JP3230007B2 - 静電荷像現像用現像剤、画像形成方法、トナー画像定着方法及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用現像剤、画像形成方法、トナー画像定着方法及び画像形成装置

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JP3230007B2 JP33945991A JP33945991A JP3230007B2 JP 3230007 B2 JP3230007 B2 JP 3230007B2 JP 33945991 A JP33945991 A JP 33945991A JP 33945991 A JP33945991 A JP 33945991A JP 3230007 B2 JP3230007 B2 JP 3230007B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷の如き静電荷潜像を現像して画像を形成する方
法に用いるための静電荷潜像を現像するための現像剤、
それを用いた画像形成方法、トナー画像定着方法及び画
像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ている如く、多数の方法が知られているが、一般には光
導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気
的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像
し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写し
た後、加熱、圧力或いは溶剤蒸気により定着し複写物を
得るものである。
【0003】上述の最終工程であるトナー像を紙の如き
シートに定着する工程に関しては種々の方法や技術が開
発されている。現在最も一般的な方法は加熱ローラーに
よる圧着加熱方式である。
【0004】加熱ローラーによる圧着加熱方式はトナー
に対し離型性を有する材料で表面を形成した加熱ローラ
ーの表面に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触し
ながら通過せしめることにより定着を行なうものであ
る。この方法は加熱ローラー表面と被定着シートのトナ
ー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シー
ト上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に
定着を行なうことができ、高速度電子写真複写機におい
て非常に有効である。しかしながら、上記方法では、加
熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態で加圧下で接触
するためにトナー像の一部が定着ローラー表面に付着・
転移し、次の被定着シートにこれが再転移して所謂オフ
セット現象を生じ、被定着シートを汚すことがある。加
熱定着ローラー表面に対してトナーが付着しないように
することは加熱ローラー定着方式においては必須条件で
ある。
【0005】したがって、定着温度領域の広い耐オフセ
ット性の高いトナー用バインダー樹脂の開発が望まれて
いるのが現状である。
【0006】2色カラー複写機やフルカラー複写機の検
討及び実用化も多くなされている。例えば「電子写真学
会誌」Vol 22,No.1(1983)や「電子写
真学会誌」Vol 25,No.1,P.52(198
6)のごとく色再現性及び階調再現性の報告もある。
【0007】しかしテレビ、写真、カラー印刷物のよう
に実物と直ちに対比されることはなく、また、実物より
も美しく加工されたカラー画像を見なれた人々にとって
は、現在実用化されているフルカラー電子写真画像は必
ずしも満足しうるものとはなっていない。
【0008】フルカラー電子写真法では、色の異なる複
数種のトナーを用いて複数回の現像を行い、同一支持体
上にトナー層を重ね合せて、フルカラー画像を形成する
ためカラートナー用バインダー樹脂が持つべき必要な条
件としては下記の事項が挙げられる。 (1)定着したトナーは、光に対して乱反射して、色再
現を妨げることのないように、トナー粒子の形が判別出
来ないほどのほぼ完全溶融に近い状態となることが必要
である。 (2)トナー層が積層されているため、下層のトナー層
が有する異なった色調を妨げない透明性を有するバイン
ダー樹脂でなければならない。
【0009】上記の如くモノカラー複写機用では、定着
温度領域の広い耐オフセット性の高いトナー用バインダ
ー樹脂が要求され、フルカラー複写機用としては、定着
温度領域が広いだけではなく、樹脂の透明性と、定着さ
れたときに定着面がフラットになることが要求されてい
る。
【0010】さらに近年に於てはモノカラー複写機から
フルカラー複写機に至る迄、高速化、加熱ローラーのヒ
ートアップタイムの短縮化及び消費電力の低減化の如き
多くのことが要求されている。
【0011】これらのことを満足させる為には、低温定
着が可能で且つ前述した様に、定着領域が広く、透明性
にすぐれ、定着されたときに定着面がフラットになるよ
うなトナー用バインダー樹脂が必要である。
【0012】一方圧力定着トナーを用いる方法も考えら
れるが、この方法では、3色又は4色重ね合わせで色再
現をするフルカラー用トナーとして用いた場合、結着樹
脂がとけない為、混色性が悪く、くすんだ彩度の落ちた
画像となる。従って定着工程に於ては、結着樹脂が溶融
し混色できる程度の熱を与えなければならない。
【0013】低温定着化という目的だけでトナー用バイ
ンダー樹脂の溶融粘度を下げることは可能である。例え
ば樹脂の分子量或いは、ガラス転移点を下げる方法が挙
げられるが、この方法ではトナーの保存安定性が悪くな
り、トナー同士がブロッキングしたり、現像ドラムに融
着するなどの現象を引き起こしやすい。
【0014】従来ビニル系重合体の定着温度を拡げる目
的では特開昭58−14148号公報、特開昭58−7
2948号公報、特開昭59−174855〜6号公
報、 特開昭60−123855号公報、 特公昭52−3
304〜5号公報、 特公昭57−52574号公報及び
特公昭58−8505号公報でオフセット防止剤を用い
る方法が開示されているが、これらは補助的であり、特
にモノカラートナー用としてはトナーの透明性が損なわ
れ、フルカラートナーとして用いた場合、混色性が悪く
なる。
【0015】特開昭56−158340号公報、 特開昭
58−86558号公報、 特開昭58−203453号
公報、 特開昭59−88748号公報、 特開昭59−2
26358号公報、 特開昭60−45259号公報、 特
開昭60−45261号公報、 特開昭60−46566
号公報及び特公昭60−2411号公報では、低分子量
成分と高分子量成分を有するトナー用結着樹脂が開示さ
れている。これらの樹脂を用いることにより、定着温度
をある程度拡げることは可能になったが、ゲルなどの高
分子量成分が存在することにより、粉砕性の低下や熱混
練時の溶融粘度が高くなりすぎると問題があり、特にフ
ルカラートナーとして用いると定着されたときの定着面
の平滑性が損なわれ、従って、混色性が悪くなるという
問題点がある。
【0016】米国特許第4,925,765号明細書に
は、AB型、BAB型或いはABA型のブロック共重合
体を荷電制御剤として用いた負固体ブロックトナーが記
載されている。
【0017】該ブロック共重合体においては、Aセグメ
ントに、アクリル系モノマーからなる共重合体又はメタ
アクリル系モノマーからなる共重合体を用い、Bセグメ
ントにスチレン;置換されたスチレン;ブタジエン;又
は、アクリル系及び/又はアクリル系からなるグループ
から選択されるモノマーからなる共重合体を用いてい
る。
【0018】このようなブロック共重合体をトナーのバ
インダー樹脂として用いた場合には、Aセグメントがア
クリル系の共重合体又はメタアクリル系の共重合体であ
ることからトナー製造時の粉砕性に劣りトナーの粒度分
布がブロードとなり、かつトナーの環境安定性に劣ると
いう問題点が生じることが考えられる。
【0019】したがって、低温で定着させること、定着
温度領域を拡げること、及びトナー特性である保存安定
性、流動性、耐久性、透明性及び定着面の平滑性を、同
時に満足することは極めて難しい。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の問題点を解決した静電荷像現像用トナー及び2成分系
現像剤、それらを用いた画像形成方法、トナー画像定着
方法、画像形成装置、装置ユニット及びファクシミリ装
置を提供することである。
【0021】本発明の目的は低温定着が可能で、且つ定
着温度領域が広い静電荷像現像用現像剤、それを用いた
画像形成方法、画像定着方法及び画像形成装置を提供す
ることである。
【0022】本発明の目的は、保存安定性及び流動性に
すぐれ、凝集をおこさず耐衝撃性にもすぐれている静電
荷像現像用現像剤、それを用いた画像形成方法、画像定
着方法及び画像形成装置を提供することである。
【0023】本発明の目的は、帯電特性が良好でしかも
使用中に常に安定した荷電性を有し、鮮明でカブリのな
い画像の得られる静電荷像現像用現像剤、それを用いた
画像形成方法、画像定着方法及び画像形成装置を提供す
ることである。
【0024】本発明の目的はフルカラートナーとして用
いた場合には、定着したトナーは光に対し乱反射して色
再現を妨げることのないように平滑な定着面を形成する
ことのできる静電荷像現像用現像剤、それを用いた画像
形成方法、画像定着方法及び画像形成装置を提供するこ
とである。
【0025】本発明の目的は、フルカラートナーとして
用いた場合には、そのトナー層の下にある異なった色調
のトナー層を妨げない混色性を有する静電荷像現像用現
像剤、それを用いた画像形成方法、画像定着方法及び画
像形成装置を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
鋭意研究を行なった結果、ビニル系モノマーから合成さ
れる重合体或いは、該重合体の混合物を含有する結着樹
脂を含有するトナーにおいて、該結着樹脂は、Aセグメ
ント及びBセグメントを有する(AB)n型ブロック共
重合体(n=1)であり、該Aセグメントは、スチレン
系モノマーと、アクリル系モノマー、メタクリル系モノ
マー及びジエン系モノマーからなる群から選択される少
なくとも1種のモノマーとからなる共重合体構造を有
し、該Bセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリ
ル系モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノ
マーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマ
ーとからなる共重合体構造を有し、該AセグメントとB
セグメントとは相違する共重合体構造を有することによ
り、本発明の目的を達成することを見い出した。
【0027】この理由を本発明者らは以下に述べること
によるものであることを把握した。
【0028】一般的に、ブロック共重合体は、いわゆる
ドメイン−マトリックス構造をとることが知られてい
る。
【0029】ブロックポリマーとして例えば特公昭57
−6585号公報においては圧力定着トナー用樹脂とし
てA成分のガラス転移点が20℃より小の軟質重合体
で、B成分のガラス転移点が50℃より大の粘り強い重
合体であるABA型ブロック共重合体を用いる方法が開
示されている。
【0030】今日、現在最も一般的な定着方法は加熱方
式である。特に、加熱ローラーによる圧着加熱方式はト
ナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱ロー
ラーの表面に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触
させながら通過せしめることにより定着を行うものであ
る。この方法は熱ローラーの表面と被定着シートのトナ
ー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シー
ト上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に
定着を行うことができ、電子写真複写機において非常に
有効である。
【0031】しかしながら定着時の熱により機内が昇温
する場合がある。この為にトナーが保存中にブロッキン
グするという好ましくない現象が起こり得る場合があ
り、ブロッキングに対しても要求が厳しくなってきてい
る。かかる加熱定着において、ガラス転移点が20℃よ
り小の軟質重合体をA成分に有する樹脂を用いて得られ
たトナーは装置内でブロッキングし易く、その結果粉体
の流動性が劣り良好な画像を得ることが難しい。
【0032】これに対して、本発明に係るAB型ブロッ
ク共重合体は、Aセグメントで耐ブロッキング性及び耐
高温オフセット性を持たせ、Bセグメントで低温定着性
を付与するものである。即ち、機能分離する目的でAセ
グメント及びBセグメントの分子量、モノマー組成及び
モノマー組成比の如き共重合体構造を変える。Aセグメ
ント及びBセグメントの分子量は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量
(Aセグメント:MnA ,Bセグメント:MnB)が、
500≦MnB <MnAであることが好ましい。AB型
ブロック共重合体に於て、Aセグメント及びBセグメン
トのガラス転移点は、Aセグメント及びBセグメントが
それぞれ異なったガラス転移点(Aセグメント:Tg
A ,Bセグメント:TgB )を有する場合には、25℃
≦TgB <TgA ≦90℃であり、且つ最も吸熱変化の
大きい温度範囲におけるガラス転移温度が40〜85℃
(より好ましくは45〜65℃)であることが好まし
く、1つのガラス転移点を有する場合は40℃≦Tg≦
85℃(より好ましくは、45℃≦Tg≦65℃)であ
ることが好ましい。
【0033】本発明において、ブロック共重合体に2個
以上のガラス転移点がある場合には、温度25℃乃至9
0℃の範囲で最も吸熱変化の大きい温度範囲におけるガ
ラス転移温度を本発明におけるガラス転移温度とする。
かかる構成により、低温定着性にすぐれたトナーが得ら
れるのは、分子鎖長が大であるAセグメントをマトリッ
クスとしBセグメントをドメインとする構造により、一
般的にブロッキング性に弱い低温定着性を有するBセグ
メントがドメインとして個々に存在するために、耐ブロ
ッキング性に対しては連続相のマトリックスであるAセ
グメントにより達成される。
【0034】一方、定着時の加熱時においてはBセグメ
ントの作用により低温定着性が与えられるものである。
【0035】ここにおいて、AセグメントとBセグメン
トはお互いが連結している為に、例えばポリマーブレン
ドのような各々が別々に存在する場合と異なり、Aセグ
メントとBセグメントがお互いに作用しあうことによ
り、Aセグメントの耐高温オフセット性とBセグメント
の低温定着性が両立するものと推定される。
【0036】本発明者らは、本発明の目的を更に満足さ
せるために鋭意検討の結果、カルボキシル基を含有する
ビニル系モノマーを共重合させることにより更に良好な
結果が得られることを見い出した。
【0037】即ち、ドメイン−マトリックス構造による
効果と併せて、カルボキシル基を含有するビニル系モノ
マーを共重合させることにより結着樹脂の極性が大きく
なり、その結果、紙への親和力が向上し、定着性を向上
させることができる。そのために結着樹脂のTg(ガラ
ス転移点)を高めることが可能となり耐ブロッキング性
を更に改善することができる。
【0038】本発明に係る結着樹脂には、更にビニル系
モノマーから合成される重合体を混合することもでき
る。
【0039】ここにおいてAB型ブロック共重合体がそ
れぞれ異なったガラス転移点(TgA ,TgB )を有す
る場合には、TgBが25℃より低いとTgA を高くし
てもブロッキングが起こりやすく、TgA が90℃をこ
えると、トナーの定着性が低下する傾向にある。該AB
型ブロック共重合体が、1つのガラス転移点を有する場
合には、Tgが40℃より低いとブロッキングを起こし
やすく、またTgが85℃をこえるとトナーの定着性が
低下する傾向にある。
【0040】本発明に於るトナーは、一成分系現像剤に
または二成分系現像剤に用いることができ、特に二成分
系現像剤に用いた場合ではモノカラーからフルカラー用
まで広範にわたり適用できる。
【0041】本発明に係るトナー特性を充分に発揮させ
る為に、フルカラー用として用いる場合には、結着樹脂
として用いられる、AB型ブロック共重合体及び/又は
カルボキシル基を含有するビニル系モノマーから合成さ
れる重合体又はビニル系モノマーから合成される重合体
の混合物の数平均分子量(Mn)は、好ましくは150
0〜30000が良く、より好ましくは2000〜20
000が良い。重量平均分子量(Mw)は、好ましく
は、4000〜50000が良く、より好ましくは60
00〜35000が良い。
【0042】一成分系或いはモノカラー用として用いる
場合には、結着樹脂の数平均分子量(Mn)は、好まし
くは、2500〜40000が良く、より好ましくは3
500〜20000が良い。重量平均分子量(Mw)
は、好ましくは、2000〜50000が良く、より好
ましくは3500〜35000が良い。
【0043】AB型ブロック共重合体が(AB)n 型ブ
ロック共重合体の場合、くり返し数nは1〜20である
ことが好ましい。これは、nが20を越えると、ランダ
ム或いは交互共重合体と同様になり、ブロック共重合体
の特性が少なくなる為である。従って、分子量が低いフ
ルカラー用トナーでは、n=1〜10の範囲にあり、分
子量が高い一成分系或いはモノカラー用トナーとして用
いる場合にはn=1〜15であることが、前述したブロ
ック共重合体の特性を発揮するということでより好まし
い。
【0044】本発明に用いられる結着樹脂には、AB型
ブロック共重合体が含有されていれば良いが該ブロック
共重合体の特性をより効果的に発揮させるには、結着樹
脂中に該ブロック共重合体が少なくとも30wt%以
上、より好ましくは50wt%以上含有されていること
が好ましい。
【0045】結着樹脂中のブロック共重合体以外のカル
ボキシル基を含有するビニル系モノマーから合成される
重合体もしくはビニル系モノマーから合成される重合体
の混合物のガラス転移点は、ブロック共重合体の特性を
発揮させる為に、好ましくは40℃〜85℃であり、よ
り好ましくは45〜70℃であり、さらに好ましくは、
55〜65℃であることが良い。
【0046】なお、加熱定着方式とは加熱により定着さ
れる方法を意味し、例えば熱ローラーによる圧着加熱方
式、加熱体に対向圧接しかつフィルムを介して記録体を
該加熱体に密着させて定着する方法等がある。
【0047】本発明に用いられるAB型ブロック共重合
体を構成するAセグメント及びBセグメントの共重合体
はスチレン系モノマーと、アクリル系モノマー、メタク
リル系モノマー及びジエン系モノマーからなる群から選
択される少なくとも1種のモノマーとから共重合された
ものであり、より好ましくは、カルボキシル基を含有す
るビニル系モノマーも含めて共重合されたものが良い。
【0048】スチレン系モノマーとしては例えば、スチ
レン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルス
チレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルス
チレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキ
シルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノ
ニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデ
シルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチ
レン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレ
ン、o−ニトロスチレン及びp−ニトロスチレンの如き
スチレン誘導体が挙げられる。
【0049】アクリル系モノマーとしては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸
n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−
クロルエチル及びアクリル酸フェニルの如きアクリル酸
エステル類が挙げられる。
【0050】メタクリル系モノマーとしては、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル及びメタクリル酸フェニルの如きメタクリル
酸エステル類が挙げられる。
【0051】ジエン系モノマーとしては、ブタジエン及
びイソプレンの如き不飽和ジオレフィン類が挙げられ
る。
【0052】本発明に係るAB型ブロック共重合体にお
いて、スチレン系モノマーと組合わせるモノマーとして
アクリル系モノマーを選択した場合には、Aセグメント
の共重合体中のスチレン系モノマー/アクリル系モノマ
ーの組成比は、98/2〜50/50が好ましく、より
好ましくは、95/5〜65/35が良く、Bセグメン
トの共重合体中のスチレン系モノマー/アクリル系モノ
マーの組成比は95/5〜40/60が好ましく、より
好ましくは85/15〜50/50が良い。
【0053】同様にメタクリル系モノマーを選択した場
合には、Aセグメントの共重合体中のスチレン系モノマ
ー/メタクリル系モノマーの組成比は、95/5〜30
/70が好ましく、より好ましくは90/10〜40/
60が良く、Bセグメントの共重合体中のスチレン系モ
ノマー/メタクリル系モノマーの組成比は92/8〜2
5/75が好ましく、より好ましくは87/13〜35
/65が良い。
【0054】同様にジエン系モノマーを選択した場合に
は、Aセグメントの共重合体中のスチレン系モノマー/
ジエン系モノマーの組成比は98/2〜65/35が好
ましく、より好ましくは、95/5〜75/25が良
く、Bセグメントの共重合体中のスチレン系モノマー/
ジエン系モノマーの組成比は96/4〜60/40が好
ましく、より好ましくは94/6〜70/30が良い。
特にジエン系モノマーを選択した場合には、アクリル系
モノマー及び/又はメタクリル系モノマーを併用するこ
とも好ましく、この場合のスチレン系モノマー/ジエン
系モノマー/アクリル系モノマー/メタクリル系モノマ
ーの組成比は、60〜98/2〜35/0〜30/0〜
30が良い。
【0055】本発明でAセグメント及び/又はBセグメ
ントに共重合することができるカルボキシル基を含有す
るビニル系モノマーとしてはアクリル酸,メタクリル
酸,クロトン酸,イタコン酸,ケイヒ酸,無水マレイン
酸,フマール酸,マレイン酸及びそれらのメチル,エチ
ル,ブチル及び2−エチルヘキシルの如きモノエステル
が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
【0056】以上の様なモノマーは、AB型ブロック共
重合体に対し0.1〜30重量%共重合することが好ま
しく、より好ましくは0.5〜20重量%共重合するこ
とが良い。
【0057】カルボキシル基を含有するビニルモノマー
は、AセグメントまたはBセグメントのいずれか一方に
共重合してもよく、或いはAセグメント及びBセグメン
トの両方に共重合しても良い。Aセグメント及びBセグ
メントの両方にカルボキシル基を有するモノマーを共重
合する場合は、その共重合重量割合を同じにしても良
く、異なるようにしても良い。
【0058】更に、本発明に影響を与えない範囲でその
他のモノマーをAセグメント及び/又はBセグメントに
共重合することができる。
【0059】本発明でAB型ブロック共重合体と混合し
て用いられる結着樹脂を構成するビニル系モノマーとし
て以下のものが挙げられる。
【0060】例えば、スチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニ
ルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルス
チレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オク
チルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシ
ルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−
ニトロスチレン、等のスチレン誘導体と、エチレン、プ
ロピレン、ブチレン及びイソブチレンの如きエチレン及
び不飽和モノオレフィン類;ブタジエン及びイソプレン
の如き不飽和ジオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、臭化ビニル及びフッ化ビニルの如きハロゲン化ビ
ニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びベンゾエ
酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸及びメ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソ
ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデ
シル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル
酸ステアリル及びメタクリル酸フェニルの如きα−メチ
レン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸及び
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸2−クロルエチル及びアクリル酸フェニルの如き
アクリル酸エステル類;マレイン酸及びマレイン酸ハー
フエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエー
テル及びビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテ
ル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン及び
メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N
−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニ
ルインドール及びN−ビニルピロリドンの如きN−ビニ
ル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル及びアクリルアミドの如きアクリル酸
もしくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン類などを1
種又は2種以上使用して重合させたものが用いられる。
【0061】ビニル系モノマーから合成される重合体
は、通常一般に知られている方法、例えば開始剤として
過酸化物を用いて溶液又は懸濁重合で得る方法が挙げら
れる。
【0062】AB型ブロック共重合体を合成する方法と
しては、特開昭63−278910号公報、 特開昭63
−273601号公報及び特開昭64−111号公報で
開示されている、ジチオカーバメート基を有する重合開
始剤を用いてラジカル重合性ビニルモノマーを光により
塊状重合又は溶液重合させる方法が挙げられる。ビニル
系モノマーから合成される重合体は、通常一般に知られ
ている方法、例えば開始剤として過酸化物を用いて溶液
又は懸濁重合で得る方法が挙げられる。
【0063】本発明に於る電子写真用トナーは一成分
系,二成分系現像剤どちらにでも適用できる。本発明に
係るトナーを一成分系現像剤として用いるために、磁性
粉を含有せしめても良い。このような磁性粉としては、
磁場の中に置かれて磁化される物質が用いられ、例え
ば、鉄、コバルト及びニッケルの如き強磁性金属の粉末
もしくはマグネタイト、ヘマタイト及びフェライトの如
き合金や化合物があげられる。この磁性粉の含有量はト
ナー重量に対して15〜70重量%である。
【0064】一成分系,二成分系現像剤のいずれを問わ
ずトナーには着色剤としてカーボンブラック、チタンホ
ワイトやその他あらゆる顔料及び/又は染料を用いるこ
とができる。
【0065】例えば、本発明に係るトナーを磁性カラー
トナーとして使用する場合には、染料としては、C.
