JPH06345939A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物

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JPH06345939A
JPH06345939A JP7350294A JP7350294A JPH06345939A JP H06345939 A JPH06345939 A JP H06345939A JP 7350294 A JP7350294 A JP 7350294A JP 7350294 A JP7350294 A JP 7350294A JP H06345939 A JPH06345939 A JP H06345939A
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JP
Japan
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polyacetal resin
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component
resin
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JP7350294A
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English (en)
Inventor
Keiichi Miyawaki
恵一 宮脇
Hajime Serizawa
肇 芹澤
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Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリアセタール樹脂とポリスチレン系樹脂と
から成るポリマーブレンドの樹脂間の親和性を改良し、
ポリアセタール樹脂の機械的、熱的特性を損なうことな
く塗装性及び成形収縮率の改良を実現した樹脂組成物を
提供する。 【構成】 (A) 熱可塑性ポリアセタール樹脂100 重量部
と(B) 酸無水物変性ポリスチレン系樹脂1〜100 重量部
とからなるポリアセタール樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性ポリアセター
ル樹脂とポリスチレン系樹脂とから成るポリマーブレン
ドの樹脂間の親和性を改良し、ポリアセタール樹脂の機
械的、熱的特性を損なうことなく塗装性及び成形収縮率
の改良を実現した樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリア
セタール樹脂は、機械的、熱的特性、電気的特性、摺動
性、成形性、成形品の寸法安定性等において優れた特性
を持っており、構造材料や機構部品等として電気機器、
自動車部品、精密機械部品等に広く使用されている。し
かし、結晶性であるがために、成形時の収縮率が大き
く、大型成形品や複雑な形状の成形品の場合、変形を起
こし易い。又、その優れた耐溶剤性が災いし、一般的な
種々の溶剤を用いた方法での塗装は困難である。そのた
め、外装部品等のような用途にはほとんど使用されるこ
とがなかった。この点を改善するために、例えばポリス
チレンやABS等の非結晶性の樹脂をブレンドするなど
の方法が試みられてきたが、添加した樹脂とポリアセタ
ール樹脂との親和性が良くないために、単純に溶融混練
しただけでは分散不良が起きたり、フローマーク等の外
観不良があったり、又、両樹脂間の界面結合強度が不十
分な為にポリアセタール樹脂の優れた特性が損なわれた
り、成形品の表層剥離を起こすといった欠点があり、成
形品として実用化されるまでには至っていない。
【0003】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等はか
かる点について鋭意検討した結果、熱可塑性ポリアセタ
ール樹脂に反応性に富む酸無水物基を持つポリスチレン
系樹脂と、必要によりこれらの反応を促進させるための
触媒を配合することで、ポリアセタール樹脂とポリスチ
レン系樹脂との親和性を改良し、ポリアセタール樹脂の
優れた機械的、熱的特性を損なうことなく優れた塗装性
と低い成形収縮率を備えた成形樹脂材料とすることに成
