JPH06345876A - 強化された樹脂成形品 - Google Patents

強化された樹脂成形品

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JPH06345876A
JPH06345876A JP14238493A JP14238493A JPH06345876A JP H06345876 A JPH06345876 A JP H06345876A JP 14238493 A JP14238493 A JP 14238493A JP 14238493 A JP14238493 A JP 14238493A JP H06345876 A JPH06345876 A JP H06345876A
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vinyl alcohol
mol
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洋 三宅
Kaoru Ikeda
薫 池田
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 末端に官能基を有するビニルアルコール系重
合体(A)からなるマトリクス相および該官能基と反応
する官能基を有する熱可塑性重合体(B)の粒子からな
る分散相で構成され、かつ重合体(B)の粒子の平均粒
子壁間距離(τ)が50nm〜150nmの範囲にある強化
された樹脂成形品。 【効果】 本発明の樹脂成形品は、ガスバリアー性の要
求される食品、医薬、医療器材、衣料等の包装容器とし
て、またガスバリアー性および機械的性質(特に衝撃強
度)の要求される非食品分野の容器、タンク、パイプ
(例えばガソリンなどの燃料用)として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的性質の優れた樹
脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビニルアルコール系重合体は単独
では機械的性質が不十分であった。これを改善するため
にポリオレフィンなどの熱可塑性重合体をブレンドする
などの方法が採られていたが、これらの方法によって得
られる樹脂組成物の機械的性質はビニルアルコール系重
合体単独のそれと比較した場合、飛躍的に改善されてい
るとは言いがたい。
【0003】この問題を解決するために、末端にアルキ
ル基を導入したエチレン−ビニルアルコール系共重合体
とオレフィン系重合体をブレンドする方法(特開昭63
−202638号)や、エチレン−ビニルアルコール系
共重合体とエポキシ基を導入したオレフィン系重合体を
ブレンドする方法(特開平3−88837号)が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
では依然として機械的性質の改善効果は十分でない。本
発明の目的は、ビニルアルコール系重合体からなるマト
リクス相および熱可塑性重合体の粒子からなる分散相で
構成される強化された樹脂成形品を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、末端に官能
基を有するビニルアルコール系重合体(A)からなるマ
トリクス相および該官能基と反応する官能基を有する熱
可塑性重合体(B)の粒子からなる分散相で構成され、
かつ重合体(B)の粒子の平均粒子壁間距離(τ)が5
0nm〜150nmの範囲にある強化された樹脂成形品を提
供することによって達成される。
【0006】分散粒子の平均粒子壁間距離(τ)は数1
で表される。
【0007】
【数1】
【0008】平均粒子壁間距離(τ)は平均粒子径
(d)に比例し、その比例定数は分散粒子の体積分率の
増加とともに減少する。平均粒子壁間距離(τ)を使用
する意味は、分散粒子の体積分率(φ)と平均粒子径
(d)を同時に制御すべきであることを明確に表すこと
にある。本発明によれば、平均粒子壁間距離(τ)を5
0nm〜150nmの範囲とすることにより、強化された、
特に耐衝撃性の優れた樹脂成形品を得ることができる。
このことは後述する実施例の記載から明らかである。
【0009】次に本発明において必要なことは、末端に
官能基を有するビニルアルコール系重合体(A)を使用
することである。この重合体(A)は、末端に官能基を
有し、かつ主鎖中にビニルアルコール単位を含有する重
合体である。その中でも、官能基を末端だけに有するビ
ニルアルコール系重合体が好ましく、該官能基を片末端
だけに有するビニルアルコール系重合体がより好まし
い。ビニルアルコール系重合体の末端に官能基を導入す
ることにより、極めて優れた機械的性質を有する樹脂成
形品が得られるが、このことは側鎖に官能基を含有させ
ることを排除するものではない。ただし、ビニルアルコ
ール系重合体の側鎖の官能基は、過度の架橋やゲル化の
原因となるので、その含有量はできる限り少量であるこ
とが望まれる。具体的には、0.5モル%未満が好まし
く、0.3モル%未満がより好ましく、0.1モル%未
満がさらにより好ましい。
