JPH06342225A - 静電荷像現像用トナー、画像定着方法、画像形成装置及び樹脂組成物 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、画像定着方法、画像形成装置及び樹脂組成物

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JPH06342225A
JPH06342225A JP3356545A JP35654591A JPH06342225A JP H06342225 A JPH06342225 A JP H06342225A JP 3356545 A JP3356545 A JP 3356545A JP 35654591 A JP35654591 A JP 35654591A JP H06342225 A JPH06342225 A JP H06342225A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温定着が可能で、帯電特性が良好で常に安
定した荷電性を有し、フルカラートナーとした場合にも
色再現性や色調の良好なカラー画像を得ることができる
静電荷像現像用トナーを提供することにある。 【構成】 ドメイン−マトリックス構造を有する樹脂組
成物を有する結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子
を有する静電荷像現像用トナーにおいて、ドメイン構成
樹脂はガラス転移温度(Tg1 )が0〜60℃であり、
マトリックス構成樹脂はガラス転移温度(Tg2 )が4
0〜90℃であり、かつTg2 はTg1 より5℃以上高
く、該ドメイン粒子は、5μm以下の平均粒径を有する
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷の如き、静電荷像を現像して画像を形成するた
めのトナー、該トナーを用いたトナー画像定着方法、画
像形成装置及び樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ている如く、多数の方法が知られているが、一般には光
導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気
的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像
し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写し
た後、加熱、圧力或いは溶剤蒸気により定着し複写物を
得るものである。
【0003】上述の最終工程であるトナー像を紙の如き
シートに定着する工程に関しては種々の方法や技術が開
発されている。現在最も一般的な方法は加熱ローラーに
よる圧着加熱方式である。
【0004】加熱ローラーによる圧着加熱方式はトナー
に対し離型性を有する材料で表面を形成した加熱ローラ
ーの表面に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触し
ながら通過せしめることにより定着を行なうものであ
る。この方法は加熱ローラー表面と被定着シートのトナ
ー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シー
ト上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に
定着を行なうことができ、高速度電子写真複写機におい
て非常に有効である。しかしながら、上記方法では、加
熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態で加圧下で接触
するためにトナー像の一部が定着ローラー表面に付着・
転移し、次の被定着シートにこれが再転移して所謂オフ
セット現象を生じ、被定着シートを汚すことがある。加
熱定着ローラー表面に対してトナーが付着しないように
することは加熱ローラー定着方式においては必須条件で
ある。
【0005】したがって、定着温度領域の広い耐オフセ
ット性の高いトナー用バインダー樹脂の開発が望まれて
いるのが現状である。
【0006】2色カラー複写機やフルカラー複写機の検
討及び実用化も多くなされている。例えば「電子写真学
会誌」Vol 22,No.1(1983)や「電子写
真学会誌」Vol 25,No.1,P.52(198
6)のごとく色再現性及び階調再現性の報告もある。
【0007】しかしテレビ、写真、カラー印刷物のよう
に実物と直ちに対比されることはなく、また、実物より
も美しく加工されたカラー画像を見なれた人々にとって
は、現在実用化されているフルカラー電子写真画像は必
ずしも満足しうるものとはなっていない。
【0008】フルカラー電子写真法によるカラー画像形
成は、一般に3原色であるイエロー,マゼンタ,シアン
の3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色を用
いて全ての色の再現を行うものである。その一般的方法
は、まず原稿からの光をトナーの色と補色の関係にある
色分解光透過フィルターを通して光導電層上に静電荷潜
像を形成する。次いで現像及び転写工程を経てトナーが
支持体に保持される。次いで前述の工程を順次複数回行
い、レジストレーションを合せつつ同一支持体上にトナ
ーを重ね合わせ、定着工程を経て最終のフルカラー画像
が得られる。
【0009】フルカラー電子写真法では、色の異なる複
数種のトナーを用いて複数回の現像を行い、同一支持体
上にトナー層を重ね合わせて、フルカラー画像を形成す
るためカラートナー用バインダー樹脂が持つべき必要な
条件としては下記の事項が挙げられる。 (1)定着したトナーは、光に対して乱反射して、色再
現を妨げることのないように、トナー粒子の形が判別出
来ないほどのほぼ完全溶融に近い状態となることが必要
である。 (2)トナー層が積層されているため、下層のトナー層
が有する異なった色調を妨げない透明性を有するバイン
ダー樹脂でなければならない。
【0010】上記の如くモノカラー複写機用では、定着
温度領域の広い耐オフセット性の高いトナー用バインダ
ー樹脂が要求され、フルカラー複写機用としては、定着
温度領域が広いだけではなく、樹脂の透明性と、定着さ
れたときに定着面がフラットになることが要求されてい
る。上述の如き樹脂の透明性や定着面の平滑性は、紙の
如き非透光性の転写材にトナー画像を定着させてその反
射画像を見る場合だけでなく、OHPシートの如き透光
性の転写材にトナー画像を定着させて見る透過光画像の
画質にも多大な影響を及ぼす。
【0011】さらに近年に於てはモノカラー複写機から
フルカラー複写機に至る迄、高速化、加熱ローラーのヒ
ートアップタイムの短縮化及び消費電力の低減化の如き
多くのことが要求されている。
【0012】これらのことを満足させる為には、低温定
着が可能で且つ前述した様に、定着領域が広く、透明性
にすぐれ、定着されたときに定着面がフラットになるよ
うなトナー用バインダー樹脂が必要である。
【0013】一方圧力定着トナーを用いる方法も考えら
れるが、この方法では、3色又は4色重ね合わせで色再
現をするフルカラー用トナーとして用いた場合、結着樹
脂がとけない為、混色性が悪く、くすんだ彩度の落ちた
画像となる。従って定着工程に於ては、結着樹脂が溶融
し混色できる程度の熱を与えなければならない。
【0014】低温定着化という目的だけでトナー用バイ
ンダー樹脂の溶融粘度を下げることは可能である。例え
ば樹脂の分子量或いは、ガラス転移温度を下げる方法が
挙げられるが、この方法ではトナーの保存安定性が悪く
なり、トナー同士がブロッキングしたり、現像ドラムに
融着するなどの現象を引き起こしやすい。
【0015】従来ビニル系重合体の定着温度を拡げる目
的では特開昭58−14148号公報、特開昭58−7
2948号公報、特開昭59−174855〜6号公
報、 特開昭60−123855号公報、 特公昭52−3
304〜5号公報、 特公昭57−52574号公報及び
特公昭58−8505号公報でオフセット防止剤を用い
る方法が開示されているが、これらは補助的であり、特
にモノカラートナー用としてはトナーの透明性が損なわ
れ、フルカラートナーとして用いた場合、混色性が悪く
なるという問題点がある。
【0016】特開昭56−158340号公報、 特開昭
58−86558号公報、 特開昭58−203453号
公報、 特開昭59−88748号公報、 特開昭59−2
26358号公報、 特開昭60−45259号公報、 特
開昭60−45261号公報、 特開昭60−46566
号公報及び特公昭60−2411号公報では、低分子量
成分と高分子量成分を有するトナー用結着樹脂が開示さ
れている。これらの樹脂を用いることにより、定着温度
をある程度拡げることは可能になったが、ゲルなどの高
分子量成分が存在することにより、粉砕性の低下や熱混
練時の溶融粘度が高くなりすぎると問題があり、特にフ
ルカラートナーとして用いると定着されたときの定着面
の平滑性が損なわれ、従って、混色性が悪くなるという
問題点がある。
【0017】米国特許第4,925,765号明細書に
は、AB型、BAB型或いはABA型のブロック共重合
体を荷電制御剤として用いた負固体ブロックトナーが記
載されている。
【0018】該ブロック共重合体においては、Aセグメ
ントに、アクリル系モノマーからなる共重合体又はメタ
アクリル系モノマーからなる共重合体を用い、Bセグメ
ントにスチレン;置換されたスチレン;ブタジエン;又
は、アクリル系及び/又はアクリル系からなるグループ
から選択されるモノマーからなる共重合体を用いてい
る。
【0019】このようなブロック共重合体をトナーのバ
インダー樹脂として用いた場合には、Aセグメントがア
クリル系の共重合体又はメタアクリル系の共重合体であ
ることからトナー製造時の粉砕性に劣りトナーの粒度分
布がブロードとなり、かつトナーの環境安定性に劣ると
いう問題点が生じることが考えられる。
【0020】したがって、低温で定着させること、定着
温度領域を拡げること、及びトナー特性である保存安定
性、流動性、耐久性、透明性及び定着面の平滑性を、同
時に満足することは極めて難しい。
【0021】一方、定着ローラーには大別してシリコン
ゴムローラーとフッ素系ローラーがある。
【0022】シリコンゴムローラーを定着ローラーとし
て用いる場合、離型用オイル塗布の有無にかかわらず、
繰り返し使用することで高温オフセットが発生しやすく
なる。シリコンゴムローラーにおいては、使用開始初期
はローラー表面の平滑性や清浄性が損なわれていないた
め、ある程度の離型性は維持される。しかし、フルカラ
ー画像の様に画像面積が広く、支持体上のトナー保持量
も白黒画像に比べ格段に多いフルカラー複写を繰り返す
と、徐々にローラー表面の離型性は低下し、この離型性
の低下の度合いは白黒複写の数倍となる。このことよ
り、わずか数千〜数万枚のフルカラー複写の後にローラ
ー表面にトナーの被膜や粒状の付着物が形成されること
や、フルカラー画像が熱ローラー通過時に画像面のトナ
ー上層部がはぎ取られる、いわゆる高温オフセットが発
生する。
【0023】フッ素系ローラーは、一般に耐久性は良好
であるがトナーを圧力で延展し易く、従ってコピー画像
に於て解像力を低下させたり、地肌汚れを目立たせたり
する欠点がある。これらの欠点を改良する為に、ゴムの
上に100〜300μmのPFA(パーフルオロアルコ
キシ樹脂)チューブを被覆したもの(特公昭58−43
740号公報)が開示されている。これらのローラーを
用いた場合、トナーの圧展によるコピー画像の解像力低
下は改良される。
【0024】しかし、一般にフッ素系ローラーを定着ロ
ーラーに用いる場合、加圧ローラーには、例えば本出願
人等が特開昭61−89845号公報で開示した様に、
芯金外周面を比較的厚いゴム等の弾性材層で被覆したも
のが使用されている。
【0025】この場合、図5に示した様に、定着ローラ
ーと加圧ローラーの中心を結ぶ線の垂直方向より定着さ
れた後に定着ローラーから排出される方向が、定着ロー
ラー側になっている。
【0026】この為、定着された画像は定着ローラーと
加圧ローラーの接触しているニップ部を通りすぎても、
定着ローラーに引きずられて、いわゆる“つれまわり”
現象を起こし、オフセットが発生する。これを防止する
為に、排紙用の分離ヅメをつける方法もあるが、この分
離ヅメは定着ローラーに接触しており、従って傷をつけ
たり、画像面にスジ跡を残したりする為、特に画像面積
の広い写真などのフルカラーの複写に於ては画質を著し
く低下させることになる。
【0027】この問題を解決或いは軽減すべく種々の方
策が定着器及びトナーで試みられているが未だ充分な解
決はされているとはいえない。
【0028】定着器としては、表面剥離性の優れた材料
を用いる、或いはオイルをローラーに塗布する等の工夫
がなされ、現在商品化されている複写機の熱ローラ定着
器は何らかの形でオイル塗布を行なっているのが殆んど
である。ところが、離型性を増すための多量のオイル塗
布は、シートのオイル汚れ、コスト増の如き好ましくな
い問題を引き起こしている。
【0029】トナーとしては、剥離性を増す為に加熱時
に充分溶融するような低分子量のポリエチレン、ワック
スを添加する方法も行なわれているが、オフセット防止
には効果がある反面多量の含有はフルカラートナーのO
HP画像の透明性をそこなうこと、帯電特性が不安定に
なる、耐久性が低下する等の悪影響も認められ、充分な
ものとはいい難い。
【0030】特にフルカラー複写特有の問題として、最
低3色のカラー、好ましくは4色のカラーバランスが調
和して取れていなければならず、従って定着特性や色再
現性に於ても各色バランスのとれたものでなければなら
ない。
【0031】原理的には色の3原色であるイエロー,マ
ゼンタ,シアンの3色が有れば、減色混合法によってほ
とんど全ての色を再現することが可能のはずであり、そ
れゆえ現在市場のフルカラー複写機は3原色のカラート
ナーを重ね合せて用いる構成となっている。これにより
理想的にはあらゆる色をあらゆる濃度範囲を実現できる
はずであるが、現実的にはトナーの分光反射特性,トナ
ーの重ね合せ定着時の混色性,彩度の低下などいまだ改
善すべき点を有している。
【0032】3色の重ね合せで黒色を得る場合は前述の
ように、単色カラーよりも更に3倍のトナー層が転写紙
上に形成されることになり、耐オフセット性に対してよ
り一層困難を有する。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の問題点を解決した、静電荷像現像用トナー、画像定着
方法、画像形成装置及び樹脂組成物を提供することであ
る。
【0034】本発明の目的は低温定着が可能で、且つ、
定着温度領域が広い静電荷像現像用トナー、画像定着方
法、画像形成装置及び樹脂組成物を提供することであ
る。
【0035】本発明の目的は、保存安定性及び流動性に
すぐれ、凝集をおこさず耐衝撃性にもすぐれている静電
荷像現像用トナー、画像定着方法、画像形成装置及び樹
脂組成物を提供することである。
【0036】本発明の目的は、帯電特性が良好でしかも
使用中に常に安定した荷電性を有し、鮮明でカブリのな
い画像の得られる静電荷像現像用トナー、画像定着方
法、画像形成装置及び樹脂組成物を提供することであ
る。
【0037】本発明の目的はフルカラートナーとして用
いた場合には、定着したトナー像は光に対し乱反射して
色再現を妨げることのないように平滑な定着面を形成す
ることのできる静電荷像現像用トナー、画像定着方法、
画像形成装置及び樹脂組成物を提供することである。
【0038】本発明の目的は、フルカラートナーとして
用いた場合には、そのトナー層の下にある異なった色調
のトナー層の色調を妨げない混色性を有するフルカラー
画像が得られる静電荷像現像用トナー、画像定着方法、
画像形成装置及び樹脂組成物を提供することである。
【0039】本発明の目的は、高温オフセットが充分に
防止され、定着可能温度領域の広い画像定着方法を提供
することにある。
【0040】本発明の目的は、繰返しの定着通紙によっ
ても耐オフセット性が維持される画像定着方法を提供す
ることにある。
【0041】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
鋭意研究を行った結果、マトリックス中に分散している
ドメイン粒子は、5μm以下の平均粒径を有しており、
該ドメイン粒子を構成する樹脂P1 は、0〜60℃のガ
ラス転移温度Tg1 を有しており、該マトリックスを構
成する樹脂P2 は、40〜90℃のガラス転移温度Tg
2 を有しており、該樹脂P2 のガラス転移温度Tg2
は、該樹脂P1 のガラス転移温度Tg1 よりも5℃以上
高いドメイン−マトリックス構造を有する樹脂組成物を
用いることで上記の問題点を解決できることを見い出し
た。
【0042】即ち、本発明は、上記の樹脂組成物に関
し、更に、該樹脂組成物を有する結着樹脂及び着色剤を
含有するトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーに関
するものである。
【0043】また、本発明は、トナー画像を支持してい
る転写材を、芯金上にゴム状弾性体層を有する定着ロー
ラー及び加圧ローラーを有する熱ローラー定着装置を通
過させて、転写材上にトナー画像を定着させ、該定着ロ
ーラーと該加圧ローラーの中心を結ぶ線の垂直方向より
加圧ローラー側に該転写材を排出させて画像を定着する
画像定着方法において、該トナー画像を形成するための
トナーとして上記構成のトナーを用いた画像定着方法に
関するものである。
【0044】更に、本発明は、静電荷潜像を担持するた
めの潜像担持体、該潜像担持体を帯電するための帯電手
段、帯電している潜像担持体に静電荷潜像を形成するた
めの潜像形成手段、該静電荷潜像を形成し、潜像担持体
上にトナー画像を形成するための現像手段、該トナー画
像を潜像担持体から転写材に転写するための転写手段、
該潜像担持体上の転写されずに残ったトナーを除去する
ためのクリーニング手段及び該転写材に転写されたトナ
ー画像を熱と圧力の作用で定着するための定着手段を有
する画像形成装置において、該現像手段は、上記構成の
トナーを保有していることを特徴とする画像形成装置で
ある。
【0045】この理由を、本発明者らは、以下に述べる
ことによるものであることを把握した。
【0046】ガラス転移点Tgの高い樹脂をマトリック
スとし、ガラス転移点Tgの低い樹脂をドメイン粒子と
する構造により、一般的に耐ブロッキング性に優れ、か
つ、耐ブロッキング性にも優れたものになる。
【0047】結着樹脂がドメイン粒子及びマトリック
ス、いわゆるドメイン−マトリックス構造を有するトナ
ーについては、例えば特公昭57−6586号公報にお
いて、ドメイン粒子は、ガラス転移温度(Tg)30℃
>及び数平均分子量(Mn)500〜50000を有す
る軟質で変形可能な重合体であり、マトリックスはガラ
ス転移温度(Tg)50℃<の無定形重合体及び(T
m)40℃<の結晶性重合体及び、数平均分子量(M
n)1500<を有する粘り強い重合体であって、グラ
フトやブロックポリマーの如き分散剤を添加することに
よってドメイン粒子径をコントロールする方法が開示さ
れている。かかる方法では、本文中記載の例示物質に
示すように、マトリックス及びドメイン粒子をなす重合
体は完全に非相溶物質であり、ドメイン−マトリックス
構造を取るにはグラフトやブロックポリマーの添加が必
須である。故に、噴霧乾燥法−コアセルベーション法に
よってドメイン粒子及びマトリックスをコントロールす
るための特別な方法を採用しているものと思われる。こ
の方法で得られたトナーは、確かに低温定着が可能であ
るが、噴霧乾燥法によってつくられたトナーの粒度分
布はブロードなものとなるため、カブリやトナー飛散に
より画質は粗悪なものとなる。噴霧乾燥法では、ドメ
イン粒子、マトリックス及び分散剤の樹脂を相互溶媒に
溶かし、非溶媒(相互溶媒よりも沸点の高いマトリック
ス成分の選択的溶媒)を加えたものを、噴霧乾燥するこ
とにより、先ず相互溶媒を除去し軟質重合体成分を沈殿
させ、次に軟質重合体成分周囲に形成されたマトリック
スから溶媒を除去することにより、トナーを得る。この
方法を用いると、樹脂と溶媒の組み合わせが限られるた
め(樹脂が最初の溶媒には溶けるが、次に添加する溶媒
には溶けない、或いは、噴霧乾燥するため溶媒の沸点は
低くなければならない)、例えば樹脂の分子量を変えた
り、或いは組成を変えることは容易ではない。組成が類
似している樹脂を用いることも、順番に選択的に沈殿さ
せることを考えると非常に難しい。形成されたドメイ
ン粒子の分散剤の役割をするグラフトやブロックポリマ
ーの極性はさほど強いものではないので、長期保存によ
ってドメインは大きくなり、従って耐ブロッキング性に
おいて悪いものとなる。
【0048】低温定着を目的としてポリエステルやエポ
キシ樹脂の如き縮合系樹脂を、高温オフセット改良を目
的としてビニル系樹脂をブレンドする方法が、特公昭5
9−50060号公報にて開示されている。この方法に
おいては、重量平均分子量が50万以上の巨大分子量
で、しかも極性があまり強くないビニル系樹脂をポリエ
ステルやエポキシ樹脂の如き縮合系樹脂と溶融混練し、
かかる混合では、グラフトやブロックポリマーも添加し
ていないこともあり、ドメイン粒子が形成されたとして
も、前述したもの以上にドメイン粒子径をコントロール
すること自体非常に難しい。更に、長期保存によってド
メイン粒子は大きくなっていくので、耐ブロッキング性
が低下していく。
【0049】ガラス転移温度(Tg),分子量及び/ま
たは組成の異なる樹脂をブレンドする方法は、特開昭5
6−159340号公報,特開昭58−106522号
公報,特開昭63−214760号公報,特開昭63−
217360〜3号公報,特開平1−204061号公
報に開示されているが、これらの方法では、ドメイン粒
子は形成されないか、もしくは形成されたとしてもその
粒径は大きいものであり、従って、ブレンド樹脂のどち
らか一方のガラス転移温度(Tg)が50℃より低い
と、耐ブロッキング性が非常に悪いものとなる。
【0050】そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、
前述した諸々の問題を生じない低温定着性に優れた現像
剤用の樹脂組成物を発明するに至った。
【0051】本発明における樹脂組成物は、0〜60℃
のガラス転移温度Tg1 を有する平均粒径5μm以下の
ドメイン粒子と、40〜90℃のガラス転移温度Tg2
を有するマトリックスを有し、Tg2 はTg1 よりも5
℃以上高いガラス転移温度の関係を有するドメイン−マ
トリックス構造を有しており、該樹脂組成物を有する結
着樹脂を本発明の現像剤は用いている。
【0052】上記の構成により、低温定着性に優れ、か
つ耐ブロッキング性にも優れたトナーが得られる。
【0053】本発明におけるドメイン−マトリックス構
造は、例えば下記の〜の形態があげられる。
【0054】ドメイン粒子を形成する樹脂又はマトリ
ックスを形成するビニル系樹脂のいずれが一方にカルボ
キシル基を有する樹脂を用いて、カルボキシル基を導入
することにより得られるドメイン−マトリックス構造。
【0055】この形態においては、ドメイン粒子を形成
する樹脂がカルボキシル基を有する場合には、マトリッ
クスを形成する樹脂P2 のガラス転移温度Tg2 よりも
5℃以上ガラス転移温度Tg1 が低い樹脂によって形成
されたドメイン粒子がカルボキシル基によって会合し、
非常に細かくかつ安定してミセルを形成する。
【0056】ドメイン粒子を形成するカルボキシル基を
有する樹脂とマトリックスを形成する樹脂の配合割合
を、ドメイン粒子を形成する樹脂の配合割合の方が多く
なるようにする(カルボキシル基を有する樹脂が酸を有
する場合には、酸の配合割合も考慮して、ドメイン粒子
を形成する樹脂:マトリックスを形成する樹脂が6〜
9:4〜1の間で選択する)ことにより、ドメイン−マ
トリックス構造が逆転し、カルボキシル基を有する樹脂
がマトリックスを形成するようになる。
【0057】この形態においては、架橋性金属化合物を
用いることができ、用いた場合には、ミセルを形成した
ドメイン粒子が、トナー化時に架橋性金属化合物により
一部又は全部がミクロゲルとなるため低温定着性及び耐
ブロッキング性に関してさらに優れた効果が得られる。
【0058】マトリックスを形成する樹脂に不飽和二
重結合を有するポリエステル樹脂を用い、ドメイン粒子
を形成する樹脂に不飽和二重結合を有するビニル系モノ
マーからなる樹脂を用い、マトリックスを形成する樹脂
とドメイン粒子を形成する樹脂との相溶性を有しない又
は低い2種の樹脂の有する不飽和二重結合同志を一部化
学的に結合することによって得られるドメイン−マトリ
ックス構造。
【0059】この形態においては、マトリックスを形成
する樹脂P2 のガラス転移温度Tg2 が、ドメイン粒子
を形成する樹脂P1 のガラス転位温度Tg1 よりも5℃
以上高く、かつドメイン粒子を形成する樹脂P1 とマト
リックスを形成する樹脂P2との相溶性を有しない又は
低い2種の樹脂の有する不飽和二重結合同志が一部化学
的に結合することにより、ドメイン粒子がマトリックス
中で細かく、かつ安定に分散するため優れた低温定着性
及び耐ブロッキング性が得られる。さらに、ドメイン粒
子とマトリックスとを形成する樹脂の有する不飽和二重
結合同志が一部化学的に結合することで、ドメイン粒子
はトナー製造時の粉砕によってトナー表面に現われない
ことから流動性も向上する。
【0060】マトリックスを形成する樹脂に酸価が1
5未満の実質的にカルボキシル基を有していないポリエ
ステル樹脂を用い、ドメイン粒子を形成する樹脂にビニ
ル系樹脂を酸変性することによりカルボキシル基を導入
した酸価が15以上のビニル系樹脂を用いることによっ
て得られるドメイン−マトリックス構造。
【0061】この形態においては、マトリックスを形成
する樹脂P2 のガラス転移温度Tg2 がドメイン粒子を
形成する樹脂P1 のガラス転移温度Tg1 よりも5℃以
上高く、かつ酸変性によりカルボキシル基が導入された
樹脂によって形成されたドメイン粒子が、カルボキシル
基により会合し、ミセルを形成するため、非常に細か
く、かつ、安定に分散するため、優れた低温定着性及び
耐ブロッキング性が得られる。この形態においては、架
橋性金属化合物を用いることができ、用いた場合には、
ドメイン粒子を形成する樹脂とマトリックスを形成する
樹脂が架橋することから、トナー製造時の粉砕によって
トナー表面にドメイン粒子が現われないため流動性がよ
り向上する。
【0062】マトリックスを形成する樹脂に酸価が1
5以上のカルボキシル基を有するポリエステル樹脂を用
い、ドメイン粒子を形成する樹脂に、酸価が15以上の
カルボキシル基を有するビニル系樹脂を用い、架橋性金
属化合物によりマトリックスを形成する樹脂とドメイン
粒子を形成する樹脂を一部或いは全部架橋することによ