功し本発明を完成するに到った。即ち本発明は、(A) 熱
可塑性ポリアセタール樹脂100 重量部と(B) 酸無水物変
性ポリスチレン系樹脂1〜100 重量部とからなるポリア
セタール樹脂組成物である。
【0004】以下、本発明の構成成分について説明す
る。本発明におけるポリアセタール樹脂とは、オキシメ
チレン単位(-CH2O-) を主たる繰り返し構成単位とする
高分子化合物を主成分とする熱可塑性樹脂で、ホルムア
ルデヒドもしくはトリオキサン、テトラオキサン等を通
常の方法にて単独重合したもの、又はこれらの2種以上
から成る共重合体、又は該単量体とエチレンオキシド、
プロピレンオキシド、オキサシクロブタン、1,3−ジ
オキソラン等の環状エーテル、β−プロピオラクトン、
γ−ブチロラクトン等の環状エステル、あるいはある種
のビニル化合物等との共重合体が、(A) 成分として使用
される。また、該ポリアセタール樹脂はその分子末端の
一部がエーテル結合、エステル結合等に変換されていて
もよい。更に、該ポリアセタール樹脂の一部または全部
が、例えば下記に示すような方法にて製造された水酸基
含有量の多いポリアセタール樹脂(以下、富水酸基ポリ
アセタール樹脂と称する)であればさらに好ましく、か
かる場合には本発明の効果はより顕著である。また、こ
の場合においてポリアセタール樹脂中の水酸基含有量が
30mmol/kg 以上になれば、特に好ましい結果が得られ
る。上記富水酸基ポリアセタール樹脂を製造する方法と
しては、例えば、トリオキサンをBF3 等のカチオン開始
剤にて重合を行う際に、水、エチレングリコール、グリ
セリン、グリシドール等の水酸基を含有する化合物を少
量添加する方法等があるが、その製法は特に限定するも
のではない。また、その重合度や分岐の有無、ホモポリ
マーか共重合体か、あるいはランダム、ブロック、グラ
フト等の共重合タイプを問わない。又、水酸基の結合部
位も特に制限するものではない。又、この富水酸基ポリ
アセタール樹脂として、分子鎖中に枝分かれ構造を持つ
分岐型のもの(以下、分岐型富水酸基ポリアセタール樹
脂と称する)を使用した場合はより好ましい結果が得ら
れる。ここで、分岐型富水酸基ポリアセタール樹脂と
は、オキシメチレン単位(-CH2O-) を主たる繰り返し構
成単位とする高分子化合物を主成分とする熱可塑性樹脂
で、分子鎖中に枝分かれ構造を有し、水酸基含有量が25
mmol/kg 以上であることを特徴とするものである。分岐
構造を有することを除けば、既に説明したポリアセター
ル樹脂及び富水酸基ポリアセタール樹脂と同様、ホルム
アルデヒドもしくはトリオキサン、テトラオキサン等の
1種又は2種以上、又は該単量体とエチレンオキシド、
プロピレンオキシド、オキサシクロブタン、1,3−ジ
オキソラン、1,4−ブタンジオールホルマール、ジエ
チレングリコールホルマール等の環状エーテル、β−プ
ロピオラクトン、γ−ブチロラクトン等の環状エステ
ル、あるいはある種のビニル化合物等をモノマー及びコ
モノマーとして使用できる。分岐型富水酸基ポリアセタ
ール樹脂は、該モノマー及びコモノマーを通常の方法で
にて重合する際に、更に分岐構造を生ぜしめる為の分岐
剤を少量添加することにより得ることができる。その重
合度や、分岐の度合い、共重合組成比、共重合タイプを
問わない。この分岐型富水酸基ポリアセタール樹脂を製
造する方法としては、例えば、トリオキサンと少量のエ
チレンオキサイドをBF3 等のカチオン開始剤にて重合を
行う際に、グリセリン、グリシドール、グリセロールホ
ルマール等の分岐剤を添加する方法、更にこれに水、エ
チレングリコール等の水酸基を含有する化合物を少量添
加する方法等があるが、その製造方法は特に限定するも
のではなく、分子鎖中の水酸基の結合部位も特に制限す
るものではない。分岐型富水酸基ポリアセタール樹脂中
の水酸基含有量は、25mmol/kg 以上、好ましくは30mmol
/kg 以上である。水酸基含有量が少ない場合、本発明所
期の効果を得ることができない。又、水酸基含有量が25
mmol/kg 以上であれば、その分子末端の一部もしくは全
部がエーテル結合、エステル結合等に変換されていても
よい。一方、分岐に関しては、分岐型富水酸基ポリアセ
タール樹脂を重合する時に所定量の分岐剤を配合したと
しても全ての分子に分岐が導入されるとは限らない為、
製造方法によっては直鎖型のポリアセタール樹脂が含有
されている場合があるが、これにより本発明の効果が損
