JP3279425B2 - 撥水剤組成物及び撥水剤物品並びに撥水処理方法 - Google Patents
撥水剤組成物及び撥水剤物品並びに撥水処理方法Info
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Description
物品並びに撥水処理方法に関し、さらに詳しくは、撥水
性能が良好で、その持続性が高く、撥水処理時の不快臭
の発生が抑制され、かつ撥水処理時のむらづき、シミが
抑制された撥水剤組成物及び撥水剤物品並びに撥水処理
方法に関する。
にパーフルオロアルキル基又はフルオロアルキル基を含
有する重合可能な単量体の重合物、又はこの単量体と他
種の重合可能な単量体との共重合物からなるフッ素系撥
水剤は、撥水処理される対象物、例えば繊維織物に対
し、単位重量繊維当り0.05〜2%o.w.f (on the weight
of fabrics)という比較的少量で優れた撥水効果、更に
は防汚効果を発揮するものであり、繊維織物を初めとし
て、皮革、インテリア、建材等の表面処理加工剤として
近年注目されている。
エアゾールを衣料等に吹きつけたり、又は該撥水剤を塩
素系溶剤(ジクロロエタン、 1,1,1−トリクロロエタ
ン、S−テトラクロロジフルオロエタン、 1,1,2−トリ
クロロ−1,2,2 −トリフルオロエタン等)や、これらの
塩素系溶剤に1価もしくは2価のアルコールを添加した
混合溶剤、又は石油系溶剤(ミネラルターペン油等)に
溶解させた液を布に塗布すると、撥水処理された後の衣
料等が黒、紺色等の濃い色彩を有する場合には、白いシ
ミが目立ち外観を著しく損なうという問題があった。ま
た、これらの撥水剤では撥水処理直後の撥水性は充分に
認められるものの、その効果の持続性が劣るため、衣料
等にたびたび撥水処理しなければならないという問題が
あった。
は、撥水処理にあたり、撥水効果が優れ、その持続性が
高く、且つ処理対象物にシミ残りがない撥水剤組成物及
び該撥水剤組成物を含有する撥水剤物品並びに該撥水剤
物品を使用する撥水処理方法を提供することである。
を解決するため鋭意検討した結果、特定の組成物を使用
することにより、さらにはこの組成物を撥水処理される
べき対象物に噴霧することにより、上記目的を達成し得
ることを見い出し本発明を完成するに到った。
素樹脂(以下(a) 成分と言う) 0.1〜5重量%、炭素数
1〜3のアルコール(以下(b) 成分と言う)90〜99.89
重量%及び第4級アンモニウム塩(以下(c) 成分と言
う)0.01〜5 重量%を含有することを特徴とする撥水剤
組成物を提供するものである。条件エタノールに対し1
重量%の(a) 成分を添加して得られた組成物中へ、JIS-
L-1096規定の6.23.1のA法(但し、乾燥方法はドリップ
乾燥とする)に従い、前処理したポリエステル布を浸漬
し、ついで20℃、65%相対湿度の環境下24時間乾燥させ
たポリエステル布について、JIS-L-1092規定の方法に従
い、撥水試験(スプレー法)を行った場合において、90
点以上の撥水性が得られること。
内部に充填した液体をその外部へ噴霧する装置を具備し
た容器の中へ、充填してなる撥水剤物品を提供するもの
である。そしてさらに本発明は、該撥水剤物品を使用
し、上記撥水剤組成物を、撥水処理されるべき対象物に
対し噴霧することを特徴とする撥水処理方法を提供する
ものである。
れる(a) 成分は上記の条件を満足するフッ素樹脂であ
り、上記の条件を満たさないフッ素樹脂では、処理物に
良好な撥水性を付与することができない。本発明の(a)
成分として用いられるフッ素樹脂としては、例えば CF3
(CF2)7(CH2)11OCOCH=CH2 、CF3(CF2)CH2OCOC(CH3)=CH
2 、
CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 、CF3(CF2)7
(CH2)2OCOCH=CH2 、
キル基を含むアクリレート又はメタクリレートで代表さ
れる不飽和エステル類(以下、フッ素基含有モノマーと
言う)の重合体、又はこのようなフッ素基含有モノマー
と重合し得る化合物(但し、フッ素含有基を有さない化
