JPH06107891A - 樹脂組成物 - Google Patents
樹脂組成物Info
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- JPH06107891A JPH06107891A JP31002792A JP31002792A JPH06107891A JP H06107891 A JPH06107891 A JP H06107891A JP 31002792 A JP31002792 A JP 31002792A JP 31002792 A JP31002792 A JP 31002792A JP H06107891 A JPH06107891 A JP H06107891A
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- Japan
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- vinyl alcohol
- polymer
- vinyl
- mol
- ethylene
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 末端にアミノ基を有するビニルアルコール系
重合体(A)および該アミノ基と反応する官能基を有す
る熱可塑性重合体(B)からなり、かつ成分(A)と成
分(B)の重量配合比が99:1ないし1:99である
樹脂組成物。 【効果】 本発明の樹脂組成物は、柔軟性を有し、かつ
ガスバリヤー性の良好なフィルムなどの成形物が得られ
る。
重合体(A)および該アミノ基と反応する官能基を有す
る熱可塑性重合体(B)からなり、かつ成分(A)と成
分(B)の重量配合比が99:1ないし1:99である
樹脂組成物。 【効果】 本発明の樹脂組成物は、柔軟性を有し、かつ
ガスバリヤー性の良好なフィルムなどの成形物が得られ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、混合分散性が良好な樹
脂組成物に関する。
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビニルアルコール系重合体単独で
は柔軟性および機械的特性が不充分であり、これを改善
するためにビニルアルコール系重合体以外のポリオレフ
ィンなどの熱可塑性重合体をブレンドしていた。一方、
ポリオレフィンなどの熱可塑性重合体単独ではガスバリ
ヤー性が不充分であり、これを改善するためにビニルア
ルコール系重合体をブレンドしていた。しかしながら、
ビニルアルコール系重合体とポリオレフィンなどの熱可
塑性重合体とは親和性が低く、分散性が不良のために、
これらのブレンド物からなる成形物やフィルムは機械的
特性が著しく低下したり、透明性が大きく低下するとい
う問題があった。
は柔軟性および機械的特性が不充分であり、これを改善
するためにビニルアルコール系重合体以外のポリオレフ
ィンなどの熱可塑性重合体をブレンドしていた。一方、
ポリオレフィンなどの熱可塑性重合体単独ではガスバリ
ヤー性が不充分であり、これを改善するためにビニルア
ルコール系重合体をブレンドしていた。しかしながら、
ビニルアルコール系重合体とポリオレフィンなどの熱可
塑性重合体とは親和性が低く、分散性が不良のために、
これらのブレンド物からなる成形物やフィルムは機械的
特性が著しく低下したり、透明性が大きく低下するとい
う問題があった。
【0003】この問題を解決するために、末端にアルキ
ル基を導入したエチレン−ビニルアルコール系重合体と
オレフィン系重合体とをブレンドする方法(特開昭63
−202638号);エチレン−ビニルアルコール系共
重合体とエポキシ基を導入したオレフィン系重合体とを
ブレンドする方法(特開平3−88837号)が提案さ
れている。しかしながら、これらの方法では依然として
改善効果が小さく、ブレンド物の分散性、透明性および
機械的特性をさらに向上させることが望まれていた。
ル基を導入したエチレン−ビニルアルコール系重合体と
オレフィン系重合体とをブレンドする方法(特開昭63
−202638号);エチレン−ビニルアルコール系共
重合体とエポキシ基を導入したオレフィン系重合体とを
ブレンドする方法(特開平3−88837号)が提案さ
れている。しかしながら、これらの方法では依然として
改善効果が小さく、ブレンド物の分散性、透明性および
機械的特性をさらに向上させることが望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、分散
性が良好で機械的特性が優れたフィルムや成形体を得る
ことが可能なビニルアルコール系重合体およびビニルア
ルコール系重合体以外の熱可塑性重合体からなる樹脂組
成物を提供することにある。
性が良好で機械的特性が優れたフィルムや成形体を得る
ことが可能なビニルアルコール系重合体およびビニルア
ルコール系重合体以外の熱可塑性重合体からなる樹脂組
成物を提供することにある。
【0005】本発明者らは、上記課題を解決するために
鋭意検討した結果、末端にアミノ基を有するビニルアル
コール系重合体(A)および該アミノ基と反応する官能
基を有する熱可塑性重合体からなる樹脂組成物を見出
し、本発明を完成するに至った。
鋭意検討した結果、末端にアミノ基を有するビニルアル
コール系重合体(A)および該アミノ基と反応する官能
基を有する熱可塑性重合体からなる樹脂組成物を見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明に使用される末端にアミノ基を有す
るビニルアルコール系重合体(A)としては、末端にア
ミノ基を有し、かつ主鎖中にビニルアルコール単位を含
有する重合体である。末端にアミノ基を有するビニルア
ルコール系重合体のなかでも、実質的に末端(好ましく
は片端末)だけに、一級アミノ基または二級アミノ基を
有するビニルアルコール系重合体が好ましい。ビニルア
ルコール系重合体の側鎖のアミノ基は架橋により、粘度
上昇が生じたり、ゲル化しやすくなるために、含有量は
少ない方が好ましい。したがって、側鎖のアミノ基の含
有量としては0.5モル%未満が好ましく、0.3モル
%未満がより好ましく、0.1モル%未満がさらにより
好ましい。一級アミノ基または二級アミノ基としては、
一級アミノ基あるいはアルキル置換された二級アミノ基
を意味し、その具体例としてはアミノ基、メチルアミノ
基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基等のほかに、ヒド
ラジド基、N−メチルヒドラジド基等のヒドラジド類
も、その構造中に活性なアミノ基を有することから、ア
ミノ基の好適例として挙げられる。
るビニルアルコール系重合体(A)としては、末端にア
ミノ基を有し、かつ主鎖中にビニルアルコール単位を含
有する重合体である。末端にアミノ基を有するビニルア
ルコール系重合体のなかでも、実質的に末端(好ましく
は片端末)だけに、一級アミノ基または二級アミノ基を
有するビニルアルコール系重合体が好ましい。ビニルア
ルコール系重合体の側鎖のアミノ基は架橋により、粘度
上昇が生じたり、ゲル化しやすくなるために、含有量は
少ない方が好ましい。したがって、側鎖のアミノ基の含
有量としては0.5モル%未満が好ましく、0.3モル
%未満がより好ましく、0.1モル%未満がさらにより
好ましい。一級アミノ基または二級アミノ基としては、
一級アミノ基あるいはアルキル置換された二級アミノ基
を意味し、その具体例としてはアミノ基、メチルアミノ
基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基等のほかに、ヒド
ラジド基、N−メチルヒドラジド基等のヒドラジド類
も、その構造中に活性なアミノ基を有することから、ア
ミノ基の好適例として挙げられる。
【0007】ビニルアルコール系重合体中のビニルアル
コール単位の含有量は特に制限はないが、1〜90モル
%が好ましく、30〜80モル%がより好ましく、40
〜75モル%がさらにより好ましい。ビニルアルコール
系重合体としては、特にエチレン−ビニルアルコ−ル共
重合体が好ましい。ビニルアルコール系重合体がエチレ
ン−ビニルアルコ−ル共重合体である場合には、エチレ
ン含量は、10〜90モル%が好ましく、20〜70モ
ル%がより好ましく、25〜60モル%がさらにより好
ましい。ビニルアルコール系重合体の中のケン化されて
いないビニルエステル単位は該重合体の結晶化度を低下
させるため、該重合体のケン化度は高い方が好ましい。
したがって、ビニルアルコール系重合体のビニルエステ
ル単位のケン化度としては1〜100モル%が好まし
く、20〜100モル%がより好ましく、50〜100
モル%がより好ましく、80〜100モル%がより好ま
しく、95〜100モル%がより好ましく、99〜10
0モル%がさらにより好ましい。
コール単位の含有量は特に制限はないが、1〜90モル
%が好ましく、30〜80モル%がより好ましく、40
〜75モル%がさらにより好ましい。ビニルアルコール
系重合体としては、特にエチレン−ビニルアルコ−ル共
重合体が好ましい。ビニルアルコール系重合体がエチレ
ン−ビニルアルコ−ル共重合体である場合には、エチレ
ン含量は、10〜90モル%が好ましく、20〜70モ
ル%がより好ましく、25〜60モル%がさらにより好
ましい。ビニルアルコール系重合体の中のケン化されて
いないビニルエステル単位は該重合体の結晶化度を低下
させるため、該重合体のケン化度は高い方が好ましい。
したがって、ビニルアルコール系重合体のビニルエステ
ル単位のケン化度としては1〜100モル%が好まし
く、20〜100モル%がより好ましく、50〜100
モル%がより好ましく、80〜100モル%がより好ま
しく、95〜100モル%がより好ましく、99〜10
0モル%がさらにより好ましい。
【0008】ビニルアルコール系重合体が共重合体であ
る場合のビニルアルコール単位以外の単位としては、ビ
ニルエステル単位およびコモノマー単位が挙げられる。
ビニルエステル単位の具体例としては、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、酪酸ビニル、バ
レリン酸ビニル、カプリン酸ビニルおよび安息香酸ビニ
ル等からなる単位が挙げられる。コモノマー単位として
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等
のオレフィン類;メタクリルアミド、アクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミ
ド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルア
ミド、N−エチルメタクリルアミド等のメタクリル誘導
体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテ
ル等のビニルエーテル類;アリルアルコール;ビニルト
リメチルシラン;N−ビニルピロリドン等からなる単位
が挙げられる。
る場合のビニルアルコール単位以外の単位としては、ビ
ニルエステル単位およびコモノマー単位が挙げられる。
ビニルエステル単位の具体例としては、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、酪酸ビニル、バ
レリン酸ビニル、カプリン酸ビニルおよび安息香酸ビニ
ル等からなる単位が挙げられる。コモノマー単位として
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等
のオレフィン類;メタクリルアミド、アクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミ
ド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルア
ミド、N−エチルメタクリルアミド等のメタクリル誘導
体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテ
ル等のビニルエーテル類;アリルアルコール;ビニルト
リメチルシラン;N−ビニルピロリドン等からなる単位
が挙げられる。
【0009】末端にアミノ基を有するビニルアルコール
系重合体のメルトインデックス(2160gの荷重下、
190℃で測定した値:以下MIと略記する)は特に制
限はないが、0.1〜100(g/10分)が好まし
い。ビニルアルコール系重合体のMIが0.1(g/1
0分)未満の場合またはビニルアルコール系重合体が熱
可塑性でない場合には、グリセリン、ジグリセリン、ト
リグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コールなどの多価アルコール系可塑剤またはこれらの混
合物を添加してMIを適性値に調節するのが好ましい。
系重合体のメルトインデックス(2160gの荷重下、
190℃で測定した値:以下MIと略記する)は特に制
限はないが、0.1〜100(g/10分)が好まし
い。ビニルアルコール系重合体のMIが0.1(g/1
0分)未満の場合またはビニルアルコール系重合体が熱
可塑性でない場合には、グリセリン、ジグリセリン、ト
リグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コールなどの多価アルコール系可塑剤またはこれらの混
合物を添加してMIを適性値に調節するのが好ましい。
【0010】本発明の末端にアミノ基を有するビニルア
ルコール系重合体のなかでも、可塑剤を添加しなくても
それ自体が熱可塑性であるものが好ましく、下記の化1
あるいは化2で表されるアミノ基を末端に有するものが
好ましい。
ルコール系重合体のなかでも、可塑剤を添加しなくても
それ自体が熱可塑性であるものが好ましく、下記の化1
あるいは化2で表されるアミノ基を末端に有するものが
好ましい。
【0011】
【化1】
【0012】[但し、 R1:水素原子または低級アルキル基 R2:水素原子または低級アルキル基 R3:水素原子または低級アルキル基 R4:水素原子または低級アルキル基 R:炭素数2以上の低級アルキレン基
【0013】
【化2】
【0014】[但し、 R1:水素原子または低級アルキル基 R2:水素原子または低級アルキル基 R3:水素原子または低級アルキル基 R4:水素原子または低級アルキル基
【0015】以下において、上記の化1あるいは化2で
表されるアミノ基を末端に有するビニルアルコール系重
合体の製造方法について説明する。本発明者らは、末端
にアミノ基を有するビニルアルコール系重合体の製造方
法について鋭意検討した結果、2種類の製造方法を見出
した。第1の製造方法は、末端にエステル結合が導入さ
れたビニルアルコール単位を含有する重合体を1級アミ
ン、2級アミンまたはアンモニアと反応させることによ
り、末端にアミノ基を有するビニルアルコール系重合体
を製造する方法である。第1の製造方法は、ケン化度が
50モル%以上の末端にアミノ基を有するビニルアルコ
ール系重合体の製造方法として好適である。末端にエス
テル結合が導入されたビニルアルコール単位を有する重
合体は、ビニルエステルを重合することによって得られ
たビニルエステル系重合体を加溶媒分解した後、さらに
酸処理することによって得られる。エステル結合中のカ
ルボニル基のα位に水素を有していないビニルモノマー
の重合は下記の化3で表される溶媒中で行なわれる。
表されるアミノ基を末端に有するビニルアルコール系重
合体の製造方法について説明する。本発明者らは、末端
にアミノ基を有するビニルアルコール系重合体の製造方
法について鋭意検討した結果、2種類の製造方法を見出
した。第1の製造方法は、末端にエステル結合が導入さ
れたビニルアルコール単位を含有する重合体を1級アミ
ン、2級アミンまたはアンモニアと反応させることによ
り、末端にアミノ基を有するビニルアルコール系重合体
を製造する方法である。第1の製造方法は、ケン化度が
50モル%以上の末端にアミノ基を有するビニルアルコ
ール系重合体の製造方法として好適である。末端にエス
テル結合が導入されたビニルアルコール単位を有する重
合体は、ビニルエステルを重合することによって得られ
たビニルエステル系重合体を加溶媒分解した後、さらに
酸処理することによって得られる。エステル結合中のカ
ルボニル基のα位に水素を有していないビニルモノマー
の重合は下記の化3で表される溶媒中で行なわれる。
【0016】
【化3】
【0017】[但し、 R3:化1あるいは化2におけるR3と同じ意味を有する R4:化1あるいは化2におけるR4と同じ意味を有する R5:水素原子または低級アルキル基 をそれぞれ意味する。]
【0018】下記の化4で表されるビニルエステルの重
合は、無溶媒または溶媒中で行なわれ、そのなかでも無
溶媒あるいは上記の化3で表される溶媒中で行なわれる
ことが好ましい。
合は、無溶媒または溶媒中で行なわれ、そのなかでも無
溶媒あるいは上記の化3で表される溶媒中で行なわれる
ことが好ましい。
【0019】
【化4】
【0020】[但し、 R3:化1あるいは化2におけるR3と同じ意味を有する R4:化1あるいは化2におけるR4と同じ意味を有する をそれぞれ意味する]
【0021】上記の化4で表されるビニルエステルの具
体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸
ビニル、イソ酪酸ビニル等が挙げられる。
体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸
ビニル、イソ酪酸ビニル等が挙げられる。
【0022】ビニルエステル系重合体を構成するビニル
エステル単位としては、末端にアミノ基を有するビニル
アルコール系重合体の説明の欄において記載したビニル
エステル単位が挙げられる。ビニルエステル系重合体が
共重合体である場合のコモノマー単位としては、同じく
末端にアミノ基を有するビニルアルコール系重合体の説
明の欄において記載したコモノマー単位が挙げられる。
カルボキシル基を含有する単量体単位、カルボキシル基
に変換しうる官能基を含有する単量体単位またはラクト
ン環などのエステル結合を含有する単量体単位がビニル
エステル系重合体の末端以外の主鎖中に含有されている
場合には、本発明のビニルアルコール系重合体を得るた
めの製造工程において、本発明の末端のアミノ基がビニ
ルアルコール系重合体の側鎖に導入される可能性が高い
ことから、ビニルエステル系重合体中のこれらの単量体
単位の含有量は少ない方が好ましく、具体的には0.5
モル%未満が好ましく、0.3モル%未満がより好まし
く、0.1モル%未満がさらにより好ましい。
エステル単位としては、末端にアミノ基を有するビニル
アルコール系重合体の説明の欄において記載したビニル
エステル単位が挙げられる。ビニルエステル系重合体が
共重合体である場合のコモノマー単位としては、同じく
末端にアミノ基を有するビニルアルコール系重合体の説
明の欄において記載したコモノマー単位が挙げられる。
カルボキシル基を含有する単量体単位、カルボキシル基
に変換しうる官能基を含有する単量体単位またはラクト
ン環などのエステル結合を含有する単量体単位がビニル
エステル系重合体の末端以外の主鎖中に含有されている
場合には、本発明のビニルアルコール系重合体を得るた
めの製造工程において、本発明の末端のアミノ基がビニ
ルアルコール系重合体の側鎖に導入される可能性が高い
ことから、ビニルエステル系重合体中のこれらの単量体
単位の含有量は少ない方が好ましく、具体的には0.5
モル%未満が好ましく、0.3モル%未満がより好まし
く、0.1モル%未満がさらにより好ましい。
【0023】ビニルエステル系重合体の加溶媒分解の条
件には特に制限はないが、アルカリ触媒による加溶媒分
解が好ましく、NaOH、KOH、CH3ONa、CH3
OKを触媒として用いた加メタノール分解が特に好まし
い。加溶媒分解時のアルカリ触媒量は、ビニルエステル
系重合体中のビニルエステル単位100モルに対して
0.02〜200モルが好ましい。加溶媒分解の温度
は、室温から120℃が好ましい。ビニルアルコール単
位を有する重合体のビニルエステル単位のケン化度は特
に制限はないが、アミンとケン化されていないビニルエ
ステル単位との反応によるジアミン類あるいはヒドラジ
ン類の消費を抑えるために、ケン化度は高い方が好まし
い。すなわち、ビニルアルコール単位を有する重合体の
ケン化度は、90モル%以上が好ましく、95モル%以
上がさらに好ましく、99モル%以上がさらにより好ま
しい。
件には特に制限はないが、アルカリ触媒による加溶媒分
解が好ましく、NaOH、KOH、CH3ONa、CH3
OKを触媒として用いた加メタノール分解が特に好まし
い。加溶媒分解時のアルカリ触媒量は、ビニルエステル
系重合体中のビニルエステル単位100モルに対して
0.02〜200モルが好ましい。加溶媒分解の温度
は、室温から120℃が好ましい。ビニルアルコール単
位を有する重合体のビニルエステル単位のケン化度は特
に制限はないが、アミンとケン化されていないビニルエ
ステル単位との反応によるジアミン類あるいはヒドラジ
ン類の消費を抑えるために、ケン化度は高い方が好まし
い。すなわち、ビニルアルコール単位を有する重合体の
ケン化度は、90モル%以上が好ましく、95モル%以
上がさらに好ましく、99モル%以上がさらにより好ま
しい。
【0024】ビニルアルコール単位を有する重合体の酸
処理の条件としては特に制限はないが、メタノール、エ
タノール、エチレングリコール等のアルコール類を反応
溶媒として用い、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸
あるいは酢酸等を触媒として用い、反応温度は室温から
150℃が好ましい。
処理の条件としては特に制限はないが、メタノール、エ
タノール、エチレングリコール等のアルコール類を反応
溶媒として用い、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸
あるいは酢酸等を触媒として用い、反応温度は室温から
150℃が好ましい。
【0025】上記で説明した末端にエステル結合が導入
されたビニルアルコール単位を有する重合体と反応させ
るジアミン類あるいはヒドラジン類としては、下記の化
5あるいは化6で表される一級アミノ基または二級アミ
ノ基を有するアルキレンジアミン類あるいはヒドラジン
類が好ましい。これらのジアミン類あるいはヒドラジン
類としては本発明の効果を阻害しない範囲でエーテル結
合や水酸基等の官能基を有していても良い。このような
ジアミン類あるいはヒドラジン類の具体例としては、エ
チレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジ
アミン類;ヒドラジン、メチルヒドラジン、N,N´−
ジメチルヒドラジン等のヒドラジン類などが挙げられ
る。
されたビニルアルコール単位を有する重合体と反応させ
るジアミン類あるいはヒドラジン類としては、下記の化
5あるいは化6で表される一級アミノ基または二級アミ
ノ基を有するアルキレンジアミン類あるいはヒドラジン
類が好ましい。これらのジアミン類あるいはヒドラジン
類としては本発明の効果を阻害しない範囲でエーテル結
合や水酸基等の官能基を有していても良い。このような
ジアミン類あるいはヒドラジン類の具体例としては、エ
チレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジ
アミン類;ヒドラジン、メチルヒドラジン、N,N´−
ジメチルヒドラジン等のヒドラジン類などが挙げられ
る。
【0026】
【化5】
【0027】[但し、 R1:化1におけるR1と同じ意味を表わす R2:化1におけるR2と同じ意味を表わす R:化1におけるRと同じ意味を表わす をそれぞれ意味する。]
【0028】
【化6】
【0029】[但し、 R1:化1におけるR1と同じ意味を表わす R2:化1におけるR2と同じ意味を表わす をそれぞれ意味する。]
【0030】末端にエステル結合が導入されたビニルア
ルコール単位を有する重合体とジアミン類あるいはヒド
ラジン類との反応条件は、それらの反応性によって適宜
選択される。ジアミン類あるいはヒドラジン類の仕込量
は、ビニルアルコール系重合体に導入される量の2倍量
から大過剰量の範囲で選択される。反応溶媒はメタノー
ル、エチレングリコール等のアルコール系溶媒やジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスル
ホキシド等が挙げられる。反応温度は室温から200℃
の範囲で適宜選択される。また触媒としてNaOH、K
OH、CH30Na、CH30K等のアルカリまたは酢
酸、塩酸、硫酸等の酸を用いることにより、反応速度を
かなり早くすることができる。
ルコール単位を有する重合体とジアミン類あるいはヒド
ラジン類との反応条件は、それらの反応性によって適宜
選択される。ジアミン類あるいはヒドラジン類の仕込量
は、ビニルアルコール系重合体に導入される量の2倍量
から大過剰量の範囲で選択される。反応溶媒はメタノー
ル、エチレングリコール等のアルコール系溶媒やジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスル
ホキシド等が挙げられる。反応温度は室温から200℃
の範囲で適宜選択される。また触媒としてNaOH、K
OH、CH30Na、CH30K等のアルカリまたは酢
酸、塩酸、硫酸等の酸を用いることにより、反応速度を
かなり早くすることができる。
【0031】第2の製造方法は、ビニルエステルを重合
して得られたケン化度0モル%のビニルエステル単位を
含有する重合体を、1級アミン、2級アミンまたはアン
モニアと反応させることにより、末端にアミノ基を有す
るビニルアルコール系重合体を製造する方法である。第
2の製造方法は、ケン化度が1〜100モル%の末端に
アミノ基を有するビニルアルコール系重合体の製造方法
として好適であり、ケン化度が1〜50モル%の末端に
アミノ基を有するビニルアルコール系重合体の製造方法
としてより好適である。
して得られたケン化度0モル%のビニルエステル単位を
含有する重合体を、1級アミン、2級アミンまたはアン
モニアと反応させることにより、末端にアミノ基を有す
るビニルアルコール系重合体を製造する方法である。第
2の製造方法は、ケン化度が1〜100モル%の末端に
アミノ基を有するビニルアルコール系重合体の製造方法
として好適であり、ケン化度が1〜50モル%の末端に
アミノ基を有するビニルアルコール系重合体の製造方法
としてより好適である。
【0032】ビニルエステルとしては、第1の製造方法
の説明の欄において記載したビニルエステルが挙げられ
る。ビニルエステルを重合して得られたケン化度0モル
%のビニルエステル単位を含有する重合体は、該重合体
の末端にカルボキシル基を有していることから、該重合
体を1級アミン、2級アミンまたはアンモニアと反応さ
せることにより、該重合体の末端にアミノ基が導入され
るとともに該重合体の主鎖のビニルエステル単位がケン
化されることにより、末端にアミノ基を有するビニルア
ルコール系重合体が得られる。ケン化度0モル%のビニ
ルエステル単位を含有する重合体と1級アミン、2級ア
ミンまたはアンモニアとの仕込比としては、該重合体の
モノマー単位に対して、0.2〜100モル%が好まし
く、1〜10モル%がより好ましい。反応温度としては
室温〜100℃が好ましく、反応時間としては10分間
〜5時間が好ましい。反応溶媒としては、メタノール、
エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ジメチ
ルスルホキシド、N−メチロールピロリドンなどの極性
の高い溶媒が好ましく、そのなかでもメタノールがより
好ましい。末端にアミノ基を有するビニルアルコール系
重合体のビニルエステル単位のケン化度をさらに高くし
たい場合には、アルカリ触媒などを用いた公知の方法に
より、さらにケン化すれば良い。上記の第1の製造方法
および第2の製造方法のなかでも、ケン化度が50〜1
00モル%の末端にアミノ基を有するビニルアルコール
系重合体の製造方法としては、第1の製造方法の方がよ
り好ましい。
の説明の欄において記載したビニルエステルが挙げられ
る。ビニルエステルを重合して得られたケン化度0モル
%のビニルエステル単位を含有する重合体は、該重合体
の末端にカルボキシル基を有していることから、該重合
体を1級アミン、2級アミンまたはアンモニアと反応さ
せることにより、該重合体の末端にアミノ基が導入され
るとともに該重合体の主鎖のビニルエステル単位がケン
化されることにより、末端にアミノ基を有するビニルア
ルコール系重合体が得られる。ケン化度0モル%のビニ
ルエステル単位を含有する重合体と1級アミン、2級ア
ミンまたはアンモニアとの仕込比としては、該重合体の
モノマー単位に対して、0.2〜100モル%が好まし
く、1〜10モル%がより好ましい。反応温度としては
室温〜100℃が好ましく、反応時間としては10分間
〜5時間が好ましい。反応溶媒としては、メタノール、
エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ジメチ
ルスルホキシド、N−メチロールピロリドンなどの極性
の高い溶媒が好ましく、そのなかでもメタノールがより
好ましい。末端にアミノ基を有するビニルアルコール系
重合体のビニルエステル単位のケン化度をさらに高くし
たい場合には、アルカリ触媒などを用いた公知の方法に
より、さらにケン化すれば良い。上記の第1の製造方法
および第2の製造方法のなかでも、ケン化度が50〜1
00モル%の末端にアミノ基を有するビニルアルコール
系重合体の製造方法としては、第1の製造方法の方がよ
り好ましい。
【0033】本発明に使用されるアミノ基と反応する官
能基を有する熱可塑性重合体(B)としては、エポキシ
基、無水環等の酸無水物、オキサゾリン環等のアミノ基
と反応する官能基を有する熱可塑性重合体である。アミ
ノ基と反応する官能基を有する熱可塑性重合体は、該官
能基を有する単量体とオレフィン系モノマーまたはビニ
ル系モノマーを共重合することによって得られる。他の
方法としては、オレフイン系重合体またはビニル系重合
体に、該官能基を有する単量体を、パーキサイド、熱、
光または放射線等の開始剤を用いてグラフト重合するこ
とによって得られる。オレフィン系重合体およびビニル
系重合体を構成する単量体の成分としてはエチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−
ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニル
エステル類;メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オク
チルアクリレート、ドデシルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル類;メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、オクチルメタクリレート、ドデシルメタク
リレート等のメタクリル酸エステル類;塩化ビニル、フ
ッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;スチレン、α−メチ
ルスチレン等のスチレン誘導体等が挙げられる。アミノ
基と反応する官能基を有する単量体としては、グリシジ
ルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグ
リシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等のエポ
キシ基を有するモノマー;無水マレイン酸、イタコン酸
無水物等の酸無水物の単量体;2−ビニルオキサゾリ
ン、2−(4−ビニルフェニル)オキサゾリン等のオキ
サゾリン環を有するモノマー等が挙げられる。これらの
モノマーの好適な仕込量はその官能基の反応性によって
異なる。官能基の含有量が多すぎる場合にはゲル化しや
すくなり、官能基の含有量が少なすぎる場合にはその効
果が小さくなる。官能基当量としては特に制限はない
が、500から200000が好ましく、エポキシ基で
は官能基当量にして500から20000が好ましく、
酸無水物では官能基当量にして10000から2000
00が好ましく、オキサゾリン環では500から100
00が好ましい。ここで官能基当量とは、官能基1g当
量を含有する樹脂のグラム(g)数で表される。アミノ
基と反応する官能基を有する熱可塑性重合体のMIは特
に制限はないが、0.1〜1000(g/10分)が好
ましく、0.5〜500(g/10分)がより好まし
く、0.5〜100(g/10分)がさらにより好まし
い。
能基を有する熱可塑性重合体(B)としては、エポキシ
基、無水環等の酸無水物、オキサゾリン環等のアミノ基
と反応する官能基を有する熱可塑性重合体である。アミ
ノ基と反応する官能基を有する熱可塑性重合体は、該官
能基を有する単量体とオレフィン系モノマーまたはビニ
ル系モノマーを共重合することによって得られる。他の
方法としては、オレフイン系重合体またはビニル系重合
体に、該官能基を有する単量体を、パーキサイド、熱、
光または放射線等の開始剤を用いてグラフト重合するこ
とによって得られる。オレフィン系重合体およびビニル
系重合体を構成する単量体の成分としてはエチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−
ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニル
エステル類;メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オク
チルアクリレート、ドデシルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル類;メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、オクチルメタクリレート、ドデシルメタク
リレート等のメタクリル酸エステル類;塩化ビニル、フ
ッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;スチレン、α−メチ
ルスチレン等のスチレン誘導体等が挙げられる。アミノ
基と反応する官能基を有する単量体としては、グリシジ
ルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグ
リシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等のエポ
キシ基を有するモノマー;無水マレイン酸、イタコン酸
無水物等の酸無水物の単量体;2−ビニルオキサゾリ
ン、2−(4−ビニルフェニル)オキサゾリン等のオキ
サゾリン環を有するモノマー等が挙げられる。これらの
モノマーの好適な仕込量はその官能基の反応性によって
異なる。官能基の含有量が多すぎる場合にはゲル化しや
すくなり、官能基の含有量が少なすぎる場合にはその効
果が小さくなる。官能基当量としては特に制限はない
が、500から200000が好ましく、エポキシ基で
は官能基当量にして500から20000が好ましく、
酸無水物では官能基当量にして10000から2000
00が好ましく、オキサゾリン環では500から100
00が好ましい。ここで官能基当量とは、官能基1g当
量を含有する樹脂のグラム(g)数で表される。アミノ
基と反応する官能基を有する熱可塑性重合体のMIは特
に制限はないが、0.1〜1000(g/10分)が好
ましく、0.5〜500(g/10分)がより好まし
く、0.5〜100(g/10分)がさらにより好まし
い。
【0034】本発明の樹脂組成物は末端にアミノ基を有
するビニルアルコール系重合体(A)および該アミノ基
と反応する官能基を有する熱可塑性重合体(B)からな
る。成分(A)と成分(B)の重合配合比は、99:1
から1:99であり、95:5から5:95がより好ま
しく、95:5から30:70がさらにより好ましく、
95:5から45:55が特に好ましい。本発明の樹脂
組成物は成分(A)および成分(B)からなるが、それ
以外に、末端にアミノ基を有しない熱可塑性ビニルアル
コール系重合体(C)またはアミノ基と反応する官能基
を有しない熱可塑性樹脂(D)を含有していても良い。
例えば、成分(A)が末端にアミノ基を有するエチレン
ービニルアルコール共重合体、成分(B)がエチレン−
グリシジルメタクリレート共重合体、成分(C)がエチ
レン−ビニルアルコール共重合体、成分(D)がポリエ
チレンの場合には、ポリエチレンフィルムの耐ガス透過
性、耐溶剤性および保温性等を改良する目的であれば、
[(A)+(C)]:[(B)+(D)]は5:95な
いし45:55の範囲内で主に使用され、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体に柔軟性および耐衝撃性を付与
する目的であれば、[(A)+(C)]:[(B)+
(D)]は55:45ないし95:5の範囲内で主に使
用される。この場合、成分(A)と成分(B)をブレン
ドした後、成分(C)および成分(D)を加えてブレン
ドを行うと効果的である。この場合、成分(A)および
成分(B)の合計含有量が5重量%程度でも、分散不良
による性能低下を防止できる。ブレンドの方法には、バ
ンバリミキサーによる方法、単軸あるいは二軸スクリュ
ー押出機による溶融ブレンド方法など公知の方法が採用
できる。またこのブレンドの際に、本発明の作用効果が
阻害されない範囲で他の添加剤、例えば酸化防止剤、紫
外線吸収剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、着色剤等を配
合できる。
するビニルアルコール系重合体(A)および該アミノ基
と反応する官能基を有する熱可塑性重合体(B)からな
る。成分(A)と成分(B)の重合配合比は、99:1
から1:99であり、95:5から5:95がより好ま
しく、95:5から30:70がさらにより好ましく、
95:5から45:55が特に好ましい。本発明の樹脂
組成物は成分(A)および成分(B)からなるが、それ
以外に、末端にアミノ基を有しない熱可塑性ビニルアル
コール系重合体(C)またはアミノ基と反応する官能基
を有しない熱可塑性樹脂(D)を含有していても良い。
例えば、成分(A)が末端にアミノ基を有するエチレン
ービニルアルコール共重合体、成分(B)がエチレン−
グリシジルメタクリレート共重合体、成分(C)がエチ
レン−ビニルアルコール共重合体、成分(D)がポリエ
チレンの場合には、ポリエチレンフィルムの耐ガス透過
性、耐溶剤性および保温性等を改良する目的であれば、
[(A)+(C)]:[(B)+(D)]は5:95な
いし45:55の範囲内で主に使用され、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体に柔軟性および耐衝撃性を付与
する目的であれば、[(A)+(C)]:[(B)+
(D)]は55:45ないし95:5の範囲内で主に使
用される。この場合、成分(A)と成分(B)をブレン
ドした後、成分(C)および成分(D)を加えてブレン
ドを行うと効果的である。この場合、成分(A)および
成分(B)の合計含有量が5重量%程度でも、分散不良
による性能低下を防止できる。ブレンドの方法には、バ
ンバリミキサーによる方法、単軸あるいは二軸スクリュ
ー押出機による溶融ブレンド方法など公知の方法が採用
できる。またこのブレンドの際に、本発明の作用効果が
阻害されない範囲で他の添加剤、例えば酸化防止剤、紫
外線吸収剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、着色剤等を配
合できる。
【0035】本発明の樹脂組成物は、周知の溶融成形方
法により容易に成形可能であり、フィルム、シート、チ
ューブおよびボトルなど任意の成形品に成形することが
できる。また他の熱可塑剤樹脂、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリア
ミドまたはポリスチレン等との多層積層体として用いら
れ、多層共押出、共射出または押出コーティング等公知
の方法で成形され、各種包装材料に使用される。
法により容易に成形可能であり、フィルム、シート、チ
ューブおよびボトルなど任意の成形品に成形することが
できる。また他の熱可塑剤樹脂、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリア
ミドまたはポリスチレン等との多層積層体として用いら
れ、多層共押出、共射出または押出コーティング等公知
の方法で成形され、各種包装材料に使用される。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定さ
れるものではない。なお、以下の合成例および実施例に
おいて特に断りのない限り、「%」は「重量%」を意味
する。
明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定さ
れるものではない。なお、以下の合成例および実施例に
おいて特に断りのない限り、「%」は「重量%」を意味
する。
【0037】合成例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体の合成:攪拌機付きのオ
ートクレーブを充分に窒素置換し、酢酸ビニル905
g、酢酸メチル1207gおよび2,2´−アゾビスイ
ソブチロニトリル1.256gを仕込み、系内の窒素を
エチレンで置換した後、エチレンを導入することによ
り、内圧を14kg/cm2とした。次に、オートクレ
ーブを60℃に昇温したところ内圧は29.5kg/c
m2になった。反応が開始して5時間後、オートクレー
ブを室温に冷却することにより反応を停止した。反応液
をヘキサンで再沈して得られた共重合体を、40℃,1
2時間の熱風乾燥および100℃,12時間の真空乾燥
を行うことにより、エチレン含量43モル%のエチレン
−酢酸ビニル共重合体を得た。該共重合体の収率は3
3.7%であった。
ートクレーブを充分に窒素置換し、酢酸ビニル905
g、酢酸メチル1207gおよび2,2´−アゾビスイ
ソブチロニトリル1.256gを仕込み、系内の窒素を
エチレンで置換した後、エチレンを導入することによ
り、内圧を14kg/cm2とした。次に、オートクレ
ーブを60℃に昇温したところ内圧は29.5kg/c
m2になった。反応が開始して5時間後、オートクレー
ブを室温に冷却することにより反応を停止した。反応液
をヘキサンで再沈して得られた共重合体を、40℃,1
2時間の熱風乾燥および100℃,12時間の真空乾燥
を行うことにより、エチレン含量43モル%のエチレン
−酢酸ビニル共重合体を得た。該共重合体の収率は3
3.7%であった。
【0038】合成例2 エチレン−ビニルアルコール共重合体の合成:攪拌機お
よび蒸留器付きのセパラブルフラスコに、合成例1で得
られたエチレン−酢酸ビニル共重合体338gおよびメ
タノール800gを仕込み、セパラブルフラスコを65
℃に昇温した後、水酸化ナトリウム30gを添加し、反
応により副生する酢酸メチルおよびメタノールを留去し
ながら、エチレン−酢酸ビニル共重合体の加溶媒分解反
応を行った。反応が開始して1時間後、水酸化ナトリウ
ム30gを追加して添加し、さらに2時間反応させた。
得られた反応液に酢酸150gを添加して中和した後、
反応液を蒸留水で再沈して得られた共重合体を粉砕し、
蒸留水でさらに良く洗浄した後、100℃,5時間の熱
風乾燥および100℃,12時間の真空乾燥を行うこと
により、エチレン含量43モル%、ケン化度99.5モ
ル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。
よび蒸留器付きのセパラブルフラスコに、合成例1で得
られたエチレン−酢酸ビニル共重合体338gおよびメ
タノール800gを仕込み、セパラブルフラスコを65
℃に昇温した後、水酸化ナトリウム30gを添加し、反
応により副生する酢酸メチルおよびメタノールを留去し
ながら、エチレン−酢酸ビニル共重合体の加溶媒分解反
応を行った。反応が開始して1時間後、水酸化ナトリウ
ム30gを追加して添加し、さらに2時間反応させた。
得られた反応液に酢酸150gを添加して中和した後、
反応液を蒸留水で再沈して得られた共重合体を粉砕し、
蒸留水でさらに良く洗浄した後、100℃,5時間の熱
風乾燥および100℃,12時間の真空乾燥を行うこと
により、エチレン含量43モル%、ケン化度99.5モ
ル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。
【0039】合成例3 片末端にエステル結合を有するエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体の合成:攪拌機付きのオートクレーブに合
成例2で得られたエチレン−ビニルアルコール共重合体
120g、メタノール500gおよび硫酸0.5gを仕
込み、90℃で2時間反応させた。反応終了後、オート
クレーブを60℃まで冷却し、10%の酢酸ナトリウム
を含有するメタノール溶液50ミリリットル(以下、m
lと略記する)を添加して反応液を中和した。該反応液
を蒸留水で再沈して得られた共重合体を粉砕し、蒸留水
で良く洗浄した後、100℃,5時間の熱風乾燥および
100℃,12時間の真空乾燥を行うことにより、エチ
レン含量43モル%、ケン化度99.8モル%の片末端
にエステル結合を有するエチレン−ビニルアルコール共
重合体を得た。
ール共重合体の合成:攪拌機付きのオートクレーブに合
成例2で得られたエチレン−ビニルアルコール共重合体
120g、メタノール500gおよび硫酸0.5gを仕
込み、90℃で2時間反応させた。反応終了後、オート
クレーブを60℃まで冷却し、10%の酢酸ナトリウム
を含有するメタノール溶液50ミリリットル(以下、m
lと略記する)を添加して反応液を中和した。該反応液
を蒸留水で再沈して得られた共重合体を粉砕し、蒸留水
で良く洗浄した後、100℃,5時間の熱風乾燥および
100℃,12時間の真空乾燥を行うことにより、エチ
レン含量43モル%、ケン化度99.8モル%の片末端
にエステル結合を有するエチレン−ビニルアルコール共
重合体を得た。
【0040】合成例4 片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体の合成:攪拌機付きの反応器に、合成例3
で得られた片末端にエステル結合を有するエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体50g、メタノール100g、
水和ヒドラジン20g(0.4モル)および2Nの水酸
化ナトリウムを含有するメタノール溶液5mlを仕込
み、65℃で3時間反応させた。反応終了後、室温に冷
却し、反応液を蒸留水で再沈して得られた共重合体のゲ
ルを蒸留水で良く洗浄した後、100℃,5時間の熱風
乾燥および100℃,12時間の真空乾燥を行うことに
より、MI=850(g/10分)、エチレン含量43
モル%、ケン化度99.9モル%の片末端にヒドラジド
基を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体を得
た。該共重合体の片末端のヒドラジド基を、トリニトロ
ベンゼンスルホン酸ナトリウムにより、トリニトロフェ
ニル化し、紫外可視スペクトルの吸光度により該共重合
体のアミノ基を定量したところ、6.1×10−5当量
/gであった。共重合体のアミノ基の定量結果および反
応機構を考慮することにより、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体の片末端にヒドラジド基が導入されている
ことが確認された。
ール共重合体の合成:攪拌機付きの反応器に、合成例3
で得られた片末端にエステル結合を有するエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体50g、メタノール100g、
水和ヒドラジン20g(0.4モル)および2Nの水酸
化ナトリウムを含有するメタノール溶液5mlを仕込
み、65℃で3時間反応させた。反応終了後、室温に冷
却し、反応液を蒸留水で再沈して得られた共重合体のゲ
ルを蒸留水で良く洗浄した後、100℃,5時間の熱風
乾燥および100℃,12時間の真空乾燥を行うことに
より、MI=850(g/10分)、エチレン含量43
モル%、ケン化度99.9モル%の片末端にヒドラジド
基を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体を得
た。該共重合体の片末端のヒドラジド基を、トリニトロ
ベンゼンスルホン酸ナトリウムにより、トリニトロフェ
ニル化し、紫外可視スペクトルの吸光度により該共重合
体のアミノ基を定量したところ、6.1×10−5当量
/gであった。共重合体のアミノ基の定量結果および反
応機構を考慮することにより、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体の片末端にヒドラジド基が導入されている
ことが確認された。
【0041】合成例5 片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体の合成:攪拌機付きのオートクレーブに、
合成例2と同様な方法で合成したエチレン含量32モル
%、ケン化度99.5モル%のエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物)100g、メタノール400gおよび硫酸0.5g
を仕込み、60℃で2時間反応させた。さらに水和ヒド
ラジン25gを添加し、120℃で4時間反応させた。
反応終了後、室温に冷却し、重合体のゲルを蒸留水で良
く洗浄して粉砕し、さらに0.3g/リットルの酢酸水
溶液で良く洗浄した後、60℃,10時間の熱風乾燥お
よび100℃,12時間の真空乾燥を行うことにより、
MI=1.6(g/10分)、エチレン含量32モル
%、ケン化度99.9モル%の片末端にヒドラジド基を
有するエチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。合
成例4と同様の方法により、該共重合体の片末端のアミ
ノ基を定量したところ、3.2×10-5当量/gであっ
た。
ール共重合体の合成:攪拌機付きのオートクレーブに、
合成例2と同様な方法で合成したエチレン含量32モル
%、ケン化度99.5モル%のエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物)100g、メタノール400gおよび硫酸0.5g
を仕込み、60℃で2時間反応させた。さらに水和ヒド
ラジン25gを添加し、120℃で4時間反応させた。
反応終了後、室温に冷却し、重合体のゲルを蒸留水で良
く洗浄して粉砕し、さらに0.3g/リットルの酢酸水
溶液で良く洗浄した後、60℃,10時間の熱風乾燥お
よび100℃,12時間の真空乾燥を行うことにより、
MI=1.6(g/10分)、エチレン含量32モル
%、ケン化度99.9モル%の片末端にヒドラジド基を
有するエチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。合
成例4と同様の方法により、該共重合体の片末端のアミ
ノ基を定量したところ、3.2×10-5当量/gであっ
た。
【0042】合成例6 片末端にN−(2−アミノエチル)アミド基を有するエ
チレン−ビニルアルコール共重合体の合成:攪拌機付き
のオートクレーブに、合成例2と同様な方法で合成した
エチレン含量32モル%、ケン化度99.5モル%のエ
チレン−ビニルアルコール共重合体100g、メタノー
ル400gおよび硫酸0.5gを仕込み、60℃で2時
間反応させた。さらに、エチレンジアミン60gを添加
し、120℃で4時間反応させた。反応終了後、室温に
冷却し、重合体のゲルを蒸留水で良く洗浄して粉砕し、
さらに0.3g/リットルの酢酸水溶液で良く洗浄した
後、60℃,10時間の熱風乾燥および100℃,12
時間の真空乾燥を行うことにより、MI=1.6(g/
10分)、エチレン含量32モル%、ケン化度99.8
モル%の片末端にN−(2−アミノエチル)アミドを有
するエチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。合成
例1と同様の方法により、該共重合体の片末端のアミノ
基を定量したところ、3.2×10-5当量/gであっ
た。
チレン−ビニルアルコール共重合体の合成:攪拌機付き
のオートクレーブに、合成例2と同様な方法で合成した
エチレン含量32モル%、ケン化度99.5モル%のエ
チレン−ビニルアルコール共重合体100g、メタノー
ル400gおよび硫酸0.5gを仕込み、60℃で2時
間反応させた。さらに、エチレンジアミン60gを添加
し、120℃で4時間反応させた。反応終了後、室温に
冷却し、重合体のゲルを蒸留水で良く洗浄して粉砕し、
さらに0.3g/リットルの酢酸水溶液で良く洗浄した
後、60℃,10時間の熱風乾燥および100℃,12
時間の真空乾燥を行うことにより、MI=1.6(g/
10分)、エチレン含量32モル%、ケン化度99.8
モル%の片末端にN−(2−アミノエチル)アミドを有
するエチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。合成
例1と同様の方法により、該共重合体の片末端のアミノ
基を定量したところ、3.2×10-5当量/gであっ
た。
【0043】実施例1 合成例5の片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体80gおよびエチレン−グリシ
ジルメタクリレ−ト共重合体[グリシジルメタクリレー
ト含量15%、官能基当量にして950、MI=3(g
/10分)]20gを混合後、以下の条件でペレット化
を行った。 使用押出機 :セグメント式ラボ2軸押出機(25
mm径) スクリュー形状 :Cタイプ(強混練タイプ) スクリュー回転数:230rpm 吐出量 :0.6Kg/h 得られたペレットをラボ1軸押出機を用いて、220℃
で製膜し、25μmおよび100μmのフィルムを製造
した。
ニルアルコール共重合体80gおよびエチレン−グリシ
ジルメタクリレ−ト共重合体[グリシジルメタクリレー
ト含量15%、官能基当量にして950、MI=3(g
/10分)]20gを混合後、以下の条件でペレット化
を行った。 使用押出機 :セグメント式ラボ2軸押出機(25
mm径) スクリュー形状 :Cタイプ(強混練タイプ) スクリュー回転数:230rpm 吐出量 :0.6Kg/h 得られたペレットをラボ1軸押出機を用いて、220℃
で製膜し、25μmおよび100μmのフィルムを製造
した。
【0044】比較例1 熱可塑性ビニルアルコール系重合体として通常のエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量32モル
%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10
分)]を用いたほかは、実施例1と同様にして試験を行
った。
ン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量32モル
%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10
分)]を用いたほかは、実施例1と同様にして試験を行
った。
【0045】比較例2 熱可塑性ビニルアルコール系重合体として通常のエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量32モル
%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10
分)]を用い、熱可塑性重合体として低密度ポリエチレ
ン[MI=3(g/10分)]を用いたほかは、実施例
1と同様にして試験を行った。実施例1、比較例1およ
び比較例2により得られたフィルムの主な物性値を表1
に示す。表1に示すように、比較例1および比較例2よ
りも、実施例1の方が引張破断強度、引張破断伸度、透
明度およびガスバリヤー性の点で著しく優れていた。
ン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量32モル
%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10
分)]を用い、熱可塑性重合体として低密度ポリエチレ
ン[MI=3(g/10分)]を用いたほかは、実施例
1と同様にして試験を行った。実施例1、比較例1およ
び比較例2により得られたフィルムの主な物性値を表1
に示す。表1に示すように、比較例1および比較例2よ
りも、実施例1の方が引張破断強度、引張破断伸度、透
明度およびガスバリヤー性の点で著しく優れていた。
【0046】
【表1】
【0047】実施例2 合成例5の片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体40gおよびメタクリル酸メチ
ル−メタクリル酸グリシジル共重合体[グリシジルメタ
クリレート含量10%、官能基当量にして1420、M
I2.0(g/10分)]10gを用いて、以下の条件
で溶融混練を行った。 使用機械 :プラストグラフ ローター形状:ローラー型 回転数 :80rpm 混練温度 :200℃ 混練時間 :10分 上記の方法により得られた樹脂組成物を、220℃で熱
プレスすることによりフィルム化した。このフィルムを
液体窒素中で破断し、破断面を140℃のキシレンによ
り抽出後、走査型電子顕微鏡により破断面を観察した。
このフィルムの透明性は良好で、走査型電子顕微鏡によ
る観察から、メタクリル酸メチル−メタクリル酸グリシ
ジル共重合体の平均分散粒径は0.2μmであった。
ニルアルコール共重合体40gおよびメタクリル酸メチ
ル−メタクリル酸グリシジル共重合体[グリシジルメタ
クリレート含量10%、官能基当量にして1420、M
I2.0(g/10分)]10gを用いて、以下の条件
で溶融混練を行った。 使用機械 :プラストグラフ ローター形状:ローラー型 回転数 :80rpm 混練温度 :200℃ 混練時間 :10分 上記の方法により得られた樹脂組成物を、220℃で熱
プレスすることによりフィルム化した。このフィルムを
液体窒素中で破断し、破断面を140℃のキシレンによ
り抽出後、走査型電子顕微鏡により破断面を観察した。
このフィルムの透明性は良好で、走査型電子顕微鏡によ
る観察から、メタクリル酸メチル−メタクリル酸グリシ
ジル共重合体の平均分散粒径は0.2μmであった。
【0048】比較例3 熱可塑性ビニルアルコール系重合体として通常のエチレ
ン−ビニルアルコ−ル共重合体[エチレン含量32モル
%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10
分)]を用いたほかは、実施例2と同様にして試験を行
ったところ、メタクリル酸メチル−メタクリル酸グリシ
ジル共重合体の平均分散粒径は0.5μmであった。フ
ィルムの透明性も実施例2に比べ不良であった。
ン−ビニルアルコ−ル共重合体[エチレン含量32モル
%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10
分)]を用いたほかは、実施例2と同様にして試験を行
ったところ、メタクリル酸メチル−メタクリル酸グリシ
ジル共重合体の平均分散粒径は0.5μmであった。フ
ィルムの透明性も実施例2に比べ不良であった。
【0049】比較例4 熱可塑性ビニルアルコール系重合体として通常のエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量32モル
%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10
分)]を用い、熱可塑性樹脂としてポリメタクリル酸メ
チル[MI=2(g/10分)]を用いたほかは、実施
例2と同様にして試験を行ったところ、ポリメタクリル
酸メチルの平均分散粒径は3μmで不良であった。フィ
ルムの透明性も実施例2に比べて著しく不良であった。
ン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量32モル
%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10
分)]を用い、熱可塑性樹脂としてポリメタクリル酸メ
チル[MI=2(g/10分)]を用いたほかは、実施
例2と同様にして試験を行ったところ、ポリメタクリル
酸メチルの平均分散粒径は3μmで不良であった。フィ
ルムの透明性も実施例2に比べて著しく不良であった。
【0050】実施例3 合成例4の片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体10g、通常のエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体[エチレン含量43モル%、MI
=5(g/10分)]30gおよびメタクリル酸メチル
−メタクリル酸グリシジル共重合体[グリシジルメタク
リレート含量10%、官能基当量にして1420、MI
=30(g/10分)]10gを以下の条件で溶融混練
を行った。 使用機械 :プラストグラフ ローター形状:ローラー型 回転数 :80rpm 混練温度 :200℃ 混練時間 :10分 上記の方法により得られた樹脂組成物を、220℃で熱
プレスすることによりフィルム化した。このフィルムを
液体窒素中で破断し、破断面を140℃のキシレンによ
り抽出後、走査型電子顕微鏡により破断面を観察した。
このフィルムの透明性は良好で、走査型電子顕微鏡によ
る観察から、メタクリル酸メチル−メタクリル酸グリシ
ジル共重合体の平均分散粒径は0.3μmであった。
ニルアルコール共重合体10g、通常のエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体[エチレン含量43モル%、MI
=5(g/10分)]30gおよびメタクリル酸メチル
−メタクリル酸グリシジル共重合体[グリシジルメタク
リレート含量10%、官能基当量にして1420、MI
=30(g/10分)]10gを以下の条件で溶融混練
を行った。 使用機械 :プラストグラフ ローター形状:ローラー型 回転数 :80rpm 混練温度 :200℃ 混練時間 :10分 上記の方法により得られた樹脂組成物を、220℃で熱
プレスすることによりフィルム化した。このフィルムを
液体窒素中で破断し、破断面を140℃のキシレンによ
り抽出後、走査型電子顕微鏡により破断面を観察した。
このフィルムの透明性は良好で、走査型電子顕微鏡によ
る観察から、メタクリル酸メチル−メタクリル酸グリシ
ジル共重合体の平均分散粒径は0.3μmであった。
【0051】比較例5 合成例2のエチレン−ビニルアルコール共重合体10
g、通常のエチレン−ビニルアルコール共重合体[エチ
レン含量43モル%、MI=5(g/10分)]30g
およびメタクリル酸メチル−メタクリル酸グリシジル共
重合体[グリシジルメタクリレート含量10%、官能基
当量にして1420、MI=30(g/10分)]10
gを実施例3と同様な条件で試験を行ったところ、メタ
クリル酸メチル−メタクリル酸グリシジル共重合体の平
均分散粒径は0.8μmで、フィルムの透明性も実施例
3に比べ不良であった。
g、通常のエチレン−ビニルアルコール共重合体[エチ
レン含量43モル%、MI=5(g/10分)]30g
およびメタクリル酸メチル−メタクリル酸グリシジル共
重合体[グリシジルメタクリレート含量10%、官能基
当量にして1420、MI=30(g/10分)]10
gを実施例3と同様な条件で試験を行ったところ、メタ
クリル酸メチル−メタクリル酸グリシジル共重合体の平
均分散粒径は0.8μmで、フィルムの透明性も実施例
3に比べ不良であった。
【0052】実施例4 合成例5の片末端にヒドラジド基を有するエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体40gおよびオキサゾリン変性
ポリスチレン[オキサゾリンの量は官能基当量にして2
200、MI=5.0(g/10分)]10gを以下の
条件で溶融混練を行った。 使用機械 :プラストグラフ ローター形状:ローラー型 回転数 :80rpm 混練温度 :200℃ 混練時間 :30分 上記の方法により得られた樹脂組成物を、220℃で熱
プレスすることによりフィルム化した。このフィルムを
液体窒素中で破断し、破断面を140℃のキシレンによ
り抽出後、走査型電子顕微鏡により破断面を観察した。
走査型電子顕微鏡による観察から、オキサゾリン変性ポ
リスチレンの平均分散粒径は0.4μmであった。
ニルアルコール共重合体40gおよびオキサゾリン変性
ポリスチレン[オキサゾリンの量は官能基当量にして2
200、MI=5.0(g/10分)]10gを以下の
条件で溶融混練を行った。 使用機械 :プラストグラフ ローター形状:ローラー型 回転数 :80rpm 混練温度 :200℃ 混練時間 :30分 上記の方法により得られた樹脂組成物を、220℃で熱
プレスすることによりフィルム化した。このフィルムを
液体窒素中で破断し、破断面を140℃のキシレンによ
り抽出後、走査型電子顕微鏡により破断面を観察した。
走査型電子顕微鏡による観察から、オキサゾリン変性ポ
リスチレンの平均分散粒径は0.4μmであった。
【0053】比較例6 熱可塑性ビニルアルコール系重合体として通常のエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量32モル
%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10
分)]を用いたほかは、実施例4と同様にして試験を行
ったところ、オキサゾリン変性ポリスチレンの平均分散
粒径は1μmであった。
ン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量32モル
%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10
分)]を用いたほかは、実施例4と同様にして試験を行
ったところ、オキサゾリン変性ポリスチレンの平均分散
粒径は1μmであった。
【0054】実施例5 合成例6の片末端に2−アミノエチルアミド基を有する
エチレン−ビニルアルコール共重合体10g、通常のエ
チレン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量32
モル%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/
10分)]30gおよび無水マレイン酸変性スチレン−
水添ポリイソプレン−スチレンブロック共重合体[官能
基当量にして35000、スチレン含量35%、水添率
98.5%、MI=2(g/10分)]10gを用い、
実施例3と同様にして試験を行ったところ、無水マレイ
ン酸変性スチレン−水添ポリイソプレン−スチレンブロ
ック共重合体の平均分散粒径は0.2μmであった。
エチレン−ビニルアルコール共重合体10g、通常のエ
チレン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量32
モル%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/
10分)]30gおよび無水マレイン酸変性スチレン−
水添ポリイソプレン−スチレンブロック共重合体[官能
基当量にして35000、スチレン含量35%、水添率
98.5%、MI=2(g/10分)]10gを用い、
実施例3と同様にして試験を行ったところ、無水マレイ
ン酸変性スチレン−水添ポリイソプレン−スチレンブロ
ック共重合体の平均分散粒径は0.2μmであった。
【0055】比較例7 熱可塑性ビニルアルコール系重合体として通常のエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量32モル
%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10
分)]40gを用い、熱可塑性樹脂として無水マレイン
酸変性スチレン−水添ポリイソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体[官能基当量にして35000、スチレン含
量35%、水添率98.5%、MI=2(g/10
分)]10gを用いたほかは、実施例5と同様にして試
験を行ったところ、無水マレイン酸変性スチレン−水添
ポリイソプレン−スチレンブロック共重合体の平均分散
粒径は0.8μmであった。
ン−ビニルアルコール共重合体[エチレン含量32モル
%、ケン化度99.8モル%、MI=1.6(g/10
分)]40gを用い、熱可塑性樹脂として無水マレイン
酸変性スチレン−水添ポリイソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体[官能基当量にして35000、スチレン含
量35%、水添率98.5%、MI=2(g/10
分)]10gを用いたほかは、実施例5と同様にして試
験を行ったところ、無水マレイン酸変性スチレン−水添
ポリイソプレン−スチレンブロック共重合体の平均分散
粒径は0.8μmであった。
【0056】
【発明の効果】本発明の末端にアミノ基を有するビニル
アルコール系重合体(A)および該アミノ基と反応する
官能基を有する熱可塑性樹脂(B)からなる樹脂組成物
は、溶融混練後の分散性が向上することから、この樹脂
組成物を用いて得られたフィルム、シート、容器等は従
来のビニルアルコール系重合体と熱可塑性樹脂との組成
物に比べて、格段に優れた機械的特性、透明性およびガ
スバリヤー性を有するために、各種包装材料、成形材料
等の分野に好適に用いられる。
アルコール系重合体(A)および該アミノ基と反応する
官能基を有する熱可塑性樹脂(B)からなる樹脂組成物
は、溶融混練後の分散性が向上することから、この樹脂
組成物を用いて得られたフィルム、シート、容器等は従
来のビニルアルコール系重合体と熱可塑性樹脂との組成
物に比べて、格段に優れた機械的特性、透明性およびガ
スバリヤー性を有するために、各種包装材料、成形材料
等の分野に好適に用いられる。
Claims (2)
- 【請求項1】 末端にアミノ基を有するビニルアルコー
ル系重合体(A)および該アミノ基と反応する官能基を
有する熱可塑性重合体(B)からなり、かつ成分(A)
と成分(B)の重量配合比が99:1ないし1:99で
ある樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物からなるフィ
ルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31002792A JPH06107891A (ja) | 1992-08-11 | 1992-11-19 | 樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23652992 | 1992-08-11 | ||
JP4-236529 | 1992-08-11 | ||
JP31002792A JPH06107891A (ja) | 1992-08-11 | 1992-11-19 | 樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06107891A true JPH06107891A (ja) | 1994-04-19 |
Family
ID=26532720
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31002792A Pending JPH06107891A (ja) | 1992-08-11 | 1992-11-19 | 樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06107891A (ja) |
-
1992
- 1992-11-19 JP JP31002792A patent/JPH06107891A/ja active Pending
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