なわれるものではなく、(A) 成分中における分岐型富水
酸基ポリアセタール樹脂が10重量%以上であれば問題な
い。
【0005】本発明の(B) 成分は、ポリスチレン系樹脂
を酸無水物で変性した酸無水物変性ポリスチレン系樹脂
である。ここで用いられるポリスチレン系樹脂として
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
p−tert−ブチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン等
の芳香族ビニル化合物及びその誘導体の単独重合体、又
はこれらの二種以上から成るランダム、ブロック、又は
グラフト共重合体、又はこれらにアクリル酸、メタクリ
ル酸等のα,β−不飽和酸又はそのエステル等の誘導
体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びこれら
の誘導体、又は酢酸ビニル等のビニルエステル、ビニル
メチルエーテル等のビニルエーテルやこれらのビニル系
化合物の誘導体等のコモノマー成分のうちの1種以上を
含んで成るランダム、ブロック、又はグラフト共重合体
などが挙げられ、その重合度、側鎖や分岐の有無や程
度、共重合組成比等の如何を問わない。又、変性に使用
する酸無水物としては、無水マレイン酸、無水シトラコ
ン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無
水ナジック酸、無水メチルナジック酸、アリル無水コハ
ク酸等の不飽和カルボン酸無水物、またはその誘導体か
ら選ばれる1種以上のものなどが用いられる。また、そ
の変性方法としては、ポリスチレン系樹脂を重合する際
に更に無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物又は
その誘導体を加えて共重合させる方法が一般的である
が、特にその製造法を限定するものではない。ここで、
両成分の配合量は、ポリスチレン系樹脂100重量部に
対して、酸無水物0.1 〜30重量部が適当である。酸
無水物変性ポリスチレン系樹脂中の有効な酸無水物の量
が少なすぎる場合にはポリアセタール樹脂とポリスチレ
ン系樹脂間の親和性が十分に改善されないため、本発明
の効果が得られず、多すぎた場合にはゲル化を起こし、
分散性不良や成形不良の原因になる場合がある。又、
(B) 成分の配合量は(A) 成分100 重量部に対して1〜10
0 重量部、好ましくは5〜50重量部である。(B) 成分の
配合量の低すぎる場合には本発明の効果が十分に発揮さ
れず、あまりに多い場合にはポリアセタール樹脂の特性
を損なってしまう。
【0006】本発明では、(C) 成分のエステル化反応促
進用の触媒は必須成分ではないが、本発明の効果をより
向上させるためには配合することが好ましく、(C) 成分
としては、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4
−ピロリジノピリジン等のピリジン誘導体やそれらの
塩、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチレ
ンジアミン、N,N’−ジメチルピペリジン、ベンジル
メチルアミン、ジメチルアニリン等の三級アミン類及び
その誘導体、トリメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド等の4級アンモニウム塩及びその誘導体、酢酸、安息
香酸等の脂肪族有機酸、芳香族有機酸や酢酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸ナトリウム、パラトルエンスルホン酸
ナトリウム等の有機酸の塩、テトラブチルジルコネー
ト、ジルコニウムナフテート、テトラブチルチタネー
ト、テトラオクチルチタネート、テトラフェニルスズ、
酢酸亜鉛、シュウ酸第一スズ、ナフテン酸亜鉛、鉄アセ
チルアセテート、ナフテン酸マンガン、トリフェニルア
ンチモン、トリブチルアンチモン、トリフェニルビスマ
ス、ジブチルスズジクロライド等の有機金属化合物、塩
化亜鉛、マグネシウムチタネート、マグネシウムジルコ
ネートの各種の金属化合物等が挙げられ、これらの内の
1種以上を添加することが出来る。特に好ましい触媒と
しては、熱安定性、色相等の面からピリジン類もしくは