合物。以下、共重合モノマーと言う)の一種又は二種以
上との共重合体等が挙げられる。この場合、共重合モノ
マーとしては、例えばエチレン、酢酸ビニル、弗化ビニ
ル、塩化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、アクリロニト
リル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、アクリル酸とそのアルキルエステル、メタアクリ
ル酸とそのアルキルエステル、アクリルアミド、メタア
クリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチロール
化ジアセトンアクリルアミド又はメタアクリルアミド、
ビニルアルキルエーテル、ビニルアルキルケトン、ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレン、グリシジルアクリ
レート、ベンジルメタアクリレート、シクロヘキシルメ
タアクリレート、無水マレイン酸等が例示される。
と共重合モノマーとの反応モル比は、フッ素基含有モノ
マー/共重合モノマー= 100/0〜20/80が好ましく、
100/0〜50/50が特に好ましい。この比率が20/80を
下廻る場合には、撥水剤組成物において本発明が所望す
る水準の撥水効果は得られない。
方法は種々の重合反応の方式や条件を任意に選択でき、
塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、放射線重
合、光重合等、各種重合方式のいずれをも採用できる。
例えばフッ素基含有モノマー又はフッ素基含有モノマー
と共重合モノマーの混合物(以下、フッ素基含有モノマ
ー等と言う)を界面活性剤等の存在下に水に乳化させ攪
拌下に重合させる方法、又はフッ素基含有モノマー等を
適当な有機溶媒に溶かし、重合開始剤(過酸化物、アゾ
化合物のような重合開始剤又は放射線等)の作用によ
り、溶液重合させる方法等が採用し得る。
子量は 500〜1,000,000 が好ましく、 500〜100,000 が
特に好ましい。(a) 成分として使用され得る市販のフッ
素樹脂として、DEFENSA MCF-312 、DEFENSA MCF-323
(大日本インキ化学工業(株)製登録商標)等が挙げら
れる。
量は 0.1〜5重量%である。(a) 成分の配合量が 0.1重
量%未満では得られる撥水剤組成物において、本発明が
所望する水準の撥水性が達成されず、一方、配合量が5
重量%を越えても撥水性の大幅な効果向上がみられず、
経済的な観点より好ましくない。本発明の撥水剤組成物
中の (a)成分の配合量はより好ましくは 0.2〜3重量%
である。
(b)成分は、炭素数1〜3のアルコールであるが、例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等
が例示される。この中でもエタノール、イソプロパノー
ルがシミ残り抑制の点で好ましく、エタノールが特に好
ましい。本発明の撥水剤組成物中の (b)成分の配合量は
90〜99.89 重量%、より好ましくは92〜99.7重量%であ
る。(b) 成分の配合量が90重量%未満では経済的観点か
ら好ましくなく、99.89 重量%より多いと本発明が所望
する水準の撥水性が達成されない。
用される第4級アンモニウム塩としては下記一般式(1)
〜(6) で表わされる化合物より選ばれる少なくとも一種
が好ましい。
〜22のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキ
ル基を示す。 R3, R4:同一又は異なって炭素数1〜3のアルキル基も
しくはヒドロキシアルキル基を示すか、又は式
子又はメチル基を示し、n は1〜10の数を示す。 X- :陰イオン基を示す。〕
ドロキシアルキル基を示す。 R6:炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアル
キル基を示すか、又は式
記の意味を示す。 R3, R4, X- :前記の意味を示す。〕
21のアルキル基又はアルケニル基を示す。 Q1, Q2:同一又は異なって−COO−又は−CONH−を示
