JPH0634389B2 - 薄膜発光素子の製造法 - Google Patents
薄膜発光素子の製造法Info
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- JPH0634389B2 JPH0634389B2 JP60110813A JP11081385A JPH0634389B2 JP H0634389 B2 JPH0634389 B2 JP H0634389B2 JP 60110813 A JP60110813 A JP 60110813A JP 11081385 A JP11081385 A JP 11081385A JP H0634389 B2 JPH0634389 B2 JP H0634389B2
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- thin film
- light emitting
- emitting device
- dielectric
- film light
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電場発光をする薄膜発光素子の製造法に関す
るものであり、近年コンピュータ端末等の見易い高精細
度フラットパネルディスプレイとして応用されるもので
ある。
るものであり、近年コンピュータ端末等の見易い高精細
度フラットパネルディスプレイとして応用されるもので
ある。
従来の技術 交流電界印加により発光する電場発光素子(以後EL素
子と略記)は、螢光体薄膜層の片面あるいは両面に誘電
体薄膜層を設け、これをふたつの電極層で挾む構造を持
つ。ここに用いる螢光体層はZnS,ZnSe、あるいはZnF2
等の母体の中に発光中心としてMnや稀土類やフッ化物
を添加したものである。誘電体材料としては、Y2O3,
SiO2,Si3N4,Al2O3およびTa2O5等が代表的なもので
最近、PbTiO3,SiTiO3,BaTiO3で代表されるペロブスカ
イト形酸化物も検討されている。各層の厚みはZnS層が
500〜700nm,誘電体層が400〜800nm程度で
ある。Mnを発光中心として添加したZnS螢光体素子に
おいては、周波数5KHz の電圧印加で、最高3500〜50
00Cd/m2の輝度が達成されている。
子と略記)は、螢光体薄膜層の片面あるいは両面に誘電
体薄膜層を設け、これをふたつの電極層で挾む構造を持
つ。ここに用いる螢光体層はZnS,ZnSe、あるいはZnF2
等の母体の中に発光中心としてMnや稀土類やフッ化物
を添加したものである。誘電体材料としては、Y2O3,
SiO2,Si3N4,Al2O3およびTa2O5等が代表的なもので
最近、PbTiO3,SiTiO3,BaTiO3で代表されるペロブスカ
イト形酸化物も検討されている。各層の厚みはZnS層が
500〜700nm,誘電体層が400〜800nm程度で
ある。Mnを発光中心として添加したZnS螢光体素子に
おいては、周波数5KHz の電圧印加で、最高3500〜50
00Cd/m2の輝度が達成されている。
交流駆動する場合、素子に印加された電圧は螢光体層と
誘電体層に分圧される。EL素子は、二つのコンデンサ
の直列接続と等価であるからεiVi/ti=εZVZ/t
Z(ε:比率電率,V:印加電圧,t:膜厚,i:誘電
体,Z:ZnSをそれぞれ示す)の関係から各々の分圧
は、膜厚を同じti=tZと考えると螢光体層をZnSとする
とεZが約8〜9であるため、εiが約4〜25のY2
O3,SiO2,Si3N4,Ta2O5では、外部電圧の約半分しかZnS
層に印加されない。一方、PbTiO3やBaTiO3,SrTiO3は、
εiが約50〜150程度あるため外部電圧の約80%
以上印加される。これらは、EL素子用の誘電体膜とし
て有利である。しかしながら、これらの高誘電率を持つ
誘電体膜は、絶縁破壊電界強度がY2O3等の低誘電率
薄膜の半分以下という欠点がある。例えばPbTiO3では
0.5MV/cm程度,SrTiO3では1.5〜2MV/cm程
度である。一方、Y2O3では、3〜5MV/cm,Si3N4
では6〜8MV/cmである。
誘電体層に分圧される。EL素子は、二つのコンデンサ
の直列接続と等価であるからεiVi/ti=εZVZ/t
Z(ε:比率電率,V:印加電圧,t:膜厚,i:誘電
体,Z:ZnSをそれぞれ示す)の関係から各々の分圧
は、膜厚を同じti=tZと考えると螢光体層をZnSとする
とεZが約8〜9であるため、εiが約4〜25のY2
O3,SiO2,Si3N4,Ta2O5では、外部電圧の約半分しかZnS
層に印加されない。一方、PbTiO3やBaTiO3,SrTiO3は、
εiが約50〜150程度あるため外部電圧の約80%
以上印加される。これらは、EL素子用の誘電体膜とし
て有利である。しかしながら、これらの高誘電率を持つ
誘電体膜は、絶縁破壊電界強度がY2O3等の低誘電率
薄膜の半分以下という欠点がある。例えばPbTiO3では
0.5MV/cm程度,SrTiO3では1.5〜2MV/cm程
度である。一方、Y2O3では、3〜5MV/cm,Si3N4
では6〜8MV/cmである。
発明が解決しようとする問題点 PbTiO3,SrTiO3で代表されるペロブスカイト形酸化物薄
膜をEL素子用の誘電体膜として用いる場合、誘電体層
の耐圧と螢光体層の発光効率を低下させないことがポイ
ントとなる。これらの条件を満たすことにより、高輝
度,高安定性を持つELディスプレイが可能となる。
膜をEL素子用の誘電体膜として用いる場合、誘電体層
の耐圧と螢光体層の発光効率を低下させないことがポイ
ントとなる。これらの条件を満たすことにより、高輝
度,高安定性を持つELディスプレイが可能となる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、絶縁破壊
電界強度の大きい、高誘電率で発光効率を低下させない
誘電体膜を用いた薄膜発光素子を提供することを目的と
している。
電界強度の大きい、高誘電率で発光効率を低下させない
誘電体膜を用いた薄膜発光素子を提供することを目的と
している。
問題点を解決するための手段 螢光体薄膜層の少なくとも一方にペロブスカイト形酸化
物セラミックターゲットを用い、窒素を含むスパッタガ
スを用いてスパッタリング法により形成される膜を誘電
体膜として用いて薄膜電場発光素子を形成する。
物セラミックターゲットを用い、窒素を含むスパッタガ
スを用いてスパッタリング法により形成される膜を誘電
体膜として用いて薄膜電場発光素子を形成する。
作 用 ペロブスカイト形酸化物セラミックターゲットを用い、
窒素を含むスパッタガス中でスパッタリング法により形
成した誘電体膜をEL素子の誘電体層に用いると高輝
度、高安定なEL素子が可能となる。
窒素を含むスパッタガス中でスパッタリング法により形
成した誘電体膜をEL素子の誘電体層に用いると高輝
度、高安定なEL素子が可能となる。
実施例 図は本発明の薄膜発光素子の製造法の一実施例を示す図
である。ガラス基板1の上にインジウム錫酸化膜(IT
O膜)を透明電極2としてストライプ状に形成し、その
上にペロブスカイト形酸化物であるSr(Ti,Zr)O3系セラ
ミックターゲットを用いてスパッタリング法により第1
誘電体層を300〜500nmの厚みで形成した。基板
温度は、400℃、スパッタガスは、窒素と酸素の混合
ガスを用い、スパッタ時のガス圧は、0.8Paである。
得られた薄膜は透明で、比誘電率が60〜100の範
囲、絶縁破壊電界強度が4MV/cm以上を示した。その
後誘電体薄膜の上に電子ビーム蒸着法を用いて、ZnS:Mn
の螢光体層4を厚さ500nm形成した。その熱処理を
450℃で1時間真空中で行なった。その上に第2誘電
体層5として、電子ビーム蒸着法により酸化イットリウ
ム膜を200〜300nm形成した。蒸発源は、Y2O3
セラミックスである。あるいは、BaTa2O6のスパッタ膜
を用いた。最後に背面電極6としてアルミニウム膜を抵
抗加熱蒸着により厚さ100〜200nm付着させてE
L素子を完成した。EL素子を繰返周波数5KHzの交流パ
ルスで駆動し、電圧輝度特性を求めた。発光時性は、第
1誘電体層のスパッタ条件で窒素と酸素の比が1対1の
とき最高となり、発光開始電圧も100V以下となっ
た。従来の第1誘電体層としてスパッタガスをアルゴン
と酸素を用いて形成した膜を用いた時と比較すると、酸
素と窒素との混合ガスにした場合は、輝度が1.5〜
2.5倍となり、発光開始電圧は、ほぼ同じで、かつ、
耐圧は1.5〜2倍上昇した。
である。ガラス基板1の上にインジウム錫酸化膜(IT
O膜)を透明電極2としてストライプ状に形成し、その
上にペロブスカイト形酸化物であるSr(Ti,Zr)O3系セラ
ミックターゲットを用いてスパッタリング法により第1
誘電体層を300〜500nmの厚みで形成した。基板
温度は、400℃、スパッタガスは、窒素と酸素の混合
ガスを用い、スパッタ時のガス圧は、0.8Paである。
得られた薄膜は透明で、比誘電率が60〜100の範
囲、絶縁破壊電界強度が4MV/cm以上を示した。その
後誘電体薄膜の上に電子ビーム蒸着法を用いて、ZnS:Mn
の螢光体層4を厚さ500nm形成した。その熱処理を
450℃で1時間真空中で行なった。その上に第2誘電
体層5として、電子ビーム蒸着法により酸化イットリウ
ム膜を200〜300nm形成した。蒸発源は、Y2O3
セラミックスである。あるいは、BaTa2O6のスパッタ膜
を用いた。最後に背面電極6としてアルミニウム膜を抵
抗加熱蒸着により厚さ100〜200nm付着させてE
L素子を完成した。EL素子を繰返周波数5KHzの交流パ
ルスで駆動し、電圧輝度特性を求めた。発光時性は、第
1誘電体層のスパッタ条件で窒素と酸素の比が1対1の
とき最高となり、発光開始電圧も100V以下となっ
た。従来の第1誘電体層としてスパッタガスをアルゴン
と酸素を用いて形成した膜を用いた時と比較すると、酸
素と窒素との混合ガスにした場合は、輝度が1.5〜
2.5倍となり、発光開始電圧は、ほぼ同じで、かつ、
耐圧は1.5〜2倍上昇した。
同様に、他のペロブスカイト形酸化物として、Ba(Sn,T
i)O3x,(Ba,Sr)TiO3,Sr(Ti,Hf)O3系を窒素を含むスパッ
タガス中でスパッタリングして第1誘電体層を形成した
ところ、従来のアルゴンと酸素の混合ガスでスパッタし
た膜を第1誘電体層として用いたEL素子と比較して、
輝度及び耐圧が1.5倍から3倍向上した。
i)O3x,(Ba,Sr)TiO3,Sr(Ti,Hf)O3系を窒素を含むスパッ
タガス中でスパッタリングして第1誘電体層を形成した
ところ、従来のアルゴンと酸素の混合ガスでスパッタし
た膜を第1誘電体層として用いたEL素子と比較して、
輝度及び耐圧が1.5倍から3倍向上した。
また、窒素を含むスパッタガスとしてArとO2とN2
の混合ガスでも同様な効果を確認した。特に、スパッタ
速度が大きくなることもわかった。なお、窒素使用によ
る前述の効果は、スパッタリング形成により誘電体薄膜
層中に窒素が入って電化補償原子として作用し、最大蓄
積電荷重が増加するためと考えられる。
の混合ガスでも同様な効果を確認した。特に、スパッタ
速度が大きくなることもわかった。なお、窒素使用によ
る前述の効果は、スパッタリング形成により誘電体薄膜
層中に窒素が入って電化補償原子として作用し、最大蓄
積電荷重が増加するためと考えられる。
発明の効果 本発明によれば、きわめて簡便な方法で、高輝度,高耐