I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド
4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレ
ッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイ
レクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.
I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、
C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブル
ー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレク
トグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4及びC.
I.ベーシックグリーン6があげられる。顔料として
は、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエ
ロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハン
ザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラ
ジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネ
ントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジン
オレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4
R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレー
キ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファスト
バイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コ
バルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブル
ーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブ
ルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、酸
化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーン
レーキ及びファイナルイエローグリーンGがあげられ
る。
【0066】本発明に係るトナーを二成分系現像剤に含
有されるフルカラー用トナーとして使用する場合には、
次の様なものが挙げられる。
【0067】マゼンタ用着色顔料としてはC.I.ピグ
メントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,1
0,11,12,13,14,15, 16,17,1
8,19,21,22,23,30,31,32,3
7,38,39,40,41,48,49,50,5
1,52,53,54,55,57,58,60,6
3,64,68,81,83,87,88,89,9
0,112,114,122,123,163,20
2,206,207,209;C.I.ピグメントバイ
オレット19;C.I.バットレッド1,2,10,1
3,15,23,29,35が挙げられる。
【0068】顔料単独使用でもかまわないが、染料と顔
料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画
像の画質の点からより好ましい。
【0069】マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベ
ントレッド1,3,8,23,24,25,27,3
0,49,81,82,83,84,100,109,
121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソル
ベントバイオレット8,13,14,21,27;C.
I.ディスパースバイオレット1などの油溶染料、C.
I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,
15,17,18,22,23,24,27,29,3
2,34,35,36,37,38,39,40;C.
I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,
15,21,25,26,27,28の如き塩基性染料
が挙げられる。
【0070】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17;C.I.バッ
トブルー6;C.I.アシッドブルー45又は下記構造
式(1)で示される構造を有するフタロシアニン骨格に
フタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシア
ニン顔料が挙げられる。
【0071】
【化1】 イエロー用着色顔料としてはC.I.ピグメントイエロ
ー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,1
3,14,15,16,17,23,65,73,8
3;C.I.バットイエロー1,3,20が挙げられ
る。
【0072】着色剤の使用量は結着樹脂100重量部に
対して0.1〜60重量部好ましくは0.5〜50重量
部である。
【0073】本発明に於るトナーは、負帯電性,正帯電
性を限定するものではないが、負帯電性トナーをつくる
場合は、特に負荷電特性を安定化させる目的で荷電制御
剤を添加することが好ましい。負荷電制御剤としては例
えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体(例えば、ジ−
ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体又は亜鉛錯
体)の如き有機金属錯体やアゾ系金属錯体(例えば構造
式(2)で示されるアゾ系クロム錯体)が挙げられる。
【0074】
【化2】 正帯電性のトナーをつくる場合には、正帯電性を示す荷
電制御剤として、ニグロシントリフェニルメタン系化合
物、ローダミン系染料或いはポリビニルピリジンを用い
ることができる。正帯電性カラートナーをつくる場合に
於ては、正帯電性を示すメタクリル酸ジメチルアミノメ
チルの如き含アミノカルボン酸エステル類をモノマーと
して結着樹脂に0.1〜40mol%好ましくは1〜3
0mol%含有させることができ、あるいは、トナーの
色調に影響を与えない無色又は淡色の正荷電制御剤を用
いることができる。正荷電制御剤としては、例えば構造
式(3),(4)で示される四級アンモニウム塩が挙げ
られる。
【0075】
【化3】
【0076】
【化4】 上記構造式(3)及び(4)で示される四級アンモニウ
ム塩の中でも特に下記構造式(3)−A,(3)−B,
構造式(4)−Aで表わされる正荷電制御剤を使用する
ことが、環境依存の少ない良好な帯電性を示すことから
好ましい。
【0077】
【化5】
【0078】
【化6】
【0079】
【化7】 正帯電性トナーに於て結着樹脂の樹脂成分として、正帯
電特性を示す、メタクリル酸ジメチルアミノメチルの如
き含アミノカルボン酸エステル類を用いる場合、正荷電
制御剤又は負荷電制御剤を必要に応じて併用することも
できる。
【0080】負帯電性トナーの場合、負荷電制御剤の使
用量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜15
重量部が好ましくより好ましくは0.5〜10重量部が
良い。
【0081】正帯電性トナーに於て樹脂成分として正帯
電特性を示すメタクリル酸ジメチルアミノメチルの如き
含アミノカルボン酸エステル類を用いない場合は、正荷
電制御剤の使用量は、結着樹脂100重量部に対して
0.1〜15重量部が好ましく、より好ましくは、0.
5〜10重量部が良い。含アミノカルボン酸エステル類
を用いる場合は、環境依存性の少ない良好な帯電性をも
たせる目的で必要に応じて、正荷電制御剤及び/又は負
荷電制御剤の使用量は結着樹脂100重量部に対して0
〜10重量部が好ましく、より好ましくは0〜8重量部
が良い。
【0082】さらに本発明の現像剤は、トナーの流動性
を向上させる目的で、流動性向上剤を含有することがで
きる。
【0083】本発明に用いられる流動向上剤としては、
着色剤含有樹脂粒子に添加することにより、流動性が添
加前後を比較すると増加し得るものであれば、どのよう
なものでも使用可能である。
【0084】例えばフッ化ビニリデン微粉末及びポリテ
トラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末:
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム及びステア
リン酸鉛の如き脂肪酸金属塩;酸化亜鉛粉末の如き金属
酸化物;湿式製法シリカ、乾式製法シリカ及びそれらの
シリカにシランカップリング剤、チタンカップリング剤
及びシリコーンオイルの如き表面処理剤を用いて表面処
理を施した処理シリカの如き微粉末シリカが挙げられ
る。
【0085】前記の流動性向上剤の中で特に好ましいも
のとしては、(A)アミノ基を含有するカップリング剤
又はアミノ基を含有するシリコーンオイルで処理したケ
イ酸微粉末をさらに有機ケイ素化合物により疎水化処理
したもの;及び(B)シランカップリング剤で処理した
後さらにシリコーンオイルで処理されたシリカ微粉末が
挙げられる。
【0086】初めに前者の(A)のシリカ微粉末につい
て説明する。
【0087】ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により
生成された微粉体は、いわゆる乾式法シリカ又はヒュー
ムドシリカと称されるもので、従来公知の技術によって
製造されるものである。例えば四塩化ケイ素ガスの酸水
素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎
となる反応式は次の様なものである。
【0088】 SiCl4 +2H2 +O2 →SiO2 +4HCl この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩
化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲ
ン化合物と共に用いる事によってシリカと他の金属酸化
物の複合微粉体を得る事も可能であり、それらも包含す
る。
【0089】その粒径は平均の一次粒径として、0.0
01〜2μの範囲内である事が好ましく、より好ましく
は、0.002〜0.2μの範囲内のシリカ微粉体を使
用するのが良い。
【0090】本発明に用いられるケイ素ハロゲン化合物
の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体とし
ては、例えば以下の様な商品名で市販されているものが
ある。
【0091】 AEROSIL 130 (日本アエロジル社) 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL M−5 (CABOT Co.社) MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica (ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社) さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生
成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉
体を用いることがより好ましい。該処理シリカ微粉体に
おいて、メタノール滴定試験によって測定された疎水化
度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を
処理したものが特に好ましい。
【0092】疎水化方法としてはシリカ微粉体と反応、
あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物の如き処理剤で
化学的に処理することによって付与される。
【0093】好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化
合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機
ケイ素化合物で処理する。
【0094】その様な有機ケイ素化合物の例としては、
ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチ
ルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチル
ジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメ
チルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベ
ンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルク
ロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−
クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチル
クロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリ
メチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリ
レート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニル
ジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3
−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェ
ニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から
12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそ
れぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチ
ルポリシロキサンがあげられる。これらは1種あるいは
2種以上の混合物で用いられる。
【0095】その処理シリカ微粉体の粒径としては0.
003〜0.1μの範囲のものを使用することが好まし
い。市販品としては、タラノックス−500(タルコ
社)及びAEROSIL R−972(日本アエロジル
社)がある。
【0096】正帯電性トナーについては、その流動性を
向上させるだけでなく、環境依存の小さい良好な帯電性
を得る為、正帯電性のシリカ微粒子を用いることが好ま
しい。
【0097】この様な正帯電性のシリカ微粒子を得るた
めには、アミノ基を含有するカップリング剤ないしはシ
リコーンオイルで処理するのが良い。アミノ基を含有す
るカップリング剤としては例えば、
【0098】
【化8】
【0099】
【化9】
【0100】
【化10】 の如きアミノシランカップリング剤があげられる。
【0101】シリコンオイルとしては一般に下記構造式
(5)の側鎖にアミノ基を有する部分構造を具備してい
るアミノ変性シリコーンオイルが用いられる。
【0102】
【化11】 (式中、R1 は水素、アルキル基、アリール基、又はア
ルコキシ基を表わし、R2 はアルキレン基、フェニレン
基を表わし、R3 及びR4 は水素、アルキル基或いはア
リール基を表わす。ただし、上記アルキル基、アリール
基、アルキレン基、フェニレン基はアミンを含有してい
ても良く、帯電性を損ねない範囲でハロゲンの如き置換
基を有していても良い。m及びnは正の整数を示す。)
そのようなアミノ基を有するシリコーンオイルとしては
例えば以下のものがある。
【0103】 商品名 25℃における粘度(cps) アミン当量 SF8417(トーレ・シリコーン社製) 1200 3500 KF393 (信越化学社製) 60 360 KF857 (信越化学社製) 70 830 KF860 (信越化学社製) 250 7600 KF861 (信越化学社製) 3500 2000 KF862 (信越化学社製) 750 1900 KF864 (信越化学社製) 1700 3800 KF865 (信越化学社製) 90 4400 KF369 (信越化学社製) 20 320 KF383 (信越化学社製) 20 320 X−22−3680(信越化学社製) 90 8800 X−22−380D (信越化学社製) 2300 3800 X−22−3801C(信越化学社製) 3500 3800 X−22−3810B(信越化学社製) 1300 1700 なお、アミン当量とは、アミン1個あたりの当量(g/
eqiv)で、分子量を1分子あたりのアミン数で割っ
た値である。
【0104】これらのアミノ基を含有するカップリング
剤ないしはシリコーンオイルで処理したシリカ微粒子
を、さらに前記した有機ケイ素化合物により疎水化処理
して用いることが好ましい。
【0105】次に後者の(B)のシリカ微粉末について
説明する。
【0106】現像剤が高い流動性と均一な帯電性を有す
る様にする目的で当該研究分野においては従来よりケイ
酸微粉体をトナー粉末に添加混合することがさかんに行
なわれている。
【0107】シリカ微粉体はそのままでは親水性である
ためにこれが添加された現像剤は空気中の湿気により凝
集を生じて流動性が低下したり、甚だしい場合にはシリ
カの吸湿により現像剤の帯電性能を低下させてしまうた
め疎水化処理したシリカ微粉体を用いることが特開昭4
6−5782号、特開昭48−47345号及び特開昭
48−47346号で提案されている。具体的にはケイ
酸微粉体とシランカップリング剤を反応させ、ケイ酸微
粉体表面のシラノール基を他の有機基で置換し疎水化す
る方法であり、シランカップリング剤としては例えばジ
メチルジクロルシラン或いはトリメチルアルコオキシシ
ランが使用されている。
【0108】これらのケイ酸微粉体は一応疎水化されて
いるとはいうものの疎水化の程度が十分とはいえず、高
湿条件下に放置された場合現像剤の帯電性能が低下する
傾向にある。
【0109】本発明者らは、種々のケイ酸微粉体につい
て検討を行った結果、シランカップリング剤で処理され
た後、さらにシリコンオイルで処理されたシリカ微粉体
を使用することにより、上記欠点を回避することができ
ることを見出した。
【0110】従来のシランカップリング剤処理において
は、ケイ酸微粉体の全てのシラノール基をつぶすことは
困難であり、残存シラノール基の高湿下における水分吸
着は反応後のシランカップリング剤分子による立体障害
のみであり、完全に残存シラノール基の水分吸着を防ぐ
ことができない。
【0111】一方シリコンオイル処理においては、シリ
コンオイルがケイ酸微粉体の表面に塗布されることによ
り、シラノール基を完全に覆いかくすことができ、耐湿
性は飛躍的に向上する。しかしながら、シリコンオイル
処理のみでは、ケイ酸微粉体表面を覆うためのシリコン
オイル量が多く、処理中にケイ酸微粉体の凝集体ができ
やすく、現像剤に適用した場合現像剤の流動性が悪くな
る等の欠点を生じる。本発明者らは上記に鑑み、鋭意検
討の結果、良好な耐湿性を保ちつつ、ケイ酸微粉体の凝
集体を除くためには、ケイ酸微粉体をシランカップリン
グ剤で処理した後、少量のシリコンオイルで処理するこ
とにより上記欠点を克服できることを見出した。
【0112】本発明に用いられるケイ酸微粉体は、ケイ
素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆ
る乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、
及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両
方が使用可能であるが表面及びケイ酸微粉体の内部にあ
るシラノール基が少なく、又Na2O,SO3 2- の如き
製造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。
【0113】乾式シリカにおいては製造工程において例
えば、塩化アルミニウム又は、塩化チタンの如き他の金
属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いる
事によってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得る
事もでき、それらも包含する。
【0114】その粒径は平均の一次粒径として、0.0
01〜2μの範囲内である事が好ましく、より好ましく
は、0.002〜0.2μの範囲内のシリカ微粉体を使
用するのがよい。
【0115】本発明に用いられるシランカップリング剤
は下記構造式(6)で示されるものである。
【0116】構造式(6) Rm SiYn R:アルコオキシ基又は、塩素原子 m:1〜3の整数 Y:アルキル基 ビニル基,グリシドキシ基,メタクリル基を含む炭化水
素基 n:3〜1の整数 上記の構造式(6)で示される化合物としては、例え
ば、ジメチルジクロルシラン,トリメチルクロルシラ
ン,アリルジメチルクロルシラン,ヘキサメチルジシラ
ザン,アリルフェニルジクロルシラン,ベンジルジメチ
ルクロルシラン,ビニルトリエトキシシラン,γ−メタ
クリルオキシプロピルトリメトキシシラン,ビニルトリ
アセトキシシラン,ジビニルクロルシラン及びジメチル
ビニルクロルシランがあげられる。
【0117】上記ケイ酸微粉体のシランカップリング剤
処理は、ケイ酸微粉体を撹拌によりクラウド状としたも
のに気化したシランカップリング剤を反応させる乾式処
理又は、ケイ酸微粉体を溶媒中に分散させシランカップ
リング剤を滴下反応させる湿式法の如く一般に知られた
方法で処理することができる。
【0118】本発明に使用されるシリコーンオイルは、
一般に下記の構造式(7)で示されるものである。
【0119】
【化12】 R :C1 〜C3 のアルキル基 R’:アルキル,ハロゲン変性アルキル, フェニル,変性フェニル等のシリコンオイル変性基 R”:C1 〜C3 のアルキル基又は、アルコキシ基 上記の構造式(7)で示されるシリコーンオイルとして
は、例えば、ジメチルシリコンオイル、アルキル変性シ
リコンオイル、α−メチルスチレン変性シリコンオイ
ル、クロルフェニルシリコンオイル及びフッ素変性シリ
コンオイルが挙げられる。これらは1種あるいは2種以
上の混合物で用いられてもよい。
【0120】シリコンオイル処理の好ましい方法として
は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成され
たシリカ微粉体を前記したシランカップリング剤で処理
した後、あるいはシランカップリング剤で処理すると同
時にシリコンオイルで処理する。その処理方法は公知の
技術が用いられ、例えばシリカ微粉体とシリコンオイル
とをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合
しても良いし、ベースシリカへシリコンオイルを噴霧す
る方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリコン
オイルを溶解あるいは分散せしめて後、ベースのシリカ
微粉体とを混合した後溶剤を除去して作成しても良い。
【0121】上記の(A)或いは(B)の処理されたシ
リカ微粉体の現像剤中への添加量は好ましくは、トナー
重量に対して、0.01〜20%のときに効果を発揮
し、より好ましくは0.1〜3%添加したときに優れた
帯電性を示す。添加形態としては、トナー重量に対して
0.01〜3重量%の処理されたシリカ微粉体がトナー
粒子表面に付着している状態にあるのが良い。
【0122】本発明に係るトナーにおいて、トナーの重
量平均粒径は、4〜20μmであることが好ましく、よ
り好ましくは、6〜10μmが良い。特に、トナーの重
量平均粒径が6〜10μmであり、5μm以下の粒径を
有するトナー粒子が15〜40個数%、12.7〜1
6.0μmの粒径を有するトナー粒子が0.1〜5.0
重量%、16μm以上の粒径を有するトナー粒子が1.