その誘導体又はそれらの塩及び3級アミンもしくはその
誘導体が挙げられる。(C) 成分の配合量は(A)成分100
重量部に対して5重量部以下が適当であり、好ましくは
0.01〜2重量部である。
【0007】本発明で用いる(D) 成分の充填剤は必ずし
も必須の成分ではないが、機械的強度、耐熱性、寸法安
定性、電気的性質等の性能に優れた成形品を得るために
は配合することが好ましい。(D) 成分としては目的に応
じて繊維状、粉粒状、板状、又は中空状の充填剤が用い
られる。繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベス
ト繊維、カーボン繊維、シリコン繊維、シリカ・アルミ
ナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊
維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、更に、ステンレス、
アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維状物等の
無機質繊維状物質が挙げられ、特にガラス繊維又はカー
ボン繊維が多用される。なお、芳香族ポリアミド樹脂、
フッ素樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機質繊維状物質
も使用することができる。粉粒状充填剤としては、カー
ボンブラック、シリカ,石英粉末、ガラスビーズ、ガラ
ス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、
タルク、クレー、硅藻土、ウォラスナイトの如き硅酸
塩、酸化鉄、酸化チタン、アルミナの如き金属酸化物、
硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸
塩、その他の炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属
粉末等が挙げられる。板状充填剤としては,マイカ、ガ
ラスフレーク、各種金属箔等が挙げられ、中空状充填剤
としては,シラスバルーン、金属バルーン、ガラスバル
ーン等が挙げられる。又、これら充填剤としては、その
表面が有機シラン、有機ボラン、有機チタネート、ウレ
タン等により処理されたものも好ましく用いることがで
きる。これらの充填剤は1種又は2種以上を併用して使
用することが可能である。繊維状充填剤、特にガラス繊
維又はカーボン繊維と、粉粒状又は板状充填剤の併用は
特に機械的強度と寸法精度、電気的性質等を兼備する上
で好ましい組み合わせである。(D) 成分の配合量は(A)
成分100 重量部に対して100 重量部以下であり、添加量
が過大になると成形加工性や靭性を害し好ましくない場
合がある。
【0008】本発明の樹脂組成物に耐衝撃性等を付与す
るために、必要に応じ、(E) 成分としてスチレン系エラ
ストマーを配合することが可能である。
【0009】該スチレン系エラストマーとしては、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert
−ブチルスチレン等の芳香族ビニル化合物及びその誘導
体から選ばれる1種又は2種以上と、ブタジエン、イソ
プレン、1,3 −ペンタジエン等の共役ジエン化合物の1
種又は2種以上とから構成される共重合体、又はこれら
にアクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和酸又は
そのエステル等の誘導体、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル及びこれらの誘導体、又は酢酸ビニル等のビ
ニルエステル、ビニルメチルエーテル等のビニルエーテ
ルやこれらのビニル系化合物の誘導体等のコモノマー成
分のうちの1種以上を含んで成るランダム、ブロック、
又はグラフト共重合体であり、適当な弾性を有するもの
であれば、その重合度、側鎖や分岐の有無や程度、共重
合組成比、架橋や加硫の有無や程度等の如何を問わな
い。又、(E) 成分は水素添加によって炭素−炭素不飽和
結合の量をコントロールされたものであってもかまわな
い。(E) 成分の添加量は、(A) 成分100 重量部に対して
1〜100 重量部であり、好ましくは10〜50重量部であ
る。(E) 成分の添加量が多過ぎると、ポリアセタール樹
