JPH06341200A - 屋根パネル及び屋根防水工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】屋根工事に掛かる職種を削減し、工程の簡素
化，施工時間の短縮化をはかる。 【構成】所定の寸法を有し且つ強度と剛性を持ったフレ
ーム１に木毛セメント板等の表面材２を取り付け、更に
表面材２の上面にフレーム１の寸法よりも大きい寸法を
持った防水シート３，７を取り付けることで、防水シー
トの延長部３ａ，７ａ，７ｂを形成して屋根パネルＡ，
Ｂを構成する。屋根パネルを屋根躯体５に配置して固定
した後、延長部３ａ，７ａ，７ｂを隣接する他の屋根パ
ネルの防水シート３，７に重畳させて張り付ける。この
とき、防水シートの材質に応じて両面テープを使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、防水機能を有する屋根
パネルと、この屋根パネルを用いた防水工法に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】鉄骨建物の屋根工事では、屋根躯体を組
み立てる鳶工事，組み立てた屋根躯体に野地板を取り付
ける大工工事，野地板にルーフィングを張り付ける防水
工事を実施し、その後、屋根を完成させるのが一般であ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の屋根工事で
は、工事に掛かる職種が鳶工，大工，防水工の三種とな
り、工程が煩雑で且つ時間，手間を省くことが困難であ
るという問題がある。

【０００４】本発明の目的は、屋根工事に掛かる職種を
削減し、且つ時間や手間を省くことが出来る屋根パネル
と、屋根防水工法を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る屋根パネルは、フレームに取り付けられ
た表面材の上面に端部を前記フレームの端部よりも延長
させた防水シートを取り付けたものである。

【０００６】また屋根防水工法は、上記屋根パネルを並
列させて屋根躯体に取り付け、フレームの端部よりも延
長させた防水シートを隣接する屋根パネルの防水シート
に張り付けることを特徴としたものである。

【０００７】

【作用】上記屋根パネルでは、フレームに取り付けた表
面材によって野地板としての機能を発揮させることが出
来、且つ表面材に取り付けた防水シートによって防水機
能を発揮させることが出来る。また防水シートの端部を
フレームの端部よりも延長したので、屋根パネルを屋根
躯体に取り付けた後、延長部分の防水シートを隣接する
他の屋根パネルの防水シートに張り付けることで、隣接
した屋根パネルとの接続部分を確実に防水することが出
来る。

【０００８】また上記屋根防水工法では、屋根躯体に複
数の屋根パネルを並列させて取り付けた後、夫々の屋根
パネルに於ける防水シートの延長部分を隣接する他の屋
根パネルの防水シートに重畳させて張り付けることで、
確実な防水機能を発揮させることが出来る。

【０００９】従って、屋根工事を鳶工のみによって実施
することが可能となり、屋根工事に掛かる職種を削減す
ると共に時間や手間を省くことが出来る。

【００１０】

【実施例】以下上記屋根パネルについて図を用いて説明
する。図１は第１実施例に係る屋根パネルＡの構成を説
明する斜視図、図２は屋根パネルＡの展開斜視図であ
る。図に示す屋根パネルＡは、フレーム１と、フレーム
１に取り付けられた表面材２と、表面材２の上面に取り
付けられた防水シート３とによって構成されている。そ
して防水シート３はフレーム１よりも長い寸法を持って
形成されており、屋根パネルＡの長手方向に延長部３ａ
を構成している。

【００１１】フレーム１は予め設定された寸法を有し、
且つ屋根の下地として必要な強度及び剛性を持って構成
されている。またフレーム１には、該フレーム１を図示
しない屋根躯体に固定するために所定位置に複数の取付
手段（例えばボルト穴）が構成されている。

【００１２】本実施例に於いて、フレーム１はチャンネ
ル状の部材やフラットバー或いはプレート材を組み合わ
せて構成されており、フレーム１の長手方向の端部には
複数の通気用の孔１ａが形成されている。

【００１３】表面材２は野地板としての機能を有するも
のであり、パーチクルボード或いは木毛セメント板等の
板材を選択的に用いることが可能である。本実施例では
木毛セメント板を用いている。この表面材２はフレーム
１の幅寸法，長さ寸法と等しい寸法を持って形成され、
釘或いはビスによってフレーム１に取り付けられてい
る。

【００１４】本実施例に於いて、防水シート３としては
非加硫ゴム系（ブチル系）のシートを用いている。この
防水シート３は幅寸法がフレーム１の幅寸法と等しく、
且つ長さ寸法はフレーム１の長さよりも長く形成されて
いる。そして防水シート３の長手方向の端部をフレーム
１の長手方向の端部と一致させて表面材２に取り付ける
ことで、他方の端部（図に於ける左側の端部、以下『下
側端部』という）に防水シート３の延長部３ａを形成し
ている。

【００１５】延長部３ａの裏面、即ち、表面材２側の面
には図示しない離型紙が張り付けられている。また延長
部３ａは図１に示すように、屋根パネルＡの表面側、即
ち、表面材２に取り付けた防水シート３の方向に折り曲
げられて仮止めテープ４によって仮止めされている。

【００１６】上記の如く構成された屋根パネルＡを用い
た屋根防水工法について図３により説明する。予め屋根
躯体５の軒側部分に屋根パネルＡを配置して固定する。
次いで図３（ａ）に示すように、屋根パネルＡをクレー
ン等によって吊り上げ、軒側に配置した屋根パネルＡの
棟側に連続させて配置して屋根躯体５に固定する。

【００１７】屋根パネルＡを屋根躯体５に固定した後、
同図（ｂ）に示すように、仮止めテープ４を剥がして防
水シート３の延長部３ａを自由な状態とし、更に、延長
部３ａに張り付けた離型紙を剥がして軒側に隣接する屋
根パネルＡに取り付けた防水シート３に重畳させて張り
付ける。これにより、軒側に配置された屋根パネルＡと
該パネルＡと並列した屋根パネルＡとの長手方向端部に
於ける接続部分は防水シート３の延長部３ａによって覆
われ、充分な防水性を発揮することが可能である。

【００１８】次に、屋根躯体４の全てに屋根パネルＡを
固定した後、或いは軒側から棟側にわたって複数列の屋
根パネルＡを固定した後、同図（ｃ）に示すように、隣
接する屋根パネルＡの幅方向の接続部分にブチル系ゴム
からなる防水テープ６を張り付けることで屋根パネルＡ
の接続部分を覆い、これにより、充分な防水性を発揮さ
せることが可能である。

【００１９】上記屋根パネルＡを屋根躯体５に固定する
作業，屋根パネルＡの長手方向の接続部分を防水シート
３の延長部３ａで覆う作業、及び屋根パネルＡの幅方向
の接続部分を防水テープ６で覆う作業は、鳶工によって
実施することが可能である。このため、大工，防水工等
の職種を削減して工期の短縮化や手間を省くことが可能
となる。

【００２０】図４は第２実施例に係る屋根パネルＢの斜
視図である。尚、図に於いて前述の第１実施例と同一部
分には同一の符号を付して説明を省略する。図に示す屋
根パネルＢは、フレーム１に取り付けた表面材２の上面
にフレーム１の幅方向の寸法及び長手方向の寸法よりも
大きい寸法を持った防水シート７を取り付けて構成した
ものである。

【００２１】本実施例では、防水シート７としてアスフ
ァルト系のシートを用いている。そして防水シート７の
直交する二方向の端部をフレーム１の直交二方向の端部
と一致させて表面材２に取り付けることで、フレーム１
の下側端部及び右側端部に夫々防水シート７の延長部７
ａ，７ｂを形成している。

【００２２】防水シート７の延長部７ａ，７ｂは図に示
すように屋根パネルＢの表面側、即ち、防水シート７の
表面材２に対する取付側に折り曲げられて仮止めテープ
４によって仮止めされている。また防水シート７に形成
した延長部７ａ，７ｂと反対側の端部近傍には、予め該
端部に沿って両面テープ８が張り付けられている。

【００２３】次に、上記の如く構成された屋根パネルＢ
を用いた屋根防水工法について図５により説明する。先
ず、屋根躯体５の軒側に屋根パネルＢを配置して固定す
る。次いで同図（ａ）に示すように、屋根パネルＢをク
レーン等によって吊り上げて棟側に連続して配置して固
定する。

【００２４】屋根パネルＢを屋根躯体５に固定したと
き、この屋根パネルＢが屋根に於ける最も端部に位置す
るものである場合、仮止めテープ４を剥がして防水シー
ト７の延長部７ａ，７ｂを自由端とする。

【００２５】次いで、同図（ｂ）に示すように、上記の
如くして屋根躯体５に固定した屋根パネルＢに隣接させ
て次の屋根パネルＢを配置して固定する。そして仮止め
テープ４を剥がして防水シート７の延長部７ａ，７ｂを
自由端とし、この延長部７ａ，７ｂを隣接する他の屋根
パネルｂの防水シート７に重畳させて両面テープ８を介
して張り付ける。

【００２６】屋根パネルＢに於ける防水シート７の延長
部７ａ，７ｂを隣接する他の屋根パネルＢの防水シート
７に重畳させて張り付けた後、延長部７ａ，７ｂの表面
からステープル９を打って該延長部７ａ，７ｂを隣接す
る他の屋根パネルＢの表面材２に固定する。

【００２７】上記の如くして１枚の屋根パネルＢを屋根
躯体５に固定する毎に隣接する他の屋根パネルＢとの接
続部分を防水シート７の延長部７ａ，７ｂによって覆う
ことで、充分な防水性を発揮させることが可能である。

【００２８】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
屋根パネルでは、フレームに取り付けた表面材の上面に
一部を延長させた防水シートを取り付けたので、屋根躯
体に配置して固定することによって、屋根躯体に野地板
を構成する大工工事の全て、及び野地板に防水シートを
取り付ける防水工事の一部を省略することが出来る。こ
のため、屋根工事を行うに際し大工及び防水工を削減す
ることが出来る。

【００２９】また本発明に係る屋根防水工法では、表面
材に取り付けた防水シートの延長部を隣接する他の屋根
パネルに取り付けた防水シートに重畳させて張り付ける
ことで、屋根パネルの接続部分を防水シートの延長部に
よって覆って防水性を発揮させることが出来る。

【００３０】このため、屋根躯体に屋根パネルを配置し
て固定する作業に対し、防水シートの延長部を隣接する
他の屋根パネルに張り付けるという簡単な作業を付加す
るのみで屋根工事を行うことが出来る。従って、屋根工
事に掛かる職種を削減し、且つ時間や手間を省くことが
可能となり、工程の簡素化，施工時間の短縮化をはかる
ことが出来る等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例に係る屋根パネルＡの構成を説明す
る斜視図である。

【図２】屋根パネルＡの展開斜視図である。

【図３】屋根パネルＡを用いた屋根防水工法を説明する
図である。

【図４】第２実施例に係る屋根パネルＢを説明する斜視
図である。

【図５】屋根パネルＢを用いた屋根防水工法を説明する
図である。

【符号の説明】 Ａ，Ｂ 屋根パネル １ フレーム ２ 表面材 ３，７ 防水シート ３ａ，７ａ，７ｂ延長部 ４ 仮止めテープ ５ 屋根躯体 ６ 防水テープ ８ 両面テープ ９ ステープル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フレームに取り付けられた表面材の上面
   に端部を前記フレームの端部よりも延長させた防水シー
   トを取り付けたことを特徴とした屋根パネル。
2. 【請求項２】 請求項１に記載された屋根パネルを並列
   させて屋根躯体に取り付け、フレームの端部よりも延長
   させた防水シートを隣接する屋根パネルの防水シートに
   張り付けることを特徴とした屋根防水工法。