JPH06345787A - ホスホリルコリン誘導体の製造方法 - Google Patents

ホスホリルコリン誘導体の製造方法

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JPH06345787A
JPH06345787A JP13479893A JP13479893A JPH06345787A JP H06345787 A JPH06345787 A JP H06345787A JP 13479893 A JP13479893 A JP 13479893A JP 13479893 A JP13479893 A JP 13479893A JP H06345787 A JPH06345787 A JP H06345787A
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浩 鈴木
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Yoshihito Kadoma
義仁 門磨
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宣男 中林
Kazuhiko Ishihara
一彦 石原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 悪臭物質で有害なトリメチルアミンを使用し
なくても、他の無害な塩基を用いることにより、安全
で、効率よく、しかも簡単にリン脂質に類似した構造を
有するホスホリルコリン誘導体を製造する。 【構成】 〔(R1)(R2)(R3)N+-(CH2)2-O-P(=O)(X1)
(X2)〕Y-(R1〜R3はHまたはアルキル基、X1、X2はハロゲ
ン、Y-は陰イオン)のハロゲン化ホスホリルコリン誘導
体と、HO-(A)m-(O)n-C(=O)-C(R4)=CH2(R4はHまたはC
H3、Aはアルキレン基、mおよびnは0または1)とをトリメ
チルアミン以外の塩基の存在下に反応させた後、加水分
解して下式のホスホリルコリン誘導体を製造する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はホスホリルコリン誘導体
の製造方法、さらに詳しくはリン脂質の極性基と同一の
構造を有するリン脂質類似モノマーであるホスホリルコ
リン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リン脂質は生物界に広く存在し、生体膜
を構成する主要成分の一つである。このようなリン脂質
の極性基と同一の構造を有するリン脂質類似モノマーの
いくつかについてはすでに合成がなされており、例えば
ホスホリルコリン誘導体である2−(メタクリロイルオ
キシ)エチル−2′−(トリメチルアンモニウム)エチ
ルホスフェートの製造方法については次のような方法が
提案されている。
【0003】1)オキシ塩化リンとエチレンブロムヒド
リンを反応させ、得られた2−ブロムエチルホスホリル
ジクロライドと2−ヒドロキシエチルメタクリレートを
3級塩基の存在下、不活性溶媒中で反応させた後加水分
解する。次に、得られた2−メタクリロイルオキシエチ
ル−2−ブロムエチルハイドロジェンホスフェイトとト
リメチルアミンを反応させる方法(特開昭54−630
25号)。 2)オキシ塩化リンにエチレングリコールを環状に反応
させ、酸素によって酸化させた後、3級塩基の存在下、
2−ヒドロキシエチルメタクリレートと反応させる。得
られた2−(2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホ
リル)エチルメタクリレートとトリメチルアミンを反応
させる方法(特開昭58−154591号、特開昭63
−222183号、WO92/07885号)。
【0004】しかし、このような従来の方法は、いずれ
も最終反応において悪臭防止法によって悪臭物質(令1
条6号)に指定されている有毒なトリメチルアミンを使
用するため、作業従事者の健康を害する心配があるほ
か、設備や法律の面から多大な規制を受けるという問題
点がある。このような点から、トリメチルアミンを原料
として使用して実用化スケールでホスホリルコリン誘導
体を製造する場合、上記従来の方法は決して満足できる
ものであるとは言えないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するため、トリメチルアミンを使用しなく
ても、他の無害な塩基を使用して、安全に、効率よく、
しかも簡単にリン脂質類似モノマーとしてのホスホリル
コリン誘導体を製造できるホスホリルコリン誘導体の製
造方法を提案することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【化4】 〔(1)式中、X1およびX2はハロゲン原子、Y-は陰
イオン、R1、R2およびR3は水素原子または炭素数1
〜4のアルキル基を示す。X1とX2、およびR1〜R3
各々同一でも異なっていてもよい。〕で表わされるハロ
ゲン化ホスホリルコリン誘導体と、一般式(2)
【化5】 〔(2)式中、Aは直鎖または分岐鎖アルキレン基、m
およびnは0または1、R4は水素原子またはメチル基
を示す。〕で表わされるアクリル酸誘導体とを、塩基の
存在下または非存在下に、生成するハロゲン化水素を除
去しながら反応させた後、得られた反応生成物を水と反
応させて加水分解することを特徴とする一般式(3)
【化6】 〔(3)式中、R1、R2およびR3は水素原子または炭
素数1〜4のアルキル基、R4は水素原子またはメチル
基、Aは直鎖または分岐鎖アルキレン基、mおよびnは
0または1を示す。R1〜R3は各々同一でも異なってい
てもよい。〕で表わされるホスホリルコリン誘導体の製
造方法である。
【0007】一般式(1)または(3)のR1〜R3で示
されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、n−ブチル基およびiso−ブチル基等の炭素
数1〜4のアルキル基があげられる。R1〜R3は3つが
同一であってもよいし、3つが異なっていてもよいし、
2つが同一であってもよい。
【0008】一般式(1)のX1またはX2で示されるハ
ロゲン原子としては、フッ素、塩基、臭素およびヨウ素
等があげられる。これらの中では塩素およびヨウ素が好
ましい。X1とX2は同一であってもよいし、異なってい
てもよい。
【0009】一般式(1)のY-で示される陰イオンと
しては、塩素イオン、ヨウ素イオンおよび臭素イオン等
のハロゲンイオン、酢酸イオン、炭酸水素イオン、酒石
酸イオン、水酸化物イオンなどがあげられる。
【0010】一般式(1)で表わされるハロゲン化ホス
ホリルコリン誘導体の具体的なものとしては、塩化2−
(トリメチルアンモニウム)エチル−ジクロロホスフェ
ート、ヨウ化2−(トリエチルアンモニウム)エチル−
ジクロロホスフェート、塩化2−(ジメチルエチルアン
モニウム)エチル−ジクロロホスフェート、塩化2−
(トリプロピルアンモニウム)エチル−ジブロモホスフ
ェート、ヨウ化2−(トリブチルアンモニウム)エチル
−ジヨードホスフェート、塩化2−アンモニウムエチル
−ジクロロホスフェートなどがあげられる。
【0011】このようなハロゲン化ホスホリルコリン誘
導体は、オキシ塩化リン(三塩化ホスホリル)と、対応
するアンモニウム化合物、例えば塩化2−ヒドロキシエ
チルトリメチルアンモニウムまたはヨウ化2−ヒドロキ
シエチルトリエチルアンモニウムなどとを反応させる公
知の方法(例えば、Biomaterials,198
6,Vol.7,March,121−124)により
製造できる。
【0012】一般式(2)または(3)のAで示される
アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリ
メチレン基、テトラメチレン基等の炭素数1〜4の直鎖
アルキレン基;プロピレン基、1−メチルトリメチレン
基、2−メチルトリメチレン基、エチルエチレン基、ジ
メチルエチレン基等の炭素数3〜4の分岐鎖アルキレン
基があげられる。
【0013】一般式(2)で表わされるアクリル酸誘導
体の具体的なものとしては、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチル
メタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキ
シブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレ
ート、メタクリル酸、アクリル酸などがあげられる。
【0014】一般式(3)で表わされるホスホリルコリ
ン誘導体の具体的なものとしては、2−(メタクリロイ
ルオキシ)エチル−2′−(トリメチルアンモニウム)
エチルホスフェート、2−(アクリロイルオキシ)エチ
ル−2′−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェ
ート、3−(メタクリロイルオキシ)プロピル−2′−
(トリメチルアンモニウム)エチルホスフェート、3−
(アクリロイルオキシ)プロピル−2′−(メチルジエ
チルアンモニウム)エチルホスフェート、2−メチル−
3−(アクリロイルオキシ)プロピル−2′−(トリメ
チルアンモニウム)エチルホスフェート、メタクリロイ
ル−2′−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェ
ート、アクリロイル−2′−(トリメチルアンモニウ
ム)エチルホスフェート、2−(メタクリロイルオキ
シ)エチル−2′−アンモニウムエチルホスフェート、
2−(アクリロイルオキシ)エチル−2′−アンモニウ
ムエチルホスフェートなどがあげられる。
【0015】一般式(3)で表わされるホスホリルコリ
ン誘導体は、一般式(1)で表わされるハロゲン化ホス
ホリルコリン誘導体と、一般式(2)で表わされるアク
リル酸誘導体とを、塩基の存在下または非存在下に、生
成するハロゲン化水素を除去しながら反応させた後、得
られた反応生成物を水と反応させて加水分解することに
より製造される。反応中に生成するハロゲン化水素を除
去する方法としては、反応系に存在させた塩基と反応さ
せて除去する方法のほか、塩基の非存在下に不活性ガス
を反応液に通気して系外に排出する方法、これらを組合
せた方法、その他の方法などがあげられる。上記反応を
