JPH06341060A - 消臭性パイル糸およびそれを用いた消臭性カーペット - Google Patents
消臭性パイル糸およびそれを用いた消臭性カーペットInfo
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- JPH06341060A JPH06341060A JP12750993A JP12750993A JPH06341060A JP H06341060 A JPH06341060 A JP H06341060A JP 12750993 A JP12750993 A JP 12750993A JP 12750993 A JP12750993 A JP 12750993A JP H06341060 A JPH06341060 A JP H06341060A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 洗濯後の消臭性能の低下が少なく、かつ柔軟
な消臭性パイル糸および消臭性カーペットを提供する。 【構成】 消臭性パイル糸は、酸無水物基含有重合体、
架橋剤および柔軟剤を含有する消臭性組成物を、パイル
糸に付着または含浸させることによって得られ、消臭性
カーペットは、この消臭性パイル糸を、基布に固定させ
ることによって得られる。
な消臭性パイル糸および消臭性カーペットを提供する。 【構成】 消臭性パイル糸は、酸無水物基含有重合体、
架橋剤および柔軟剤を含有する消臭性組成物を、パイル
糸に付着または含浸させることによって得られ、消臭性
カーペットは、この消臭性パイル糸を、基布に固定させ
ることによって得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消臭性パイル糸および
消臭性カーペットに関し、さらに詳しくは洗濯後の消臭
性能の低下が少なく(以下、「耐洗濯性が高い」とい
う)、かつ柔軟な消臭性パイル糸および消臭性カーペッ
トに関する。
消臭性カーペットに関し、さらに詳しくは洗濯後の消臭
性能の低下が少なく(以下、「耐洗濯性が高い」とい
う)、かつ柔軟な消臭性パイル糸および消臭性カーペッ
トに関する。
【0002】
【従来の技術】カーペットには、従来から静電防止性、
溌水性、溌油性、抗菌性などの種々の特性が要求されて
いる。さらに最近では、タバコ臭、汗臭などの悪臭を取
り除く消臭性が要求されるようになってきた。
溌水性、溌油性、抗菌性などの種々の特性が要求されて
いる。さらに最近では、タバコ臭、汗臭などの悪臭を取
り除く消臭性が要求されるようになってきた。
【0003】従来、消臭性を付与したカーペットとして
は、消臭剤を含有するカーペット基布にパイル糸を固定
して得られる消臭性カーペット、または消臭剤を含有す
るカーペット裏打ち用結合剤を裏打ちして得られる消臭
性カーペットが提案されている。
は、消臭剤を含有するカーペット基布にパイル糸を固定
して得られる消臭性カーペット、または消臭剤を含有す
るカーペット裏打ち用結合剤を裏打ちして得られる消臭
性カーペットが提案されている。
【0004】これらのカーペットにおいては、悪臭がカ
ーペットのパイル糸部を通過するのが妨げられ、消臭剤
を含有する基布部または結合剤部まで到達できないの
で、消臭性能は十分ではなかった。
ーペットのパイル糸部を通過するのが妨げられ、消臭剤
を含有する基布部または結合剤部まで到達できないの
で、消臭性能は十分ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解決しようとするもので、その目的は、消臭性能に優
れ、耐洗濯性が高く、かつ柔軟な消臭性パイル糸および
消臭性カーペットを提供することにある。
を解決しようとするもので、その目的は、消臭性能に優
れ、耐洗濯性が高く、かつ柔軟な消臭性パイル糸および
消臭性カーペットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、悪臭と反応する特定の化
合物を含有する消臭性を有する組成物をパイル糸に付着
または含浸させることによって、また該組成物に付着さ
せたパイル糸を基布に固定することによって、上記目的
を達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
達成すべく鋭意研究した結果、悪臭と反応する特定の化
合物を含有する消臭性を有する組成物をパイル糸に付着
または含浸させることによって、また該組成物に付着さ
せたパイル糸を基布に固定することによって、上記目的
を達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0007】本発明の消臭性パイル糸は、酸無水物基含
有重合体、架橋剤、および柔軟剤を含有する消臭性組成
物を、パイル糸に付着または含浸させることによって得
られる。
有重合体、架橋剤、および柔軟剤を含有する消臭性組成
物を、パイル糸に付着または含浸させることによって得
られる。
【0008】好適な実施態様によれば、本発明の消臭性
パイル糸は、さらに銅化合物を付着または含浸させるこ
とにより得られる。
パイル糸は、さらに銅化合物を付着または含浸させるこ
とにより得られる。
【0009】本発明の消臭性カーペットは、上記の消臭
性パイル糸を基布に固定させて得られる。
性パイル糸を基布に固定させて得られる。
【0010】本発明に用いる消臭性組成物は、酸無水物
基含有重合体、架橋剤および柔軟剤を含有するものであ
る。
基含有重合体、架橋剤および柔軟剤を含有するものであ
る。
【0011】酸無水物基含有重合体は、分子中に酸無水
物基を有する重合体である。酸無水物基含有重合体は、
酸無水物基を含有する単量体を単独重合、または他の単
量体と共重合させることによって得られる。重合方法は
特に限定されない。
物基を有する重合体である。酸無水物基含有重合体は、
