JPH06339286A - 振動モータの駆動回路 - Google Patents

振動モータの駆動回路

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JPH06339286A
JPH06339286A JP5145588A JP14558893A JPH06339286A JP H06339286 A JPH06339286 A JP H06339286A JP 5145588 A JP5145588 A JP 5145588A JP 14558893 A JP14558893 A JP 14558893A JP H06339286 A JPH06339286 A JP H06339286A
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JP
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motor
vibration motor
voltage
vibration
piezoelectric element
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JP5145588A
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Masahiko Komoda
晶彦 菰田
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Asmo Co Ltd
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Asmo Co Ltd
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回路規模を縮小すると共に、振動モータの回
転方向を効率よく切り替えることができる振動モータの
駆動回路を提供すること。 【構成】 駆動回路110は、発振器112,増幅器1
14,起動スイッチ116,共振モード入力部118,
回転速度入力部120,切替スイッチ122,回転方向
入力部124を含んで構成される。発振器112の出力
を増幅器114で電力増幅し、その出力をモータ駆動電
圧として切替スイッチ122を介して振動モータ100
の分割電極板46U,46V,46Wに印加する。この
とき、切替スイッチ122はモータ駆動電圧を印加する
分割電極板を1つ選択するとともに、所定間隔でかつ巡
回的に印加先を切り替えることにより、振動モータ10
0の回転駆動を行う。1つの増幅器114を用いるだけ
で振動モータ100の回転駆動が可能になり、しかも切
替スイッチ122によって選択する分割電極板の順序を
変えるだけで振動モータの正転及び反転駆動が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動モータの駆動回路
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、進行波を利用した振動モータ
(超音波モータ)においては、位相が90°異なる2つ
の駆動電圧を印加して圧電素子を振動させている。
【0003】図14は、従来の進行波振動モータの駆動
回路の一例を示す図である。
【0004】駆動回路410は、振動モータ400を回
転駆動するためのものである。制御対象となる振動モー
タ400は、圧電素子402を有しており、この圧電素
子402の片面あるいは両面に分割された電極404,
406,408を有している。電極404,406は、
それぞれ位相が90°異なる駆動電圧を印加するための
ものであり、これらの電極に対応する圧電素子402の
各部が振動し、この振動が合成されて進行波が発生す
る。また、電極408は、フィードバック信号を取り出
すためのものであり、取り出されたフィードバック信号
は、駆動回路410に入力される。
【0005】駆動回路410は、発振器412,増幅器
414,416,移相器418,周波数追尾回路420
を含んで構成される。発振器412の出力を増幅器41
4で増幅して振動モータ400の電極404に印加する
と共に、発振器412の出力を移相器418を介して位
相を90°ずらした後に、増幅器416で増幅して電極
406に印加する。このようにして位相が互いに90°
異なる2つの交流電圧が振動モータ200に印加され、
進行波に合成されて楕円振動となって振動モータ400
が駆動される。また、周波数追尾回路420は、振動モ
ータ400からのフィードバック信号に基づいて、圧電
素子402の振動状態を監視しており、その振動状態が
最適となるなるように発振器412に制御信号を送る。
発振器212は、周波数追尾回路420からの制御信号
に応じて、出力信号の周波数を変化させる。これによ
り、駆動回路410は、最も効率良く振動モータ400
を駆動することができる。