脂の優れた熱的、機械的特性が損なわれ本発明所期の効
果が得られない。
【0010】本発明の組成物は、上述した各成分を種々
の方法で溶融混合することで調製される。例えば、アセ
タール樹脂と酸無水物変性ポリスチレン系樹脂及び触媒
の所定量を溶融混練し、冷却した後ペレット状に切断す
る方法が挙げられるが、各成分の配合時期やその方法に
ついては特に限定するものでは無い。なおこの時、必要
に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、光保護剤、亜燐酸
塩安定剤、過酸化物分解剤、塩基性補助剤、増核剤、可
塑剤、潤滑剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤等の添加剤
を本発明の物性を損なわない範囲において任意の量を配
合してもよい。更に、本発明の組成物にはその物性を損
なわない範囲に限り他の重合体を適宜配合することが可
能である。なお、本発明によって得られる組成物は、通
常の方法で成形することが出来る。
【0011】
【発明の効果】本発明によって得られる組成物は、ポリ
アセタール樹脂とポリスチレン系樹脂の親和性を改良す
ることにより、熱的性質や機械的強度においてはポリア
セタール樹脂の優れた性質を保持しつつ、塗装性と成形
収縮率が改善され、分散樹脂の分散不良に基づく成形品
の外観不良や表面剥離もなく、又、塗装のむらや塗膜の
剥離もなく、多くの用途への応用が期待できる。
【0012】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 (A) ポリアセタール樹脂100 重量部と、ポリスチレン樹
脂(住友化学工業(株)製、エスブライト2V)100 重
量部を無水マレイン酸10重量部で変性した(B)無水マレ
イン酸変性ポリスチレンI 5重量部とを、30mmの2軸
押出機にて設定温度190 ℃、スクリュー回転数80rpm で
溶融混練し、ペレット化した。次いで、該ペレットより
射出成形機にて試験片に成形し、下記の評価を行った。
評価結果を表1に示す。 〔表層剥離試験〕試験片表面にセロハンテープを張り付
け、引き剥がした後、剥離状況を目視で評価し、剥離の
見られなかったものを○で、見られたものを×とした。 〔成形収縮率〕ASTM D955 に準じ、12.7mm×127mm 、厚
さ3.2mm の試験片成形後の収縮率を測定した。 〔碁盤目テープ試験〕試験片をメタノールで脱脂した
後、プライマー(日本油脂(株)製、プライマック1000
S )で処理し、ウレタン系塗料(関西ペイント(株)
製、ソフレックス500 )を塗装し、乾燥させた後、JIS
K5400 に準じ、塗膜面に1mm間隔で100 個の碁盤目を作
り、セロハンテープを張り付け、引き剥がした後、剥離
状況を目視で評価し、10点法で判定した。
【0013】実施例2〜4 表1に示す如く、(B) 無水マレイン酸変性ポリスチレン
Iの配合量を変化させた以外は実施例1と同様にして試
験片を作製し、同様に評価した。組成と評価結果を表1
に示す。 比較例1 ポリアセタール樹脂単独の配合にて、実施例1と同様に
して試験片を作製し、同様に評価した。組成と評価結果
を表1に示す。 比較例2 (B) 無水マレイン酸変性ポリスチレンIに代えて、ポリ
スチレン樹脂100 重量部をマレイン酸10重量部で変性し
たマレイン酸変性ポリスチレンを用いた以外は実施例2
と同様にして試験片を作製し、同様に評価した。組成と
評価結果を表1に示す。
【0014】比較例3 (B) 無水マレイン酸変性ポリスチレンIに代えて、未変
性のポリスチレン樹脂を用いた以外は実施例2と同様に
して試験片を作製し、同様に評価した。組成と評価結果
を表1に示す。
【0015】実施例5〜6 表1に示す如く、更に(C) 触媒としてジメチルアミノピ
リジンを配合した以外は実施例2と同様にして試験片を
作製し、同様に評価した。組成と評価結果を表1に示
す。 実施例7 (B) 無水マレイン酸変性ポリスチレンIに代えて、無水
マレイン酸変性率をポリスチレン100 重量部に対して5
重量部とした無水マレイン酸変性ポリスチレンIIを用い
た以外は、実施例2と同様にして試験片を作製し、同様
に評価した。組成と評価結果を表1に示す。 実施例8 (B) 無水マレイン酸変性ポリスチレンIに代えて、無水
マレイン酸変性率をポリスチレン100 重量部に対して25
