JPH06345866A - シロキサン変性ポリイミド樹脂 - Google Patents

シロキサン変性ポリイミド樹脂

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JPH06345866A
JPH06345866A JP14188193A JP14188193A JPH06345866A JP H06345866 A JPH06345866 A JP H06345866A JP 14188193 A JP14188193 A JP 14188193A JP 14188193 A JP14188193 A JP 14188193A JP H06345866 A JPH06345866 A JP H06345866A
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Japan
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mol
formula
repeating unit
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siloxane
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JP14188193A
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English (en)
Inventor
Koichi Fujishiro
光一 藤城
Kenichi Kitamura
健一 北村
Takeo Teramoto
武郎 寺本
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い耐熱性、耐湿性及び低熱膨張で密着性に
優れた保護膜を与えるシロキサン変性ポリイミド樹脂を
提供する。 【構成】 ジアミン成分としてジアミノベンズアニリド
20〜70モル%、ジアミノジフェニルエーテル誘導体
20〜79モル%及びジアミノシロキサン誘導体1〜6
0モル%を用いて得られた繰り返し単位から構成される
シロキサン変性ポリイミド樹脂である。 【効果】 シリコンウェハー等の基材に対して高い密着
性を有し、しかも熱処理時の熱応力も小さいシリキサン
変性ポリイミド樹脂であり、各種表面実装に対応した半
導体素子の保護膜、その他のコーティング、接着関係等
の用途に好適に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐湿性、低熱
膨張性であって密着性に優れたシロキサン変性ポリイミ
ド樹脂に関するものであり、特に、半導体素子を保護す
るために用いられる樹脂、例えばパッシベーション膜、
α線遮断膜、封止膜として、更には半導体及び回路基板
の層間絶縁膜、また接着剤、コーティング剤として有用
なシロキサン変性ポリイミド樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置においては、配線の微
細化及びチップの大型化の傾向があり、これに伴って、
樹脂封止材の硬化収縮、はんだ熱処理時の熱膨張、フィ
ラー等によるチップ表面の電極のスライド、パッシベー
ションクラック等が発生し易くなり、素子の信頼性が低
下する原因になっている。また同時に、実装密度の向上
を狙った表面実装方式が主流になり、はんだ熱処理時の
ポップコーン現象によるパッケージクラック等に対する
耐湿信頼性について新しい対応が必要になってきた。
【0003】このため、素子の信頼性を向上させる目的
で、封止材料の低応力化や低吸湿化が図られているが、
これとは別に、高集積度を有する半導体と封止材との間
に発生する応力を緩和するバッファーコート膜としてポ
リイミド樹脂を用いることも提案されている。更に、パ
ッケージクラックを防ぐ対策として、リードフレームの
アイランド部分の裏面にポリイミド膜を形成する方法も
行われている。すなわち、リードフレームと封止材との
密着性が悪い場合にその界面に凝集した水分がはんだ熱
処理時に気化してパッケージクラックを起こすのを、こ
のリードフレームとの接着性のよいポリイミドを用いる
ことにより防止しようとするものである。
【0004】そして、これらの目的のために種々の方法
が提案されている。例えば、半導体素子との接着性を向
上したポリアミック酸重合体を表面保護膜として用いる
方法(特開昭 59-56,453号公報、特開昭 61-84,025号公
報)、あるいは耐熱性の高いポリアミック酸を表面保護
膜として用いる方法(特開昭58-218,127号公報、特開昭
54-74,677号公報)等が知られている。しかしながら、
これらの方法では、得られるポリイミドはその耐湿性や
応力緩和性が共に不十分であり、半導体用の保護膜とし
ては十分でない。
【0005】更に、吸湿率が低く、弾性率の低いポリイ
ミドを得る目的でジアミノポリシロキサンを共重合成分
として用いる方法も提案されている(特開昭62-223,228
号公報、特開昭 63-35,626号公報)が、このような方法
においても、得られる樹脂はポジ型フォトレジストを用
いたウェットエッチングプロセスでスルーホールの形成
が難しいという欠点を有している。
【0006】また、最近、シリコンウェハーと絶縁層と
して用いるポリイミドの間に生じる応力を小さくする目
的で、熱膨張係数の低いポリイミドを用いる方法が提案
されている。しかしながら、このようなポリイミドにつ
いても、吸湿時の密着性に劣るという欠点がある。例え
ば、非常に低い熱膨張であるポリアミドイミド樹脂を多
層配線板に使用することが提案されている(特公平3-7
0,399号公報)が、このポリアミドイミド樹脂を半導体
保護用途に用いても耐湿密着性が不十分であり、これを
用いた半導体パッケージは吸湿後のはんだ耐熱性試験に
おいて充分な性能を持っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記事情を考
慮して創案されたものであり、その目的とするところ
は、耐熱性、低熱膨張であって熱処理時に基板に与える
応力が少なく、かつ、耐湿性、密着性に優れたシロキサ
ン変性ポリイミド樹脂を提供することにある。また、本
発明の目的は、半導体と封止材との間に発生する応力を
緩和するバッファーコート膜として、更にはパッケージ
クラックを防ぐ対策として半導体と封止材との密着性を
向上させる樹脂として使用した場合に、はんだ熱処理等
の熱応力に耐え、表面実装方式及び素子面積の大型化に
対応した半導体素子の信頼性を向上させることができる
シロキサン変性ポリイミド樹脂を提供することにある。
更に、本発明の目的は、コーティング剤、接着剤として
使用しても、湿度の高い環境や、過激な熱処理にも耐え
得るシロキサン変性ポリイミド樹脂を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1)、(2)及び(3)
【0009】
【化4】 〔但し、式中Arは下記
【0010】
【化5】 (但し、式中Zは存在しないか、−CO−又は−SO2
−を示す)で表される4価の結合基を示し、Yは−O−
及び下記式(4)
【0011】
【化6】 で表される2価の結合基から選ばれた少なくとも1種を
示し、R1 〜R4 は低級アルキル基、低級アルコキシ基
又はハロゲンを示し、互いに同じであっても異なってい
てもよく、m1 〜m4 は0〜4の整数であり、R5 及び
6 は2価の有機基を示し、R7 〜R10は炭素数1〜6
の炭化水素基を示し、nは1〜5の整数である〕で表さ
れる繰り返し単位を構成単位として含有し、
【0012】これら一般式(1)、(2)及び(3)で
表される繰り返し単位をそれぞれ一般式(1)の繰り返
し単位20〜70モル%(Aモル%)、一般式(2)の
繰り返し単位20〜79モル%(Bモル%)及び一般式
(3)の繰り返し単位1〜60モル%(Cモル%)の割
合で含有し、
【0013】上記AとCとの量的関係が、Yが−O−で
あるときにC>(A−26)/4であり、Yが式(4)
であるときにC>(A−26)/8であり、かつ、Yが
−O−及び式(4)の混合であるときは下記の関係 C>(B1 /B)〔(A−26)/4〕+(B2 /B)
〔(A−26)/8〕 〔但し、B1 はYが−O−である繰り返し単位のモル%
を示し、B2 はYが式(4)である繰り返し単位のモル
%を示す〕であり、かつ、
【0014】この化合物のイミド閉環前の前駆体0.5
gをN−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解した
溶液を25℃で測定して得られたインヘレント粘度が
0.1dl/g以上であるシロキサン変性ポリイミド樹
脂である。
【0015】本発明のシロキサン変性ポリイミドは、ジ
アミン化合物と芳香族テトラカルボン酸二無水物とを等
モルの割合で反応させることにより製造することができ
る。ここで、本発明の樹脂を製造するのに用いる芳香族
テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二
無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等が挙げ
られる。
【0016】また、本発明の樹脂を製造するのに用いら
れるジアミン成分としては、下記一般式(5)
【0017】
【化7】
【0018】(但し、式中のR1 及びR2 並びにm1 及
びm2 は上記に同じ)で表されるジアミン成分を、全ジ
アミン成分に対して20〜70モル%の範囲で用いる。
【0019】これから得られるポリイミド単位は、上記
一般式(1)で示されるものであって低熱膨張性という
性質を与える。すなわち、後述するコーティング方法に
より半導体表面に塗布されたポリイミド前駆体から加熱
処理によるイミド化時の熱硬化収縮及びはんだ熱処理時
に、基板に対して与える応力が極めて少ないものであ
る。また、ヒートサイクル試験に対しても基板剥離を生
じない優れた結果を与える。従って、この一般式(5)
の化合物の使用量が少なすぎると、熱膨張係数が大きく
なり加熱処理時に高い熱応力を基板に与える。一方、多
すぎると基板との密着性が低下するので好ましくない。
【0020】この一般式(5)のジアミン成分として
は、好ましくは4,4’−ジアミノベンズアニリド、
4,3’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミ
ノベンズアニリド及びそれらの置換誘導体等を挙げるこ
とができる。この置換基R1 及びR2 としては好ましく
は炭素数1〜3の低級アルキル基、炭素数1〜3の低級
アルコキシ基又はハロゲンであり、具体的にはメチル
基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、
フッ素、塩素、臭素等が挙げられる。そして、より好ま
しくは、2−メトキシ−4,4’−ジアミノベンズアニ
リドである。このようなジアミン化合物についてはその
2種以上を同時に使用しても差し支えない。
【0021】上記一般式(5)のジアミン成分により与
えられる低熱膨張性や低応力性を維持しながら、半導体
保護用に供する上で必要な良好な耐湿密着性を付与する
ためには、下記一般式(6)及び(7)
【0022】
【化8】
【0023】(但し、式中Y、R3 及びR4 、m3 及び
m4 、R5 及びR6 、R7 〜R10並びにnは上記に同
じ)で表される2種のジアミン成分とのコポリマー化が
重要である。すなわち、一般式(6)で表されるジアミ
ン成分を全ジアミン成分に対して20〜79モル%の範
囲で用い、これから得られるポリイミド単位は一般式
(2)で示されるものである。この一般式(6)で表さ
れるジアミン成分の使用量がこの範囲より少ないと密着
性に劣り、また、79モル%より多いと熱膨張係数が大
きくなってシリコンウェハー上に発生する応力が大きく
なる。この一般式(6)の置換基R3 及びR4 として、
好ましくは炭素数1〜3の低級アルキル基、炭素数1〜
3の低級アルコキシ基又はハロゲンである。
【0024】また、一般式(7)で表されるジアミノシ
ロキサン成分については、全ジアミン成分に対して1〜
60モル%の範囲で用いられ、特に好ましくは1〜30
モル%の範囲である。この一般式(7)のジアミノシロ
キサン成分の使用量が上記範囲より多いと熱膨張率が増
加しまた高温強度が低下してはんだ熱処理時に好ましく
ない。反対に、その使用量が少ないと半導体との密着性
が低下する。
【0025】更に、本発明においては、この一般式
(7)のジアミノシロキサン成分(Cモル%)の使用量
を次式で示される量に保つことにより、優れた耐湿性や
密着性を発揮せしめる。すなわち、Yが−O−であると
きにC>(A−26)/4であり、Yが式(4)である
ときにC>(A−26)/8であり、かつ、Yが−O−
及び式(4)の混合であるときは下記の関係 C>(B1 /B)〔(A−26)/4〕+(B2 /B)
〔(A−26)/8〕 〔但し、B1 はYが−O−である繰り返し単位のモル%
を示し、B2 はYが式(4)である繰り返し単位のモル
%を示す〕である。この一般式(7)のジアミノシロキ
サン成分(Cモル%)の使用量が、この範囲より少ない
と、吸湿時の密着性に劣り、コーティング剤等にこれを
用いた半導体素子ははんだ熱処理時の信頼性に劣る。
【0026】なお、ここで、A(モル%)は一般式
(1)で示される繰り返し単位のモル含有量を示し、B
(モル%)は一般式(2)で示される繰り返し単位のモ
ル含有量を示し、C(モル%)は一般式(3)で示され
る繰り返し単位のモル含有量を示し、B1 (モル%)は
Yが−O−であるときの一般式(2)で示される繰り返
し単位のモル含有量を示し、また、B2 (モル%)はY
が式(4)であるときの一般式(2)で示される繰り返
し単位のモル含有量を示す。
【0027】この一般式(7)で表されるジアミノシロ
キサン成分の具体例としては、特に限定されるものでは
ないが、好ましいものとして以下のものが例示される。
このジアミノシロキサン成分を用いて得られるポリイミ
ド樹脂中の繰り返し単位は、一般式(3)で示されるも
のであり、良好な密着性を与える。
【0028】
【化9】
【0029】本発明においては、一般式(1)〜(3)
で表される繰り返し単位のモル含有量が上記の条件を満
たすことを前提に、他のジアミン成分とのコポリマー化
を行ってもよい。このような他のジアミン成分の具体例
としては、例えば3,4’−ジアミノビフェニル、4,
4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,
3’−ジメトキシビフェニル、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2−
ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン等の芳香族ジアミンを挙げることが
できる。
【0030】本発明のポリイミド樹脂は、硬化させる前
の前駆体をN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメ
チルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等の非プロト
ン性極性溶媒及び/又はテトラヒドロフラン、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
等のエーテル結合を有する溶媒に溶解させて得られる、
ポリイミド前駆体溶液として用いられる。
【0031】本発明においては、必要により更に基板と
の密着性を向上させる目的で、上記ポリイミド前駆体溶
液中に3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシラ
ンカップリング剤を少量添加して使用することもでき
る。また、更に低熱膨張化のためにシリカ等の充填材を
添加してもよい。
【0032】このポリイミド前駆体溶液は、高樹脂濃度
においてもスピンコート性を有しているので、このよう
な方法によって塗工した後、有機溶媒を除去し得る程度
の低温短時間の加熱処理を行うことにより、容易に密着
性、耐湿性、機械特性及び電気特性に優れたピンホール
のないポリイミド膜を形成でき、高温高湿下での半導体
不良の発生を大幅に抑制することができる。
【0033】更に、この樹脂組成物から得られる保護膜
は、ウラン、トリウム等の放射性元素をほとんど含まな
いため、例えばこの保護膜上に更にエポキシ樹脂等の各
種封止材料を施した際に、α線遮断効果を充分に発揮
し、メモリー素子の性能向上に大きく寄与する。
【0034】本発明によるシロキサン変性ポリイミド樹
脂又はこの樹脂を主成分とする樹脂組成物は、封止層と
して樹脂封止を用いる場合に特に好ましい結果が得ら
れ、更に高度に集積された半導体素子においてより効果
的な作用を示す。具体的にはバイポーラ型の場合に1k
ビット以上、MOS型の場合に16kビット以上の集積
度を有する半導体素子に対して特に有効である。
【0035】本発明のシロキサン変性ポリイミド樹脂又
はこの樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いて、半導体
装置に被膜を形成する方法としては、スピンコーティン
グ法、スクリーン印刷法、ディスペンスィング法等が挙