塩基としてトリエチルアミンを用いた場合について例示
すると次の反応式で表わされる。
【0016】
【化7】
【0017】一般式(1)で表わされるハロゲン化ホス
ホリルコリン誘導体と一般式(2)で表わされるアクリ
ル酸誘導体はハロゲン化ホスホリルコリン誘導体:アク
リル酸誘導体のモル比で1:0.1〜1:10、好まし
くは1:0.8〜1:3の割合で反応させるのが望まし
い。
【0018】反応の際に使用できる塩基としては、トリ
エチルアミン等の第3級アミンおよびピリジンなどの他
に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム等の無機塩基;イオン交換樹脂等の固体塩基などが
あげられる。トリメチルアミンを使用しても反応は進行
するが、トリメチルアミンは悪臭があり有害であるた
め、他の塩基を使用するのが好ましい。前記の反応では
これらの塩基と、反応の進行に伴って生成するハロゲン
化水素とが塩を形成するため、反応系からハロゲン化水
素が除去されて、反応がさらに進行し、反応効率は高く
なる。
【0019】塩基の使用量はハロゲン化ホスホリルコリ
ン誘導体1モルに対して0.1〜10モル、好ましくは
0.5〜3モルの割合で使用するのが望ましい。塩基を
使用する場合でも不活性ガスを通気してハロゲン化水素
を系外に排出してもよく、この場合には上記塩基の使用
量より少ない量の塩基を用いて反応を行うことができ
る。
【0020】前記の反応は塩基の非存在下でも、不活性
ガスを通気して、生成するハロゲン塩化水素を除去する
ことにより、効率よく行うことができる。塩基の非存在
下に反応を行う場合、不活性ガスの通気量は発生するハ
ロゲン化水素の量の0.1〜20モル倍とするのが望ま
しい。
【0021】反応は、反応媒体中でハロゲン化ホスホリ
ルコリン誘導体、アクリル酸誘導体および塩基を混合す
ることにより行うことができる。不活性ガスを通気する
場合は、反応媒体中でハロゲン化ホスホリルコリン誘導
体およびアクリル酸誘導体、必要により塩基を混合し
て、混合液(反応液)中に不活性ガスを通気することに
より行うことができる。
【0022】上記反応媒体としては、ハロゲン化ホスホ
リルコリン誘導体に対して不活性な有機溶媒等の媒体が
使用できる。通常の有機溶媒にはアクリル酸誘導体は溶
解するので、このような媒体を使用する場合は、ハロゲ
ン化ホスホリルコリン誘導体は媒体に溶解していても溶
解していなくてもどちらでもよい。両者がともに溶解し
ない溶媒は反応媒体としては不適当である。反応媒体と
しては、クロロホルム、塩化メチレン、ベンゼンなどが
好ましく使用できる。
【0023】反応条件は、反応温度が−50〜+50
℃、好ましくは−20〜+30℃、反応時間が30分間
〜7時間、好ましくは2〜4時間、反応圧力が0〜20
kgf/cm2、好ましくは0〜5kgf/cm2とする
のが望ましい。
【0024】次に上記反応により生成した反応生成物に
水を加えて反応させ、加水分解することにより目的とす
るホスホリルコリン誘導体が得られる。水は反応生成物
を反応液中から分離することなく、反応液中に添加する
のが好ましいが、分離した後添加してもよい。反応液中
に水を添加する際には、塩基とハロゲン化水素とから形
成される塩はろ過等により除去しておくのが好ましい。
水を加えることにより、反応生成物中のリン原子に結合
している未反応のハロゲン原子、すなわちハロゲン化ホ
スホリルコリン誘導体に由来するハロゲン原子Xが加水
分解されて目的物が得られる。
【0025】水の使用量はハロゲン化ホスホリルコリン
誘導体1モルに対して1モル以上、好ましくは1〜5モ
ルの割合とするのが望ましい。加水分解の条件は、温度
が−50〜+50℃、好ましくは−20〜+30℃、時
間が30分間〜7時間、好ましくは2〜4時間とするの
が望ましい。
【0026】加水分解終了後は、塩基および反応媒体な
どを除去することにより目的とするホスホリルコリン誘
導体が得られる。その後さらに、イオン交換樹脂、シリ
カゲルや酸化アルミナなどによる精製、あるいは溶媒に
対する溶解度の相違による精製などを行うことによって
純度を向上させることが可能である。
【0027】このようにして得られたホスホリルコリン
誘導体は、重合性を有し、リン脂質類似モノマーとして
カテーテル、人工臓器、血液回路等の医用材料のほか、
コンタクトレンズ、化粧料、吸水剤、診断薬、バイオセ
ンサーなどの原料に利用できる。
【0028】
【発明の効果】以上の通り、本発明のホスホリルコリン
誘導体の製造方法によれば、一般式(1)で表わされる
ハロゲン化ホスホリルコリン誘導体と一般式(2)で表
わされるアクリル酸誘導体とを反応させるようにしたの
で、悪臭物質で有害なトリメチルアミンを使用しなくて
も、他の無害な塩基性物質を用いることにより、または
不活性ガスを通気することにより、目的とするホスホリ
ルコリン誘導体を安全に、効率よく、しかも簡単に製造
することができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 参考例1 塩化2−(トリメチルアンモニウム)エチル
−ジクロロホスフェートの合成 塩化2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム0.