り得られるドメイン−マトリックス構造。
【0063】この形態においては、マトリックスを形成
する樹脂P2 のガラス転移温度Tg2 が、ドメイン粒子
を形成する樹脂P1 のガラス転移温度Tg1 よりも5℃
以上高く、かつドメイン粒子を形成する樹脂P1 とマト
リックスを形成する樹脂P2との相溶性を有しない或い
は低い2種の樹脂が、一部或いは全部架橋されているた
め、ドメイン粒子は、マトリックス中で非常に細かくか
つ安定に分散するため、優れた低温定着性及び耐ブロッ
キング性が得られる。更にドメイン粒子を形成する樹脂
とマトリックスを形成する樹脂とが、一部又は全部架橋
していることから、トナー製造時の粉砕によってトナー
表面にドメイン粒子が現われないため、流動性がより向
上する。
【0064】ドメイン粒子を形成する樹脂P1 のガラス
転移温度Tg1 が0℃より低いとマトリックスを形成す
る樹脂P2 のガラス転移温度Tg2 を高くしてもブロッ
キングを起こし、また、ドメイン粒子を形成する樹脂P
1 のガラス転移温度Tg1 が60℃を超えるとトナーの
定着性が悪くなる。マトリックスを形成する樹脂のガラ
ス転移温度Tg2 が40℃よりも低いとブロッキングを
起こし、90℃を超えるとトナーの定着性が悪くなる。
従って、この結着樹脂を構成するドメイン粒子を形成す
るガラス転移点Tg1 は、好ましくは15〜50℃であ
り、マトリックスを形成する樹脂のガラス転移点Tg2
は、好ましくは55〜80℃である。さらに、本発明に
おいてその効果をより発揮させるために、樹脂P2 のガ
ラス転移温度Tg2 は樹脂P1 のガラス転移温度Tg1
よりも5℃以上高いことが必要であり、好ましくは10
℃以上高いことが良い。
【0065】上記の及びの形態においては、ドメイ
ン粒子の酸価は15以上が好ましく、15未満の場合ド
メイン粒子の分散安定性が悪くなり、耐ブロッキング性
が低下する傾向にある。マトリックスの酸価は10を超
えるとドメイン粒子との相溶性が増すので、ドメイン粒
子の分散安定性が悪くなり、耐ブロッキング性が低下す
る傾向にある。
【0066】上記のの形態においては、ドメイン粒子
を形成する樹脂の酸価が15以上でマトリックスを形成
する樹脂の酸価が15未満であることが望ましい。この
条件を満足しない場合は、ドメイン粒子の分散安定性が
十分でなく、耐ブロッキング性に劣ることがある。
【0067】上記のの形態においては、ドメイン樹脂
とマトリックス樹脂の酸価が15以上であることが望ま
しい。ドメイン樹脂の酸価が15未満の場合はドメイン
粒子の分散安定性が十分でなく耐ブロッキング性に劣る
ことがあり、マトリックス樹脂の酸価が15未満の場合
はドメイン樹脂とマトリックス樹脂の架橋密度が低くな
って耐ブロッキング性に劣ったものとなる。
【0068】マトリックス樹脂とドメイン粒子を形成す
る樹脂の重量比は、マトリックス樹脂100重量部あた
り、ドメイン粒子を形成する樹脂5〜300重量部が好
ましい。これは、ドメイン粒子を形成する樹脂が5重量
部より少ないと、定着温度を下げる効果がなく、300
重量部を超えて混合させると、耐ブロッキング性に劣っ
たものとなる恐れがある。
【0069】マトリックスが、カルボキシル基を有する
樹脂から形成される形態とするためには、カルボキシル
基を有する樹脂の配合割合を多くしていくことによって
行なうことができ、特に例えばメタクリル酸ステアリル
の如く、長鎖脂肪族炭化水素を側鎖に有する樹脂を用い
ればさらにこの形態になりやすいため好ましい。
【0070】本発明に用いられる結着樹脂において、ド
メイン樹脂を構成する樹脂として、ビニル系モノマーを
用いた場合には、以下のものが挙げられる。
【0071】例えば、スチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニ
ルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルス
チレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オク
チルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシ
ルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−
ニトロスチレン、の如きスチレン誘導体;エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン及び
不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如
き不飽和ジオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニ
ルの如きビニルエステル類;メタクリル酸及びメタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸フェニルの如きα−メチレン
脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸及びアク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル
酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリ
ル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチル
エーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエー
テル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、
メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N
−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニ
ルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル
化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もし
くはメタクリル酸誘導体;アクロレイン類が挙げられ、
これらのモノマーを1種又は2種以上使用して重合させ
たものが用いられる。
【0072】更に、本発明に用いられる結着樹脂におい
てドメイン粒子にカルボキシル基を含有させる場合に
は、カルボキシル基含有ビニル系モノマーを用いること
により行なわれる。このカルボキシル基含有ビニル系モ
ノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマル酸、マレイン
酸、及びそれらのメチル,エチル,ブチル,2−エチル
ヘキシルの如きモノエステルが挙げられ、これらの一種
または二種以上のモノマーが前記したモノマーとともに
用いられる。かかるカルボキシル基含有ビニル系モノマ
ーの含有量は、ドメイン粒子径を5μm以下にする為に
ドメイン粒子を形成する重合体基準で、好ましくは、
0.1〜50重量%、より好ましくは1〜30重量%が
良い。
【0073】ドメイン粒子を形成する樹脂として、特
に、不飽和二重結合を有する酸変性重合体を用いた場合
には、少なくともブタジエン、イソプレンの如き不飽和
ジオレフィン類のような酸変性可能な不飽和二重結合を
有するモノマーを使用する。不飽和二重結合を有するモ
ノマーの使用量は、ドメイン粒子を形成する樹脂基準
で、好ましくは、0.1〜70wt%、より好ましくは
0.3〜55wt%であることが良い。
【0074】更に、本発明に用いられる結着樹脂におい
てドメイン樹脂を変性するための酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸、フマル酸、マレイン酸、及びそれらのメチル,
エチル,ブチル,2−エチルヘキシル、オクチル、ドデ
シル、ヘキサデシル、ステアリルの如きモノエステルが
挙げられ、これらの一種または二種以上をドメイン粒子
を形成する樹脂を合成した後、溶媒中加熱処理の如き方
法により、不飽和二重結合に付加させる。
【0075】本発明に用いられる結着樹脂においてドメ
イン樹脂を変性するための酸量はドメイン粒子を5μm
以下にするために、ドメインを形成する重合体基準で好
ましくは、0.1〜50wt%、より好ましくは1〜3
0wt%であることがドメイン粒子を形成する樹脂中に
含有させることが良い。
【0076】さらに、マトリックス樹脂と、ドメイン樹
脂とを化学的に結合させる為にはドメイン樹脂の二重結
合を一部残しておかねばならない。よって、この場合に
は、ドメイン樹脂を変性する為の酸量はジオレフィン系
モノマー量に対して95モル%以下であることが望まし
い。
【0077】本発明に用いられる結着樹脂において、マ
トリックスを構成する樹脂としては、ビニル系樹脂、ポ
リエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が挙げ
られる。
【0078】マトリックスを形成する樹脂としてビニル
系樹脂を用いた場合には、極性が低く、ドメイン粒子の
分散安定性が良好となるため好ましい。
【0079】マトリックスを形成するビニル系樹脂とし
ては、ドメイン粒子を形成するために用いることのでき
るビニル系樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
【0080】更にマトリックスを形成する樹脂にカルボ
キシル基を含有させるためのカルボキシル基含有ビニル
モノマーの使用及び不飽和二重結合を有する酸変性重合
体を構成するための不飽和二重結合を有するモノマーの
及び酸の使用もドメイン粒子を形成する樹脂と同様のモ
ノマーを用いることができる。
【0081】本発明に用いられる結着樹脂においてマト
リックス樹脂を変性するための酸量はドメイン粒子を5
μm以下にするために、マトリックスを形成する重合体
基準で好ましくは、0.1〜50wt%、より好ましく
は1〜30wt%マトリックスを形成する樹脂中に含有
させることが良い。
【0082】マトリックスを形成する樹脂としてポリエ
ステル樹脂を用いた場合には、トナーの流動性及び帯電
の立ち上がりに関して優れているので好ましい。
【0083】本発明に於てマトリックスを構成するポリ
エステル樹脂の組成は以下の通りである。
【0084】ポリエステル樹脂全成分中45〜55モル
%がアルコール成分であり、55〜45モル%が酸成分
である。
【0085】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘ
キサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記構造式
(A)で表されるビスフェノール誘導体;
【0086】
【化1】 の如きジオール類、グリセリン、ソルビット、ソルビタ
ンの如き多価アルコール類が挙げられる。
【0087】全酸成分中50モル%以上を含む2価のカ
ルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はそ
の無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼラ
イン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物ま
たさらに炭素数6〜18のアルキル基で置換されたこは
く酸もしくはその無水物;が挙げられ、З価以上のカル
ボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物が挙げられ
る。
【0088】さらに不飽和二重結合を有するものとして
は、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン
酸、ドデセニルコハク酸の如き不飽和ジカルボン酸又は
その無水物が挙げられる。
【0089】本発明の実施上特に好ましいポリエステル
樹脂のアルコール成分としては前記(A)式で示される
ビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こは
く酸、トリメリット酸又はその無水物のトリカルボン酸
類が挙げられ、不飽和二重結合を有するものとしてはフ
マル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が挙げられる。不
飽和二重結合を有する酸の含有量は、好ましくは、全酸
量中1wt%以上、より好ましくは5wt%以上である
ことが良い。
【0090】本発明における加熱定着用トナーは、一成
分系現像剤及びキャリアと混合して用いる二成分系現像
剤に用いることができ、二成分系現像剤ではモノカラー
からフルカラー用まで広範にわたり適用できる。
【0091】本発明に係るトナー特性を十分に発揮させ
るために、フルカラー用として用いる場合には、結着樹
脂として用いられるドメイン粒子の重合体の数平均分子
量(Mn)が好ましくは、1500〜40000、より
好ましくは3500〜30000、重量平均分子量(M
w)が好ましくは、3000〜300000、より好ま
しくは5000〜100000であることが良く、マト
リックス樹脂の数平均分子量(Mn)は好ましくは、1
500〜20000、より好ましくは3000〜100
00、重量平均分子量(Mw)は好ましくは、3000
〜50000、より好ましくは5000〜30000で
あることが良い。一成分系あるいはモノカラー用として
用いる場合には、結着樹脂として用いられるドメイン粒
子の重合体の数平均分子量(Mn)が好ましくは、30
00〜150000、より好ましくは5000〜100
000、重量平均分子量(Mw)が好ましくは、600
0〜1000000、より好ましくは10000〜70
0000であることが良く、マトリックス樹脂の数平均
分子量(Mn)は好ましくは、2000〜50000、
より好ましくは4000〜30000、重量平均分子量
(Mw)は好ましくは、6000〜250000、より
好ましくは10000〜150000であることが良
い。
【0092】ビニル系モノマーから合成される重合体
は、通常一般に知られている方法、例えば開始剤として
過酸化物を用いて溶液または懸濁重合で得る方法が挙げ
られる。ポリエステル樹脂も通常一般に知られている縮
重合によって得られる。
【0093】この方法によって、それぞれ得られたマト
リックス用及びドメイン用樹脂を用いて、結着樹脂にド
メイン−マトリックス構造をとらせる方法としては、た
だ単にドライブレンドして溶融混練するだけでは均一で
細かいドメイン−マトリックス構造をつくることは非常
に難しい。
【0094】本発明者等が鋭意検討した結果、以下の方
法により均一で細かいドメイン−マトリックス構造をと
らせることに成功した。重合したそれぞれの樹脂を特定
の量比で秤量し、加熱溶融し溶液状態にて撹拌混合す
る。さらに、加熱し、温度を上げ、ブレンド溶液を相溶
する。相溶状態にした後、急冷して、ブレンド樹脂を得
る。この方法により、ドメイン径を小さく均一にコント
ロールすることが可能である。
【0095】非極性溶媒を用いてドメイン用樹脂を重合
した後、ドメイン用樹脂存在下でマトリックス樹脂を重
合する方法で行うとドメイン用樹脂がミクロ分散された
状態でブレンドされるため、ドメイン径を非常に小さく
することができる。
【0096】この方法とは逆に、先ずマトリックス用樹
脂を重合した後、ドメイン用樹脂を重合することもでき
る。更に別の製法としてバルク重合を行い、ある反応率
でストップして取り出した未反応モノマーに溶解してい
るポリマーを懸濁または溶液重合して得る方法もある。
この場合、カルボキシル基含有モノマーの反応速度が他
ビニル系モノマーより速いため、バルク重合の段階で用
いても構わないが、より好ましくはマトリックス樹脂を
バルク重合した後溶液重合にてドメイン樹脂を合成する
方法が望ましい。
【0097】重合したそれぞれの樹脂を非極性溶媒(極
性溶媒を用いても、海島構造をとらせることはできる
が、ドメイン径が大きくなる)に溶解し、加熱、強撹拌
のもと溶液状態にてブレンドする方法もある。本発明に
おいてドメイン径を小さくコントロールすることは非常
に重要である。よって、ブレンドの場合は、ブレンド時
に撹拌力をアップすることも有効ではあるが、高温状態
にすることによりマトリックス樹脂とドメイン樹脂の相
溶性を高めることができ、従って、よりドメイン径を小
さくすることができる。この状態で溶媒除去を行ない、
急冷することにより、均一で細かいドメイン−マトリッ
クス構造をつくることが可能になった。
【0098】このドメイン径は、カルボキシル基の解離
状態により決まる。よって、ブレンドの場合は、ブレン
ト時に温度を上げたり、撹拌力をアップすることもさな
がら、少量の水やメタノールの如きアルコールやカルボ
キシル基kとは反応せず、カルボキシル基をより解離さ
せる助剤を添加することにより更に小さくすることがで
きる。
【0099】カルボキシル基を有するモノマーのポリマ
ー中での組成分布が均一なものほどドメイン径も小さく
そのドメイン径の分布も均一であることをも、本発明者
らは把握した。このことは、カルボキシル基を有するモ
ノマーをドメイン用樹脂重合時に少量ずつ添加していく
方法によって前記した樹脂が得られるということであ
る。
【0100】更に、樹脂P1 とP2 とを化学結合させる
方法としては、樹脂P1 及び、P2を適当な溶媒に溶解
した後、たとえば、過ぎ酸化ベンゾイルなどの過酸化
物のみで、残留二重結合同士を架橋させる方法または、
過酸化ベンゾイルなどの過酸化物や他ラジカル重合開
始剤とビニル系モノマーやジビニル系の架橋性モノマー
(例えば、ジビニルベンゼンなど)を用いて架橋させる
方法、或は、樹脂、着色剤、磁性粉、などを溶融混練す
るときに、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物及び/また
は通常ゴムやプラスチック用の加硫剤及び/または、加
硫促進剤を、あらかじめ混合しておき、溶融混練時に架
橋させる方法などが挙げられる。
【0101】本発明で使用する架橋性金属化合物として
は、次の金属イオンを含むものが使用できる。適当な1
価金属イオンとしては、Na+ ,Li+ ,K+ ,Cs
+ ,Ag+ ,Hg+ ,Cu+ などがあり、2価の金属イ
オンにはBe2+,Mg2+,Ca2+,Hg2+,Sn2+,P
2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Zn2+などである。ま
た、3価のイオンとしては、Al3+,Sc3+,Fe3+
Co3+,Ni3+,Cr3+,γ3+などがあげられる。上記
のような金属イオンを含む化合物のうちでも分解性のも
のほど、良好な結果を与える。これは分解性のものの方
が熱分解によって化合物中の金属イオンがより容易に重
合体中のカルボキシル基と結合しやすいためと推察され
る。
【0102】架橋性金属化合物のうちでも有機金属化合
物が重合体との相溶性や分解性に優れ、金属化合物との
反応による架橋が重合体中でより均一に進むので、より
優れた結果を与える。但し、Na+ ,K+ ,Li+ につ
いては水酸化物でも反応性に富み、良好な結果が得られ
る。
【0103】上記のような有機金属化合物のうちでも、
特に気化性や昇華性に富む有機化合物を配位子や対イオ
ンとして含有するものが有用である。金属イオンと配位
子や対イオンを形成する有機化合物のうちで上記のよう
な性質を有するものとしては、例えば、サリチル酸,サ
リチルアミド,サリチルアミン,サリチルアルデヒド,
サリチロサリチル酸,ジターシャリブチルサリチル酸、
などのサリチル酸及びその誘導体、例えばアセチルアセ
トン,プロピオンアセトン,の如きβ−ジケトン類、例
えば酢酸塩やプロピオン酸の如き低分子カルボン酸塩が
あげられる。
【0104】本発明に係るトナーには、耐オフセット性
を向上させる目的で離型剤を用いることができる。
【0105】本発明で使用する離型剤としては、その溶
融開始温度が40℃以上、好ましくは50℃以上でか
つ、DSCによる測定で50〜250℃、好ましくは7
0〜200℃の間に少なくとも2つ以上の融点を有する
かあるいは、異なる融点を有する2種以上を混合して用
いることができる。これは、離型剤の溶融開始温度が4
0℃未満であると、耐ブロッキング性が悪く、50〜2
50℃の間に複数個の融点を有するもののほうが、低温
から高温まで広い範囲にわたって離型効果を発揮できる
からである。更に、本発明に用いる結着樹脂に対してよ
り好ましい離型剤の使用方法としては、異なる融点を有
し、かつ、極性基を有しない離型剤と極性基を有する離
型剤の2種以上を組み合わせてもちいるのが好ましい。
これは、本発明における結着樹脂を用いた場合、非極性
の離型剤の多くは、マトリックス樹脂中に存在し、逆
に、極性基を有する離型剤はその多くがドメイン樹脂中
に存在することにより、マトリックス樹脂に対しても、
ドメイン樹脂に対しても、離型効果を有するからであ
る。したがって、マトリックス樹脂およびドメイン樹脂
に存在することが可能でかつ50〜250℃の間に複数
個の融点を有するものであれば一種類の離型剤であって
もなんら問題はない。
【0106】本発明に用いられる極性基を有しない離型
剤としては次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレ
ン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワ
ックス、パラフィンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワ
ックス、酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水
素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重
合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン
酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とす
るワックス類;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸
エステル類を一部または全部を脱酸化したものが挙げら
れる。本発明に用いられる極性基を有する離型剤として
は次のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン
酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン
酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂
肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコー
ル、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セ
リルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコ
ール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;リノー
ル酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如
き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、
エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン
酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如
き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸ア
ミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’
−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイル
セバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キ
シレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリ
ルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類、ス
テアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金
属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族
炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニ
ル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベ
ヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコール
の部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得
られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物;
が挙げられる。
【0107】本発明に用いられる離型剤の量は、好まし
くは、結着樹脂100重量部あたり0.1〜20重量
部、より好ましくは0.5〜10重量部が良い。これ
は、離型剤の量が、20重量部を超えると、耐ブロッキ
ング性や高温オフセットが低下する傾向にあり、0.1
重量部より少ないと、離型効果が少ない。
【0108】これらの離型剤は、樹脂を溶剤に溶解し、
樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法或
いは、混練時に混合する方法により結着樹脂に含有する
ことができる。
【0109】該金属錯体にトナー粒子の荷電制御性をも
たすことも可能である。このような金属錯体としては、
次に示した一般式[I]で表わされるアゾ系金属錯体が
あげられる。
【0110】
【化2】 次に該錯体の具体例を示す。
【0111】
【化3】
【0112】
【化4】
【0113】
【化5】
【0114】
【化6】
【0115】
【化7】 あるいは次の一般式[II]に示した塩基性有機酸金属
錯体も本発明に使用できる。
【0116】
【化8】 次に、一般式[II]で示される錯体の具体例を示す。
【0117】
【化9】
【0118】
【化10】
【0119】
【化11】
【0120】
【化12】
【0121】
【化13】
【0122】
【化14】 これらの金属錯体は、単独でも、あるいは2種以上組み