酸無水物基を含有する単量体を単独重合、または他の単
量体と共重合させることによって得られる。重合方法は
特に限定されない。
【0012】酸無水物基含有重合体の合成に用いる酸無
水物基を含有する単量体は、重合可能なものであれば特
に限定されず、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸のようなα、β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物などが挙げられる。特に無水マレイン酸が好
適である。
水物基を含有する単量体は、重合可能なものであれば特
に限定されず、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸のようなα、β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物などが挙げられる。特に無水マレイン酸が好
適である。
【0013】酸無水物基含有重合体の合成に用いる酸無
水物基を含有する単量体と共重合可能な他の単量体とし
ては、スチレン、ビニルトルエン、アルキルスチレンな
どのエチレン性不飽和芳香族単量体;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有エチレン
性不飽和単量体;アクリル酸、メタクリル酸などのエチ
レン性不飽和カルボン酸単量体;アクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エ
ステル;エチレン、プロピレン、イソブテン、ブテン、
ペンテン、メチルブテン、ヘキセン、ドデセン、トリメ
チルペンテン、デセン、オクタデセンなどのα−オレフ
ィン;シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテ
ンなどの脂環式オレフィン;ブタジエン、イソプレン、
ピペリレンなどの共役ジエン単量体;塩化ビニルなどの
ハロゲン化ビニル単量体;酢酸ビニルなどのカルボン酸
ビニルエステル単量体;メチルビニルエーテルなどのビ
ニルエーテル単量体;ビニルスルホン酸などのエチレン
性不飽和スルホン酸単量体などが挙げられる。
水物基を含有する単量体と共重合可能な他の単量体とし
ては、スチレン、ビニルトルエン、アルキルスチレンな
どのエチレン性不飽和芳香族単量体;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有エチレン
性不飽和単量体;アクリル酸、メタクリル酸などのエチ
レン性不飽和カルボン酸単量体;アクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エ
ステル;エチレン、プロピレン、イソブテン、ブテン、
ペンテン、メチルブテン、ヘキセン、ドデセン、トリメ
チルペンテン、デセン、オクタデセンなどのα−オレフ
ィン;シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテ
ンなどの脂環式オレフィン;ブタジエン、イソプレン、
ピペリレンなどの共役ジエン単量体;塩化ビニルなどの
ハロゲン化ビニル単量体;酢酸ビニルなどのカルボン酸
ビニルエステル単量体;メチルビニルエーテルなどのビ
ニルエーテル単量体;ビニルスルホン酸などのエチレン
性不飽和スルホン酸単量体などが挙げられる。
【0014】本発明に用いる酸無水物基含有重合体は酸
無水物基の含有量によって特に限定されないが、特に酸
無水物基を含有する単量体単位が30モル%以上の割合
で含有するものが好ましい。酸無水物基を含有する単量
体単位の量が30モル%未満の場合には、消臭性能を付
与するために、酸無水物基含有重合体を多量に使用しな
ければならないので、得られる消臭性パイル糸の柔軟性
が低下し、消臭性パイル糸を基布固定にするのが困難に
なることがある。
無水物基の含有量によって特に限定されないが、特に酸
無水物基を含有する単量体単位が30モル%以上の割合
で含有するものが好ましい。酸無水物基を含有する単量
体単位の量が30モル%未満の場合には、消臭性能を付
与するために、酸無水物基含有重合体を多量に使用しな
ければならないので、得られる消臭性パイル糸の柔軟性
が低下し、消臭性パイル糸を基布固定にするのが困難に
なることがある。
【0015】また、酸無水物基含有重合体は、その分子
量によって特に限定されないが、500〜1,000,000、特に
1,000〜300,000であるものが好ましい。分子量が500未
満の場合には、得られる消臭性カーペットの耐洗濯性が
低下し、好ましくないことがある。該分子量が1,000,00
0を越える場合には、得られる消臭性組成物を水あるい
は有機溶剤に溶解させたものは粘度が高くなり、パイル
糸に付着させる作業が困難になるので好ましくないこと
がある。
量によって特に限定されないが、500〜1,000,000、特に
1,000〜300,000であるものが好ましい。分子量が500未
満の場合には、得られる消臭性カーペットの耐洗濯性が
低下し、好ましくないことがある。該分子量が1,000,00
0を越える場合には、得られる消臭性組成物を水あるい
は有機溶剤に溶解させたものは粘度が高くなり、パイル
糸に付着させる作業が困難になるので好ましくないこと
がある。
【0016】酸無水物基含有重合体には、水溶性のもの
が好適に用いられる。
が好適に用いられる。
【0017】酸無水物基含有重合体が水溶性でない場合
でも、塩基性物質で中和することによって水溶性化させ
て用いることができる。
でも、塩基性物質で中和することによって水溶性化させ
て用いることができる。
【0018】酸無水物基含有重合体は、その中和度によ
って限定されないが、0.8以下であるものが好まし
い。中和度が0.8を越える場合には、得られる消臭性
カーペットの消臭性能の耐洗濯性が低下し、好ましくな
いことがある。