重量部とした無水マレイン酸変性ポリスチレンIII を用
いた以外は実施例2と同様にして試験片を作製し、同様
に評価した。組成と評価結果を表1に示す。
【0016】実施例9 (C) 触媒として、ジメチルアミノピリジンに代えてトリ
エチレンジアミン0.4重量部を用いた以外は実施例5、
6と同様にして試験片を作製し、同様に評価した。組成
と評価結果を表2に示す。 実施例10 (C) 触媒として、トリエチレンジアミン0.4 重量部に代
えて酢酸ナトリウムを0.2 重量部を用いた以外は実施例
9と同様にして試験片を作製し、同様に評価した。組成
と評価結果を表2に示す。 比較例4〜5 (B) 無水マレイン酸変性ポリスチレンIに代えて、未変
性ポリスチレンを用いた以外は実施例9、10と同様に
して試験片を作製し、同様に評価した。組成と評価結果
を表2に示す。
【0017】実施例11 (A) ポリアセタール樹脂100 重量部と、AS樹脂(日本
合成ゴム(株)製、JSRAS230)100 重量部を無
水マレイン酸10重量部で変性した(B) 無水マレイン酸変
性AS樹脂30重量部を混合し、実施例2と同様に試験片
を作成し、評価した。評価結果を表3に示す。 実施例12 (B) の配合量を変化させ、更に(C) 成分としてジメチル
アミノピリジンを配合した以外は実施例11と同様に試
験片を作成し、評価した。評価結果を表3に示す。 比較例6〜7 (B) 無水マレイン酸変性ASに代えて未変性のAS樹脂
を用いた以外は実施例11、12と同様に試験片を作成
し、評価した。評価結果を表3に示す。 実施例13〜14、比較例8〜11 更に(D) 成分としてガラスファイバーを配合した場合に
ついて、前記実施例及び比較例と同様に評価した。評価
結果を表3に示す。
【0018】実施例15、比較例12〜13 (D) 成分としてガラスファイバーに代えてタルクを用い
た以外は前記実施例及び比較例と同様に評価した。評価
結果を表4に示す。 実施例16、比較例14〜15 (D) 成分としてタルクに代えてマイカを用いた以外は前
記実施例及び比較例と同様に評価した。評価結果を表4
に示す。 実施例17、比較例16〜17 (D) 成分としてマイカに代えてガラスバルーンを用いた
以外は前記実施例及び比較例と同様に評価した。評価結
果を表4に示す。 実施例18、比較例18〜19 (D) 成分としてガラスファイバーとタルクを併用した以
外は前記実施例及び比較例と同様に評価した。評価結果
を表4に示す。
【0019】実施例19〜20、比較例20〜21 (A) 成分として、水酸基含有量100mmol/kgの富水酸基ポ
リアセタール樹脂を用いた以外は、前記実施例及び比較
例と同様にして試験片を作製し、同様に評価した。組成
と評価結果を表5に示す。
【0020】実施例21 (A) ポリアセタール樹脂100 重量部と、(B) 無水マレイ
ン酸変性ポリスチレンI 25重量部を配合した後、更に
(E) 成分としてSEBS樹脂(シェル化学(株)製、ク
レイトンG1657X)25重量部を配合し、実施例1と
同様に試験片を作成し、評価した。評価結果を表6に示
す。 比較例22 (B) 無水マレイン酸変性ポリスチレンIに代えて、未変
性のポリスチレン樹脂を用いた以外は実施例21と同様
に評価した。評価結果を表6に示す。 実施例22 (E) SEBS樹脂に代えて、ABS樹脂(日本合成ゴム
(株)製、JSRABS12)を用いた以外は実施例2
1と同様に評価した。評価結果を表6に示す。 実施例23 (B) 無水マレイン酸変性ポリスチレンIに代えて、無水
マレイン酸変性ASを用いた以外は実施例22と同様に
評価した。評価結果を表6に示す。 比較例23 (B) 無水マレイン酸変性ポリスチレンIに代えて、未変
性のポリスチレン樹脂を用いた以外は実施例22と同様
に評価した。評価結果を表6に示す。 比較例24 (B) 無水マレイン酸変性ASに代えて、未変性のAS樹
脂を用いた以外は実施例23と同様に評価した。評価結
果を表6に示す。
【0021】実施例24〜26 (A) 成分として、水酸基含有量が300mmol/kg以上の分岐
型ポリアセタール樹脂を夫々40、15、7.5 重量%含有す
るポリアセタール樹脂100 重量部、(B) 成分として無水
マレイン酸変性AS 40 重量部を配合し、前記実施例と
同様にして試験片を作成し評価した。組成と評価結果を
表7に示す。 実施例27 (C) 触媒としてジメチルアミノピリジン0.4 重量部を添
