JPH0633932U - 酸素発生装置 - Google Patents

酸素発生装置

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JPH0633932U
JPH0633932U JP5810192U JP5810192U JPH0633932U JP H0633932 U JPH0633932 U JP H0633932U JP 5810192 U JP5810192 U JP 5810192U JP 5810192 U JP5810192 U JP 5810192U JP H0633932 U JPH0633932 U JP H0633932U
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信治 植野
紀彦 室谷
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トピー実業株式会社
株式会社星子療科研究所
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】過酸化物と触媒とを反応室の底面上方部に浮か
せた状態にて水と反応させることにより、反応速度の平
均化をはかり、長時間にわたる安定した酸素供給をおこ
なう。 【構成】過酸化物と水溶性触媒とを水中化学反応させる
ための反応室を備えるとともに、該反応室内の底面上方
部に網状の棚部を設けるようにした。 これにより従来
のように溶け残った過酸化物が反応室の底面上に溜ま
り、順次その表面を覆い、しかも反応生成物が水中に溶
け、上記過酸化物の溶解を阻害したりすることがなくな
り、過酸化物と水溶性触媒との反応を長時間にわたって
平均的に維持させることができ、酸素供給を一定時間安
定的に持続させることができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、過酸化物と水溶性触媒とを水中化学反応させるための酸素発生装置 の改良に関し、とくに反応速度の平均化をはかるとともに、安定した酸素供給を はかることを目的とする。
【0002】
【従来の技術】
過酸化物と触媒を用いて酸素を発生させるようにした公知の酸素発生装置とし ては、容器内に水を入れる反応室と、該反応室で発生した酸素を加湿洗浄するた めの加湿洗浄室とを備えたものが一般的である。 また酸素はその使用目的如何 を問わず、ほとんどの場合において単位時間当たりの酸素供給量の安定が要求さ れる。 そこで上記過酸化物と反応させる触媒について、その周りにPVA等の 水溶性物質をコーティングし、あるいは顆粒状または錠剤タイプに加工したりす ることにより急激な酸素の発生を抑えて長時間一定量の酸素供給を可能とするこ とも考えられている。
【0003】 また同様の目的で、炭酸ソーダと過酸化水素との付加化合物、および触媒とし ての金属塩を、濃度の異なる複数種のアラビア糊により固化し、これらの混合物 に水を加えて反応させるようにして救急時の使用に供することができるようにし た酸素発生方法についてもすでに特公昭60−44242号(特許第13217 92号)として公にされている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上記した従来法による場合には、安価でしかも確実な酸素供給を可能とするた めに画期的な評価を得ることができた。 しかし酸素の継続的な発生持続時間の 面においては、いずれの方法による場合においても、初期の反応が早すぎる結果 、反応開始直後の酸素発生量に比して経時的に極端に低下する傾向にあり、酸素 の供給量を一定時間安定的に維持することは困難であるといえる。
【0005】 これは投入される過酸化物と触媒の水溶性が高いために一度に溶解し、いずれ の場合にも投入後1〜2分程度の短時間のうちに、必要以上に酸素発生流量が高 まり、またこの傾向は触媒の量を増やすほど顕著になるほか、その後溶け残った 過酸化物が反応室の底面上に溜まって順次その表面を覆い、しかも化学反応の結 果生成される反応生成物が水中に溶け、上記過酸化物の溶解を一層阻害するよう になる結果、溶解速度はその後極端に低下することに起因するものである。 ま た過炭酸ソーダと触媒とを加工する場合にはこの両者を混合すると互いに反応す るために、常に別々に分包する必要があり、使用時の不便さがあるばかりでなく 、量産コストの面においても高価となるために実用性にかけるところがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記した従来技術における種々の問題点を解決し、とくに触媒との反 応による初期溶解反応速度を調整し、酸素供給量を必要時間中平均化するととも に、酸素の供給量を一定時間安定的に維持するようにしたものであって、具体的 には過酸化物と水溶性触媒とを水中化学反応させるための反応室を備えるととも に、該反応室内の底面上方部に網状の棚部を設けたことを特徴とする酸素発生装 置に関する。
【0007】
【作用】
反応室内に一定量の水を入れ、酸素供給の目的に応じて網状の棚部上に一定量 の過酸化物と触媒とを載置すると、両者の表面が水に溶けてその直後に反応を開 始し、酸素の供給を始める。 この場合において過酸化物と触媒とは、共に反応 室内の底面上方部に設けられた網状の棚部の上に乗っているために、過酸化物と 触媒の露出表面積が増大し、網状の棚部の上面のみならず下面からも水と接触し やすくなり、しかも経時的にそれらの露出表面積が減少することが少ないために 、長時間にわたる酸素発生を持続させることができる。
【0008】 したがって上記した過酸化物と水溶性触媒とを、反応容器の形状や要求される 酸素発生総量、使用する水の量などの条件を考慮して、単位時間当たりの酸素発 生レートを計算し、かつ表面処理剤の溶解速度、触媒の量などをも考慮したうえ で適量投入して使用する。
【0009】
【実施例】