【0010】ビニルアルコール系重合体(A)の官能基
は後述する熱可塑性重合体(B)の官能基と反応するも
のであれば特に限定されるものではないが、必要のない
分子内環化あるいは分子間架橋を防ぐために、水酸基と
全くあるいはほとんど反応しない官能基が望まれる。後
述する熱可塑性重合体(B)の官能基との反応性等を考
え併せると、アミノ基が好ましく、その中でも一級アミ
ノ基またはアルキル置換された二級アミノ基がより好ま
しい。一級アミノ基またはアルキル置換された二級アミ
ノ基の例としては、アミノ基、メチルアミノ基、エチル
アミノ基、ブチルアミノ基、ヒドラジド基、N−メチル
ヒドラジド基等が挙げられる。また、カルボキシル基ま
たはカルボン酸塩も重合体(A)の官能基として好まし
い。カルボン酸塩の例としては、カルボン酸ナトリウ
ム、カルボン酸アンモニウム等が挙げられる。
【0011】ビニルアルコール系重合体(A)中のビニ
ルアルコール単位の含有量は特に制限はないが、10〜
90モル%が好ましく、30〜80モル%がより好まし
く、40〜75モル%がさらにより好ましい。ビニルア
ルコール系重合体(A)中のけん化されていないビニル
エステル単位は、該重合体の結晶化度を低下させるの
で、その含有量はできる限り少量であることが望まれ
る。具体的には、20モル%未満が好ましく、5モル%
未満がより好ましく、1モル%未満がさらにより好まし
い。
【0012】ビニルアルコール系重合体(A)が共重合
体である場合のビニルアルコール単位以外の構成単位の
例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリ
ン酸ビニル、エチレン、プロピレン、アクリルアミド、
メタクリルアミド、メチルビニルエーテル、アリルアル
コール、ビニルトリメチルシラン等が挙げられる。
【0013】ビニルアルコール系重合体(A)の種類は
特に制限はないが、可塑剤を添加しなくてもそれ自体が
熱可塑性であるものが好ましい。また、ビニルアルコー
ル系重合体(A)のメルトインデックス(以下MIと記
す。2160g の荷重下、190℃で測定した値。ただ
し、190℃での測定が困難なものは、2160g の荷
重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで
絶対温度の逆数を横軸、MIを縦軸としてプロットして
190℃に外挿した値)は特に制限はないが、0.1〜
100 g/10分が好ましい。ビニルアルコール系重合体
(A)が熱可塑性でない場合、あるいはビニルアルコー
ル系重合体(A)のMIが0.1 g/10分未満の場合
は、グリセリン、エチレングリコール等の多価アルコー
ル系可塑剤またはこれらの混合物を添加して、MIを適
当な値に調節することが好ましい。
【0014】上記の条件を満たすビニルアルコール系重
合体(A)の中でも、エチレン−ビニルアルコール系共
重合体は溶融成形が可能であり、かつガスバリアー性に
優れているので特に好ましい。
【0015】本発明において好適に使用される、末端に
アミノ基を有するビニルアルコール系重合体、例えば、
化1あるいは化2で表されるアミノ基を末端に有するビ
ニルアルコール系重合体の製造方法を述べる。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】第一の製造方法は、末端にエステル結合が
導入されたビニルアルコール系重合体を、一級アミン、
二級アミンまたはアンモニアと反応させることにより、
末端にアミノ基を有するビニルアルコール系重合体を製
造する方法である。該重合体の中でも、けん化度が50
モル%以上のものを製造する方法としては、この方法が
好ましい。
【0019】末端にエステル結合が導入されたビニルア
ルコール系重合体は、ビニルエステルの重合によって得
られたビニルエステル系重合体を加溶媒分解した後、さ
らに酸処理することによって得られる。ビニルエステル
系重合体を構成するビニルエステル単位の例としては、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等
が挙げられる。また、ビニルエステル系重合体が共重合
体である場合のビニルエステル単位以外の構成単位の例
としては、エチレン、プロピレン、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、メチルビニルエーテル、アリルアルコ
ール、ビニルトリメチルシラン等が挙げられる。
【0020】ビニルエステルの重合において、エステル
結合中のカルボニル基のα位に水素を有していないビニ
ルエステルの重合は化3で表される溶媒中で行われる。
また、化4で表されるビニルエステルの重合は、無溶媒
または化3で表される溶媒中で行われる。化4で表され
るビニルエステルの例としては、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】ビニルエステル系重合体の末端以外の主鎖
中に含まれる、カルボキシル基、ラクトン環、あるいは
カルボキシル基に変換しうる官能基等のエステル基を含
む単位は、反応時に側鎖のアミノ基が生成される原因と
