JPH06342162A - 液晶光学素子の配向方法 - Google Patents

液晶光学素子の配向方法

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JPH06342162A
JPH06342162A JP15417093A JP15417093A JPH06342162A JP H06342162 A JPH06342162 A JP H06342162A JP 15417093 A JP15417093 A JP 15417093A JP 15417093 A JP15417093 A JP 15417093A JP H06342162 A JPH06342162 A JP H06342162A
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liquid crystal
orientation
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shearing
ferroelectric
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JP15417093A
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Inventor
Tomio Arai
冨美夫 新井
Koyo Yuasa
公洋 湯浅
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶光学素子の配向の乱れを、素子全面に亘
って均一に修復することができ、歩留りの向上を図るこ
とができる液晶光学素子の配向方法を提供する。 【構成】 配向を形成された強誘電性液晶材料のうち、
配向の乱れが確認されたものに、配向形成時の剪断印加
方向と直交する方向に剪断を無電界下で印加することに
より、前記液晶材料に形成された配向を破壊するととも
にこの配向を破壊された強誘電性液晶材料に剪断及び電
界を印加し、再度配向を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ディスプレー装置
や各種エレクトロニクス用デバイスに用いられる、強誘
電性液晶またはその組成物を用いた液晶光学素子の配向
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶材料を電極付の基板、特に、
可撓性基板で挟持した液晶光学素子における配向方法と
して、特開平3ー5727号公報に開示された「液晶材
料の配向方法」が用いられている。この配向方法では、
液晶光学素子を二枚の液晶光学素子挟持用プラスチック
板で挟持し、これを一組二本のロールよりなるローラ部
で表裏交互に密着させて、曲げ変形による剪断力を与え
ている。この場合の電圧の印加は、液晶光学素子の液晶
材料を挟持した、それぞれの電極付基板の電極に接続さ
れた電線を通じて電源電圧から行われている。
【0003】また、特開平3ー163525号公報に開
示された「液晶光学素子の配向方法及びその装置」で
は、導電性材より構成される二本の導電ロールに、予め
電源を接続して電圧を印加している。そして、液晶材料
を挟持した液晶光学素子の対向する電極をそれぞれ露出
させ、この電極をローラ表面に表裏交互に密着させて、
電界と剪断とを同時に加えている。
【0004】しかし、この従来例に示した特開平3ー5
727号及び特開平3ー163525号の配向方法で
は、配向処理した液晶光学素子を、装置の実装用として
切断し、この切断後に配向の乱れが発生しないもののみ
を使用し、配向の乱れが発生したものについては特にそ
の修復を行わず、使用に供することなく不良品として排
除していた。従って、製造上の歩留りの向上という観点
からすると改良の余地があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、このよう
な不都合を改良するため、実装段階で配向乱れが発生し
た液晶光学素子に対して再度、配向装置又は手作業によ
り電界と剪断とを加えて配向修復することができ、その
製造歩留りを向上させることができる強誘電性液晶素子
配向修復方法を提案している(特願平4−113094
号)。しかし、この方法は、初期配向状態が安定なため
一度配向の乱れが発生した液晶光学素子の全面に亘って
均一な修復処理を施すことは困難であり、必ずしも完全
に満足すべきものではなかった。本発明は上述の問題に
鑑みなされたもので、液晶光学素子の配向の乱れを、素
子全面に亘って均一に修復することができ、歩留りの向
上を図ることができる液晶光学素子の配向方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によって、二枚の
電極付可撓性基板で挟持した強誘電性液晶材料に、剪断
及び/又は電界を印加することによって配向を形成する
液晶光学素子の配向方法において、 1)強誘電性液晶材料に、剪断及び/又は電界を印加し
て配向を形成する工程、 2)この配向を形成された強誘電性液晶材料のうち、配
向の乱れが確認されたものに、前記配向形成時の剪断印
加方向と直交する方向に剪断を無電界下で印加すること
により、前記液晶材料に形成された配向を破壊する工
程、 3)この配向を破壊された強誘電性液晶材料に剪断及び
電界を印加し、再度配向を形成する工程 を含むことを特徴とする液晶光学素子の配向方法が提供
される。また、前記配向を破壊する工程及び再度配向を
形成する工程における剪断の印加が、互いに直交する方
向の曲げ変形によるものであることを特徴とする液晶光
学素子の配向方法が提供される。
【0007】以下、本発明を具体的に説明する。 1.液晶光学素子 本発明に用いられる液晶光学素子は強誘電性液晶を二枚
の電極付可撓性基板で挟持してなる。その構成要素につ
いてそれぞれ説明する。 強誘電性液晶 本発明に用いられる液晶材料としては、強誘電性高分子
液晶又はその組成物を使用する。強誘電性高分子液晶を
含んでいると、衝撃や曲げ等の外力に対する強度および
耐久性を向上することができる。また、強誘電性液晶の
メモリ性を利用することができ、消費電力の低減を図る
ことができる。また、本発明においては、一方の基板上
への液晶の塗布製膜、対向基板とのラミネート、曲げ配
向処理という一連の連続製造方法を採用するため、製膜
性、配向性に優れる高分子液晶を含有することが好まし
い。強誘電性高分子液晶材料としては、例えば、一種ま
たは二種以上の強誘電性高分子液晶、一種または二種以
上の強誘電性低分子液晶と一種または二種以上の強誘電
性高分子液晶からなる強誘電性高分子液晶組成物、一種
または二種以上の強誘電性低分子液晶と一種または二種
以上の他の高分子液晶等からなる強誘電性高分子液晶組
成物などを挙げることができる。すなわち、強誘電性高
分子液晶または強誘電性高分子液晶組成物としては、ポ
リマー分子自体が強誘電性の液晶特性を示す強誘電性高
分子液晶(ホモポリマーまたはコポリマーまたはそれら
の混合物)、強誘電性高分子液晶と他の高分子液晶およ
び/または通常のポリマーとの混合物、強誘電性高分子
液晶と強誘電性低分子液晶との混合物、強誘電性高分子
液晶と強誘電性低分子液晶と高分子液晶および/または
通常のポリマーとの混合物、あるいはこれらと通常の低
分子液晶との混合物などの全ての強誘電性を示す高分子
液晶を使用することができる。この場合、強誘電性高分
子液晶と(強誘電性)低分子液晶との混合割合は、モル
比で95:5〜20:80とすることが好ましく、また
80:20〜40:60とすることがさらに好ましい。
【0008】前記強誘電性高分子液晶の中でも、例え
ば、カイラルスメクチックC相をとる側鎖型強誘電性高
分子液晶を好適に使用することができる。また、強誘電
性液晶組成物には必要に応じて接着剤,減粘剤,非液晶
カイラル化合物,色素などを含んでもよい。たとえば、
素子の機械的強度を向上させるため、非液晶性の高分子
物質を混合させてもよい。液晶層の厚さは、特に制限さ
れないが塗布乾燥後に1〜10μmの膜厚になるのが好
ましく、特に1.5〜3μmとするのがさらに好まし
い。強誘電性液晶ポリマーとしては、例えば、下記式で
示すアクリレート主鎖系液晶ポリマー、メタクリレート
主鎖系液晶ポリマー、クロロアクリレート主鎖系液晶ポ
リマー、オキシラン主鎖系液晶ポリマー、シロキサン主
鎖系液晶ポリマー、シロキサン−オレフィン主鎖系液晶
ポリマー、エステル主鎖系液晶ポリマー等が含まれる。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】なお、上記の強誘電性液晶ポリマーの繰り
返し単位は、側鎖の骨格がビフェニル骨格、フェニルベ
ンゾエイト骨格、ビフェニルベンゾエイト骨格、フェニ
ル4−フェニルベンゾエイト骨格で置き換えられてもよ
く、これらの骨格中のベンゼン環がピリミジン環、ピリ
ジン環、ピリダジン環、ピラジン環、テトラジン環、シ
クロヘキサン環、ジオキサン環、ジオキサボリナン環で
置き換えられてもよく、フッ素、塩素などのハロゲン基
又はシアノ基で置換されてもよく、1−メチルアルキル
基、2−フルオロアルキル基、2−クロロアルキル基、
2−クロロ−3−メチルアルキル基、2−トリフルオロ
メチルアルキル基、1−アルコキシカルボニルエチル
基、2−アルコキシ−1−メチルエチル基、2−アルコ
キシプロピル基、2−クロロ−1−メチルアルキル基、
2−アルコキシカルボニル−1−トリフルオロメチルプ
ロピル基等の光学活性基で置き換えられてもよい。また
スペーサの長さは、メチレン鎖長が2〜30の範囲で変
化してもよい。また、強誘電性液晶ポリマーの数平均分
子量は1,000〜200,000のものが好ましい。
強誘電性低分子液晶化合物としては、例えば、下記式で
示すシッフ塩基系強誘電性低分子液晶化合物、アゾおよ
びアゾキシ系強誘電性低分子液晶化合物、ビフェニルお
よびアロマティックスエステル系強誘電性低分子液晶化
合物、ハロゲン、シアノ基等の環置換基を導入した強誘
電性低分子液晶化合物、複素環を有する強誘電性低分子
液晶化合物等を挙げることができる。
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】なお、これらの化合物は強誘電性低分子液
晶化合物の代表的なものであり、本発明の強誘電性低分
子液晶化合物は何らこれらの構造式に限定されるもので
はない。
【0019】電極付可撓性基板 本発明に用いられる電極付可撓性基板としては、例え
ば、一軸又は二軸延伸ポリエチレンテレフタレートなど
の結晶性ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ンなどの非結晶性ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピ
レンなどのポリオレフィン、ポリカーボネット、ナイロ
ンなどのポリアミド等を挙げることができる。これらの
中でも、特に一軸又は二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエーテルスルホンなどが好ましい。本発明に
おいて、前記二枚の可撓性基板は、互いに同じ材質のも
のであってもよく、又は相違する材質のものであっても
よいが、通常、上記の二枚の基板のうち少なくとも一方
の基板を光学的に透明なものとし、その上に透明な電極
を設けて使用することが好ましい。
【0020】可撓性基板上に形成される液晶駆動用電極
群の形成材料としては、導電性を有する材料であれば特
に制限はないが、少なくとも一方の電極には、導電性及
び透明性の両性質を有する材料を用いることが好まし
い。具体的には、例えば、酸化インジウム又は酸化イン
ジウムと酸化錫との混合物からなるITO ( Indium Ti
n Oxide ) 膜等の透明電極を好適に使用することができ
る。可撓性基板上に液晶駆動用電極を形成する方法につ
いては特に制限はなく、従来より公知の蒸着、スパッタ
リング等の方法によって形成することができる。電極上
には、配向制御膜は不要であり、必要に応じて導通防止
のための絶縁膜及びカラーフィルタなどを設けることも
できる。
【0021】挟持方法 本発明における強誘電性液晶材料の挟持方法としては特
に制限はないが、高速かつ、大量生産における生産性を
考慮して、液晶材料を基板上に製膜し、その基板をラミ
ネートすることが好ましい。この場合、慣用的な製膜方
法、塗布方法等を利用して作製することができる。
【0022】2.液晶光学素子の配向方法 本発明の液晶光学素子の配向方法は、三つの工程を含む
ものである。以下、それぞれの工程について説明する。 強誘電性液晶材料に、剪断及び/又は電界を印加して
配向を形成する工程 液晶層に剪断力を加えて、強誘電性液晶又はその組成物
を一軸水平配向させる方法としては、二枚の電極付可撓
性基板の間に挟持した液晶層に曲げ変形による剪断力を
加えて、配向せしめるものを挙げることができる。この
配向方法においては、強誘電性液晶等のマルチドメイン
状態におけるマクロな弾性率が小さい強誘電性液晶の場
合には、単に曲げるだけでも充分な配向状態を実現する
ことができる。強誘電性液晶等は、ネマチック液晶と比
較して弾性率が大きいので、曲げ変形を施すと一様な変
形よりもドメイン単位の相互のすべりによる変形となり
易い。したがって、剪断方向に対して配向方向は垂直と
なる。この曲げ変形処理による配向は、液晶種類によっ
ては適当な温度に加熱することにより、より有効に行う
ことができる。また、この曲げ変形処理による配向は、
通常、強誘電性液晶又はその組成物が、少なくとも、等
方相とスメチックA相との混相、等方相とのカイラルス
メチックC相との混相、スメチックA相、カイラルスメ
チックC相、カイラルネマチック相等の液晶相をとる温
度範囲の温度で行うのが望ましい。また、液晶光学素子
全体を均一な配向とするには、基板を連続的に移動させ
ながら曲げ変形処理を行うのが好適である。また、この
曲げ変形処理による配向は、各種の装置および方式を用
いて行うことができるが、通常、少なくとも一本の自由
回転ローラを用いて、基板を移動させながら曲げ変形処
理する方法、好ましくは少なくとも二本の自由回転ロー
ラ間を連続的に移動させながら曲げ変形処理する方法を
好適に使用することができる。
【0023】このような配向方法において、前記曲げ変
形処理における基板の曲げの度合は、曲率半径で表し
て、通常、5〜1,000mm、好ましくは10〜50
0mmの範囲内となる度合に設定して行うのが適当であ
る。この曲率半径が、小さすぎると、基板を損傷した
り、細いパターンの電極を断線する恐れがあり、一方、
大きすぎると、液晶部分に充分な剪断応力が印加され
ず、良好な配向状態が得られないことがある。この配向
方法において、前記曲げ変形処理による強誘電性液晶の
配向は、該曲げ変形処理を、基板を移動しながら行うこ
とによって、より有効にかつ効率よく行うことができ、
特に基板を少なくとも二本の自由回転ローラ間を連続的
に移動させることによって曲げ変形処理することによ
り、さらに有効に、かつ高速量産的に行うことができ
る。
【0024】この曲げ変形処理における基板の移動速度
としては、曲げ部分の曲率半径、温度、強誘電性液晶の
種類等に依存するので、一様に限定することができない
が、通常は、電極付基板上に液晶層を形成する工程に適
合した連続製造プロセスのライン速度に合せた速度で充
分であり、したがって、曲げ変形処理による配向工程を
含めた各工程のライン速度を同一の速度に設定すること
ができ、これにより、液晶表示素子の連続高速生産プロ
セスを効率よく実現することができ、量産性を著しく高
めることができる。
【0025】前記連続的生産プロセス等において、曲げ
変形処理における基板の移動速度の具体的な大きさとし
ては、たとえば、通常、0.1〜50m/分(0.16
〜83.9cm/秒)程度の範囲内とするのが好適であ
る。なお、上記に例示の曲げ変形処理における基板の移
動速度は、主として、液晶層の形成条件によって決定さ
れたものである。したがって、曲げ変形処理のみに適合
した移動速度は、特に制限はなく、上記の範囲よりもさ
らに広い範囲の大きさとすることもできるが、その移動
速度があまり大きすぎると、基板の種類によっては曲げ
変形時に割れなどの損傷を受けることがあり、一方、あ
まり小さすぎると、配向は充分に得られるが、製造時間
が長くなり、実用性が低くなる。
【0026】前記曲げ変形処理による配向処理において
は、必ずしも精密な温度設定を必要としないが、広範囲
の、特に非常に大きいライン速度(製品の巻取り速度に
対応する速度)においても極めて良好な配向を得るため
には、基板の強誘電性液晶の温度を、該強誘電性液晶
が、スメチックA相、カイラルスメチックC相、等方相
とスメチックA相(SmA相)との混相、または等方相
とカイラルスメチックC相(SmC*相)との混相のい
ずれかの相状態をとる温度範囲内の温度とし、曲げ変形
処理を施すのが好ましく、特に、等方相をとる温度から
スメチックA相、カイラルスメチックC相などの液晶相
をとる温度範囲内の温度まで冷却(徐冷)しながら曲げ
変形処理を行うのが好ましい。
【0027】また、他の配向方法として、液晶層に剪断
力を加えるとともに電界を印加する方法を挙げることが
できる。この電界及び剪断力の印加による配向方法にお
いて、印加する正電圧、負電圧は、交流、直流のいずれ
でも良く、連続的又は間欠的に印加する。好ましい電界
は0.1〜150MV/m、特に好ましくは5〜150
MV/mである。この場合、電圧が低すぎると配向が不
十分になり、電圧が高過ぎると液晶光学素子の絶縁破壊
を発生することがある。電界と剪断とを加える方法は、
電界印加用ロール又は電極付ベルト付きロールで併用し
て行うか、又は、液晶素子のコモン電極、セグメント両
電極に直接電源を接続して手作業で剪断を加えて行う。
電界と剪断力を印加するときの温度は、液晶材料が何ら
かの液晶相を示す温度であればよく、液晶材料が等方相
又は等方相と液晶相の混相を示す温度よりも低い温度、
通常室温でよい。強誘電性液晶では、等方相を示す温度
からの冷却(徐冷)を行うことが好ましいが、徐冷しな
くてもよい。すなわち、室温でも極めて良好な配向を瞬
時に得ることができる。これは電界の印加により剪断に
対する液晶分子の再配向過程が極めて容易に行われるた
めであると考えられる。
【0028】液晶材料に形成された配向を破壊する工
程 前述の工程の後に、その工程によって配向を形成さ
れた強誘電性液晶材料の配向状態の良否を目視や、複屈
折性等の光学的手段で確認し、配向の乱れが認められた
ものに配向の修復を施す。まず、従来の修復方法につい
て図1〜5を用いて説明する。図1は、液晶光学素子の
構成図である。この液晶光学素子を図2または図3に示
す配向装置を用いて第一回目の配向処理を実施し、後工
程で所定の寸法に切断する。このとき、素子基板間の導
通やハンドリング等の問題から配向が不十分であった
り、乱れを生じたりする場合があった。これらの素子に
ついては、図4及び5に示す手作業または、図2または
図3に示す配向装置を用い再度配向処理を行っていた。
しかし、この方法では配向の乱れを完全に無くし、素子
の全面に亘って均一な配向を形成することは困難であっ
た。本発明においては、図6に示すように前述の工程
における配向形成時の剪断印加方向と直交する方向に剪
断を無電界下で印加して、まず液晶材料に形成された配
向を破壊する。この場合の剪断の印加のしかたは、印加
方向を直交方向とすることと無電界下で印加することを
除いて前記工程の場合と同様である。この工程の後に
後述の再度配向を形成する工程を採用することにより配
向修復の完全化を図ることができ、素子の歩留りを向上
させることができる。
【0029】再度配向を形成する工程 前述の工程で配向を破壊された強誘電性液晶材料に剪
断及び電界を印加し、再度配向を形成する。この場合の
剪断及び電界の印加のしかたは、前記工程の場合と同
様である。
【0030】再度配向を形成する工程における剪断を印
加する方向についても、特に制限はないが、前記工程
の配向を破壊する工程における場合の方向と、互いに直
交する方向に、曲げ変形を加えることが均一に配向を破
壊しやすいことから好ましい。
【0031】なお、前記工程で液晶材料の配向に乱れ
が認められたもののうち、従来の修復方法で修復可能な
ものについては、本発明の方法を用いることなく従来の
修復方法を用いてもよいが、修復の完全化また、均一化
という観点からは本発明の方法を用いることが好まし
い。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。下記式で示す強誘電性液晶と、Pst(ポリスチレ
ン:分子量=52000)を重量比95:5で混合した
混合物をMEK(メチルエチルケトン)で溶解して30
%溶液を作った。この溶液をITO電極付PES基板の
厚み100μm、幅150mm、長さ50m巻の電極面
上にマイクログラビアコーターを用いて塗布した。この
溶媒の蒸発後、ITO電極付き対向基板をラミネートし
て長尺の液晶素子を作製した。次いで、この長尺液晶素
子を図3に示す配向装置で室温、直流電圧60Vで配向
処理し、この後、幅15cm、長さ60cmに切断し
た。作製した50枚の素子のうち基板の導通、ハンドリ
ング等が原因で配向の乱れが発生した素子25枚を選別
し、再度配向処理を上記装置を用いて行った。しかし、
この内の10枚については均一な配向が得られなかっ
た。上記、10枚の配向不良素子について図1及び図4
に示すようにデーター電極11及びセグメント電極12
に銀ペーストを塗布し、電気的に接続した。この素子に
ついて、図6に示すように配向装置での剪断印加方向と
直交する方向に剪断を加え一度配向を破壊した後、図5
に示すような配向を破壊した方向と直交する方向に、剪
断を印加するとともに電界を印加する配向修復処理を手
作業にて行った。この結果、10枚全ての素子が均一な
配向が得られ歩留り100%を達成することができた。
【0033】
【化9】
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶光学
素子の配向方法によれば、素子の配向の乱れを、素子全
面に亘って均一に修復することができ、歩留りの向上を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の強誘電性液晶光学素子配向修復方法にお
ける配向修復を行う際の液晶素子の構成を示す斜視図で
ある。
【図2】従来の強誘電性液晶光学素子配向修復方法にお
ける配向修復を行う導電性ロールを使用した配向装置の
概略構成を示す側面図である。
【図3】図3(a)は、配向修復を行う電極付ベルトを
設けたロール配向装置の概略構成を示す側面図である。
図3(b)は、 配向修復を行う電極付ベルトを設けた
ロール配向装置の概略構成を示す正面図である。
【図4】従来例における修復を行う液晶素子に直接電源
を接続した構成を示す斜視図である。
【図5】図4に示す電源装置から電圧を印加して配向修
復を行う作業状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の液晶光学素子の配向方法において、配
向に乱れが確認された配向不良素子の一度形成された配
向を破壊する場合の剪断の印加方法を示す概略説明図で
ある。
【符号の説明】
11,21 可撓性データ電極基板 13,23a,23b 銀ペースト部 12 セグメント電極群 22 コモン電極群

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二枚の電極付可撓性基板で挟持した強誘
    電性液晶材料に、剪断及び/又は電界を印加することに
    よって配向を形成する液晶光学素子の配向方法におい
    て、 1)強誘電性液晶材料に、剪断及び/又は電界を印加し
    て配向を形成する工程、 2)この配向を形成された強誘電性液晶材料のうち、配
    向の乱れが確認されたものに、前記配向形成時の剪断印
    加方向と直交する方向に剪断を無電界下で印加すること
    により、前記液晶材料に形成された配向を破壊する工
    程、 3)この配向を破壊された強誘電性液晶材料に剪断及び
    電界を印加し、再度配向を形成する工程 を含むことを特徴とする液晶光学素子の配向方法。
  2. 【請求項2】 前記配向を破壊する工程及び再度配向を
    形成する工程における剪断の印加が、互いに直交する方
    向の曲げ変形によるものであることを特徴とする請求項
    1記載の液晶光学素子の配向方法。
JP15417093A 1993-06-01 1993-06-01 液晶光学素子の配向方法 Pending JPH06342162A (ja)

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JP15417093A Pending JPH06342162A (ja) 1993-06-01 1993-06-01 液晶光学素子の配向方法

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