って限定されないが、0.8以下であるものが好まし
い。中和度が0.8を越える場合には、得られる消臭性
カーペットの消臭性能の耐洗濯性が低下し、好ましくな
いことがある。
【0019】ここで、酸無水物基含有重合体の中和に用
いられる塩基性物質は、水素イオンを受容する性質を有
する。その具体例として、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の水酸化物;アンモニアおよびその塩;
メチルアミン、エチルメチルアミン、ジメチルアミン、
アニリンなどのアミン類などが挙げられる。特にアルカ
リ金属の水酸化物が好ましい。
いられる塩基性物質は、水素イオンを受容する性質を有
する。その具体例として、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の水酸化物;アンモニアおよびその塩;
メチルアミン、エチルメチルアミン、ジメチルアミン、
アニリンなどのアミン類などが挙げられる。特にアルカ
リ金属の水酸化物が好ましい。
【0020】本発明に用いる架橋剤は、カルボキシル基
または酸無水物基と反応可能な官能基を有するものであ
る。カルボキシル基または酸無水物基と反応可能な官能
基としては、水酸基、エポキシ基、メチロール基、アミ
ノ基などが挙げられる。架橋剤の具体例としては、エチ
レングリコール、グリセリン、ポリビニルアルコールな
どの多価アルコール化合物;グリセリンジグリシジルエ
ーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリ
ントリグリシジルエーテルなどの多価エポキシ化合物;
ポリエチレンイミン、エチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、メラミンなどの多
価アミン化合物;トリメチロールメラミンなどの多価メ
チロール化合物などが挙げられる。特に多価エポキシ化
合物などの水溶性の架橋剤が好適である。
または酸無水物基と反応可能な官能基を有するものであ
る。カルボキシル基または酸無水物基と反応可能な官能
基としては、水酸基、エポキシ基、メチロール基、アミ
ノ基などが挙げられる。架橋剤の具体例としては、エチ
レングリコール、グリセリン、ポリビニルアルコールな
どの多価アルコール化合物;グリセリンジグリシジルエ
ーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリ
ントリグリシジルエーテルなどの多価エポキシ化合物;
ポリエチレンイミン、エチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、メラミンなどの多
価アミン化合物;トリメチロールメラミンなどの多価メ
チロール化合物などが挙げられる。特に多価エポキシ化
合物などの水溶性の架橋剤が好適である。
【0021】架橋剤の含有量は、上記酸無水物基含有重
合体中の酸無水物基1モルに対して、架橋剤中の官能基
量が通常0.005〜0.5モル、好ましくは0.05〜0.3モルの
比率になる範囲である。ただし、カルボキシル基の場合
は、その2モルを酸無水物基1モルに換算する。架橋剤
中の官能基量が0.005モル未満の場合には、得られる消
臭性カーペットの耐洗濯性が低下し、好ましくないこと
がある。架橋剤中の官能基量が0.5モルを越える場合に
は、得られる消臭性パイル糸の柔軟性が低下し、好まし
くないことがある。
合体中の酸無水物基1モルに対して、架橋剤中の官能基
量が通常0.005〜0.5モル、好ましくは0.05〜0.3モルの
比率になる範囲である。ただし、カルボキシル基の場合
は、その2モルを酸無水物基1モルに換算する。架橋剤
中の官能基量が0.005モル未満の場合には、得られる消
臭性カーペットの耐洗濯性が低下し、好ましくないこと
がある。架橋剤中の官能基量が0.5モルを越える場合に
は、得られる消臭性パイル糸の柔軟性が低下し、好まし
くないことがある。
【0022】本発明に用いる柔軟剤としては、ロート
油、油脂、ロウ硫酸化油、高級アルコール部分硫酸化
物、脂肪酸硫酸化油などのアニオン性柔軟剤;ペンタエ
リスリトールエステル、グリセリンモノエステル、ソル
ビタンモノエステル、エチレンオキシド−プロピレンオ
キシド縮合物、アルキロールアミドなどのノニオン性柔
軟剤が挙げられる。特にノニオン性柔軟剤が好適であ
る。
油、油脂、ロウ硫酸化油、高級アルコール部分硫酸化
物、脂肪酸硫酸化油などのアニオン性柔軟剤;ペンタエ
リスリトールエステル、グリセリンモノエステル、ソル
ビタンモノエステル、エチレンオキシド−プロピレンオ
キシド縮合物、アルキロールアミドなどのノニオン性柔
軟剤が挙げられる。特にノニオン性柔軟剤が好適であ
る。
【0023】柔軟剤の量は、酸無水物基含有重合体100
重量部に対して通常5〜150重量部、特に10〜100重量部
であることが好ましい。5重量部未満の場合には、消臭
性パイル糸の柔軟性が低下し好ましくないことがある。
150重量部を越える場合には、消臭性カーペットの消臭
性能が低下し好ましくないことがある。
重量部に対して通常5〜150重量部、特に10〜100重量部
であることが好ましい。5重量部未満の場合には、消臭
性パイル糸の柔軟性が低下し好ましくないことがある。
150重量部を越える場合には、消臭性カーペットの消臭
性能が低下し好ましくないことがある。
【0024】消臭性組成物には、さらに必要に応じて、
防炎剤、溌水剤、消泡剤、防汚剤、防黴剤、防虫剤、抗
菌剤などの添加剤が含有され得る。
防炎剤、溌水剤、消泡剤、防汚剤、防黴剤、防虫剤、抗
菌剤などの添加剤が含有され得る。
【0025】本発明に用いる消臭性組成物は、その性状
が、固体、溶液、分散液のいずれでもよいが、特に、パ
イル糸に付着または含浸させやすいので、水または有機
溶剤の溶液であるものが好ましい。
が、固体、溶液、分散液のいずれでもよいが、特に、パ