0重量%以下含有され、6.35〜10.1μmのトナ
ー粒子が下記式 9≦(V×dv)/N≦14 (ここでVは6.35〜10.1μmの粒径を有するト
ナー粒子の重量%を示し、Nは6.35〜10.1μm
の粒径を有するトナー粒子の個数%を示し、dvは全ト
ナー粒子の平均重量径を示す。)を満足する粒度分布を
有する場合には感光体上に形成された潜像に忠実に再現
することが可能であり、網点及びデジタルのような微小
なドット潜像の再現にも優れ、特にハイライト部の階調
性及び解像性に優れた画像を与えることができ好まし
い。更に、該粒度分布を満足するトナーは、コピー又は
プリントアウトを続けた場合でも高画質を保持し、且
つ、高濃度の画像の場合でも、上記の粒度分布を満たさ
ない比較的大径の非磁性トナーより少ないトナー消費量
で良好な現像を行うことが可能であり、経済性及び、複
写機又はプリンター本体の小型化にも利点を有するもの
である。
【0123】本発明のトナーにおいて、このような効果
が得られる理由は、必ずしも明確でないが、以下のよう
に推定される。
【0124】従来、トナーにおいては5μm以下のトナ
ー粒子は、以下の〜の問題点を有する成分であると
考えられていたため、積極的に減少することが必要であ
ると考えられていた。
【0125】帯電量コントロールが困難である。
【0126】トナーとしての流動性を損ないやすい。
【0127】トナー飛散して機械を汚す。
【0128】画像のカブリを生ずる。
【0129】しかしながら、本発明者らの検討によれ
ば、5μm程度のトナー粒子が高品質な画質を形成する
ための必須の成分であることが判明した。
【0130】例えば、0.5μm〜30μmに渡る粒度
分布を有する非磁性トナー及びキャリアを有する二成分
系現像剤を用いて、感光体上の表面電位を変化し、多数
のトナー粒子が現像され易い大きな現像電位コントラス
ト潜像、ハーフトーン潜像及びごくわずかのトナー粒子
しか現像されない小さな微小ドットの潜像の如く感光体
上の潜像電位を変化させた潜像を現像し、感光体上の現
像されたトナー粒子を集め、トナー粒度分布を測定した
ところ、8μm以下のトナー粒子が多く、特に5μm程
度のトナー粒子が微小ドットの潜像上に多いことが判明
した。5μm程度の粒径のトナー粒子が感光体の潜像の
現像に円滑に供給される場合に潜像に忠実であり、潜像
からはみ出すことなく、真に再現性の優れた画像が得ら
れるものである。
【0131】12.7μm〜16.0μmのトナー粒子
は5μm程度の粒径のトナー粒子の存在の必要性と関係
があるが、5μm以下の粒径の非磁性トナー粒子は、確
かに微小ドットの潜像を忠実に再現する能力を有する
が、それ自身かなり凝集性が高く、そのためトナーとし
ての流動性が損われることがある。
【0132】本発明者らは、流動性の改善を目的とし
て、前述の疎水化ケイ酸微粉体を添加することによっ
て、流動性の向上を図ったが、これだけの手段では、画
像濃度、トナー飛散及びカブリのすべての項目を満足さ
せる条件が非常に狭いことが確認された。本発明者ら
は、更にトナーの粒度分布について検討を重ねたとこ
ろ、5μm以下の粒径のトナー粒子を15〜40個数%
含有させた上で、12.7〜16.0μmのトナー粒子
を0.1〜5.0重量%含有させることによって流動性
がより向上し、高画質化が達成できることを知見した。
12.7〜16.0μmの範囲のトナー粒子が5μm以
下のトナー粒子に対して、適度にコントロールされた流
動性を持つためと考えられ、その結果、コピー又はプリ
ントアウトを続けた場合でも高濃度で解像性及び階調性
の優れたシャープな画像が提供されるものである。
【0133】0.35〜10.1μmのトナー粒子につ
いて、その重量%(V)と個数%(N)と重量平均粒径
(dv)のあいだに、 9≦(V×dv)/N≦14 (6≦dv≦10) なる関係を本発明のトナーが満足していると、更に望ま
しい。
【0134】本発明者らは、粒度分布の状態と現像特性
を検討するなかで、上記式で示すような最も目的を達成
するに適した粒度分布の存在状態があることを知見し
た。
【0135】一般的な風力分級によって粒度分布を調整
した場合、上記の値が大きいということは、微小ドット
潜像を忠実に再現する5μm程度のトナー粒子が増加
し、上記値が小さいということは逆に5μm程度のトナ
ー粒子が減少することを示していると解される。
【0136】dvが6〜10μmの範囲にあり、且つ上
記関係式をさらに満足する場合に、良好なトナー流動性
及び忠実な潜像再現性が達成される。
【0137】16μm以上の粒径のトナー粒子について
は、1.0重量%以下にし、できるだけ少ない方が好ま
しい。
【0138】本発明の構成について、更に詳しく説明を
する。5μm以下の粒径のトナー粒子が全粒子数の15
〜40個数%であることが良く、更に好ましくは20〜
35個数%が良い。5μm以下の粒径のトナー粒子が1
5個数%以下であると、高画質に有効な非磁性トナー粒
子が少なく、特に、コピー又はプリントアウトを続ける
ことによってトナーが使われるに従い、有効なトナー粒
子成分が減少して、トナーの粒度分布のバランスが悪化
し、画質が次第に低下してくる。40個数%以上である
と、トナー粒子相互の凝集状態が生じやすく、本来の粒
径以上のトナー塊となるため、荒れた画質となり、解像
性を低下させ、或いは潜像のエッジ部と内部との濃度差
が大きくなり、中ぬけ気味の画像となりやすい。
【0139】12.7〜16.0μmの範囲の粒子が
0.1〜5.0重量%であることが良く、好ましくは
0.2〜3.0重量%が良い。5.0重量%より多い
と、画質が悪化すると共に、必要以上の現像、すなわ
ち、トナーののりすぎが起こり、トナー消費量の増大を
招く。一方、0.1重量%未満であると、流動性の低下
により画像濃度が低下してしまう。
【0140】16μm以上の粒径のトナー粒子が1.0
重量%以下であることが良く、更に好ましくは0.6重
量%以下であり、1.0重量%より多いと、細線再現に
おける妨げになるばかりでなく、転写において、感光体
上に現像されたトナー粒子の薄層面に16μm以上の粗
めのトナー粒子が突出して存在することで、トナー層を
介した感光体と転写紙間の微妙な密着状態を不規則なも
のとして、転写条件の変動をひきおこし、転写不良画像
を発生する要因となりやすい。トナーの重量平均径は好
ましくは6〜10μm、より好ましくは7〜9μmであ
り、この値は先に述べた各構成要素と切りはなして考え
ることはできないものである。重量平均粒径6μm未満
では、グラフィク画像などの画像面積比率の高い用途で
は、転写紙上のトナーののり量が少なく、画像濃度の低
いという問題点が生じやすい。これは、先に述べた潜像
におけるエッジ部に対して、内部の濃度が下がる理由と
同じ原因によると考えられる。重量平均粒径9μm以下
では解像度が良好になり、複写の初めから連続的に使用
を続けていっても画質低下を発生しにくくなる。
【0141】上記のごとき粒度分布を有するトナーを用
いることにより良好な流動性が得られる様になり、高解
像度、高精細でかつ高画質なコピー画像が得られる。
【0142】上記の粒度分布を有するトナーを前述の流
動性向上剤、特にシランカップリング剤で処理した後、
さらにシリコーンオイルで表面疎水化処理されたケイ酸
微粉体と組合わせることにより、高温高湿下においても
安定した帯電性が確保され、飛散、カブリが生じること
もない。これは、ケイ酸微粉体の表面疎水化処理に起因
するところ大である。さらに低湿下においても帯電量が
過大になることもなくそれゆえ、転写性も良好であり、
クリーニング不良及びクリーナーからのもれを防止する
こともできる。
【0143】上記の特定の粒度分布を有するトナーを作
製するには、熱可塑性樹脂を必要に応じて着色剤として
の顔料又は染料、荷電制御剤、その他の添加剤をボール
ミルの如き混合機により十分混合してから加熱ロール、
ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶
融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめた中に
顔料又は染料を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及
び厳密な分級を行うことにより前記の比較的に小粒径の
特定の粒度分布を有するトナーを得ることができる。
【0144】本発明に於るトナーを二成分トナーに用い
る場合はその効果を充分に発揮し得る為にその現像時に
用いるキャリアも重要な役割を果たす。
【0145】本発明に使用されるキャリアとしては、例
えば表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、
コバルト、マンガン、クロム及び希土類の如き金属及び
それらの合金または酸化物及びフェライトが使用でき
る。その製造方法として特別な制約はない。
【0146】上記キャリアの表面を樹脂で被覆する系
は、前述のJ/B現像法において特に好ましい。キャリ
アを樹脂で被覆する方法としては、樹脂等の被覆材を溶
剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着
せしめる方法及び単に粉体で混合する方法の如く従来公
知の方法が適用できる。
【0147】キャリア表面への固着物質としてはトナー
材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレ
ン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ
化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジ
ターシャーリーブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブチ
ラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性
染料及びそのレーキ、シリカ微粉末及びアルミナ微粉末
を単独或は複数で用いるのが適当であるが、必ずしもこ
れに制約されない。
【0148】上記化合物の処理量は、キャリアが前記条
件を満足するよう適宜決定すれば良いが、一般には総量
で本発明のキャリアに対し0.01〜30重量%が好ま
しく、より好ましくは0.1〜20重量%が良い。
【0149】これらキャリアの平均粒径は好ましくは、
10〜100μであり、より好ましくは20〜70μが
良い。
【0150】特に好ましい態様としては、Cu−Zn−
Feの3元系のフェライトであり、その表面をフッ素系
樹脂とスチレン系樹脂の如き樹脂の組み合せ、例えばポ
リフッ化ビニリデンとスチレン−メチルメタアクリレー
ト樹脂;ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メチ
ルメタアクリレート樹脂、フッ素系共重合体とスチレン
系共重合体;を90:10〜20:80、好ましくは7
0:30〜30:70の比率の混合物としたもので、総
量基準で0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1重
量%コーティングし、250メッシュパス、400メッ
シュオンのキャリア粒子が70重量%以上ある上記平均
粒径を有するコートフェライトキャリアであるものが挙
げられる。該フッ素系共重合体としてはフッ化ビニリデ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体(10:90〜9
0:10)が例示され、スチレン系共重合体としてはス
チレン−アクリル酸2−エチルヘキシル(20:80〜
80:20)、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシ
ン−メタクリル酸メチル(20〜60:5〜30:10
〜50)が例示される。
【0151】上記コートフェライトキャリアは粒径分布
がシャープであり、本発明のトナーに対し好ましい摩擦
帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0152】本発明に於るトナーと混合して二成分現像
剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃
度として、2重量%〜15重量%、好ましくは4重量%
〜13重量%にすると通常良好な結果が得られる。トナ
ー濃度が2%未満では画像濃度が低く実用上好ましくな
く、15%を超える場合ではカブリや機内飛散を増加せ
しめ、現像剤の耐用寿命を短める。
【0153】以下に本発明に於る測定法について述べ
る。 ・ガラス転移温度Tgの測定 本発明に於ては、示差熱分析測定装置(DSC測定装
置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定
する。
【0154】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0155】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30℃〜2
00℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で
測定を行う。
【0156】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0157】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明に於るガラス転移温度Tgとする。 ・分子量の測定 本発明において、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ)によるクロマトグラムの分子量は次の条件
で測定される。
【0158】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTH
F(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、
試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂
のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作
製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出
した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、
例えば、Pressure Chemical Co. 製あるいは、東洋ソー
ダ工業社製の分子量が6×102 ,2.1×103 ,4
×103 ,1.75×104 ,5.1×104 ,1.1
×105 ,3.9×105 ,8.6×105 ,2×10
6 及び4.48×106 のものを用い、少なくとも10
点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当であ
る。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0159】カラムとしては、103 〜2×106 の分
子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレン
ゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Wate
rs社製のμ−styragel500,103 ,10
4 及び105 の組合せ、昭和電工社製のshodex
KF−80M、KF−801,803,804及び80
5の組合せ、KA−802,803,804及び805
の組合せ、あるいは東洋曹達製のTSKgel G10
00H,G2000H,G2500H,G3000H,
G4000H,G5000H,G6000H,G700
0H及びGMHの組合せが好ましい。 ・粒度分布測定 測定装置としてはコールターカウンターTA−II型
(コールター社製)を用い、個数平均分布、体積平均分
布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−
1パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し電解
液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を
調製する。
【0160】測定法としては前記電解水溶液100〜1
50ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さら
に測定試料を0.5〜50mg加える。
【0161】試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約
1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンター
TA−II型により、アパチャーとして100μmアパ
チャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定し
て重量平均分布、個数平均分布を求める。
【0162】これら求めた重量平均分布、個数平均分布
より、重量平均粒径、個数平均分布の5.04μm以
下、重量平均分布の16.0μm以上の各値を得る。 ・摩擦帯電量測定 図1は摩擦帯電量測定装置の説明図である。先ず測定し
ようとする粒子と現像剤として使用する磁性粒子の混合
物を作る。混合の比率はトナー及び着色剤含有微粒子の
場合には、磁性粒子95重量部に対して5重量部であ
り、流動性付与剤の場合には磁性粒子98重量部に対し
て2重量部である。
【0163】測定しようとする粒子及び磁性粒子を測定
環境に置いて、12時間以上放置した後ポリエチレン製
のビンに入れ、十分混合、撹拌する。
【0164】次に、底に500メッシュ(磁性粒子の通
過しない大きさに適宜変更可能)の導電性スクリーン1
3のある金属製の測定容器12に摩擦帯電量を測定しよ
うとする粒子と磁性粒子の混合物を入れ金属製のフタ1
4をする。このときの測定容器12全体の重量を秤りW
1 (g)とする。次に、吸引機11(測定容器12と接
する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口17か
ら吸引し風量調節弁16を調整して真空計15の圧力を
250mmAqとする。この状態で充分(約2分間)吸
引を行ないトナーを吸引除去する。このときの電位計1
9の電位をV(ボルト)とする。ここで18はコンデン
サーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測
定容器全体の重量を秤りW2 (g)とする。この摩擦帯
電量T(μc/g)は下式の如く計算される。
【0165】 T(μc/g)=(C×V)/(W1 −W2 ) 次に図2〜5を参照しながら、正帯電性磁性トナーを有
する一成分系現像剤を用いて負極性に帯電した潜像担持
体上の潜像を現像する画像形成装置を例に取って本発明
の画像形成方法及び装置を説明するが、本発明の画像形
成方法及び装置は、一成分系現像剤だけでなくキャリア
を用いた二成分系現像剤を用いるものも含むものであ
る。
【0166】102は潜像担持体101に所定圧力をも
って接触させた帯電手段である帯電ローラであり、図3
に示すように金属芯金102aに導電性ゴム層102b
を設け、更にその周面に離型性被膜である表面層102
cを設けてある。導電性ゴム層は、0.5〜10mm
(好ましくは1〜5mm)の厚さを有することが好まし
い。該表面層102cは、離型性被膜であり、離型性被
膜を設けることは被帯電体である潜像担持体101と接
