JPH06345411A - 低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液の製造方法 - Google Patents
低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液の製造方法Info
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- JPH06345411A JPH06345411A JP16308693A JP16308693A JPH06345411A JP H06345411 A JPH06345411 A JP H06345411A JP 16308693 A JP16308693 A JP 16308693A JP 16308693 A JP16308693 A JP 16308693A JP H06345411 A JPH06345411 A JP H06345411A
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- C01B11/06—Hypochlorites
- C01B11/062—Hypochlorites of alkali metals
Abstract
(57)【要約】
【目的】 低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液の製造工程の
簡素化を図ること。 【構成】 例えば苛性ソーダ濃度48%以上の苛性ソー
ダ水溶液と塩素を反応させ、この反応により折出した食
塩を固液分離する。これにより得られた濾液は有効塩素
濃度38%以上、食塩濃度が3%以下の高濃度次亜塩素
酸ソーダ水溶液であり、この高濃度次亜塩素酸ソーダ水
溶液を水で希釈することにより、有効塩素濃度12〜1
3%、食塩濃度1%以下の低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶
液が製造される。この方法では次亜塩素酸ソーダを晶析
させる必要がないため、晶析に伴なう工程を省略でき、
製造工程の簡素化を図ることができる。
簡素化を図ること。 【構成】 例えば苛性ソーダ濃度48%以上の苛性ソー
ダ水溶液と塩素を反応させ、この反応により折出した食
塩を固液分離する。これにより得られた濾液は有効塩素
濃度38%以上、食塩濃度が3%以下の高濃度次亜塩素
酸ソーダ水溶液であり、この高濃度次亜塩素酸ソーダ水
溶液を水で希釈することにより、有効塩素濃度12〜1
3%、食塩濃度1%以下の低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶
液が製造される。この方法では次亜塩素酸ソーダを晶析
させる必要がないため、晶析に伴なう工程を省略でき、
製造工程の簡素化を図ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低食塩次亜塩素酸ソーダ
水溶液の製造方法に関する。
水溶液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来次亜塩素酸ソーダ(NaClO)は
殺菌作用や漂白作用を有することが知られているが、一
般的には殺菌剤や漂白剤として、下記の(1)式に示す
ように苛性ソーダ濃度20%以下の苛性ソーダ水溶液
(NaOH)と塩素(Cl2 )とを反応させて、有効塩
素濃度(AvCl)12〜13%、食塩濃度(NaC
l)10〜12%の次亜塩素酸ソーダ水溶液が製造され
ている。
殺菌作用や漂白作用を有することが知られているが、一
般的には殺菌剤や漂白剤として、下記の(1)式に示す
ように苛性ソーダ濃度20%以下の苛性ソーダ水溶液
(NaOH)と塩素(Cl2 )とを反応させて、有効塩
素濃度(AvCl)12〜13%、食塩濃度(NaC
l)10〜12%の次亜塩素酸ソーダ水溶液が製造され
ている。
【0003】 2NaOH+Cl2 →NaClO+NaCl+H2 O…(1) ここで有効塩素とは、殺菌や漂白等に有効に働く酸化状
態+1の塩素すなわち次亜塩素酸イオン(OCl- )の
ことであり、有効塩素濃度は次式により計算される。
態+1の塩素すなわち次亜塩素酸イオン(OCl- )の
ことであり、有効塩素濃度は次式により計算される。
【0004】 AvCl(%)=NaClO(%)×2Clの分子量/NaClOの分子量 …(2) しかし次亜塩素酸ソーダは不安定であり、下記の(3)
式に示すように、塩素(O2 )を放って分解し食塩(N
aCl)を生じるという性質があるため、このように食
塩濃度が10〜12%と高い次亜塩素酸ソーダ水溶液で
は、保存中に次亜塩素酸ソーダの分解が起こった場合に
は食塩が折出し、ポンプ等の故障の原因になるという問
題や、次亜塩素酸ソーダ水溶液中に含まれる例えば鉄
(Fe)、ニッケル(Ni)等の金属イオンの量が多い
場合には、次亜塩素酸ソーダの分解が促進される可能性
があるため、近年では例えば有効塩素濃度12〜13%
の下で食塩濃度が1%以下と低く、かつ金属イオン濃度
が低い高品質の次亜塩素酸ソーダ水溶液に対するニーズ
が高まって来ている。
式に示すように、塩素(O2 )を放って分解し食塩(N
aCl)を生じるという性質があるため、このように食
塩濃度が10〜12%と高い次亜塩素酸ソーダ水溶液で
は、保存中に次亜塩素酸ソーダの分解が起こった場合に
は食塩が折出し、ポンプ等の故障の原因になるという問
題や、次亜塩素酸ソーダ水溶液中に含まれる例えば鉄
(Fe)、ニッケル(Ni)等の金属イオンの量が多い
場合には、次亜塩素酸ソーダの分解が促進される可能性
があるため、近年では例えば有効塩素濃度12〜13%
の下で食塩濃度が1%以下と低く、かつ金属イオン濃度
が低い高品質の次亜塩素酸ソーダ水溶液に対するニーズ
が高まって来ている。
【0005】2NaClO→2NaCl+O2 …(3) 例えばこのような低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液の製造
方法としては、苛性ソーダ濃度40〜48%の苛性ソー
ダ水溶液に塩素を反応させた後、これにより折出した食
塩を固液分離し、一方有効塩素濃度30%程度の次亜塩
素酸ソーダ水溶液からなる濾液からは晶析装置を用いて
次亜塩素酸ソーダを晶析させ、これを固液分離した後、
得られた次亜塩素酸ソーダを水に溶解して、適当な濃度
に調整する方法等がある。
方法としては、苛性ソーダ濃度40〜48%の苛性ソー
ダ水溶液に塩素を反応させた後、これにより折出した食
塩を固液分離し、一方有効塩素濃度30%程度の次亜塩
素酸ソーダ水溶液からなる濾液からは晶析装置を用いて
次亜塩素酸ソーダを晶析させ、これを固液分離した後、
得られた次亜塩素酸ソーダを水に溶解して、適当な濃度
に調整する方法等がある。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら上述
の製造方法では、一旦次亜塩素酸ソーダを折出させ、こ
れを水溶液に溶解して次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造し
ているので、(苛性ソーダと塩素との反応)−(折出し
た食塩の固液分離)−(濾液からの次亜塩素酸ソーダの
晶析)−(次亜塩素酸ソーダの固液分離)−(次亜塩素
酸ソーダの水への溶解及び濃度調整)と工程数が多く、
製造管理が煩わしいという問題があった。
の製造方法では、一旦次亜塩素酸ソーダを折出させ、こ
れを水溶液に溶解して次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造し
ているので、(苛性ソーダと塩素との反応)−(折出し
た食塩の固液分離)−(濾液からの次亜塩素酸ソーダの
晶析)−(次亜塩素酸ソーダの固液分離)−(次亜塩素
酸ソーダの水への溶解及び濃度調整)と工程数が多く、
製造管理が煩わしいという問題があった。
【0007】本発明はこのような事情のもとになされた
ものであり、その目的は、次亜塩素酸ソーダを折出させ
ないことで製造工程の簡素化を図る低食塩次亜塩素酸ソ
ーダ水溶液の製造方法を提供することにある。
ものであり、その目的は、次亜塩素酸ソーダを折出させ
ないことで製造工程の簡素化を図る低食塩次亜塩素酸ソ
ーダ水溶液の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】請求項1の発明
は、低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造するにあた
り、次亜塩素酸ソーダ水溶液の有効塩素濃度と飽和食塩
濃度との関係を示す溶解度曲線を作成し、前記溶解度曲
線に基づいて次亜塩素酸ソーダ水溶液を希釈したときに
食塩濃度が所定値以下でかつ有効塩素濃度が所定領域に
なる有効塩素濃度領域を求め、この有効塩素濃度領域の
次亜塩素酸ソーダ水溶液を希釈して予定の次亜塩素酸ソ
ーダ水溶液を得ることを特徴とする。
は、低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造するにあた
り、次亜塩素酸ソーダ水溶液の有効塩素濃度と飽和食塩
濃度との関係を示す溶解度曲線を作成し、前記溶解度曲
線に基づいて次亜塩素酸ソーダ水溶液を希釈したときに
食塩濃度が所定値以下でかつ有効塩素濃度が所定領域に
なる有効塩素濃度領域を求め、この有効塩素濃度領域の
次亜塩素酸ソーダ水溶液を希釈して予定の次亜塩素酸ソ
ーダ水溶液を得ることを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、低食塩次亜塩素酸ソー
ダ水溶液を製造するにあたり、有効塩素濃度38%以上
の次亜塩素酸ソーダ水溶液を希釈することを特徴とす
る。
ダ水溶液を製造するにあたり、有効塩素濃度38%以上
の次亜塩素酸ソーダ水溶液を希釈することを特徴とす
る。
【0010】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て苛性ソーダ濃度48%以上の苛性ソーダ水溶液に塩素
を反応させることにより、有効塩素濃度38%以上の次
亜塩素酸ソーダ水溶液を作成することを特徴とする。
て苛性ソーダ濃度48%以上の苛性ソーダ水溶液に塩素
を反応させることにより、有効塩素濃度38%以上の次
亜塩素酸ソーダ水溶液を作成することを特徴とする。
【0011】本発明は、例えば有効塩素濃度12〜13
%、食塩濃度1%以下の低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液
を製造するにあたり、研究開発により得られた次亜塩素
酸ソーダ水溶液の有効塩素濃度と飽和食塩濃度との関係
を示す溶解度曲線から、次亜塩素酸ソーダ水溶液におい
て有効塩素濃度38%の下で食塩濃度は約3%であるこ
とを得て、有効塩素濃度38%以上の次亜塩素酸ソーダ
水溶液を製造し希釈すれば、次亜塩素酸ソーダを折出さ
せずに、低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液が得られること
に着目した結果なされたものである。但し工業的に低食
塩次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造する場合には、有効塩
素濃度が40%以上であることが望ましい。
%、食塩濃度1%以下の低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液
を製造するにあたり、研究開発により得られた次亜塩素
酸ソーダ水溶液の有効塩素濃度と飽和食塩濃度との関係
を示す溶解度曲線から、次亜塩素酸ソーダ水溶液におい
て有効塩素濃度38%の下で食塩濃度は約3%であるこ
とを得て、有効塩素濃度38%以上の次亜塩素酸ソーダ
水溶液を製造し希釈すれば、次亜塩素酸ソーダを折出さ
せずに、低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液が得られること
に着目した結果なされたものである。但し工業的に低食
塩次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造する場合には、有効塩
素濃度が40%以上であることが望ましい。
【0012】図1は次亜塩素酸ソーダ水溶液の有効塩素
濃度と飽和食塩濃度との関係を示す溶解度曲線である
が、この溶解度曲線は有効塩素濃度の異なる種々の次亜
塩素酸ソーダ水溶液を作成し、その溶液中の食塩濃度を
測定することによって作成される。
濃度と飽和食塩濃度との関係を示す溶解度曲線である
が、この溶解度曲線は有効塩素濃度の異なる種々の次亜
塩素酸ソーダ水溶液を作成し、その溶液中の食塩濃度を
測定することによって作成される。
【0013】また有効塩素濃度38%以上の次亜塩素酸
ソーダ水溶液は、例えば上述の(1)式に示すように苛
性ソーダと塩素との反応に従って、苛性ソーダ濃度48
%以上の苛性ソーダ水溶液より得られる。
ソーダ水溶液は、例えば上述の(1)式に示すように苛
性ソーダと塩素との反応に従って、苛性ソーダ濃度48
%以上の苛性ソーダ水溶液より得られる。
【0014】この苛性ソーダ濃度48%以上の苛性ソー
ダ水溶液を塩素と反応させると、次亜塩素酸ソーダと共
に食塩が生成してくるが、折出した食塩と高濃度の次亜
塩素酸ソーダ水溶液とを固液分離した後、得られた有効
塩素濃度38%以上の高濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液を
水で有効塩素濃度が12〜13%程度になるまで希釈す
ることにより、有効塩素濃度12〜13%、食塩濃度1
%以下の低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液が製造される。
ダ水溶液を塩素と反応させると、次亜塩素酸ソーダと共
に食塩が生成してくるが、折出した食塩と高濃度の次亜
塩素酸ソーダ水溶液とを固液分離した後、得られた有効
塩素濃度38%以上の高濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液を
水で有効塩素濃度が12〜13%程度になるまで希釈す
ることにより、有効塩素濃度12〜13%、食塩濃度1
%以下の低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液が製造される。
【0015】また有効塩素濃度38%以上の次亜塩素酸
ソーダ溶液は、上述の方法以外の方法、例えば適当な有
効塩素濃度を有する次亜塩素酸ソーダ水溶液に苛性ソ−
ダ等を溶解し、この溶液と塩素とを反応させることによ
り製造してもよい。
ソーダ溶液は、上述の方法以外の方法、例えば適当な有
効塩素濃度を有する次亜塩素酸ソーダ水溶液に苛性ソ−
ダ等を溶解し、この溶液と塩素とを反応させることによ
り製造してもよい。
【0016】
(方法)苛性ソーダ濃度48%の苛性ソーダ水溶液20
00gに苛性ソーダ濃度96%の苛性ソ−ダ340gを
溶解して苛性ソーダ濃度55%の苛性ソーダ水溶液を作
成した。この溶液と塩素を反応温度25〜30℃の下で
反応させた後、折出した食塩を固液分離し、得られた濾
液の成分を分析した。 (結果)濾液の成分の分析結果は有効塩素濃度42.2
%、食塩濃度1.0%、苛性ソーダ濃度1.75%であ
った。
00gに苛性ソーダ濃度96%の苛性ソ−ダ340gを
溶解して苛性ソーダ濃度55%の苛性ソーダ水溶液を作
成した。この溶液と塩素を反応温度25〜30℃の下で
反応させた後、折出した食塩を固液分離し、得られた濾
液の成分を分析した。 (結果)濾液の成分の分析結果は有効塩素濃度42.2
%、食塩濃度1.0%、苛性ソーダ濃度1.75%であ
った。
【0017】〔実施例2〕 (方法)有効塩素濃度約30%の次亜塩素酸ソーダ水溶
液27Kgに苛性ソーダ濃度96%の苛性ソ−ダ500
0gを溶解し、この溶液と塩素とを反応温度27〜31
℃の下で反応させた後、折出した食塩を固液分離し、得
られた濾液を分析した。
液27Kgに苛性ソーダ濃度96%の苛性ソ−ダ500
0gを溶解し、この溶液と塩素とを反応温度27〜31
℃の下で反応させた後、折出した食塩を固液分離し、得
られた濾液を分析した。
【0018】(結果)濾液の成分の成分結果は有効塩素
濃度38.1%、食塩濃度2.5%、苛性ソーダ濃度
0.6%であった。
濃度38.1%、食塩濃度2.5%、苛性ソーダ濃度
0.6%であった。
【0019】以上の実施例により、苛性ソーダ濃度48
%以上の苛性ソーダ水溶液と塩素との反応、また有効塩
素濃度38%以下の次亜塩素酸ソーダ水溶液に苛性ソ−
ダを添加した溶液と塩素との反応により、有効塩素濃度
が38%以上の高濃度の次亜塩素酸ソーダ水溶液が得ら
れることが確認でき、またこれらの反応により得られた
高濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液を水で希釈することによ
り、有効塩素濃度が12〜13%、食塩濃度が1%以下
の低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液が製造できることが確
認できた。
%以上の苛性ソーダ水溶液と塩素との反応、また有効塩
素濃度38%以下の次亜塩素酸ソーダ水溶液に苛性ソ−
ダを添加した溶液と塩素との反応により、有効塩素濃度
が38%以上の高濃度の次亜塩素酸ソーダ水溶液が得ら
れることが確認でき、またこれらの反応により得られた
高濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液を水で希釈することによ
り、有効塩素濃度が12〜13%、食塩濃度が1%以下
の低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液が製造できることが確
認できた。
【0020】次に〔実施例2〕の方法によって得られた
次亜塩素酸ソーダ水溶液と、従来の方法すなわち一旦次
亜塩素酸ソーダを晶析させた後、これを水に溶解するこ
とにより次亜塩素酸ソーダ水溶液を得る方法によって得
られた次亜塩素酸ソーダ水溶液とを品質について比較し
た結果を説明する。比較は、1.次亜塩素酸ソーダ水溶
液の成分、2.安定性、3.次亜塩素酸ソーダ水溶液中
に含まれる金属イオンの量について行った。
次亜塩素酸ソーダ水溶液と、従来の方法すなわち一旦次
亜塩素酸ソーダを晶析させた後、これを水に溶解するこ
とにより次亜塩素酸ソーダ水溶液を得る方法によって得
られた次亜塩素酸ソーダ水溶液とを品質について比較し
た結果を説明する。比較は、1.次亜塩素酸ソーダ水溶
液の成分、2.安定性、3.次亜塩素酸ソーダ水溶液中
に含まれる金属イオンの量について行った。
【0021】1.次亜塩素酸ソーダ水溶液の成分 各次亜塩素酸ソーダ水溶液の成分を〈表1〉に示す。こ
の表1より明らかなように、両者共有効塩素濃度12〜
13%の下で食塩濃度は1%以下であり、その他の成分
についても顕著な違いはなかった。
の表1より明らかなように、両者共有効塩素濃度12〜
13%の下で食塩濃度は1%以下であり、その他の成分
についても顕著な違いはなかった。
【0022】
【表1】 2.安定性 安定性は工業上貯蔵等で重要視される性質であるが、こ
こでは各次亜塩素酸ソーダ水溶液をガラス容器に入れ、
この容器を50℃の恒温槽中に浸しながら、溶液の有効
塩素濃度を測定することにより、各次亜塩素酸ソーダ水
溶液の分解の程度を観察した。この結果を〈図2〉に示
すが、これにより明らかなように、安定性について両者
の相違はほとんど見られなかった。なお図2中+は本発
明の方法により得られた次亜塩素酸ソーダ水溶液、□は
従来の方法により得られた次亜塩素酸ソーダ水溶液であ
る。
こでは各次亜塩素酸ソーダ水溶液をガラス容器に入れ、
この容器を50℃の恒温槽中に浸しながら、溶液の有効
塩素濃度を測定することにより、各次亜塩素酸ソーダ水
溶液の分解の程度を観察した。この結果を〈図2〉に示
すが、これにより明らかなように、安定性について両者
の相違はほとんど見られなかった。なお図2中+は本発
明の方法により得られた次亜塩素酸ソーダ水溶液、□は
従来の方法により得られた次亜塩素酸ソーダ水溶液であ
る。
【0023】3.次亜塩素酸ソーダ水溶液中に含まれる
金属イオンの量 各次亜塩素酸ソーダ水溶液中の鉄(Fe)、ニッケル
(Ni)、クロム(Cr)等の金属イオンの量を測定し
たところ、両者共0〜5ppm程度であり、両者の明ら
かな相違はなかった。
金属イオンの量 各次亜塩素酸ソーダ水溶液中の鉄(Fe)、ニッケル
(Ni)、クロム(Cr)等の金属イオンの量を測定し
たところ、両者共0〜5ppm程度であり、両者の明ら
かな相違はなかった。
【0024】以上の結果から、本発明の方法によって得
られた次亜塩素酸ソーダ水溶液は、従来の方法によって
得られた次亜塩素酸ソーダ水溶液と品質において同程度
であることが確認された。
られた次亜塩素酸ソーダ水溶液は、従来の方法によって
得られた次亜塩素酸ソーダ水溶液と品質において同程度
であることが確認された。
【0025】このように本発明は、研究開発により得ら
れた次亜塩素酸ソーダ水溶液の有効塩素濃度と飽和食塩
濃度との関係を示す溶解度曲線より、有効塩素38%以
上の次亜塩素酸ソーダ水溶液には食塩が約3%含まれて
いることを得て、この有効塩素濃度38%以上の次亜塩
素酸ソーダ水溶液を水で希釈すれば、有効塩素12〜1
3%、食塩濃度1%以下の低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶
液が得られることに着目した結果なされたものである。
れた次亜塩素酸ソーダ水溶液の有効塩素濃度と飽和食塩
濃度との関係を示す溶解度曲線より、有効塩素38%以
上の次亜塩素酸ソーダ水溶液には食塩が約3%含まれて
いることを得て、この有効塩素濃度38%以上の次亜塩
素酸ソーダ水溶液を水で希釈すれば、有効塩素12〜1
3%、食塩濃度1%以下の低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶
液が得られることに着目した結果なされたものである。
【0026】この方法によれば、有効塩素濃度38%以
上の次亜塩素酸ソーダ水溶液を作成し、これを希釈する
ことにより低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造するこ
とができるため、次亜塩素酸ソーダを晶析させる必要が
なく、(苛性ソーダと塩素との反応)−(折出した食塩
と高濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液との固液分離)−(得
られた高濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液の水による希釈)
という製造工程で低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液が製造
できる。
上の次亜塩素酸ソーダ水溶液を作成し、これを希釈する
ことにより低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造するこ
とができるため、次亜塩素酸ソーダを晶析させる必要が
なく、(苛性ソーダと塩素との反応)−(折出した食塩
と高濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液との固液分離)−(得
られた高濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液の水による希釈)
という製造工程で低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液が製造
できる。
【0027】これに対して従来の方法では、有効塩素濃
度が30%程度の次亜塩素酸ソーダ水溶液を作成してお
り、この次亜塩素酸ソーダ水溶液の食塩濃度は図1の溶
解度曲線より約7%であるため、この溶液を希釈しても
低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造することはでき
ず、一旦次亜塩素酸ソーダを晶析させ、これを水に溶解
することが必要である。従って本発明の方法は従来の方
法に比べて、(次亜塩素酸ソーダの晶析)や(折出した
次亜塩素酸ソーダの固液分離)の工程が省略できるた
め、製造工程の簡素化を図ることができる。
度が30%程度の次亜塩素酸ソーダ水溶液を作成してお
り、この次亜塩素酸ソーダ水溶液の食塩濃度は図1の溶
解度曲線より約7%であるため、この溶液を希釈しても
低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造することはでき
ず、一旦次亜塩素酸ソーダを晶析させ、これを水に溶解
することが必要である。従って本発明の方法は従来の方
法に比べて、(次亜塩素酸ソーダの晶析)や(折出した
次亜塩素酸ソーダの固液分離)の工程が省略できるた
め、製造工程の簡素化を図ることができる。
【0028】なお以上において本発明は、有効塩素濃度
12〜13%、食塩濃度1%以下以外の有効塩素濃度、
食塩濃度を有する次亜塩素酸ソーダ水溶液の製造にも適
用できる。
12〜13%、食塩濃度1%以下以外の有効塩素濃度、
食塩濃度を有する次亜塩素酸ソーダ水溶液の製造にも適
用できる。
【0029】
【発明の効果】本発明は、次亜塩素酸ソーダ水溶液の有
効塩素濃度と飽和食塩濃度との関係を示す溶解度曲線を
作成し、前記溶解度曲線に基づいて次亜塩素酸ソーダ水
溶液を希釈したときに食塩濃度が所定値以下でかつ有効
塩素濃度が所定領域になる有効塩素濃度領域を求め、こ
の有効塩素濃度領域の次亜塩素酸ソーダ水溶液を希釈し
て予定の次亜塩素酸ソーダ水溶液を得るので、次亜塩素
酸ソーダを折出させずに低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液
を製造でき、製造工程の簡素化を図ることができる。
効塩素濃度と飽和食塩濃度との関係を示す溶解度曲線を
作成し、前記溶解度曲線に基づいて次亜塩素酸ソーダ水
溶液を希釈したときに食塩濃度が所定値以下でかつ有効
塩素濃度が所定領域になる有効塩素濃度領域を求め、こ
の有効塩素濃度領域の次亜塩素酸ソーダ水溶液を希釈し
て予定の次亜塩素酸ソーダ水溶液を得るので、次亜塩素
酸ソーダを折出させずに低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液
を製造でき、製造工程の簡素化を図ることができる。
【図1】次亜塩素酸ソーダ水溶液の有効塩素濃度と飽和
食塩濃度との関係を示す溶解度曲線である。
食塩濃度との関係を示す溶解度曲線である。
【図2】本発明の方法で得られた次亜塩素酸ソーダ水溶
液と従来の方法で得られた次亜塩素酸ソーダ水溶液の安
定性を示すグラフである。
液と従来の方法で得られた次亜塩素酸ソーダ水溶液の安
定性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平原 文治 神奈川県横浜市鶴見区末広町1−7 鶴見 曹達株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 次亜塩素酸ソーダ水溶液の有効塩素濃度
と飽和食塩濃度との関係を示す溶解度曲線を作成し、前
記溶解度曲線に基づいて次亜塩素酸ソーダ水溶液を希釈
したときに食塩濃度が所定値以下でかつ有効塩素濃度が
所定領域になる有効塩素濃度領域を求め、この有効塩素
濃度領域の次亜塩素酸ソーダ水溶液を希釈して予定の次
亜塩素酸ソーダ水溶液を得ることを特徴とする低食塩次
亜塩素酸ソーダ水溶液の製造方法。 - 【請求項2】 有効塩素濃度38%以上の次亜塩素酸ソ
ーダ水溶液を希釈することを特徴とする低食塩次亜塩素
酸ソーダ水溶液の製造方法。 - 【請求項3】 苛性ソーダ濃度48%以上の苛性ソーダ
水溶液に塩素を反応させることにより、有効塩素濃度3
8%以上の次亜塩素酸ソーダ水溶液を作成することを特
徴とする請求項2記載の低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16308693A JPH06345411A (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16308693A JPH06345411A (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06345411A true JPH06345411A (ja) | 1994-12-20 |
Family
ID=15766924
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16308693A Pending JPH06345411A (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06345411A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014169215A (ja) * | 2013-02-06 | 2014-09-18 | Kaneka Corp | 次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶およびその製造方法 |
JP2016151549A (ja) * | 2015-02-19 | 2016-08-22 | ラボテック株式会社 | 塩化ナトリウムの濃度分析方法、塩化ナトリウムの濃度分析計及び次亜塩素酸ナトリウム分析計 |
-
1993
- 1993-06-07 JP JP16308693A patent/JPH06345411A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014169215A (ja) * | 2013-02-06 | 2014-09-18 | Kaneka Corp | 次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶およびその製造方法 |
JP2016151549A (ja) * | 2015-02-19 | 2016-08-22 | ラボテック株式会社 | 塩化ナトリウムの濃度分析方法、塩化ナトリウムの濃度分析計及び次亜塩素酸ナトリウム分析計 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040106 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |