシ基を有する
芳香族化合物は還元性を有するので、上述の(2)式に
従って生成した4価のSnイオンの還元するためと、電
子供与性置換基から電子供与を受けた骨格のベンゼン環
が、電子過剰となってSn2+イオンと錯体結合するた
め、酸化を受けにくくすることとの2つの理由によるも
のと考えられる。したがって、その効果の発揮は供与電
子量に関係するので、電子供与性置換基の数は、1個で
はその効果が小さく、2個以上が必要になる。
基、アミノ基、メトキシ基等でよいので、具体例として
の化合物は、モノヒドロキシフェニル化合物(ヒドロキ
シアニソール、アミノフェノール等)、ジヒドロキシフ
ェニル化合物(2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,4
−ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,5−ジヒドロキ
シトルエン等)、トリヒドロキシフェニル化合物(ピロ
ガロール、フロログルシン、没食子酸、没食子酸n−プ
ロピル、3,4,5−トリヒドロシ安息酸等)である。
これらの化合物の添加濃度は0.01〜2g/lが最適
である。これは、0.01g/l未満ではその効果がな
く、2g/l超では効果はあるものの、飽和してしまう
ので経済的ではなく、良環境性を保つのにもマイナス面
があるためである。
すると、置換基の配位箇所によってその効果が変わり、
特にオルト位(o−)とパラ位(p−)にある時に効果
が最大になるという極めて新しい知見を得た。即ち、フ
ロログルシンよりピロガロール没食子酸の方が、m−ア
ミノフェノールよりo−,p−アミノフェノールの方が
効果が大きい。これは、詳細は不明であるもののその分
子構造上ベンゼン環に電子が集まり易く錯体形成の容易
になることに関係したものであると考えられ、添加量も
これらオルト位、パラ位のものは0.01〜0.1g/
lと少量で効果を発揮する。
は、特にその装置、操業方法に特殊のものを必要とはせ
ず、空気あるいは純酸素の吹き込みを行えばよい。温度
は、通常の考えである高くなれば溶解度が高まるという
原理に沿うので、高い方が溶解度性はよいが、めっきと
の関連から30〜70℃が好ましい。
明する。表1に示す成分の各種めっき用金属錫溶解液を
用いて金属錫の溶解効率を求めた。実験は、内径100
mm、高さ900mmの錫溶解槽に、粒径約3mmの錫
粒を5kg充填し、80 lの金属錫溶液を60 l/
minで循環させ、1.5 l/minの酸素を吹き込
んだ。溶解槽内圧力は、2kgf/cm2 とした。試験
を2時間行い、金属錫粒の試験前後での重量差からの溶
解量を溶解生成した全Sn2+イオン量と考え、スラッジ
として沈澱するSnO2 の重量から消費されたSn2+イ
オン量を求めて溶解効率を計算した。尚、めっき性はめ
っきの外観観察、めっき効率、めっき密着性を総合的に
判断した。
のない場合は金属錫粒の溶解性が悪く、添加剤を含むこ
とによって溶解性が95%以上確保される。No.2,
4,5,6の比較例はH2SO4、Sn2+イオン濃度が本
発明の請求範囲を超えるものであるが、いずれもめっき
性が悪く、No.6はめっき性の面でめっき効率が低い
ことばかりでなく、金属錫粒溶解性も良くない。No.
9の比較例は添加剤濃度が請求範囲外(低い)のもので
あるが、溶解性が悪く、No.15の比較例は添加剤濃
度が請求範囲外で高いものであるが、その溶解効率向上
効果は飽和している。さらに、No.16の比較例は、
添加剤の化合物がベンゼン環に電子吸引性の置換基が付
いたものであるが、溶解効率の向上効果はあまりみられ
ない。
0,11,12,13,14の本発明は、いずれも溶解
効率が95%以上と高く、めっき性も良い。特にNo.