加した以外は実施例24と同様にして試験片を作成し評
価した。組成と評価結果を表7に示す。 比較例25 (B) 無水マレイン酸変性ASに代えて未変性のASを用
いた以外は実施例24と同様にして試験片を作成し評価
した。組成と評価結果を表7に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25/00 LEA

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 熱可塑性ポリアセタール樹脂100 重量
    部と(B) 酸無水物変性ポリスチレン系樹脂1〜100 重量
    部とからなるポリアセタール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】更に、(A) 成分100 重量部に対して、(C)
    成分としてエステル化反応触媒5重量部以下を配合して
    成る請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】更に、(A) 成分100 重量部に対して、(D)
    成分として繊維状充填剤、粉粒状充填剤、板状充填剤及
    び中空状充填剤から選ばれる1種以上の充填剤100 重量
    部以下を配合して成る請求項1又は2記載のポリアセタ
    ール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(B) 酸無水物変性ポリスチレン系樹脂が、
    ポリスチレン系樹脂100 重量部を酸無水物0.1 〜30重量
    部で変性したものである請求項1〜3の何れか1項記載
    のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(C) エステル化反応触媒が、ピリジン類も
    しくはその誘導体又はそれらの塩及び3級アミンもしく
    はその誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上
    である請求項2〜4の何れか1項記載のポリアセタール
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(C) エステル化反応触媒が、4級アンモニ
    ウム塩もしくはその誘導体、脂肪族有機酸、芳香族有機
    酸又はそれらの塩、有機金属化合物、塩化亜鉛、マグネ
    シウムチタネート及びマグネシウムジルコネートからな
    る群より選ばれる1種又は2種以上である請求項2〜4
    の何れか1項記載のポリアセタール樹脂組成物。
  7. 【請求項7】(A) ポリアセタール樹脂が、樹脂中の水酸
    基の含有量が30mmol/kg 以上のものである請求項1〜6
    の何れか1項記載のポリアセタール樹脂組成物。
  8. 【請求項8】更に(E) 成分として、スチレン系エラスト
    マーを、(A) 成分100 重量部に対して1〜100 重量部配
    合してなる請求項1〜7の何れか1項記載のポリアセタ
    ール樹脂組成物。
  9. 【請求項9】(A) 成分が、分子鎖中に枝分かれ構造を持
    った水酸基含有量が25mmol/kg 以上の分岐型ポリアセタ
    ール10重量%以上を含有する熱可塑性ポリアセタール樹
    脂である請求項1〜8の何れか1項記載のポリアセター
    ル樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009167426A (ja) * 2002-03-05 2009-07-30 Ticona Gmbh ポリオキシメチレン成形用化合物及びそれらから製造した成形品
JP2015000956A (ja) * 2013-06-17 2015-01-05 旭化成ケミカルズ株式会社 樹脂組成物、その製造方法、成形体、板状成形体、及びシート

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JP2015000956A (ja) * 2013-06-17 2015-01-05 旭化成ケミカルズ株式会社 樹脂組成物、その製造方法、成形体、板状成形体、及びシート

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