なるので、その含有量はできる限り少量であることが望
まれる。具体的には、0.5モル%未満が好ましく、
0.3モル%未満がより好ましく、0.1モル%未満が
さらにより好ましい。
【0024】ビニルエステル系重合体の加溶媒分解の条
件には特に制限はないが、アルカリ触媒による加溶媒分
解が好ましく、NaOH、KOH、CH↓3ONa、C
H↓3OKを触媒として用いた加メタノール分解が特に
好ましい。加溶媒分解時のアルカリ触媒量は、ビニルエ
ステル系重合体中のビニルエステル単位100モルに対
して 0.02〜200モルが好ましい。加溶媒分解の
温度は、室温〜120℃が好ましい。
【0025】ビニルエステル系重合体の加溶媒分解後の
残存エステル基は、後の反応においてアミン類の余分な
消費の原因となるので、その含有量はできる限り少量で
あることが望まれる。具体的には、10モル%未満が好
ましく、5モル%未満がより好ましく、1モル%未満が
さらにより好ましい。
【0026】加溶媒分解後の重合体の酸処理の条件には
特に制限はないが、反応溶媒としてはメタノール、エタ
ノール、エチレングリコール等のアルコール類が好まし
い。触媒としては硫酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸
等が好ましい。また、酸処理の反応温度は室温〜150
℃が好ましい。
【0027】末端にアミノ基を有するビニルアルコール
系重合体は、上記で説明したような末端にエステル結合
が導入されたビニルアルコール系重合体と、一級アミ
ン、二級アミンまたはアンモニアを反応させることによ
って得られる。反応させるアミン類としては化5あるい
は化6で表される一級アミノ基または二級アミノ基を有
するアルキレンジアミン類あるいはヒドラジン類が好ま
しい。また、これらのジアミン類あるいはヒドラジン類
は本発明の効果を阻害しない範囲でエーテル結合や水酸
基等の官能基を有していても良い。このようなジアミン
類あるいはヒドラジン類の例としては、エチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、メチルヒド
ラジン等が挙げられる。
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】反応条件は特に制限はないが、反応物の反
応性によって適宜選択される。ジアミン類あるいはヒド
ラジン類の仕込量は、ビニルアルコール系重合体に導入
される量の2倍量〜大過剰量が好ましい。反応溶媒とし
てはメタノール、エチレングリコール、ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホキシド等が好ましい。また、反
応温度は室温〜200℃が好ましい。さらに、触媒とし
てNaOH、KOH、CH↓3ONa、CH↓3OK、
酢酸、硫酸等を用いることにより反応速度を上げること
ができる。
【0031】第二の製造方法は、ビニルエステル系重合
体を、一級アミン、二級アミンまたはアンモニアと反応
させることにより、末端にアミノ基を有するビニルアル
コール系重合体を製造する方法である。該重合体の中で
もけん化度が50モル%以下のものを製造する方法とし
ては、この方法が好ましい。
【0032】ビニルエステル系重合体を構成するビニル
エステル単位の例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられる。また、ビニ
ルエステル系重合体が共重合体である場合のビニルエス
テル単位以外の構成単位の例としては、エチレン、プロ
ピレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルビ
ニルエーテル、アリルアルコール、ビニルトリメチルシ
ラン等が挙げられる。
【0033】末端にアミノ基を有するビニルアルコール
系重合体は、上記で説明したようなビニルエステル系重
合体と、一級アミン、二級アミンまたはアンモニアを反
応させることによって得られる。反応条件は特に制限は
ないが、反応物の反応性によって適宜選択される。ビニ
ルエステル系重合体とジアミン類あるいはヒドラジン類
の仕込量の比は、ビニルエステル系重合体のモノマー単
位に対して0.2〜100モル%が好ましく、1〜10
モル%がより好ましい。反応溶媒としてはメタノール、
エタノール、ジメチルスルホキシド等が好ましく、その
中でもメタノールがより好ましい。反応温度は室温〜1
00℃が好ましい。また、反応時間は10〜300分が
好ましい。
【0034】本発明において好適に使用される、末端に
カルボキシル基またはカルボン酸塩を有するビニルアル
コール系重合体の製造方法を述べる。
【0035】末端にカルボキシル基またはカルボン酸塩
を有するビニルアルコール系重合体は、種々の方法で製
造可能であるが、最も経済的かつ効率的な製造方法はカ
ルボキシル基またはカルボン酸塩を含有するチオールの
存在下で、ビニルエステルを重合し、得られたビニルエ
ステル系重合体をけん化する方法である。
【0036】ビニルエステル系重合体を構成するビニル