す。 A1, A2:同一又は異なって炭素数1〜3のアルキレン基
を示す。 R3, R4, X- :前記の意味を示す。〕
ドロキシアルキル基を示す。 Y :−COO−又は−OCO−を示す。〕
す。〕前記一般式(1) で表わされる化合物として次のも
のが例示される。 ・ジ(硬化牛脂由来アルキル)・ジメチルアンモニウム
・クロライド ・ジステアリル・ジメチルアンモニウム・クロライド ・ジオレイル・ジメチルアンモニウム・クロライド ・ジエイコシル・ジメチルアンモニウム・クロライド ・ジ(硬化牛脂由来アルキル)・ジエチルアンモニウム
・クロライド ・ジ(硬化牛脂由来アルキル)・ジ(2−ヒドロキシエ
チル)アンモニウム・p−トルエンスルホネート ・ジステアリル・ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニ
ウム・グリコレート ・ジ(硬化牛脂由来アルキル)・ポリオキシエチレン・
エチルアンモニウム・エチルサルフェート(ここで「ポ
リオキシエチレン」基は−(CH2CH2O)nH で表わされる基
を示す。n は1〜10の数を示す。) ・ジステアリル・ポリオキシエチレン・エチルアンモニ
ウム・エチルサルフェート(ここで「ポリオキシエチレ
ン」基は−(CH2CH2O)nH で表わされる基を示す。n は1
〜10の数を示す。)。
次のものが例示される。 ・(2−ドデシル)ヘキサデシル・トリメチルアンモニ
ウム・クロライド ・(2−テトラデシル)オクタデシル・トリメチルアン
モニウム・クロライド ・(2−ヘキサデシル)ドコシル・トリメチルアンモニ
ウム・クロライド ・(炭素数24の直鎖飽和アルキル)・トリメチルアンモ
ニウム・クロライド。
次のものが例示される。 ・N−〔(2−硬化牛脂由来アルキロイルオキシ)エチ
ル〕−N−〔(3−硬化牛脂由来アルカノイルアミノ)
プロピル〕・ジメチルアンモニウム・クロライド ・N−〔(2−オレオイルオキシ)エチル〕−N−
〔(3−オレオイルアミノ)プロピル〕・ジメチルアン
モニウム・クロライド ・N−〔(2−ラウロイルオキシ)エチル〕−N−
〔(3−ドコシロイルアミノ)プロピル〕・ジメチルア
ンモニウム・クロライド ・N−〔(2−ステアロイルオキシ)エチル)−N−
〔(3−オレオイルアミノ)プロピル〕・ジメチルアン
モニウム・クロライド ・N−〔(2−ステアロイルオキシ)エチル)−N−
〔(3−ステアロイルアミノ)プロピル〕−N−(2−
ヒドロキシエチル)・メチルアンモニウム・メチルホス
フェート ・N−〔(2−硬化牛脂由来アルキロイルオキシ)エチ
ル〕−N−〔(2−硬化牛脂由来アルカノイルアミノ)
エチル〕・ジメチルアンモニウム・クロライド ・N, N−ジ〔(2−硬化牛脂由来アルキロイルオキ
シ)エチル〕・ジメチルアンモニウム・クロライド ・N, N−ジ〔(2−硬化牛脂由来アルキロイルオキ
シ)エチル〕−N−(2−ヒドロキシエチル)・メチル
アンモニウム・クロライド ・N,N−ジ〔(2−硬化牛脂由来アルカノイルアミ
ノ)エチル〕・ジメチルアンモニウム・クロライド ・N,N−ジ〔(3−硬化牛脂由来アルカノイルアミ
ノ)プロピル〕・ジメチルアンモニウム・クロライド ・N, N−ジ〔(2−ステアロイルオキシ)エチル〕・
ジメチルアンモニウム・クロライド ・N, N−ジ〔(2−ステアロイルオキシ)エチル〕−
N−(2−ヒドロキシエチル)・メチルアンモニウム・
メチルサルフェート ・N, N−ジ〔(3−硬化牛脂由来アルカノイルアミ
ノ)プロピル〕−N−(2−ヒドロキシエチル)・メチ
ルアンモニウム・p−トルエンスルホネート。
次のものが例示される。 ・N−〔(2−硬化牛脂由来アルキロイルオキシ)エチ
ル〕−N−硬化牛脂由来アルキル・ジメチルアンモニウ
ム・クロライド ・N−〔(3−硬化牛脂由来アルカノイルアミノ)プロ
ピル〕−N−硬化牛脂由来アルキル・ジメチルアンモニ
ウム・クロライド ・N−(硬化牛脂由来アルキルオキシカルボニルメチ
ル)−N−硬化牛脂由来アルキル・ジメチルアンモニウ
ム・クロライド。
次のものが例示される。 ・2−硬化牛脂由来アルキル−1−メチル−3−〔(2
−硬化牛脂由来アルカノイルアミノ)エチル〕イミダゾ
