JPH0633789Y2 - 果菜類収穫ハンドにおける柄切断装置 - Google Patents

果菜類収穫ハンドにおける柄切断装置

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JPH0633789Y2
JPH0633789Y2 JP4530786U JP4530786U JPH0633789Y2 JP H0633789 Y2 JPH0633789 Y2 JP H0633789Y2 JP 4530786 U JP4530786 U JP 4530786U JP 4530786 U JP4530786 U JP 4530786U JP H0633789 Y2 JPH0633789 Y2 JP H0633789Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、刃体及び柄支持部材の夫々を、捕捉した果菜
類の柄をそれらの間に支持すべく突出させる状態とそれ
らの間に果菜類を導入する通路を形成すべく退避させる
状態とに切換えるように、出退揺動自在に枢着し、前記
刃体及び柄支持部材夫々の突出位置を捕捉した果菜類の
柄の位置に合わせて自動変更させるように、前記刃体及
び前記柄支持部材の夫々を、それらに対する揺動駆動装
置に対して、差動機構を介して連動連結し、前記刃体の
長手方向にスライド移動して切断作用する補助刃体を、
前記刃体にスライド移動自在に連結し、前記刃体及び前
記補助刃体の夫々に、前記柄支持部材がわに向かって突
出する刃部を備えさせ、前記刃体の揺動軸芯を中心とす
る円周に沿って歯部を備えるピニオンを設けると共に、
前記補助刃体に、前記ピニオンに咬合自在で且つ刃体長
手方向に歯部を並べたギヤを備えさせ、前記ピニオンを
回転駆動するピニオン駆動装置を設けた果菜類収穫ハン
ドにおける柄切断装置に関する。
〔従来の技術〕
かかる果菜類収穫ハンドにおける柄切断装置は、捕捉し
た果菜類の柄の位置が、刃体及び柄支持部材の揺動方向
に変動しても、柄を適切に支持できるようにしたもので
あり、そして、ピニオンを回転駆動させることによっ
て、補助刃体をスライド移動操作できるようにしたもの
である。
ところで、従来では、ピニオンを回転駆動するピニオン
駆動装置を、柄切断のためのピニオンの回転に伴って補
助刃体が刃部突出側とは反対側方向に揺動される力を受
ける方向に向けて、ピニオンを回転させるように設けて
あり、そして、捕捉した果菜類の柄側に突出させた刃体
が退避側に揺動することを、刃体と差動機構とを連動連
結する伝動部材に作用する摩擦抵抗等、機械式構造に必
ず生ずることになる摩擦抵抗力を用いて阻止させるよう
にしていた。
ちなみに、刃体が退避側に揺動できるものとなる原因と
しては、刃体と差動機構とを連動連結する連係機構に存
在する融通を考えることができる。但し、融通が無い場
合においても、差動機構を用いて刃体と柄支持部材とが
連動連結されていることを挙げることができる。ベベル
ギヤ式の差動機構を用いる場合を例に挙げて説明を加え
ると、第9図に示すように、デフケース(100)が揺動
駆動装置にて回転操作されることになり、刃体に連動連
結される第1出力ベベルギヤ(101)及び柄支持部材に
連動連結される第2出力ベベルギヤ(102)の夫々が、
デフケース(100)に遊転支承した遊転ベベルギヤ(10
3)に咬合されることになる。そして、デフケース(10
0)の回転が揺動駆動装置により確実に阻止されている
としても、第1出力ベベルギヤ(101)は、第2出力ベ
ベルギヤ(102)を回転させながら回転できる状態にあ
り、このため、刃体は退避側に揺動できる状態にある。
尚、柄支持部材の揺動も、刃体と同じように摩擦抵抗力
にて阻止されることになり、刃体が退避側に揺動される
ことは、柄支持部材に作用する摩擦抵抗力をも利用して
阻止されることになる。
〔考案が解決しようとする問題点〕
前記補助刃体をスライド移動させて柄を切断する際に、
柄が太いあるいは硬い等に起因して切断抵抗が大である
と、ピニオンを回転駆動するに伴って、補助刃体がスラ