合わせて用いることが可能である。
【0123】該金属錯体のトナー粒子への添加量はトナ
ーのバインダー樹脂の種類、キャリア併用か否か、ある
いはトナーを着色する顔料、さらに該金属錯体のバイン
ダー樹脂に対する反応性によって異なるが、未反応のも
のも含めて、バインダー樹脂100重量部に対し、好ま
しくは、0.01〜20重量部、より好ましくは0.0
5〜10重量部が良い。
【0124】上記金属錯体はバインダー樹脂と溶融混練
時に反応させたり、バインダー樹脂を適当な溶媒に溶解
させた後、金属錯体を添加し、例えば温度を上げるなど
の反応条件を設定することにより反応させることができ
る。
【0125】本発明においては、上記の荷電制御剤を用
いた場合より大きな帯電量を必要とする場合には、トナ
ーの表面に導電性微粉体を保持させ、かつ該微粉体を表
面より0.05μm以上内部まで埋め込むことにより、
トナーの帯電量を向上させることができる。
【0126】斯かる構成によれば、現像剤と帯電付与材
との接触において、現像剤最外殻の導電性微粉体と帯電
付与材とが摩擦帯電し、帯電付与材から移動した電荷が
導電性微粉体を通って現像剤内部の荷電制御剤へと到達
し、その結果、現像に必要な帯電量が得られ、特に高温
高湿下で顕著であった。
【0127】トナー表面に導電性微粉体を保持させる方
法としては、トナー粒子の表面上に導電性微粉体を例え
ば軽い撹拌などにより静電的に付着させ、次いでこれに
機械的な衝撃力を与えることにより、トナー粒子の表面
に当該微粉体を打ち込んで保持された状態とすることが
できる。
【0128】この導電性微粉体としては、平均粒径が2
μm以下が好ましく、1μm以下であることが特に好ま
しい。この平均粒径が2μmよりも大きくなると、OH
Pに定着した場合、光の透過性が悪化する。
【0129】これらの微粉体はその効果を発揮させるた
めに、その1部がトナー粒子表面より露出した状態で保
持されていることが必要である。具体的には、トナー粒
子表面より0.05μm以上内部まで埋め込まれ保持さ
れていることが必要である。図1に示すように、導電性
微粉体2の粒径Rに対するトナー粒子1中に埋め込まれ
た部分の長さDの比(D/R)でみると、0.025〜
0.95となる状態である。この状態は透過型電子顕微
鏡などによって現像剤粒子の薄片の界面を観察すること
により容易に確認できる。
【0130】本発明においては、トナー粒子の表面積の
1%〜50%の部分が打ち込まれた導電性微粉体によっ
て覆われた状態であることが好ましい。この範囲を超え
てしまうと定着性の悪化を招き、逆にこの範囲よりも小
さいと、帯電付与材からトナー粒子内部の荷電制御剤へ
の電荷注入効果が発揮されない。
【0131】斯かる導電性微粉体としては、例えば酸化
チタン,酸化アルミニウム,酸化ジルコニウムなどの金
属酸化物,チタン酸ストロンチウム,窒化チタンが挙げ
られる。
【0132】本発明に係るトナーを一成分系現像剤とし
て用いるために、トナー中に磁性粉を含有させることも
できる。このような磁性粉としては、磁場の中に置かれ
て磁化される物質が用いられ、鉄、コバルト、ニッケル
の如き強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタ
イト、フェライトの如き合金や化合物がある。この磁性
粉の含有量はトナー重量に対して15〜70重量%であ
る。
【0133】一成分系現像剤或いは二成分系現像剤を問
わず着色剤としては、カーボンブラック,チタンホワイ
トやその他あらゆる顔料及び/又は染料を用いることが
できる。
【0134】例えば本発明に係るトナーを磁性カラート
ナーとして使用する場合には、染料としては、C.I.
ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、
C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド
1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレク
トブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.ア
シッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.
I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー
5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクト
グリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.
ベーシックグリーン6があげられる。顔料としては、黄
鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、
ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエ
ローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレ
ーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオ
レンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレン
ジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウ
オッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリ
リアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレ
ットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブ
ルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレー
キ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、
インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、酸化クロ
ム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレー
キ、ファイナルイエローグリーンGがあげられる。
【0135】本発明に係るトナーを二成分系フルカラー
用現像剤のトナーとして使用する場合には、次の様な顔
料及び染料が挙げられる。
【0136】マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,
10,11,12,13,14,15, 16,17,
18,19,21,22,23,30,31,32,3
7,38,39,40,41,48,49,50,5
1,52,53,54,55,57,58,60,6
3,64,68,81,83,87,88,89,9
0,112,114,122,123,163,20
2,206,207,209、C.I.ピグメントバイ
オレット19、C.I.バットレッド1,2,10,1
3,15,23,29,35が挙げられる。
【0137】これらの顔料は単独で使用しても構わない
が、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方が
フルカラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ
用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,
8,23,24,25,27,30,49,81,8
2,83,84,100,109,121、C.I.デ
ィスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット
8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバ
イオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッ
ド1,2,9,12,13,14,15,17,18,
22,23,24,27,29,32,34,35,3
6,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイ
オレット1,3,7,10,14,15,21,25,
26,27,28の如き塩基性染料が挙げられる。
【0138】その他の着色顔料として、シアン用着色顔
料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,
16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッ
ドブルー45又は下記構造式(C)で示される構造を有
するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜
5個置換した銅フタロシアニン顔料があげられる。
【0139】
【化15】 イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエ
ロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,
13,14,15,16,17,23,65,73,8
3、C.I.バットイエロー1,3,20が挙げられ
る。
【0140】着色剤の使用量は結着樹脂100重量部に
対して、0.1〜60重量部好ましくは0.5〜50重
量部である。
【0141】本発明に係るトナーは、負帯電性,正帯電
性を限定するものではない。負帯電性トナーをつくる場
合は、負荷電特性を安定化させる目的でトナーに荷電制
御剤を添加することが好ましい。負荷電制御剤として
は、例えばフェノール系樹脂,ポリメタクリル酸,スチ
レンとアクリル酸の共重合体、スチレンとメタクリル酸
の共重合体,マレイン酸付加スチレンブタジエン共重合
体のようにカルボキシル基を含有している樹脂、ポリエ
ステルのように縮重合してポリマー鎖末端にカルボキシ
ル基又は−OH基を有する樹脂が挙げられる。
【0142】結着樹脂のマトリックスにポリエステル樹
脂を用いた場合には、マトリックスの帯電特性を考える
と、負帯電性トナーに用いた方が、その特性を生かすと
いう点で好ましい。
【0143】正帯電性のトナーをつくる場合には、正帯
電性を示す荷電制御剤をトナーに添加することが好まし
い。正荷電制御ニグロシン系化合物、トリフェニルメタ
ン系化合物、ローダミン系染料、ポリビニルピリジンが
挙げられる。カラートナーを作る場合には、正帯電性を
示すメタクリル酸ジメチルアミノメチルの如き含アミノ
カルボン酸エステル類をモノマーとして0.1〜40モ
ル%、好ましくは1〜30モル%含有させた結着樹脂を
用いるか、あるいは、トナーの色調に影響を与えない無
色又は淡色の正荷電制御剤を用いることができる。無色
又は淡色の正荷電制御剤としては、例えば下記構造式
(D)及び(E)で示される四級アンモニウム塩が挙げ
られる。
【0144】
【化16】
【0145】
【化17】 上記構造式(D)及び(E)で示される四級アンモニウ
ム塩の中でも、特に次の構造式(D−1)、(D−2)
及び(E−1)で表わされる正荷電制御剤を使用するこ
とが、環境依存の少ない良好な帯電性を示すことから好
ましい。
【0146】
【化18】
【0147】
【化19】
【0148】
【化20】 正帯電性トナーに於て結着樹脂の樹脂成分として、正帯
電特性を示すメタクリル酸ジメチルアミノメチルの如き
含アミノカルボン酸エステル類を用いる場合には、正荷
電制御剤又は負荷電制御剤を必要に応じて使用する。負
帯電性トナーの場合、負荷電制御剤の使用量は、結着樹
脂100重量部に対して、好ましくは、0.1〜15重
量部、より好ましくは0.5〜10重量部が良い。
【0149】正帯電性トナーに於て、樹脂成分として正
帯電特性を示すメタクリル酸ジメチルアミノメチルの如
き含アミノカルボン酸エステル類を用いない場合は、正
荷電制御剤を結着樹脂100重量部に対して好ましく
は、0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜10
重量部使用することが良い。含アミノカルボン酸エステ
ル類を用いる場合は、環境依存性の少ない良好な帯電性
をもたせる目的で必要に応じて、正荷電制御剤及び/又
は負荷電制御剤を結着樹脂100重量部に対して好まし
くは、0〜10重量部、より好ましくは0〜8重量部用
いることが良い。
【0150】さらに、本発明に於けるトナーに於て、ト
ナーの流動性を向上させる目的で、流動性向上剤を添加
することができる。
【0151】本発明に用いられる流動向上剤としては、
着色剤含有樹脂粒子に添加することにより、流動性が添
加前後を比較すると増加し得るものであれば、どのよう
なものでも使用可能である。
【0152】例えばフッ化ビニリデン微粉末、ポリテト
ラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;例
えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸鉛の如き脂肪酸金属塩;例えば酸化亜鉛粉末の
如き金属酸化物;例えば湿式製法シリカ、乾式製法シリ
カ、それらシリカにシランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤、シリコンオイルの如き処理剤により表面処
理を施した処理シリカの如きシリカ微粉末があげられ
る。
【0153】好ましい流動向上剤としては、ケイ素ハロ
ゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であ
り、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称さ
れるもので、従来公知の技術によって製造されるもので
ある。例えば四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱
分解酸化反応を利用するものであり、基礎となる反応式
は次式で表わされる。
【0154】 SiCl4 +2H2 +O2 →SiO2 +4HCl この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩
化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲ
ン化合物と共に用いる事によってシリカと他の金属酸化
物の複合微粉体を得る事も可能であり、それらも包含す
る。
【0155】流動性向上剤は、平均の一次粒径が、好ま
しくは、0.001〜2μの範囲内、より好ましくは、
0.002〜0.2μの範囲内のシリカ微粉体を使用す
るのが良い。
【0156】本発明に用いられるケイ素ハロゲン化合物
の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体とし
ては、例えば以下の様な商品名で市販されているものが
ある。
【0157】 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社) さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生
成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉
体を用いることがより好ましい。該処理シリカ微粉体に
おいて、メタノール滴定試験によって測定された疎水化
度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を
処理したものが特に好ましい。
【0158】疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応
あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処
理することによって付与される。
【0159】好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化
合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機
ケイ素化合物で処理する。
【0160】有機ケイ素化合物の例としては、ヘキサメ
チルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロル
シラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロル
シラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロ
ルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジ
メチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラ
ン、α−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロルエ
チルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシ
ラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシ
リルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、
ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニ
ルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテト
ラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個の
シロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1
個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシ
ロキサンがあげられる。これらは1種あるいは2種以上
の混合物で用いられる。
【0161】処理シリカ微粉体の粒径としては、0.0
03〜0.1μの範囲のものを使用することが好まし
い。市販品としては、タラノックス−500(タルコ
社)、AEROSIL R−972(日本アエロジル
社)があげられる。
【0162】また、正帯電性トナーについては、その流
動性を向上させるだけでなく、環境依存の小さい良好な
帯電性を得る為、正帯電性のシリカ微粒子を用いても構
わない。かかる正帯電性のシリカ微粒子を得るために
は、アミノ基を含有するカップリング剤ないしはシリコ
ーンオイルで処理するのが良い。そのような処理剤とし
ては、例えば次式で示されるアミノシランカップリング
剤等がある。
【0163】
【化21】
【0164】
【化22】
【0165】
【化23】 シリコンオイルとしては一般に下記構造式(G)で示さ
れる側鎖にアミノ基を有する部分構造を具備しているア
ミノ変性シリコーンオイルが用いられる。
【0166】
【化24】 アミノ基を有するシリコーンオイルとしては例えば以下
のものがあげられる。
【0167】 25℃における粘度 アミン当量 商品名 (cps) SF8417(トーレ・シリコーン社製) 1200 3500 KF393(信越化学社製) 60 360 KF857(信越化学社製) 70 830 KF860(信越化学社製) 250 7600 KF861(信越化学社製) 3500 2000 KF862(信越化学社製) 750 1900 KF864(信越化学社製) 1700 3800 KF865(信越化学社製) 90 4400 KF369(信越化学社製) 20 320 KF383(信越化学社製) 20 320 X−22−3680(信越化学社製) 90 8800 X−22−380D(信越化学社製) 2300 3800 X−22−3801C(信越化学社製) 3500 3800 X−22−3810B(信越化学社製) 1300 1700 尚、アミン当量とは、アミン1個あたりの当量(g/e
qiv)で、分子量を1分子あたりのアミン数で割った
値である。
【0168】これらのアミノ基を含有するカップリング
剤ないしはシリコーンオイルで処理したシリカ微粒子
を、さらに前記した有機ケイ素化合物により疎水化処理
して用いることが好ましい。
【0169】本発明に係るトナーを二成分系現像剤に用
いる場合は、その効果を充分に発揮し得るように用いら
れるキャリアが重要な役割を果たす。本発明に使用され
るキャリアとしては、例えば表面酸化または未酸化の
鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロ
ム、希土類の如き金属及びそれらの合金又は酸化物及び
フェライト等が使用でき、その製造方法として特別な制
約はない。
【0170】上記キャリアの表面を樹脂で被覆する系
は、J/B現像法において特に好ましい。その方法とし
ては、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せ
しめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、単に粉体で
混合する方法の如く、従来公知の方法がいずれも適用で
きる。
【0171】キャリア表面への固着物質としては、トナ
ー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチ
レン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフ
ッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、
ジターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチ
ラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性
染料及びそのレーキ、シリカ微粉末、アルミナ微粉末を
単独或は複数で用いるのが適当であるが、必ずしもこれ
に制約されない。
【0172】上記化合物の処理量は、キャリアが前記条
件を満足するよう適宜決定すれば良いが、一般には総量
で本発明のキャリアに対し0.1〜30重量%(好まし
くは0.5〜20重量%)が良い。これらキャリアの平
均粒径は、好ましくは、10〜100μm、より好まし
くは20〜70μmを有することが良い。
【0173】特に好ましい態様としては、Cu−Zn−
Feの3元系のフェライトであり、その表面を例えばポ
リフッ化ビニリデンとスチレン−メチルメタアクリレー
ト樹脂、ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メチ
ルメタアクリレート樹脂、フッ素系共重合体とスチレン
系共重合体の如きフッ素系樹脂とスチレン系樹脂とを組
み合わせた混合物でコーティングしたキャリアであり、
その混合比率は好ましくは、90:10〜20:80、
より好ましくは70:30〜30:70であり、この混
合物をキャリア基準で、0.01〜5重量%、好ましく
は0.1〜1重量%キャリア粒子にコーティングし、2
50メッシュパス、400メッシュオンのキャリア粒子
が70重量%以上ある上記平均粒径を有するコートフェ
ライトキャリアであるものが挙げられる。該フッ素系共
重合体としては、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエ
チレン共重合体(10:90〜90:10)が例示さ
れ、スチレン系共重合体としてはスチレン−アクリル酸
2−エチルヘキシル共重合体(20:80〜80:2
0)、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル−メタ
クリル酸メチル共重合体(20〜60:5〜30:10
〜50)が例示される。上記コートフェライトキャリア
は粒径分布がシャープであり、本発明に係るトナーに対
し好ましい摩擦帯電性が得られ、さらに電子写真特性を
向上させる効果を有する。
【0174】上記のキャリアは、本発明に係るトナーと
混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率
は現像剤中のトナー濃度として、2〜15重量%、好ま
しくは4〜13重量%にすると良好な結果が得られる。
トナー濃度が2%より小さいと画像濃度が低く実用上困
難であり、15%を超えるとカブリや機内飛散を増加せ
しめ、現像剤の耐用寿命を短める。
【0175】以下に本発明に用いる測定法について述べ
る。
【0176】(1)ガラス転移温度Tgの測定 本発明においては、示差熱分析測定装置(DSC測定装
置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いて測
定する。測定試料は5〜20mg、好ましくは10mg
を精密に秤量する。
【0177】測定試料をアルミパン中に入れ、リファレ
ンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜
200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下
で測定を行う。この昇温過程で、温度40〜100℃の
範囲における吸熱ピークが得られる。このときの吸熱ピ
ークが出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示
差熱曲線との交点を、本発明に係るガラス転移温度Tg
とする。
【0178】(2)分子量の測定 本発明において、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ)によるクロマトグラムの分子量は次の条件
で測定される。
【0179】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTH
F(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、
試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂
のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作
製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出
した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、
例えば、Pressure Chemical Co.