リニウム・クロライド ・2−オレイル−1−メチル−3−〔(2−オレオイル
アミノ)エチル〕イミダゾリニウム・クロライド ・2−硬化牛脂由来アルキル−1−メチル−3−〔(2
−硬化牛脂由来アルキロイルオキシ)エチル〕イミダゾ
リニウム・クロライド ・2−オレイル−1−メチル−3−〔(2−オレオイル
オキシ)エチル〕イミダゾリニウム・クロライド。
次のものが例示される。 ・2−硬化牛脂由来アルキル−1−メチル−1−〔(2
−硬化牛脂由来アルカノイルアミノ)エチル〕イミダゾ
リニウム・クロライド ・2−オレイル−1−メチル−1−〔(2−オレオイル
アミノ)エチル〕イミダゾリニウム・クロライド ・2−硬化牛脂由来アルキル−1−メチル−1−〔(2
−硬化牛脂由来アルキロイルオキシ)エチル〕イミダゾ
リニウム・クロライド ・2−オレイル−1−メチル−1−〔(2−オレオイル
オキシ)エチル〕イミダゾリニウム・クロライド。
しい化合物を挙げれば次のとおりである。 ・ジ(硬化牛脂由来アルキル)・ジメチルアンモニウム
・クロライド ・ジオレイル・ジメチルアンモニウム・クロライド ・ジ(硬化牛脂由来アルキル)・ポリオキシエチレン・
エチルアンモニウム・エチルサルフェート(ここで「ポ
リオキシエチレン」基は−(CH2CH2O)nH で表わされる基
を示す。n は6〜8の数を示す。) ・(2−ドデシル)ヘキサデシル・トリメチルアンモニ
ウム・クロライド ・N−〔(2−硬化牛脂由来アルキロイルオキシ)エチ
ル〕−N−〔(3−硬化牛脂由来アルカノイルアミノ)
プロピル〕・ジメチルアンモニウム・クロライド ・N−〔(2−ラウロイルオキシ)エチル〕−N−
〔(3−ドコシロイルアミノ)プロピル〕・ジメチルア
ンモニウム・クロライド ・N−〔(2−硬化牛脂由来アルキロイルオキシ)エチ
ル〕−N−〔(2−硬化牛脂由来アルカノイルアミノ)
エチル)・ジメチルアンモニウム・クロライド ・N, N−ジ〔(2−硬化牛脂由来アルキロイルオキ
シ)エチル〕・ジメチルアンモニウム・クロライド ・N, N−ジ〔(2−硬化牛脂由来アルキロイルオキ
シ)エチル〕−N−(2−ヒドロキシエチル)・メチル
アンモニウム・クロライド ・N, N−ジ〔(3−硬化牛脂由来アルカノイルアミ
ノ)プロピル〕・ジメチルアンモニウム・クロライド ・N, N−ジ〔(2−硬化牛脂由来アルカノイルアミ
ノ)エチル〕・ジメチルアンモニウム・クロライド ・N−〔(2−硬化牛脂由来アルキロイルオキシ)エチ
ル〕−N−硬化牛脂由来アルキル・ジメチルアンモニウ
ム・クロライド ・N−(硬化牛脂由来アルキルオキシカルボキシメチ
ル)−N−硬化牛脂由来アルキル・ジメチルアンモニウ
ム・クロライド ・2−硬化牛脂由来アルキル−1−メチル−3−〔(2
−硬化牛脂由来アルカノイルアミノ)エチル〕イミダゾ
リニウム・クロライド ・2−硬化牛脂由来アルキル−1−メチル−3−〔(2
−硬化牛脂由来アルキロイルオキシ)エチル〕イミダゾ
リニウム・クロライド ・2−硬化牛脂由来アルキル−1−メチル−1−〔(2
−硬化牛脂由来アルカノイルアミノ)エチル〕イミダゾ
リニウム・クロライド ・2−硬化牛脂由来アルキル−1−メチル−1−〔(2
−硬化牛脂由来アルキロイルオキシ)エチル〕イミダゾ
リニウム・クロライド。
量は0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜5重量%であ
る。(c) 成分の配合量が0.01重量%未満の場合、本発明
が所望する水準の撥水性能及びその持続性並びにシミ抑
制が同時に満足されず、5重量%を超えると本発明が所
望する水準の撥水性能が達成されない。
に応じてジブチルフタレート、ジブチルアジペート、ジ
イソブチルアジペート、リン酸トリクレジル、ブチルフ
タリルグリコール酸ブチルのような可塑剤(撥水剤組成
物に対し0〜3重量%)、シリコーンのような柔軟剤
(撥水剤組成物に対し0〜5重量%)、その他香料、顔
料等を添加することができる。
剤組成物は、好ましくは、その内部に充填した液体をそ
の外部へ噴霧する装置を具備した容器の中へ、充填して
なる撥水剤物品の形態で撥水処理に使用される。このよ
うな本発明の撥水剤物品を用いることにより、一層、撥