イド移動される代わりに、刃体及び補助刃体がピニオン
にて退避側に揺動されるものとなり、柄を所望通りに切
断できなくなる虞があった。
つまり、柄が細いあるいは軟らかい等により切断抵抗が
小さい場合には、ピニオンの回転駆動に伴って補助刃体
を所望通りスライド移動させることができるものの、切
断抵抗が大の場合には、刃体が摩擦抵抗力に抗して揺動
されるとものとなる。そして、刃体と差動機構との連係
機構中に上記融通が無い場合には、その刃体の退避側へ
の揺動に伴って、差動機構を介して刃体に連動連結され
ている柄支持部材が、刃体とともに一体揺動するものと
なり、その結果、柄支持部材が捕捉した果菜類の柄に接
当すると、柄の受止め作用により、刃体及び補助刃体の
揺動が阻止され、引続くピニオンの回転に伴って補助刃
体がスライド移動されるものとなるが、その際に、第11
図(イ)に示すように、柄が柄支持部材(104)との接
当により、刃体(105)や補助刃体(106)から遠ざかる
方向に折れ曲がり、刃体(105)と補助刃体(106)とに
よる切断可能位置から外れる虞があるため、たとえ補助
刃体(106)をスライド移動させても、所望通り切断さ
せることができない虞があった。尚、第11図(ロ)は、
通常の切断状態を示すものである。
本考案は、上記実状に鑑みて為されたものであって、そ
の目的は、簡単な改造によって、切断抵抗の大なる場合
にも補助刃体を的確にスライド移動させることができる
ようにする点にある。
〔問題点を解決するための手段〕
本考案による果菜類収穫ハンドにおける柄切断装置の特
徴構成は、前記ピニオン駆動装置を、柄切断のための前
記ピニオンの回転に伴って前記補助刃体が前記刃部の突
出側方向に揺動される力を受ける方向に向けて、前記ピ
ニオンを回転させるように設けた点にあり、その作用及
び効果は次の通りである。
〔作用〕
補助刃体が、ピニオンの回転に伴って刃部突出側方向に
揺動される力を受けるものであるため、切断抵抗が大な
る場合には、ピニオンの回転に伴って、刃体と補助刃体
が捕捉した果菜類の柄側に揺動されることになり、そし
て、刃体及び補助刃体が捕捉した果菜類の柄に接当する
と、柄の受止め作用により、刃体及び補助刃体の揺動が
阻止され、引続くピニオンの回転に伴って補助刃体がス
ライド移動されて、柄が切断されるものとなる。
尚、柄は刃体及び補助刃体との接当により折れ曲がる場
合もあるが、両刃体に密接するものであるため、適確な
切断が行われるものとなる(第10図参照)。
〔考案の効果〕 従って、ピニオン駆動装置によるピニオン駆動回転方向
を変更するだけの簡単な改造により、柄が太いあるいは
硬い等に起因して切断抵抗が大である場合にも、良好に
柄を切断させることができるようになった。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第6図に示すように、主としてリンゴやミカンの収穫に
利用する果菜類収穫装置は、ブーム(1)を昇降及び旋
回自在に車体(2)に取付け、補助ブーム(3)を水平
方向に揺動自在にブーム(1)に取付け、作業用マニプ
レータ(4)を補助ブーム(3)の先端に取付けてあ
る。
但し、図中、(5)はブーム昇降用シリンダ、(6)は
ブーム旋回用電動モータ、(7)は補助ブーム揺動用電
動モータである。
前記作業用マニプレータ(4)は、多関節型の伸縮アー
ム(8)と、そのアーム(8)の先端部に取付けた収穫
用ハンド(H)とからなる。前記伸縮アーム(8)は、
電動モータ(9a)にて縦軸芯(X)周りで旋回操作さ
れ、且つ、電動モータ(9b)にて水平軸芯(Y)周りで
揺動操作されるようになっている。但し、図中(9c)
は、アーム伸縮操作用の電動モータである。
前記収穫用ハンド(H)について説明すれば、第4図及
び第5図に示すように、平面視Uの字状の基枠(10)
を、伸縮アーム(8)の先端部にボルト止着し、その基
枠(10)の先端部に、捕捉部ケース(11)をボルト接続
してある。
通気管(12)を、前記捕捉部ケース(11)における筒状
部(11a)にスライド自在に内嵌支持させ、軟質ゴム製