【0006】上述した駆動回路410は、制御方法の一
例としてVFB一定制御を示しているが、そのほかにもV
A −VFB位相一定制御、VA −IA 位相一定制御等種々
のものが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した進
行波型の超音波モータの駆動回路410においては、位
相がそれぞれ90°異なる駆動電圧を2つ発生させる必
要があるため、昇圧部となる増幅器414,416も2
つ必要であり、駆動回路410の規模が大きくなると共
に、製造コストも高くなるという問題点があった。
【0008】ところで、本出願人は、従来の進行波型の
振動モータとは動作原理の異なる振動モータを提案して
いる。例えば、特開平5−38167号公報開示された
「振動モータ装置」がある。この振動モータは、単一の
振動波を用いて回転駆動させることができることに特徴
がある。従って、この振動モータの駆動回路において
は、増幅器の数を減らして回路の簡略化が可能となる。
また、双方向の回転駆動を行うためには、回転方向を切
り換えるための構成が必要となる。
【0009】そこで、本発明は振動モータの駆動回路の
回路規模を縮小することを目的とする。
【0010】また、本発明は、振動モータの回転方向を
効率良く切り換えることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の振動モータの駆動回路は、ステータ部
の圧電素子をロータ部の回転方向に沿って3つ以上の電
圧印加領域に分割し、この分割された電圧印加領域にモ
ータ駆動電圧を印加して、得られた振動波によって前記
ロータ部を回転させる振動モータの駆動制御を行う振動
モータの駆動回路において、モータ駆動用の所定周波数
の交流電圧を発生する発振器と、前記発振器で発生した
交流電圧を増幅してモータ駆動電圧を出力する増幅器
と、前記圧電素子内の電圧印加領域の1つあるいは複数
を選択するとともに、この選択した電圧印加領域を前記
ロータの回転方向に沿って所定の時間間隔で切り替える
ことにより、この選択した電圧印加領域に対して前記増
幅器から出力されるモータ駆動電圧を印加する切替スイ
ッチと、を備え、前記モータ駆動電圧を前記圧電素子内
の3つ以上の電圧印加領域のそれぞれに巡回的に印加す
ることにより前記振動モータの回転駆動を行うことを特
徴とする。
【0012】
【作用】本発明の振動モータの駆動回路は、ステータ部
の圧電素子にモータ駆動電圧を印加して得られた振動波
によってロータ部を回転させる振動モータの駆動を行う
ものである。
【0013】発振器によってモータ駆動用の所定周波数
の交流電圧を発生すると、増幅器はこの電圧を増幅して
モータ駆動電圧とする。そして、このモータ駆動電圧を
切替スイッチを介してステータ部の圧電素子に印加す
る。この圧電素子は、複数の電圧印加領域に分割されて
おり、切替スイッチによりこの電圧印加領域の1つある
いは複数が巡回的に選択される。従って、この切替スイ
ッチによる切替動作により選択的にモータ駆動電圧が印
加される電圧印加領域をロータ回転方向に移動させるこ
とにより、ステータ部に接触したロータ部が一方向に回
転駆動される。また、この切替スイッチによりモータ駆
動電圧を印加する電圧印加領域の順番を反対にすること
により、ステータ部に接触しているロータ部が反対方向
に回転駆動される。
【0014】本発明においては、増幅器から出力される
モータ駆動電圧の印加先を切替スイッチによって所定の
時間間隔で巡回的に切り替えることにより、振動モータ
を所定の方向に回転駆動することができる。従って、共
通の増幅器により増幅したモータ駆動電圧を用いて振動
モータの駆動を行うことができ、進行波型超音波モータ
を駆動する場合のように2つの増幅器が不要であり、駆
動回路の規模を縮小することができる。
【0015】また、この振動モータを正転および反転の
両方向に回転駆動する場合にも、切替スイッチによりモ
ータ駆動電圧を印加する電圧印加領域の順番を切り替え
るだけでよいため、正転用のモータ駆動電圧と反転用の
モータ駆動電圧とを別々に発生させる場合に比べて回路
規模の縮小が可能となる。また、モータ駆動電圧を印加
領域の順番を変えるだけで両方向に駆動できるため、振
動モータの回転方向を効率よく切り替えることができ
る。
【0016】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明を適用した一実施例の駆動
回路の構成を示す図である。同図には、駆動回路110
の詳細構成と、この駆動回路110によって駆動制御さ
れる振動モータ100との接続状態が示されている。 (1)駆動回路の構成 駆動回路110は、発振器112,増幅器114,起動
スイッチ116,共振モード入力部118,回転速度入
力部120,切替スイッチ122,回転方向入力部12
4を含んで構成される。
【0018】発振器112は、電圧制御型発振器(VC
O)であり、制御電圧に1対Iに対応した周波数の発振
信号(交流電圧)を出力する。従って、この発振器11
2の制御電圧を切り替えることにより、発振器112の
出力信号の周波数を所定の値に設定することができる。
【0019】増幅器114は、発振器112の出力信号
を電力増幅するものである。この増幅器114の出力
は、切替スイッチ122を介して、振動モータ100に
供給される。すなわち、増幅器114の出力は、モータ
駆動電圧として振動モータ100に印加されるようにな
っている。
【0020】起動スイッチ116は、発振器112およ
び増幅器114に対して起動指示を行う。起動スイッチ
116が操作されたときにON信号が発振器112およ
び増幅器114に送られる共振モード入力部118は、
振動モータ100のステータ部の共振モードを選択設定
するものであり、その出力信号は発振器112に入力さ
れる。この共振モードとしては、1次共振,2次共振等
があるがこれらの詳細については後述する。
【0021】回転速度入力部120は、増幅器114の
増幅率を制御することにより、振動モータ100の回転
速度を設定することができる。
【0022】切替スイッチ122は、増幅器114の出
力を振動モータ100に印加する際に、その印加先を切
り替えるものである。この切替スイッチ122の切替操
作により、増幅器114から出力されたモータ駆動電圧
を印加する印加先を所定の時間間隔で切り替えて、振動
モータ100の回転が可能となる。
【0023】回転方向入力部124は、振動モータ10
0の回転方向を選択設定するものであり、その出力信号
は、切替スイッチ122に入力される。切替スイッチ1
22は、この回転方向入力部124から入力される信号
に基づいて、接点の切り替え順序を変更する。これによ
り、振動モータ100の正転および反転の双方回転駆動
が可能となっている。 (2)振動モータの構造 次に、制御対象となる振動モータの100の詳細な構造
について説明する。この振動モータ100は、従来の進
行波型振動モータとは異る構造を有している。
【0024】図2は、振動モータ100の概略的な構造
を示す図である。
【0025】本実施例の振動モータ100は、ロータ部
30とステータ部40とを有する。
【0026】そして、ステータ部40の電極板46,4
8に、単相の交流電圧を印加することにより、ステータ
部40のロータ接触面60に楕円振動を発生させ、これ
によりロータ接触面60に接するロータ部30を正転お
よび逆転駆動するものである。
【0027】前記ロータ部30は、ロータ接触面60に
一定の圧力で接触する円板32と、この円板32の回転
中心に取り付けられた回転出力軸34とを含む。
【0028】また、前記ステータ部40は、例えばセラ
ミックス等の圧電体を用いてリング状に形成されかつ互
いに分極方向の異なる2個の圧電素子42,44と、圧
電素子44の両側に設けられた第1の電極板46及び第
2の電極板48と、圧電素子42,44の両側にそれぞ
れ配置された第1の金属ブロック体50及び第2の金属
ブロック体52と、両金属ブロック体50,52と圧電
素子42,44を締め付けるように連結固定する結合ボ
ルト54とを含む。
【0029】なお、前記圧電素子42,44は、分極の
際に電極として使用した、例えば銀,ニッケル面を、分
極終了後に研磨して除去したものを用いる。
【0030】図3,図4は、前記ステータ部40の詳細
な構造を示す図である。図3にはステータ部40を組立
てた状態が示されており、図4にはその分解斜視図が示
されている。
【0031】前記第1,第2の金属ブロック体50,5
2の中心にはネジ孔が形成され、さらに圧電素子42,
第1の電極板46,圧電素子44,第2の電極板48の
中心にはボルト挿通孔42a,46a,44a,48a
が設けられている。そして、前記ボルト挿通孔42a,
46a,44a,48aに、絶縁体によって形成された
カラー56を挿通した結合ボルト54を挿通し、この結
合ボルト54の両端に設けられたネジ部を、前記第1及
び第2の金属ブロック体50,52を中心に形成された
ネジ孔に螺合させる。これにより、圧電素子42,44
の両端に、第1の金属ブロック体50及び第2の金属ブ
ロック体52が、圧電素子42,44を締め付けるよう
に連結固定されることになる。
【0032】なお、本実施例は、この連結固定に際し、
各部材の積層面の固定に接着剤を用いていないため、共
振周波数のモータ毎のばらつきや、Qの値の低下を防ぐ
ことができ、これにより振動モータの性能及び信頼性の
向上を図ることができる。
【0033】また、前記第1の電極板46は、円周方向
に3分割されるようにスリット部46cが設けられ、そ
の外周部が連結部46bにより互いに連結されている。
この第1の電極板46は、その直径が圧電素子42,4
4の直径よりも幾分大きめに形成され、ステータ部40
を組立てた際、その外周部及び連結部46bがステータ
外部へ突出するようになっている。これにより、ステー
タ部40の組立て終了後に、前記連結部46bを切断す
ることで、互いに電気的に絶縁された分割電極板46
U,46V,46Wを得ることができる。
【0034】特に、本実施例では、ステータ組立時に各
分割電極板46U,46V,46Wを1枚の電極板46
として取り扱うことができるため、その組立作業が容易
になるばかりでなく、各分割電極板46U,46V,4
6Wの位置決めも正確に行うことができる。
【0035】また、各分割電極板46U,46V,46
Wのステータ外部へ突出する部分は、図3に示すよう、
外部接続端子45U,45V,45Wを構成することに
なり、これに図2に示すよう引き出し線64U,64
V,64Wが接続されることになる。
【0036】さらに、前記第2の電極板48の外周に
は、ステータ部40の外部へ突出する外部接続端子49
が設けられ、これに、図2に示すよう、接地用の引き出
し線66が接続されることとなる。
【0037】また、本実施例の金属ブロック体50,5
2は、金属製の結合ボルト54により相互に連結固定さ
れている。このため、第2の電極板48をアースする
と、自動的に第2の金属ブロック体52,結合ボルト5
4,第1の金属ブロック体50がアース電位となる。し
たがって、第1の金属ブロック体50は、圧電素子42
の片面に対し、第2の電極板48と同様にアース電極と
して機能することになる。
【0038】なお、前記結合ボルト54は、絶縁性のカ
ラー56により圧電素子42,44及び第1の電極板4
6と電気的に絶縁されている。
【0039】このように構成された振動モータ100を
用いて、ロータ部30を正転駆動する場合には、第2の
電極板48をアースし、分割電極板46U,46V,4
6Wの順に選択的かつ巡回的に交流電圧(モータ駆動電
圧)を印加する。即ち、最初の所定時間(例えば印加さ
れる交流電圧の1周期分)だけ分割電極板46Uにモー
タ駆動電圧が印加され、次の所定時間だけ分割電極板4
6Vにモータ駆動電圧が印加され、次の所定時間だけ分
割電極板46Wにモータ駆動電圧が印加される。
【0040】このように各分割電極板46U,46V,
46Wにモータ駆動電圧を印加するタイミングをずらす
ことにより、各分割電極板46U,46V,46Wと接
する圧電素子42,44の各電圧印加領域には、印加さ
れた交流電圧に対応した振動が発生し、ロータ接触面6
0には順方向の楕円振動が発生する。この楕円振動は、
各分割電極板46U,46V,46Wに印加された交流
電圧に対応して発生する曲げ振動の合成として得られる
と推定され、これによりロータ接触面60と接するロー
タ部30は順方向に回転駆動されることになる。
【0041】また、分割電極板46U,46V,46W
の順に交流電圧を印加していたものを、その印加順番を
切り替えて、分割電極板46U,46W,46Vの順に
印加すると、ロータ接触面60には逆方向の楕円振動が
発生し、ロータ部30を逆方向に回転駆動することがで
きる。
【0042】ところで、本実施例の振動モータ100を
より効率よく駆動するためには、前記交流電圧の周波数
を、ステータ部40が共振現象をおこすような値(共振
周波数)とすることが好ましい。
【0043】図5は、ステータ部40に発生する曲げ振
動の概要を示す図である。同図から明らかなように、前
記交流電圧の周波数を、ステータ部40に発生する曲げ
振動の共振周波数、例えば1次共振周波数,2次共振周
波数,3次共振周波数などに設定することにより、ステ
ータ部40の両端面60A,60Bに、曲げ振動が最大
となる振動の腹部を位置させることができる。これによ
り、ステータ部40の両端面60A,60Bに発生する
楕円振動を最大の値とすることができ、これにより回転
出力効率を向上させることができる。
【0044】なお、前記共振周波数は、何次の共振周波
数を用いてもよい。
【0045】図6は、前記交流電圧の周波数を1次共振
周波数,2次共振周波数,3次共振周波数に設定した場
合におけるステータ部40の共振モデルを示す図であ
る。
【0046】このとき、ステータ部40の両端面60
A,60Bには、共振周波数を奇数次に設定した場合に
は同方向の楕円振動が現われ、共振周波数を偶数次に設
定した場合には逆方向の楕円振動が発生することにな
る。
【0047】ここにおいて、これら各モデルにおける曲
げ振動の共振周波数fは、概略次式によって求めること
ができる。
【0048】 f=λ2 {R/(2πL2 )}(E/ρ)1/2 λ;定数 (1次共振の時4.73、2次共振の時7.853 、3次共振の
時10.996) R;0.25×D (Dはステータ部40の外径) L;ステータ部40の全長 (E/ρ)1/2 ;音速 (Eはヤング率、ρは密度) したがって、例えばD,Lが次のような値で、金属ブロ
ック体50,52がアルミニウムの振動モデルを考える
と、 D=35×10-3[m] L=60×10-3[m] (E/ρ)1/2 は約5800[m/s]となる。