水処理時のむら付きを抑制し、且つ部分的に撥水処理を
される対象物に対し、極めて有効に撥水処理を行なうこ
とができる。本発明の撥水剤物品に用いられる、内部に
充填した液体を外部へ噴霧する装置を具備した容器とし
ては、例えばエアゾル式容器、トリガー式容器又は手動
式ポンプ容器等が例示される。
充填してなる撥水剤物品は、常法に従い、エアゾル缶に
噴射剤と共に本発明の撥水剤組成物を充填することによ
り得られる。噴射剤としては、液化プロパン、液化ブタ
ン及びジメチルエーテルからなる群より選ばれる少なく
とも一種、又はこれらと CO2又はN2の組み合わせを使用
するのが良い。噴射剤と本発明の撥水剤組成物との重量
比率は、噴射剤/本発明の撥水剤組成物=3/97〜50/
50が好ましく、さらに好ましくは5/95〜40/60であ
る。
上記の撥水剤物品を使用し、上記の撥水剤組成物を、撥
水処理されるべき対象物(以下、対象物と言う)に対し
噴霧し、 (a)成分を対象物表面上に、むらなく塗布する
ことにより行われる。この場合において、対象物として
は特に限定されないが、例えば、繊維織物等に対し特に
有利に適用できる。この他、ガラス、紙、木、皮革、毛
皮、石綿、レンガ、セメント、金物及び酸化物、窯業製
品、プラスチック、塗面およびプラスターなどがある。
また、繊維織物としては、綿、麻、羊毛、絹などの動植
物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニル
アセタール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、
ポリプロピレンの如き種々の合成繊維、レーヨン、アセ
テートの如き半合成繊維、ガラス繊維、アスベスト繊維
の如き無機繊維、あるいはこれらの混合繊維の織物があ
げられる。
水効果が優れ、その持続性が高く、且つ処理対象物にシ
ミ残りがない、撥水剤組成物及び該撥水剤組成物を含有
する撥水剤物品並びに該撥水剤物品を使用する撥水処理
方法を提供することができる。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
分)を次のように調製した。重合溶媒としてメチルイソ
ブチルケトン、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニ
トリルを使用した。重合温度及び時間は40〜90℃、5〜
20時間程度とした。得られたフッ素樹脂の分子量は、ゲ
ル パーミエイション クロマトグラフィー(Gel Perme
ation Chromatography) により測定した。
表3〜10に示す(b) 成分又はその他の成分に溶解又は分
散させることにより撥水剤組成物を調製した。尚、(c)
成分として次のものを使用した。下記式において、R 基
は(C-1)〜(C-11)にて示された基を示す。 (C-1):ジ(硬化牛脂由来アルキル)・ジメチルアンモ
ニウム・クロライド
ム・クロライド
リオキシエチレン(n=6〜8)エチルアンモニウム・エ
チルサルフェート
ロイルオキシ)エチル〕−N−〔(3硬化牛脂由来アル
カノイルアミノ)プロピル〕・ジメチルアンモニウム・
クロライド
来アルキロイルオキシ)エチル〕−N−(2−ヒドロキ
シエチル)・メチルアンモニウム・クロライド
来アルカノイルアミノ)エチル〕・ジメチルアンモニウ
ム・クロライド
シカルボニルメチル)−N−(硬化牛脂由来アルキル)
・ジメチルアンモニウム・クロライド
メチル−1−〔(2−硬化牛脂由来アルカノイルアミ
ノ)エチル〕イミダゾリニウム・クロライド
メチル−1−〔(2−硬化牛脂由来アルキロイルオキ
シ)エチル〕イミダゾリニウム・クロライド
メチル−3−〔(2−硬化牛脂由来アルカノイルアミ
ノ)エチル〕イミダゾリニウム・クロライド
メチル−3−〔(2−硬化牛脂由来アルキロイルオキ
シ)エチル〕イミダゾリニウム・クロライド
噴射剤=80/20(重量比)となるように容器に充填し
た。噴射剤としては、液化プロパン/液化ブタン=50/
50(重量比)の混合物を使用した。
剤物品について、以下に示す方法により撥水性及びその
持続性並びにシミ残りを評価した。結果を表11〜13に示