製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10
2 ,2.1×103 ,4×103 ,1.75×104
5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×105
8.6×105 ,2×106 ,4.48×106 のもの
を用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料
を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検
出器を用いる。
【0180】カラムとしては、103 〜2×106 の分
子量領域を適確に測定するため に、市販のポリスチレ
ンゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Wat
ers社製のμ−styragel 500,103
104 ,105 の組合せや、昭和電工社製のshode
x KF−80Mや、KF−801,803,804,
805の組合せ、KA−802,803,804,80
5の組合せ、あるいは東洋曹達製のTSKgel G1
000H,G2000H,G2500H,G3000
H,G4000H,G5000H,G6000H,G7
000H,GMHの組合せが好ましい。
【0181】(3)酸価 酸価はエステル化の進行具合を短時間に精度よく指示す
るものとして重要である。一般にエステル化のチェック
は酸価80位から始め、20〜50位の間で必要に応じ
終了する。ここで酸価とは、樹脂1g中に含まれるカル
ボキシル基を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリ
グラム数として定義されている。したがって酸価は末端
基の数を示していることになる。測定の方法はつぎのと
おりである。
【0182】サンプル2〜10gを200〜300ml
の三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=3
0:70の混合溶媒約50ml加えて樹脂を溶解する。
溶解性がわるいようであれば少量のアセトンを加えても
よい。0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレ
ッドの混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/1
0水酸化カリウム〜アルコール溶液で滴定し、アルコー
ルカリウム液の消費量からつぎの計算で酸価を求める。
【0183】酸価=KOH(ml数)×N×56.1/
試料重量 (ただしNはN/10KOHのファクター) (4)ドメイン粒子の平均粒径 本発明において、ドメイン粒子の平均粒径は、例えば次
の条件で測定する。結着樹脂0.1g程度をガラス板の
上にのせホットプレートにて溶解する。結着樹脂溶解
後、エタノールに溶かしたローダミン染料を2〜3滴た
らす。染料をたらしたら、すぐにカバーガラスを上から
かぶせ、押さえつけながら結着樹脂/ローダミンの薄層
サンプルを作る。(ドメイン粒子を形成する樹脂がカル
ボキシル基を有するポリマーから構成され、マトリック
スを形成する樹脂がカルボキシル基を有していないポリ
マーから構成される場合には、エタノールに溶かしたロ
ーダミン染料はカルボキシル基に引き寄せられ、ドメイ
ン粒子を選択的に着色する。マトリックスを形成する樹
脂がカルボキシル基を有するポリマーから構成され、ド
メイン粒子を形成する樹脂がカルボキシル基を有してい
ないポリマーから構成される場合には、エタノールに溶
かしたローダミン染料は、マトリックス選択的に着色す
る。さらにドメイン粒子を形成する樹脂にビニル系樹脂
を用い、マトリックスを形成する樹脂にポリエステルを
用いる場合には、ポリエステルを用いたマトリックスの
方が、ビニル系樹脂を用いたドメイン粒子よりも濃く着
色される。)これを、光学顕微鏡で観察し(X100
0)無作為に、少なくとも四視野の写真撮影を行う。こ
れらの撮影した写真のなかで目視により判別可能な粒子
について、その粒径を測定する。以上の方法によって測
定した粒径の平均値を次式に従って求め(数平均)、ド
メイン粒子の平均粒径dを得る。
【0184】(d1 +d2 +…+dn )/n=d この方法で見ることができない場合、染料としてオスミ
ウム酸或はルテニウム酸を用い、前記と同様の方法でド
メインを染色する。この後、薄片を作って、透過型電子
顕微鏡により、ドメインの分散状態を観察し、前記と同
様の方法でドメインの平均粒径を測定する方法もある。
【0185】(5)摩擦帯電量測定 図2は摩擦帯電量測定装置の説明図である。先ず測定し
ようとする粒子と現像剤として使用する磁性粒子の混合
物を作る。混合の比率はトナー及び着色剤含有微粒子の
場合には、磁性粒子95重量部に対して5重量部であ
り、流動性付与剤の場合には磁性粒子98重量部に対し
て2重量部である。
【0186】測定しようとする粒子及び磁性粒子を測定
環境に置いて、12時間以上放置した後ポリエチレン製
のビンに入れ、十分混合、撹拌する。
【0187】次に、底に500メッシュ(磁性粒子の通
過しない大きさに適宜変更可能)の導電性スクリーン3
3のある金属製の測定容器32に摩擦帯電量を測定しよ
うとする粒子と磁性粒子の混合物を入れ金属製のフタ3
4をする。このときの測定容器32全体の重量を秤りW
1 (g)とする。次に、吸引機31(測定容器32と接
する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口37か
ら吸引し風量調節弁36を調整して真空計35の圧力を
250mmAqとする。この状態で充分(約2分間)吸
引を行ないトナーを吸引除去する。このときの電位計3
9の電位をV(ボルト)とする。ここで38はコンデン
サーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測
定容器全体の重量を秤りW2 (g)とする。この摩擦帯
電量T(μc/g)は下式の如く計算される。
【0188】T(μc/g)=C×V/(W1 −W2 ) 本発明者らは、定着ローラー及び加圧ローラーからなる
定着装置に於て、白紙を通した時にその排出方向が定着
ローラーと加圧ローラーの中心を結ぶ線の垂直方向によ
り加圧ローラー側になる様にし、本発明の樹脂組成物を
用いた現像剤を組合せることで耐オフセット性をさらに
向上できることを知見した。
【0189】この定着装置と前記本発明の現像剤を用い
ることにより、色再現性が良好な複写画像が得られ、定
着ローラーの耐久性を飛躍的に延ばすことが可能とな
る。
【0190】本発明に用いられる定着装置としては、白
紙を通したときに、その排出方向が、定着ローラーと加
圧ローラーの中心を結ぶ線の垂直方向より加圧ローラー
側になる様にすれば、耐オフセット性をさらに向上する
ことが可能である(図4参照)。
【0191】排出方向を加圧ローラー側になる様にする
方法としては、例えば、 加圧ローラーの硬度を、定着ローラー硬度より高く
する。この加圧ローラー硬度を高くする方法としては、
(i)芯金につける弾性体の硬度を定着ローラーより高
くしたものを用いる方法及び(ii)定着ローラーと同
じ弾性体を用いる場合、定着ローラーの弾性体層厚さよ
り薄くすることにより、ローラーとして硬いものにする
方法; 定着ローラーの径を加圧ローラーの径より大きくす
る方法が挙げられる。
【0192】さらに、加熱装置を定着ローラー側だけで
なく、加圧ローラー側にもとりつけることにより、定着
ローラー側だけにとりつけた場合よりも耐オフセット性
をより向上させることが可能である。
【0193】これらの方法を取り入れた定着装置とし
て、例えば、定着ローラーとして弾性体がシリコンゴム
系でRTV又はLTV単層のローラー、又は定着オイル
によるゴムの膨潤を少なくする為下層にHTV層を設
け、定着オイルとのぬれをよくする為に上層にRTV又
はLTV層を設けた、二層構造のものが挙げられる。定
着ローラーのゴム硬度(JIS−A)は、好ましくは、
30〜70度、(二層の場合は二層合わせたときの)よ
り好ましくは35〜60度が良く、層厚さは好ましく
は、0.5〜5mm、より好ましくは1.0〜3.5m
mが良く、加圧ローラーのゴム硬度は好ましくは、40
度以上、より好ましくは50度以上のものが良い。
【0194】定着ローラー径としては、複写機の小型化
が要求されている為あまり大きくできない。定着ローラ
ー径を小さくすると、ニップが充分にとれない為、トナ
ーが充分に融解せず、従って混色性が悪くなったり、混
色性を上げる為に定着速度を落とさねばならなくなる。
従って、定着ローラー及び加圧ローラー径としては、4
0〜80mmφが好ましい。
【0195】次に図6〜9を参照しながら、正帯電性磁
性トナーを有する一成分系現像剤を用いて負極性に帯電
した潜像担持体上の潜像を現像する画像形成装置を例に
とって本発明の画像形成方法及び装置を説明するが、本
発明の画像形成方法及び装置は、一成分系現像剤だけで
なくキャリアを用いた二成分系現像剤を用いるものも含
むものである。
【0196】102は潜像担持体101に所定圧力をも
って接触させた帯電手段である帯電ローラであり、図3
に示すように金属芯金102aに導電性ゴム層102b
を設け、更にその周面に離型性被膜である表面層102
cを設けてある。導電性ゴム層は、0.5〜10mm
(好ましくは1〜5mm)の厚さを有することが好まし
い。該表面層102cは、離型性被膜であり、離型性被
膜を設けることは被帯電体である潜像担持体101と接
触する部分へ導電性ゴム層102bからの軟化剤がしみ
出さないようにするためである。そのため、軟化剤の感
光体へ付着した場合の感光体の低抵抗化による画像流
れ、残留トナーの感光体へのフィルミングによる帯電能
力の低下を防止でき、帯電効率の低下が抑えられる。
【0197】さらに、帯電ローラーに導電ゴム層を用い
ることで帯電ローラーと感光体との十分な接触を保つこ
とができ帯電不良を起こすようなこともない。
【0198】離型性被膜の厚さは30μm以内(好まし
くは、10〜30μm)が好ましい。離型性被膜の厚さ
の下限は被膜がハガレ、メクレがなければ良く5μmく
らいと考えられる。
【0199】離型性被膜には、ナイロン系樹脂PVDF
(ポリフッ化ビニリデン)及びPVDC(ポリ塩化ビニ
リデン)を用いることができる。潜像担持体101の感
光層としては、OPC、アモルファスシリコン、セレン
或いはZnOが使用可能である。特に、感光体にアモル
ファスシリコンを用いた場合、他のものを使用した場合
に比べて、導電ゴム層102bの軟化剤が潜像担持体1
01の感光層に少しでも付着すると、画像流れはひどく
なるので導電ゴム層の外側に絶縁性被膜したことによる
効果は大となる。
【0200】導電性ゴム層と離型性被膜表層間に感光体
へのリーク防止のために高抵抗層、例えば環境変動の小
さいヒドリンゴム層を形成することも好ましい形態の1
つである。115はこの帯電ローラ102に電圧を印加
するための電源部であり、所定の電圧を帯電ローラ10
2の芯金102aに供給する。
【0201】103は転写手段としての転写用帯電器で
ある。転写用帯電器には定電圧電源114から所定のバ
イアスが印加される。バイアス条件は、電流値が0.1
〜50μAであり、電圧値(絶対値)が500〜400
0Vであることが好ましい。
【0202】電源部(電圧印加手段)115を有する帯
電手段としての帯電ローラ102で、潜像担持体101
のOPC感光体表面を例えば負極性に帯電し、潜像形成
手段105としての光像露光により露光を行ない静電荷
潜像を形成する。鉄製磁性ブレード111および、磁石
140を内包しているトナー担持体としての非磁性の現
像スリーブ104、を具備する現像器109に保有され
ている本発明の正荷電性磁性トナーを有する一成分系現
像剤110で該潜像を現像する。現像スリーブ104は
直径50mmの複数の球状痕跡窪みを有するステンレス
スリーブ(SUS304)を用いる。現像部において潜
像担持体101の導電性基体と現像スリーブ104との
間で、バイアス印加手段112から交互バイアス、パル
スバイアスおよび/または直流バイアスが印加されてい
る。転写紙Pが搬送されて、転写部にくると転写用帯電
器103により転写紙Pの背面(潜像担持体側と反対
面)から電圧印加手段114によって帯電をすることに
より、潜像担持体101の表面上の現像画像(トナー
像)が転写紙P上へ静電転写される。潜像担持体101
から分離された転写紙Pは、定着手段としての加熱加圧
ローラ定着器107により転写紙P上のトナー画像を定
着するために定着処理される。
【0203】転写工程後の潜像担持体101に残留する
現像剤110は、クリーニングブレードを有するクリー
ニング器108で除去される。クリーニング工程後の潜
像担持体101はイレース露光106により徐電され、
再度、帯電器102による帯電工程から始まる工程が繰
り返される。
【0204】図8は、現像工程を説明するための図6の
部分拡大図であり、潜像担持体101はOPC感光層お
よび導電性基体を有し、矢印方向に動く。現像剤担持体
である非磁性円筒の現像スリーブ104は、現像部にお
いて潜像担持体101の表面と同方向に進むように回転
する。現像スリーブ104の内部には、磁界発生手段で
ある多極永久磁石140(マグネットロール)が回転し
ないように配されている。多極永久磁石140は、磁極
1 =500〜900ガウス、磁極N2 =600〜11
00ガウス、磁極S1 =800〜1500ガウス、およ
び磁極S2 =400〜800ガウスに設定するのが好ま
しい。現像器109内の現像剤110は現像スリーブ1
04に塗布され、現像スリーブ104の表面と現像剤1
10との摩擦によって、現像剤110は、プラスのトリ
ボ電荷が与えられる。さらに鉄製の磁性ドクターブレー
ド111を現像スリーブ104の円筒表面に近接して
(間隔50μm乃至500μm)かつ、多極永久磁石1
40の一つの磁極位置に対向して配置することにより、
トナー層200の厚さを薄く(30μm乃至300μ
m)かつ均一に規制して、現像部における潜像担持体1
01と現像スリーブ104の間隔よりも薄いトナー層2
00を潜像担持体101と非接触となるように形成す
る。この現像スリーブ104の回転速度を調整して、現
像スリーブ104の表面速度が潜像担持体101の表面
の速度と実質的に同一速度、もしくはそれに近い速度と
なるようにする。磁性ドクターブレード111として鉄
のかわりに永久磁石を用いて対向磁極を形成してもよ
い。現像部において現像スリーブ104と潜像担持体1
01の表面との間で交流バイアス又はパルスバイアスを
バイアス手段としてのバイアス電源112から印加して
も良い。バイアス条件としては、交流バイアスとしてV
pp=1500乃至2300V、f=900〜1600
(Hz)でありおよび直流バイアスとしてDC=−10
0〜−350Vであることが好ましい。現像スリーブ
(トナー担持体)104と潜像担持体101との最近接
部および近傍において形成された現像部での現像剤11
0の転移に際し、潜像担持体101の静電荷像担持面の
有する静電的力、および、交流バイアスまたはパルスバ
イアスの作用によって現像スリーブ104と潜像担持体
101との間を往復運動しながら現像剤110は潜像担
持体101側に転移する。
【0205】トナー層規制部材として磁性ドクターブレ
ード111のかわりに、シリコンゴムの如き弾性材料で
形成された弾性ブレードを用いて、該弾性ブレードを潜
像担持体101の表面に押圧することによってトナー層
200の層厚を規制し、現像スリーブ104上に所定層
厚を有するトナー層を形成しても良い。
【0206】潜像担持体101の感光層としてはOPC
感光ドラムに代えて静電記録用絶縁ドラムやα−Se、
CdS、ZnO2 、およびα−Siの如き光導電絶縁物
質層を持つ感光ドラムを現像条件に合わせて適宜選択使
用することができる。
【0207】図9は、図7に示す帯電ローラに代わる他
の帯電手段の実施形態を示す図であり、帯電手段はブレ
ード状の接触帯電部材102’である。このブレード状
の接触帯電部材102’も帯電ローラ102と同様の層
構成である、電圧が供給される金属支持部材102’
a、この金属支持部材102’aにより支持されている
導電性ゴム部材102’b及びこの導電性ゴム部材10
2’bの潜像担持体101との当接部分に設けられた離
型性被膜である表面層102’cからなり、帯電ローラ
102と同様の作用効果を得ることができる。
【0208】前述した例では帯電部材としてローラー
状、ブレード状のものを使ったが、これに限るものでな
く、他の形状についても本発明を実施することができ
る。
【0209】前記の帯電手段102は、転写紙Pを介し
て潜像担持体101と接触させて転写手段として用いる
ことができる。
【0210】上記の画像形成方法及び装置においては、
潜像担持体101表面を負極性(または正極性)に帯電
するための帯電手段に代えて、一般的なコロナ帯電によ
って潜像担持体101表面を帯電させる帯電器を用いる
ことができる。
【0211】上記のコロナ帯電を行う手段を用いる場合
にはオゾンの発生が多くなるので、オゾンフィルター等
を装着するのが好ましい。
【0212】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
るが、これは、本発明を何ら限定するものではない。部
及び%は、特に記載のない限り重量部及び重量%を意味
する。
【0213】 樹脂製造例1 (レジンの溶液ブレンド) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン … 92g アクリル酸n−ブチル … 78g マレイン酸モノブチル(ハーフエステル)…15g+15g(4hr後) ベンゾイルパーオキシド … 15g トルエン …500g 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行う。
マレイン酸モノブチルは、ポリマー中の組成分布を均一
にするために、重合開始時と開始後4hr後との2回に
分けて15gづつ添加、反応させた。その結果、数平均
分子量(Mn)4600,重量平均分子量(Mw)13
000,ガラス転移温度(Tg)31.9℃,酸価5
7.0の共重合体(樹脂a)を得た。 <マトリックス用樹脂の重合> スチレン …243g アクリル酸n−ブチル … 57g ベンゾイルパーオキシド … 22.5g トルエン …750g 上記原料を用いて、85℃×16hr重合反応を行う。
その結果、数平均分子量(Mn)5400,重量平均分
子量(Mw)15000,ガラス転移温度(Tg)5
8.5℃,酸価0の共重合体(樹脂b)を得た。
【0214】次に、(樹脂a)と(樹脂b)との比が
3:7になるように、重合反応乾燥後のポリマーをそれ
ぞれ秤量し、(樹脂a)と(樹脂b)とを混合する。混
合溶液の温度を150℃にして、強撹拌した後急冷し、
結着樹脂(1)を得る。この結着樹脂(1)のドメイン
平均粒径は2μmであった。各物性値を表1に示す。
【0215】樹脂製造例2 (レジン存在下重合) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン …104g アクリル酸n−ブチル … 66g マレイン酸モノブチル(ハーフエステル)… 30g ベンゾイルパーオキシド … 15g トルエン …500g 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行い、
数平均分子量(Mn)5300,重量平均分子量(M
w)16000,ガラス転移温度(Tg)42.8℃,
酸価60.0の共重合体を得た。次に、以下のように、
この樹脂溶液中でマトリックス用樹脂の重合を行った。 <マトリックス用樹脂の重合> スチレン …165g アクリル酸n−ブチル … 35g ベンゾイルパーオキシド … 15g トルエン …500g 上記原料を前記樹脂溶液に添加し、更に、85℃×16
hr重合反応を行う。その結果、数平均分子量(Mn)
5700,重量平均分子量(Mw)15000の共重合
体を得た。これを乾燥し結着樹脂(2)を得た。この結
着樹脂(2)のドメイン平均粒径は1.5μmであっ
た。マトリックス用樹脂のみを重合して得られた樹脂
は、数平均分子量(Mn)6300,重量平均分子量
(Mw)14000,ガラス転移温度(Tg)59.0
℃,酸価0であった。各物性値を表1に示す。
【0216】樹脂製造例3〜8 樹脂製造例1又は2の開始剤量及びモノマー量比を代え
ることを除いて、及び樹脂製造例1又は2と同様にして
結着樹脂(3)〜(8)を合成した。
【0217】合成した結着樹脂(3)〜(8)の各物性
値及び用いた製造法を表1に示す。
【0218】比較樹脂製造例1〜6 溶液重合法により重合体を得た。表2に示す得られた重
合体を比較用結着樹脂A,B,D及びEとし、表2に示
す得られた2種の重合体(樹脂:I及び樹脂:II)を
溶液ブレンドを行って比較用結着樹脂C及びFを得た。
【0219】上記比較用結着樹脂A〜Fのモノマー組成
及び各物性値を表2に示す。
【0220】
【表1】
【0221】
【表2】 実施例1 結着樹脂(1) …100 部 スチレン−メタクリル酸共重合体 … 5.0部 構造式(C)で示した銅フタロシアニン顔料 … 5.0部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し、青色トナーを得た。この青色トナ
ー100部に対して流動向上剤としてヘキサメチルジシ
ラザンで処理したシリカ微粉末を0.5部及び酸化アル
ミニウム微粉末を0.2部を外添添加した。
【0222】キャリアとしては、スチレン−アクリル2
−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比
50:20:30)をキャリア基準で0.5重量%コー
ティングしたCu−Zn−Fe系フェライトキャリア
(平均粒径45μm、250メッシュパス400メッシ
ュオン87重量%)を用い、トナー濃度が6.0重量%
になるよう上記外添剤を有する青色トナーと混合して二
成分系現像剤を調製した。
【0223】この二成分系現像剤を用いて、キヤノン製
フルカラー複写機CLC−500で現像転写させただけ
の未定着画像を得、これを外部定着機にて定着テストし
た。その結果、混色可能な定着温度領域は120〜22
0℃であった。
【0224】この二成分系現像剤を用いてCLC−50
0で画出し試験を行った。その結果、単色モードで1.