のバキュームパッド(13)を、通気管(12)の先端部に
外嵌着し、通気管(12)の基部に、通気用の分岐管(1
4)を外嵌着し、その分岐管(14)に、伸縮自在な蛇腹
式ホース(15)を接続してあり、そして、第8図に示す
ように、その蛇腹式ホース(15)を吸気用ポンプ(16)
に配管接続してある。又、バキュームパッド(13)に果
実が吸着したことを感知する負圧センサ(S1)を前記分岐
管(14)に付設してある。
収穫用ハンド(H)が収穫対象果実に接近したことを検
出するフォトセンサ(S2)を設けてある。つまり、発光
部、受光部等を収納するセンサ本体(17)を、分岐管
(14)内に保持させると共に、そのセンサ本体(17)か
ら繰出される投受光用の光ファイバーケーブル(18)
を、前記通気管(14)の内部を通してバキュームパッド
(13)の内部に延出し、そして、その延出端を、ホルダ
(19)にてバキュームパッド(13)に支持させてある。
前記バキュームパッド(13)に吸着される状態で捕捉さ
れた果実の果梗、いわゆる柄を切断する柄切断装置を設
けてある。
つまり、第1図にも示すように、帯板状で半円弧状の刃
体(21a)及び帯板状で且つ半円弧状の柄支持部材(2
2)夫々の両端を、同軸芯周りで捕捉部ケース(11)に
枢着して、刃体(21a)及び柄支持部材(22)夫々を、
捕捉した果菜類の柄をそれらの間で支持すべく突出させ
る状態とそれらの間に果菜類を導入する通路を形成すべ
く退避させる状態とに切換えるように、出退揺動できる
ようにしてある。又、前記刃体(21a)の長手方向にス
ライド移動して切断作用する補助刃体(21b)を、前記
刃体(21a)にスライド移動自在に連結して、スライド
型のカッタ(21)を構成してある。そして、刃体(21
a)及び柄支持部材(22)を揺動操作する電動モータ
(M)を設けると共に、補助刃体(21b)のスライド駆
動用のエアシリンダ(24)を設け、もって、突出側への
揺動、つまり、起立作動に伴って刃体(21a)と柄支持
部材(22)との間に柄を支持し、支持した柄を補助刃体
(21b)の1回の往復作動により切断するようにしてあ
る。
尚、後で詳述するように、刃体(21a)及び柄支持部材
(22)を、差動機構(25)を介して電動モータ(M)に
連動連結して、刃体(21a)及び柄支持部材(22)のい
ずれかが先に柄に接当した場合において、先に接当した
刃体(21a)あるいは柄支持部材(22)の起立作動を停
止させた状態で他方側の柄支持部材(22)あるいは第1
刃体(21a)を引続き起立作動させることができるよう
にしてある。つまり、刃体(21a)及び柄支持部材(2
2)夫々の突出位置を捕捉した果実の柄の位置に合わせ
て自動変更させるようにしてある。
又、起立作動完了検出用のリミットスイッチ(S3)、及
び、引退作動完了検出用リミットスイッチ(S4)を、前記
差動機構(25)の入力ギヤ(26)に付設の突片(27)に
て操作されるように設けてある。
前記バキュームパッド(13)を出退操作するエアシリン
ダ(20)を、捕捉部ケース(11)と通気管(14)との間
に介装してある。つまり、バキュームパッド(13)を退
避位置のカッタ(21)よりも対象果実側に突出させた捕
捉用位置とその位置よりもカッタ(21)側に後退させた
柄切断用位置とに切換えることができるようにしてあ
る。
前記捕捉部ケース(11)に、左右一対のカバー(28),
(28)を揺動開閉自在に設けると共に、カバー開閉操作
用のエアシリンダ(30)を、カバー(28)の操作レバー
(29)に接続してある。
第6図に示すように、収穫対象果実を撮像する撮像手段
としてのテレビカメラ(S0)を、前記伸縮アーム(8)に
おける基端側アーム(8a)の内部に設けてある。ちなみ
に、このテレビカメラ(S0)の撮像範囲を、車体(2)の
移動、ブーム(1)の旋回や昇降、補助ブーム(3)の
水平揺動、伸縮アーム(8)の補助ブーム(3)に対す
る旋回や前後揺動によって設定することになる。
第7図に示すように、マイクロコンピュータを用いて構
成される制御装置(31)に、前記テレビカメラ(S0)の撮
像情報、前記フォトセンサ(S2)の検出情報、負圧センサ
(S1)の検出情報、起立作動完了検出用のリミットスイッ
チ(S3)の検出情報、引退作動完了検出用のリミットスイ
ッチ(S4)の検出情報夫々を入力し、そして、それら情
報、及び、予め記憶させた情報に基づいて、前記ブーム
(1)の昇降用シリンダ(5)の制御弁(32)、ブーム
(1)の旋回用モータ(6)の駆動用コントローラ(3
3)、補助ブーム(3)の揺動用モータ(7)の駆動用
コントローラ(34)、伸縮アーム(8)の旋回用モータ
(9a)の駆動用コントローラ(35)、前記伸縮アーム
(8)の揺動用電動モータ(9b)の駆動用コントローラ
(36a)、伸縮アーム(8)の伸縮用電動モータ(9c)
の駆動用コントローラ(36b)、カッタ(21)及び柄支
持部材(22)の起伏操作用電動モータ(M)の駆動用コ
ントローラ(37)、バキュームパッド(13)の出退操作
用エアシリンダ(20)に対する制御弁(38)、カッタ
(21)の操作用エアシリンダ(24)に対する制御弁(39
a)、カバー(28)の開閉用エアシリンダ(30)に対す
る制御弁(39b)、並びに、バキュームパッド(13)の
吸引作動制御用の制御弁(39c)の夫々に、作動指令を
出力して、前記収穫用ハンド(H)を収穫対象果実に誘
導すること、及び、果実を収穫すること、夫々を自動的
に行わせるようにしてある。
つまり、前記制御装置(31)にて、前記バキュームパッ
ド(13)の吸引口を収穫対象果実(F)側に向ける状態
で前記収穫用ハンド(H)を収穫対象果実(F)に向け
て誘導するハンド誘導手段、及び、誘導した収穫用ハン
ド(H)を自動的に作動させて収穫対象果実の果梗を切
断して収穫するハンド駆動手段の夫々を構成してある。
次に、第8図に示すフローチャートに基づいて、上記各
手段について説明する。
つまり、前記テレビカメラ(S0)により収穫対象果実の位
置する範囲の画像を取り込み、枝や葉等の背景を除去し
て対象となる果実のみに対応した画像情報を抽出すべく
画像処理を行い、その抽出果実の位置する方向を演算す
る。
次に、その演算された方向に基づいて、前記カバー(2
8)を閉じた状態で、前記バキュームパッド(13)の吸
引口が収穫対象果実側に向かう状態を維持しながら前記
伸縮アーム(8)を伸縮作動させて、収穫用ハンド
(H)を対象果実に向けてアプローチさせる。
このアプローチ作動後、前記近接センサ(S2)の検出情報
に基づいて、ハンド(H)が収穫対象果実に対して設定
距離内に接近したことを判別すると、前記バキュームパ
ッド(13)の吸引作動が開始される。但し、アプローチ
距離が設定値以上になっても前記近接センサ(S2)が作動
しない場合は、前記伸縮アーム(8)が短縮され、収穫
用ハンド(H)をアプローチ開始位置まで戻してアプロ
ーチを停止する。
前記バキュームパッド(13)の吸引作動後に、収穫用ハ
ンド(H)を設定距離(例えば30〜50mm)だけ収穫対象
果実側へ前進移動させ、前記負圧センサ(S1)の検出情報
に基づいて対象果実を吸着したか否かを判別し、所望通
り吸着している場合は、前記カバー(28a),(28b)を
開くと共に、バキュームパッド(13)を引退作動させ、
それと同時に収穫用ハンド(H)をバキュームパッド
(13)の出退方向に沿って前進移動させて収穫対象果実
を前記カッタ(21)の作動範囲に取り込む。但し、前記
負圧センサ(S1)が作動しない場合は、前記バキュームパ
ッド(13)を突出させると共に、その吸引作動を停止さ
せ、更に前記カバー(28)を閉じて収穫作動を中止し
て、前記伸縮アーム(8)を短縮し、収穫用ハンド
(H)をアプローチ位置まで戻す。
そして、収穫用ハンド(H)内に収穫対象果実を取り込
んだ後、前記カッタ(21)及び柄支持部材(22)を前方
側に向けて起立作動させると共に、前記起立作動完了検
出用スイッチ(S3)の検出情報に基づいて、その起立作動
が完了したか否かを判別する。この起立作動が完了して
いる場合は、前記バキュームパッド(13)の吸引作動を
停止させると共に、その状態で収穫用ハンド(H)を後
退させて、柄の基部側にカッタ(21)を位置させるよう
にした後、カッタ(21)を作動させて柄を切断する。切
断後は直ちにバキュームパッド(13)の吸引作動を開始
して柄切断後の果実を再度吸着し、その後、カッタ(2
1)及び柄支持部材(22)を前記引退作動完了検出用ス
イッチ(S4)が作動するまで倒伏作動させて、前記伸縮ア
ーム(8)を短縮して、収穫用ハンド(H)をアプロー
チ開始位置まで戻し、バキュームパッド(13)を突出さ
せると共に、その吸引作動を停止させて、収穫した果実
を放出した後、前記カバー(28)を閉じて、一つの果実
に対する収穫作動を終了する。但し、前記起立作動完了
検出用スイッチ(S3)が作動せず起立作動が完了しない場
合は、枝等の他物が挟み込まれる等のトラブル発生であ
ると判断させて、カッタ(21)及び柄支持部材(22)を
前記引退作動完了検出用スイッチ(S4)が作動するまで倒
伏作動させて、前記バキュームパッド(13)の吸引中止
同様に前記伸縮アーム(8)を短縮して、収穫用ハンド
(H)をアプローチ開始位置まで戻して収穫作動を中止
する。
尚、上述の如く収穫対象果実の位置する方向を演算する
に一回の撮像情報に基づいて複数個の果実が抽出された
場合には、例えば下方側の果実から上方側に果実を順番
に収穫したり、最も大きく見える果実つまり収穫用ハン
ド(H)に対して最も近い位置にある果実から順番に収
穫する等の順序で作業を続行させることになる。従っ
て、一個の果実に対する収穫作動が完了する毎に未収穫
果実の存否を判別し、撮像範囲に一個の果実も抽出でき
なくなるまで、上述した収穫作動を繰り返すこととな
る。
前記カッタ(21)の構成、並びに、刃体(21a)及び柄
支持部材(22)に対する揺動操作構成について説明を加
える。
第1図及び第3図に示すように、柄支持部材(22)の一
端部が外嵌着される支持ピン(40)に、第1入力用ピニ
オン(41)を取付け、その入力用ピニオン(41)に咬合
する第1ラック(42)を設けてある。前記支持ピン(4
0)に相対回転自在に外嵌される筒部材(43)に、カッ
タ(21)における刃体(21a)の一端部を外嵌着し、前
記筒部材(43)に第2入力用ピニオン(44)を外嵌着す
ると共に、そのピニオン(44)に咬合する第2ラック
(45)を設けてある。そして、前記柄支持部材(22)側
の第1ラック(42)が咬合する第1出力用ピニオン(4
6)、及び、前記カッタ(21)側の第2ラック(45)が
咬合する第2出力用ピニオン(47)の夫々を、前記差動
機構(25)に備えさせるようにしてある。
つまり、前記差動機構(25)の入力ギヤ(26)と一体回
転するデフケース(48)を設け、そのケース(48)に支
承した遊転ベベルギヤ(49)に咬合する一対の第1及び
第2出力用ベベルギヤ(50),(51)を設け、第1出力
用ベベルギヤ(50)が外嵌着され、且つ、第2出力用ベ
ベルギヤ(51)が相対回転自在に外嵌される支軸(52)
に、前記第1出力用ピニオン(46)を外嵌着し、前記第
2出力用ベベルギヤ(51)に、第2出力用ピニオン(4
7)を外嵌着してある。
前記カッタ(21)を構成するに、円弧状で且つ帯板状の
一対の刃体(21a),(21b)を、ピン(53)と長孔(5
4)とを用いて、刃体長手方向に相対スライド自在に連
結してあり、そして、各刃体(21a),(21b)の夫々、
刃体長手方向に沿って、かつ、その刃体(21a),(21
b)との間に収穫対象果実の柄を支持するところの柄支
持部材(22)がわに向かって突出する刃部(Ha),(H
b)を並設してある。
前記柄支持部材(22)の他端部が相対回転自在に外嵌さ
れる支持ピン(55)に、カッタ駆動用ピニオン(56)を
外嵌着してある。
そして、前記刃体(21a)を、前記ピニオン(56)に相
対回転自在に外嵌させると共に、補助刃体(21b)の端
部に、前記ピニオン(56)に咬合自在で且つ刃体長手方
向に歯部を並べたギヤ(57)を設けてある。
さらに、前記ピニオン(56)は、刃体(21a)の揺動軸
芯を中心とする円周の沿って歯部を備えるものであり、
そして、ピニオン(56)に咬合するラック(58)を、ピ
ニオン(56)の回転駆動装置としてのカッタ操作用シリ
ンダ(24)に、中継部材(56)を用いて接続してある。
前記カッタ操作用シリンダ(24)を、柄切断のためのピ
ニオン(56)の回転に伴って補助刃体(21b)が前記刃
部(Hb)の突出側方向に揺動される力を受ける方向に向
けて、ピニオン(56)を回転させるように設けてある。
つまり、柄切断時に、図中(Z)で示す方向に向けてピ
ニオン(56)を回転させるようにしてある。
但し、前記ラック(58)は、補助刃体(21b)の操作時
以外はピニオン(56)と非咬合状態にあり、刃体(21
a)及び補助刃体(21b)の揺動時に、ピニオン(56)を
遊転状態に維持させるようにしてある。又、補助刃体
(21b)は、ピニオン(56)に作用する引張りスプリン
グ(60)によって、初期位置に復帰付勢されている。
尚、前記スプリング(60)は、前記ラック(58)の作動
に伴って付勢方向が切換わるように取付けてある。
〔別実施例〕
本考案を実施するに、収穫用ハンドの具体構成、収穫用
ハンド(H)を誘導するための具体構成、差動機構(2
5)の具体構成、及び、ピニオン駆動装置(24)の具体
構成等、各部の構成は各種変更できる。
又、上記実施例では、果実を収穫する場合について例示
したが、トマト等の野菜の収穫にも適用できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はカッタ駆動構造を示す概略平面図、第2図は柄
切断装置駆動構造を示す縦断正面図、第3図は同縦断背
面図、第4図は収穫用ハンドの切欠き平面図、第5図は
同切欠き側面図、第6図は果実収穫機の側面図、第7図
は制御構成を示すブロック図、第8図は制御作動を示す
フローチャート、第9図はベベルギヤ式の差動機構を示
す概略図、第10図及び第11図(イ)、(ロ)は柄切断状
態を示す側面図である。 (21a)……刃体、(21b)……補助刃体、 (22)……柄支持部材、(24)……ピニオン駆動装置、
(25)……差動機構、(56)……ピニオン、(57)……
ギヤ、(Ha),(Hb)……刃部、(M)……電動モー
タ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】刃体(21a)及び柄支持部材(22)の夫々
    を、捕捉した果菜類の柄をそれらの間に支持すべく突出
    させる状態とそれらの間に果菜類を導入する通路を形成
    すべく退避させる状態とに切換えるように、出退揺動自
    在に枢着し、前記刃体(21a)及び柄支持部材(22)夫
    々の突出位置を捕捉した果菜類の柄の位置に合わせて自
    動変更させるように、前記刃体(21a)及び前記柄支持
    部材(22)の夫々を、それらに対する揺動駆動装置
    (M)に対して、差動機構(25)を介して連動連結し、
    前記刃体(21a)の長手方向にスライド移動して切断作
    用する補助刃体(21b)を、前記刃体(21a)にスライド
    移動自在に連結し、前記刃体(21a)及び前記補助刃体
    (21b)の夫々に、前記柄支持部材(22)がわに向かっ
    て突出する刃部(Ha),(Hb)を備えさせ、前記刃体
    (21a)の揺動軸芯を中心とする円周に沿って歯部を備
    えるピニオン(56)を設けると共に、前記補助刃体(21
    b)に、前記ピニオン(56)に咬合自在で且つ刃体長手
    方向に歯部を並べたギヤ(57)を備えさせ、前記ピニオ
    ン(56)を回転駆動するピニオン駆動装置(24)を、柄
    切断のための前記ピニオン(56)の回転に伴って前記補
    助刃体(21b)が前記刃部(Hb)の突出側方向に揺動さ
    れる力を受ける方向に向けて、前記ピニオン(56)を回
    転させるように設けてある果菜類収穫ハンドにおける柄
    切断装置。
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