圧のEL素子が提供でき、画質および信頼性の高い低電
圧駆動型ELディスプレイを歩留りよく得ることができ
る。
圧のEL素子が提供でき、画質および信頼性の高い低電
圧駆動型ELディスプレイを歩留りよく得ることができ
る。
図は、本発明の一実施例である薄膜発光素子の断面図で
ある。 1……ガラス基板、2……透明電極、3……第1誘電体
層、4……螢光体層(ZnS:Mn膜)、5……第2誘電体
層、6……背面電極。
ある。 1……ガラス基板、2……透明電極、3……第1誘電体
層、4……螢光体層(ZnS:Mn膜)、5……第2誘電体
層、6……背面電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 惇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松岡 富造 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−228397(JP,A) 特開 昭57−101378(JP,A) 特開 昭59−119697(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】螢光体薄膜層の少なくとも一方の側に誘電
体薄膜層が設けられるとともに、少なくとも一方が光透
過性を有する二つの電極層により前記螢光体と誘電体積
層薄膜に電圧が印加されるように構成される薄膜発光素
子の製造において、前記誘電体薄膜層を、ペロブスカイ
ト形酸化物焼結体をターゲットとし、窒素を含むスパッ
タガスを用いてスパッタリング法により形成することを
特徴とする薄膜発光素子の製造法。 - 【請求項2】窒素を含むスパッタガスとして、窒素と酸
素の混合ガスあるいは、窒素と酸素と希ガスとの混合ガ
スを用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
の薄膜発光素子の製造法。 - 【請求項3】ペロブスカイト形酸化物焼結体として、化
学式をABO3と表記されるペロブスカイト形酸化物
で、元素AをSr,Baの中から少なくともひとつ選択
し、元素BをTi,Zr,Hf,Snの中から少なくと
もひとつ選択したペロブスカイト形酸化物焼結体を用い
ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の薄膜発
光素子の製造法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60110813A JPH0634389B2 (ja) | 1985-05-23 | 1985-05-23 | 薄膜発光素子の製造法 |
US06/866,206 US4888246A (en) | 1985-05-23 | 1986-05-23 | Dielectric thin film, and method for making the thin film |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60110813A JPH0634389B2 (ja) | 1985-05-23 | 1985-05-23 | 薄膜発光素子の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61269894A JPS61269894A (ja) | 1986-11-29 |
JPH0634389B2 true JPH0634389B2 (ja) | 1994-05-02 |
Family
ID=14545307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60110813A Expired - Lifetime JPH0634389B2 (ja) | 1985-05-23 | 1985-05-23 | 薄膜発光素子の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0634389B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008117531A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-22 | Canon Inc | 発光素子及びその製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57101378A (en) * | 1980-12-12 | 1982-06-23 | Omron Tateisi Electronics Co | Method of producing el device |
JPS59119697A (ja) * | 1982-12-27 | 1984-07-10 | 浜川 圭弘 | El薄膜の形成方法 |
JPS59228397A (ja) * | 1983-06-08 | 1984-12-21 | 松下電器産業株式会社 | 薄膜発光素子 |
-
1985
- 1985-05-23 JP JP60110813A patent/JPH0634389B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008117531A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-22 | Canon Inc | 発光素子及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61269894A (ja) | 1986-11-29 |
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