【0049】したがって、この振動モデルでは、ステー
タ部40の1次共振周波数fの値は、約50kHz とな
る。 (3)駆動回路の動作 次に、本実施例の駆動回路110の詳細動作について説
明する。
【0050】図7及び図8は、駆動回路110によって
振動モータ100を駆動制御する場合の概略を示す図で
ある。
【0051】図7(a)及び(b)は、振動モータ10
0の各分割電極板と圧電素子42,44の振動領域との
関係を示している。同図のA,B,Cのそれぞれは分割
電極板46U,46V,46Wのそれぞれに対応してお
り、分割電極板46Uにモータ駆動電圧を印加すると同
図(b)に示す圧電素子42,44の電圧印加領域Aが
振動することを示している。同様に、分割電極板46V
にモータ駆動電圧を印加すると同図(b)に示す圧電素
子42,44の電圧印加領域Bが振動する。分割電極板
46Wにモータ駆動電圧を印加すると同図(b)に示す
圧電素子42,44の電圧印加領域Cが振動する。
【0052】また、図8は振動モータ100を正転駆動
する場合と反転駆動する場合のモータ駆動電圧の印加状
態を示している。同図に示すように、振動モータ100
を正転駆動する場合には、駆動回路110の切替スイッ
チ122を接点a,b,cの順に切り替える。このよう
に切替スイッチ122を切り替えることにより、圧電素
子42,44の電圧印加領域A,B,Cのそれぞれには
モータ駆動電圧に対応した振動が発生し、図1に示すロ
ータ接触面60には順方向の楕円振動が発生する。この
楕円振動は、圧電素子42,44の各電圧印加領域A,
B,Cに印加されるモータ駆動電圧に対応して発生する
曲げ振動の合成として得られると推定され、これにより
ロータ接触面60と接するロータ部30は順方向に回転
駆動されることになる。
【0053】なお、切替スイッチ122において、接点
aからb、bからc、cからaに切り替えるタイミン
グ、即ち切替の間隔は各電圧印加領域A,B,Cに印加
される交流電圧の周期にほぼ等しくすることが望まし
い。
【0054】一方、同図に示すように、振動モータ10
0を反転駆動する場合には、駆動回路110の切替スイ
ッチ122を接点c,b,aの順に切り替える。このよ
うに振動モータ100を反転駆動する場合には正転駆動
する場合とは反対の順序で圧電素子42,44の各電圧
印加領域を振動させることにより、ロータ接触面60に
は逆方向の楕円振動が発生する。これにより、ロータ接
触面60と接するロータ部30は逆方向に回転駆動され
ることになる。
【0055】このように、本実施例によれば、発振器1
12から出力される所定周波数の交流電圧を増幅器11
4で電力増幅してモータ駆動電圧とする。そして、この
モータ駆動電圧を切替スイッチ122によって、圧電素
子44の片面に設けられた分割電極板46U,46V,
46Wのいずれか1つに選択的に、かつ一方向に巡回す
るように印加する。このようにして、圧電素子44,4
2の各電圧印加領域A,B,Cを選択的かつ巡回的に振
動させることにより、振動モータ100が正転駆動ある
いは反転駆動される。従って、1つの増幅器114を用
い、その出力の印加先を切替スイッチ122により順次
切り替えることにより、振動モータ100の正転及び反
転の両方向の回転駆動が可能となる。このため、増幅器
114が1つで済み、駆動回路110を簡略化すること
ができるとともに、製造コストの低減も可能となる。
【0056】図9は、振動モータの他の構造例を示す図
である。なお、上述した実施例と対応する部材には同一
符号を付し、その説明は省略する。
【0057】図9に示した振動モータの特徴は、1枚の
圧電素子44を用いて振動発生部を構成することによ
り、構造が簡単で安価な振動モータを提供することにあ
る。この振動モータは、図4に示した振動モータに比べ
て駆動力が約半分であり、比較的小出力の用途に使用さ
れる。
【0058】この場合のステータ部40は、第1の圧電
素子44のみを有し、図4に示した第2の圧電素子42
を絶縁板43で置き換えた構成をなしている。この絶縁
板43は、アースと同電位である第1の金属ブロック体
50と第1の電極板46の各分割電極板とを電気的に絶
縁するためのものである。その他の構成は、上述した実
施例に示した振動モータ100と特に変わりはない。
【0059】従って、図1に示した駆動回路110を用
いて図9に示した振動モータを駆動制御する場合、切替
スイッチ122によってその接点a,b,cを選択的か
つ巡回的に切り替えることにより振動モータの正転及び
反転駆動が可能となる。しかも、正転及び反転駆動する
際に発生した交流信号を増幅してモータ駆動電圧とする
ために必要な増幅器が1つで済み、駆動回路110を簡
略化することができることは、図4等に示した振動モー
タ100を駆動する場合と同様である。
【0060】図10は、振動モータの他の構造例を示す
図である。なお、上述した実施例と対応する部材は同一
符号を付し、その説明は省略する。図10に示した振動
モータの特徴は、第1の電極板を6分割し、180度異
なる位置に存在する分割電極板の2つを1組としてモー
タ駆動電圧の印加を行う点にある。
【0061】図11は、図1に示した駆動回路110内
の切替スイッチ122と図10に示した第1の電極板7
0に隣接する圧電素子44,42の各電圧印加領域との
接続関係を示す図である。図11に示すように、分割電
極板70−1と70−4を1組として、これらを切替ス
イッチ122の接点aに接続する。同様に、分割電極板
70−2と70−5を1組として、これらを切替スイッ
チ122の接点bに接続する。分割電極板70−3と7
0−6を1組として、これらを切替スイッチ122の接
点cに接続する。
【0062】このように結線された振動モータを正転駆
動する場合には、切替スイッチ122を接点a,b,c
の順に切り替える。従って、最初に分割電極板70−
1,70−4に隣接した圧電素子44,42の電圧印加
領域Aのみが振動し、次にこの振動が分割電極板70−
2,70−5に隣接した圧電素子44,42の電圧印加
領域Bに移動し、その後この振動が分割電極板70−
3,70−6に隣接した圧電素子44,42の電圧印加
領域Cに移動する。これにより、ロータ接触面60上に
は2つの楕円振動が発生し、この楕円振動によりこのロ
ータ接触面60に接触したロータ部が正転駆動される。
また、このロータ部を反転駆動する場合には、切替スイ
ッチ122の切替順序を反対にすればよい。
【0063】図12は、振動モータの他の構造例を示す
図である。なお、上述した実施例と対応する部材は同一
符号を付し、その説明は省略する。図12に示した振動
モータの特徴は、第1の電極板72を4分割し、これら
4分割した各分割電極板72−1,72−2,72−
3,72−4に各接点a,b,c,dが接続された切替
スイッチ130を切り替えることにある。これにより、
各分割電極板72−1,72−2,72−3,72−4
に隣接する圧電素子44,42の各電圧印加領域の1つ
が選択的かつ巡回的に振動する。
【0064】図13は、切替スイッチ130と図12に
示した第1の電極板72に隣接する圧電素子44,42
の各電圧印加領域との接続関係を示す図である。切替ス
イッチ130は、図1に示した切替スイッチ122に対
応するものであり、図1の切替スイッチ122をこの切
替スイッチ130に置き換えて駆動回路を構成すること
ができる。図13に示すように、切替スイッチ130
は、その接点aが分割電極板72−1に、接点bが分割
電極板72−2に、接点cが分割電極板72−3に、接
点dが分割電極板72−4にそれぞれ接続されている。
【0065】このように結線された振動モータを正転駆
動する場合には切替スイッチ130を接点a,b,c,
dの順に切り替える。また、反転駆動する場合には切替
スイッチ130を接点d,c,b,aの順に切り替え
る。このように正転及び反転駆動する場合であっても、
交流信号を増幅してモータ駆動電圧とするために必要な
増幅器が1つで済み、駆動回路を簡略化することができ
る。
【0066】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で各種の変形実施
が可能である。
【0067】例えば、上述した各実施例では、分極板を
3分割,4分割等するようにしたが、これら分割する個
数は5つ以上でもよい。
【0068】また、図10及び図11に示した実施例で
は、180度異なる位置にある2つの分割電極板を1組
と考えて共通のモータ駆動電圧を印加するようにした
が、電極板を9分割し、120度異なる位置にある3つ
の分割電極板を1組と考えて共通のモータ駆動電圧を印
加する場合等であってもよい。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
1つの増幅器から出力されるモータ駆動電圧の印加先を
切替スイッチによって所定の時間間隔で巡回的に切り替
えることにより振動モータを駆動しており、進行波型超
音波モータを駆動する場合のように2つの増幅器が不要
であり、駆動回路の規模を縮小することができる。
【0070】また、振動モータの回転方向を切り替える
場合には、モータ駆動電圧の印加先の順序を変えるだけ
でよいため、効率良く振動モータの回転方向を切り換え
ることができる。しかも、回転方向毎に別々に増幅器を
備える必要がなく、駆動回路の規模を縮小することもで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施例の駆動回路の構成を
示す図である。
【図2】本実施例の振動モータの概略的な構造を示す図
である。
【図3】本実施例の振動モータのステータ部を組み立て
た状態を示す図である。
【図4】本実施例の振動モータのステータ部の分解斜視
図である。
【図5】ステータ部に発生する共振曲げ振動の説明図で
ある。
【図6】ステータ部の共振モデルを示す概念図である。
【図7】振動モータの各分割電極板と圧電素子の振動領
域との関係を示す図である。
【図8】振動モータを正転駆動する場合と反転駆動する
場合のモータ駆動電圧の印加状態を示す図である。
【図9】振動モータの他の構造例を示す図である。
【図10】振動モータの他の構造例を示す図である。
【図11】図10に示した振動モータと駆動回路内の切
替スイッチとの接続関係を示す図である。
【図12】振動モータの他の構造例を示す図である。
【図13】図12に示した振動モータと駆動回路内の切
替スイッチとの接続関係を示す図である。
【図14】従来の進行波型振動モータの駆動回路の一例
を示す図である。
【符号の説明】
42,44 圧電素子 46U,46V,46W 分割電極板 100 振動モータ 110 駆動回路 112 発振器 114 増幅器 116 起動スイッチ 118 共振モード入力部 120 回転速度入力部 122 切替スイッチ 124 回転方向入力部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステータ部の圧電素子をロータ部の回転
    方向に沿って3つ以上の電圧印加領域に分割し、この分
    割された電圧印加領域にモータ駆動電圧を印加して、得
    られた振動波によって前記ロータ部を回転させる振動モ
    ータの駆動制御を行う振動モータの駆動回路において、 モータ駆動用の所定周波数の交流電圧を発生する発振器
    と、 前記発振器で発生した交流電圧を増幅してモータ駆動電
    圧を出力する増幅器と、 前記圧電素子内の電圧印加領域の1つあるいは複数を選
    択するとともに、この選択した電圧印加領域を前記ロー
    タの回転方向に沿って所定の時間間隔で切り替えること
    により、この選択した電圧印加領域に対して前記増幅器
    から出力されるモータ駆動電圧を印加する切替スイッチ
    と、 を備え、前記モータ駆動電圧を前記圧電素子内の3つ以
    上の電圧印加領域のそれぞれに巡回的に印加することに
    より前記振動モータの回転駆動を行うことを特徴とする
    振動モータの駆動回路。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記切替スイッチによってモータ駆動電圧を印加する前
    記電圧印加領域の順番を反転させることにより、前記振
    動モータの正転及び反転駆動を行うことを特徴とする振
    動モータの駆動回路。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記振動モータのステータ部は、 振動を発生させる圧電素子と、 前記圧電素子の表面をロータ部の回転方向に少なくとも
    3分割し、各分割領域を異なる圧電印加領域とする電極
    と、 前記圧電素子を挟持するようその両側に取付け固定され
    た第1のブロック体及び第2のブロック体と、 を含み、前記圧電素子の振動により前記第1及び第2の
    ブロック体に曲げ振動が発生するよう形成されているこ
    とを特徴とする振動モータの駆動回路。
JP5145588A 1993-05-25 1993-05-25 振動モータの駆動回路 Withdrawn JPH06339286A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9742313B2 (en) 2013-10-30 2017-08-22 Seiko Epson Corporation Piezoelectric motor, robot hand, robot, finger assist apparatus, electronic component conveying apparatus, electronic component inspecting apparatus, liquid feeding pump, printing apparatus, electronic timepiece, and projection apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9742313B2 (en) 2013-10-30 2017-08-22 Seiko Epson Corporation Piezoelectric motor, robot hand, robot, finger assist apparatus, electronic component conveying apparatus, electronic component inspecting apparatus, liquid feeding pump, printing apparatus, electronic timepiece, and projection apparatus

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