触する部分へ導電性ゴム層102bからの軟化剤がしみ
出さないようにするためである。そのため、軟化剤の感
光体へ付着した場合の感光体の低抵抗化による画像流
れ、残留トナーの感光体へのフィルミングによる帯電能
力の低下を防止でき、帯電効率の低下が抑えられる。
【0167】さらに、帯電ローラーに導電ゴム層を用い
ることで帯電ローラーと感光体との十分な接触を保つこ
とができ帯電不良を起こすようなこともない。
【0168】離型性被膜の厚さは30μm以内(好まし
くは、10〜30μm)が好ましい。離型性被膜の厚さ
の下限は被膜がハガレ、メクレがなければ良く5μmく
らいと考えられる。
【0169】離型性被膜には、ナイロン系樹脂PVDF
(ポリフッ化ビニリデン)及びPVDC(ポリ塩化ビニ
リデン)を用いることができる。潜像担持体101の感
光層としては、OPC、アモルファスシリコン、セレン
或いはZnOが使用可能である。特に、感光体にアモル
ファスシリコンを用いた場合、他のものを使用した場合
に比べて、導電ゴム層102bの軟化剤が潜像担持体1
01の感光層に少しでも付着すると、画像流れはひどく
なるので導電ゴム層の外側に絶縁性被膜したことによる
効果は大となる。
【0170】導電性ゴム層と離型性被膜表層間に感光体
へのリーク防止のために高抵抗層、例えば環境変動の小
さいヒドリンゴム層を形成することも好ましい形体の1
つである。
【0171】115はこの帯電ローラ102に電圧を印
加するための電源部であり、所定の電圧を帯電ローラ1
02の芯金102aに供給する。103は転写手段とし
ての転写用帯電器である。転写用帯電器には定電圧電源
114から所定のバイアスが印加される。バイアス条件
は、電流値が0.1〜50μAであり、電圧値(絶対
値)が500〜4000Vであることが好ましい。
【0172】電源部(電圧印加手段)115を有する帯
電手段としての帯電ローラ102で、潜像担持体101
のOPC感光体表面を例えば負極性に帯電し、潜像形成
手段105としての光像露光により露光を行ない静電荷
潜像を形成する。鉄製磁性ブレード111および、磁石
140を内包しているトナー担持体としての非磁性の現
像スリーブ104、を具備する現像器109に保有され
ている本発明の正荷電性磁性トナーを有する一成分系現
像剤110で該潜像を現像する。現像スリーブ104は
直径50mmの複数の球状痕跡窪みを有するステンレス
スリーブ(SUS304)を用いる。現像部において潜
像担持体101の導電性基体と現像スリーブ104との
間で、バイアス印加手段112から交互バイアス、パル
スバイアスおよび/または直流バイアスが印加されてい
る。転写紙Pが搬送されて、転写部にくると転写用帯電
器103により転写紙Pの背面(潜像担持体側と反対
面)から電圧印加手段114によって帯電をすることに
より、潜像担持体101の表面上の現像画像(トナー
像)が転写紙P上へ静電転写される。潜像担持体101
から分離された転写紙Pは、定着手段としての加熱加圧
ローラ定着器107により転写紙P上のトナー画像を定
着するために定着処理される。
【0173】転写工程後の潜像担持体101に残留する
現像剤110は、クリーニングブレードを有するクリー
ニング器108で除去される。クリーニング工程後の潜
像担持体101はイレース露光106により除電され、
再度、帯電器102による帯電工程から始まる工程が繰
り返される。
【0174】図4は、現像工程を説明するための図2の
部分拡大図であり潜像担持体101はOPC感光層およ
び導電性基体を有し、矢印方向に動く。現像剤担持体で
ある非磁性円筒の現像スリーブ104は、現像部におい
て潜像担持体101の表面と同方向に進むように回転す
る。現像スリーブ104の内部には、磁界発生手段であ
る多極永久磁石140(マグネットロール)が回転しな
いように配されている。多極永久磁石140は、磁曲N
1 =500〜900ガウス、磁極N2 =600〜110
0ガウス、磁極S1 =800〜1500ガウス、および
磁極S2 =400〜800ガウスに設定するのが好まし
い。現像器109内の現像剤110は現像スリーブ10
4に塗布され、現像スリーブ104の表面と現像剤11
0との摩擦によって、現像剤110は、プラスのトリボ
電荷が与えられる。さらに鉄製の磁性ドクターブレード
111を現像スリーブ104の円筒表面に近接して(間
隔50μm乃至500μm)かつ、多極永久磁石140
の一つの磁極位置に対向して配置することにより、トナ
ー層200の厚さを薄く(30μm乃至300μm)か
つ均一に規制して、現像部における潜像担持体101と
現像スリーブ104の間隙よりも薄いトナー層200を
潜像担持体101と非接触となるように形成する。この
現像スリーブ104の回転速度を調整して、現像スリー
ブ104の表面速度が潜像担持体101の表面の速度と
実質的に同一速度、もしくはそれに近い速度となるよう
にする。磁性ドクターブレード111として鉄のかわり
に永久磁石を用いて対向磁極を形成してもよい。現像部
において現像スリーブ104と潜像担持体101の表面
との間で交流バイアスまたはパルスバイアスをバイアス
手段としてのバイアス電源112から印加しても良い。
バイアス条件としては、交流バイアスとしてVpp=1
500乃至2300V、f=900〜1600(Hz)
でありおよび直流バイアスとしてDC=−100〜−3
50vであることが好ましい。現像スリーブ(トナー担
持体)104と潜像担持体101との最近接部および近
傍において形成された現像部での現像剤110の移転に
際し、潜像担持体101の静電荷像担持面の有する静電
的力、および、交流バイアスまたはパルスバイアスの作
用によって潜像スリーブ104と潜像担持体101との
間を往復運動しながら現像剤110は潜像担持体101
側に転移する。
【0175】トナー層規制部材として磁性ドクターブレ
ード111のかわりに、シリコンゴムの如き弾性材料で
形成された弾性ブレードを用いて、該弾性ブレードを潜
像担持体101の表面に押圧にすることによってトナー
層200の層厚を規制し、現像スリーブ104上に所定
層厚を有するトナー層を形成しても良い。
【0176】潜像担持体101の感光層としてはOPC
感光ドラムに代えて静電記録用絶縁ドラムやα−Se、
CdS、ZnO2 、およびα−Siの如き光導電絶縁物
質層を持つ感光ドラムを現像条件に合わせて適宜選択使
用することができる。
【0177】図5は、図3に示す帯電ローラに代わる他
の帯電手段の実施形体を示す図であり、帯電手段はブレ
ード状の接触帯電部材102’である。このブレード状
の接触帯電部材102’も帯電ローラ102と同様の層
構成である、電圧が供給される金属支持部材102’
a、この金属支持部材102’aにより支持されている
導電性ゴム部材102’b及びこの導電性ゴム部材10
2’bの潜像担持体101との当接部分に設けられた離
型性被膜である表面層102’cからなり、帯電ローラ
102と同様の作用効果を得ることができる。
【0178】前述した例では帯電部材としてローラー
状、ブレード状のものを使ったが、これに限るものでな
く、他の形状についても本発明を実施することができ
る。
【0179】前記の帯電手段102は、転写紙Pを介し
て潜像担持体101と接触させて転写手段として用いる
ことができる。
【0180】上記の画像形成方法及び装置においては、
潜像担持体101表面を負極性(または正極性)に帯電
するための帯電手段に代えて、一般的なコロナ帯電によ
って潜像担持体101表面を帯電させる帯電器を用いる
ことができる。
【0181】上記のコロナ帯電を行う手段を用いる場合
にはオゾンの発生が多くなるので、オゾンフィルター等
を装着するのが好ましい。
【0182】図6は、転写材上の未定着のトナー画像を
転写材に熱と圧力の作用によって定着するためのトナー
画像定着装置である。
【0183】以下、図6に示すトナー画像定着装置を用
いて本発明のトナー画像定着方法について説明する。
【0184】トナー画像定着装置は、ローラ状とされる
定着ローラ1及びこれに相対する加圧ローラ22とから
なる定着用回転体;定着ローラ21に離型剤のシリコー
ンオイルを塗布する離型剤塗布手段23;定着ローラ2
1をクリーニングするクリーニング手段24;を備えて
いる。
【0185】定着ローラ21は、基材としてのアルミ製
の芯金25上にHTVシリコーンゴム(高温加硫型シリ
コーンゴム)からなる弾性層26が形成され、弾性層2
6上にフッ素ゴムより成る耐油層Fが形成され更にその
上にRTVシリコーンゴム(室温加硫型シリコーンゴ
ム)からなるオフセット防止層27が形成されており、
例えば外径が60φとされている。
【0186】加圧ローラ22は、アルミ製の芯金28上
にHTVシリコーンゴムからなる弾性層29が形成さ
れ、弾性層29上にフッ素樹脂の樹脂層30が形成され
ており、同様に外径が例えば60φとされている。
【0187】定着ローラ21の芯金25および加圧ロー
ラ22の芯金28内には、ハロゲンヒータ31が配設さ
れ、加圧ローラ22の温度をこれに当接したサーミスタ
32で検知して、ハロゲンヒータ31をオンオフ制御
し、定着ローラ21および加圧ローラ22の温度を約1
50℃に一定に維持するようになっている。
【0188】離型剤塗布手段23は、容器33内に収容
した粘度300CSのシリコーンオイル24を、上下の
供給ローラ35A,35Bで汲上げて、定着ローラ21
のオフセット防止層27に塗布するようになっている。
オフセット防止層27へのシリコーンオイルの塗布量
は、上の供給ローラ35Aへ当接させた油量調整ブレー
ド36の当接角および圧力によって調整される。
【0189】クリーニング手段24は、定着ローラ21
のオフセット防止層27にオフセットしたトナーを除去
する。
【0190】以上の様な定着装置によれば、未定着の複
数のトナー画像Tを積層して担持した転写材Pを、図示
しない搬送装置により矢印aの方向に搬送し、その転写
材Pを図示しない駆動装置により矢印bの方向に回転さ
れる定着ローラ21と加圧ローラ22とで挟持しながら
通過させることにより、積層したトナー画像Tを転写材
P上に混色して熱定着させフルカラー画像を形成させ
る。
【0191】前述した通り定着ローラ21はフッ素ゴム
よりなる耐油層を有する。
【0192】この耐油層により下層のHTVシリコーン
ゴムにシリコーンオイルが侵入するのが防止され、ロー
ラのオイル膨潤が防止される。
【0193】耐油層の上層のRTVシリコーンゴムには
シリコーンオイルが保持され高い離型性が得られる。
【0194】このように耐油層としての中間層を有する
ローラを使用した場合、定着時の熱を圧力及び加圧ロー
ラとのスリップにより定着ローラの各層間にストレスが
生じ、弾性層と耐油層間や、耐油層とオフセット防止層
間で剥離が生じ長期使用に耐えないという問題があっ
た。
【0195】本発明においては上記のごとき問題に対し
て検討した結果、下記の構成をとるトナー画像定着装置
を用いた時、上記のごとき問題は解決され良好な画像定
着方法を提供し得ることを見い出したものである。
【0196】すなわち、トナー画像を支持している転写
材を挟持搬送することにより定着を行う1対の対向圧接
しているローラと、この1対のローラの少なくとも一方
に離型剤を塗布する塗布手段と、を有する定着装置にお
いて、上記1対のローラの少なくとも一方のローラは、
ローラ基材、このローラ基材上に設けられた弾性層、こ
の弾性層上に設けられた耐油層及びこの耐油層上に設け
られた表層としてのオフセット防止層を有し、これら各
層の伸び率は、オフセット防止層、耐油層、及び弾性層
の順に大きいことを特徴とするものである。
【0197】次に本発明の画像定着装置の構成を具体的
に説明する。
【0198】定着ローラ21は、基材としてのアルミ製
の芯金25上にメチルフェニルHTVシリコーンゴムか
らなる弾性層26が形成され、弾性層26上にフッ素ゴ
ムからなる耐油層Fが形成され、更に、耐油層F上にR
TVシリコーンゴムからなるオフセット防止層27が形
成されている。
【0199】上記弾性層26には種々の材料を用いるこ
とができるが、引張り強度、熱伝導率、弾性率および芯
金25との接着性に優れたメチルフェニルHTVシリコ
ーンゴムが好適である。好ましくは高熱伝導性のメチル
フェニルHTVシリコーンゴムが良い。弾性層26を高
熱伝導性とすることにより、定着ローラ21の表面に熱
を速く供給して、転写材Pの通紙による定着ローラ21
の表面温度の低下を防止し、転写材P上に担持された未
定着トナー画像Tを温度的に安定して定着することがで
きる。
【0200】特にフルカラー画像の定着においては、定
着ローラ21の表面温度がトナーの混色に大きく影響
し、表面温度の変化がカラー画像の色味の変化となって
影響してくるため、高熱伝導性のメチルフェニルHTV
シリコーンゴムで弾性層26を形成することは、特に好
ましい。
【0201】本実施例では、弾性層26の熱伝導率は
0.5×10-3cal/cm・sec・℃とされている
が、より好ましくは1.0×10-3cal/cm・se
c・℃程度が良い。
【0202】フッ素ゴムからなる耐油層Fは、弾性層2
6上にプライマーを塗布したのち形成される。耐油層F
の厚さは、5〜300μmが良い。耐油層Fの厚さが5
μm未満では、フッ素ゴムの塗工ムラなどにより部分的
に下の弾性層26が露出する虞れがあり、耐油層Fによ
ってシリコーンオイルが弾性層26に浸透するのを防止
することが不完全になる。逆に300μmを超えると、
定着ローラ21全体の硬度の増大を招いたり、フッ素ゴ
ムの熱変形量が大きいことから、定着ローラ21を長期
間停止しているときに、加圧ローラ22とのニップ部の
変形を起こしたりする。従って、耐油層Fの厚さは5〜
300μmが好ましく、より好ましくは8〜100μm
の範囲が良い。
【0203】オフセット防止層27は、耐油層F上に必
要に応じてプライマーを塗布したのち形成される。オフ
セット防止層27は離型剤のシリコーンオイルに対する
濡れ性の良い材料で形成することが好ましく、RTVシ
リコーンゴムの他に、LTVシリコーンゴムを用いるこ
ともできる。またRTVシリコーンゴムは、1液性でも
2液性でもよいが、好ましくは1液性のRTVシリコー
ンゴムを使用することが良い。これは、1液性のRTV
シリコーンゴムは加硫前には相手物質との接着性がある
上に、最終的にオフセット防止層27の耐油層Fとの接
着を強固にできるからである。このオフセット防止層2
7中には、シリカ、弁柄等の充填剤を適宜混入しても良
い。
【0204】オフセット防止層27の形成法は、LTV
シリコーンゴムやRTVシリコーンゴム等のゴムをナイ
フコートやスプレーコートで塗布する方法がよい。これ
は、ナイフコートやスプレーコートで塗布する方法を用
いると、塗布されたLTVシリコーンゴムやRTVシリ
コーンゴム等のゴムの自由液面によりオフセット防止層
27が容易に薄層として形成され、オフセット防止層2
7を形成する製造装置のセッティングが容易で、定着ロ
ーラ21の量産性に優れるからである。オフセット防止
層27の離型性も安定する。
【0205】上述したように、オフセット防止層27は
耐油層F上に必要に応じてプライマーを塗布してから形
成する。このプライマーには、従来より一般にゴム等の
接着に使用されているシランカップリング剤からなるプ
ライマーを用いるとよいが、シリコーンワニス系のプラ
イマー、シリコーンワニスとシリコーンゴムとの混合物
又はブロック共重合型のシリコーンワニスからなるプラ
イマーを用いてもよい。
【0206】ここで、定着ローラ21の各層の伸びは次
のように設定されていることが理想である。
【0207】 弾性層26 250% 耐油層F 300% オフセット防止層27 500% ゴムの伸びの値についての測定方法はJIS K630
1に於ける加硫ゴム物理試験方法に於ける伸びの測定に
よる。このようにローラの変形の大きい表層側にいくに
つれ伸びを大、即ち、オフセット防止層27、耐油層F
に弾性層26の順に伸びを大とすることで各層間境界の
ストレスを大きく減少させ、定着ローラの各層間の剥離
する迄の耐久枚数寿命を大巾に向上させる事が出来る。
【0208】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。
【0209】樹脂製造例(1) 一段目の重合 スチレン 400重量部 アクリル酸n−ブチル 200重量部 下記構造式(1)で示された重合開始剤 50重量部
【0210】
【化13】 トルエン 500重量部 上記の原料をガラス製反応容器に入れ、器内を充分窒素
置換した後密栓し、反応器から15cm離れた所に40
0Wの紫外線ランプを置き15時間重合反応を行なっ
た。
【0211】反応後一部採取し、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィ(GPC)により分子量を測定したと
ころ、数平均分子量(Mn)2500、重量平均分子量
(Mw)5100のスチレン−アクリル酸n−ブチル共
重合体(Tg32℃)が得られた。
【0212】二段目の重合 一段目の重合反応後の反応容器にスチレン720重量
部、メタクリル酸n−ブチル480重量部及びトルエン
1500重量部を加えた。反応容器中の一段目の重合で
得られた共重合体は、紫外線照射によって一方の末端部
にラジカルが発生するため、再度重合開始剤を加えなく
ともAB型ブロック共重合体を生成するための二段目の
重合反応を行うことができる。反応容器中の組成を下記
に示す。
【0213】 1段目で生成した共重合体 600重量部 スチレン 720重量部 メタクリル酸n−ブチル 480重量部 トルエン 2000重量部 これらを混合溶解させたのち、一段目と同様な条件下で
15時間紫外線照射して二段目の重合を行ない、AB型
ブロック共重合体を得た。
【0214】反応後、ヘキサンを用いてこのAB型ブロ
ック共重合体を再沈精製し、減圧乾燥した。この共重合
体のGPCによるMnは6200、Mwは12500で
あり、Tgは57℃であった。ここで得られた、AB型
ブロック共重合体を樹脂Aとする。
【0215】樹脂製造例(2)〜(6) 樹脂製造例(1)におけるモノマー組成比及び反応条件
を代えて樹脂B,C,D,E及びFを調製した。
【0216】樹脂A〜Fにおける各物性を表1に示す。
【0217】
【表1】 比較樹脂製造例1及び2
【0218】
【表2】 上記表2の比較樹脂製造例1及び2の原料を用いて、一
般的に知られている溶液重合によってMn12000、
Mw29000及びTg59℃を有するランダム共重合
体g及びMn25000、Mw78000及びTg62
℃を有するランダム共重合体hを得た。
【0219】得られたランダム共重合体gを樹脂Gと
し、ランダム共重合体hを樹脂Hとする。
【0220】実施例1 樹脂製造例(1)の樹脂A 100重量部 ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体 4.0重量部 構造式(1)で示される構造を有する 5.0重量部 銅フタロシアニン顔料 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕、微粉砕、分級し、青色トナーを得た。得られた青
色トナー100重量部に対して流動向上剤としてヘキサ
メチルジシラザンで処理したシリカ微粉末0.5部及び
酸化アルミニウム微粉末0.2部を添加混合した。
【0221】キャリアとしては、スチレン−アクリル2
−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比
50:20:30)を0.5重量%コーティングしたC
u−Zn−Fe系フェライトキャリア(平均粒径45μ
m、250メッシュパス400メッシュオン87重量
%)を用い、トナー濃度が6.0重量%になるよう前記
外添剤含有青色トナーに混合し、二成分系現像剤を調製
した。
【0222】調製した二成分系現像剤を用いてキヤノン
製フルカラー複写機CLC−500で現像転写させただ
けの未定着画像を得、これを外部定着機にて定着テスト
した。
【0223】その結果、混色可能な定着温度領域は12
0〜210℃であった。
【0224】上記の二成分系現像剤を用いてCLC−5
00で画出し試験を行った。
【0225】その結果、単色モードで1.0万枚の耐刷
後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリの
ないオリジナルカラーチャートを忠実に再現するフルカ
ラー画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良好
で安定した画像濃度が得られた。
【0226】OHPフィルムを使用した場合もトナーの
透過性は非常に好ましいものであった。
【0227】45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナ
ーのブロッキング状態を観察したが変化は全く見られ
ず、良好な流動性を有していた。実施例2,3及び比較例1 樹脂Aを樹脂B,E及びFに代えた以外は実施例1と同
様に二成分系現像剤を調製し、同様に試験を行なった。
【0228】実施例1〜3及び比較例1の結果を表3に
示す。
【0229】
【表3】 実施例4 樹脂製造例(3)の樹脂C 100重量部 磁性酸化鉄 70重量部 ニグロシン 2重量部 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕、微粉砕、分級し黒色磁性トナーを得た。得られた
黒色トナー100重量部に対して流動向上剤として正荷
電性疎水化処理乾式シリカ0.6部を添加混合して一成
分系現像剤を調製した。
【0230】調製した一成分系現像剤を用いてキヤノン
製複写機NP−4835で未定着画像を得、これを外部
定着機にて定着テストした。その結果、定着可能領域は
130〜220℃であった。上記の一成分系現像剤及び
複写機を用いて画出し試験を行った。その結果、1.0
万枚の耐刷後でも定着ロールへのオフセットは全くな
く、カブリやとびちりのない良好な画像が得られた。
【0231】実施例1と同様に耐ブロッキング性も良好
であった。
【0232】実施例5,6及び比較例2 樹脂Cを樹脂D,F及びGに変えた以外は実施例4と同
様に一成分系現像剤を調製し、同様に試験を行なった。
【0233】実施例4〜6及び比較例2の結果を表4に
示す。
【0234】
【表4】 樹脂製造例(7) 一段目の重合 スチレン 382重量部 アクリル酸n−ブチル 200重量部 マレイン酸モノブチルエステル 18重量部 下記構造式(1)で示された重合開始剤 50重量部
【0235】
【化14】 トルエン 500重量部 上記の原料をガラス製反応容器に入れ、器内を充分窒素
置換した後密栓し、反応器から15cm離れた所に40
0Wの紫外線ランプを置き15時間重合反応を行なっ
た。
【0236】反応後一部採取し、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィ(GPC)により分子量を測定したと
ころ、数平均分子量(Mn)2100、重量平均分子量
(Mw)4900のスチレン−メタクリル酸n−ブチル
−マレイン酸モノブチル共重合体(Tg32℃)が得ら
れた。
【0237】二段目の重合 一段目の重合反応後の反応容器にスチレン684重量
部,メタクリル酸n−ブチル480重量部,マレイン酸
モノブチルエステル36重量部及びトルエン1500重
量部を加えた。反応容器中の一段目の重合で得られた共
重合体は、紫外線照射によって一方の末端部にラジカル
が発生するため、再度重合開始剤を加えなくともAB型
ブロック共重合体を生成するための二段目の重合反応を
行なうことができる。反応容器中の組成を下記に示す。
【0238】 一段目で生成した共重合体 600重量部 スチレン 684重量部 メタクリル酸n−ブチル 480重量部 マレイン酸モノブチルエステル 36重量部 トルエン 2000重量部 これらを混合溶解させたのち、一段目と同様な条件下で
15時間紫外線照射して二段目の重合を行ない、AB型
ブロック共重合体を得た。
【0239】反応後、ヘキサンを用いてこのAB型ブロ
ック共重合体を再沈精製し、減圧乾燥した。この共重合
体のGPCによるMnは6100、Mwは10700で
あり、Tgは58℃であった。ここで得られた、AB型
ブロック共重合体を樹脂Iとする。
【0240】樹脂製造例(8)〜(12) 樹脂製造例(7)におけるモノマー組成比及び反応条件
を代えて樹脂J,K,L,M及びNを調製した。
【0241】樹脂I〜Nにおける各物性を表5に示す。
【0242】
【表5】 比較樹脂製造例(3)及び(4)
【0243】
【表6】 上記の表6の比較樹脂製造例3及び4の原料を用いて、
一般的に知られている溶液重合によってMn1050
0、Mw24000及びTg58.5℃を有するランダ
ム共重合体o及びMn27000、Mw73000及び
Tg63℃を有するランダム共重合体pを得た。
【0244】得られたランダム共重合体oを樹脂Oと
し、ランダム共重合体pを樹脂Pとする。
【0245】実施例7 樹脂製造例(7)の樹脂I 100重量部 ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体 4.0重量部 構造式(1)で示される構造を有する 5.0重量部 銅フタロシアニン顔料 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕,微粉砕,分級し青色トナーを得た。得られた青色
トナー100重量部に対して流動性向上剤としてヘキサ
メチルジシラザンで処理したシリカ微粉末0.5重量部
及び酸化アルミニウム微粉末0.2重量部を添加混合し
た。
【0246】キャリアとしては、スチレン−アクリル酸
2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量
比50:20:30)を0.5重量%コーティングした
Cu−Zn−Fe系フェライトキャリア(平均粒径45
μm,250メッシュパス400メッシュオン87重量
%)を用い、トナー濃度が6.0重量%になるよう前記
外添剤含有青色トナーに混合し、二成分系現像剤を調製
した。
【0247】調製した二成分系現像剤及びトナーを用い
てキヤノン製フルカラー複写機CLC−500で現像転
写させただけの未定着画像を得、これを外部定着機にて
定着テストした。
【0248】その結果、混色可能な定着温度領域は12
0〜235℃であった。
【0249】上記の二成分系現像剤を用いてCLC−5
00で画出し試験を行った。
【0250】その結果、単色モードで1万枚の耐刷後で
も定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリのない
オリジナルカラーチャートを忠実に再現するフルカラー
画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良好で安
定した画像濃度が得られた。
【0251】OHPフィルムを使用した場合もトナーの
透過性は非常に好ましいものであった。
【0252】45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナ
ーのブロッキング状態を観察したが変化は全く見られ
ず、良好な流動性を有していた。
【0253】実施例8 樹脂Iを樹脂Jに代えた以外は実施例7と同様にして二
成分系現像剤を調製し、同様に試験を行なった。
【0254】実施例7及び8の結果を表7に示す。
【0255】実施例9 樹脂製造例(7)の樹脂I 100重量部 構造式(2)で示される荷電制御剤 2重量部 カーボンブラック(粒径60mμ) 3.5重量部 上記の原料を用いる以外は実施例7と同様にして、二成
分系現像剤を調製し、同様に試験を行なった。
【0256】実施例10及び比較例3 樹脂Iを樹脂M及びOに代えた以外は実施例9と同様に
して二成分系現像剤を調製し、同様に試験を行なった。
【0257】実施例9,10及び比較例3の結果を表7
に示す。
【0258】
【表7】 実施例11 樹脂製造例の樹脂K 100重量部 磁性酸化鉄 70重量部 ジ−ターシャリブチルサリチル酸のクロム錯体 2重量部 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕,微粉砕,分級し黒色磁性トナーを得た。得られた
黒色トナー100重量部に対して流動性向上剤として負
荷電性疎水化処理乾式シリカ0.6重量部を添加混合し
て一成分系現像剤を調製した。
【0259】調製した一成分系現像剤を用いてキヤノン
製複写機NP−270で未定着画像を得、これを外部定
着機にて定着テストした。その結果定着可能領域は13
0〜230℃であった。上記の一成分系現像剤及び複写
機を用いて画出し試験を行った。その結果、1万枚の耐
刷後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリ
やとびちりのない良好な画像が得られた。
【0260】実施例7と同様に耐ブロッキング性も良好
であった。
【0261】実施例12,13及び比較例4 樹脂Kを樹脂L,N及びPに代えた以外は実施例11と
同様に一成分系現像剤を調製し、同様に試験を行なっ
た。
【0262】実施例11,12,13及び比較例4の結
果を表8に示す。
【0263】
【表8】 樹脂製造例(13) 一段目の重合 スチレン 400重量部 アクリル酸n−ブチル 200重量部 下記構造式(1)で示された重合開始剤 50重量部
【0264】
【化15】 トルエン 500重量部 上記の原料をガラス製反応容器に入れ、器内を充分窒素
置換した後密栓し、反応器から15cm離れた所に40
0Wの紫外線ランプを置き15時間重合反応を行なっ
た。
【0265】反応後一部採取し、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィ(GPC)により分子量を測定したと
ころ、数平均分子量(Mn)2500、重量平均分子量
(Mw)5100のスチレン−アクリル酸n−ブチル共
重合体(Tg32℃)が得られた。
【0266】二段目の重合 一段目の重合反応後の反応容器にスチレン720重量
部、メタクリル酸n−ブチル480重量部及びトルエン
1500重量部を加えた。反応容器中の一段目の重合で
得られた共重合体は、紫外線照射によって一方の末端部
にラジカルが発生するため、再度重合開始剤を加えなく
ともAB型ブロック共重合体を生成するための二段目の
重合反応を行なうことができる。反応容器中の組成を下
記に示す。
【0267】 1段目で生成した共重合体 600重量部 スチレン 720重量部 メタクリル酸n−ブチル 480重量部 トルエン 2000重量部 これらを混合溶解させたのち、一段目と同様な条件下で
15時間紫外線照射して二段目の重合を行ない、AB型
ブロック共重合体を得た。
【0268】反応後、ヘキサンを用いてこのAB型ブロ
ック共重合体を再沈精製し、減圧乾燥した。この共重合
体のGPCによるMnは6200、Mwは12500で
あり、Tgは57℃であった。ここで得られた、AB型
ブロック共重合体を樹脂Qとする。
【0269】樹脂製造例(14)〜(18) 樹脂製造例(13)におけるモノマー組成比及び反応条
件を代えて樹脂R,S,T,U及びVを調製した。
【0270】樹脂Q〜Vにおける各物性を表9に示す。
【0271】
【表9】 比較用樹脂製造例(5)及び(6)
【0272】
【表10】 上記の表10の比較樹脂製造例5及び6の原料を用い
て、一般的に知られている溶液重合によってMn120
00、Mw29000及びTg59℃を有するランダム
共重合体w及びMn25000、Mw78000及びT
g62℃を有するランダム共重合体xを得た。
【0273】得られたランダム共重合体wを樹脂Wと
し、ランダム共重合体xを樹脂Xとする。
【0274】実施例14 樹脂製造例(13)の樹脂Q 100重量部 ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体 4.0重量部 構造式(1)で示される構造を有する 5.0重量部 銅フタロシアニン顔料 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕、微粉砕、分級し青色トナーを得た。得られた青色
トナー100重量部に対して流動向上剤としてヘキサメ
チルジシラザンで処理したシリカ微粉末0.5部及び酸
化アルミニウム微粉末を0.2部を添加混合した。
【0275】キャリアとしては、スチレン−アクリル2
−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比
50:20:30)を0.5重量%コーティングしたC
u−Zn−Fe系フェライトキャリア(平均粒径45μ
m、250メッシュパス400メッシュオン87重量
%)を用い、トナー濃度が6.0重量%になるよう前記
外添剤含有青色トナーに混合し、二成分系現像剤を調製
した。
【0276】調製した二成分系現像剤及びトナーを用い
てキヤノン製フルカラー複写機CLC−500で現像転
写させただけの未定着画像を得、これを外部定着機にて
定着テストした。
【0277】その結果、混色可能な定着温度領域は12
0〜210℃であった。
【0278】上記の二成分系現像剤を用いてCLC−5
00で画出し試験を行った。
【0279】その結果、単色モードで1.0万枚の耐刷
後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリの
ないオリジナルカラーチャートを忠実に再現するフルカ
ラー画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良好
で安定した画像濃度が得られた。
【0280】OHPフィルムを使用した場合もトナーの
透過性は非常に好ましいものであった。
【0281】45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナ
ーのブロッキング状態を観察したが変化は全く見られ
ず、良好な流動性を有していた。実施例15,16及び比較例5 樹脂Qを樹脂R,V及びWに代えた以外は実施例14と
同様にして、二成分系現像剤を調製し、同様に試験を行
なった。
【0282】実施例17 樹脂製造例(13)の樹脂Q 100重量部 構造式(2)で示される構造を有するアゾ系クロム錯体 2重量部 カーボンブラック(粒径60mμ) 3.5重量部 上記の原料を用いる以外は実施例14と同様にして、二
成分系現像剤を調製し、同様に試験を行なった。
【0283】実施例14〜17及び比較例5の結果を表
11に示す。
【0284】
【表11】 実施例18 樹脂製造例(15)の樹脂S 100重量部 磁性酸化鉄 70重量部 ニグロシン 2重量部 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕、微粉砕、分級し黒色磁性トナーを得た。得られた
黒色トナー100重量部に対して流動向上剤として正荷
電性疎水化処理乾式シリカ0.6部を添加混合して一成
分系現像剤を調製した。
【0285】調製した一成分系現像剤を用いてキヤノン
製複写機NP−4835で未定着画像を得、これを外部
定着機にて定着テストした。その結果、定着可能領域は
130〜220℃であった。上記の一成分系現像剤及び
複写機を用いて画出し試験を行った。その結果、1.0
万枚の耐刷後でも定着ロールへのオフセットは全くな
く、カブリやとびちりのない良好な画像が得られた。
【0286】実施例14と同様に耐ブロッキング性も良
好であった。
【0287】実施例19,20及び比較例6 樹脂Sを樹脂T,V及びXに代えた以外は実施例17と
同様にして一成分系現像剤を調製し、同様に試験を行な
った。
【0288】実施例18,19,20及び比較例6の結
果を表12に示す。
【0289】
【表12】 樹脂製造例(19) 一段目の重合 スチレン 190重量部 メタクリル酸n−ブチル 360重量部 マレイン酸モノブチルエステル 50重量部 下記構造式(1)で示された重合開始剤 50重量部
【0290】
【化16】 トルエン 500重量部 上記の原料をガラス製反応容器に入れ、器内を充分窒素
置換した後密栓し、反応器から15cm離れた所に40
0Wの紫外線ランプを置き15時間重合反応を行なっ
た。
【0291】反応後一部採取し、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィ(GPC)により分子量を測定したと
ころ、数平均分子量(Mn)1900、重量平均分子量
(Mw)3900のスチレン−メタクリル酸ブチル−マ
レイン酸モノブチル共重合体(Tg33℃)が得られ
た。
【0292】二段目の重合 一段目の重合反応後の反応容器にスチレン612重量
部,メタクリル酸n−ブチル480重量部,マレイン酸
モノブチルエステル108重量部及びトルエン1500
重量部を加えた。反応容器中の一段目の重合で得られた
共重合体は、紫外線照射によって一方の末端部にラジカ
ルが発生するため、再度重合開始剤を加えなくともAB
型ブロック共重合体を生成するための二段目の重合反応
を行なうことができる。反応容器中の組成を下記に示
す。
【0293】 一段目で生成した共重合体 600重量部 スチレン 612重量部 メタクリル酸n−ブチル 480重量部 マレイン酸モノブチルエステル 108重量部 トルエン 2000重量部 これらを混合溶解させたのち、一段目と同様な条件下で
15時間紫外線照射して二段目の重合を行ない、AB型
ブロック共重合体を得た。
【0294】反応後、ヘキサンを用いてこのAB型ブロ
ック共重合体を再沈精製し、減圧乾燥した。この共重合
体のGPCによるMnは6200、Mwは13000で
あり、Tgは57℃であった。ここで得られたAB型ブ
ロック共重合体を樹脂YAとする。
【0295】樹脂製造例(20)〜(24) 樹脂製造例(19)におけるモノマー組成比及び反応条
件を代えて樹脂YB,YC,YD,YE及びYFを調製
した。
【0296】樹脂YA〜YFにおける各物性を表13に
示す。
【0297】
【表13】 比較樹脂製造例(7)及び(8)
【0298】
【表14】 上記の表14の比較樹脂製造例7及び8の原料を用い
て、一般的に知られている溶液重合によってMn110
00、Mw27000及びTg60℃を有するランダム
共重合体yg及びMn23500、Mw79000及び
Tg61℃を有するランダム共重合体yhを得た。
【0299】得られたランダム共重合体ygを樹脂YG
とし、ランダム共重合体yhを樹脂YHとする。
【0300】実施例21 樹脂製造例(19)の樹脂YA 100重量部 ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体 4.0重量部 構造式(1)で示される構造を有する 5.0重量部 銅フタロシアニン顔料 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕,微粉砕,分級し青色トナーを得た。得られた青色
トナー100重量部に対して流動性向上剤としてヘキサ
メチルジシラザンで処理したシリカ微粉末0.5重量部
及び酸化アルミニウム微粉末を0.2重量部を添加混合
した。
【0301】キャリアとしては、スチレン−アクリル酸
2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量
比50:20:30)を0.5重量%コーティングした
Cu−Zn−Fe系フェライトキャリア(平均粒径45
μm,250メッシュパス400メッシュオン87重量
%)を用い、トナー濃度が6.0重量%になるよう前記
外添剤含有青色トナーに混合し、二成分系現像剤を調製
した。
【0302】調製した二成分系現像剤及びトナーを用い
てキヤノン製フルカラー複写機CLC−500で現像転
写させただけの未定着画像を得、これを外部定着機にて
定着テストした。
【0303】その結果、混色可能な定着温度領域は12
5〜225℃であった。
【0304】上記の二成分系現像剤を用いてCLC−5
00で画出し試験を行った。
【0305】その結果、単色モードで1万枚の耐刷後で
も定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリのない
オリジナルカラーチャートを忠実に再現するフルカラー
画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良好で安
定した画像濃度が得られた。
【0306】OHPフィルムを使用した場合もトナーの
透過性は非常に好ましいものであった。
【0307】45℃の熱風乾燥器に1日放置してトナー
のブロッキング状態を見たが、変化は全く見られず、良
好な流動性を有していた。
【0308】実施例22 樹脂YAを樹脂YBに代えた以外は実施例21と同様に
して二成分系現像剤を調製し、同様に試験を行なった。
【0309】実施例23 樹脂製造例(19)の樹脂YA 100重量部 構造式(2)で示される荷電制御剤 2重量部 カーボンブラック(粒径60mμ) 3.5重量部 上記の原料を用いる以外は実施例21と同様にして、二
成分系現像剤を調製し、同様に試験を行なった。
【0310】実施例24及び比較例7 樹脂YAを樹脂YE及びYGに代えた以外は実施例21
と同様にして、二成分系現像剤を調製し、同様にして試
験を行なった。
【0311】実施例21〜24及び比較例7の結果を表
15に示す。
【0312】
【表15】 実施例25 樹脂製造例(21)の樹脂YC 100重量部 磁性酸化鉄 70重量部 ジ−ターシャリブチルサリチル酸のクロム錯体 2重量部 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕,微粉砕,分級し黒色磁性トナーを得た。得られた
黒色磁性トナー100重量部に対して流動性向上剤とし
て負荷電性疎水化処理乾式シリカ0.6重量部を添加混
合して一成分系現像剤を調製した。
【0313】調製した一成分系現像剤を用いてキヤノン
製複写機NP−270で未定着画像を得、これを外部定
着機にて定着テストした。その結果定着可能領域は12
0〜220℃であった。上記の一成分系現像剤及び複写
機を用いて画出し試験を行った。その結果、1万枚の耐
刷後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリ
やとびちりのない良好な画像が得られた。
【0314】実施例21と同様に耐ブロッキング性も良
好であった。
【0315】実施例26,27及び比較例8 樹脂YCを樹脂YD,YF及びYHに代えること以外は
実施例25と同様にして一成分系現像剤を調製し、試験
を行なった。
【0316】実施例25〜27及び比較例8の結果を表
16に示す。
【0317】
【表16】 樹脂製造例(25) 一段目の重合 スチレン 400重量部 アクリル酸n−ブチル 200重量部 下記構造式(1)で示された重合開始剤 54重量部
【0318】
【化17】 トルエン 500重量部 上記の原料をガラス製反応容器に入れ、器内を充分窒素
置換した後密栓し反応器から15cm離れた所に400
Wの紫外線ランプを置き15時間重合反応を行なった。
【0319】反応後一部採取し、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィ(GPC)により分子量を測定したと
ころ、数平均分子量(Mn)2000、重量平均分子量
(Mw)4100のスチレン−アクリル酸n−ブチル共
重合体(Tg32℃)が得られた。
【0320】二段目の重合 一段目の重合反応後の反応容器にスチレン1020重量
部,アクリル酸n−ブチル180重量部及びトルエン1
500重量部を加えた。反応容器中の一段目の重合で得
られた共重合体は、紫外線照射によって一方の末端部に
ラジカルが発生するため、再度重合開始剤を加えなくと
もAB型ブロック共重合体を生成するための二段目の重
合反応を行なうことができる。反応容器中の組成を下記
に示す。
【0321】 一段目で生成した共重合体 600重量部 スチレン 1020重量部 アクリル酸n−ブチル 180重量部 トルエン 2000重量部 これらを混合溶解させたのち、一段目と同様な条件下で
15時間紫外線照射して二段目の重合を行ない、AB型
ブロック共重合体を得た。
【0322】反応後、ヘキサンを用いてこのAB型ブロ
ック共重合体を再沈精製し、減圧乾燥した。この共重合
体のGPCによるMnは5800、Mwは10500で
あり、Tgは53.5℃であった。ここで得られた、A
B型ブロック共重合体を樹脂YIとする。
【0323】樹脂製造例(26)〜(30) 樹脂製造例(25)におけるモノマー組成比及び反応条
件を代えて樹脂YJ,YK,YL,YM及びYNを調製
した。
【0324】樹脂YI〜YNにおける各物性を表17に
示す。
【0325】
【表17】 比較樹脂製造例(9)及び(10)
【0326】
【表18】 上記の表18の比較樹脂製造例9及び10の原料を用い
て、一般に知られている溶液重合によってMn1400
0、Mw32000及びTg55.5℃を有するランダ
ム共重合体yo及びMn25000、Mw80000及
びTg55℃を有するランダム共重合体ypを得た。
【0327】得られたランダム共重合体yoを樹脂YO
とし、ランダム共重合体ypを樹脂YPとする。
【0328】実施例28 樹脂製造例(25)の樹脂YI 100重量部 ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体 4.0重量部 構造式(1)で示される構造を有する 5.0重量部 銅フタロシアニン顔料 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕,微粉砕,分級し青色トナーを得た。得られた青色
トナー100重量部に対して流動性向上剤としてヘキサ
メチルジシラザンで処理したシリカ微粉末0.5重量部
及び酸化アルミニウム微粉末を0.2重量部を添加混合
した。
【0329】キャリアとしては、スチレン−アクリル酸
2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量
比50:20:30)を0.5重量%コーティングした
Cu−Zn−Fe系フェライトキャリア(平均粒径45
μm,250メッシュパス400メッシュオン87重量
%)を用い、トナー濃度が6.0重量%になるよう前記
外添剤含有青色トナーに混合し、二成分系現像剤を調製
した。
【0330】調整した二成分系現像剤及びトナーを用い
てキヤノン製フルカラー複写機CLC−500で現像転
写させただけの未定着画像を得、これを外部定着機にて
定着テストした。
【0331】その結果、混色可能な定着温度領域は12
0〜200℃であった。
【0332】上記の二成分系現像剤を用いてCLC−5
00で画出し試験を行った。
【0333】その結果、単色モードで1万枚の耐刷後で
も定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリのない
オリジナルカラーチャートを忠実に再現するフルカラー
画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良好で安
定した画像濃度が得られた。
【0334】OHPフィルムを使用した場合もトナーの
透過性は非常に好ましいものであった。
【0335】45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナ
ーのブロッキング状態を観察したが変化は全く見られ
ず、良好な流動性を有していた。実施例29,30及び比較例9 樹脂YIを樹脂YJ,YM及びYOに代えた以外は実施
例28と同様にして二成分系現像剤を調製し、同様に試
験を行なった。
【0336】実施例28〜30及び比較例9の結果を表
19に示す。
【0337】
【表19】 実施例31 樹脂製造例(27)の樹脂YK 100重量部 磁性酸化鉄 70重量部 ニグロシン 2重量部 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕,微粉砕,分級し黒色磁性トナーを得た。得られた
黒色磁性トナー100重量部に対して流動性向上剤とし
て正荷電性疎水化処理乾式シリカ0.6重量部を添加混
合して一成分系現像剤を調製した。
【0338】調製した一成分系現像剤を用いてキヤノン
製複写機NP−4835で未定着画像を得、これを外部
定着機にて定着テストした。その結果、定着可能領域は
125〜215℃であった。上記の一成分系現像剤及び
複写機を用いて画出し試験を行った。その結果、1万枚
の耐刷後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カ
ブリやとびちりのない良好な画像が得られた。
【0339】実施例28と同様に耐ブロッキング性も良
好であった。
【0340】実施例32,33及び比較例10 樹脂YKを樹脂YL,YN及びYPに代えること以外
は、実施例31と同様にして一成分系現像剤を調製し、
同様に試験を行なった。
【0341】実施例31〜33及び比較例10の結果を
表20に示す。
【0342】
【表20】 樹脂製造例(31) 一段目の重合 スチレン 240重量部 メタクリル酸n−ブチル 360重量部 下記構造式(1)で示された重合開始剤 50重量部
【0343】
【化18】 トルエン 500重量部 上記原料をガラス製反応容器に入れ、器内を充分窒素置
換した後密栓し、反応器から15cm離れた所に400
Wの紫外線ランプを置き15時間重合反応を行なった。
【0344】反応後一部採取し、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィ(GPC)により分子量を測定したと
ころ、数平均分子量(Mn)2200、重量平均分子量
(Mw)4900のスチレン−メタクリル酸n−ブチル
系共重合体(Tg34℃)が得られた。
【0345】二段目の重合 一段目の重合反応後の反応容器にスチレン720重量
部、メタクリル酸n−ブチル480重量部及びトルエン
1500重量部を加えた。反応容器中の一段目の重合で
得られた共重合体は、紫外線照射によって一方の末端部
にラジカルが発生するため、再度重合開始剤を加えなく
ともAB型ブロック共重合体を生成するための二段目の
重合反応を行なうことができる。反応容器中の組成を下
記に示す。
【0346】 1段目で生成したスチレン−メタクリル酸 600重量部 n−ブチル系共重合体 スチレン 720重量部 メタクリル酸n−ブチル 480重量部 トルエン 2000重量部 これらを混合溶解させたのち、一段目と同様な条件下で
15時間紫外線照射して二段目の重合を行ない、AB型
ブロック共重合体を得た。
【0347】反応後、ヘキサンを用いてこのAB型ブロ
ック共重合体を再沈精製し、減圧乾燥した。この共重合
体のGPCによるMnは6500、Mwは13500で
あり、Tgは55℃であった。ここで得られた、AB型
ブロック共重合体を樹脂YPとする。
【0348】樹脂製造例(32)〜(35) 樹脂製造例(31)におけるモノマー組成比及び反応条
件を代えて樹脂YQ,YR,YS及びYTを調製した。
【0349】樹脂YP〜YTにおける各物性を表21に
示す。
【0350】
【表21】 比較樹脂製造例(11)及び(12)
【0351】
【表22】 上記の表22の比較樹脂製造例11及び12の原料を用
いて、一般に知られている溶液重合によってMn125
00、Mw31000及びTg58℃を有するランダム
共重合体yu及びMn20000、Mw72000及び
Tg60℃を有するランダム共重合体yvを得た。
【0352】得られたランダム共重合体yuを樹脂YU
とし、ランダム共重合体yvを樹脂YVとする。
【0353】実施例34 樹脂製造例(31)の樹脂YP 100重量部 ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体 4.0重量部 構造式(1)式で示される構造を有する 5.0重量部 銅フタロシアニン顔料 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕、微粉砕、分級し青色トナーを得た。得られた青色
トナー100重量部に対して流動性向上剤としてヘキサ
メチルジシラザンで処理したシリカ微粉末0.5重量部
及び酸化アルミニウム微粉末0.2重量部を添加混合し
た。
【0354】キャリアとしては、スチレン−アクリル酸
2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量
比50:20:30)を0.5重量%コーティングした
Cu−Zn−Fe系フェライトキャリア(平均粒径45
μm、250メッシュパス400メッシュオン87重量
%)を用い、トナー濃度が6.0重量%になるよう前記
外添剤含有青色トナーに混合し、二成分系現像剤を調製
した。
【0355】調製した二成分系現像剤及びトナーを用い
てキヤノン製フルカラー複写機CLC−500で現像転
写させただけの未定着画像を得、これを外部定着機にて
定着テストした。
【0356】その結果、混色可能な定着温度領域は12
5〜220℃であった。
【0357】上記の二成分系現像剤を用いてCLC−5
00で画出し試験を行った。
【0358】その結果、単色モードで1万枚の耐刷後で
も定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリのない
オリジナルカラーチャートを忠実に再現するフルカラー
画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良好で安
定した画像濃度が得られた。
【0359】OHPフィルムを使用した場合もトナーの
透過性は非常に好ましいものであった。
【0360】45℃の熱風乾燥器に1日放置してトナー
のブロッキング状態を見たが、変化は全く見られず、良
好な流動性を有していた。
【0361】実施例35,36及び比較例11 樹脂YPを樹脂YQ,YT及びYUに代えた以外は実施
例34と同様にして二成分系現像剤を調製し、同様に試
験を行なった。
【0362】実施例34〜36及び比較例11の結果を
表23に示す。
【0363】
【表23】 実施例37 樹脂製造例(33)の樹脂YR 100重量部 磁性酸化鉄 70重量部 ニグロシン 2重量部 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕、微粉砕、分級し黒色磁性トナーを得た。得られた
黒色磁性トナー100重量部に対して流動性向上剤とし
て正荷電性疎水化処理乾式シリカ0.6重量部を添加混
合して一成分系現像剤を調製した。
【0364】調製した一成分系現像剤を用いてキヤノン
製複写機NP−4835を用いて未定着画像を得、これ
を外部定着機にて定着テストした。その結果定着可能領
域は120〜200℃であった。上記の一成分系現像剤
及び複写機を用いて画出し試験を行った。その結果、1
万枚の耐刷後でも定着ロールへのオフセットは全くな
く、カブリやとびちりのない良好な画像が得られた。
【0365】実施例34と同様に耐ブロッキング性も良
好であった。
【0366】実施例38及び比較例12 樹脂YRを樹脂YS及びYVに代えること以外は、実施
例37と同様にして一成分系現像剤を調製し、同様に試
験を行なった。
【0367】実施例37,38及び比較例12の結果を
表24に示す。
【0368】
【表24】 樹脂製造例(36) 一段目の重合 スチレン 500重量部 ブタジエン 60重量部 アクリル酸n−ブチル 40重量部 下記構造式(1)で示される重合開始剤 60重量部
【0369】
【化19】 トルエン 500重量部 上記原料をガラス製反応容器に入れ、器内を充分窒素置
換した後密栓し、反応器から15cm離れた所に400
Wの紫外線ランプを置き15時間重合反応を行なった。
【0370】反応後一部採取し、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィ(GPC)により分子量を測定したと
ころ、数平均分子量(Mn)3500、重量平均分子量
(Mw)7000のスチレン−アクリル酸n−ブチル系
共重合体(Tg65℃)が得られた。
【0371】二段目の重合 一段目の重合反応後の反応容器にスチレン330重量
部、ブタジエン40重量部、アクリル酸30重量部及び
トルエン1000重量部を加えた。反応容器中の一段目
の重合で得られた共重合体は、紫外線照射によって一方
の末端部にラジカルが発生するため、再度重合開始剤を
加えなくともAB型ブロック共重合体を生成するための
二段目の重合反応を行なうことができる。反応容器中の
組成を下記に示す。
【0372】 1段目で生成したポリマー 500重量部 スチレン 330重量部 ブタジエン 40重量部 アクリル酸 30重量部 トルエン 1000重量部 これらを混合溶解させたのち、一段目と同様な条件下で
15時間紫外線照射して二段目の重合を行ない、AB型
ブロック共重合体を得た。
【0373】反応後、ヘキサンを用いてこのAB型ブロ
ック共重合体を再沈精製し、減圧乾燥した。この共重合
体のGPCによるMnは6500、Mwは14000で
あり、Tgは58℃であった。ここで得られた、AB型
ブロック共重合体を樹脂YQとする。
【0374】樹脂製造例(37)〜(42) 樹脂製造例(36)における開始剤量、モノマーの種類
及び量を代えて樹脂YR,YS,YT,YU,YV及び
YWを調製した。
【0375】樹脂YQ〜YWにおける各物性を表25に
示す。
【0376】
【表25】 比較樹脂製造例(13)及び(14)
【0377】
【表26】 上記の表26の比較樹脂製造例13及び14の原料を用
いて、一般的に知られている溶液重合によってMn68
00、Mw18300及びTg57℃を有するランダム
共重合体yx及びMn22000、Mw67000及び
Tg61℃を有するランダム共重合体yyを得た。
【0378】得られたランダム共重合体yxを樹脂YX
とし、ランダム共重合体yyを樹脂YYとする。
【0379】実施例39 樹脂製造例(36)の樹脂YQ 100重量部 ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体 4.0重量部 構造式(1)で示される構造を有する 5.0重量部 銅フタロシアニン顔料 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕、微粉砕、分級し青色トナーを得た。得られた青色
トナー100重量部に対して流動性向上剤としてヘキサ
メチルジシラザンで処理したシリカ微粉末0.5重量部
及び酸化アルミニウム微粉末0.2重量部を添加混合し
た。
【0380】キャリアとしては、スチレン−アクリル酸
2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量
比50:20:30)を0.5重量%コーティングした
Cu−Zn−Fe系フェライトキャリア(平均粒径45
μm、250メッシュパス400メッシュオン87重量
%)を用い、トナー濃度が6.0重量%になるよう前記
外添剤含有青色トナーに混合し、二成分系現像剤を調製
した。
【0381】調製した二成分系現像剤及びトナーを用い
てキヤノン製フルカラー複写機CLC−500で現像転
写させただけの未定着画像を得、これを外部定着機にて
定着テストした。
【0382】その結果、混色可能な定着温度領域は13
5〜205℃であった。
【0383】上記の二成分系現像剤を用いてCLC−5
00で画出し試験を行った。
【0384】その結果、単色モードで1万枚の耐刷後で
も定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリのない
オリジナルカラーチャートを忠実に再現するフルカラー
画像が得られた。複写機内のトナーの搬送性は良好で安
定した画像濃度が得られた。
【0385】OHPフィルムを使用した場合もトナーの
透過性は非常に好ましいものであった。
【0386】45℃の熱風乾燥器に1日放置してトナー
のブロッキング状態を観察したが変化は全く見られず、
良好な流動性を有していた。
【0387】実施例40,41及び比較例13 樹脂YQを樹脂YR,YU及びYXに代えた以外は実施
例39と同様にして二成分系現像剤を調製し、同様に試
験を行なった。
【0388】実施例39〜41及び比較例13の結果を
表27に示す。
【0389】
【表27】 実施例42 樹脂製造例(38)の樹脂YS 100重量部 磁性酸化鉄 70重量部 ニグロシン 2重量部 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕、微粉砕、分級し黒色磁性トナーを得た。得られた
黒色磁性トナー100重量部に対して流動性向上剤とし
て正荷電性疎水化処理乾式シリカ0.6重量部を添加混
合して一成分系現像剤を調製した。
【0390】調製した一成分系現像剤を用いてキヤノン
製複写機NP−4835で未定着画像を得、これを外部
定着機にて定着テストした。その結果定着可能領域は1
35〜215℃であった。上記の一成分系現像剤及び複
写機を用いて画出し試験を行った。その結果、10万枚
の耐刷後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カ
ブリやとびちりのない良好な画像が得られた。
【0391】実施例39と同様に耐ブロッキング性も良
好であった。
【0392】実施例43,44,45及び比較例14 樹脂YSを樹脂YT,YV,YW及びYYに代えること
以外は、実施例42と同様にして一成分系現像剤を調製
し、同様に試験を行なった。
【0393】実施例42〜45及び比較例14の結果を
表28に示す。
【0394】
【表28】 樹脂製造例(43) 一段目の重合 スチレン 370重量部 アクリル酸n−ブチル 200重量部 アクリル酸 30重量部 下記構造式(1)で示された重合開始剤 60重量部
【0395】
【化20】 トルエン 500重量部 上記の原料をガラス製反応容器に入れ、器内を充分窒素
置換した後密栓し反応器から15cm離れた所に400
Wの紫外線ランプを置き15時間重合反応を行なった。
【0396】反応後一部採取し、GPCにより分子量を
測定したところ、数平均分子量(Mn)2300、重量
平均分子量(Mw)5300なるものが得られた。
【0397】二段目の重合 一段目の重合反応後の反応容器にスチレン465重量
部、アクリル酸n−ブチル90重量部、アクリル酸45
重量部及びトルエン1000重量部を加えた。反応容器
中の一段目の重合で得られた共重合体は、紫外線照射に
よって一方の末端部にラジカルが発生するため、再度重
合開始剤加えなくともAB型ブロック共重合体を生成す
るための二段目の重合反応を行なうことができる。反応
容器中の組成を下記に示す。
【0398】 一段目で生成した共重合体 300重量部 スチレン 465重量部 アクリル酸n−ブチル 90重量部 アクリル酸 45重量部 トルエン 1000重量部 これらを混合溶解させたのち、一段目と同様な条件下で
15時間紫外線照射して二段目の重合を行ない、AB型
ブロック共重合体を得た。
【0399】反応後、ヘキサンを用いてこのAB型ブロ
ック共重合体を再沈精製し、減圧乾燥した。この共重合
体のGPCによるMnは6100、Mwは12500で
あり、Tgは55.0℃であった。ここで得られた、A
B型ブロック共重合体を樹脂XAとする。
【0400】樹脂製造例(44)〜(49) 樹脂製造例(43)におけるモノマー組成比及び反応条
件を代えて樹脂XB,XC,XD,XE,XF及びXG
を調製した。
【0401】樹脂XA〜XGにおける各物性を表29に
示す。
【0402】
【表29】 比較樹脂製造例(15)及び(16)
【0403】
【表30】 上記の表30の比較樹脂製造例15及び16の原料を用
いて、一般的に知られている溶液重合によってMn11
000、Mw26000及びTg57.5℃を有するラ
ンダム共重合体xh及びMn23500、Mw2800
0及びTg60℃を有するランダム共重合体xiを得
た。
【0404】得られたランダム共重合体xhを樹脂XH
とし、ランダム共重合体xiを樹脂XIとする。
【0405】実施例46 樹脂製造例(43)の樹脂XA 100重量部 フタロシアニン顔料 5重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4重量部 上記の原料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を
行い、3本ロールミルで少なくとも2回以上溶融混練
し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗
粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微
粉砕した。得られた微粉砕物を分級して本発明の好まし
い粒度分布となるように2〜10μmを選択し青色トナ
ーを得た。この青色トナーは、下記の粒度分布を示して
いた。
【0406】 重量平均径が 8.2μ 5μ以下が 29個数% 12.7〜16μが 1.8体積% 16μ以上が 実質上0% (V×dv)/Nが (64×8.0)/46=1
1.1 次に比表面積200m2 /gのケイ酸微粉体アエロジル
#200(日本アエロジル社製)100重量部にヘキサ
メチルジシラザン(HMDS)20重量部で処理を行っ
た後、ジメチルシリコンオイルKF−96 100cs
(信越化学製)10重量部を溶剤で希釈したもので処理
を行い、乾燥後約250℃で加熱処理を行い、ヘキサメ
チルジシラザン処理後ジメチルシリコンオイルで処理さ
れたケイ酸微粉体を得、前述の青色トナー100重量部
に対し0.4重量部外添した。
【0407】上記の外添剤含有青色トナー5重量部に対
し、スチレン50%、メチルメタクリレート20%、2
エチルヘキシルアクリレート30%からなる共重合体
(数平均分子量21250、重量平均分子量5236
0)を重量平均粒径45μ、35μ以下4.2%、35
〜40μ、9.5%、34μ以上0.2%の粒度分布を
有するCu−Zn−Fe系フェライトキャリアに0.5
%コーティングしたキャリアを総量100重量部になる
ように混合し二成分系現像剤を調製した。
【0408】調製した二成分系現像剤を用いて、市販の
普通紙カラー複写機(カラーレーザーコピア500、キ
ヤノン製)の帯電装置を図3の構成となるように改造
し、画出しを行った。図3において、帯電ローラー4の
外径は、12mmφであり、導電ゴム層4bはEPD
M、表面層4cには厚み10μmのナイロン系樹脂を用
いた。帯電ローラー4の硬度は54.5°(ASKER
−C)とした。
【0409】現像コントラストは、 23℃/65%下で270V 20℃/10%下で330V 30℃/80%下で250V となるよう、印加電圧を調整して行った。
【0410】その結果、各環境で得られた画像は、画像
濃度1.45〜1.55と安定でかつ、カブリも全くな
い鮮明なものであった。さらに、クリーニング不良も発
生せず、帯電効率の低下も認められなかった。
【0411】単色モードで1.0万枚の耐刷後でも定着
ロールへのオフセットは全くなく、OHPフィルムを使
用した場合もトナーの透過性は非常に好ましいものであ
った。
【0412】45℃の熱風乾燥器に1日放置して、トナ
ーのブロッキング状態を観察したが変化は全く見られ
ず、良好な流動性を有していた。
【0413】フルカラー複写機CLC−500の改造機
で現像転写させただけの未定着画像を外部定着機にて定
着させたところ混色可能な定着温度領域は120〜21
5℃と広いものであった。
【0414】実施例47,48及び比較例15 樹脂XAを樹脂XB,XE及びXHに代えた以外は実施
例46と同様にして二成分系現像剤を調製し、同様に試
験を行なった。
【0415】実施例46〜48及び比較例5の結果を表
31に示す。
【0416】
【表31】 実施例49 実施例46の帯電装置において表面層102cをPVD
F樹脂とする以外は実施例46と同様に行なったところ
良好な結果が得られた。
【0417】実施例50 実施例46で用いた帯電装置のかわりに図5の構成を有
する様に帯電装置を改造したことを除いて同様にして画
出ししたところ、良好な結果が得られた。2万枚の耐久
においても帯電効率の低下も小さく、感光体へのフィル
ミングも発生しなかった。
【0418】実施例51 実施例46の帯電装置において表面層102cを設けな
かった以外は実施例46と同様に画出しを行なったとこ
ろ、感光体上にトナー融着が若干発生した。これは帯電
ローラーのゴムの軟化剤が原因と考えられる。
【0419】実施例52 実施例46においてヘキサメチルジシラザンで表面処理
した後にジメチルシリコンオイルで処理しなかったケイ
酸微粉体を用いたこと以外は実施例46と同様にして画
出ししたところ、高温高湿下での画像は若干かぶりが発
生し、さらに耐久を続けるとトナーの機内の飛散が生じ
始めた。
【0420】実施例53 樹脂製造例(45)の樹脂XC 100重量部 キナクリドン系マゼンタ顔料 5.0重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4.0重量部 を用いて赤色トナーを得た。この赤色トナーは、下記の
粒度分布を有していた。
【0421】 体積平均径が 8.2μ 5μ以下が 28.0個数% 12.7〜16μが 2.2体積% 16μ以上が 実質上0% (V×dv)/Nが (62×8.2)/42=1
2.1 上記の赤色トナー100重量部にγ−アミノプロピルト
リエトキシシランで処理した後にメチルハイドロジエン
シリコーンオイル(商品名TSF484東芝シリコーン
社製)で表面処理したケイ酸微粉体0.5重量部を外添
し一成分系現像剤を調製した。
【0422】上記一成分現像剤を用いて実施例46と同
様にして画出ししたところ高温高湿下、低温低湿下にお
いても安定した画像濃度で(1.35〜1.50)鮮明
な画像が得られ1万枚の耐久においても全く問題が生じ
なかった。
【0423】実施例54〜55及び比較例16〜17 樹脂XCを樹脂XD,XF,XG及びXIに代えること
以外は、実施例53と同様にして一成分系現像剤を調製
し、同様に試験を行なった。
【0424】実施例53〜55及び比較例16〜17の
結果を表32に示す。
【0425】
【表32】 実施例56 樹脂製造例(43)の樹脂XA 100重量部 ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体 4.0重量部 構造式(1)で示される構造を有する 5.0重量部 銅フタロシアニン顔料 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕、微粉砕、分級し青色トナーを得た。得られた青色
トナー100重量部に対して流動性向上剤としてヘキサ
メチルジシラザンで処理したシリカ微粉末0.5重量部
及び酸化アルミニウム微粉末0.2重量部を添加混合し
た。
【0426】キャリアとしては、スチレン−アクリル2
−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比
50:20:30)を0.5重量%コーティングしたC
u−Zn−Fe系フェライトキャリア(平均粒径45μ
m、250メッシュパス400メッシュオン87重量
%)を用い、トナー濃度が6.0重量%になるよう前記
外添剤含有青色トナーに混合し、二成分系現像剤を調製
した。
【0427】調製した二成分系現像剤及びトナーを用い
てキヤノン製フルカラー複写機CLC−500で現像転
写させただけの未定着画像を得、これを外部定着機にて
定着テストした。
【0428】その結果、混色可能な定着温度領域は12
0〜215℃であった。
【0429】上記の二成分系現像剤用いてCLC−50
0で画出し耐久試験を行った。
【0430】耐久にあたっては図6に示した第一弾性
層、耐油層及び耐オフセット層のゴムの伸びがそれぞれ
250%,300%及び500%の定着ローラを装備す
る定着機を用いた。
【0431】その結果、単色モードで1.0万枚の耐刷
後でも定着ロールへのオフセットは全くなく、カブリの
ないオリジナルカラーチャートを忠実に再現するフルカ
ラー画像が得られた。さらに4万枚の耐久を続けても、
各ゴム層間の剥離もなくオフセットも発生しなかった。
又複写機内のトナーの搬送性は良好で安定した画像濃度
が得られた。
【0432】OHPフィルムを使用した場合もトナーの
透過性は非常に好ましいものであった。
【0433】45℃の熱風乾燥器に1日放置してトナー
のブロッキング状態を観察したが変化は全く見られず、
良好な流動性を有していた。
【0434】実施例57,58及び比較例18 樹脂XAを樹脂XB,XE及びXHに代えた以外は実施
例56と同様にして二成分系現像剤を調製し、同様に試
験を行なった。
【0435】実施例56〜58及び比較例18の結果を
表33に示す。
【0436】
【表33】 実施例59 樹脂製造例(45)の樹脂XC 100重量部 キナクリドン顔料 5.0重量部 ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体 2.0重量部 上記の原料をロールミルにより溶融混練し、冷却後、粗
粉砕、微粉砕、分級し赤色トナーを得た。得られた赤色
トナー100重量部に対しシリカ微粉末0.5重量部と
酸化アルミニウム粉末0.2重量部を添加混合した。
【0437】以下実施例58と同様にして定着試験を行
なったところ、定着可能領域は125〜230℃であ
り、CLC−500本体単色モードで5万枚の耐久を行
なっても定着ロールへのオフセットは全くなくカブリや
とびちりのない良好な画像が得られた。実施例58と同
様に耐ブロッキング性を確認したが良好な結果が得られ
た。
【0438】実施例60,61,比較例19及び20 樹脂XCを樹脂XD,XF,XG及びXIに代えた以外
は実施例59と同様にして一成分系現像剤を調製し、同
様に試験を行なった。
【0439】実施例59〜61及び比較例19及び20
の結果を表34に示す。
【0440】
【表34】 比較例21 実施例56にて用いた二成分系現像剤を図6に示した第
一弾性層、耐油層及び耐オフセット層のそれぞれのゴム
の伸びが300,250及び200%の定着ローラを用
いて同様に耐久したところ、1万枚に満たぬうちに各層
間の剥離が起こり耐久を途中で中断した。
【0441】比較例22 図6に示した第一弾性層、耐油層及び耐オフセット層の
それぞれのゴムの伸びが300,250及び200%の
定着ローラを用いたことを除いて実施例56と同様にし
て耐久を行なったところ、耐オフセット層と耐油層との
間に剥離が耐久途中に起こり、これも耐久を途中で中断
した。
【0442】
【発明の効果】本発明によれば、結着樹脂として特定の
AB型のブロック重合体を用い、セグメントAの耐高温
オフセット性とセグメントBの低温定着性とが両立し
得、加熱定着方式に好適なトナーを有する現像剤、該現
像剤を用いた画像形成方法、トナー画像定着方法及び画
像形成装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る摩擦帯電量測定装置の説明図で
ある。
【図2】 本発明の画像形成装置の1実施例の概略を示
す説明図である。
【図3】 本発明に係る帯電手段の1実施例の概略を示
す説明図である。
【図4】 現像工程を説明するための図2の部分拡大図
である。
【図5】 本発明に係る帯電手段の他の実施例の概略を
示す説明図である。
【図6】 本発明に係る定着手段の1実施例の概略を示
す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平2−325528 (32)優先日 平成2年11月29日(1990.11.29) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平2−325529 (32)優先日 平成2年11月29日(1990.11.29) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平2−325530 (32)優先日 平成2年11月29日(1990.11.29) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平2−329628 (32)優先日 平成2年11月30日(1990.11.30) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平2−329630 (32)優先日 平成2年11月30日(1990.11.30) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−26699 (32)優先日 平成3年1月29日(1991.1.29) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 神林 誠 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 兵主 善彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−50216(JP,A) 特開 平4−20512(JP,A) 特開 平4−23816(JP,A) 特開 平4−23817(JP,A) 特開 平3−59569(JP,A) 特開 平3−59570(JP,A) 特開 平3−217849(JP,A) 特許2759537(JP,B2) 特許2704767(JP,B2) 特許2704766(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/087

Claims (34)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂及び磁性粉を含有する磁性トナ
    ーを有する静電荷像現像用一成分系現像剤において、 該結着樹脂は、Aセグメント及びBセグメントを有する
    (AB) n 型ブロック共重合体(n=1)であり、 該Aセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Bセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Aセグメントと該Bセグメントとは、相違する共重合
    体構造を有することを特徴とする静電荷像現像用一成分
    現像剤。
  2. 【請求項2】 AB型ブロック共重合体のAセグメント
    は、スチレン系モノマー及びメタアクリル系モノマーを
    有する共重合体構造を有し、Bセグメントは、スチレン
    系モノマー及びアクリル系モノマーを有する共重合体構
    造を有することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像
    現像用一成分系現像剤。
  3. 【請求項3】 AB型ブロック共重合体のAセグメント
    は、スチレン系モノマー及びメタアクリル系モノマーを
    有する共重合体構造を有し、Bセグメントは、スチレン
    系モノマー及びアクリル系モノマーを有する共重合体構
    造を有し、該Aセグメント及び該Bセグメントの少なく
    とも一方はカルボキシル基を有していることを特徴とす
    る請求項1に記載の静電荷像現像用一成分系現像剤。
  4. 【請求項4】 AB型ブロック共重合体のAセグメント
    は、スチレン系モノマー及びアクリル系モノマーを有す
    る共重合体構造を有し、Bセグメントは、スチレン系モ
    ノマー及びアクリル系モノマーを有する共重合体構造を
    有し、該Aセグメント及び該Bセグメントの少なくとも
    一方はカルボキシル基を有していることを特徴とする請
    求項1に記載の静電荷像現像用一成分系現像剤。
  5. 【請求項5】 AB型ブロック共重合体のAセグメント
    は、スチレン系モノマー及びメタアクリル系モノマーを
    有する共重合体構造を有し、Bセグメントは、スチレン
    系モノマー及びメタアクリル系モノマーを有する共重合
    体構造を有し、該Aセグメント及び該Bセグメントの少
    なくとも一方はカルボキシル基を有していることを特徴
    とする請求項1に記載の静電荷像現像用一成分系現像
    剤。
  6. 【請求項6】 AB型ブロック共重合体のAセグメント
    は、スチレン系モノマー及びアクリル系モノマーを有す
    る共重合体を有し、Bセグメントは、スチレン系モノマ
    ー及びアクリル系モノマーを有する共重合体を有し、該
    AB型ブロック共重合体は、40〜85℃のガラス転移
    点(Tg)を有することを特徴とする請求項1に記載の
    静電荷像現像用一成分系現像剤。
  7. 【請求項7】 AB型ブロック共重合体のAセグメント
    は、スチレン系モノマー及びメタアクリル系モノマーを
    有する共重合体を有し、Bセグメントは、スチレン系モ
    ノマー及びメタアクリル系モノマーを有する共重合体を
    有し、該AB型ブロック共重合体は、40〜85℃のガ
    ラス転移点(Tg)を有することを特徴とする請求項1
    に記載の静電荷像現像用一成分系現像剤。
  8. 【請求項8】 該結着樹脂は、AB型ブロック共重合体
    及びビニル系重合体を含有し、該AB型ブロック共重合
    体のAセグメントは、スチレン系モノマー、ジエン系モ
    ノマー及び必要によりアクリル系モノマー及び/又はメ
    タアクリル系モノマーを有する共重合体構造を有し、B
    セグメントは、スチレン系モノマー、ジエン系モノマー
    及び必要によりアクリル系モノマー及び/又はメタアク
    リル系モノマーを有する共重合体構造を有し、該AB
    型ブロック共重合体のGPCによる分子量分布におい
    て、Aセグメントの数平均分子量をMnA、Bセグメン
    トの数平均分子量をMnBとした時に、数平均分子量
    は、500≦MnB<MnAを満足し、(i)該AB型ブ
    ロック共重合体が異なるガラス転移点を有する場合に
    は、Aセグメントのガラス転移点をTgA、Bセグメン
    トのガラス転移点をTgBとしたときに、該ガラス転移
    点TgA及びTgBは、25℃≦TgB<TgA≦90℃を
    満足し、或いは(ii)該AB型ブロック共重合体が1
    つのガラス転移点Tgを有する場合には、該ガラス転移
    点Tgは、50℃≦Tg≦80℃を満足することを特徴
    とする請求項1に記載の静電荷像現像用一成分系現像
    剤。
  9. 【請求項9】 該現像剤は、フッ素系樹脂粉末、脂肪酸
    金属塩、金属酸化物及び微粉末シリカからなるグループ
    から選択される少なくとも1種の流動性向上剤を含有し
    ていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記
    載の静電荷像現像用一成分系現像剤。
  10. 【請求項10】 該現像剤は、ケイ酸微粉末をシランカ
    ップリング剤で処理した後、さらにシリコーンオイルで
    処理した処理シリカを含有していることを特徴とする請
    求項1乃至8のいずれかに記載の静電荷像現像用一成分
    現像剤。
  11. 【請求項11】 (i)該AB型ブロック共重合体が、
    Aセグメントのガラス転移点TgA及びBセグメントの
    ガラス転移点TgBの異なるガラス転移点を有する場合
    には、該AB型ブロック共重合体のガラス転移点TgA
    及びTgBは、下記関係 25℃≦TgB<TgA≦90℃ を満足し、又は (ii)該AB型ブロック共重合体が1つのガラス転移
    点Tgを有する場合には、該AB型ブロック共重合体の
    ガラス転移点Tgは、Bセグメントのガラス転移点より
    も高く、且つ該AB型ブロック共重合体のガラス転移点
    Tgは、下記関係 40℃≦Tg≦85℃ を満足することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像
    現像用一成分系現像剤。
  12. 【請求項12】 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー
    及び樹脂被覆フェライトキャリアを有する静電荷像現像
    用二成分系現像剤において、 該結着樹脂は、Aセグメント及びBセグメントを有する
    (AB) n 型ブロック共重合体(n=1)であり、 該Aセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Bセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Aセグメントと該Bセグメントとは、相違する共重合
    体構造を有することを特徴とする静電荷像現像用二成分
    系現像剤。
  13. 【請求項13】 AB型ブロック共重合体のAセグメン
    トは、スチレン系モ ノマー及びメタアクリル系モノマー
    を有する共重合体構造を有し、Bセグメントは、スチレ
    ン系モノマー及びアクリル系モノマーを有する共重合体
    構造を有することを特徴とする請求項12に記載の静電
    荷像現像用二成分系現像剤。
  14. 【請求項14】 AB型ブロック共重合体のAセグメン
    トは、スチレン系モノマー及びメタアクリル系モノマー
    を有する共重合体構造を有し、Bセグメントは、スチレ
    ン系モノマー及びアクリル系モノマーを有する共重合体
    構造を有し、該Aセグメント及び該Bセグメントの少な
    くとも一方はカルボキシル基を有していることを特徴と
    する請求項12に記載の静電荷像現像用二成分系現像
    剤。
  15. 【請求項15】 AB型ブロック共重合体のAセグメン
    トは、スチレン系モノマー及びアクリル系モノマーを有
    する共重合体構造を有し、Bセグメントは、スチレン系
    モノマー及びアクリル系モノマーを有する共重合体構造
    を有し、該Aセグメント及び該Bセグメントの少なくと
    も一方はカルボキシル基を有していることを特徴とする
    請求項12に記載の静電荷像現像用二成分系現像剤。
  16. 【請求項16】 AB型ブロック共重合体のAセグメン
    トは、スチレン系モノマー及びメタアクリル系モノマー
    を有する共重合体構造を有し、Bセグメントは、スチレ
    ン系モノマー及びメタアクリル系モノマーを有する共重
    合体構造を有し、該Aセグメント及び該Bセグメントの
    少なくとも一方はカルボキシル基を有していることを特
    徴とする請求項12に記載の静電荷像現像用二成分系現
    像剤。
  17. 【請求項17】 AB型ブロック共重合体のAセグメン
    トは、スチレン系モノマー及びアクリル系モノマーを有
    する共重合体を有し、Bセグメントは、スチレン系モノ
    マー及びアクリル系モノマーを有する共重合体を有し、
    該AB型ブロック共重合体は、40〜85℃のガラス転
    移点(Tg)を有することを特徴とする請求項12に記
    載の静電荷像現像用二成分系現像剤。
  18. 【請求項18】 AB型ブロック共重合体のAセグメン
    トは、スチレン系モノマー及びメタアクリル系モノマー
    を有する共重合体を有し、Bセグメントは、スチレン系
    モノマー及びメタアクリル系モノマーを有する共重合体
    を有し、該AB型ブロック共重合体は、40〜85℃の
    ガラス転移点(Tg)を有することを特徴とする請求項
    12に記載の静電荷像現像用二成分系現像剤。
  19. 【請求項19】 該結着樹脂は、AB型ブロック共重合
    体及びビニル系重合 体を含有し、該AB型ブロック共重
    合体のAセグメントは、スチレン系モノマー、ジエン系
    モノマー及び必要によりアクリル系モノマー及び/又は
    メタアクリル系モノマーを有する共重合体構造を有し、
    Bセグメントは、スチレン系モノマー、ジエン系モノマ
    ー及び必要によりアクリル系モノマー及び/又はメタア
    クリル系モノマーを有する共重合体構造を有し、該AB
    型ブロック共重合体のGPCによる分子量分布におい
    て、Aセグメントの数平均分子量をMn A 、Bセグメン
    トの数平均分子量をMn B とした時に、数平均分子量
    は、500≦Mn B <Mn A を満足し、(i)該AB型ブ
    ロック共重合体が異なるガラス転移点を有する場合に
    は、Aセグメントのガラス転移点をTg A 、Bセグメン
    トのガラス転移点をTg B としたときに、該ガラス転移
    点Tg A 及びTg B は、25℃≦Tg B <Tg A ≦90℃を
    満足し、或いは(ii)該AB型ブロック共重合体が1
    つのガラス転移点Tgを有する場合には、該ガラス転移
    点Tgは、50℃≦Tg≦80℃を満足することを特徴
    とする請求項12に記載の静電荷像現像用二成分系現像
    剤。
  20. 【請求項20】 該現像剤は、フッ素系樹脂粉末、脂肪
    酸金属塩、金属酸化物及び微粉末シリカからなるグルー
    プから選択される少なくとも1種の流動性向上剤を含有
    していることを特徴とする請求項12乃至19のいずれ
    かに記載の静電荷像現像用二成分系現像剤。
  21. 【請求項21】 該現像剤は、ケイ酸微粉末をシランカ
    ップリング剤で処理した後、さらにシリコーンオイルで
    処理した処理シリカを含有していることを特徴とする請
    求項12乃至19のいずれかに記載の静電荷像現像用二
    成分系現像剤。
  22. 【請求項22】 (i)該AB型ブロック共重合体が、
    Aセグメントのガラス転移点Tg A 及びBセグメントの
    ガラス転移点Tg B の異なるガラス転移点を有する場合
    には、該AB型ブロック共重合体のガラス転移点Tg A
    及びTg B は、下記関係 25℃≦Tg B <Tg A ≦90℃ を満足し、又は (ii)該AB型ブロック共重合体が1つのガラス転移
    点Tgを有する場合には、該AB型ブロック共重合体の
    ガラス転移点Tgは、Bセグメントのガラス転移 点より
    も高く、且つ該AB型ブロック共重合体のガラス転移点
    Tgは、下記関係 40℃≦Tg≦85℃ を満足することを特徴とする請求項12に記載の静電荷
    像現像用二成分系現像剤。
  23. 【請求項23】 導電性ゴム層及び該導電性ゴム層の少
    なくとも潜像担持体に接触する部分に形成された離型性
    被膜を有する、外部より電圧が印加された帯電部材を潜
    像担持体に接触させて潜像担持体を帯電する工程、帯電
    している潜像担持体上に静電荷潜像を形成する潜像形成
    工程及び該潜像を一成分系現像剤により現像し、トナー
    画像を形成する現像工程を有する画像形成方法におい
    て、 該一成分系現像剤は、結着樹脂及び磁性粉を含有する
    トナーを有し、該結着樹脂は、Aセグメント及びBセ
    グメントを有する(AB) n 型ブロック共重合体(n=
    1)であり、 該Aセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Bセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Aセグメントと該Bセグメントとは、相違する共重合
    体構造を有することを特徴とする画像形成方法。
  24. 【請求項24】 該一成分系現像剤が、請求項2乃至1
    1のいずれかに記載された現像剤であることを特徴とす
    る請求項23に記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 導電性ゴム層及び該導電性ゴム層の少
    なくとも潜像担持体に接触する部分に形成された離型性
    被膜を有する、外部より電圧が印加された帯電部材を潜
    像担持体に接触させて潜像担持体を帯電する工程、帯電
    している潜像担持体上に静電荷潜像を形成する潜像形成
    工程及び該潜像を二成分系現像剤により現像し、トナー
    画像を形成する現像工程を有する画像形成方法におい
    て、 該二成分系現像剤は、結着樹脂及び着色剤を含有するト
    ナー及び樹脂被覆フェライトキャリアを有し、該結着樹
    脂は、Aセグメント及びBセグメントを有する (AB)
    n 型ブロック共重合体(n=1)であり、 該Aセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Bセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Aセグメントと該Bセグメントとは、相違する共重合
    体構造を有することを特徴とする画像形成方法。
  26. 【請求項26】 該二成分系現像剤が、請求項13乃至
    22のいずれかに記載された現像剤であることを特徴と
    する請求項25に記載の画像形成方法。
  27. 【請求項27】 一成分系現像剤により潜像を現像して
    形成されたトナー画像を支持している転写材を、少なく
    とも一方のローラーに離型剤が塗布されている一対の対
    向圧接しているローラー間に通過させて、転写材にトナ
    ー画像を定着するトナー画像定着方法において、 該一成分系現像剤は、結着樹脂及び磁性粉を含有する
    トナーを有し、該結着樹脂は、Aセグメント及びBセ
    グメントを有する(AB) n 型ブロック共重合体(n=
    1)であり、 該Aセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Bセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Aセグメントと該Bセグメントとは、相違する共重合
    体構造を有することを特徴とするトナー画像定着方法。
  28. 【請求項28】 該一成分系現像剤が、請求項2乃至1
    1のいずれかに記載された現像剤であることを特徴とす
    る請求項27に記載のトナー画像定着方法。
  29. 【請求項29】 二成分系現像剤により潜像を現像して
    形成されたトナー画 像を支持している転写材を、少なく
    とも一方のローラーに離型剤が塗布されている一対の対
    向圧接しているローラー間に通過させて、転写材にトナ
    ー画像を定着するトナー画像定着方法において、 該二成分系現像剤は、結着樹脂及び着色剤を含有するト
    ナー及び樹脂被覆フェライトキャリアを有し、該結着樹
    脂は、Aセグメント及びBセグメントを有する(AB)
    n 型ブロック共重合体(n=1)であり、 該Aセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Bセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Aセグメントと該Bセグメントとは、相違する共重合
    体構造を有することを特徴とするトナー画像定着方法。
  30. 【請求項30】 該二成分系現像剤が、請求項13乃至
    22のいずれかに記載された現像剤であることを特徴と
    する請求項29に記載のトナー画像定着方法。
  31. 【請求項31】 静電荷潜像を担持するための潜像担持
    体、該潜像担持体を帯電するための帯電手段、帯電して
    いる潜像担持体に静電荷潜像を形成するための潜像形成
    手段、該静電荷潜像を一成分系現像剤により現像し潜像
    担持体上にトナー画像を形成するための現像手段、該ト
    ナー画像を潜像担持体から転写材に転写するための転写
    手段、該潜像担持体上の転写されずに残ったトナーを除
    去するためのクリーニング手段及び該転写材に転写され
    たトナー画像を熱と圧力の作用で定着するための定着手
    段を有する画像形成装置において、 該一成分系現像剤は、結着樹脂及び磁性粉を含有する
    トナーを有し、該結着樹脂は、Aセグメント及びBセ
    グメントを有する(AB) n 型ブロック共重合体(n=
    1)であり、 該Aセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Bセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Aセグメントと該Bセグメントとは、相違する共重合
    体構造を有することを特徴とする画像形成装置。
  32. 【請求項32】 該一成分系現像剤が、請求項2乃至1
    1のいずれかに記載された現像剤であることを特徴とす
    る請求項31に記載の画像形成装置。
  33. 【請求項33】 静電荷潜像を担持するための潜像担持
    体、該潜像担持体を帯電するための帯電手段、帯電して
    いる潜像担持体に静電荷潜像を形成するための潜像形成
    手段、該静電荷潜像を二成分系現像剤により現像し潜像
    担持体上にトナー画像を形成するための現像手段、該ト
    ナー画像を潜像担持体から転写材に転写するための転写
    手段、該潜像担持体上の転写されずに残ったトナーを除
    去するためのクリーニング手段及び該転写材に転写され
    たトナー画像を熱と圧力の作用で定着するための定着手
    段を有する画像形成装置において、 該二成分系現像剤は、結着樹脂及び着色剤を含有するト
    ナー及び樹脂被覆フェライトキャリアを有し、該結着樹
    脂は、Aセグメント及びBセグメントを有する(AB)
    n 型ブロック共重合体(n=1)であり、 該Aセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Bセグメントは、スチレン系モノマーと、アクリル系
    モノマー、メタクリル系モノマー及びジエン系モノマー
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと
    を有する共重合体構造を有し、 該Aセグメントと該Bセグメントとは、相違する共重合
    体構造を有することを特徴とする画像形成装置。
  34. 【請求項34】 該二成分系現像剤が、請求項13乃至
    22のいずれかに記載された現像剤であることを特徴と
    する請求項33に記載の画像形成装置。
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