JPH0634563B2 - 直流機界磁巻線の絶縁処理方法 - Google Patents

直流機界磁巻線の絶縁処理方法

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JPH0634563B2
JPH0634563B2 JP16894483A JP16894483A JPH0634563B2 JP H0634563 B2 JPH0634563 B2 JP H0634563B2 JP 16894483 A JP16894483 A JP 16894483A JP 16894483 A JP16894483 A JP 16894483A JP H0634563 B2 JPH0634563 B2 JP H0634563B2
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幸則 河村
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Fuji Electric Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K15/00Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines
    • H02K15/12Impregnating, heating or drying of windings, stators, rotors or machines

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は大容量の直流発電機,直流電動機等の突極形界
磁巻線、ことに巻線の絶縁処理方法に関する。
〔従来技術とその問題点〕
第1図は直流機の主極鉄心および界磁巻線の概略平面
図、第2図は第1図のA−A断面図で、界磁巻線の従来
の絶縁構成を示すものである。第1図において、1は主
極鉄心、2はレーストラツク状に形成された界磁巻線、
2aは界磁巻線2の端子部で、第2図のように界磁巻線2
は主極鉄心1にかん挿固着されるとともに、主極鉄心1
は継鉄部3の内周面に固定される。界磁巻線2は第2図
の断面図に示すように、長方形断面を有するコイル導体
4をレーストラツク状に軸方向に複数回巻回するととも
に、巻回間にはガラス繊維,あるいはアスベスト等から
なるレヤー絶縁層5が介装され、コイル導体の周囲には
集成マイカテープ,あるいはアラミツド紙等からなる主
絶縁層6がコイル導体に密接して緊密に巻き付けられ、
さらにその外側には補強用のテープ層7が巻回されて主
絶縁層6をコイル導体部4に押し付けるよう構成されて
いる。そして界磁巻線2には乾燥後硬化剤,硬化促進剤
を含むエポキシ系含浸樹脂が真空加圧含浸される。含浸
を終了したコイルには含浸樹脂の流出防止用テープを巻
いたのち、主極鉄心を模擬した金型に装着して所定条件
の加熱硬化処理が行われ、界磁巻線の絶縁処理が完了す
る。
直流機の中でも車輌用電動機においては、急激な起動停
止や高温での長時間運転が多く、絶縁の許容最高温度に
絶縁が繰り返しさらされる。一般に含浸樹脂は許容最高
温度に近づくとともに軟化する性質を有するために、繰
り返しさらされる熱サイクルによつて軟化した樹脂の接
着力が低下し、絶縁層内部ではく離,クラツクを生じ、
絶縁層が外側にふくらみ、第2図のG部のような空隙が
絶縁層内部に発生しやすい。この現象が最も著しいのは
第2図のF部のようなレーストラツク状巻線の外周側の
平坦部である。その理由としては、まづ主絶縁層6の補
強テープ層7のテープ巻工程において、巻線の角部が支
点になつて平坦部のテープ層をコイル導体に押し付ける
力が不足するために、F部には樹脂溜りができやすいこ
と、コイル導体の面取り部にはくさび状の凹所8が介在
してF部の樹脂溜りがさらに拡張されること、また巻線
を直流機に取り付けたとき、他の部分は主極鉄心1や継
鉄部3によつて絶縁のふくれを抑制する力が作用するの
に対し、F部にはそのような力を与える支持構造物がな
いこと、ならびに腰の強い絶縁テープを使用した場合に