エステル単位の例としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル等が挙げられる。また、ビニルエステル系重合体が共
重合体である場合のビニルエステル単位以外の例として
は、エチレン、プロピレン、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、メチルビニルエーテル、アリルアルコール、
ビニルトリメチルシラン等が挙げられる。
【0037】ビニルエステル系重合体の重合時に用いら
れるカルボキシル基またはカルボン酸塩を含有するチオ
ールとしては、化7または化8で表されるものが挙げら
れる。
【0038】
【化7】
【0039】
【化8】
【0040】カルボキシル基またはカルボン酸塩を含有
するチオールの重合系への添加量および添加方法には特
に制限はないが、反応系中のチオールの量がビニルエス
テル系単量体等に対してあまり変化しないようにするこ
とが好ましい。
【0041】ビニルエステルの重合に用いられる溶媒に
は特に制限はないが、アルコールが好ましく、その中で
もメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブ
タノール等がより好ましく、メタノールがさらにより好
ましい。
【0042】ビニルエステル系重合体の加溶媒分解の条
件には特に制限はないが、アルカリ触媒による加溶媒分
解が好ましく、NaOH、KOH、CH↓3ONa、C
H↓3OKを触媒として用いた加メタノール分解が特に
好ましい。加溶媒分解の温度は、60〜175℃が好ま
しい。
【0043】上記の反応によって得られた末端にアミノ
基またはカルボキシル基、カルボン酸塩を有するビニル
アルコール系重合体は、公知の方法によってさらにけん
化することができる。
【0044】本発明に使用される官能基を有する熱可塑
性重合体(B)は、オレフィン系重合体やビニル系重合
体の主鎖中に官能基を含む単位が存在しているもの、あ
るいはオレフィン系重合体やビニル系重合体の主鎖から
分岐して官能基を含む単位が存在しているものである。
【0045】熱可塑性重合体(B)の官能基は、重合体
(A)の官能基と反応するものであれば特に制限はない
が、過度の架橋やゲル化を防ぐために水酸基と全くある
いはほとんど反応しない官能基が望まれる。具体的に
は、アミノ基と反応する官能基としてエポキシ基、無水
環、オキサゾリン環等が挙げられる。また、カルボキシ
ル基またはカルボン酸塩と反応する官能基としてエポキ
シ基等が挙げられる。重合体(B)が水酸基と反応する
官能基を持つ重合体である場合は、混練条件を調節して
重合体(B)の官能基と水酸基の反応を抑えることが好
ましい。
【0046】これらの官能基を有する熱可塑性重合体
(B)は、該官能基を有する単量体とオレフィン系モノ
マーまたはビニル系モノマーを共重合することによって
得られる。ほかに、オレフィン系重合体またはビニル系
重合体に、該官能基を有する単量体をパーキサイド、
熱、光または放射線等の開始剤を用いてグラフト重合す
る方法もある。オレフィン系重合体およびビニル系重合
体を構成する単量体としては、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、
1−オクテン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバ
リン酸ビニル、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オク
チルアクリレート、ドデシルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタ
クリレート、ドデシルメタクリレート、塩化ビニル、フ
ッ化ビニル、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げら
れる。官能基を有する単量体としては、グリシジルメタ
クリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジ
ルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、無水マレイン
酸、イタコン酸無水物、2−ビニルオキサゾリン、2−
(4−ビニルフェニル)オキサゾリン等が挙げられる。
【0047】熱可塑性重合体(B)のMI(測定条件は
重合体(A)のMIの測定条件と同じ)は特に制限はな
いが、0.1〜1000 g/10分が好ましく、0.5〜
500 g/10分がより好ましく、0.5〜100 g/10
分がさらにより好ましい。
【0048】本発明の樹脂成形品はビニルアルコール系
重合体(A)と熱可塑性重合体(B)からなるが、それ
以外に末端に官能基を有しないビニルアルコール系重合
体(C)または該官能基と反応する官能基を有しない熱
可塑性重合体(D)を含有していても良い。
【0049】ビニルアルコール系重合体(C)は重合体
(A)と共にマトリクス相を形成すべきものであるの
で、重合体(A)と重合体(C)は互いに相溶するもの
でなければならない。具体的には、重合体(C)は重合
体(A)のベースポリマーと同種のポリマーであること
が好ましい。前述のように、重合体(A)のベースポリ
マーとしてはエチレン−ビニルアルコール系共重合体が
好適に用いられるが、この場合、重合体(C)としても
エチレン−ビニルアルコール系共重合体が好ましい。同
様に、熱可塑性重合体(D)も重合体(B)のベースポ
リマーと同種のポリマーであることが好ましい。
【0050】ビニルアルコール系重合体成分([(A)
+(C)])と熱可塑性重合体成分([(B)+
(D)])の重量配合比は、ビニルアルコール系重合体
成分([(A)+(C)])がマトリクス相を形成し、
熱可塑性重合体成分([(B)+(D)])が分散相を
形成するように決定される。具体的には、重合体成分
[(A)+(C)]50〜99重量%、重合体成分
[(B)+(D)]1〜50重量%が好ましく、重合体
成分[(A)+(C)]55〜90重量%、重合体成分
[(B)+(D)]10〜45重量%がより好ましい。
【0051】本発明に使用されるビニルアルコール系重
合体成分[(A)+(C)]中のアミノ基などの官能基
は、着色や過剰な架橋等の原因となる。一方、本発明に
使用される熱可塑性重合体成分[(B)+(D)]中の
官能基は、その種類によって状況は異なるがやはり過剰
な架橋の原因となる。従って、これらの官能基は重合体
成分[(A)+(C)]と重合体成分[(B)+
(D)]の混合過程においてできる限り消費されること
が望まれる。具体的には、混合初期(未反応の状態)の
段階において、アミノ基などの官能基と反応する官能基
の量はアミノ基などの官能基1個に対して1〜40個が
好ましく、5〜30個がより好ましく、10〜20個が
さらにより好ましい。また、これらの官能基の反応によ
り生成するグラフト共重合体は両成分の相溶化剤とな
り、平均粒子壁間距離(τ)に直接関与するので、グラ
フト共重合体の生成量をビニルアルコール系重合体
(A)の官能基の絶対量で制御することが望まれる。好
適なビニルアルコール系重合体(A)の官能基の絶対量
はビニルアルコール系重合体(A)の官能基の種類によ
って若干異なるが、例えば官能基がアミノ基の場合、混
合初期(未反応の状態)の段階において、1.0×10
-5当量/g (重合体成分[(A)+(C)]のg 数)以
上が好ましく、官能基がカルボキシル基またはカルボン
酸塩の場合、同様に2.5×10-5当量/g 以上が好ま
しい。
【0052】上記の範囲で重合体成分[(A)+
(C)]と重合体成分[(B)+(D)]を混合して成
形することにより、分散相である重合体成分[(B)+
(D)]の平均粒子壁間距離(τ)が50nm〜150nm
の範囲にある成形品を得ることができる。
【0053】樹脂成形品が十分な機械的性質を持つよう
な平均粒子壁間距離(τ)は、熱可塑性重合体成分
[(B)+(D)]の種類によって若干変化する。具体
的には、重合体成分[(B)+(D)]が低密度ポリエ
チレンの場合は50nm〜70nmが好ましく、エチレン−
プロピレン共重合体の場合は50nm〜130nmが好まし
く、ポリスチレン−水添ポリイソプレンブロック共重合
体の場合は50nm〜150nmが好ましい。
【0054】ブレンドの方法には、バンバリミキサーに
よる方法、単軸あるいは二軸スクリュー押出機による溶
融ブレンド方法などの方法が採用できる。また、このブ
レンドの際に、本発明の作用効果が阻害されない範囲で
他の添加剤、例えば酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤
等を配合できる。
【0055】本発明の樹脂成形品の具体例としては、チ
ューブ、カップ、ボトル、袋(パウチなど)、タンクな
どの容器、容器の蓋、あるいは繊維、棒、パイプ、さら
にはフィルム、シート等が挙げられる。これらの樹脂成
形品はそれぞれに好適な溶融成形方法(T−ダイ押出、
インフレーション押出、ブロー成形、延伸ブロー成形、
射出成形、プレス成形等)で成形することができる。ま
た、多層共押出、共射出または押出コーティング等の方
法により容易に他の熱可塑性樹脂との多層積層体を製造
できる。他の熱可塑性樹脂の例としては、ポリオレフィ
ン、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられる。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。なお、以下の合成例、実施例および
比較例において特に断らない限り、「%」「部」は重量
比である。
【0057】合成例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体の合成:攪拌機付きのオ
ートクレーブを十分に窒素置換し、酢酸ビニル905g
、酢酸メチル1207g および2,2−アゾビスイソ
ブチロニトリル1.256g を仕込んだ。系内の窒素を
エチレンで置換した後、エチレンを導入して内圧を14
kg/cm↑2 とした。次に、オートクレーブを60℃に昇
温し、反応を開始した。この時の内圧は29.5kg/cm
↑2 であった。5時間後、オートクレーブを室温に冷却
して反応を停止した。反応液をヘキサンで再沈して得ら
れた共重合体を、40℃で12時間熱風乾燥し、さらに
100℃で12時間真空乾燥して、エチレン含量43モ
ル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を得た。収率は3
3.7%であった。
【0058】合成例2 エチレン−ビニルアルコール共重合体の合成:攪拌機お
よび蒸留器付きのセパラブルフラスコに、合成例1で得
られたエチレン−酢酸ビニル共重合体338g およびメ
タノール800g を仕込んだ。セパラブルフラスコを6
5℃に昇温した後、水酸化ナトリウム30g を添加し、
加溶媒分解反応を開始した。副反応により生成する酢酸
メチルおよびメタノールは反応進行と並行して留去し
た。反応開始から1時間後、水酸化ナトリウム30g を
追加添加し、さらに2時間経てから反応を停止した。得
られた反応液を酢酸150g で中和した後、蒸留水で再
沈した。得られた共重合体を粉砕し、蒸留水で洗浄した
後、100℃で5時間熱風乾燥し、さらに100℃で1
2時間真空乾燥して、エチレン含量43モル%、けん化
度99.5モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合
体を得た。
【0059】合成例3 片末端にエステル結合を有するエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体の合成:攪拌機付きのオートクレーブに、
合成例2で得られたエチレン−ビニルアルコール共重合
体120g 、メタノール500g および硫酸0.5g を
仕込み、90℃に昇温して反応を開始した。2時間後、
オートクレーブを60℃に冷却して反応を停止した。得
られた反応液を酢酸ナトリウムの10%メタノール溶液
50mlで中和した後、蒸留水で再沈した。得られた共重
合体を粉砕し、蒸留水で洗浄した後、100℃で5時間
熱風乾燥し、さらに100℃で12時間真空乾燥して、
エチレン含量43モル%、けん化度99.8モル%の片
末端にエステル結合を有するエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体を得た。
【0060】合成例4 片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体の合成:攪拌機付きの反応器に、合成例3
で得られた片末端にエステル結合を有するエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体50g 、メタノール100g 、
水和ヒドラジン20g (0.4モル)および水酸化ナト
リウムの2モル/l メタノール溶液5mlを仕込み、65
℃に昇温して反応を開始した。3時間後、反応器を室温
に冷却して反応を停止した。得られた反応液を蒸留水で
再沈し、ゲル状となった共重合体を蒸留水で洗浄した
後、100℃で5時間熱風乾燥し、さらに100℃で1
2時間真空乾燥して、エチレン含量43モル%、けん化
度99.9モル%の片末端にヒドラジド基を有するエチ
レン−ビニルアルコール共重合体を得た。
【0061】得られた共重合体にトリニトロベンゼンス
ルホン酸ナトリウムを加えてヒドラジド基と反応させ、
紫外可視スペクトルの吸光度により定量した結果、該共
重合体中のヒドラジド基の量は6.1×10-5当量/g
であった。また、該共重合体のMIは850 g/10分で
あった。
【0062】合成例5 片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体の合成:攪拌機付きのオートクレーブに、
合成例2と同様な方法で合成したエチレン含量32モル
%、けん化度99.5モル%のエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体100g 、メタノール400g および硫酸
0.5g を仕込み、60℃に昇温して反応を開始した。
2時間後、反応液に水和ヒドラジン25g を添加して1
20℃に昇温し、さらに4時間経てからオートクレーブ
を室温に冷却して反応を停止した。得られた反応液を蒸
留水で再沈し、ゲル状となった共重合体を蒸留水で洗浄
し粉砕した。さらに0.3 g/l の酢酸水溶液でよく洗
浄した後、60℃で10時間熱風乾燥し、さらに100
℃で12時間真空乾燥して、エチレン含量32モル%、
けん化度99.9モル%の片末端にヒドラジド基を有す
るエチレンビニルアルコール共重合体を得た。
【0063】得られた共重合体のヒドラジド基を合成例
4と同様の方法により定量した結果、該共重合体中のヒ
ドラジド基の量は3.2×10-5当量/g であった。ま
た、該共重合体のMIは1.6 g/10分であった。
【0064】合成例6 片末端にN−(2−アミノエチル)アミド基を有するエ
チレン−ビニルアルコール共重合体の合成:攪拌機付き
のオートクレーブに、合成例2と同様な方法で合成した
エチレン含量32モル%、けん化度99.5モル%のエ
チレン−ビニルアルコール共重合体100g 、メタノー
ル400g および硫酸0.5g を仕込み、60℃に昇温
して反応を開始した。2時間後、反応液にエチレンジア