0万枚のコピー後でも定着ロールへのオフセットは全く
なく、カブリのないオリジナルカラーチャートを忠実に
再現するフルカラー画像が得られた。複写機内のトナー
の搬送性は良好で安定した画像濃度が得られた。OHP
フィルムを使用した場合もトナー画像の透過性は非常に
好ましいものであった。45℃の熱風乾燥器に1日放置
して、トナーのブロッキング状態を観察したが変化は全
く見られず、良好な流動性を有していた。結果を表3に
示す。
【0225】実施例2〜4及び比較例1〜3 結着樹脂(1)を結着樹脂(2)〜(4)及び比較用結
着樹脂A〜Cに代えることを除いて、実施例1と同様に
二成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行った。結
果を表3に示す。
【0226】
【表3】 実施例5 樹脂合成例の樹脂(5) …100部 磁性酸化鉄 … 70部 ニグロシン … 2部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し黒色磁性トナーを得た。この黒色磁
性トナー100部に対して流動向上剤として正荷電性疎
水化処理乾式シリカ0.6部を外添添加して一成分系現
像剤を調製した。
【0227】この一成分系現像剤をキヤノン製複写機N
P−4835に用いて未定着画像を得、これを外部定着
機にて定着テストした。その結果、定着可能領域は12
0〜250℃であった。さらに、この一成分系現像剤及
び複写機を用いて画出し試験を行った。その結果、10
万枚のコピー後でも定着ロールへのオフセットは全くな
く、カブリや飛散のない良好な画像が得られた。実施例
1と同様に耐ブロッキング性を見たところ良好であっ
た。結果を表4に示す。
【0228】実施例6〜8及び比較例4〜6 結着樹脂(5)を結着樹脂(6)〜(8)及び比較用結
着樹脂D〜Fに代えることを除いて実施例5と同様にし
て一成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行った。
結果を表4に示す。
【0229】
【表4】 樹脂製造例9 (レジンの溶融ブレンド) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン … 88g アクリル酸n−ブチル … 76g マレイン酸モノブチル(ハーフエステル)…15g+15g(4hr後) ベンゾイルパーオキシド … 10g トルエン …500g 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行う。
マレイン酸モノブチルは、ポリマー中の組成分布を均一
にするために、重合開始時と開始後4hr後との2回に
分けて15gづつ添加、反応させた。その結果、数平均
分子量(Mn)5200,重量平均分子量(Mw)13
500,ガラス転移温度(Tg)32.4℃,酸価5
0.0の共重合体(樹脂c)を得た。 <マトリックス用樹脂の重合> スチレン …246g アクリル酸n−ブチル … 48g ベンゾイルパーオキシド … 20.5g トルエン …750g 上記原料を用いて、85℃×16hr重合反応を行う。
その結果、数平均分子量(Mn)5700,重量平均分
子量(Mw)14600,ガラス転移温度(Tg)5
9.5℃,酸価0の共重合体(樹脂d)を得た。
【0230】次に、(樹脂c)と(樹脂d)との比が
3:7になるように、重合反応後、乾燥後のポリマーを
それぞれ秤量し、(樹脂c)と(樹脂d)とを混合し、
温度を160℃にして、溶融撹拌混合した後、冷却し、
結着樹脂(9)を得る。この結着樹脂(9)のドメイン
平均粒径は2.6μmであった。各物性値を表5に示
す。
【0231】樹脂製造例10 (レジン存在下重合) <マトリックス用樹脂の重合> スチレン …163g アクリル酸n−ブチル … 28g ベンゾイルパーオキシド … 13g トルエン …500g 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行い、
数平均分子量(Mn)5800,重量平均分子量(M
w)15300,ガラス転移温度(Tg)60.0℃,
酸価0の共重合体を得た。次に、以下のように、この樹
脂溶液中でドメイン用樹脂の重合を行った。 <ドメイン用樹脂の重合> スチレン …105g アクリル酸n−ブチル … 77g マレイン酸モノブチル(ハーフエステル)… 32g ベンゾイルパーオキシド … 15g トルエン …500g 上記原料を前記樹脂溶液に添加し、更に、85℃×16
hr重合反応を行う。その結果、数平均分子量(Mn)
5600,重量平均分子量(Mw)15000の共重合
体を得た。これを乾燥し、結着樹脂(10)を得た。こ
の結着樹脂(10)のドメイン平均粒径は1.2μmで
あった。ドメイン用樹脂のみを重合して得られた樹脂
は、数平均分子量(Mn)5300,重量平均分子量
(Mw)15000,ガラス転移温度(Tg)39.5
℃,酸価53.0であった。各物性値を表5に示す。
【0232】樹脂製造例11及び12 樹脂製造例9又は10の開始剤量及びモノマー量比を代
えることを除いて、樹脂製造例9又は10と同様にして
結着樹脂(11)及び(12)を合成した。
【0233】合成した結着樹脂(11)及び(12)の
物性値及び用いた製造法を表5に示す。
【0234】比較樹脂製造例7〜9 溶液重合法により重合体を得た。表6に示す得られた重
合体を比較用結着樹脂G及びHとし、表6に示す得られ
た2種の重合体(樹脂:I及び樹脂:II)を溶融ブレ
ンドを行って比較用結着樹脂Iを得た。
【0235】上記比較用結着樹脂G〜Iのモノマー組成
及び物性値を表6に示す。
【0236】
【表5】
【0237】
【表6】 実施例9 結着樹脂(9) …100 部 スチレン−メタクリル酸共重合体 … 4.0部 構造式(C)で示した銅フタロシアニン顔料 … 5.0部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し、青色トナーを得た。この青色トナ
ー100部に対して流動向上剤としてヘキサメチルジシ
ラザンで処理したシリカ微粉末を0.5部及び酸化アル
ミニウム微粉末を0.2部を外添添加した。
【0238】キャリアとしては、スチレン−アクリル2
−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比
50:20:30)をキャリア基準で0.5重量%コー
ティングしたCu−Zn−Fe系フェライトキャリア
(平均粒径45μm、250メッシュパス400メッシ
ュオン87重量%)を用い、トナー濃度が5.0重量%
になるよう上記外添剤を有する青色トナーと混合して二
成分系現像剤を調製した。
【0239】この二成分系現像剤を用いて、キヤノン製
フルカラー複写機CLC−500で現像転写させただけ
の未定着画像を得、これを外部定着機にて定着テストし
た。定着ローラーとしては、RTV/HTVからなるシ
リコンゴム2層のもので、ゴム層厚2.0mm,硬度4
5度,定着ローラー径40mmのものを用い、加圧ロー
ラーとしては、フッ素系ゴムローラーで、硬度50度,
ゴム層厚1.0mm,加圧ローラー径40mmのものを
用いた。加熱装置は定着ローラー及び加圧ローラーの両
方に取り付け、白紙通紙テストでは、その排紙方向は加
圧ローラー側になった。
【0240】かかる定着装置により、混色可能な定着温
度領域は115〜220℃であった。この二成分系現像
剤を用いてCLC−500で画出し試験を行った。
【0241】その結果、単色モードで2.0万枚のコピ
ー後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリ
のないオリジナルカラーチャートを忠実に再現するフル
カラー画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良
好で安定した画像濃度が得られた。OHPフィルムを使
用した場合も、トナーの透過性は非常に好ましいもので
あった。45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナーの
ブロッキング状態を観察したが変化は全く見られず、良
好な流動性を有していた。結果を表7に示す。
【0242】実施例10〜12及び比較例7〜9 結着樹脂(9)を結着樹脂(10)〜(12)及び比較
用結着樹脂(G)〜(I)に代えることを除いて実施例
9と同様に二成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を
行った。結果を表7に示す。
【0243】実施例13 実施例9で用いた定着装置を定着ローラーとしてRTV
/HTVからなるシリコンゴム2層で、ゴム層厚2.0
mm,硬度65度,定着ローラー径40mmのものを用
い、加圧ローラーとしてフッ素系ゴムで、硬度50度,
ゴム層厚1.0mm,加圧ローラー径40mmのものを
用い、及び加熱装置は定着ローラーにのみ取り付け、白
紙通紙テストでは、その白紙の排出方向が定着ローラー
側になった定着装置に代えることを除いて実施例9と同
様に試験を行った。結果を表7に示す。
【0244】
【表7】 樹脂製造例13 (レジンの溶液ブレンド) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン … 94g アクリル酸n−ブチル … 82g マレイン酸モノブチル(ハーフエステル)…15g+15g(4hr後) ベンゾイルパーオキシド … 12g トルエン …500g 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行う。
マレイン酸モノブチルは、ポリマー中の組成分布を均一
にするために、重合開始時と開始後4hr後との2回に
分けて15gづつ添加、反応させた。その結果、数平均
分子量(Mn)4800,重量平均分子量(Mw)13
300,ガラス転移温度(Tg)32.1℃,酸価5
0.0の共重合体(樹脂e)を得た。 <マトリックス用樹脂の重合> スチレン …240g アクリル酸n−ブチル … 60g ベンゾイルパーオキシド … 21.5g トルエン …750g 上記原料を用いて、85℃×16hr重合反応を行う。
その結果、数平均分子量(Mn)5200,重量平均分
子量(Mw)14300,ガラス転移温度(Tg)5
7.2℃,酸価0の共重合体(樹脂f)を得た。
【0245】次に、(樹脂e)と(樹脂f)との比が
3:7になるように、重合反応乾燥後のポリマーをそれ
ぞれ秤量し、(樹脂e)と(樹脂f)とを混合する。混
合溶液の温度を160℃にして、強撹拌した後急冷し、
結着樹脂(13)を得る。この結着樹脂(13)のドメ
イン平均粒径は2.2μmであった。各物性値を表8に
示す。
【0246】樹脂製造例14 (レジン存在下重合) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン …108g アクリル酸n−ブチル … 70g マレイン酸モノブチル(ハーフエステル)… 34g ベンゾイルパーオキシド … 15g トルエン …500g 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行い、
数平均分子量(Mn)5600,重量平均分子量(M
w)16500,ガラス転移温度(Tg)41.5℃,
酸価62.0の共重合体を得た。次に、以下のように、
この樹脂溶液中でマトリックス用樹脂の重合を行った。 <マトリックス用樹脂の重合> スチレン …168g アクリル酸n−ブチル … 32g ベンゾイルパーオキシド … 15g トルエン …500g 上記原料を前記樹脂溶液に添加し、更に、85℃×16
hr重合反応を行う。その結果、数平均分子量(Mn)
6200,重量平均分子量(Mw)15700の共重合
体を得た。これを乾燥し結着樹脂(14)を得た。この
結着樹脂(14)のドメイン平均粒径は1.3μmであ
った。マトリックス用樹脂のみを重合して得られた樹脂
は、数平均分子量(Mn)6500,重量平均分子量
(Mw)15500,ガラス転移温度(Tg)60.1
℃,酸価は0であった。各物性値を表8に示す。
【0247】樹脂製造例15及び16 樹脂製造例13又は14の開始剤量及びモノマー量比を
代えることを除いて、樹脂製造例15又は16と同様に
して結着樹脂(15)及び(16)を合成した。
【0248】合成した結着樹脂(15)及び(16)の
物性値及び用いた製造法を表8に示す。
【0249】比較樹脂製造例10〜12 溶液重合法により重合体を得た。表9に示す得られた重
合体を比較用結着樹脂J及びKとし、表9に示す得られ
た2種の重合体(樹脂:I及び樹脂:II)を溶液ブレ
ンドを行って比較用結着樹脂Lを得た。
【0250】上記比較用結着樹脂J〜Lのモノマー組成
及び物性値を表9に示す。
【0251】
【表8】
【0252】
【表9】 実施例14 結着樹脂(13) …100 部 di−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 … 4.0部 構造式(C)で示した銅フタロシアニン顔料 … 5.0部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し、青色トナーを得た。この青色トナ
ー100部に対して流動向上剤としてヘキサメチルジシ
ラザンで処理したシリカ微粉末を0.5部及び酸化アル
ミニウム微粉末を0.2部を外添添加した。
【0253】キャリアとしては、スチレン−アクリル2
−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比
50:20:30)をキャリア基準で0.5重量%コー
ティングしたCu−Zn−Fe系フェライトキャリア
(平均粒径45μm、250メッシュパス400メッシ
ュオン87重量%)を用い、トナー濃度が5.0重量%
になるよう上記外添剤を有する青色トナーと混合して二
成分系現像剤を調製した。
【0254】この二成分系現像剤を用いて、キヤノン製
フルカラー複写機CLC−500で現像転写させただけ
の未定着画像を得、これを外部定着機にて定着テストし
た。定着ローラーとしては、RTV/HTVからなるシ
リコンゴム2層のもので、ゴム層厚1.8mm,硬度4
0度,定着ローラー径40mmのものを用い、加圧ロー
ラーとしては、フッ素系ゴムローラーで、硬度50度,
ゴム層厚1.3mm,加圧ローラー径40mmのものを
用いた。加熱装置は定着ローラー及び加圧ローラーの両
方に取り付け、白紙通紙テストでは、その排紙方向は加
圧ローラー側になった。
【0255】かかる定着装置により、混色可能な定着温
度領域は110〜220℃であった。この二成分系現像
剤を用いてCLC−500で画出し試験を行った。
【0256】その結果、単色モードで2.05万枚のコ
ピー後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カブ
リのないオリジナルカラーチャートを忠実に再現するフ
ルカラー画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は
良好で安定した画像濃度が得られた。OHPフィルムを
使用した場合も、トナーの透過性は非常に好ましいもの
であった。45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナー
のブロッキング状態を観察したが変化は全く見られず、
良好な流動性を有していた。結果を表10に示す。
【0257】実施例15〜17及び比較例10〜12 結着樹脂(13)を結着樹脂(14)〜(16)及び比
較用結着樹脂J〜Lに代えることを除いて実施例14と
同様に二成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行っ
た。結果を表10に示す。
【0258】実施例18 実施例14で用いた定着装置を定着ローラーとしてRT
V/HTVからなるシリコンゴム2層で、ゴム層厚2.