す。 (I)撥水処理対象物の繊維織物の前処理 JIS-L-1096の6.23.1のA法に従って前処理を行った。即
ち、先ず20cm×20cmの繊維織物(ポリエステル又は木
綿)からなる試験片を作製した。そして洗濯機(水容量
40〜70リットル、回転羽根の回転速度65〜90rpm 、回転
羽根の回転角度180〜240°、脱水槽の回転速度 500〜72
0rpm、内径40〜55cm)の水槽の水準線まで約40℃の水を
入れ、これに1g/リットルの割合でJIS K 3371(衣料
用合成洗剤)に規定の洗剤を加え、よくかき混ぜて洗剤
を溶解した。浴比が40/1になるように3枚の試験片に
負荷布若干数を加えて洗濯液に投入し、自動洗濯操作
(洗濯12分→排水2分→遠心脱水及びスプレー2分→給
水3〜5分→すすぎ2分→排水2分→遠心脱水及びスプ
レー2分→遠心脱水4分)を行った。すすぎに用いる水
の温度も約40℃とした。洗濯後、試験片についてドリッ
プ乾燥を行った。即ち、試験片を脱水することなく、た
て方向が垂直になるように、数箇所をつかみ、室温で風
通しのないところでつるして乾燥した。 (II)撥水処理 このように前処理した試験片についてエアゾル容器又は
トリガー容器を用い、試験片当り60%o.w.f となるよう
に撥水剤組成物を試験片に20cmの距離より噴霧した。こ
のようにして得られた試験片を20℃、65%相対湿度の環
境下、24時間乾燥させた。
に従い、下記に示す方法で撥水性試験(スプレー法)を
行ない、撥水性を評価した。 (1) 装置及び材料:装置及び材料は、次に示すものを
用いた。 (a) 撥水度試験装置:図1に示す装置を用いた。尚、図
1において、1はガラス漏斗、2は漏斗保持具、3は漏
斗とスプレーノズルをつなぐゴムチューブ、4はスプレ
ーノズル、5はスタンド、6は試験片、7は試験片保持
枠、8は木製保持具である。また図2にスプレーノズル
4の拡大図を示す。尚、図2において、(a) は正面図、
(b) は底面図である。ガラス漏斗1は 250ml以上の容
量、スプレーノズル4は 250mlの水を25〜30秒で散布で
きるもの、試験片保持枠7は直径 150mmの金属製のもの
を用いた。 (b) 水:蒸留水又はイオン交換水を用い、試験時の温度
は原則として20±2℃としたが、他の場合はそのときの
温度を付記した。 (2) 試験法:上記で得られた約20×20cmの試験片を3
枚用い、1枚づつ試験片保持枠7にしわを生じないよう
に取り付け、図1に示す撥水度試験装置を用いて、スプ
レーノズル4の中心を保持枠の中心に一致させ、水 250
mlをガラス漏斗1に入れて試験片6上に散布した(所要
時間25〜30秒) 。次に、保持枠7を木製保持具8から外
し、その一端で水平に持ち試験片の表側を下向きにして
他端を固い物に一度軽く当て、更に 180°回し、前と同
様に操作して余分の水滴を落とした。保持枠7に付けた
まま試験片の湿潤状態を表1に示す判定基準に従い採点
し、3回の平均値で表した(整数位まで)。
ズル4の中心を保持枠の中心に一致させ、」から「前と
同様に操作して余分の水滴を落とした。」までの操作を
50回繰り返したあと、(III) 記載の方法で試験片の湿潤
状態を表1に示す判定基準に従い採点し、3回の平均値
で表した(整数位まで)。
を20cmの距離より噴霧し、つり下げ風乾後シミの発生状
態を表2に示した基準で判定した。
2H4OCOCH=CH2 *3:パーフルオロイソノニルエチルアクリレート (CF3)2CF(CF2)6C2H4OCOCH=CH2 *4:パーフルオロオクチルエチルメタクリレート C8F
17C2H4OCOC(CH3)=CH2 *5:パーフルオロイソノニルヒドロキシエチルアクリレ
ート (CF3)2CF(CF2)6C2H4(OH)OCOCH=CH2 *6:パーフルオロオクチルスルホニルプロピルアミノエ
チルアクリレート C8F17SO2N(C3H7)C2H4OCOCH=CH2
る。
図、(b) は底面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記条件を満足するフッ素樹脂(以下
(a) 成分と言う) 0.1〜5重量%、炭素数1〜3のアル
コール(以下(b) 成分と言う)90〜99.89 重量%及び第