イル糸に付着または含浸させやすいので、水または有機
溶剤の溶液であるものが好ましい。
【0026】本発明に用いる消臭性組成物は酸無水物含
有重合体、架橋剤および柔軟剤を混合することにより得
られる。特に、消臭性組成物は、パイル糸に付着または
含浸させやすいので、酸無水物基含有重合体、架橋剤お
よび柔軟剤を水または有機溶剤に添加し溶解させて得ら
れるものが好適である。
有重合体、架橋剤および柔軟剤を混合することにより得
られる。特に、消臭性組成物は、パイル糸に付着または
含浸させやすいので、酸無水物基含有重合体、架橋剤お
よび柔軟剤を水または有機溶剤に添加し溶解させて得ら
れるものが好適である。
【0027】本発明に用いるパイル糸は、カーペットの
表面に起毛させる糸のことである。パイル糸の素材は特
に限定されず、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエス
テル繊維、ポリプロピレン繊維のような合成繊維;羊
毛、絹、綿のような天然繊維、レーヨンのような半合成
繊維などが挙げられる。パイル糸は、染色剤などで染色
したものであってもよい。
表面に起毛させる糸のことである。パイル糸の素材は特
に限定されず、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエス
テル繊維、ポリプロピレン繊維のような合成繊維;羊
毛、絹、綿のような天然繊維、レーヨンのような半合成
繊維などが挙げられる。パイル糸は、染色剤などで染色
したものであってもよい。
【0028】本発明の消臭性パイル糸は、パイル糸に酸
無水物基含有重合体、架橋剤および柔軟剤を含有する消
臭性組成物を付着または含浸させて得られるものであ
る。酸無水物基含有重合体、架橋剤および柔軟剤を個別
にパイル糸に付着させても十分な性能が得られない。例
えば、酸無水物基含有重合体および架橋剤を糸に付着さ
せた後に柔軟剤を付着させる場合には、得られる消臭性
パイル糸の消臭性能が低くなり、好ましくない。柔軟剤
を糸に付着させた後に該無水物基含有重合体および架橋
剤を付着させる場合には、得られる消臭性パイル糸の柔
軟性が低下し消臭性パイル糸を基布に固定するのが困難
になる。
無水物基含有重合体、架橋剤および柔軟剤を含有する消
臭性組成物を付着または含浸させて得られるものであ
る。酸無水物基含有重合体、架橋剤および柔軟剤を個別
にパイル糸に付着させても十分な性能が得られない。例
えば、酸無水物基含有重合体および架橋剤を糸に付着さ
せた後に柔軟剤を付着させる場合には、得られる消臭性
パイル糸の消臭性能が低くなり、好ましくない。柔軟剤
を糸に付着させた後に該無水物基含有重合体および架橋
剤を付着させる場合には、得られる消臭性パイル糸の柔
軟性が低下し消臭性パイル糸を基布に固定するのが困難
になる。
【0029】消臭性組成物をパイル糸に付着または含浸
させる方法は特に限定されず、パイル糸を消臭性組成物
の水溶液に漬ける方法;パイル糸に消臭性組成物の水溶
液を振りかける方法などがある。消臭性組成物をパイル
糸に付着または含浸させた後、余剰の消臭性組成物の水
溶液を脱水により取り除き、乾燥することができる。
させる方法は特に限定されず、パイル糸を消臭性組成物
の水溶液に漬ける方法;パイル糸に消臭性組成物の水溶
液を振りかける方法などがある。消臭性組成物をパイル
糸に付着または含浸させた後、余剰の消臭性組成物の水
溶液を脱水により取り除き、乾燥することができる。
【0030】本発明の消臭性パイル糸は、消臭性組成物
を、パイル糸100重量部に対して通常、0.01〜20固形分
換算重量部、特に0.1〜10固形分換算重量部の割合で付
着または含浸させたものが好ましい。消臭性組成物の付
着量が0.01固形分換算重量部未満の場合には、得られる
消臭性パイル糸の消臭性能が低くなり、好ましくないこ
とがある。消臭性組成物の付着量が20固形分換算重量部
を越える場合には、消臭性パイル糸の柔軟性が低下し、
好ましくないことがある。
を、パイル糸100重量部に対して通常、0.01〜20固形分
換算重量部、特に0.1〜10固形分換算重量部の割合で付
着または含浸させたものが好ましい。消臭性組成物の付
着量が0.01固形分換算重量部未満の場合には、得られる
消臭性パイル糸の消臭性能が低くなり、好ましくないこ
とがある。消臭性組成物の付着量が20固形分換算重量部
を越える場合には、消臭性パイル糸の柔軟性が低下し、
好ましくないことがある。
【0031】上記消臭性パイル糸には、さらに銅化合物
を付着または含浸させることが好ましい。銅化合物を付
着または含浸させることによって、硫黄系の悪臭の消臭
性能を向上させることができる。
を付着または含浸させることが好ましい。銅化合物を付
着または含浸させることによって、硫黄系の悪臭の消臭
性能を向上させることができる。
【0032】銅化合物として、無機酸塩、有機酸塩、錯
体、酸化物、水酸化物、硫化物などのいずれの銅化合物
を用いてもよい。銅化合物の具体例としては、硫酸銅、
硝酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第
二銅、ヨウ化第一銅、炭酸銅、シアン化銅、酸性リン酸
銅、ピロリン酸銅、酢酸銅、クエン酸第二銅、コハク酸
銅、オレイン酸銅、ナフテン酸銅、グルコン酸銅、リン
ゴ酸銅、グリオキシル酸銅、2-ケトグルタル酸銅、ピル
ビン酸銅、オキサロ酢酸銅、銅クロロフィル、銅クロロ
フィリンナトリウム、銅クロロフィリンカリウム、フタ
ロシアニン銅、銅ポルフィリン、エチレンジアミン四酢
酸銅、銅アセチルアセテート、水酸化第二銅、酸化第一
銅、酸化第二銅などが挙げられる。
体、酸化物、水酸化物、硫化物などのいずれの銅化合物
を用いてもよい。銅化合物の具体例としては、硫酸銅、
硝酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第
二銅、ヨウ化第一銅、炭酸銅、シアン化銅、酸性リン酸
銅、ピロリン酸銅、酢酸銅、クエン酸第二銅、コハク酸
銅、オレイン酸銅、ナフテン酸銅、グルコン酸銅、リン
ゴ酸銅、グリオキシル酸銅、2-ケトグルタル酸銅、ピル
ビン酸銅、オキサロ酢酸銅、銅クロロフィル、銅クロロ
フィリンナトリウム、銅クロロフィリンカリウム、フタ
ロシアニン銅、銅ポルフィリン、エチレンジアミン四酢
酸銅、銅アセチルアセテート、水酸化第二銅、酸化第一
銅、酸化第二銅などが挙げられる。
【0033】これらの銅化合物は、1種だけで、または
2種以上を組み合わせて用いることができる。特に銅化
合物としては水溶性のものが好適に用いられる。
2種以上を組み合わせて用いることができる。特に銅化
合物としては水溶性のものが好適に用いられる。
【0034】銅化合物を消臭性パイル糸に付着または含
浸させる方法としては、消臭性パイル糸に銅化合物の水
溶液をスプレー塗りして付着させる方法;消臭性パイル
糸を銅化合物の水溶液に浸漬する方法などが挙げられ
る。銅化合物を消臭性パイル糸に付着させた後、乾燥す
ることができる。
浸させる方法としては、消臭性パイル糸に銅化合物の水
溶液をスプレー塗りして付着させる方法;消臭性パイル
糸を銅化合物の水溶液に浸漬する方法などが挙げられ
る。銅化合物を消臭性パイル糸に付着させた後、乾燥す
ることができる。
【0035】銅化合物はその付着させる量が、消臭性組
成物を付着または含浸していないパイル糸100重量部に
対して通常5重量部以下、特に0.001〜2重量部であるこ
とが好ましい。付着量が5重量部を越える場合には、消
臭性パイル糸の柔軟性が低下し好ましくないことがあ
る。
成物を付着または含浸していないパイル糸100重量部に
対して通常5重量部以下、特に0.001〜2重量部であるこ
とが好ましい。付着量が5重量部を越える場合には、消
臭性パイル糸の柔軟性が低下し好ましくないことがあ
る。
【0036】本発明の消臭性カーペットは、消臭性パイ
ル糸を、基布に固定することによって得られる。
ル糸を、基布に固定することによって得られる。
【0037】本発明の消臭性カーペットにおいて、基布
に固定する消臭性パイル糸の目付量は、通常0.25〜
2.5kg/m2である。0.25kg/m2未満では消
臭性が得られないことがある。逆に2.5kg/m2を
超えて消臭性パイル糸を基布に固定することが困難にな
ることがある。
に固定する消臭性パイル糸の目付量は、通常0.25〜
2.5kg/m2である。0.25kg/m2未満では消
臭性が得られないことがある。逆に2.5kg/m2を
超えて消臭性パイル糸を基布に固定することが困難にな
ることがある。
【0038】本発明に用いる基布は、カーペット用に通
常用いられる基布である。基布の形態は特に限定され
ず、織布、不織布などが挙げられる。また、基布の素材
は、カーペット用基布に用いられる素材であれば限定さ
れないが、特にポリプロピレン、ポリエステルなどの合
成樹脂が好適に用いられる。
常用いられる基布である。基布の形態は特に限定され
ず、織布、不織布などが挙げられる。また、基布の素材
は、カーペット用基布に用いられる素材であれば限定さ
れないが、特にポリプロピレン、ポリエステルなどの合
成樹脂が好適に用いられる。
【0039】本発明の消臭性カーペットは、基布に消臭
性パイル糸を固定する方法によって限定されず、タフ
ト、ニードルパンチなどの方法などによって得られる。
性パイル糸を固定する方法によって限定されず、タフ
ト、ニードルパンチなどの方法などによって得られる。
【0040】消臭性パイル糸の抜けを防止するために、
消臭性パイル糸を固定した後、裏打ち用結合剤を基布裏
側に塗布することができる。裏打ち用結合剤としては、
スチレン系重合体ラテックス、アクリレート系重合体ラ
テックス、ブタジエン系重合体ラテックスなどが用いら
れる。
消臭性パイル糸を固定した後、裏打ち用結合剤を基布裏
側に塗布することができる。裏打ち用結合剤としては、
スチレン系重合体ラテックス、アクリレート系重合体ラ
テックス、ブタジエン系重合体ラテックスなどが用いら
れる。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されな
い。実施例および比較例中の部および%は、特に断わら
ない限り、重量基準である。
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されな
い。実施例および比較例中の部および%は、特に断わら
ない限り、重量基準である。
【0042】実施例において、消臭性カーペットの評価
方法は以下の通りである。
方法は以下の通りである。
【0043】(1)加工上がりのカーペットのアンモニ
ア消臭性能 2cm×5cmの加工上がりのカーペットを、内容量1
50mlのガラス容器に入れ密栓した。次に500pp
m濃度のアンモニアガスを含む空気で容器内を置換し、
2時間経過後に容器内のアンモニアガスの濃度をガスク
ロマトグラフで測定し、消臭率を計算した。%で示した
数値が大きい方が優れている。
ア消臭性能 2cm×5cmの加工上がりのカーペットを、内容量1
50mlのガラス容器に入れ密栓した。次に500pp
m濃度のアンモニアガスを含む空気で容器内を置換し、
2時間経過後に容器内のアンモニアガスの濃度をガスク
ロマトグラフで測定し、消臭率を計算した。%で示した
数値が大きい方が優れている。
【0044】(2)加工上がりのカーペットのメチルメ
ルカプタン消臭性能 2cm×5cmの加工上がりのカーペットを、内容量1
50mlのガラス容器に入れ密栓した。次に100pp
m濃度のメチルメルカプタンガスを含む空気で容器内を
置換し、2時間経過後に容器内のメチルメルカプタンガ
スの濃度をガスクロマトグラフで測定し、消臭率を計算
した。%で示した数値が大きい方が優れている。