0mm,硬度65度,定着ローラー径40mmのものを
用い、加圧ローラーとしてフッ素系ゴムで、硬度50
度,ゴム層厚1.0mm,加圧ローラー径40mmのも
のを用い、及び加熱装置は定着ローラーにのみ取り付
け、白紙通紙テストでは、その白紙の排出方向が定着ロ
ーラー側になった定着装置に代えることを除いて実施例
14と同様に試験を行った。結果を表10に示す。
【0259】
【表10】 樹脂製造例17 (レジンの溶融ブレンド) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン 92部 アクリル酸n−ブチル 78部 マレイン酸モノブチル(ハーフエステル) 15部+15部(4hr後) ベンゾイルパーオキシド 15部 トルエン 500部 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行う。
マレイン酸モノブチルは、ポリマー中の組成分布を均一
にするために、重合開始時と開始後4hr後との2回に
分けて15部づつ添加、反応させた。その結果、数平均
分子量(Mn)5000,重量平均分子量(Mw)13
000,ガラス転移温度(Tg)32.0℃,酸価5
6.0の共重合体(樹脂g)を得た。 <マトリックス用樹脂の重合> スチレン 243部 アクリル酸n−ブチル 57部 ベンゾイルパーオキシド 22.5部 トルエン 750部 上記原料を用いて、85℃×16hr重合反応を行う。
その結果、数平均分子量(Mn)5500,重量平均分
子量(Mw)15000,ガラス転移温度(Tg)5
9.0℃,酸価0の共重合体(樹脂h)を得た。
【0260】次に、(樹脂g)と(樹脂h)との比が
3:7になるように、重合反応、乾燥後のポリマーをそ
れぞれ秤量し、(樹脂g)と(樹脂h)とを混合する。
温度を150℃にして、強撹拌した後、急冷し、結着樹
脂(17)を得る。
【0261】この結着樹脂(17)のドメイン平均粒径
は、1.5μmであった。各物性値を表11に示す。
【0262】樹脂製造例18 (レジン存在下重合) <マトリックス用樹脂の重合> スチレン 165部 アクリル酸n−ブチル 35部 ベンゾイルパーオキシド 15部 トルエン 500部 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行い、
数平均分子量(Mn)5800,重量平均分子量(M
w)15000,ガラス転移温度(Tg)60.5℃,
酸価0の共重合体を得た。次に、以下のように、この樹
脂溶液中でドメイン用樹脂の重合を行った。 <ドメイン用樹脂の重合> スチレン 104部 アクリル酸n−ブチル 66部 マレイン酸モノブチル 30部 ベンゾイルパーオキシド 15部 トルエン 500部 上記原料を前記樹脂溶液に添加し、更に、85℃×16
hr重合反応を行う。その結果、数平均分子量(Mn)
5400,重量平均分子量(Mw)16000の共重合
体を得た。これを乾燥し、結着樹脂(18)を得た。こ
の結着樹脂(18)のドメイン平均粒径は0.5μmで
あった。ドメイン用樹脂のみを重合して得られた樹脂の
数平均分子量(Mn)5500,重量平均分子量(M
w)14000,ガラス転移温度(Tg)38.0℃,
酸価54.0であった。各物性値を表11に示す。
【0263】樹脂製造例19及び20 樹脂製造例17又は18の開始剤量及びモノマー量比を
代えることを除いて、樹脂製造例17又は18と同様に
して結着樹脂(19)及び(20)を合成した。
【0264】合成した結着樹脂(19)及び(20)の
物性値及び用いた製造法を表11に示す。
【0265】比較樹脂製造例13〜18 溶液重合法により重合体を得た。表12に示す得られた
重合体を比較用結着樹脂M,N,P及びQとし、表12
に示す得られた2種の重合体(樹脂:I及び樹脂:I
I)を溶融ブレンドを行って比較用結着樹脂O及びRを
得た。
【0266】上記比較用結着樹脂M〜Rのモノマー組成
及び物性値を表12に示す。
【0267】
【表11】
【0268】
【表12】 実施例19 結着樹脂(17) 100 部 di−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4.0部 構造式(C)で示した銅フタロシアニン顔料 5.0部 カルシウムラウレート(106,125,142,160℃に 2.0部 融点のピーク有り、溶融開始温度80℃) 低分子量ポリエチレンワックス 2.0部 (融点123℃、溶融開始温度75℃) 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し、青色トナーを得た。この青色トナ
ー100部に対して流動向上剤としてヘキサメチルジシ
ラザンで処理したシリカ微粉末を0.5部及び酸化アル
ミニウム微粉末を0.2部を外添添加した。
【0269】キャリアとしては、スチレン−アクリル2
−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比
50:20:30)をキャリア基準で0.5重量%コー
ティングしたCu−Zn−Fe系フェライトキャリア
(平均粒径45μm、250メッシュパス400メッシ
ュオン87重量%)を用い、トナー濃度が6.0重量%
になるよう上記外添剤を有する青色トナーと混合して二
成分系現像剤を調製した。
【0270】この二成分系現像剤を用いて、キヤノン製
フルカラー複写機CLC−500で現像転写させただけ
の未定着画像を得、これを外部定着機にて定着テストし
た。
【0271】その結果、混色可能な定着温度領域は12
5〜220℃であった。
【0272】この二成分系現像剤及びトナーを用いてC
LC−500で画出し試験を行った。
【0273】その結果、単色モードで2.0万枚のコピ
ー後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリ
のないオリジナルカラーチャートを忠実に再現するフル
カラー画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良
好で安定した画像濃度が得られた。
【0274】OHPフィルムを使用した場合もトナー画
像の透過性は非常に好ましいものであった。
【0275】45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナ
ーのブロッキング状態を観察したが変化は全く見られ
ず、良好な流動性を有していた。結果を表13に示す。
【0276】実施例20 結着樹脂(17)を結着樹脂(18)に、離型剤(低分
子量ポリエチレンワックス)をエチレンビスラウリン酸
アミド2部(融点102/52℃、溶融開始温度90
℃)及び、低分子量ポリエチレン2部に代えた以外は実
施例19と同様に二成分系現像剤を調製し、かつ同様に
試験を行った。結果を表13に示す。
【0277】比較例13〜15 結着樹脂(17)を比較用結着樹脂M〜Oに代え、かつ
離型剤(低分子量ポリエチレンワックス)を用いない以
外は、実施例19と同様に二成分系現像剤を調製し、か
つ同様に試験を行った。結果を表13に示す。
【0278】
【表13】 実施例21 結着樹脂(19) 100部 磁性酸化鉄 70部 ニグロシン 2部 低分子量ポリエチレン(融点110℃,溶融開始温度95℃) 2部 エチレンビスラウリン酸アミド 2部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し黒色磁性トナーを得た。この黒色磁
性トナー100部に対して流動向上剤として正荷電性疎
水化処理乾式シリカ0.6部を外添添加して一成分系現
像剤を調製した。
【0279】この一成分系現像剤をキヤノン製複写機N
P−4835に用いて未定着画像を得、これを外部定着
機にて定着テストした。その結果、定着可能領域は13
0〜250℃であった。さらにこの一成分系現像剤及び
複写機を用いて画出し試験を行った。その結果、10万
枚のコピー後でも定着ロールへのオフセットは全くな
く、カブリやとびちりのない良好な画像が得られた。
【0280】実施例19と同様に耐ブロッキング性を見
たところ良好であった。結果を表14に示す。
【0281】実施例22 結着樹脂(19)を結着樹脂(20)に代え、かつ離型
剤(低分子量ポリエチレン)を低分子量ポリプロピレン
(融点150℃、溶融開始110℃)2部及び数平均分
子量が700の直鎖アルキルアルコール(融点105
℃、溶融開始70℃)2部に代えた以外は実施例21と
同様一成分系現像剤を調製し、かつ、同様に試験を行っ
た。結果を表14に示す。
【0282】比較例16〜18 結着樹脂(19)を比較用結着樹脂P〜Rに代え、かつ
離型剤(低分子量ポリエチレン)を用いない以外は、実
施例21と同様に一成分系現像剤を調製し、かつ同様に
試験を行った。結果を表14に示す。
【0283】
【表14】 樹脂製造例21 (レジンの溶融ブレンド) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン 96部 アクリル酸n−ブチル 74部 マレイン酸モノブチル(ハーフエステル) 15部+15部(4hr後) ベンゾイルパーオキシド 14部 トルエン 500部 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行う。
マレイン酸モノブチルは、ポリマー中の組成分布を均一
にするために、重合開始時と開始後4hr後との2回に
分けて15部づつ添加、反応させた。その結果、数平均
分子量(Mn)5200,重量平均分子量(Mw)13
000,ガラス転移温度(Tg)31.5℃,酸価5
2.0の共重合体(樹脂i)を得た。 <マトリックス用樹脂の重合> スチレン 249部 アクリル酸n−ブチル 51部 ベンゾイルパーオキシド 22.8部 トルエン 750部 上記原料を用いて、85℃×16hr重合反応を行う。
その結果、数平均分子量(Mn)5800,重量平均分
子量(Mw)15500,ガラス転移温度(Tg)6
0.5℃,酸価0の共重合体(樹脂j)を得た。
【0284】次に、(樹脂i)と(樹脂j)との比が
3:7になるように、重合反応乾燥後のポリマーをそれ
ぞれ秤量し、(樹脂i)と(樹脂j)とを混合する。温
度を150℃にして、強撹拌した後、急冷し、結着樹脂
(21)を得る。
【0285】この結着樹脂(21)のドメイン平均粒径
は、2.0μmであった。各物性値を表15に示す。
【0286】樹脂製造例22 (レジン存在下重合) <マトリックス用樹脂の重合> スチレン 162部 アクリル酸n−ブチル 33部 ベンゾイルパーオキシド 15部 トルエン 500部 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行い、
数平均分子量(Mn)6100,重量平均分子量(M
w)16000,ガラス転移温度(Tg)61.8℃,
酸価0の共重合体を得た。次に、以下のように、この樹
脂溶液中でドメイン用樹脂の重合を行った。 <ドメイン用樹脂の重合> スチレン 108部 アクリル酸n−ブチル 72部 マレイン酸モノブチル(ハーフエステル) 27部 ベンゾイルパーオキシド 15部 トルエン 500部 上記原料を前記樹脂溶液に添加し、更に、85℃×16
hr重合反応を行う。その結果、数平均分子量(Mn)
5900,重量平均分子量(Mw)15200の共重合
体を得た。これを乾燥し、結着樹脂(22)を得た。こ
の結着樹脂(22)のドメイン平均粒径は1.0μmで
あった。ドメイン用樹脂のみを重合して得られた樹脂の
数平均分子量(Mn)は、5600,重量平均分子量
(Mw)13800,ガラス転移温度(Tg)36.5
℃,酸価48.0であった。各物性値を表15に示す。
【0287】比較樹脂製造例19〜21 溶液重合法により重合体を得た。得られた重合体を比較
用結着樹脂S及びTとし、得られた2種の重合体を溶融
ブレンドを行って比較用結着樹脂Uを得た。
【0288】上記比較用結着樹脂S〜Uのモノマー組成
及び物性値を表16に示す。
【0289】
【表15】
【0290】
【表16】 実施例23 結着樹脂(21) 100 部 di−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4.0部 構造式(C)で示した銅フタロシアニン顔料 5.0部 カルシウムラウレート(106,125,142,160℃に 2.0部 融点のピーク有り、溶融開始温度80℃) 低分子量ポリエチレンワックス 2.0部 (融点123℃、溶融開始温度75℃) 上記原料をロールミルにより、溶融混練し、冷却後、粗
粉砕、微粉砕、分級し、青色トナーを得た。この青色ト
ナー100部に対して流動向上剤としてヘキサメチルジ
シラザンで処理したシリカ微粉末を0.5部及び酸化ア
ルミニウム微粉末を0.2部を外添添加した。
【0291】キャリアとしては、スチレン−アクリル2
−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比
50:20:30)をキャリア基準で0.5重量%コー
ティングしたCu−Zn−Fe系フェライトキャリア
(平均粒径45μm、250メッシュパス400メッシ
ュオン87重量%)を用い、トナー濃度が5.0重量%
になるよう上記外添剤を有する青色トナーと混合して二
成分系現像剤を調製した。
【0292】この二成分系現像剤を用いて、キヤノン製
フルカラー複写機CLC−500で現像転写させただけ
の未定着画像を得、これを外部定着機にて定着テストし
た。
【0293】定着ローラーとしては、RTV/HTVか
らなるシリコンゴム2層のもので、ゴム層厚1.8m
m,硬度40度,定着ローラー径40mmのものを用
い、加圧ローラーとしては、フッ素系ゴムローラーで、
硬度50度,ゴム層厚1.3mm,加圧ローラー径40
mmのものを用いた。また、加熱装置は定着ローラー及
び加圧ローラーの両方に取り付け、白紙通紙テストで
は、その排紙方向は加圧ローラー側になった。
【0294】その結果、混色可能な定着温度領域は11
0〜220℃であった。
【0295】この二成分系現像剤を用いてCLC−50
0で画出し試験を行った。
【0296】その結果、単色モードで4.0万枚のコピ
ー後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリ
のないオリジナルカラーチャートを忠実に再現するフル
カラー画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良
好で安定した画像濃度が得られた。
【0297】OHPフィルムを使用した場合もトナーの
透過性は非常に好ましいものであった。
【0298】45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナ
ーのブロッキング状態を観察したが変化は全く見られ
ず、良好な流動性を有していた。結果を表17に示す。
【0299】実施例24 結着樹脂(21)を結着樹脂(22)に代え、かつ離型
剤(低分子量ポリエチレンワックス)をエチレンビスラ
ウリン酸アミド2部(融点102℃,152℃、溶融開
始温度90℃)及び低分子量ポリエチレン2部に代えた
以外は実施例23と同様に二成分系現像剤を調製し、か
つ同様に試験を行った。結果を表17に示す。
【0300】比較例19〜22 結着樹脂(21)を比較用結着樹脂S〜Uに代え、かつ
離型剤(低分子量ポリエチレンワックス)を用いないこ
とを除いては、実施例23と同様に二成分系現像剤を調
製し、かつ同様に試験を行った。結果を表17に示す。
【0301】実施例25 実施例23で用いた定着装置を定着ローラーとしてRT
V/HTVからなるシリコンゴム2層で、ゴム層厚2.