以下において、本考案の具体的な内容を図1の実施例をもとに説明すると、1 は本願考案に係る酸素発生装置を示し、有底容器の内部を仕切り壁2により仕切 って、その一方を反応室5とし、他方を加湿洗浄室6とする。 仕切り壁2はそ の下端部を、底面より若干離して底面に対して平行に加湿洗浄室6側に入り込ま せるとともに、その一部を該加湿洗浄室6の底部付近に開口させ、しかも該開口 部にはポーラス部材7が嵌裝されている。 さらに反応室5側には仕切り壁2に 沿って通路壁3が形成され、これによって反応室5と加湿洗浄室6との間を連絡 する通路4が形成されている。
【0010】 さらに反応室5は、その開口部から底面部にかけてその開口幅が次第に縮小す るように該反応室5を囲む四壁がテーパー状に構成されており、これにより周囲 にフランジ8aを有する網状の棚部8が、そのフランジ8aの周縁部間欠的箇所 に外方に向けて突設させた複数の突起8bを、上記したテーパー状の内壁面に懸 架させることにより取り外し自在に保持されている。 またこの網状の棚部8は ナイロンやステンレス等材質の如何を問わないが、過酸化物や触媒などの、顆粒 もしくは粉末化され、あるいは錠剤化された酸素発生剤Hの殆どの粒子が通過で きない程度の網目(顆粒もしくは粉末化されたものについては好ましくは30〜 100メッシュ程度、また錠剤化されたものについては8〜15メッシュ程度) に構成する必要がある。 なお8cは網状の棚部8を反応室5から取り出す際に 摘まむための、フランジ8aから内方に水平方向に突出させた摘まみ片を示す。
【0011】 上記した装置の反応室5および加湿洗浄室6内にそれぞれ水を適量入れ、次い で反応室5の網状の棚部8の上面に過炭酸ソーダ、過酸化カルシウム等の過酸化 物の粒子(この場合には顆粒状にしたもの)と、酵素のカタラーゼやレオネット などの触媒(顆粒)とを、酸素供給目的に応じて定量載置し、最後に周囲にシー ル材9を配した蓋体10を被せて内部を気密に保持させる。 なお過酸化物や触 媒の投入に際しては、網状の棚部8を一旦反応室5内より取り出して、その上に 乗せるようにしてもよい。
【0012】 過酸化物および触媒の投入後、反応室5内において水と反応し、炭酸ナトリウム と過酸化水素水とに解離し、触媒の存在下において過酸化水素水が水と酸素とに 分解して酸素が発生する。 発生した酸素は反応室5の上方から通路4を通り、 後から順次発生する酸素の圧力に押されて不純物を除去するポーラス部材7を通 過して加湿洗浄室6の底部へと送り込まれ、該加湿洗浄室6の水中を上昇する間 に加湿と炭酸ソーダのミスト等の不純物が除去されて、その結果完全に浄化され た酸素が加湿洗浄室6の上方部に蓄積される。
【0013】 一方反応室5内においては過酸化物と触媒とが上面の水のみならず、網状の棚 部8の下側からの水とも接触して順次溶解し、過酸化物の表面を徐々に露出させ 、さらに粒子が細かくなったところで網状の棚部8の網目から落下し、水中を底 面に向けてゆっくり落下しながらさらに反応をし続け、殆どの過酸化物と触媒と が常に表面を露出させることとなり、その結果経時的に酸素発生量が平均化し、 酸素を一定時間安定的に発生し続けることができる。
【0014】 さらに加湿洗浄槽6に対応する蓋体10の一部に酸素取り出し口11が形成さ れており、該酸素取り出し口11からチューブ(図示省略)により、途中必要に 応じて除湿器や電子式酸素流量計(図示省略)を介して使用目的別に酸素の供給 ができるようになっている。
【0015】 因みに酸素発生装置1の全容積は1600ccであり、反応室5内には900 ccの水を、また加湿洗浄室6内には250ccの水を入れ、上部より前記した 過酸化物や触媒を総量で80グラム投入した。 酸素発生剤は反応槽内において 水と反応を開始し、投入後約20秒程度で急速に酸素発生を開始し、1〜2分経 過時より以後順次継続的に酸素を発生し続ける。 この様子を図2のグラフによ り、従来の標準的な酸素発生装置を用いた場合の酸素発生量と対比してあらわし た。
【0016】
【考案の効果】
本考案は上記した通り、過酸化物と水溶性触媒とを水中化学反応させるための 反応室を備えるとともに、該反応室内の底面上方部には網状の棚部を設けたため に、従来のように溶け残った過酸化物が反応室の底面上に溜まり、順次その表面 を覆い、しかも化学反応の結果生成される反応生成物が水中に溶け、上記過酸化 物の溶解を一層阻害するようなことがなくなるために、溶解速度が反応開始直後 の酸素発生量に比して経時的に極端に低下するようなことがなくなり、過酸化物 と水溶性触媒との反応を長時間にわたって平均的に継続させることができ、酸素 の供給量を一定時間安定的に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である酸素発生装置の要部縦
断面図。
【図2】従来の標準的な酸素発生装置を用いた場合と、
本考案に係る酸素発生装置を用いた場合の経時的酸素発
生量を比較したグラフ。
【符号の説明】 1 酸素発生装置 2 仕切り壁 3 通路壁 4 通路 5 反応室 6 加湿洗浄室 7 ポーラス部材 8 網状の棚部 8a フランジ 8b 突起 8c 摘まみ片 9 シール材 10 蓋体 11 酸素取り出し口

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過酸化物と水溶性触媒とを水中化学反応
    させるための反応室を備えるとともに、該反応室内の底
    面上方部に網状の棚部を設けたことを特徴とする酸素発
    生装置。
  2. 【請求項2】 反応室内の底面上方部に設けた網状の棚
    部は、反応室内に着脱自在に構成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の酸素発生装置。
JP1992058101U 1992-07-27 1992-07-27 酸素発生装置 Expired - Lifetime JP2593585Y2 (ja)

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JPH0633932U true JPH0633932U (ja) 1994-05-06
JP2593585Y2 JP2593585Y2 (ja) 1999-04-12

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