4級アンモニウム塩(以下(c) 成分と言う)0.01〜5 重
量%を含有することを特徴とする撥水剤組成物。条件 エタノールに対し1重量%の(a) 成分を添加して得られ
た組成物中へ、JIS-L-1096規定の6.23.1のA法(但し、
乾燥方法はドリップ乾燥とする)に従い、前処理したポ
リエステル布を浸漬し、ついで20℃、65%相対湿度の環
境下24時間乾燥させたポリエステル布について、JIS-L-
1092規定の方法に従い、撥水試験(スプレー法)を行っ
た場合において、90点以上の撥水性が得られること。 - 【請求項2】 (b) 成分がエタノールである請求項1記
載の撥水剤組成物。 - 【請求項3】 (c) 成分の第4級アンモニウム塩が一般
式(1) 〜(6) で表わされる化合物より選ばれる少なくと
も一種である請求項1又は2記載の撥水剤組成物。 【化1】 〔式中、 R1, R2:同一又は異なって、直鎖又は分岐鎖の炭素数8
〜22のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキ
ル基を示す。 R3, R4:同一又は異なって炭素数1〜3のアルキル基も
しくはヒドロキシアルキル基を示すか、又は式 【化2】 で表わされる基を示す。ここでZ は水素原子又はメチル
基を示し、n は1〜10の数を示す。 X- :陰イオン基を示す。〕 【化3】 〔式中、 R5:直鎖又は分岐鎖の炭素数24〜38のアルキル基又はヒ
ドロキシアルキル基を示す。 R6:炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアル
キル基を示すか、又は式 【化4】 で表わされる基を示す。ここでZ 、n は前記の意味を示
す。 R3, R4, X- :前記の意味を示す。〕 【化5】 〔式中、 R7, R8:同一又は異なって直鎖又は分岐鎖の炭素数7〜
21のアルキル基又はアルケニル基を示す。 Q1, Q2:同一又は異なって−COO−又は−CONH−を示
す。 A1, A2:同一又は異なって炭素数1〜3のアルキレン基
を示す。 R3, R4, X- :前記の意味を示す。〕 【化6】 〔式中、 R2, R3, R4, A1, X- :前記の意味を示す。 R9:直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜22のアルキル基又はヒ
ドロキシアルキル基を示す。 Y :−COO−又は−OCO−を示す。〕 【化7】 〔式中、 E :−NHCO−又は−OCO−を示す。 R3, R7, X- :前記の意味を示す。〕 【化8】 〔式中、R3, R7, E, X- :前記の意味を示す。〕 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの項記載の撥水
剤組成物を、その内部に充填した液体をその外部へ噴霧
する装置を具備した容器の中へ、充填してなる撥水剤物
品。 - 【請求項5】 請求項4記載の撥水剤物品を使用し、請
求項1〜3のいずれかの項記載の撥水剤組成物を、撥水
処理されるべき対象物に対し噴霧することを特徴とする
撥水処理方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01930894A JP3279425B2 (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | 撥水剤組成物及び撥水剤物品並びに撥水処理方法 |
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JP01930894A JP3279425B2 (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | 撥水剤組成物及び撥水剤物品並びに撥水処理方法 |
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JPH07229066A JPH07229066A (ja) | 1995-08-29 |
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