は巻線の角部を支点にして絶縁層が外側に広がろうとす
る力が作用することなどが考えられる。
このように絶縁層にG部のような空隙が発生すると、巻
線の冷却性能が低下してコイル導体の温度が上昇し、こ
れが原因で絶縁層の劣化が加速度的に進行する欠点があ
る。
〔発明の目的〕
本発明は前述の状況に鑑みてなされたもので、特にコイ
ル外周側の平坦部分の絶縁層のふくれを生じない絶縁構
成を備え、冷却性能のすぐれた界磁巻線を提供すること
を目的とする。
〔発明の要点〕
本発明によれば、前述の目的は、ガラス繊維あるいは耐
熱性合成繊維からなるシートまたはテープに、熱変形温
度がエポキシ系含浸樹脂のそれよりも高く含浸樹脂との
反応性を有するビスマレイミドおよびピスマレイミドプ
レポリマーと多感応性シアン酸エステルおよびシアン酸
エステルプレポリマーとからなる耐熱性樹脂を含浸し半
硬化状態とした長方形の形状をした短冊状シートを、絶
縁中に空隙を生じやすいレーストラツク状コイルの外周
側の側面の平坦部分のコイル導体と主絶縁層との間に介
装し、絶縁層にエポキシ系含浸樹脂を含浸したのち加熱
することにより、短冊状シートに含浸された半硬化樹脂
が一旦融解して周囲の樹脂溜り中のエポキシ系含浸樹脂
と混合するとともに反応し、硬化したとき短冊状シート
を骨材にしてその周囲にエポキシ系含浸樹脂よりも耐熱
性および熱変形温度が高い絶縁層が形成され、コイル導
体と主絶縁層とを強固に固着するよう構成することによ
り達成された。
〔発明の実施例〕
以下本発明の一実施例を添付図面を参照しつつ説明す
る。
第3図,第4図および第5図は本発明の実施例を示す直
流機の界磁巻線の概略図で、第3図は巻線の正面方向の
一部破砕断面図、第4図は側面方向の一部破砕断面図、
第5図は第3図のB−B断面図である。図において11お
よび12はレーストラツク状に巻回されたコイル導体4の
外周側の側面に接して主絶縁層の内側に介装された半硬
化性樹脂処理した長方形状の短冊状シートで、第3図の
ようにレーストラツク状コイルの直線部分に、第4図に
概念的に示すようにコイル導体に接して配されたシート
11は巻線側面の平坦部をほぼ覆うよう幅広く、その外側
に配されたシート12はシート11に比べて狭い幅の短冊状
に形成されている。短冊状シートの幅を上述のようにコ
イル側で広くその外側で狭く形成することにより、第5
図に示すように主絶縁層および補強テープ層を巻回する
際、テープの支点が分散され、短冊状シートおよび主絶
縁層をコイル導体に強く押し付ける力が作用する。した
がつてコイル導体と主絶縁層との間に大きな樹脂溜りが
できることを防止する利点が得られ、従来技術の欠点の
一つが排除される。
つぎに本発明の重要な構成要件である長方形の形状をし
た短冊状シートの構成と作用について説明する。短冊状
シートとしては、基材には厚さ0.1〜0.3ミリメー
トルのガラスクロス,ガラスフリースあるいは耐熱性合
成繊維よりなるシート等を用い、ビスマレイミドおよび
ビスマレイミドプレポリマーと多感応性シアン酸エステ
ルおよびシアン酸エステルプレポリマーとからなる樹脂
(商品名ピスマレイミドトリアジン樹脂BT2100,2200,
2400、製造三菱ガス化学)をメチルエチルケトン等の溶
剤に溶解させた含浸樹脂を、上記基材に含浸し、溶剤含
有量が数%以下になるまで50〜60℃の温度で加熱乾燥す
ることにより、半硬化性の樹脂含浸シートとしたもので
あり、加熱硬化することによりH種絶縁(許容最高温度
180 ℃の耐熱絶縁層が形成されるものである。
従来の絶縁構成(第1図)の場合、エポキシ系含浸樹脂
を含浸して得られる界磁巻線絶縁の許容最高温度は155
℃(F種絶縁)であるが、第3図から第5図について説
明した本発明の実施例における絶縁処理方法では、含浸
されたエポキシ系含浸樹脂とともに上述の短冊状シート
を加熱硬化する際、半硬化状態のビスマレイミドトリア
ジン樹脂が加熱されて一旦融解し、周囲のエポキシ系含
浸樹脂と混合し、硬化反応の進行にともなつて両者が反
応し、硬化完了時点ではH種絶縁(許容最高温度180
℃)の混合樹脂硬化物が形成される。したがつて、レー
ストラツク状巻線の外側の平坦部において、従来導体と
主絶縁層との間に生成しやすかつた空隙が、本発明では
この部分に介装された短冊状シートによつて局部的にH
種絶縁層が形成されるので、短冊状シート11,12が骨材
となつて導体4と主絶縁層6とを強固に固着するという
作用がうまれ、機器の急激な起動停止や高温での長時間
運転で絶縁の許容温最高温度にさらされたとしても、前
記したように許容温最高温度が180℃を有し熱変形温度
が高いので樹脂の接着力が低下することがなく、その結
果絶縁層内部の空隙の発生が防止されるとともに、絶縁
層内部に熱伝導を阻害する空隙Gが存在しないために、
巻線の冷却特性が改善されるという利点が得られる。
〔発明の効果〕
本発明は、前述のように、従来レーストラツク状に巻回
されたコイル導体の外周側の平坦部においてコイル導体
と主絶縁層とが剥離して空隙を生じやすかつた部分に、
エポキシ系含浸樹脂と反応しH種絶縁の混合樹脂硬化物
を生成する性質を有する半硬化性樹脂を含浸処理した長
方形の形状をした短冊状シートを介装することにより、
短冊状シートを骨材とするH種絶縁層を形成せしめてコ
イル導体と主絶縁層とを強固に固着することができた。
また短冊状シートをコイル導体側に幅広く、主絶縁層側
で狭い複数層で形成することにより、主絶縁層および補
強テープ層のテーピング作業時に絶縁層がコイル導体に
密接して巻塊できるようなり、大きな樹脂溜まりの生成
を防止でき、上記コイル導体と主絶縁層との接着の強化
との相乗効果により、絶縁層中に空隙が生じにくく冷却
性能のすぐれた絶縁構成を備えた直流機の界磁巻線を提
供できた。
【図面の簡単な説明】
第1図は界磁巻線の従来構造を示す概念図、第2図は第
1図のA−A断面を示す従来の巻線断面図、第3図は本
発明の実施例を示す界磁巻線の平面方向の一部破砕断面
図、第4図は第3図の実施例における側面方向の一部破
砕断面図、第5図は第3図の実施例におけるB−B断面
図である。 1……主極鉄心、2……界磁巻線、4……コイル導体、
5……レヤー絶縁層、6……主絶縁層、7……補強テー
プ層、11,12……短冊状シート、G……空隙。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長方形断面を有するコイル導体をレースト
    ラツク状に軸方向に複数回巻回してなる巻線の巻回間に
    介装されたレヤー絶縁層と巻線外周面に密接して巻回さ
    れた主絶縁層と主絶縁層の外側に巻回された補強テープ
    層とからなり、エポキシ系含浸樹脂が含浸硬化されると
    ともに界磁極にかん着して使用される巻線の絶縁におい
    て、ビスマレイミドおよびビスマレイミドプレポリマー
    と多感応性シアン酸エステルおよびシアン酸エステルプ
    レポリマーとからなる樹脂を含浸し半硬化状としたガラ
    ス繊維あるいは耐熱性合成繊維からなるテープまたはシ
    ートを基材とする長方形状の短冊状シートが、前記レー
    ストラツク状に巻回されたコイルの外周側の側面の平坦
    部分を覆うように前記主絶縁層の内側に介装され、前記
    エポキシ系含浸樹脂とともに加熱硬化されたことを特徴
    とする直流界磁巻線の絶縁処理方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項の絶縁処理方法にお
    いて、レーストラツク状に軸方向に巻回されたコイルの
    外周側の側面の平坦部分を覆うように主絶縁層の内側に
    介装される長方形状の短冊状シートが、コイル導体との
    接触面で幅が広く、主絶縁層に向かって順次狭く形成さ
    れたことを特徴とする直流界磁巻線の絶縁処理方法。
JP16894483A 1983-09-13 1983-09-13 直流機界磁巻線の絶縁処理方法 Expired - Lifetime JPH0634563B2 (ja)

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