2モル、オキシ塩化リン0.2モルおよびトリエチルア
ミン0.2モルを脱水塩化メチレン150mlに投入
し、30℃で2時間懸濁反応させた。反応後、トリエチ
ルアミン塩酸塩および塩化メチレンを除去し、塩化2−
(トリメチルアンモニウム)エチル−ジクロロホスフェ
ートを95%の収率で得た。
【0030】参考例2 ヨウ化2−(トリエチルアンモ
ニウム)エチル−ジクロロホスフェートの合成 ヨウ化2−ヒドロキシエチルトリエチルアンモニウム
0.2モル、オキシ塩化リン0.2モルおよびトリエチ
ルアミン0.2モルを脱水塩化メチレン150mlに投
入し、30℃で2時間懸濁反応させた。反応後、トリエ
チルアミン塩酸塩および塩化メチレンを除去し、ヨウ化
2−(トリエチルアンモニウム)エチル−ジクロロホス
フェートを95%の収率で得た。
【0031】実施例1 2−(メタクリロイルオキシ)
エチル−2′−(トリメチルアンモニウム)エチルホス
フェートの合成 参考例1で得た塩化2−(トリメチルアンモニウム)エ
チル−ジクロロホスフェート0.2モル、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート0.2モルおよびトリエチルア
ミン0.2モルを脱水塩化メチレン150mlに投入
し、0℃で2時間懸濁反応させた。トリエチルアミン塩
酸塩を濾過除去し、さらに水を0.2モル添加し、0℃
で2時間反応させて加水分解を行った。
【0032】イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、ア
ンバーライトIRA−94S−HG)を用いて完全に塩
化水素を吸着し、pHを7.0に調整した。塩化メチレ
ンを除去後、ヘキサン中に滴下することにより精製を行
い、2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2′−(ト
リメチルアンモニウム)エチルホスフェート(一般式
(3)において、R1〜R3がすべてメチル基、R4がメ
チル基、n=1、m=1、Aがエチレン基であるホスホ
リルコリン誘導体)を65%の収率で得た。純度確認の
ために、TLC、HPLC、FAB−MSおよび1H−
NMRの分析を行った。分析値は以下のとおりである。
【0033】・TLC シリカゲルプレート 展開液(メタノール:酢酸:水=15:4:2) ヨウ素発色 Rf=0.25に単一スポットを検出 ・HPLC ODSカラム 溶離液(メタノール:水=70:30) 210nmUV検出 リテンションタイム 5.72分に単一ピークを検出 ・FAB−MS M/Z〔M+H〕+ 296(M=C1122NO6P) ・1H−NMR(ppm/D2O) 3.26(9H、s、−N−C3 )、3.97(2
H、m、−N−C2 −)、4.08〜4.34(6
H、m、−O−C2 −)、1.81(3H、s、−C
−C3 )、5.50(1H、s、−C=)、6.0
3(1H、s、−C=)
【0034】実施例2 2−(アクリロイルオキシ)エ
チル−2′−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフ
ェートの合成 参考例2で得たヨウ化2−(トリエチルアンモニウム)
エチル−ジクロロホスフェート0.2モル、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート0.2モルおよびトリエチルア
ミン0.2モルを脱水塩化メチレン150mlに投入
し、0℃で2時間懸濁反応させた。トリエチルアミンヨ
ウ化水素塩を濾過除去し、さらに水を0.2モル添加
し、0℃で2時間反応させて加水分解を行った。
【0035】イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製 ア
ンバーライトIRA−94S−HG)を用いて完全にヨ
ウ化水素を吸着し、pHを7.0に調整した。塩化メチ
レンを除去後、ヘキサン中に滴下することにより精製を
行い、2−(アクリロイルオキシ)エチル−2′−(ト
リエチルアンモニウム)エチルホスフェート(一般式
(3)において、R1〜R3がすべてエチル基、R4が水
素原子、n=1、m=1、Aがエチレン基であるホスホ
リルコリン誘導体)を65%の収率で得た。純度確認の
ために、TLC、HPLC、FAB−MSおよび1H−
NMRの分析を行った。分析値は以下のとおりである。
【0036】・TLC シリカゲルプレート 展開液(メタノール:酢酸:水=15:4:2) ヨウ素発色 Rf=0.32に単一スポットを検出 ・HPLC ODSカラム 溶離液(メタノール:水=70:30) 210nmUV検出 リテンションタイム 7.45分に単一ピークを検出 ・FAB−MS M/Z〔M+H〕+ 324(M=C1326NO6P) ・1H−NMR(ppm/D2O) 1.33(9H、t、−N−C3 )、3.02〜3.
63(8H、m、−N−C2 −)、4.08〜4.3
4(6H、m、−O−C2 −)、5.80(1H、
m、−CH=CH−)、6.11〜6.62(2H、
m、−C=C−H)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】一般式(1)のX1またはX2で示されるハ
ロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素
等があげられる。これらの中では塩素およびヨウ素が好
ましい。X1とX2は同一であってもよいし、異なってい
てもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】前記の反応は塩基の非存在下でも、不活性
ガスを通気して、生成するハロゲン化水素を除去するこ
とにより、効率よく行うことができる。塩基の非存在下
に反応を行う場合、不活性ガスの通気量は発生するハロ
ゲン化水素の量の0.1〜20モル倍とするのが望まし
い。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】反応条件は、反応温度が−50〜+50
℃、好ましくは−20〜+30℃、反応時間が30分間
〜7時間、好ましくは2〜4時間、反応圧力が0〜20
kgf/cm 2、好ましくは0〜5kgf/cm 2
するのが望ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】実施例1 2−(メタクリロイルオキシ)
エチル−2′−(トリメチルアンモニウム)エチルホス
フェートの合成 参考例1で得た塩化2−(トリメチルアンモニウム)エ
チル−ジクロロホスフェート0.2モル、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート0.2モルおよびトリエチルア
ミン0.2モルを脱水塩化メチレン150mlに投入
し、常圧下、0℃で2時間懸濁反応させた。トリエチル
アミン塩酸塩を濾過除去し、さらに水を0.2モル添加
し、0℃で2時間反応させて加水分解を行った。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】実施例2 2−(アクリロイルオキシ)エ
チル−2′−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフ
ェートの合成 参考例2で得たヨウ化2−(トリエチルアンモニウム)
エチル−ジクロロホスフェート0.2モル、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート0.2モルおよびトリエチルア
ミン0.2モルを脱水塩化メチレン150mlに投入
し、常圧下、0℃で2時間懸濁反応させた。トリエチル
アミン塩酸塩を濾過除去し、さらに水を0.2モル添加
し、0℃で2時間反応させて加水分解を行った。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製 ア
ンバーライトIRA−94S−HG)を用いて完全に
化水素およびヨウ化水素を吸着し、pHを7.0に調整
した。塩化メチレンを除去後、ヘキサン中に滴下するこ
とにより精製を行い、2−(アクリロイルオキシ)エチ
ル−2′−(トリエチルアンモニウム)エチルホスフェ
ート(一般式(3)において、R1〜R3がすべてエチル
基、R4が水素原子、n=1、m=1、Aがエチレン基
であるホスホリルコリン誘導体)を65%の収率で得
た。純度確認のために、TLC、HPLC、FAB−M
Sおよび1H−NMRの分析を行った。分析値は以下の
とおりである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔(1)式中、X1およびX2はハロゲン原子、Y-は陰
    イオン、R1、R2およびR3は水素原子または炭素数1
    〜4のアルキル基を示す。X1とX2、およびR1〜R3
    各々同一でも異なっていてもよい。〕で表わされるハロ
    ゲン化ホスホリルコリン誘導体と、 一般式(2) 【化2】 〔(2)式中、Aは直鎖または分岐鎖アルキレン基、m
    およびnは0または1、R4は水素原子またはメチル基
    を示す。〕で表わされるアクリル酸誘導体とを、 塩基の存在下または非存在下に、生成するハロゲン化水
    素を除去しながら反応させた後、得られた反応生成物を
    水と反応させて加水分解することを特徴とする一般式
    (3) 【化3】 〔(3)式中、R1、R2およびR3は水素原子または炭
    素数1〜4のアルキル基、R4は水素原子またはメチル
    基、Aは直鎖または分岐鎖アルキレン基、mおよびnは
    0または1を示す。R1〜R3は各々同一でも異なってい
    てもよい。〕で表わされるホスホリルコリン誘導体の製
    造方法。
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