0mm,硬度65度,定着ローラー径40mmのものを
用い、加圧ローラーとしてフッ素系ゴムで、硬度50
度,ゴム層厚1.0mm,加圧ローラー径40mmのも
のを用い、及び加熱装置は定着ローラーにのみ取り付
け、白紙通紙テストでは、その白紙の排出方向が定着ロ
ーラー側になった定着装置に代えることを除いて実施例
23と同様に試験を行った。結果を表17に示す。
【0302】
【表17】 樹脂製造例23 (レジンの溶液ブレンド) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン 120g メタクリル酸ステアリル 80g ベンゾイルパーオキシド 15g トルエン 500g 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行っ
た。その結果、数平均分子量(Mn)5000,重量平
均分子量(Mw)11000,ガラス転移温度(Tg)
33.0℃,酸価0の共重合体(樹脂k)を得た。 <マトリックス用樹脂の重合> スチレン 105g アクリル酸n−ブチル 65g マレイン酸モノブチル(ハーフエステル) 30g ベンゾイルパーオキシド 15g トルエン 500g 上記原料を用いて、85℃×16hr重合反応を行っ
た。その結果、数平均分子量(Mn)5200,重量平
均分子量(Mw)13500,ガラス転移温度(Tg)
61.0℃,酸価60.0の共重合体(樹脂l)を得
た。
【0303】次に、(樹脂k)と(樹脂l)との比が
3:7になるように、重合反応後のポリマー・トルエン
溶液をそれぞれ秤量し、(樹脂k)と(樹脂l)とを溶
液混合、強撹拌した後、乾燥し、結着樹脂(23)を得
た。
【0304】この結着樹脂(23)のドメイン平均粒径
は、3.0μmであった。各物性値を表18に示す。
【0305】樹脂製造例24 (レジン存在下重合) <マトリックス用樹脂の重合> スチレン 105g アクリル酸n−ブチル 65g マレイン酸モノブチル(ハーフエステル) 30g ベンゾイルパーオキシド 15g トルエン 500g 上記原料を用いて、85℃×16hr重合反応を行い、
数平均分子量(Mn)6000,重量平均分子量(M
w)14000,ガラス転移温度(Tg)62.0℃,
酸価62.5の共重合体を得た。次に、以下のように、
この樹脂溶液中でドメイン用樹脂の重合を行った。 <ドメイン用樹脂の重合> スチレン 120g メタクリル酸ステアリル 80g ベンゾイルパーオキシド 15g トルエン 500g 上記原料を前記樹脂溶液に添加し、更に、85℃×16
hr重合反応を行う。その結果、数平均分子量(Mn)
5800,重量平均分子量(Mw)13500の共重合
体を得た。これを乾燥し結着樹脂(24)を得た。
【0306】この結着樹脂(24)に於けるドメイン平
均粒径は、3.5μmであった。
【0307】ドメイン用樹脂のみを重合して得られた樹
脂の数平均分子量(Mn)5200,重量平均分子量
(Mw)12000,ガラス転移温度(Tg)34.0
℃,酸価0であった。各物性値を表18に示す。
【0308】樹脂製造例25及び26 樹脂製造例23又は24の開始剤量及びモノマー量比を
代えることを除いて、樹脂製造例23又は24と同様に
して結着樹脂(25)及び(26)を合成した。
【0309】合成した結着樹脂(25)及び(26)の
物性値及び用いた製造法を表18に示す。
【0310】比較樹脂製造例22〜27 溶液重合法により重合体を得た。表19に示す得られた
重合体を比較用結着樹脂V,W,Y及びZとし、表19
に示す得られた2種の重合体(樹脂:I及び樹脂:I
I)を溶融ブレンドを行って比較用結着樹脂X及びAA
を得た。
【0311】上記比較用結着樹脂V〜X及びAAのモノ
マー組成及び物性値を表19に示す。
【0312】
【表18】
【0313】
【表19】 実施例26 結着樹脂(13) 100 部 di−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4.0部 構造式(C)で示した銅フタロシアニン顔料 5.0部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し、青色トナーを得た。この青色トナ
ー100部に対して流動向上剤としてヘキサメチルジシ
ラザンで処理したシリカ微粉末を0.5部及び酸化アル
ミニウム微粉末を0.2部を外添添加した。
【0314】キャリアとしては、スチレン−アクリル2
−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比
50:20:30)をキャリア基準で0.5重量%コー
ティングしたCu−Zn−Fe系フェライトキャリア
(平均粒径45μm、250メッシュパス400メッシ
ュオン87重量%)を用い、トナー濃度が6.0重量%
になるよう上記外添剤を有する青色トナーと混合して二
成分系現像剤を調製した。
【0315】この二成分系現像剤を用いて、キヤノン製
フルカラー複写機CLC−500で現像転写させただけ
の未定着画像を得、これを外部定着機にて定着テストし
た。
【0316】その結果、混色可能な定着温度領域は13
0〜220℃であった。
【0317】この二成分系現像剤を用いてCLC−50
0で画出し試験を行った。
【0318】その結果、単色モードで2.0万枚のコピ
ー後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリ
のないオリジナルカラーチャートを忠実に再現するフル
カラー画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良
好で安定した画像濃度が得られた。
【0319】OHPフィルムを使用した場合もトナー画
像の透過性は非常に好ましいものであった。
【0320】45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナ
ーのブロッキング状態を観察したが変化は全く見られ
ず、良好な流動性を有していた。結果を表20に示す。
【0321】実施例27及び比較例22〜24 結着樹脂(23)を結着樹脂(24)及び比較用結着樹
脂V〜Xに代えることを除いて、実施例26と同様に二
成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行った。結果
を表20に示す。
【0322】
【表20】 実施例28 樹脂合成例の樹脂(25) 100部 磁性酸化鉄 70部 di−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 2部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し黒色磁性トナーを得た。この黒色磁
性トナー100部に対して流動向上剤として疎水化処理
乾式シリカ0.6部を外添添加して一成分系現像剤を調
製した。
【0323】この一成分系現像剤をキヤノン製複写機N
P−8580に用いて未定着画像を得、これを外部定着
機にて定着テストした。その結果、定着可能領域は12
0〜240℃であった。さらにこの一成分系現像剤及び
複写機を用いて画出し試験を行った。その結果、10万
枚のコピー後でも定着ロールへのオフセットは全くな
く、カブリやとびちりのない良好な画像が得られた。
【0324】実施例26と同様に耐ブロッキング性を見
たところ良好であった。結果を表21に示す。
【0325】実施例29及び比較例25〜28 結着樹脂(25)を結着樹脂(26)及び比較用結着樹
脂Y,Z及びAAに代えることを除いて実施例28と同
様にして一成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行
った。結果を表21に示す。
【0326】
【表21】 樹脂製造例27 (レジンの溶液ブレンド) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン 120g アクリル酸n−ブチル 80g ベンゾイルパーオキシド 15g トルエン 500g 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行っ
た。その結果、数平均分子量(Mn)4600,重量平
均分子量(Mw)12000,ガラス転移温度(Tg)
32.0℃,酸価0の共重合体(樹脂m)を得た。 <マトリックス用樹脂の重合> スチレン 170g ブタジエン 30g ベンゾイルパーオキシド 15g トルエン 500g 上記原料を用いて、85℃×16hr重合反応を行い、
反応後無水マレイン酸20g添加し、ブタジエン不飽和
部分に付加反応させ、その後、水を少量添加し開環させ
た。
【0327】その結果、数平均分子量(Mn)700
0,重量平均分子量(Mw)21000,ガラス転移温
度(Tg)60.0℃,酸価42.0の共重合体(樹脂
n)を得た。
【0328】次に、(樹脂m)と(樹脂n)との比が
3:7になるように、重合反応後のポリマー・トルエン
溶液をそれぞれ秤量し、(樹脂m)と(樹脂n)とを溶
液混合し、強撹拌した後、乾燥し、結着樹脂(27)を
得た。
【0329】この結着樹脂(27)のドメイン平均粒径
は2.5μmであった。各物性値を表22に示す。
【0330】樹脂製造例28 (レジン存在下重合) 樹脂製造例27と同量のモノマーを用い、ドメイン用樹
脂を重合した後、マトリックス用樹脂をその量比が50
/50になる様にして存在下重合を行った。重合反応終
了後無水マレイン酸を20g添加し、付加反応させた
後、少量の水を添加し開環させ、結着樹脂(28)を得
た。
【0331】このときのドメイン用樹脂を少量サンプリ
ングして測定した結果、数平均分子量(Mn)500
0,重量平均分子量(Mw)12000,ガラス転移温
度(Tg)33℃,酸価0であった。このときと同一条
件でマトリックス用樹脂を重合させ、マレイン酸を付加
させた結果、数平均分子量(Mn)6800,重量平均
分子量(Mw)21000,ガラス転移温度(Tg)5
9.5℃,酸価41.0であった。この結着樹脂(2
8)のドメイン平均粒径は3.5μmであった。各物性
値を表22に示す。
【0332】樹脂製造例29及び30 樹脂製造例27又は28の開始剤量及びモノマー量比を
代えることを除いて、樹脂製造例27又は28と同様に
して結着樹脂(29)及び(30)を合成した。合成し
た結着樹脂(29)及び(30)の物性値及び用いた製
造法を表22に示す。
【0333】比較樹脂製造例28〜33 溶液重合法により重合体を得た。表23に示す得られた
重合体を比較用結着樹脂BB,CC,EE及びFFと
し、表23に示す得られた2種の重合体(樹脂:I及び
樹脂:II)を溶融ブレンドを行って比較用結着樹脂D
D及びGGを得た。
【0334】比較用結着樹脂BB〜GGのモノマー組成
及び物性値を表23に示す。
【0335】
【表22】
【0336】
【表23】 実施例30 結着樹脂(27) 100 部 di−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム錯体 4.0部 構造式(C)で示した銅フタロシアニン顔料 5.0部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し、青色トナーを得た。この青色トナ
ー100部に対して流動向上剤としてヘキサメチルジシ
ラザンで処理したシリカ微粉末を0.5部及び酸化アル
ミニウム微粉末を0.2部を外添添加した。
【0337】その後、実施例26と同様にして二成分系
現像剤を調製し、定着テストした。
【0338】その結果、混色可能な定着温度領域は13
0〜220℃であった。
【0339】この二成分系現像剤を用いてCLC−50
0で画出し試験を行った。
【0340】その結果、単色モードで2.0万枚のコピ
ー後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリ
のないオリジナルカラーチャートを忠実に再現するフル
カラー画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良
好で安定した画像濃度が得られた。
【0341】OHPフィルムを使用した場合もトナー画
像の透過性は非常に好ましいものであった。
【0342】45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナ
ーのブロッキング状態を観察したが変化は全く見られ
ず、良好な流動性を有していた。結果を表24に示す。
【0343】実施例31及び比較例28〜30 結着樹脂27を結着樹脂28、比較用結着樹脂BB〜D
Dに代えることを除いて、実施例30と同様に二成分系
現像剤を調製し、かつ同様に試験を行った。結果を表2
4に示す。
【0344】
【表24】 実施例32 結着樹脂(29) 100部 磁性酸化鉄 70部 di−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 2部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し黒色磁性トナーを得た。この黒色磁
性トナー100部に対して流動向上剤として疎水化処理
乾式シリカ0.6部を外添添加して一成分系現像剤を調
製した。
【0345】この一成分系現像剤をキヤノン製複写機N
P−8580に用いて未定着画像を得、これを外部定着
機にて定着テストした。その結果、定着可能領域は13
0〜240℃であった。さらにこの一成分系現像剤及び
複写機を用いて画出し試験を行った。その結果、10万
枚のコピー後でも定着ロールへのオフセットは全くな
く、カブリや飛散のない良好な画像が得られた。
【0346】実施例26と同様に耐ブロッキング性を見
たが良好であった。結果を表25に示す。
【0347】実施例33及び比較例31〜33 結着樹脂(29)を結着樹脂(30)及び比較用結着樹
脂EE〜GGに代えることを除いて実施例32と同様に
して一成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行っ
た。結果を表25に示す。
【0348】
【表25】 樹脂製造例31 (レジンの溶液中での架橋) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン 140g ブタジエン 60g ベンゾイルパーオキシド 15g トルエン 500g 上記原料を用いて、85℃×15hr重合反応を行っ
た。その結果、数平均分子量(Mn)5200,重量平
均分子量(Mw)13000,ガラス転移温度(Tg)
31.0℃の共重合体(樹脂o)を得た。 <マトリックス用樹脂>エチレングリコール、プロポキ
シ化ビスフェノール、テレフタル酸、フマル酸を縮合し
た。その結果、数平均分子量(Mn)4000,重量平
均分子量(Mw)18000,ガラス転移温度(Tg)
60.0℃のポリエステル(樹脂p)を得た。
【0349】次に、(樹脂o)と(樹脂p)との比が
3:7になるように、それぞれ秤量し、(樹脂o)と
(樹脂p)とを溶液混合する。ここでさらにベンゾイル
パーオキシドを0.1g添加し、混合溶液の温度を80
℃にして5hr反応させ、結着樹脂(31)を得た。
【0350】この結着樹脂(31)に於いてドメイン平
均粒径は、2.8μmであった。各物性値を表26に示
す。
【0351】樹脂製造例32 (混練時架橋用レジン) 樹脂製造例31で架橋させずに溶液ブレンドしたものを
乾燥し、結着樹脂(32)を得た。この結着樹脂(3
2)のドメイン平均粒径は、2.0μmであった。各物
性値を表26に示す。
【0352】樹脂製造例33及び34 樹脂製造例31又は32の開始剤量及びモノマー量比を
代えることを除いて、樹脂製造例31又は32と同様に
して結着樹脂(33)及び(34)を合成した。
【0353】合成した結着樹脂(33)及び(34)の
各物性値及び用いた製造法を表26に示す。
【0354】比較樹脂製造例34〜39 溶液重合法により重合体を得た。表27に示す得られた
重合体を比較用結着樹脂HH,II,KK及びLLと
し、表27に示す得られた2種の重合体(樹脂:I及び
樹脂:II)を溶液ブレンドを行って比較用結着樹脂J
J及びMMを得た。比較用結着樹脂HH〜MMのモノマ
ー組成及び各物性値を表27に示す。
【0355】
【表26】
【0356】
【表27】 実施例34 結着樹脂(31) 100 部 di−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム錯体 4.0部 構造式(C)で示した銅フタロシアニン顔料 5.0部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し、青色トナーを得た。この青色トナ
ー100部に対して流動向上剤としてヘキサメチルジシ
ラザンで処理したシリカ微粉末を0.5部及び酸化アル
ミニウム微粉末を0.2部を外添添加した。
【0357】キャリアとしては、スチレン−アクリル2
−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比
50:20:30)をキャリア基準で0.5重量%コー
ティングしたCu−Zn−Fe系フェライトキャリア
(平均粒径45μm、250メッシュパス400メッシ
ュオン87重量%)を用い、トナー濃度が6.0重量%
になるよう上記外添剤を有する青色トナーと混合して二
成分系現像剤を調製した。
【0358】この二成分系現像剤を用いて、キヤノン製
フルカラー複写機CLC−500で現像転写させただけ
の未定着画像を得、これを外部定着機にて定着テストし
た。
【0359】その結果、混色可能な定着温度領域は13
0〜210℃であった。
【0360】この二成分系現像剤を用いてCLC−50
0で画出し試験を行った。
【0361】その結果、単色モードで2.0万枚のコピ
ー後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリ
のないオリジナルカラーチャートを忠実に再現するフル
カラー画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良
好で安定した画像濃度が得られた。
【0362】OHPフィルムを使用した場合もトナー画
像の透過性は非常に好ましいものであった。
【0363】45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナ
ーのブロッキング状態を観察したところ変化は全く見ら
れず、良好な流動性を有していた。結果を表28に示
す。
【0364】実施例35 結着樹脂(31)を結着樹脂(32)に代え、かつベン
ゾイルパーオキシド0.3部と酸化亜鉛0.1部を添加
した以外は実施例34と同様に行い、混練時架橋を行い
二成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行った。結
果を表28に示す。
【0365】比較例34〜36 結着樹脂(31)を比較用結着樹脂HH〜JJに代える
ことを除いて実施例34と同様に二成分系現像剤を調製
し、かつ同様に試験を行った。結果を表28に示す。
【0366】
【表28】 実施例36 結着樹脂(33) 100部 磁性酸化鉄 70部 di−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 2部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し黒色磁性トナーを得た。この黒色磁
性トナー100部に対して流動向上剤として正荷電性疎
水化処理乾式シリカ0.6部を外添添加して一成分系現
像剤を調製した。
【0367】この一成分系現像剤をキヤノン製複写機N
P−8580に用いて未定着画像を得、これを外部定着
機にて定着テストした。その結果、定着可能領域は13
0〜230℃であった。さらにこの一成分系現像剤及び
複写機を用いて画出し試験を行った。その結果、10万
枚のコピー後でも定着ロールへのオフセットは全くな
く、カブリやとびちりのない良好な画像が得られた。
【0368】実施例34と同様に耐ブロッキング性を見
たところ良好であった。結果を表29に示す。
【0369】実施例37 結着樹脂(33)を結着樹脂(34)に代えて、かつベ
ンゾイルパーオキシド0.3部と酸化亜鉛0.2部とを
添加した以外は実施例36と同様に行い、混練時架橋を
行い一成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行っ
た。結果を表29に示す。
【0370】比較例37〜39 結着樹脂(33)を比較用結着樹脂KK〜MMに代える
ことを除いて実施例36と同様に一成分系現像剤を調製
し、かつ同様に試験を行った。結果を表29に示す。
【0371】
【表29】 樹脂製造例35 (レジンの溶液ブレンド) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン 140g ブタジエン 60g ベンゾイルパーオキシド 15g トルエン 500g 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行っ
た。反応後無水マレイン酸20gを添加し、付加反応さ
せた。その後水を少量添加し開環させた。その結果、数
平均分子量(Mn)4800,重量平均分子量(Mw)
13000,ガラス転移温度(Tg)33.5℃,酸価
41.0の共重合体(樹脂q)を得た。 <マトリックス用樹脂>エチレングリコール、プロポキ
シ化ビスフェノール、テレフタル酸、フマル酸を縮合し
た。その結果、数平均分子量(Mn)3700,重量平
均分子量(Mw)16000,ガラス転移温度(Tg)
59.5℃,酸価8.5のポリエステル(樹脂r)を得
た。
【0372】次に、(樹脂q)と(樹脂r)との比が
3:7になるように、それぞれ秤量し、(樹脂q)と
(樹脂r)とを溶液混合した。更にベンゾイルパーオキ
シドを0.1g添加し、混合溶液の温度を80℃にして
5hr反応させ、結着樹脂(35)を得た。
【0373】この結着樹脂(35)に於いて、ドメイン
平均粒径は1.0μmであった。各物性値を表32に示
す。
【0374】樹脂製造例36 (混練時架橋用レジン) 樹脂製造例35で、架橋させずに溶液ブレンドしたもの
を乾燥し、結着樹脂(36)を得た。この結着樹脂(3
6)に於てドメイン平均粒径は、0.8μmであった。
各物性値を表30に示す。
【0375】樹脂製造例37及び38 樹脂製造例35又は36の開始剤量及びモノマー量比を
代えることを除いて、樹脂製造例(35)又は(36)
と同様にして結着樹脂(37)及び(38)を合成し
た。
【0376】合成した結着樹脂(37)及び(38)の
各物性値及び用いた製造法を表30に示す。
【0377】比較樹脂製造例40〜45 溶液重合法により重合体を得た。表33に示す得られた
重合体を比較用結着樹脂NN,OO,QQ及びRRと
し、表33に示す得られた2種の重合体(樹脂:I及び
樹脂:II)を溶液ブレンドを行って比較用結着樹脂P
P及びSSを得た。比較用結着樹脂NN〜SSのモノマ
ー組成及び各物性値を表31に示す。
【0378】
【表30】
【0379】
【表31】 実施例38 結着樹脂(35) 100 部 di−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム錯体 4.0部 構造式(C)で示した銅フタロシアニン顔料 5.0部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し、青色トナーを得た。この青色トナ
ー100部に対して流動向上剤としてヘキサメチルジシ
ラザンで処理したシリカ微粉末を0.5部及び酸化アル
ミニウム微粉末を0.2部を外添添加した。
【0380】その後、実施例31と同様にして二成分系
現像剤を調製し、定着テストした。その結果、混色可能
な定着温度領域は130〜220℃であった。
【0381】この二成分系現像剤を用いてCLC−50
0で画出し試験を行った。その結果、単色モードで2.
0万枚のコピー後でも定着ロールへのオフセットは全く
なく、カブリのないオリジナルカラーチャートを忠実に
再現するフルカラー画像が得られた。複写機内のトナー
の搬送性は良好で安定した画像濃度が得られた。
【0382】OHPフィルムを使用した場合もトナー画
像の透過性は非常に好ましいものであった。
【0383】45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナ
ーのブロッキング状態を観察したが変化は全く見られ
ず、良好な流動性を有していた。結果を表32に示す。
【0384】実施例39 結着樹脂(35)を結着樹脂(36)に代え、かつベン
ゾイルパーオキシド0.3部と酸化亜鉛0.1部を添加
した以外は実施例38と同様に行い、混練時架橋を行い
二成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行った。結
果を表32に示す。
【0385】比較例40〜42 結着樹脂(35)を比較用結着樹脂NN〜PPに代える
ことを除いて実施例38と同様に二成分系現像剤を調製
し、かつ同様に試験を行った。結果を表32に示す。
【0386】
【表32】 実施例40 結着樹脂(37) 100部 磁性酸化鉄 70部 di−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 2部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し黒色磁性トナーを得た。この黒色磁
性トナー100部に対して流動向上剤として正荷電性疎
水化処理乾式シリカ0.6部を外添添加して一成分系現
像剤を調製した。
【0387】この一成分系現像剤をキヤノン製複写機N
P−8580に用いて未定着画像を得、これを外部定着
機にて定着テストした。その結果、定着可能領域は13
0〜230℃であった。さらにこの一成分系現像剤及び
複写機を用いて画出し試験を行った。その結果、10万
枚のコピー後でも定着ロールへのオフセットは全くな
く、カブリや飛散のない良好な画像が得られた。
【0388】実施例34と同様に耐ブロッキング性を見
たところ良好であった。結果を表33に示す。
【0389】実施例41 結着樹脂(37)を結着樹脂(38)に代え、かつベン
ゾイルパーオキシド0.3部と酸化亜鉛0.2部とを添
加した以外は実施例40と同様に行い、混練時架橋を行
い一成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行った。
結果を表33に示す。
【0390】比較例43〜45 結着樹脂(37)を比較用結着樹脂QQ〜SSに代える
ことを除いて実施例40と同様に一成分系現像剤を調製
し、かつ同様に試験を行った。結果を表33に示す。
【0391】
【表33】 樹脂製造例39 (レジンの溶液ブレンド) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン 90g アクリル酸n−ブチル 80g マレイン酸モノブチル(ハーフエステル) 15g+15g(4hr後) ベンゾイルパーオキシド 15g トルエン 500g 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行っ
た。マレイン酸モノブチルは、ポリマー中の組成分布を
均一にするために、重合開始時と開始後4hr後との2
回にわけて15gづつ添加、反応させた。その結果、数
平均分子量(Mn)4700,重量平均分子量(Mw)
12000,ガラス転移温度(Tg)30.5℃,酸価
62.5の共重合体(樹脂s)を得た。 <マトリックス用樹脂>エチレングリコール、プロポキ
シ化ビスフェノール、テレフタル酸、ドデセニルコハク
酸、トリメリット酸を縮合した。その結果、数平均分子
量(Mn)5600,重量平均分子量(Mw)2000
0,ガラス転移温度(Tg)62.0℃,酸価30.0
のポリエステル(樹脂t)を得た。
【0392】次に、(樹脂s)と(樹脂t)との比が
3:7になるように、重合反応後のポリマー・トルエン
溶液をそれぞれ秤量し、(樹脂s)と(樹脂t)とを溶
液混合した。混合溶液の温度を80℃にして、酢酸亜鉛
1.5gを添加し、強撹拌した後、乾燥し、結着樹脂
(39)を得た。
【0393】この結着樹脂(39)のドメイン平均粒径
は3.0μmであった。各物性値を表34に示す。
【0394】樹脂製造例40 (混練時架橋用レジン) 樹脂製造例39で架橋させずに溶液ブレンドしたものを
乾燥し、結着樹脂(40)を得た。この結着樹脂(4
0)のドメイン平均粒径は2.5μmであった。各物性
値を表34に示す。
【0395】樹脂製造例41及び42 樹脂製造例39又は40の開始剤量及びモノマー量比を
代えることを除いて、樹脂製造例39又は40と同様に
して結着樹脂(41)及び(42)を合成した。
【0396】合成した結着樹脂(41)及び(42)の
各物性値及び用いた製造法を表34に示す。
【0397】比較樹脂製造例46〜51 溶液重合法により重合体を得た。表37に示す得られた
重合体を比較用結着樹脂TT,UU,WW及びXXと
し、表35に示す得られた2種の重合体(樹脂:I及び
樹脂:II)を溶液ブレンドを行って比較用結着樹脂V
V及びYYを得た。比較用結着樹脂TT〜YYのモノマ
ー組成及び各物性値を表35に示す。
【0398】
【表34】
【0399】
【表35】 実施例42 結着樹脂(39) 100 部 構造式(C)で示した銅フタロシアニン顔料 5.0部 上記原料をロールミルにより、溶融混練し、冷却後、粗
粉砕、微粉砕、分級し、青色トナーを得た。この青色ト
ナー100部に対して流動向上剤としてヘキサメチルジ
シラザンで処理したシリカ微粉末を0.5部及び酸化ア
ルミニウム微粉末を0.2部を外添添加した。
【0400】実施例34と同様にして二成分系現像剤を
調製し、定着テストした。その結果、混色可能な定着温
度領域は130〜210℃であった。
【0401】この二成分系現像剤を用いてCLC−50
0で画出し試験を行った。その結果、単色モードで2.