ルカプタン消臭性能 2cm×5cmの加工上がりのカーペットを、内容量1
50mlのガラス容器に入れ密栓した。次に100pp
m濃度のメチルメルカプタンガスを含む空気で容器内を
置換し、2時間経過後に容器内のメチルメルカプタンガ
スの濃度をガスクロマトグラフで測定し、消臭率を計算
した。%で示した数値が大きい方が優れている。
【0045】(3)洗濯後のカーペットのアンモニア消
臭性能 家庭用洗剤20gを溶解した40℃、10リットルの洗
濯液にカーペットを30分間浸漬した後、水で2回すす
いだ。取り出したカーペットを脱水した後、70℃乾燥
機中で乾燥させた。この洗濯後のカーペットのアンモニ
ア消臭性能について、上記(1)と同じ方法で評価し
た。
臭性能 家庭用洗剤20gを溶解した40℃、10リットルの洗
濯液にカーペットを30分間浸漬した後、水で2回すす
いだ。取り出したカーペットを脱水した後、70℃乾燥
機中で乾燥させた。この洗濯後のカーペットのアンモニ
ア消臭性能について、上記(1)と同じ方法で評価し
た。
【0046】(4)洗濯後のカーペットのメチルメルカ
プタン消臭性能 家庭用洗剤20gを溶解した、40℃、10リットルの
洗濯液にカーペットを30分間浸漬した後、水で2回す
すいだ。取り出したカーペットを脱水した後、70℃乾
燥機中で乾燥させた。この洗濯後のカーペットのメチル
メルカプタン消臭性能について、上記(2)と同じ方法
で評価した。
プタン消臭性能 家庭用洗剤20gを溶解した、40℃、10リットルの
洗濯液にカーペットを30分間浸漬した後、水で2回す
すいだ。取り出したカーペットを脱水した後、70℃乾
燥機中で乾燥させた。この洗濯後のカーペットのメチル
メルカプタン消臭性能について、上記(2)と同じ方法
で評価した。
【0047】(実施例1)スチレン−無水マレイン酸共
重合体(共重合モル比50/50)ナトリウム塩(中和
度0.2)が4%、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテルが0.2%およびエチレンオキシド−プロピレン
オキシド系柔軟剤が2%になるようにそれぞれを水に混
合溶解し、消臭性組成物の水溶液を得た。
重合体(共重合モル比50/50)ナトリウム塩(中和
度0.2)が4%、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテルが0.2%およびエチレンオキシド−プロピレン
オキシド系柔軟剤が2%になるようにそれぞれを水に混
合溶解し、消臭性組成物の水溶液を得た。
【0048】次に、ナイロンBCF染色糸(以下「パイ
ル糸」という)を上記消臭性組成物の水溶液に10分間
浸漬した後、脱水し、60℃の高周波乾燥機で乾燥した
後、130℃の熱風で熱処理して、消臭性組成物をパイ
ル糸に付着させた消臭性パイル糸を得た。消臭性組成物
の付着量はパイル糸100部に対して3.1部であっ
た。
ル糸」という)を上記消臭性組成物の水溶液に10分間
浸漬した後、脱水し、60℃の高周波乾燥機で乾燥した
後、130℃の熱風で熱処理して、消臭性組成物をパイ
ル糸に付着させた消臭性パイル糸を得た。消臭性組成物
の付着量はパイル糸100部に対して3.1部であっ
た。
【0049】次に、消臭性パイル糸を、不織布(目付
け:200g/m2、素材:ポリプロピレン)にタフト
し(パイル糸目付1kg/m2)、さらに不織布の裏側
からバッキング剤(スチレン・ブタジエン共重合体系ラ
テックス:日本ゼオン(株)製ニポール4850A)を
塗布(塗布量1kg/m2)した後、130℃の熱風乾
燥機中で3分間乾燥させて消臭性カーペットを得た。こ
の消臭性カーペットについて上記の評価を行った。その
結果を表1に示す。
け:200g/m2、素材:ポリプロピレン)にタフト
し(パイル糸目付1kg/m2)、さらに不織布の裏側
からバッキング剤(スチレン・ブタジエン共重合体系ラ
テックス:日本ゼオン(株)製ニポール4850A)を
塗布(塗布量1kg/m2)した後、130℃の熱風乾
燥機中で3分間乾燥させて消臭性カーペットを得た。こ
の消臭性カーペットについて上記の評価を行った。その
結果を表1に示す。
【0050】(実施例2)実施例1においてバッキング
剤を塗布した後、熱風で乾燥する前に、カーペットのパ
イル糸部に、2%の硫酸第二銅の水溶液をスプレーして
消臭性パイル糸に硫酸第二銅を付着させた他は実施例1
と同様にして消臭性カーペットを得た。硫酸第二銅の付
着量はパイル糸100部に対して1部であった。この消
臭性カーペットについて上記の評価を行った。その結果
を表1に示す。
剤を塗布した後、熱風で乾燥する前に、カーペットのパ
イル糸部に、2%の硫酸第二銅の水溶液をスプレーして
消臭性パイル糸に硫酸第二銅を付着させた他は実施例1
と同様にして消臭性カーペットを得た。硫酸第二銅の付
着量はパイル糸100部に対して1部であった。この消
臭性カーペットについて上記の評価を行った。その結果
を表1に示す。
【0051】(比較例1)スチレン−無水マレイン酸共
重合体(共重合モル比50/50)ナトリウム塩(中和
度0.2)が4%およびエチレングリコールジグリシジ
ルエーテルが0.2%になるようにそれぞれを水に混合
溶解し、水溶液を得た。次にパイル糸を上記水溶液に1
0分間浸漬した後、脱水し、60℃の高周波乾燥機で乾
燥した後、130℃の熱風で熱処理し、さらにエチレン
オキシド−プロピレンオキシド系柔軟剤2%水溶液に1
0分間浸漬して、脱水し、60℃の高周波乾燥機で乾燥
して、酸無水物基含有重合体および架橋剤と柔軟剤とを
パイル糸に順次付着させたパイル糸を得た。酸無水物基
含有重合体と架橋剤とを併せた付着量は、パイル糸10
0部に対して2.1部、柔軟剤の付着量はパイル糸10
0部に対して1部であった。
重合体(共重合モル比50/50)ナトリウム塩(中和
度0.2)が4%およびエチレングリコールジグリシジ
ルエーテルが0.2%になるようにそれぞれを水に混合
溶解し、水溶液を得た。次にパイル糸を上記水溶液に1
0分間浸漬した後、脱水し、60℃の高周波乾燥機で乾
燥した後、130℃の熱風で熱処理し、さらにエチレン
オキシド−プロピレンオキシド系柔軟剤2%水溶液に1
0分間浸漬して、脱水し、60℃の高周波乾燥機で乾燥
して、酸無水物基含有重合体および架橋剤と柔軟剤とを
パイル糸に順次付着させたパイル糸を得た。酸無水物基
含有重合体と架橋剤とを併せた付着量は、パイル糸10
0部に対して2.1部、柔軟剤の付着量はパイル糸10
0部に対して1部であった。
【0052】次に、このパイル糸を用いること以外は、
実施例1と同様にしてカーペットを得た。このカーペッ
トについて上記の評価を行った。その結果を表1に示
す。
実施例1と同様にしてカーペットを得た。このカーペッ
トについて上記の評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0053】(比較例2)スチレン−無水マレイン酸共
重合体(共重合モル比50/50)ナトリウム塩(中和
度0.2)が10%、エチレングリコールジグリシジル
エーテルが0.5%になるようにそれぞれを水に混合溶
解させた水溶液を不織布(目付け:200g/m2、素
材:ポリプロピレン)に塗布(200g/m2)し、1
30℃の熱風乾燥機中で3分間乾燥させて、酸無水物基
含有重合体と架橋剤とを併せて21g/m2付着させた
不織布を得た。
重合体(共重合モル比50/50)ナトリウム塩(中和
度0.2)が10%、エチレングリコールジグリシジル
エーテルが0.5%になるようにそれぞれを水に混合溶
解させた水溶液を不織布(目付け:200g/m2、素
材:ポリプロピレン)に塗布(200g/m2)し、1
30℃の熱風乾燥機中で3分間乾燥させて、酸無水物基
含有重合体と架橋剤とを併せて21g/m2付着させた
不織布を得た。
【0054】次に、エチレンオキシド−プロピレンオキ
シド系柔軟剤2%水溶液に10分間浸漬して、脱水し、
60℃の高周波乾燥機で乾燥して柔軟剤を付着させたパ
イル糸を得た。柔軟剤の付着量はパイル糸100部に対
して1部であった。このパイル糸を、前記不織布に実施
例1と同様にタフトし、バッキング剤を塗布してカーペ
ットを得た。このカーペットについて上記の評価を行っ
た。その結果を表1に示す。
シド系柔軟剤2%水溶液に10分間浸漬して、脱水し、
60℃の高周波乾燥機で乾燥して柔軟剤を付着させたパ
イル糸を得た。柔軟剤の付着量はパイル糸100部に対
して1部であった。このパイル糸を、前記不織布に実施
例1と同様にタフトし、バッキング剤を塗布してカーペ
ットを得た。このカーペットについて上記の評価を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0055】(比較例3)比較例2で用いたエチレンオ
キシド−プロピレンオキシド系柔軟剤を付着させたパイ
ル糸を不織布(目付け:200g/m2、素材:ポリプ
ロピレン)にタフトし(パイル糸目付1kg/m2)、
次にスチレン−無水マレイン酸共重合体(共重合モル比
50/50)ナトリウム塩(中和度0.2)が2%およ
び、エチレングリコールジグリシジルエーテルが0.1
%になるようにそれぞれをスチレン・ブタジエン共重合
体系ラテックス(日本ゼオン(株)製ニポール4850
A)に混合溶解させたバッキング剤を用いて、不織布の
裏側から塗布(塗布量1kg/m2)した後、130℃
の熱風乾燥機中で3分間乾燥させてカーペットを得た。
このカーペットについて上記の評価を行った。その結果
を表1に示す。
キシド−プロピレンオキシド系柔軟剤を付着させたパイ
ル糸を不織布(目付け:200g/m2、素材:ポリプ
ロピレン)にタフトし(パイル糸目付1kg/m2)、
次にスチレン−無水マレイン酸共重合体(共重合モル比
50/50)ナトリウム塩(中和度0.2)が2%およ
び、エチレングリコールジグリシジルエーテルが0.1
%になるようにそれぞれをスチレン・ブタジエン共重合
体系ラテックス(日本ゼオン(株)製ニポール4850
A)に混合溶解させたバッキング剤を用いて、不織布の
裏側から塗布(塗布量1kg/m2)した後、130℃
の熱風乾燥機中で3分間乾燥させてカーペットを得た。
このカーペットについて上記の評価を行った。その結果
を表1に示す。
【0056】(実施例3)実施例1で用いた消臭性組成
物の水溶液の代わりに、イソブテン−無水マレイン酸共
重合体(共重合モル比50/50)ナトリウム塩(中和
度0.3)が6%、ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテルが0.2%およびエチレンオキシドープロピ
レンオキシド系柔軟剤が4%になるようにそれぞれを水
に混合溶解させた消臭性組成物の水溶液を用いたこと以
外は実施例1と同様にして消臭性パイル糸および消臭性
カーペットを得た。消臭性組成物の付着量はパイル糸1
00部に対して5.1部であった。この消臭性カーペッ
トについて上記の評価を行った。その結果を表1に示
す。
物の水溶液の代わりに、イソブテン−無水マレイン酸共
重合体(共重合モル比50/50)ナトリウム塩(中和
度0.3)が6%、ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテルが0.2%およびエチレンオキシドープロピ
レンオキシド系柔軟剤が4%になるようにそれぞれを水
に混合溶解させた消臭性組成物の水溶液を用いたこと以
外は実施例1と同様にして消臭性パイル糸および消臭性
カーペットを得た。消臭性組成物の付着量はパイル糸1
00部に対して5.1部であった。この消臭性カーペッ
トについて上記の評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0057】(実施例4)実施例3においてパッキング
剤を塗布した後、熱風で乾燥する前に、カーペッドのパ
イル糸部に、2%の塩化第二銅の水溶液をスプレーして
消臭性パイル糸に塩化第二銅を付着させたこと以外は実
施例3と同様にして消臭性カーペットを得た。塩化第二
銅の付着量はパイル糸100部に対して1部であった。
この消臭性カーペットについて上記の評価を行った。そ
の結果を表1に示す。
剤を塗布した後、熱風で乾燥する前に、カーペッドのパ
イル糸部に、2%の塩化第二銅の水溶液をスプレーして
消臭性パイル糸に塩化第二銅を付着させたこと以外は実
施例3と同様にして消臭性カーペットを得た。塩化第二
銅の付着量はパイル糸100部に対して1部であった。
この消臭性カーペットについて上記の評価を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】表1より、実施例1〜4で得られたカーペ
ットは、アンモニアおよびメチルメルカプタン消臭性能
が、加工上がりおよび洗濯後において優れており、特に
実施例2および4で得られたカーペット(銅化合物が付
着されている)は、メチルメルカプタン消臭性能が優れ
ていることがわかった。
ットは、アンモニアおよびメチルメルカプタン消臭性能
が、加工上がりおよび洗濯後において優れており、特に
実施例2および4で得られたカーペット(銅化合物が付
着されている)は、メチルメルカプタン消臭性能が優れ
ていることがわかった。
【0060】
【発明の効果】本発明の酸無水物基含有重合体、架橋剤
および柔軟剤を含有する消臭性組成物を付着させたパイ
ル糸は、消臭性に優れ、かつ柔軟性が十分付与されてい
るために加工上の問題がない。該パイル糸を用いて製造
したカーペットは、耐洗濯性のある優れた消臭性能およ
び柔軟性を有する。
および柔軟剤を含有する消臭性組成物を付着させたパイ
ル糸は、消臭性に優れ、かつ柔軟性が十分付与されてい
るために加工上の問題がない。該パイル糸を用いて製造
したカーペットは、耐洗濯性のある優れた消臭性能およ
び柔軟性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 11/42 13/11 D06M 13/18 (72)発明者 関谷 英夫 大阪府大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社本社内 (72)発明者 宮崎 光司 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日 本ゼオン株式会社研究開発センター内 (72)発明者 滝上 登 東京都千代田区丸の内2−6−1 日本ゼ オン株式会社内 (72)発明者 植田 恒久 東京都千代田区丸の内2−6−1 日本ゼ オン株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 酸無水物基含有重合体、架橋剤および柔
軟剤を含有する消臭性組成物をパイル糸に付着または含
浸させて得られる、消臭性パイル糸。 - 【請求項2】 請求項1記載の消臭性パイル糸に、さら
に銅化合物を付着または含浸させて得られる、消臭性パ
イル糸。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の消臭性
パイル糸を、基布に固定させてなる、消臭性カーペッ
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12750993A JPH06341060A (ja) | 1993-05-28 | 1993-05-28 | 消臭性パイル糸およびそれを用いた消臭性カーペット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12750993A JPH06341060A (ja) | 1993-05-28 | 1993-05-28 | 消臭性パイル糸およびそれを用いた消臭性カーペット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06341060A true JPH06341060A (ja) | 1994-12-13 |
Family
ID=14961761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12750993A Pending JPH06341060A (ja) | 1993-05-28 | 1993-05-28 | 消臭性パイル糸およびそれを用いた消臭性カーペット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06341060A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007066438A1 (ja) * | 2005-12-08 | 2007-06-14 | Suminoe Textile Co., Ltd. | 消臭布帛及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-05-28 JP JP12750993A patent/JPH06341060A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007066438A1 (ja) * | 2005-12-08 | 2007-06-14 | Suminoe Textile Co., Ltd. | 消臭布帛及びその製造方法 |
US9540762B2 (en) | 2005-12-08 | 2017-01-10 | Suminoe Textile Co., Ltd. | Odor eliminating cloth and process for producing the same |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20021028 |