げられる。本発明のポリイミド前駆体からなる樹脂又は
樹脂組成物の溶液を半導体表面に塗布し、各樹脂のガラ
ス転移温度付近で熱処理することによりイミド化が起こ
り、ポリイミド樹脂又はこのポリイミド樹脂を主成分と
する保護膜を設けてなる半導体素子が得られる。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
を具体的に説明する。なお、以下の実施例及び比較例で
使用する芳香族テトラカルボン酸二無水物及びジアミン
化合物の略号は以下の通りである。
【0037】〔芳香族テトラカルボン酸二無水物〕 PMDA:ピロメリット酸無水物 BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物 BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物
【0038】〔芳香族ジアミン〕 MABA:2−メトキシ−4,4’−ジアミノベンズア
ニリド DDE:4,4−ジアミノジフェニルエーテル TPER:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン TPEQ:1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン〔ジアミノシロキサン〕
【0039】
【化10】
【0040】〔溶媒〕 NMP:N−メチル−2−ピロリドン
【0041】実施例1 温度計及び窒素導入管を取り付けた300mlの4つ口
フラスコに毎分200mlの乾燥窒素ガスを流しなが
ら、MABA:4.65g(0.018モル)、DD
E:7.85g(0.039モル)、GAPD:0.7
5g(0.003モル)及びNMP:124gを加えて
攪拌した。得られた溶液を10℃以下に冷却しながら、
BPDA:17.87g(0.06モル)を徐々に加え
た後、更に固形分濃度が10重量%以下となるようにN
MP:156gを加えた。
【0042】その後、室温に徐々に戻した後、更に24
時間攪拌を続け、透明なポリイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリイミド前駆体溶液の溶液粘度は16,00
0cpsであった。また、得られたポリイミド前駆体溶
液を大量のメタノール中に投入した後の不溶物を回収
し、乾燥後の粉体0.5gを100mlのNMPに溶解
した時のインヘレント粘度(25℃)は0.8dl/g
であった。
【0043】得られたポリイミド前駆体溶液をシリコン
ウェハー上にスピン塗布した後、150℃にて30分
間、200℃にて30分間、270℃にて60分間の熱
処理を行い、ポリイミド被膜を作製した。このポリイミ
ド被膜のIRスペクトルを図1に示す。
【0044】次いで、このポリイミド被膜付シリコンウ
ェハーを121℃、100%RH下にて加速耐湿試験を
600時間行った。この加速試験前後における碁盤目剥
離試験を実施したところ、剥離が観測されず、高度な接
着性を保持していることが判明した。
【0045】また、同様にポリイミド被膜を形成させた
5インチシリコンウェハーの曲率半径を測定し、下記の
算出式によりシリコンウェハー上の応力を算出したとこ
ろ、2.0kg/mm2 (膜厚7μm)と非常に低い値
を示した。
【0046】
【数1】
【0047】更に、前記ポリイミドを塗布したシリコン
ウェハーより2種類のパッケージ(QFP80及びSO
P32)を作製し、はんだ耐熱性試験(85℃、85%
RH条件下で100時間吸湿後、260℃、10秒間は
んだ浴浸漬)及びヒートサイクル試験(−65℃にて3
0分、室温にて5分、150℃にて30分のヒートサイ
クルを1000回)の信頼性試験を行った後、パッケー
ジ内部をSAT観察した。何れもシリコンウェハー/ポ
リイミド界面の剥離が見られなかった(試験サンプル数
12)。以上の結果を表1に示す。
【0048】なお、使用したパッケージは、QFP80
がパッケージサイズ14.0×20.0×3.25mm
及びチップサイズ9.0×9.0mmであり、また、S
OP32がパッケージサイズ8.6×20.3×3.0
mm及びチップサイズ4.0×14.0mmであり、何
れもEMC250G(新日鉄EMC社製)で成形し、1
75℃で12時間硬化させた後、はんだ耐熱試験、ヒー
トサイクル試験を行った。
【0049】実施例2〜7 実施例1と同様な方法により、表1に示す配合割合でポ
リイミド前駆体溶液を調製し、600時間加速試験前後
における密着性を碁盤目剥離試験、ポリイミド被膜形成
後のシリコンウェハー上に発生した応力、パッケージの
信頼性試験(はんだ耐熱性試験及びヒートサイクル試
験)をそれぞれ行った。その結果を表1に示す。何れの
ポリイミド被膜もイミド化後の発生応力が低く、加速試
験後においてもシリコンウェハーへの良好な密着性を示
し、更にはこれを用いて作製したパッケージは良好なは
んだ熱処理信頼性、ヒートサイクル試験信頼性を示し
た。
【0050】比較例1〜4 実施例1と同様な方法により、表2に示す配合割合でポ
リイミド前駆体溶液を調製し、上記各実施例の場合と同
様の試験を行った。結果は、表2に示す通り、加速試験
後の密着性に劣るか、イミド化後の発生応力が大きく、
また、密着性に劣るポリイミドを被覆したシリコンチッ
プを装填したパッケージははんだ耐熱試験に耐えられ
ず、一方、発生応力の大きなものはヒートサイクル試験
信頼性に劣る結果を与えた。
【0051】比較例5 ポリイミド被覆を施さないシリコンチップを装填したパ
ッケージを作製し、同様に信頼性試験(はんだ耐熱性試
験及びヒートサイクル試験)を行った。結果は表2に示
す通りであり、はんだ耐熱及びヒートサイクル試験の何
れもその信頼性に劣るものであった。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、シリコンウェハー等の
基材に対して高い密着性を有し、しかも、熱処理時の基
材への発生応力も小さいシロキサン変性ポリイミド樹脂
を与え、更にこれにより保護されたシリコン含有基材に
よるパッケージは良好なはんだ耐熱性やヒートサイクル
試験信頼性を示す。従って、各種高密度実装、表面実装
に対応した半導体素子の保護膜、その他のコーティン
グ、接着関係の用途に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1で得られたシロキサン変性ポ
リイミドのIRスペクトルを示すグラフ図である。
フロントページの続き (72)発明者 寺本 武郎 神奈川県川崎市中原区井田1618番地、新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)、(2)及び(3) 【化1】 〔但し、式中Arは下記 【化2】 (但し、式中Zは存在しないか、−CO−又は−SO2
    −を示す)で表される4価の結合基を示し、Yは−O−
    及び下記式(4) 【化3】 で表される2価の結合基から選ばれた少なくとも1種を
    示し、R1 〜R4 は低級アルキル基、低級アルコキシ基
    又はハロゲンを示し、互いに同じであっても異なってい
    てもよく、m1 〜m4 は0〜4の整数であり、R5 及び
    6 は2価の有機基を示し、R7 〜R10は炭素数1〜6
    の炭化水素基を示し、nは1〜5の整数である〕で表さ
    れる繰り返し単位を構成単位として含有し、これら一般
    式(1)、(2)及び(3)で表される繰り返し単位を
    それぞれ一般式(1)の繰り返し単位20〜70モル%
    (Aモル%)、一般式(2)の繰り返し単位20〜79
    モル%(Bモル%)及び一般式(3)の繰り返し単位1
    〜60モル%(Cモル%)の割合で含有し、上記AとC
    との量的関係が、Yが−O−であるときにC>(A−2
    6)/4であり、Yが式(4)であるときにC>(A−
    26)/8であり、かつ、Yが−O−及び式(4)の混
    合であるときは下記の関係 C>(B1 /B)〔(A−26)/4〕+(B2 /B)
    〔(A−26)/8〕 〔但し、B1 はYが−O−である繰り返し単位のモル%
    を示し、B2 はYが式(4)である繰り返し単位のモル
    %を示す〕であり、かつ、この化合物のイミド閉環前の
    前駆体0.5gをN−メチル−2−ピロリドン100m
    lに溶解した溶液を25℃で測定して得られたインヘレ
    ント粘度が0.1dl/g以上であることを特徴とする
    シロキサン変性ポリイミド樹脂。
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