0万枚のコピー後でも定着ロールへのオフセットは全く
なく、カブリのないオリジナルカラーチャートを忠実に
再現するフルカラー画像が得られた。複写機内のトナー
の搬送性は良好で安定した画像濃度が得られた。
【0402】OHPフィルムを使用した場合も、トナー
画像の透過性は非常に好ましいものであった。
【0403】45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナ
ーのブロッキング状態を観察したところ変化は全く見ら
れず、良好な流動性を有していた。結果を表36に示
す。
【0404】実施例43 結着樹脂(40) 100 部 di−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4 部 構造式(C)で示した銅フタロシアニン顔料 5.0部 上記原料を用いて、実施例42と同様に行い、混練時架
橋を行い二成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行
った。結果を表36に示す。
【0405】比較例46〜48 結着樹脂(39)を比較用結着樹脂TT〜VVに代える
ことを除いて実施例42と同様に二成分系現像剤を調製
し、かつ同様に試験を行った。結果を表36に示す。
【0406】
【表36】 実施例44 結着樹脂(41) 100部 磁性酸化鉄 70部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し、黒色磁性トナーを得た。この黒色
磁性トナー100部に対して流動向上剤として正荷電性
疎水化処理乾式シリカ0.6部を外添添加して一成分系
現像剤を調製した。
【0407】この一成分系現像剤をキヤノン製複写機N
P−8580に用いて未定着画像を得、これを外部定着
機にて定着テストした。その結果、定着可能領域は14
0〜220℃であった。さらにこの一成分系現像剤及び
複写機を用いて画出し試験を行った。その結果、10万
枚のコピー後でも定着ロールへのオフセットは全くな
く、カブリやとびちりのない良好な画像が得られた。
【0408】実施例34と同様に耐ブロッキング性を見
たところ良好であった。結果を表37に示す。
【0409】実施例45 結着樹脂(41)を結着樹脂(42)に代えて、かつ錯
体[I]−1式で示されるアゾ系金属錯体を4部添加し
た以外は実施例44と同様に行い、混練時架橋を行い、
一成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行った。結
果を表37に示す。
【0410】比較例49〜51 結着樹脂(41)を比較用結着樹脂WW〜YYに代える
ことを除いて実施例44と同様に一成分系現像剤を調製
し、かつ同様に試験を行った。結果を表37に示す。
【0411】
【表37】 樹脂製造例43 (レジンの溶液ブレンド) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン 92部 アクリル酸n−ブチル 78部 マレイン酸モノブチル(ハーフエステル) 15部+15部(4hr後) ベンゾイルパーオキシド 15部 トルエン 500部 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行っ
た。マレイン酸モノブチルは、ポリマー中の組成分布を
均一にするために、重合開始時と開始4hr後との2回
にわけて15部づつ添加、反応させた。その結果、数平
均分子量(Mn)4600,重量平均分子量(Mw)1
3000,ガラス転移温度(Tg)31.9℃,酸価5
7.0の共重合体(樹脂u)を得た。 <マトリックス用樹脂の重合> スチレン 243部 アクリル酸n−ブチル 57部 ベンゾイルパーオキシド 22.5部 トルエン 750部 上記原料を用いて、85℃×16hr重合反応を行っ
た。その結果、数平均分子量(Mn)5400,重量平
均分子量(Mw)15000,ガラス転移温度(Tg)
58.5℃,酸価0の共重合体(樹脂v)を得た。
【0412】次に、(樹脂u)と(樹脂v)との比が
3:7になるように、重合反応乾燥後のポリマー・トル
エン溶液をそれぞれ秤量し、(樹脂u)と(樹脂v)と
を溶液混合した。混合溶液の温度を150℃にして、強
撹拌した後急冷し、結着樹脂(43)を得た。この結着
樹脂(43)のドメイン平均粒径は2μmであった。各
物性値を表38に示す。
【0413】樹脂製造例44 (レジン存在下重合) <ドメイン用樹脂の重合> スチレン 104部 アクリル酸n−ブチル 66部 マレイン酸モノブチル(ハーフエステル) 30部 ベンゾイルパーオキシド 15部 トルエン 500部 上記原料を用いて、85℃×10hr重合反応を行い、
数平均分子量(Mn)5300,重量平均分子量(M
w)16000,ガラス転移温度(Tg)42.8℃,
酸価60.0の共重合体を得た。次に、以下のように、
この樹脂溶液中でマトリックス用樹脂の重合を行った。 <マトリックス用樹脂の重合> スチレン 165部 アクリル酸n−ブチル 35部 ベンゾイルパーオキシド 15部 トルエン 500部 上記原料を前記樹脂溶液に添加し、更に、85℃×16
hr重合反応を行う。その結果、数平均分子量(Mn)
5700,重量平均分子量(Mw)15000の共重合
体を得た。これを乾燥し、結着樹脂(44)を得た。こ
の結着樹脂(44)の酸価は19.0,ドメイン平均粒
径は1.5μmであった。マトリックス用樹脂のみを重
合して得られた樹脂の数平均分子量(Mn)6300,
重量平均分子量(Mw)14000,ガラス転移温度
(Tg)59.0℃,酸価0であった。各物性値を表3
8に示す。
【0414】樹脂製造例45及び46 樹脂製造例43又は44の開始剤及びモノマー量比を代
えることを除いて、樹脂製造例43又は44と同様にし
て結着樹脂(45)及び(46)を合成した。
【0415】合成した結着樹脂(45)及び(46)の
各物性値及び用いた製造法を表38に示す。
【0416】
【表38】 実施例46 結着樹脂(43) 100部 スチレン−メタクリル酸共重合体 5部 構造式(C)で示した銅フタロシアニン顔料 5部 上記原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗粉
砕、微粉砕、分級し、青色トナーを得た。この青色トナ
ー100部に対して流動向上剤としてヘキサメチルジシ
ラザンで処理したシリカ微粉末を0.5部及び導電性微
粒子としてチタン酸ストロンチウム微粉末(平均粒径
0.37μm)を0.7部混合してヘンシェルミキサー
で混合した。
【0417】キャリアとしては、スチレン−アクリル2
−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比
50:20:30)をキャリア基準で0.5重量%コー
ティングしたCu−Zn−Fe系フェライトキャリア
(平均粒径45μm、250メッシュパス400メッシ
ュオン87重量%)を用い、トナー濃度が6.0重量%
になるよう上記外添剤を有する青色トナーと混合して二
成分系現像剤を調製した。
【0418】この二成分系現像剤を用いて、キヤノン製
フルカラー複写機CLC−500で現像転写させただけ
の未定着画像を得、これを外部定着機にて定着テストし
た。
【0419】その結果、混色可能な定着温度領域は12
0〜220℃であった。
【0420】この二成分系現像剤を用いて温度30℃,
湿度75%の環境下でCLC−500により画出し試験
を行った。
【0421】その結果、単色モードで1.0万枚のコピ
ー後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリ
のないオリジナルカラーチャートを忠実に再現するフル
カラー画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良
好で安定した画像濃度が得られた。
【0422】OHPフィルムを使用した場合もトナー画
像の透過性は非常に好ましいものであった。
【0423】45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナ
ーのブロッキング状態を観察したところ変化は全く見ら
れず、良好な流動性を有していた。結果を表39に示
す。
【0424】実施例47及び48 結着樹脂(43)を結着樹脂(44)及び(45)にそ
れぞれ代えることを除いて実施例46と同様に二成分系
現像剤を調製し、かつ同様に試験を行った。結果を表3
9に示す。
【0425】実施例49 結着樹脂(43)を結着樹脂(46)に代え、かつチタ
ン酸ストロンチウム微粉末0.7部を平均粒径1μmの
窒化チタン0.7部に代えることを除いては実施例46
と同様に二成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行
った。結果を表39に示す。
【0426】
【表39】 実施例50及び51 実施例46及び49で用いたトナーと外添剤との混合手
段であるヘンシェルミキサーをハイブリタイザー(奈良
機械製)に代えることを除いて実施例46及び49と同
様に二成分系現像剤を調製し、かつ同様に試験を行っ
た。結果を表40に示す。
【0427】
【表40】
【0428】
【発明の効果】本発明のドメイン−マトリックス構造を
有する樹脂組成物は、上述の如き構成を有するので、該
樹脂組成物、該樹脂組成物を用いた静電荷像現像用現像
剤、該静電荷像現像用現像剤を用いたトナー画像定着方
法及び画像形成装置は、以下の効果を有する。 低温定着が可能で、且つ定着温度領域が広い。 保存安定性及び流動性にすぐれ、凝集をおこさず、耐
衝撃性にも優れている。 帯電特性が良好で、しかも使用中に常に安定した荷電
性を有し、鮮明でカブリのない画像が得られる。 フルカラートナーを用いて定着したトナー像は、光に
対して乱反射せず、色再現性を妨げることのない平滑な
定着面を形成することができる。 混色性を有し、トナー像の下にある異なった色調のト
ナー層の色調を妨げないフルカラー画像が得られる。 高温オフセットが充分に防止され、広い定着可能温度
領域が得られる。 繰返しの定着通紙によっても耐オフセット性を維持す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナー表面に導電性微粒子が保持された様子を
模式的に示した図である。
【図2】本発明で用いた摩擦帯電量を測定するための装
置の説明図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の構成断面の一例を
示す図である。
【図4】転写材の排出方向が加圧ローラー側の場合の定
着部における定着ローラーと加圧ローラーの位置の関係
を示す図である。
【図5】転写材の排出方向が定着ローラー側の場合の定
着部における定着ローラーと加圧ローラーの位置関係を
示す図である。
【図6】本発明の画像形成装置の一実施例の概略を示す
説明図である。
【図7】本発明に係る帯電手段の一実施例の概略を示す
説明図である。
【図8】現像工程を説明するための図6の部分拡大図で
ある。
【図9】本発明に係る帯電手段の他の実施例の概略を示
す説明図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 15/01 J 15/20 102 G03G 9/08 361 365 374 (31)優先権主張番号 特願平3−19198 (32)優先日 平3(1991)1月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−19199 (32)優先日 平3(1991)1月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−27772 (32)優先日 平3(1991)1月30日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−167386 (32)優先日 平3(1991)6月13日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−167388 (32)優先日 平3(1991)6月13日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドメイン−マトリックス構造を有する樹
    脂組成物を有する結着樹脂及び着色剤を含有するトナー
    粒子を有する静電荷像現像用トナーにおいて、 該ドメイン−マトリックス構造を有する樹脂組成物は、
    ドメイン粒子を構成する樹脂P1 及びマトリックスを構
    成する樹脂P2 を有し、該樹脂P1 は、0〜60℃のガ
    ラス転移温度Tg1 を有しており、該樹脂P2 は、40
    〜90℃のガラス転移温度Tg2 を有しており、該樹脂
    2 のガラス転移温度Tg2 は、該樹脂P1 のガラス転
    移温度Tg1 よりも5℃以上高く、該ドメイン粒子は、
    5μm以下の平均粒径を有することを特徴とする静電荷
    像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 該ドメイン粒子を構成する樹脂P1 は、
    カルボキシル基を有しており、該マトリックスを構成す
    る樹脂P2 は、カルボキシル基を実質的に有していない
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 該ドメイン粒子を構成する樹脂P1 は、
    ビニル系モノマーから合成された重合体を有し、該マト
    リックスを構成する樹脂P2 は、ビニル系モノマーから
    合成された後に酸付加された酸変性重合体を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 該マトリックスを構成する樹脂P2 のガ
    ラス転移温度Tg2は、該ドメイン粒子を構成する樹脂
    1 のガラス転移温度Tg1 よりも10℃以上高いこと
    を特徴とする請求項1乃至3に記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  5. 【請求項5】 該樹脂組成物は、架橋性金属化合物を含
    有しており、該ドメイン粒子を構成する樹脂P1 は、該
    架橋性金属化合物により一部或いは全部架橋されてお
    り、該マトリックスを構成する樹脂P2 は、該架橋性金
    属化合物により架橋されていないことを特徴とする請求
    項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 該樹脂組成物は、離型剤を含有している
    ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の静電荷像現像
    用トナー。
  7. 【請求項7】 該離型剤は、40℃以上の溶融開始温度
    を有し、かつDSCによる測定で50〜250℃の間に
    少なくとも2つ以上の融点を有するか、或いは異なる融
    点を有する2種以上の離型剤を有し、該離型剤は、結着
    樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部トナー粒
    子中に含有されていることを特徴とする請求項6に記載
    の静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 該トナー粒子の表面には、導電性微粉体
    が、表面から0.05μm以上内部まで埋め込まれて保
    持されていることを特徴とする請求項1に記載の静電荷
    像現像用トナー。
  9. 【請求項9】 該ドメイン粒子を構成する樹脂P1 は、
    カルボキシル基を実質的に有しておらず、該マトリック
    スを構成する樹脂P2 は、カルボキシル基を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  10. 【請求項10】 該ドメイン粒子を構成する樹脂P
    1 は、ビニル系モノマーから合成された不飽和二重結合
    を有する重合体を有しており、該マトリックスを構成す
    る樹脂P2 は、不飽和二重結合を有するポリエステルを
    有しており、該マトリックスを構成する樹脂P2 のガラ
    ス転移温度Tg2 は、該ドメイン粒子を構成する樹脂P
    1 のガラス転移温度Tg1 よりも10℃以上高く、該樹
    脂P1 及びP2 の有する不飽和二重結合同士が一部化学
    的に結合していることを特徴とする請求項1に記載の静
    電荷像現像用トナー。
  11. 【請求項11】 該ドメイン粒子を構成する樹脂P
    1 は、酸価が15以上であり、かつビニル系モノマーか
    ら合成された不飽和二重結合を有する重合体を有してお
    り、該マトリックスを構成する樹脂P2 は、酸価が15
    未満であり、かつ不飽和二重結合を有するポリエステル
    を有しており、該マトリックスを構成する樹脂P2 のガ
    ラス転移温度Tg2 は、該ドメイン粒子を構成する樹脂
    1 のガラス転移温度Tg1 よりも10℃以上高く、該
    樹脂P1 及びP2 の有する不飽和二重結合同士が一部化
    学的に結合していることを特徴とする請求項1に記載の
    静電荷像現像用トナー。
  12. 【請求項12】 該樹脂組成物は、架橋性金属化合物を
    含有しており、該ドメイン粒子を構成する樹脂P1 は、
    ビニル系モノマーから合成されたカルボキシル基を有す
    る重合体を有しており、該マトリックスを構成する樹脂
    2 は、カルボキシル基を有するポリエステルを有して
    おり、該マトリックスを構成する樹脂P2 のガラス転移
    温度Tg2 は、該ドメイン粒子を構成する樹脂P1 のガ
    ラス転移温度Tg1 よりも10℃以上高く、該樹脂P1
    及びP2 は、該架橋性金属化合物により一部或いは全部
    架橋されていることを特徴とする請求項1に記載の静電
    荷像現像用トナー。
  13. 【請求項13】 トナー画像を支持している転写材を、
    芯金上にゴム状弾性体層を有する定着ローラー及び加圧
    ローラーを有する熱ローラー定着装置を通過させて、転
    写材上にトナー画像を定着させ、該定着ローラーと該加
    圧ローラーの中心を結ぶ線の垂直方向より加圧ローラー
    側に該転写材を排出させて画像を定着する画像定着方法
    において、 該トナー画像を形成するためのトナーは、ドメイン−マ
    トリックス構造を有する樹脂組成物を有する結着樹脂及
    び着色剤を含有するトナー粒子を有しており、 該ドメイン−マトリックス構造を有する樹脂組成物は、
    ドメイン粒子を構成する樹脂P1 及びマトリックスを構
    成する樹脂P2 を有し、該樹脂P1 は、0〜60℃のガ
    ラス転移温度Tg1 を有しており、該樹脂P2 は、40
    〜90℃のガラス転移温度Tg2 を有しており、該樹脂
    2 のガラス転移温度Tg2 は、該樹脂P1 のガラス転
    移温度Tg1 よりも5℃以上高く、該ドメイン粒子は、
    5μm以下の平均粒径を有することを特徴とする画像定
    着方法。
  14. 【請求項14】 静電荷潜像を担持するための潜像担持
    体、該潜像担持体を帯電するための帯電手段、帯電して
    いる潜像担持体に静電荷潜像を形成するための潜像形成
    手段、該静電荷潜像を形成し潜像担持体上にトナー画像
    を形成するための現像手段、該トナー画像を潜像担持体
    から転写材に転写するための転写手段、該潜像担持体上
    の転写されずに残ったトナーを除去するためのクリーニ
    ング手段及び該転写材に転写されたトナー画像を熱と圧
    力の作用で定着するための定着手段を有する画像形成装
    置において、 該現像手段は、ドメイン−マトリックス構造を有する樹
    脂組成物を有する結着樹脂及び着色剤を含有するトナー
    粒子を有するトナーを保有しており、 該ドメイン−マトリックス構造を有する樹脂組成物は、
    ドメイン粒子を構成する樹脂P1 及びマトリックスを構
    成する樹脂P2 を有し、該樹脂P1 は、0〜60℃のガ
    ラス転移温度Tg1 を有しており、該樹脂P2 は、40
    〜90℃のガラス転移温度Tg2 を有しており、該樹脂
    2 のガラス転移温度Tg2 は、該樹脂P1 のガラス転
    移温度Tg1 よりも5℃以上高く、該ドメイン粒子は、
    5μm以下の平均粒径を有することを特徴とする画像形
    成装置。
  15. 【請求項15】 ドメイン−マトリックス構造を有する
    樹脂組成物において、該樹脂組成物は、ドメイン粒子を
    構成する樹脂P1 及びマトリックスを構成する樹脂P2
    を有しており、該樹脂P1 は、0〜60℃のガラス転移
    温度Tg1 を有しており、該樹脂P2 は、40〜90℃
    のガラス転移温度Tg2 を有しており、該樹脂P2 のガ
    ラス転移温度Tg2 は、該樹脂P1 のガラス転移温度T
    1 よりも5℃以上高く、該ドメイン粒子は、5μm以
    下の平均粒径を有することを特徴とする樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 該マトリックスを構成する樹脂P2
    ガラス転移温度Tg2 は、該ドメイン粒子を構成する樹
    脂P1 のガラス転移温度Tg1 よりも5℃以上高く、該
    樹脂P2 はカルボキシル基を有しており、該樹脂P1
    実質的にカルボキシル基を有していないことを特徴とす
    る請求項15に記載の樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 該マトリックスを構成するP2 のガラ
    ス転移温度Tg2 は、該ドメイン粒子を構成する樹脂P
    1 のガラス転移温度Tg1 よりも5℃以上高く、該樹脂
    1 はカルボキシル基を有しており、該樹脂P2 はは実
    質的にカルボキシル基を有していないことを特徴とする
    請求項15に記載の樹脂組成物。
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