7,8に見るように、電子供与性置換基がオルト、パラ
位にあるものは、添加量が少なくても溶解性向上効果が
大きい。
明によれば電気錫めっき用硫酸浴の最大の弱点であった
金属錫粒の溶解が効率良く行えるばかりでなく、環境有
害性が大幅に低下でき、かつ高価な有機酸を要しないの
で極めて安価に行えるため、本発明は電気めっき工業的
価値が極めて高い効果を有する。
Claims (2)
- 【請求項1】 H2SO4 5〜50g/l,Sn2+イオ
ン40〜100g/lおよび二つ以上の電子供与性置換
基を有し、そのうちの一つがヒドロキシ基である芳香族
化合物0.01〜2g/lを主成分とするめっき用高効
率金属錫粒溶解液。 - 【請求項2】 請求項1記載の芳香族化合物の電子供与
性置換基が酸素あるいは窒素を含み、その酸素あるいは
窒素がヒドロキシ基に対してオルト位またはパラ位にベ
ンゼン環へ配位していることを特徴とするめっき用高効
率金属錫粒溶解液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05141810A JP3083679B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | めっき用高効率金属錫粒溶解液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05141810A JP3083679B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | めっき用高効率金属錫粒溶解液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06346297A JPH06346297A (ja) | 1994-12-20 |
JP3083679B2 true JP3083679B2 (ja) | 2000-09-04 |
Family
ID=15300663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05141810A Expired - Lifetime JP3083679B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | めっき用高効率金属錫粒溶解液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3083679B2 (ja) |
-
1993
- 1993-06-14 JP JP05141810A patent/JP3083679B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06346297A (ja) | 1994-12-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9365943B2 (en) | Method of electroplating uniform copper layers | |
TWI653239B (zh) | 具經調整ph的甲基磺酸亞錫溶液 | |
EP1644558B1 (en) | High purity electrolytic sulfonic acid solutions | |
CA2036222C (en) | Plating compositions and processes | |
TW200304965A (en) | Limiting the loss of tin through oxidation in tin or tin alloy electroplating bath solutions | |
JPWO2006049021A1 (ja) | 金メッキ液および金メッキ方法 | |
JP2004510053A (ja) | 錫−銅合金層を析出させるための電解質及び方法 | |
JPWO2011102276A1 (ja) | 高純度スルホン酸銅水溶液及びその製造方法 | |
CN110029374A (zh) | 一种无氰碱性镀铜电镀液及电镀工艺 | |
JP6432667B2 (ja) | 錫合金めっき液 | |
TWI837305B (zh) | 電解金電鍍液、其製造方法及金電鍍方法、金錯合物 | |
JP3083679B2 (ja) | めっき用高効率金属錫粒溶解液 | |
JP2001200387A (ja) | 錫−インジウム合金電気めっき浴 | |
JP5591256B2 (ja) | 二価鉄イオン含有水溶液 | |
KR102378276B1 (ko) | 전기도금 용액용 착화제 및 이를 포함하는 전기도금 용액 | |
WO2006068046A1 (ja) | 電気スズおよびスズ合金めっき液 | |
JP3032148B2 (ja) | 粒状金属錫溶解液および錫めっき方法 | |
JP3481378B2 (ja) | めっき浴中の鉄(iii) イオンによる錫スラッジの生成を抑制する方法 | |
JP3062033B2 (ja) | 鉄(iii)イオンによる錫スラッジの生成を抑制する方法 | |
US2512719A (en) | Electrodeposition of tin | |
JP3184005B2 (ja) | 円弧状型めっきセル高電流密度錫めっき方法 | |
US7163915B2 (en) | Aqueous solutions containing dithionic acid and/or metal dithionate for metal finishing | |
JPH0359995B2 (ja) | ||
US2831803A (en) | Electro-deposition of alloys | |
JPS58210188A (ja) | 濃縮ポリマ−光沢剤を含む亜鉛めつき浴 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20000620 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080630 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090630 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090630 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100630 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100630 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110630 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110630 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120630 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130630 Year of fee payment: 13 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |