JP2009279567A - クロロポリシランを含む廃ガスの処理方法及びその処理装置 - Google Patents

クロロポリシランを含む廃ガスの処理方法及びその処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】クロロポリシランを含む廃ガスの無害化処理を効率よく且つ安全に行うことができ、簡便性及び経済性に優れる廃ガスの処理方法及びそれに用いる処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の廃ガスの処理方法は、クロロポリシランを含む廃ガスを、酸性水溶液に接触させる接触工程と、この接触工程により得られた酸処理液を、アルカリ性材料によりpH=10〜pH=14に調整するpH調整工程と、を備える。また、本発明の廃ガス処理装置は、接触工程を行うための酸処理槽11と、pH調整工程を行うためのアルカリ処理槽16とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、クロロポリシランを含む廃ガスを、効率よく且つ安全に無害化する方法及びその処理装置に関する。
近年のエレクトロニクス技術の発達により、アモルファスシリコン等からなる半導体用シリコンの需要が増加している。この半導体用シリコンの原料として、製膜性及び電気特性に優れた膜を与えるSi(ジシラン)が用いられる。そして、このSiの原料としては、SiCl(六塩化二珪素)等のクロロポリシランが広く用いられている。しかしながら、SiClの製造工程において排出される廃ガスに、有害物質であるクロロポリシランが混入する場合があった。SiCl等のクロロポリシランの中には、大気中の水分等と接触すると、加水分解されて、シリコシュウ酸を形成するものがある。そして、このシリコシュウ酸は、乾燥状態において爆発性を示すことから、クロロポリシランを含む廃ガスを、大気中に排出することは好ましくない。
特許文献1には、SiClを含む廃ガスを、水分を含ませることなく、高温の反応処理領域に導入すると共に水分を含む酸素含有ガスを反応処理領域に供給し、反応処理領域内にて廃ガス中のSiClを酸化分解する方法が開示されている。
また、特許文献2には、半導体製造工程等から排出されるガスに含有されるシラン類の除去方法として、このガスと、ジメチルスルホキシドを含むアルカリ水溶液とを接触させる方法が開示されている。
更に、特許文献3には、水に溶解されやすいアンモニアを含む臭気ガスを生物脱臭するための方法及び装置が開示されている。この装置は、内部に、アンモニア含有臭気ガスを通す硝化菌を担持させた充填層と、この充填層に循環水(pH緩衝溶液)を供給する供給装置と、循環水を貯留する循環水槽とを有する硝化脱臭塔;硝化脱臭塔からの硝化液を脱窒素処理する脱窒素槽;並びに、脱窒素槽と前記硝化脱臭塔とを循環水が循環する経路を有するものである。
国際公開2007−102288号 特開昭63−141627号 特開2005−177758号
本発明の目的は、クロロポリシランを含む廃ガスの無害化処理を効率よく且つ安全に行うことができ、簡便性及び経済性に優れる廃ガスの処理方法及びそれに用いる処理装置を提供することにある。
本発明は、以下に示される。尚、以下の記載において、「廃ガス及び酸性水溶液の接触」は、少なくとも、廃ガスに含まれるクロロポリシランと、酸性水溶液とが接触することを意味する。
1.クロロポリシランを含む廃ガスを無害化する方法において、上記廃ガスを、酸性水溶液に接触させる接触工程と、この接触工程により得られた酸処理液を、アルカリ性材料によりpH=10〜pH=14に調整するpH調整工程と、を備えることを特徴とする廃ガス処理方法。
2.上記酸性水溶液がミスト状である上記1に記載の廃ガス処理方法。
3.上記接触工程において、上記酸性水溶液を、上記廃ガスの上方側から供給する上記1又は2に記載の廃ガス処理方法。
4.上記酸性水溶液のpHが、pH=0〜pH=5である上記1乃至3のいずれかに記載の廃ガス処理方法。
5.上記pH調整工程において、上記酸処理液が、アルカリ性水溶液の中に投入され、pH調整が、5℃〜50℃の範囲の温度で行われる上記1乃至4のいずれかに記載の廃ガス処理方法。
6.上記酸処理液の一部を、上記酸性水溶液として再利用する上記1乃至5のいずれかに記載の廃ガス処理方法。
7.上記1に記載の廃ガス処理方法に用いられ、接触工程を行うための酸処理槽と、pH調整工程を行うためのアルカリ処理槽とを備える廃ガス処理装置であって、上記酸処理槽は、その内部に、クロロポリシランを含む廃ガスを供給する廃ガス供給部、供給された廃ガスに対して酸性水溶液を供給し、廃ガス及び酸性水溶液を接触させる酸性水溶液供給部、並びに、上記廃ガス及び上記酸性水溶液の接触により得られた酸処理液を貯留する貯留部を有し、更に、酸処理槽の内部より、クロロポリシランを実質的に含まないガス成分を外部に排気する排気部を有し、上記アルカリ処理槽は、配管を介して、上記酸処理槽の上記貯留部と連絡されてなることを特徴とする廃ガス処理装置。
8.上記酸性水溶液供給部の供給口(酸性水溶液の排出口)がフルコーンスプレーノズルを備える上記7に記載の廃ガス処理装置。
9.上記廃ガス供給部の供給口(廃ガスの排出口)、及び、上記酸性水溶液供給部の供給口(酸性水溶液の排出口)が、いずれも下向きに開口しており、且つ、上記廃ガス供給部の供給口(廃ガスの排出口)が、上記酸性水溶液供給部の供給口(酸性水溶液の排出口)より下方側に配設されている上記7又は8に記載の廃ガス処理装置。
10.上記酸処理槽は、更に、上記貯留部と、上記酸性水溶液供給部とを接続する酸処理液循環用配管を備える上記7乃至9のいずれかに記載の廃ガス処理装置。
11.上記酸処理槽は、更に、上記酸性水溶液供給部の供給口(酸性水溶液の排出口)より上方側に、中性又は酸性の液体を供給する湿潤液供給部を備え、上記液体が、少なくとも上記酸処理槽の内壁を濡らす上記7乃至10のいずれかに記載の廃ガス処理装置。
本発明の廃ガス処理方法によれば、クロロポリシランを含む廃ガスの無害化処理を効率よく、且つ、シリコシュウ酸等の爆発性の化合物を大気に放出させることなく安全に行うことができ、簡便性及び経済性に優れる。
上記酸性水溶液がミスト状である場合には、上記廃ガスと、上記酸性水溶液との接触効率を向上させることができ、上記廃ガスに含まれるクロロポリシランと、上記酸性水溶液との反応生成物のうち、シリコシュウ酸等の爆発性化合物を湿潤状態で回収することができ、安全性に優れる。
上記接触工程において、上記酸性水溶液を、上記廃ガスの上方側から供給する場合には、酸処理液を効率よく回収することができる。例えば、廃ガスに含まれるクロロポリシランがSiCl(六塩化二珪素)である場合に、廃ガスと酸性水溶液との接触で下記反応が進行し、生成したシリコシュウ酸(SiOOH)がHCl等とともに湿潤状態で自然落下するので、酸処理液の回収が容易である。即ち、爆発性のシリコシュウ酸を乾燥させることなく、酸処理液に含有させ、これを回収することができるので、安全に、次のpH調整工程に進めることができる。
SiCl + 4HO → (SiOOH) + 6HCl
上記酸処理液は、酸性水溶液に含まれる水と、クロロポリシランとの間の反応生成物を主として含む。そして、この反応生成物は、(SiOOH)、HCl及びシリカを含み、通常、酸性を呈することから、この酸処理液の一部を、上記酸性水溶液、即ち、上記廃ガスと接触させる酸性水溶液として再利用することができ、経済性にも優れる。
本発明の廃ガス処理装置によれば、廃ガス供給部、酸性水溶液供給部、貯留部及び排気部を有する酸処理槽と、アルカリ処理槽とを備えることから、クロロポリシランを含む廃ガスの無害化処理を効率よく且つ安全に行うことができ、簡便性及び経済性に優れる。
上記酸性水溶液供給部の供給口がフルコーンスプレーノズルを備える場合には、ミスト状の酸性水溶液と、廃ガスとの接触効率を高めることができる。
上記廃ガス供給部の供給口、及び、上記酸性水溶液供給部の供給口が、いずれも下向きに開口しており、且つ、上記廃ガス供給部の供給口が、上記酸性水溶液供給部の供給口より下方側に配設されている場合には、ミスト状の酸性水溶液と、廃ガスとの接触効率を高めることができ、酸処理液を効率よく回収することができる。
上記酸処理槽が、更に、上記貯留部と、上記酸性水溶液供給部とを接続する酸処理液循環用配管を備える場合には、酸処理液の一部を、廃ガスと接触させる酸性水溶液として再利用することができ、経済性にも優れる。
また、上記酸処理槽が、更に、上記酸性水溶液供給部の供給口より上方側に、中性又は酸性の液体を供給する湿潤液供給部を備える場合には、廃ガスに含まれるクロロポリシランと、酸性水溶液とのあいだの反応生成物のうち、特に、爆発性の化合物であるシリコシュウ酸が、上記酸処理槽の内壁に付着したときに、乾燥するのを抑制し、上記液体と共に流下させて酸処理液として回収することができ、爆発を回避でき、安全に処理を進めることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明におけるpHとは、JIS Z8802−1984に定義される、ガラス電極を備えるpH計によって実測される値であり、測定試料のpHが11以上の場合は、20℃における0.1mol/リットル濃度の水酸化ナトリウム水溶液のpHの測定値を13に、1mol/リットル濃度の水酸化ナトリウム水溶液のpHの測定値を14に補正した後、測定することによってpHが決定される。
また、本発明における全ての「温度」は、測定対象物が気体あるいは液体である場合、熱電対式の温度センサーを挿入等し、固体の場合は、その表面に接触等することによって測定することができる。
本発明の廃ガス処理方法は、クロロポリシランを含む廃ガスを無害化する方法であって、上記廃ガスを、酸性水溶液に接触させる接触工程と、この接触工程により得られた酸処理液を、アルカリ性材料によりpH=10〜pH=14に調整するpH調整工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る接触工程は、廃ガスと、酸性水溶液とを接触させる工程である。
上記廃ガスは、クロロポリシランを含むガスであり、ジシランの製造工程で排出されるガス、シリコンウエハの製造工程で排出される排出ガス、六塩化二珪素の製造等において珪素の塩素化を伴う工程で排出されるガス等が例示される。
上記クロロポリシランは、一般式SiCl(Xは、水素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれた少なくとも1種であり、lは2以上の整数であり、mは1以上の整数であり、nは0以上の整数であり、m+n=2l+2である。)で表される気体の化合物である。このクロロポリシランは、上記廃ガスに、1種のみ含有されてよいし、2種以上が含有されてもよい。本発明において、好ましいクロロポリシランは、上記一般式においてn=0である化合物であり、その例としては、SiCl、SiCl、SiCl10、SiCl12、SiCl14等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、SiCl、SiCl及びSiCl10であり、特に好ましくはSiClである。
上記廃ガスに含まれるクロロポリシランの含有量は、特に限定されないが、通常、0.001体積%以上である。従って、上記廃ガスは、クロロポリシランのみからなるものであってよいし、クロロポリシランと、他のガス成分(空気又はその構成成分、無機ガス、有機ガス等)とからなるものであってもよい。また、上記廃ガスは、他の有機化合物又は無機化合物を含んでもよい。
上記接触工程において用いられる酸性水溶液は、水に溶解して酸性を呈するものであれば、特に限定されず、無機化合物が溶解してなる水溶液であってよいし、有機化合物が溶解してなる水溶液であってよいし、更には、無機化合物及び有機化合物が溶解してなる水溶液であってもよい。
水に溶解して酸性を与える無機化合物としては、塩酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、過塩素酸、炭酸等の無機酸;硫酸水素ナトリウム等の硫酸水素塩等が挙げられる。
また、水に溶解して酸性を与える有機化合物としては、ギ酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸等のカルボン酸;スルホン酸、スルフィン酸等の有機酸等が挙げられる。
上記のうち、塩酸及び硫酸が好ましく、pH調整工程において不溶性の塩の生成が抑制されることから、塩酸が特に好ましい。
上記酸性水溶液のpHは、廃ガスの処理効率及び安全性の観点から、好ましくはpH=0〜pH=6であり、より好ましくはpH=0〜pH=5、更に好ましくはpH=0〜pH=4、特に好ましくはpH=0〜pH=2である。
上記接触工程において、廃ガスを酸性水溶液に接触させる方法は、特に限定されない。この接触方法としては、廃ガス及び酸性水溶液を空間において接触させる方法、容器等に収容された酸性水溶液の液面に廃ガスを供給して接触させる方法、廃ガスを酸性水溶液の中に供給して接触させる方法(バブリング法)等が挙げられる。本発明においては、廃ガス及び酸性水溶液を空間において接触させる方法が好ましく、特に、廃ガスと、ミスト状の酸性水溶液(以下、「酸性水溶液ミスト」という。)とを、密閉空間、例えば、図1及び図4〜図8に示される廃ガス処理装置における酸処理槽11の内部空間において接触させる方法が好ましい。この空間には、閉塞の原因となるラシヒリング等の気液接触用の充填物を含まないほうが好ましい。酸性水溶液ミストを散布することにより、上記廃ガスと、上記酸性水溶液との接触効率を向上させることができ、上記廃ガスに含まれるクロロポリシランと、上記酸性水溶液との反応生成物(シリコシュウ酸、HCl及びシリカを含む)を湿潤状態で回収することができる。即ち、シリコシュウ酸等の爆発性の化合物を含有する固形物を生成させることなく、酸処理液に含有させて安全に回収することができる。酸性水溶液ミストの作製方法は、特に限定されないが、後述する「廃ガス処理装置」におけるスプレーノズルを用いることができる。
上記酸性水溶液ミストを用いる好ましい方法において、廃ガスと、酸性水溶液ミストとを接触させる方法としては、廃ガスを滞留させた状態で酸性水溶液ミストを供給し、接触させる方法;廃ガス及び酸性水溶液ミストのいずれか一方を流通させた状態で、他方をその流れに向かって供給し、接触させる方法;廃ガスと酸性水溶液ミストをいずれも流通させた状態で接触させる方法等が挙げられる。これらのうち、廃ガスと酸性水溶液ミストをいずれも流通させた状態で接触させる方法が好ましい。廃ガスの供給方向、及び、酸性水溶液ミストの供給方向は、特に限定されず、並流及び向流のいずれでもよい。本発明においては、並流、即ち、廃ガス及び酸性水溶液ミストを、互いに同一方向又は略同一方向に供給し、移動速度の遅い廃ガスに酸性水溶液ミストを接触させると、接触効率をより向上させることができる。この場合、廃ガスの供給位置と、酸性水溶液ミストの供給位置とを違えることにより、好ましくは、酸性水溶液を、廃ガスの上方側から供給することにより、下方側にて酸処理液を効率よく回収することができる。その際、酸性水溶液ミストの供給速度等が、適宜、調整される。また、例えば、上記廃ガスに含まれるクロロポリシランがSiCl(六塩化二珪素)であるときに、大気雰囲気における廃ガスと酸性水溶液との接触で下記反応が進行し、生成したシリコシュウ酸(SiOOH)、シリカ及びHClが付着したまま、湿潤状態で自然落下し、酸処理液を効率よく回収することができる。即ち、シリコシュウ酸の乾燥を抑制しつつ酸処理液を回収することができるので、爆発を回避でき、安全に処理を進めることができる。
SiCl + 4HO → (SiOOH) + 6HCl
尚、上記の各方法いずれの場合も、廃ガス及び酸性水溶液ミストを接触させるときの温度、圧力、雰囲気等の条件は、特に限定されない。温度は、通常、5℃〜50℃、圧力は、通常、大気圧、雰囲気は、通常、大気とすることができる。上記接触工程を、大気中、大気圧下で行うと、滞留させた廃ガスのうち、クロロポリシランは、空気より比重が大きいので自然落下し、同様に比重の大きい酸性水溶液(酸性水溶液ミスト)が、廃ガスの上方側から供給されると、クロロポリシランと酸性水溶液とを接触させることができる。
上記接触工程において、廃ガス及び酸性水溶液の接触量(供給速度)は、特に限定されず、各々、独立して、連続供給、間欠供給、交互供給等とすることによって、上記酸性水溶液を形成する水のモル量と、廃ガスに含まれるクロロポリシランのモル量との比が、例えば、5以上、好ましくは60以上となるよう、酸性水溶液が廃ガスに接触するように供給され、両者の使用量が選択される。
上記接触工程によって得られる酸処理液は、酸性水溶液に含まれる水と、クロロポリシランとの間の反応生成物(シリコシュウ酸、シリカ、HCl等)を主として含む液である。接触方法によっては、これらの成分と、廃ガスに接触することなく回収された酸性水溶液とを含む場合がある。そして、この酸処理液は、使用した廃ガスの構成成分、酸性水溶液のpH等に依存するが、酸性を呈し、通常、pH=0〜pH=4である。また、上記酸処理液において、シリコシュウ酸は、流動性に優れ、安定な微細コロイドを形成しており、この酸処理液は、通常、シリカ及びシリコシュウ酸によりスラリー状を呈している。
尚、上記酸処理液は、通常、酸性であることから、その一部を上記酸性水溶液、即ち、上記廃ガスと接触させる酸性水溶液として再利用することができる。この場合、循環させた酸処理液のみを再利用してよいし、循環させた酸処理液と、水又は新しい酸性水溶液とからなる混合液を用いてもよい。尚、再処理に供される酸処理液は、そのまま用いてよいし、微細コロイドを除いたものを用いてもよい。
次に、本発明に係るpH調整工程は、上記酸処理液を、アルカリ性材料によりpH=10〜pH=14に調整し、アルカリ処理液とする工程である。
上記アルカリ性材料は、上記pHに調整可能なものであれば、固体、液体及び気体のいずれでもよいが、好ましくは液体である。また、このアルカリ性材料は、無機化合物及び有機化合物のいずれを用いてなるものでもよく、これらを併用してなるものであってもよい。
無機化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。
また、有機化合物としては、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)等が挙げられる。
上記のうち、水酸化ナトリウムが好ましく、本発明において好ましいアルカリ性材料は、水酸化ナトリウム水溶液である。この水酸化ナトリウム水溶液を用いると、下記反応を進めることができ、シリコシュウ酸からなる微細コロイドを分解することができる。
(SiOOH) + 4NaOH → 2NaSiO + 2HO + H
上記水酸化ナトリウム水溶液の濃度は、特に限定されないが、通常、25〜50質量%である。
上記pH調整工程において、アルカリ処理液を得る方法は、特に限定されず、酸処理液をアルカリ性材料に投入する方法、又は、アルカリ性材料を酸処理液に投入する方法とすることができる。これらのうち、酸処理液をアルカリ性材料に投入する方法が好ましい。
上記アルカリ処理液は、通常、中和、濾過等の簡単な廃液処理を行った後に廃棄されることから、その作業を安全且つ容易とする液性を有するものとするために、上記酸処理液を連続的又は間欠的にアルカリ性材料(水酸化ナトリウム水溶液等)に投入し、pH調整を、迅速に、好ましくは30分以内に、より好ましくは10分以内に、且つ、混合時の温度を下記範囲に維持させつつ行う。上記酸処理液をアルカリ性材料に投入したときのpHが、pH=6以上pH=10未満の範囲に長い時間で保持されると、反応生成物のうち、シリカ分が架橋して、ゲル状物を生成し易く、このゲル状物の内部に反応生成物に由来する爆発性の化合物(シリコシュウ酸)が含まれる場合がある。上記酸処理液をアルカリ性材料に投入したときの混合液の温度は、好ましくは5℃〜50℃である。尚、この方法において、酸処理液の添加中又は添加後に、同一のアルカリ性材料及び/又は他のアルカリ性材料の添加を行ってもよい。
上記pH調整工程において、例えば、図1及び図4〜図8に示される廃ガス処理装置におけるアルカリ処理槽16を用いることができる。
上記pH調整工程において、酸処理液及びアルカリ性材料からなる混合液のpHが10以上となった後は、これを維持すればよく、この状態を好ましくは1時間以上、更に好ましくは6時間以上保持することにより、混合液中の爆発性化合物(シリコシュウ酸)を完全に分解することができる。経済的な理由から、pH保持時間の好ましい上限は48時間であり、また、好ましい温度は、扱い易く経済的であることから5℃〜50℃である。本発明の方法に依らず、爆発性化合物が取り込まれたゲル状物を生成するような処理方法をした場合、ゲル状物中の爆発性化合物は、pHを10以上として長時間処理しても、容易に分解しないため、危険性を残すことになる。
上記好ましい方法によるpH調整の具体的操作は、以下の通りである。
上記接触工程により得られた、通常、5℃〜50℃の範囲にある酸処理液(pH=0〜pH=4、シリコシュウ酸の含有量:0.0001〜1質量%)は、連続的又は間欠的に、毎時0.1〜0.3mの平均流量で、通常、5℃〜50℃の範囲の温度であり、例えば、撹拌回転数が200〜500rpmの撹拌下にある水酸化ナトリウム水溶液(pH=10〜pH=14、水酸化ナトリウムの濃度:0.0004〜40質量%)に投入される。酸処理液の投入開始からpH調整の終了に至るまで、混合液の温度及びpHが測定され、最終的に、それぞれ、5℃〜80℃及びpH=10〜pH=14の各範囲に入ることが確認される。
本発明において、廃ガス処理の効果は、接触工程により生成したシリコシュウ酸がpH調整工程により分解(消失)したこと、及び、接触工程後に回収又は排出したガス成分にクロロポリシランが含まれないことにより確認される。
シリコシュウ酸は、還元性を有することから、pH調整工程により得られたアルカリ処理液に対して、過マンガン酸滴定を行うことにより定量することができる。本発明によれば、接触工程により得られた酸処理液の中のシリコシュウ酸の含有量に依存することなく、すべてのシリコシュウ酸を分解することができる。
また、接触工程後に排出したガス成分の分析をガスクロマトグラフィーにより行うことにより、クロロポリシランを定量することができる。本発明によれば、クロロポリシランを、GC装置の検出限界(およそ0.01質量ppm)以下にまで、即ち、実質的に残存しない量にまで処理することができる。
本発明の廃ガス処理装置は、上記本発明の廃ガス処理方法に用いられ、接触工程を行うための酸処理槽と、pH調整工程を行うためのアルカリ処理槽とを備える装置であって、上記酸処理槽は、その内部に、クロロポリシランを含む廃ガスを供給する廃ガス供給部、供給された廃ガスに向かって酸性水溶液を供給し、廃ガス及び酸性水溶液を接触させる酸性水溶液供給部、並びに、廃ガス及び酸性水溶液の接触により得られた酸処理液を貯留する貯留部を有し、更に、この酸処理槽の内部より、クロロポリシランを実質的に含まないガス成分を外部に排気する排気部を有し、上記アルカリ処理槽は、配管を介して、上記酸処理槽の上記貯留部と連絡されてなることを特徴とする。
本発明の廃ガス処理装置を、図面を用いて説明する。
図1の廃ガス処理装置1Aは、本発明の処理装置を構成する要素を用いてなる概略図であり、貯留部111、廃ガス供給部121、酸性水溶液供給部131及び排気部15を有する酸処理槽11と、アルカリ処理槽16と、酸処理槽11における貯留部111及びアルカリ処理槽16を連絡する配管21とを備える。
上記酸処理槽11としては、通常、密閉式の容器が用いられ、円筒状容器、角筒状容器等とすることができる。その内部で酸性の化合物が用いられることから、耐酸性を有する樹脂製の容器、内表面がグラスライニング処理又は樹脂ライニング処理されてなる容器等が好ましく用いられる。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、テトラフルオロエチレン等の耐薬品樹脂;FRP等の強化プラスチック等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、硬質ポリ塩化ビニル樹脂からなる容器が好ましい。
この酸処理槽11の下部は、廃ガス及び酸性水溶液の接触による反応生成物等を含む酸処理液31が収容される貯留部111となっている。
上記酸処理槽11において、上記廃ガス供給部121の供給口(廃ガスの排出口)、及び、上記酸性水溶液供給部131の供給口(酸性水溶液の排出口)は、いずれも、この酸処理槽11の内部に位置している。
本発明においては、廃ガス及び酸性水溶液の接触により得られた反応生成物が、上記廃ガス供給部121の供給口(廃ガスの排出口)、及び、上記酸性水溶液供給部131の供給口(酸性水溶液の排出口)に入り込むことがないように、また、両方の供給口を閉塞することなく、所望の速度をもって廃ガス及び酸性水溶液を安定状態で供給し、これらを接触させるために、上記廃ガス供給部121の供給口、及び、上記酸性水溶液供給部131の供給口が、相対することなく、いずれも下向きに開口しており、且つ、上記廃ガス供給部121の供給口が、上記酸性水溶液供給部131の供給口より下方側に配設されていることが好ましい。
上記廃ガス供給部121は、通常、酸処理槽11の外部に配設された廃ガス貯蔵部(又は廃ガス発生源の排気口等)12に連絡しており、所望の速度で廃ガスを供給できるようになっている。この廃ガス供給部121の数は、図1において、121の1箇所としているが、特に限定されず、酸処理槽11の形状、大きさ等により、適宜、選択される。
また、上記廃ガス供給部121の供給口の形状及び大きさは、特に限定されない。上記のように、廃ガスの供給を安定なものとするために、下向き(水平より下側)に開口した供給口(廃ガスの排出口)を有する廃ガス供給部121が用いられる。この供給口の形状は、特に限定されないが、例えば、図2に示すノズル4を用いることができる。図2は、下向きに開口した供給口を有するノズル4を横から見た図面であり、先細りのテーパ状構造を有していることを示す。尚、上記廃ガス供給部121の供給口が上向きに開口していると、廃ガス及び酸性水溶液の反応生成物が供給口に堆積する場合がある。また、ノズル4の差込角は、水平に対して、好ましくは10度〜30度、より好ましくは15度〜25度であり、この範囲の角度で配設されていることが好ましい。上記範囲の角度であれば、廃ガスの供給口(廃ガスの排出口)の開口面積が広くなり、閉塞を抑制することができる。また、上記酸性水溶液供給部131の供給口から供給される酸性水溶液、あるいは、湿潤液供給部191の供給口から供給される湿潤液が、ノズル4の根元取りつけ部分からノズル4の外側全体にまんべんなくあたって流れ落ちるのに適した角度だからである。尚、ノズル4の差込角が、0度、即ち、水平である場合、あるいは、それに近い角度である場合には、ノズル4中に酸性水溶液が侵入し易くなり、ノズル4の内部で閉塞が発生しやすくなる。また、ノズル4の差込角が、垂直に近い角度である場合には、廃ガスの供給口(廃ガスの排出口)の開口面積が狭くなるうえ、ノズル根元部分の位置が高くなってミスト洗浄がし難くなるので、好ましくない。
上記酸性水溶液供給部131(131a及び131b)は、通常、酸処理槽11の外部に配設された酸性水溶液貯蔵部13に連絡しており、所望の速度で酸性水溶液を供給できるようになっている。この酸性水溶液供給部131の数は、図1において、131a及び131bの2箇所としているが、特に限定されず、酸処理槽11の形状、大きさ等により、1箇所又は3箇所以上とすることができる。
また、上記酸性水溶液供給部131の供給口の形状及び大きさは、特に限定されないが、廃ガスとの接触効率の観点から、酸性水溶液をミスト状に吐出できるスプレーノズルを備えることが好ましい。このスプレーノズルの噴射形状(スプレーパターン)としては、フルコーン、フラット、ホロコーン、ソリッド、エアーアトマイジング等が挙げられる。これらは、組み合わせて用いてもよい。本発明においては、一度に大面積の表面にミスト状の液体を供給できることから、フルコーンスプレーノズルが好ましい。
上記フルコーンスプレーノズルとしては、例えば、図3に示す構造、即ち、先細りの螺旋状に形成された案内部材51の軸線部に、加圧水通路52が直線状(図3において鉛直方向)に形成されてなるフルコーンスプレーノズル5を用いることができる。螺旋状案内部材51は、全体として円錐面に沿って、間隔を空けて螺旋状に立設されている。また、加圧水通路52は、図3において上方に向かって先細りとなっているが、これに限定されず、鉛直方向に内径が同一な空間であってもよい。酸性水溶液が、図3における下側から、上向き矢印の方向に供給されると、ノズルの先端からミスト状で広角に放液される。尚、加圧水通路52は、案内部材51が間隔を空けて螺旋状に形成されているので、ノズルの外部と連通する空間53を有することとなる。上記のように、本発明では、酸処理液31を酸性水溶液として再利用することができるが(図1に図示せず)、この酸処理液31が、微細コロイドを含む場合には、微細コロイドがノズルを閉塞することもない。従って、このようなフルコーンスプレーノズルを用いると、酸性水溶液の安定供給を進めることができ、酸性水溶液ミストと、廃ガスとの安定した接触効率を維持することができる。
上記酸処理槽11の内部に配設され、露出している廃ガス供給部及び酸性水溶液供給部は、いずれも、各表面が耐酸性を有することが好ましい。上記酸処理槽11の内表面の構成材料と同様に、表面がグラスライニング処理又は樹脂ライニング処理されてなるもの、全体が樹脂製であるものを用いることが好ましい。
廃ガス及び酸性水溶液が大気圧下で接触すると、廃ガスに含まれたクロロポリシランのほぼ全量は、酸性水溶液に吸収されて反応し、その後、反応生成物を含む吸収液が自然落下し、貯留部111に酸処理液31として収容される。酸処理槽11の内部空間で酸性水溶液と接触しなかったクロロポリシランは、貯留部111における酸処理液31に落下し、やはり酸性の水溶液である酸処理液31と反応し、同じ反応生成物を得る。一方、廃ガスに含まれていた他のガスを主とする無害化ガスは、排気部15を通して排気口151から排出される。
貯留部111において、収容される酸処理液31の液性を観測するために、pH測定装置を配設することができる。また、この酸処理液31は、上記のように、微細コロイドを含むことから、アルカリ処理槽16への送液、酸性水溶液としての再利用等を効率よく進めるために、撹拌装置を配設することができる。
上記酸処理液31は、少なくともその内表面が耐酸性となるように処理された配管21を介して、酸処理槽11の貯留部111からアルカリ処理槽16に送液される。また、この酸処理液31の再利用のために、例えば、図4〜図8に示される循環用配管22を利用する場合にも、この循環用配管22は、少なくともその内表面が耐酸性となるように処理された配管が用いられる。
次に、上記アルカリ処理槽16としては、通常、撹拌装置28を備える容器が用いられる。また、その内部でアルカリ性の液体が用いられることから、少なくとも内表面が耐アルカリ性を有する容器、例えば、ステンレス、ニッケル合金等からなる容器、内表面が、フッ素樹脂ライニング処理又はゴムライニング処理されてなる容器が好ましい。
上記アルカリ処理槽16には、撹拌装置28以外に、アルカリ性材料供給部171、pH測定装置、液温調整装置等を配設することができる。
上記アルカリ性材料供給部171は、固体又は液体のアルカリ性材料が貯蔵されたアルカリ性材料貯蔵部17に連絡しており、所望の速度でアルカリ性材料を供給できるようになっている。このアルカリ性材料供給部171の数は、図1において、171の1箇所としているが、特に限定されず、アルカリ性材料の種類、性状等により、2箇所又はそれ以上とすることができる。
本発明の廃ガス処理装置は、図4〜図8に示される構成を備えるものとすることができる。以下、順次、説明する。
図4の廃ガス処理装置1Bは、図1の廃ガス処理装置1Aの要素に加えて、酸処理槽11の貯留部111に収容された酸処理液31を、廃ガスと接触させる酸性水溶液として再利用するために、貯留部111の底部から酸性水溶液供給部131に接続された酸処理液循環用配管22及び送液ポンプ25を備える。貯留部111における酸処理液31を再利用する場合には、酸性水溶液供給部131に配設されたバルブを閉じ、酸処理液循環用配管22のバルブを開くことにより、酸処理液31を循環させることができ、廃ガスの処理を連続的に行うことができる。
尚、上記のように、酸性水溶液供給部131の供給口には、微細コロイドによる閉塞を起こさないフルコーンスプレーノズル(図3参照)を配設することができるが、必要に応じて、貯留部111の出口と、循環用配管22の入口との間に、酸処理液に含まれる微細コロイドを除去する手段を備えてもよい。
また、この廃ガス処理装置1Bは、接触工程において得られる廃ガス及び酸性水溶液の反応生成物のうち、特に、シリコシュウ酸が、酸処理槽11の内壁に乾燥状態で残存するのを防止するために、その内壁を中性又は酸性の液体(以下、「湿潤液」という。)で濡らし、酸処理槽11の貯留部に流下させる湿潤液供給部191(191a及び191b)や、排気部15の内壁に対する同じ対策のために、その内壁を水等で洗浄し、洗浄水を酸処理槽11の貯留部に流下させる洗浄用水供給部181を備える。洗浄用水としては、水が好ましいが、酸性水溶液を用いることもできる。
上記湿潤液供給部191(191a及び191b)は、上記酸性水溶液供給部131の供給口より上方側に配設されることが好ましい。また、その供給口は、フルコーン、フラット、ホロコーン、ソリッド、エアーアトマイジング等の噴射形状(スプレーパターン)を有するスプレーノズルを備えることができ、好ましくは、酸性水溶液供給部131の供給口に配設可能なフルコーンスプレーノズル(図3参照)である。
上記湿潤液供給部191(191a及び191b)は、通常、酸処理槽11の外部に配設された湿潤液貯蔵部19に連絡しており、所望の速度で湿潤液を供給できるようになっている。この湿潤液供給部191の数は、図4において、191a及び191bの2箇所としているが、特に限定されず、酸処理槽11の形状、大きさ等により、1箇所又は3箇所以上とすることができる。
尚、上記湿潤液は、中性又は酸性の液体であれば、特に限定されないが、得られる酸処理液31のpHが、好ましくはpH=0〜pH=5、より好ましくはpH=0〜pH=4、更に好ましくはpH=0〜pH=2となるような液体を用いることが好ましい。上記湿潤液としては、通常、水、又は、接触工程に用いられる酸性水溶液を用いることができる。また、酸処理槽11の貯留部111に収容された酸処理液31を循環させて用いることもできる(図5の廃ガス処理装置1C参照)。
また、上記洗浄用水供給部181は、少なくとも排気部15の内壁を濡らすことができるものであれば、特に限定されないが、その供給口が、フルコーン、フラット、ホロコーン、ソリッド、エアーアトマイジング等の噴射形状(スプレーパターン)を有するスプレーノズルを備えるものが好ましい。
上記廃ガス処理装置1Bは、酸処理槽11の貯留部111に収容された酸処理液31が一定量貯留されると、酸処理液31が配管21によって、アルカリ処理槽16に送液されるようになっている。尚、配管21の酸処理槽11における接合部上端は、通常、排気管15の酸処理槽11における接合部下端よりも下側にあって、酸処理液31が排気管15の方へ入り込まないようになっている。
また、上記廃ガス処理装置1Bは、アルカリ処理槽16の内部のアルカリ処理液の撹拌効率を更に高めるために、このアルカリ処理液を循環する送液ポンプ26を更に備えることができる。
図6の廃ガス処理装置1Dは、図4の廃ガス処理装置1Bの要素に加えて、酸性水溶液供給部141(141a及び141b)を備える態様である。この酸性水溶液供給部141(141a及び141b)は、廃ガス供給部121からの廃ガスと、酸性水溶液との接触の頻度を更に高めるために、廃ガス供給部121の供給口より下方側に配設している。そして、この装置において、酸処理槽11の貯留部111に収容された酸処理液31を再利用することができ、酸処理液循環用配管22は、貯留部111から酸性水溶液供給部131及び酸性水溶液供給部141の両方に接続されている。酸性水溶液供給部141の供給口は、フルコーン、フラット、ホロコーン、ソリッド、エアーアトマイジング等の噴射形状(スプレーパターン)を有するスプレーノズルを備えることができ、好ましくは、酸性水溶液供給部131の供給口に配設可能なフルコーンスプレーノズル(図3参照)である。
図7の廃ガス処理装置1Eは、図6の廃ガス処理装置1Dの態様において、酸処理槽11の貯留部111に収容された酸処理液31を、酸性水溶液供給部141(141a及び141b)にのみ供給し、再利用する態様である。
また、図8の廃ガス処理装置1Fは、図6の廃ガス処理装置1Dの態様において、酸処理槽11の貯留部111に収容された酸処理液31を、酸性水溶液供給部131(131a及び131b)にのみ供給し、再利用する態様である。そして、酸性水溶液供給部141(141a及び141b)は、酸処理槽11の外部に配設された酸性水溶液貯蔵部14に連絡しており、所望の速度で酸性水溶液を供給できるようになっている。この酸性水溶液は、酸性水溶液貯蔵部13からの酸性水溶液と同一であってよいし、異なる濃度又は成分からなるものであってもよい。
本発明において、クロロポリシランを含む廃ガスの無害化に好適な処理装置は、図6〜図8に示す装置である。これらの装置を用いると、廃ガス供給部121から下方側に供給された廃ガスは、酸性水溶液供給部131から供給された酸性水溶液と、酸処理槽11の内部空間で接触し、酸性水溶液供給部131から供給された酸性水溶液のみで十分に接触しなかった場合には、酸性水溶液供給部141から供給される酸性水溶液によって、廃ガス及び酸性水溶液の接触をより完全なものとすることができる。また、上記酸性水溶液供給部131の供給口より上方側に、湿潤液供給部191を備えることにより、廃ガス及び酸性水溶液反応生成物のうち、シリコシュウ酸が、酸処理槽11の内壁に、乾燥状態で残存するのを防止することができ、酸処理槽11の貯留部111に流下させる洗浄用水供給部181を備えることにより、シリコシュウ酸が、排気管15の内壁に、乾燥状態で残存するのを防止することができ、安全である。そして、酸処理槽11の貯留部111に収容された酸処理液31は、酸性水溶液に含まれる水と、クロロポリシランとの間の反応生成物を主として含み、この反応生成物にHClが含まれ、通常、酸性を呈することから、酸性水溶液として再利用可能であり、循環用配管22により、酸性水溶液供給部131及び/又は酸性水溶液供給部141に送液すると、処理効果が低下することなく、経済性にも優れる。特に、図6に示す廃ガス処理装置Dは、循環用配管22で利用するに十分な量の酸処理液31を、酸処理槽11の貯留部111において確保した後、酸性水溶液供給部131におけるバルブを閉じ、循環用配管22における2つのバルブを開いて、貯留部111からの酸処理液を、酸性水溶液供給部131及び酸性水溶液供給部141の両方に送液させ、廃ガスとの接触に再利用し、連続的に処理することができるので、好ましい。
本発明の廃ガス処理装置(図4〜図8)を用いて、廃ガス処理を行う場合、処理の開始に先立って、酸処理槽11に、中性又は酸性の液体を収容しておいてもよい。また、アルカリ処理槽16には、予め、アルカリ性材料を収容しておくことが好ましい。
図6に示す装置を用いて、廃ガスの処理を行う好ましい方法について説明する。まず、酸処理槽11の内部を大気圧及び大気雰囲気とし、フルコーンスプレーノズルを備える酸性水溶液供給部131(131a及び131b)から、ミスト状の酸性水溶液を、下方側に連続的に供給する。酸性水溶液の好ましい供給量は、塔断面積基準で毎時3〜5m/mである。その後、上記廃ガス供給部の供給口を下向きに開口させた状態で、廃ガスを下方側に連続的又は間欠的に供給し、酸性水溶液ミストと接触させる。廃ガスの好ましい供給量は、単位時間において、酸性水溶液中の水のモル量と、廃ガスに含まれるクロロポリシランのモル量との比が、例えば、5以上、好ましくは60以上となるような量である。酸処理槽11の内部における物質の流れは、自然落下する酸性水溶液ミストと同様に下向きであり、酸性水溶液ミストとクロロポリシランとの反応生成物を含む吸収液のほとんどは、酸処理槽11の貯留部111に収容され、その一部は、酸処理槽11の内壁、排気部15の内壁等に付着する。上記のように、反応生成物に含まれるシリコシュウ酸は、常時、乾燥状態にならぬよう、好ましくは湿潤状態とする必要があるので、酸性水溶液の供給と同時又は直後に、湿潤液を、湿潤液供給部191から、少なくとも酸処理槽11の内壁を濡らすように供給し、また、洗浄用水を、少なくとも排気部15の内壁を濡らすように供給する。湿潤液及び洗浄用水の好ましい供給量は、それぞれ、塔断面積基準で毎時0.3〜1.2m/m、及び、毎時0.3〜1.2m/mである。酸処理槽11における貯留部111に収容された酸処理液31(pH=0〜pH=4)が所定量に達すると、配管21を介して、アルカリ性水溶液(pH=10〜pH=14)が収容されたアルカリ処理槽16に送液される。また、酸性水溶液供給部131におけるバルブを閉とし、循環用配管22における2つのバルブを開とした後、循環用配管22を介して、酸性水溶液供給部131及び酸性水溶液供給部141に送液され、再利用される。
酸処理液31は、必要に応じて、5℃〜50℃に調整され、酸処理槽11の貯留部111において、所定量を超えると、酸処理液31が、配管21を通って、体積が、例えば、0.5〜1mのアルカリ性水溶液(アルカリ性材料)が収容されたアルカリ処理槽16に、好ましくは毎時0.1〜3mの速度で供給される。アルカリ処理槽16は、撹拌装置28と、送液ポンプ26とを備えることから、酸処理液31及びアルカリ性水溶液の混合を迅速に進めることができ、例えば、1時間に供給された酸処理液31のアルカリ処理槽16におけるpH調整(pH=10〜pH=14)を、5℃〜50℃の範囲の温度で、30分以内に行うことができる。
以上のようにして、クロロポリシランを含む廃ガスは、無害化され、酸処理槽11の内部から、排気部15の方へ、クロロポリシランを実質的に含まないガス成分を送り、排気部15より外部へ排気することができる。
以下に、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。尚、下記において、ppm及び%は、特に断らない限り、質量基準である。
実施例1
表1に示す組成の廃ガス(被処理ガス)の処理を、図6に示す廃ガス処理装置を用いて行った。図6に示す廃ガス処理装置1Dは、硬質ポリ塩化ビニル樹脂からなる密閉式の酸処理槽11(内径600mm、高さ1m)と、この酸処理槽11の貯留部111の底面から高さ1,600mmの中心位置に、下方側に開口した廃ガス供給口(図2参照)を有する廃ガス供給部121(断面積240mmの円筒管)と、廃ガス供給口のいずれも150mm上方側に配設され、下方側に開口するスプレー用フルコーンスプレーノズル(スプレー角度:90度、オリフィス呼び径:2.4mm、図3参照)をその先端に有し、酸性水溶液を供給する酸性水溶液供給部131(131a及び131b)と、廃ガスに含まれたクロロポリシラン以外のガス成分(処理ガス)を排出するために、酸処理槽11の側壁の後述する所定位置に配設され且つ排気口151を備える筒状の排気管15(内径80mm)と、酸処理槽11の側壁に配設され且つ酸処理槽11の貯留部111に収容された酸処理液31をアルカリ処理槽16に送液する、硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の配管21(内径51.8mm)と、ポリエチレン樹脂からなる密閉式のアルカリ処理槽16(内径1,410mm、高さ1,560mm)とを備える。配管21の酸処理槽11における接合部上端は、排気管15の酸処理槽11における接合部下端よりも下側である。また、この装置は、酸処理槽11の貯留部111に収容されている酸処理液31を再利用するために、貯留部111(の底部)と酸性水溶液供給部131とを、送液ポンプ25を介して連絡する、硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の酸処理液循環用配管22(内径51.8mm)を備える。この酸処理液循環用配管22は、酸処理槽11の内部に開口する供給口(2箇所)を有し、廃ガス供給口のいずれも300mm下方側に配設された、下方側に開口するスプレー用フルコーンスプレーノズル(スプレー角度:90度、オリフィス呼び径:2.4mm、図3参照)をその先端に有し、酸処理液31を再利用し供給する酸性水溶液供給部141(141a及び141b)にも連絡している。尚、排気管15における酸処理槽11における接合部の上端は、酸性水溶液供給部141の供給口よりも下方側にあり、下端は、酸処理槽11の貯留部111の底面から高さ700mmにある。更に、この装置は、廃ガスの供給及び酸性水溶液の供給により接触した後、生成される反応生成物が排気管15の内壁面に、付着、残存するのを抑制するために、枝分かれした排気管15の上方に、下方側に突き出すように配設され、下方側に開口するフルコーンスプレーノズル(スプレー角度:90度、オリフィス呼び径:2.4mm)をその先端に有し、且つ、水を供給する洗浄用水供給部181を備える。また、この装置は、廃ガスの供給及び酸性水溶液の供給により接触した後、生成される反応生成物が酸処理槽11の内壁面に、付着、残存するのを抑制するために、上記内壁面を濡らすべく、酸処理槽11の天井から下方側に突き出した、下方側に開口するフルコーンスプレーノズル(スプレー角度:90度、オリフィス呼び径:2.4mm)をその先端に有し、且つ、湿潤液を供給する湿潤液供給部191(191a及び191b)を備える。
酸処理槽11の貯留部111には、予め、0.1mの0.4%塩酸水溶液が収容されている。
アルカリ処理槽16には、pH=13.6の10%水酸化ナトリウム水溶液が収容されており、pH測定装置、アルカリ性材料供給部171、プロペラ型の撹拌翼を備える撹拌装置28、及び、アルカリ処理液35を送液するための送液ポンプ26が配設されている。
本実施例において用いられる廃ガス、酸性水溶液、アルカリ性材料、湿潤液(水)及び水は、それぞれ、廃ガス貯蔵部(又は廃ガス発生源の排気口等)12、酸性水溶液貯蔵部13、アルカリ性材料貯蔵部17、湿潤液貯蔵部19及び洗浄用水貯蔵部18から送られるものである。
Figure 2009279567
<GC測定条件>
分析装置 :ガスクロマトグラフ(型式「8A」)、島津製作所社製
検出器 :TCD
検出器温度:250℃
カラム :「SE−30」(長さ2m、内径3mm)、GLサイエンス社製
キャリアーガス:ヘリウム
試料注入量:1マイクロリットル
試料注入口温度:250℃
昇温条件:70℃→230℃(昇温速度:毎分10℃)
図6に示す廃ガス処理装置1Dにおける酸処理槽11の内部を大気圧、大気雰囲気として、循環用配管22における2つのバルブを閉とした状態で、酸性水溶液(0.4%塩酸水溶液)を、毎時1m(塔断面積基準では、毎時3.5m/m)の供給速度で、酸性水溶液供給部131a及び131bに配設されたノズルより、酸性水溶液ミストとして連続的に供給しながら、廃ガス(表1参照)を、毎時1〜2mの供給速度で、廃ガス供給部121より連続的に供給した。同時に、湿潤液供給部191より水を、洗浄用水供給部181より水を、いずれも、毎時0.2〜0.3m(塔断面積基準では、毎時0.71〜1.06m/m)の供給速度で散布した。流下して酸処理槽11の貯留部111に貯留された、白濁したスラリー状酸処理液31のpHを測定したところ、pH=1であり、シリコシュウ酸の含有量を下記の過マンガン酸滴定法により測定したところ、0.6%であった。
<過マンガン酸滴定法>
容積300mmのビーカーに、脱イオン水50mmを入れ、50ミリグラムの測定試料を加える。その後、濃硫酸5mm及び硫酸銀0.5グラムを加える。次いで、0.01N−KMnO標準液20mmを加え、80℃で15分間加熱する。そして、0.01N−Na標準液20mmを加える。その後、0.01N−KMnO標準液で薄い紅色に着色するまで滴定し、ブランクの滴定値を引去して測定試料中の還元性物質のモル濃度を算出する。この還元性物質をシリコシュウ酸として分子量をかけることにより質量濃度に変換される。
次いで、酸処理槽11の貯留部111に貯留された酸処理液31(pH=1)の体積が0.17mとなったとき、酸性水溶液供給部131のバルブを閉として、酸性水溶液貯留部13からの酸性水溶液の供給を中止し、同時に、循環用配管22における2つのバルブを開として、スラリー状酸処理液31の循環を開始した(供給速度:毎時1.2〜1.8m)。これにより、酸処理液31を、酸性水溶液供給部131a及び131b並びに酸性水溶液供給部141a及び141bから上記供給速度で、廃ガスに接触させ、連続処理を行った。上記酸性水溶液供給部131の供給口に配設されたノズルに目詰まりは確認されなかった。
その後、酸処理槽11の貯留部111に満たされたスラリー状酸処理液31の液面が、酸処理槽11の内壁において開口している配管21の下端よりも高くなると、酸処理液31が、毎時0.1〜0.3mの供給速度で、10%水酸化ナトリウム水溶液(pH=13.6)が収容されているアルカリ処理槽16へ送液された。また、アルカリ性材料供給部171より、48%水酸化ナトリウム水溶液を、アルカリ処理槽16内の混合液のpHが10〜14の範囲で保持されるように供給した。アルカリ処理槽16においては、撹拌装置28及び送液ポンプ26を稼働させ、液の混合を素早く行った。得られるアルカリ処理液35は、5分以内にpH=10〜pH=14の範囲になり、沈殿物がなく無色透明であり、温度が5℃〜50℃に維持された。
廃ガスを、毎時1.2mの速度で供給し、10時間処理を行い、アルカリ処理槽16に収容されているアルカリ処理液35におけるシリコシュウ酸の含有量を測定したところ、0%であった。また、排気部15の排気口151において回収されたガスを分析したところ、表2に示す結果を得た。
Figure 2009279567
また、処理後に装置を分解して、酸処理槽11の内壁、排気部15の内壁等を点検したところ、付着物等は皆無であった。
更に、上記処理を1ヶ月行ったが、再現性のあることが確認された。
比較例1
表1に示す組成の廃ガス(被処理ガス)の処理を、図6に示す廃ガス処理装置1Dにおいて、酸性水溶液(酸性水溶液貯留部13)に代えて、10%水酸化ナトリウム水溶液(pH=13.6)を用いて行った。
20℃の10%水酸化ナトリウム水溶液(pH=13.6)を、予め、酸処理槽11の貯留部111に収容しておき、この水溶液を、循環用配管22により連続的に循環した。この水溶液は、酸性水溶液供給部131から供給し(供給速度:毎時1.2〜1.8m)、廃ガス供給部121からの廃ガス(供給速度:毎時0.6〜0.9m)と接触させた。また、この水溶液は、酸性水溶液供給部141からも供給した(供給速度:毎時1.2m)。
処理の開始とともに、酸処理槽11の貯留部111に、無色透明なゲル状沈殿物が生成し始めた。そして、3時間後、貯留部111内における溶液の温度は20℃〜30℃であり、pH=13であり、シリコシュウ酸の含有量は0.5%であった。
次いで、実施例1と同様にして、アルカリ処理槽16による処理を行ったところ、アルカリ処理槽16には、酸処理槽11の貯留部111に滞留していたゲル状沈殿物がそのまま存在しており、アルカリ処理液35におけるシリコシュウ酸の含有量は0.3%であった。このゲル状沈殿物を採取して、乾燥したところ、白色粉末が得られた。この白色粉末を、電熱器で加熱したところ、発火した。
尚、廃ガスの処理を始めて、6時間経過したところで、送液ポンプ25の吸入口における閉塞が確認され、廃ガスの処理は、中止となった。
本発明は、ジシランの製造工程で排出されるガス、シリコンウエハの製造工程で排出される排出ガス、六塩化二珪素の製造等において珪素の塩素化を伴う工程で排出されるガス等に例示される、クロロポリシランを含む廃ガスの処理に好適である。
本発明の廃ガス処理装置の一例を示す概略図である。 廃ガス供給部の供給口(廃ガス用ノズル)の一例を示す概略図である。 酸性水溶液供給部の供給口(フルコーンスプレーノズル)の一例を示す概略斜視図である。 本発明の廃ガス処理装置の他の例を示す概略図である。 本発明の廃ガス処理装置の他の例を示す概略図である。 本発明の廃ガス処理装置の他の例を示す概略図である。 本発明の廃ガス処理装置の他の例を示す概略図である。 本発明の廃ガス処理装置の他の例を示す概略図である。
符号の説明
1A〜1F:廃ガス処理装置
11:酸処理槽
111:貯留部
12:廃ガス貯蔵部(又は廃ガス発生源の排気口等)
121:廃ガス供給部
13:酸性水溶液貯蔵部
131,131a及び131b:酸性水溶液供給部
14:酸性水溶液貯蔵部
141,141a及び141b:酸性水溶液供給部
15:排気部(排気管)
151:排気口
16:アルカリ処理槽
17:アルカリ性材料貯蔵部
171:アルカリ性材料供給部
18:洗浄用水貯蔵部
181:洗浄用水供給部
19:湿潤液貯蔵部
191,191a及び191b:湿潤液供給部
21:配管
22:酸処理液循環用配管
25:送液ポンプ
26:送液ポンプ
28:攪拌装置
31:酸処理液
35:アルカリ処理液
4:廃ガス用ノズル
5:フルコーンスプレーノズル
51:案内部材
52:酸性水溶液用加圧水通路

Claims (11)

  1. クロロポリシランを含む廃ガスを無害化する方法において、
    上記廃ガスを、酸性水溶液に接触させる接触工程と、該接触工程により得られた酸処理液を、アルカリ性材料によりpH=10〜pH=14に調整するpH調整工程と、を備えることを特徴とする廃ガス処理方法。
  2. 上記酸性水溶液がミスト状である請求項1に記載の廃ガス処理方法。
  3. 上記接触工程において、上記酸性水溶液を、上記廃ガスの上方側から供給する請求項1又は2に記載の廃ガス処理方法。
  4. 上記酸性水溶液のpHが、pH=0〜pH=5である請求項1乃至3のいずれかに記載の廃ガス処理方法。
  5. 上記アルカリ性材料が、アルカリ性水溶液であり、且つ、上記pH調整工程において、上記酸処理液が、上記アルカリ性水溶液の中に投入され、pH調整が、5℃〜50℃の範囲の温度で行われる請求項1乃至4のいずれかに記載の廃ガス処理方法。
  6. 上記酸処理液の一部を、上記酸性水溶液として再利用する請求項1乃至5のいずれかに記載の廃ガス処理方法。
  7. 請求項1に記載の廃ガス処理方法に用いられ、接触工程を行うための酸処理槽と、pH調整工程を行うためのアルカリ処理槽とを備える廃ガス処理装置であって、
    上記酸処理槽は、その内部に、クロロポリシランを含む廃ガスを供給する廃ガス供給部、供給された該廃ガスに対して酸性水溶液を供給し、該廃ガス及び該酸性水溶液を接触させる酸性水溶液供給部、並びに、上記廃ガス及び上記酸性水溶液の接触により得られた酸処理液を貯留する貯留部を有し、更に、該酸処理槽の内部より、クロロポリシランを実質的に含まないガス成分を外部に排気する排気部を有し、
    上記アルカリ処理槽は、配管を介して、上記酸処理槽の上記貯留部と連絡されてなることを特徴とする廃ガス処理装置。
  8. 上記酸性水溶液供給部の供給口がフルコーンスプレーノズルを備える請求項7に記載の廃ガス処理装置。
  9. 上記廃ガス供給部の供給口、及び、上記酸性水溶液供給部の供給口が、いずれも下向きに開口しており、且つ、上記廃ガス供給部の供給口が、上記酸性水溶液供給部の供給口より下方側に配設されている請求項7又は8に記載の廃ガス処理装置。
  10. 上記酸処理槽は、更に、上記貯留部と、上記酸性水溶液供給部とを接続する酸処理液循環用配管を備える請求項7乃至9のいずれかに記載の廃ガス処理装置。
  11. 上記酸処理槽は、更に、上記酸性水溶液供給部の供給口より上方側に、中性又は酸性の液体を供給する湿潤液供給部を備え、上記液体が、少なくとも上記酸処理槽の内壁を濡らす請求項7乃至10のいずれかに記載の廃ガス処理装置。
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