ミン60g を添加して120℃に昇温し、さらに4時間
経てからオートクレーブを室温に冷却して反応を停止し
た。得られた反応液を蒸留水で再沈し、ゲル状となった
共重合体を蒸留水で洗浄し粉砕した。さらに0.3 g/
l の酢酸水溶液でよく洗浄した後、60℃で10時間熱
風乾燥し、さらに100℃で12時間真空乾燥して、エ
チレン含量32モル%、けん化度99.8モル%の片末
端にN−(2−アミノエチル)アミド基を有するエチレ
ンビニルアルコール共重合体を得た。
【0065】得られた共重合体のN−(2−アミノエチ
ル)アミド基を合成例4と同様の方法により定量した結
果、該共重合体中のN−(2−アミノエチル)アミド基
の量は3.2×10-5当量/g であった。また、該共重
合体のMIは1.6 g/10分であった。
【0066】合成例7 片末端にカルボン酸ナトリウムを有するエチレン−酢酸
ビニル共重合体の合成:高圧重合槽を十分に窒素置換
し、酢酸ビニル1340g 、メタノール84g 、3−メ
ルカプトプロパン酸ナトリウム0.23g および2,2
−アゾビスイソブチロニトリル1.07g を仕込んだ。
系内の窒素をエチレンで置換した後、エチレンを導入し
て内圧を41kg/cm↑2 とし、系内温度を60℃に昇温
して反応を開始した。3−メルカプトプロパン酸ナトリ
ウムのメタノール溶液(濃度2.0%)を38.4g /
hourの速度で添加し、3.8時間後に室温まで冷却して
反応を停止した。反応液をヘキサンで再沈して得られた
共重合体を、40℃で12時間熱風乾燥し、さらに10
0℃で12時間真空乾燥して、エチレン含量32モル%
の片末端にカルボン酸ナトリウムを有するエチレン−酢
酸ビニル共重合体を得た。酢酸ビニルの重合率は39%
であった。
【0067】合成例8 片末端にカルボン酸ナトリウムを有するエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体の合成:塔式けん化反応器に、合
成例7で得られた片末端にカルボン酸ナトリウムを有す
るエチレン−酢酸ビニル共重合体522g およびメタノ
ール900g を仕込んだ。水酸化ナトリウムを共重合体
中の酢酸ビニル単位に対するモル比が0.03となるよ
うに該反応器に添加し、120℃に昇温して加溶媒分解
反応を開始した。副反応により生成する酢酸メチルおよ
びメタノールは反応進行と並行して留去した。得られた
反応液を酢酸170g で中和した後、蒸留水で再沈し
た。得られた共重合体を粉砕し、蒸留水で洗浄した後、
100℃で5時間熱風乾燥し、さらに100℃で12時
間真空乾燥して、エチレン含量32モル%、けん化度9
9.9モル%の末端にカルボン酸ナトリウムを有するエ
チレン−ビニルアルコール共重合体を得た。
【0068】得られた共重合体の溶液NMR測定の結
果、該重合体中のカルボン酸ナトリウムの量は8.0×
10-5当量/g であった。また、該共重合体のMIは3
0 g/10分であった。
【0069】実施例1 合成例5に記載されている方法によって得られた片末端
にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコール共
重合体40部およびエチレン−グリシジルメタクリレー
ト共重合体(グリシジルメタクリレート含有量3モル
%、MI3 g/10分)10部を、以下の条件で溶融混練
した。 使用機械 :プラストグラフ ローター形状:ローラー型 回転数 :80回/分 得られた樹脂組成物を溶融成形し、31.75mm×6.
35mm×3.175mmの直方体の成形物を得た。これに
ノッチを施し、Mini−Max規格のノッチ付きIz
od衝撃試験を行った。その結果を表1に示す。また、
同じ樹脂組成物を220℃で熱プレスして得られた厚さ
0.1mmのフィルムを用いて光散乱測定を行い、平均粒
子壁間距離(τ)を算出した。その結果を表1に示す。
【0070】実施例2 合成例5に記載されている方法によって得られた片末端
にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコール共
重合体20部、通常のエチレン−ビニルアルコール共重
合体(エチレン含有量32モル%、けん化度99.8モ
ル%、MI1.6 g/10分)20部およびエチレン−グ
リシジルメタクリレート共重合体(グリシジルメタクリ
レート含有量3モル%、MI3 g/10分)10部を用い
て、実施例1と同様の方法で溶融混練および衝撃試験・
光散乱測定を行った(表1)。
【0071】比較例1 通常のエチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン
含有量32モル%、けん化度99.8モル%、MI1.
6 g/10分)40部および低密度ポリエチレン(MI3
g/10分)10部を用いて、実施例1と同様の方法で溶
融混練および衝撃試験・光散乱測定を行った(表1)。
【0072】比較例2 通常のエチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン
含有量32モル%、けん化度99.8モル%、MI1.
6 g/10分)40部およびエチレン−グリシジルメタク
リレート共重合体(グリシジルメタクリレート含有量3
モル%、MI3g/10分)10部を用いて、実施例1と
同様の方法で溶融混練および衝撃試験・光散乱測定を行
った。(表1)。
【0073】
【表1】
【0074】実施例3 合成例5に記載されている方法によって得られた片末端
にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコール共
重合体20部、通常のエチレン−ビニルアルコール共重
合体(エチレン含有量32モル%、けん化度99.8モ
ル%、MI1.6 g/10分)20部およびエポキシ化エ
チレン−プロピレン共重合体(エポキシ基含有量3モル
%、MI3 g/10分)10部を用いて、実施例1と同様
の方法で溶融混練および衝撃試験・光散乱測定を行った
(表2)。
【0075】実施例4 合成例5に記載されている方法によって得られた片末端
にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコール共
重合体25部、通常のエチレン−ビニルアルコール共重
合体(エチレン含有量32モル%、けん化度99.8モ
ル%、MI1.6 g/10分)10部およびエポキシ化エ
チレン−プロピレン共重合体(エポキシ基含有量3モル
%、MI3 g/10分)15部を用いて、実施例1と同様
の方法で溶融混練および衝撃試験・光散乱測定を行った
(表2)。
【0076】比較例3 通常のエチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン
含有量32モル%、けん化度99.8モル%、MI1.
6 g/10分)40部およびエチレン−プロピレン共重合
体(MI3 g/10分)10部を用いて、実施例1と同様
の方法で溶融混練および衝撃試験・光散乱測定を行った
(表2)。
【0077】
【表2】
【0078】実施例5 合成例5に記載されている方法によって得られた片末端
にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコール共
重合体40部およびポリスチレン−無水マレイン酸化水
添ポリイソプレンブロック共重合体(スチレン含有量2
7モル%、無水マレイン酸含有量1モル%、MI0.2
g/10分)10部を用いて、実施例1と同様の方法で溶
融混練および衝撃試験・光散乱測定を行った(表3)。
【0079】実施例6 合成例5に記載されている方法によって得られた片末端
にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコール共
重合体17.5部、通常のエチレン−ビニルアルコール
共重合体(エチレン含有量32モル%、けん化度99.
8モル%、MI1.6 g/10分)17.5部およびポリ
スチレン−無水マレイン酸化水添ポリイソプレンブロッ
ク共重合体(スチレン含有量27モル%、無水マレイン
酸含有量1モル%、MI0.2 g/10分)15部を用い
て、実施例1と同様の方法で溶融混練および衝撃試験・
光散乱測定を行った(表3)。
【0080】比較例4 通常のエチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン
含有量32モル%、けん化度99.8モル%、MI1.
6 g/10分)45部およびポリスチレン−無水マレイン
酸化水添ポリイソプレンブロック共重合体(スチレン含
有量27モル%、無水マレイン酸含有量1モル%、MI
0.2 g/10分)5部を用いて、実施例1と同様の方法
で溶融混練および衝撃試験・光散乱測定を行った(表
3)。
【0081】
【表3】
【0082】実施例7 合成例8に記載されている方法によって得られた片末端
にカルボン酸ナトリウムを有するエチレン−ビニルアル
コール共重合体20部、および通常のエチレン−ビニル
アルコール共重合体(エチレン含有量32モル%、けん
化度99.8モル%、MI1.6g/10分)20部およ
びエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(グリ
シジルメタクリレート含有量3モル%、MI3 g/10
分)10部を用いて、実施例1と同様の方法で溶融混練
および衝撃試験・光散乱測定を行った(表4)。
【0083】
【表4】
【0084】実施例8 実施例1〜7で得たフィルム(厚さ0.1mm)を220
℃で熱成形し、カップ状の容器を得た。これらのカップ
の平均粒子壁間距離(τ)を測定したところ、熱成形前
のフィルムとほぼ同じ値を示した。
【0085】
【発明の効果】本発明の樹脂成形品は、ガスバリアー性
の要求される食品、医薬、医療器材、衣料等の包装容器
として、またガスバリアー性および機械的性質(特に衝
撃強度)の要求される非食品分野の容器、タンク、パイ
プ(例えばガソリンなどの燃料用)として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】末端に官能基を有するビニルアルコール系
    重合体(A)からなるマトリクス相および該官能基と反
    応する官能基を有する熱可塑性重合体(B)の粒子から
    なる分散相で構成され、かつ重合体(B)の粒子の平均
    粒子壁間距離(τ)が50nm〜150nmの範囲にある強
    化された樹脂成形品
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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