JPH06337046A - 差動歯車装置 - Google Patents

差動歯車装置

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Publication number
JPH06337046A
JPH06337046A JP12732593A JP12732593A JPH06337046A JP H06337046 A JPH06337046 A JP H06337046A JP 12732593 A JP12732593 A JP 12732593A JP 12732593 A JP12732593 A JP 12732593A JP H06337046 A JPH06337046 A JP H06337046A
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JP
Japan
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differential gear
output shaft
differential
gear device
shaft
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Application number
JP12732593A
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English (en)
Inventor
Shuichi Kimura
秀一 木村
Takeo Tanaka
健雄 田中
Kazuhiro Abe
和宏 安部
Kazuhiro Hayashi
和博 林
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Viscodrive Japan Ltd
Original Assignee
Viscodrive Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 普通の差動歯車装置と出力軸の共通化を図
り、容易に交換可能な差動制限機構付き差動歯車装置を
提供すると共に、一部の構成部品を変更するだけでその
差動制限特性を変更可能として構成部品を大幅に共通化
し、安価な差動歯車装置を提供する。 【構成】 差動歯車機構10に並設されたビスカスカッ
プリング30のハブ20をピニオンシャフト14側に延
長し、延長円筒部分20cをピニオンシャフト14のボ
ス部と回転方向にスプライン嵌合させる。又は、ビスカ
スカップリング230のハブ220をピニオンシャフト
214側に延長し、延長円筒部分220cをピニオンシ
ャフト214とは接触させずに第2の出力軸2Rとスプ
ライン嵌合して一体的に回転可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は差動歯車装置に関し、特
にトルク伝達機構により自動的に両出力軸の差動を制限
する差動制限機構を備えた差動歯車装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両が旋回走行するときの内
外輪差を吸収するために駆動軸には差動歯車装置が用い
られている。ところが通常の差動歯車装置では、左右い
ずれかの駆動輪が例えばぬかるみに落ち込んだり路面上
の氷雪等に乗り上げたりして空転を始めると、駆動輪に
駆動力を伝達できなくなるという欠点が有る。このた
め、近年においては、シリコンオイル等の高粘性流体中
に配置された多数の薄板間に生じる粘性抵抗を利用して
回転数差に応じたトルク伝達を行うビスカスカップリン
グ等のトルク伝達機構によって差動制限を行う差動制限
機構付き差動歯車装置が広く用いられるようになってい
る。
【0003】また、このような差動制限機構付き差動歯
車装置には、トルク伝達機構と差動歯車機構との組み合
わせ方によって差動制限特性の異なる2種類の形式があ
り、車両の駆動方式や車体装着条件等によって適宜選択
される。図4は、ビスカスカップリングによる差動制限
機構を備えたビスカスカップリング付き差動歯車装置7
0と、差動制限機構を持たない普通の差動歯車装置90
とを比較して示す断面図であり、図示左右方向に延びる
出力軸の軸線Cに対して、上半分に前記ビスカスカップ
リング付き差動歯車装置70を、下半分に普通の差動歯
車装置90を、それぞれ対照して示している。該差動歯
車装置90は、差動歯車ケース91内に同軸線上で回転
自在に収納されてそれぞれ第1及び第2の出力軸1L,
1Rと一体的に回転する一対のサイドギア97,96
と、回転軸線に対してジャーナル軸が直交するように前
記差動歯車ケース91内に取り付けられたピニオンシャ
フト94と、該ピニオンシャフト94のジャーナル軸上
に回転可能に配置されて前記サイドギア97,96と噛
み合っているピニオンギア95とからなっている。
【0004】前記ビスカスカップリング付き差動歯車装
置70は、差動歯車ケース71内に同軸線上で回転自在
に収納されてそれぞれ第1及び第2の出力軸5L,1R
と一体的に回転する第1及び第2のサイドギア77,7
6と、回転軸線に対してジャーナル軸が直交するように
前記差動歯車ケース71内に取り付けられたピニオンシ
ャフト74と、該ピニオンシャフト74のジャーナル軸
上に回転可能に配置されて前記第1及び第2のサイドギ
ア77,76と噛み合っているピニオンギア75とから
成る差動歯車機構を有し、該差動歯車機構の差動歯車ケ
ース71と図示左側の第1のサイドギア77すなわち第
1の出力軸5Lとの間にビスカスカップリング79が介
装され、差動歯車ケース71と第1の出力軸5Lとの間
に相対回転が生じるとその回転数差に応じて差動制限を
行うようにされている。
【0005】図5は、前記ビスカスカップリング付き差
動歯車装置70と異なる形式のビスカスカップリング付
き差動歯車装置80と、前記ビスカスカップリング付き
差動歯車装置70とを比較して示す断面図であり、図示
左右方向に延びる出力軸の軸線Cに対して、上半分に前
記ビスカスカップリング付き差動歯車装置70を、下半
分に前記ビスカスカップリング付き差動歯車装置80
を、それぞれ対照して示している。
【0006】前記ビスカスカップリング付き差動歯車装
置80は、差動歯車ケース81内に同軸線上で回転自在
に収納されてそれぞれ第1及び第2の出力軸6L,6R
と一体的に回転する第1及び第2のサイドギア83,8
6と、回転軸線に対してジャーナル軸が直交するように
前記差動歯車ケース81内に取り付けられたピニオンシ
ャフト84と、該ピニオンシャフト84のジャーナル軸
上に回転可能に配置されて前記第1及び第2のサイドギ
ア83,86と噛み合っているピニオンギア85とから
成る差動歯車機構を有し、第1のサイドギア83及び第
1の出力軸6Lと一体的に回転可能な第1の伝達部材で
あるハウジング88と、前記ピニオンシャフト84のボ
ス部及び第1のサイドギア83を貫通する第2の出力軸
6Rにスプライン嵌合されて前記ハウジング88と相対
回転可能な第2の伝達部材であるハブ87とを有するビ
スカスカップリング89を備えている。そこで、第2の
出力軸6Rと第1の出力軸6Lとの間に相対回転が生じ
るとその回転数差に応じて前記ビスカスカップリング8
9が差動制限を行うようにされている。この為、前記ビ
スカスカップリング付き差動歯車装置70に対し構造が
複雑になるが、同じ両出力軸回転差による利得トルクは
2倍となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図4に示す
ような前記ビスカスカップリング付き差動歯車装置70
においては、差動制限手段であるビスカスカップリング
79が差動歯車機構の一側方に並設されていることに起
因して、ジャーナル軸上にピニオンギア75を回転自在
に軸支しているピニオンシャフト74は、差動歯車ケー
ス71の前記軸線C方向の中心線S、すなわち前記差動
歯車ケース71のそれぞれの端面71a,71bから等
距離にある中心線Sに対して、図示右側にオフセットさ
れている。これにより、前記サイドギア77にスプライ
ン嵌合されている前記第1の出力軸5Lは、図4の下半
分に示される普通の差動歯車装置90における図示左側
の第1の出力軸1Lに対して全長が長くされている。し
たがって、車両の駆動力特性を変更するために、差動歯
車装置を普通の差動歯車装置90からビスカスカップリ
ング付き差動歯車装置70に交換する際には、差動歯車
装置の本体のみならず、第1の出力軸をも交換しなけれ
ばならない。
【0008】さらに、図5から明らかなように、形式の
異なる前記ビスカスカップリング付き差動歯車装置70
と前記ビスカスカップリング付き差動歯車装置80と
は、内部構造が根本的に異なるため、両者の各構成部品
を共通化することができない。したがって、従来のビス
カスカップリング付き差動歯車装置においては、その出
力軸ばかりか構成部品も種類が多く、生産性が低下して
製造コストが上昇するという問題が生じている。また、
自動車の組立工場においては、それぞれの差動歯車装置
に合わせて出力軸を間違い無く取り付けなければならな
いから、組立作業や、誤取り付け有無の検査および部品
の補給等の作業が極めて煩雑になるという問題も生じて
いる。勿論、上記の如きビスカスカップリングに限ら
ず、例えばハイドロリック・カップリング・ユニット、
ロータリーブレード・カップリング及びオリフィス・カ
ップリング・ユニット等の回転数差に応じたトルク伝達
を行うトルク伝達機構による差動制限手段を用いた差動
制限機構付き差動歯車装置の場合は、該トルク伝達機構
を差動歯車機構の一側方に並設しなければならないの
で、同様の課題を有している。
【0009】即ち、本発明の目的は上記課題を解消する
ことに係り、回転数差に応じたトルク伝達を行うトルク
伝達機構による差動制限手段を用いた差動制限機構付き
差動歯車装置において、差動制限機構を有しない差動歯
車装置と出力軸の共通化を図り、容易に交換可能な差動
歯車装置を提供すると共に、一部の構成部品を変更する
だけでその差動制限特性を変更可能として構成部品を大
幅に共通化し、安価な差動歯車装置を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、同
軸とされる第1の出力軸と第2の出力軸の軸線の周りを
駆動回転される差動歯車ケースと、該差動歯車ケース内
に同軸線上で回転自在に収納されてそれぞれ第1及び第
2の出力軸と一体的に回転する第1及び第2のサイドギ
アと、前記軸線に対してジャーナル軸が直交するように
前記差動歯車ケース内に取り付けられたピニオンシャフ
トと、該ピニオンシャフトのジャーナル軸上に回転可能
に配置されて前記第1及び第2のサイドギアと噛み合っ
ているピニオンギアと、前記第1の出力軸と一体的に回
転する第1の伝達部材と、回転数差に応じたトルク伝達
を行う差動制限手段を介在させて前記第1の伝達部材に
対して相対回転可能に配設された第2の伝達部材とを備
えた差動歯車装置であって、前記ピニオンシャフトのボ
ス部を貫通するように延長された前記第2の伝達部材が
前記ピニオンシャフト又は前記第2の出力軸のいずれか
一方と一体的に回転可能に構成されていることを特徴と
する差動歯車装置により達成される。
【0011】尚、前記第1の伝達部材と前記第2の伝達
部材との間で回転数差に応じたトルク伝達を行う差動制
限手段としては、ビスカスカップリング、ハイドロリッ
ク・カップリング・ユニット、ロータリーブレード・カ
ップリング及びオリフィス・カップリング・ユニット等
のトルク伝達機構を用いることができる。
【0012】
【作用】本発明の上記構成によれば、第2の伝達部材が
ピニオンシャフトと一体的に回転可能とされた場合に
は、差動歯車ケースと第1の出力軸との間の相対回転数
差に応じた差動制限を行うことができ、第2の伝達部材
が第2の出力軸と一体的に回転可能とされた場合には、
第1の出力軸と第2の出力軸との間の相対回転数差に応
じた差動制限を行うことができるので、第2の伝達部材
を交換するだけで差動歯車装置の形式を変換し、差動制
限特性を変更することができる。
【0013】また、第2の伝達部材と第2のサイドギア
とを前記差動歯車ケースの軸線方向の中心線に対して対
称に設けることができるので、第2の伝達部材がピニオ
ンシャフトと一体的に回転可能とされた場合には、前記
第1の出力軸と前記第2の出力軸とを同一形状および同
一長さとして、共通化することができる。
【0014】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の差動歯車
装置の一実施例を詳細に説明する。図1は本実施例のビ
スカスカップリング付き差動歯車装置の全体断面図、図
2は本実施例のビスカスカップリング付き差動歯車装置
の断面図と、差動制限手段を持たない普通の差動歯車装
置の断面図とを図示左右方向に延びる出力軸の軸線に対
してそれぞれ上下半分ずつに対照して示す説明図であ
る。
【0015】図1に示すように、本実施例のビスカスカ
ップリング付き差動歯車装置100は、回転数差に応じ
たトルク伝達を行う差動制限手段であるビスカスカップ
リング30と差動歯車機構10とが一体とされて、出力
軸の軸線Cの廻りに回転するようにされている。前記差
動歯車機構10は、その歯車機構および前記ビスカスカ
ップリング30を内部に収納する椀状のケース11と、
このケース11の開口部を塞ぐように取り付けられたケ
ース蓋部12からなる差動歯車ケース13と、前記ケー
ス11の内部に前記軸線Cに対してジャーナル軸が直交
するように取り付けられたピニオンシャフト14と、こ
のピニオンシャフト14のジャーナル軸端部に回転自在
に軸支されたピニオンギア15と、前記ピニオンシャフ
ト14を挟んで互いに対向されるとともに、前記ピニオ
ンギア15に係合して前記軸線Cの廻りに回転されるビ
スカスカップリング20側の第1のサイドギア17と反
対側の第2のサイドギア16とを有する。
【0016】そして、前記第2のサイドギア16には第
2の出力軸1Rが取り付けられて、それぞれに設けられ
た雌スプライン16aと雄スプライン1aが回転方向に
係合するとともに、サークリップ1bで抜け止めされて
いる。前記第1のサイドギア17の外周部には、前記軸
線Cと同軸とされる円筒状の外側回転部材18の一方の
端部が取り付けられて一体に回転するようにされている
とともに、該外側回転部材18の他方の端部が前記ピニ
オンシャフト14とは反対側に延びている。そして、前
記差動歯車ケース13のケース蓋部12の内側に回転自
在に支承された前記軸線Cと同軸の円筒部分19aと、
この円筒部分19aの外側円筒面に垂設されると共に前
記外側回転部材18の他方の端部にその外周部が取り付
けられた円盤部分19cと、前記第1のサイドギア17
及び外側回転部材18とによって第1の伝達部材である
ハウジング19が構成されている。さらに、このハウジ
ング19の前記円筒部分19aには、第1の出力軸1L
が取り付けられて、それぞれに設けられた雌スプライン
19bと雄スプライン1cが回転方向に係合するととも
に、サークリップ1dで抜け止めされている。
【0017】また、前記第2のサイドギア16の雌スプ
ライン16aおよび前記ハウジング19の雌スプライン
19bは、前記差動歯車ケース13の前記軸線C方向の
中心線S、すなわち前記ケース11およびケース蓋部1
2のそれぞれの端面11b,12bから等しい距離とさ
れる中心線Sに対して対称とされている。すなわち、本
実施例のビスカスカップリング付き差動歯車装置100
においては、差動歯車ケース13と第1の出力軸1Lと
の間で差動制限を行う形式の差動歯車装置でありなが
ら、ビスカスカップリング30が配設された側の第1の
出力軸1Lが、ハブ20と回転方向に係合せずに、該ハ
ブ20よりも差動歯車ケース13の軸線方向の中心線S
から離れたハウジング19の円筒部分19aと一体的に
回転可能とされる。そこで、前記第1の出力軸1Lとピ
ニオンシャフト14を介して反対側に配設される第2の
出力軸1Rとを同一形状および同一長さとして、共通化
することができる。
【0018】更に、図2にビスカスカップリングを持た
ない普通の差動歯車装置90と比較して示すように、前
記第1の出力軸1Lおよび前記第2の出力軸1Rは、普
通の差動歯車装置90に取り付けられる第1の出力軸1
Lおよび第2の出力軸1Rとも同一形状及び同一長さと
して、共通化することができる。前記ビスカスカップリ
ング30の粘性流体が満たされる作動室31は、前記第
1のサイドギア17と前記外側回転部材18、および前
記円盤部分19cと、該ハウジング19の円筒部分19
aに回転自在に外嵌される第2の伝達部材であるハブ2
0により形成されており、Xリング(断面X字状のオイ
ルシール)34,35により密封されている。
【0019】さらに、前記作動室31の内部には、薄板
を円環状に打ち抜いた複数のインナープレート32と複
数のアウタープレート33が交互に配設され、前記イン
ナープレート32はその内周部が前記ハブ20に対し
て、前記アウタープレート33はその外周部が前記外側
回転部材18に対してそれぞれ回転方向に係合され、前
記軸線Cの廻りに回転するようにされている。
【0020】前記ハブ20の円筒部分20aは、前記ハ
ウジング19の円筒部分19aに回転自在に外嵌される
とともに、前記第1のサイドギア17に設けられた貫通
孔17aを貫通して前記ピニオンシャフト14に向かっ
て延びるようにされ、その先端部分には縮径された延長
円筒部分20cがピニオンシャフト14のボス部を貫通
するように延設されている。そして、この延長円筒部分
20cの外側の円筒面には雄スプライン20dが刻設さ
れ、この雄スプライン20dは、前記ピニオンシャフト
14のボス部に設けられた前記軸線Cと同軸の貫通孔の
内側円筒面に設けられた雌スプライン14aと、回転方
向に係合されている。
【0021】次に、本実施例のビスカスカップリング付
き差動歯車装置100の作動について説明する。まず、
このビスカスカップリング付き差動歯車装置100は、
前記差動歯車ケース13の軸部11a,12aが、図示
されない軸受けを介して、やはり図示されないデフケー
スに取り付けられ、駆動されて前記軸線Cの廻りに回転
する。そして、伝達された駆動力は前記ピニオンシャフ
ト14、および前記ピニオンギア15を介して、前記第
1のサイドギア17と第2のサイドギア16に分配され
る。そして、前記第2のサイドギア16に分配された駆
動力は、この第6のサイドギア16に直接取り付けられ
ている前記第2の出力軸1Rに伝達される。また、ビス
カスカップリング30が設けられた側の前記第1のサイ
ドギア17に分配された駆動力は、前記外側回転部材1
8、前記円盤部分19c及び前記円筒部分19aからな
るハウジング19を介して、前記第1の出力軸1Lに伝
達される。
【0022】前記第1の出力軸1Lまたは第2の出力軸
1Rにより駆動力が伝達される駆動輪のいずれかがスリ
ップして空転すると、差動歯車ケース13と第1の出力
軸1Lの間に相対的な回転が生じる。これにより、ピニ
オンシャフトに係合しているハブ20と、前記第1の出
力軸1Lに係合しているハウジング19との間に相対的
な回転が生じる。したがって、ハウジング19の外側回
転部材18と回転方向に係合している前記アウタープレ
ート23と、ハブ20と回転方向に係合している前記イ
ンナープレート22は相対的に回転し、両者の間に作動
室31内に封入されている粘性流体によって生じる剪断
抵抗が作用する。これにより、前記ビスカスカップリン
グ30は、差動歯車差動歯車ケース13と第1の出力軸
1Lの間の相対回転数に応じた差動制限を行う。
【0023】更に、本発明のビスカスカップリング付き
差動歯車装置100においては、ビスカスカップリング
30のハブ20をピニオンシャフト14に係合させるこ
とにより、ビスカスカップリング30を差動歯車ケース
13と第1の出力軸1Lとの間に介装している。これに
対して、前記ハブ20をピニオンシャフト14に係合さ
せるのでは無く、ビスカスカップリング30が設けられ
た側とは反対側の第2の出力軸1Rに係合させることと
すれば、ビスカスカップリング30を第1の出力軸1L
と第2の出力軸1Rとの間に介装させて両出力軸間の相
対回転数に応じた差動制限を行うビスカスカップリング
付き差動歯車装置を構成することができる。
【0024】図3は、差動制限手段であるビスカスカッ
プリングを第1の出力軸と第2の出力軸との間に介装さ
せたビスカスカップリング付き差動歯車装置200を、
前述のビスカスカップリング付き差動歯車装置100と
対照させて、図示左右方向に延びる出力軸の軸線Cの下
半分に示したものである。この図3が示すように、前記
ビスカスカップリング付き差動歯車装置200のハブ2
20は、ピニオンシャフト214側に延びる円筒部分2
20Cの内側の円筒面に雌スプライン220dが刻設さ
れており、この雌スプライン220dは、図示右側の第
2の出力軸2Rの先端に設けられた雄スプライン2bと
係合してサークリップ2cにより抜け止めされている。
そして、前記延長円筒部分220cの外側円筒面は、前
記ピニオンシャフト214とは接触しないようにされて
いる。これにより、前記ハブ220は前記第2の出力軸
2Rと一体に回転するようにされるから、ビスカスカッ
プリング230は第1の出力軸1Lと第2の出力軸2R
との間に介装され、ビスカスカップリング付き差動歯車
装置200は第1の出力軸1Lと第2の出力軸2Rとの
間で差動制限を行う形式の差動歯車装置となる。
【0025】すなわち、前記ビスカスカップリング付き
差動歯車装置100と前記ビスカスカップリング付き差
動歯車装置200の構成部品は、それぞれハブ20,2
20、および第2の出力軸1R,2Rが異なるのみで、
それ以外の構成部品はすべて同一とされている。したが
って、形式が異なり差動制限特性の異なる差動歯車装置
の構成部品を共通化して部品の種類を削減することがで
きるから、生産性を向上させて製造コストを低減させる
ことができる。
【0026】尚、本発明は上記実施例の構成に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて各構成部品が
種々の形態を採りうることは勿論である。例えば、上記
実施例においてはハブ20の延長円筒部分20cとピニ
オンシャフト14のボス部とをスプライン嵌合とした
が、延長円筒部分20cの外周部とボス部の内周部との
断面形状を対応させて嵌合し、両部材を周方向に形状結
合したり、キー部材を介して係合させる等の他の係合手
段を用いることもできる。
【0027】又、上記実施例においては差動制限手段と
してビスカスカップリングを用いたが、本発明はこれに
限定されるものではなく、ハイドロリック・カップリン
グ・ユニット、ロータリーブレード・カップリング及び
オリフィス・カップリング・ユニット等の他のトルク伝
達機構を用いた差動制限手段と組み合わせることが可能
である。
【0028】
【発明の効果】本発明の差動歯車装置によれば、第2の
伝達部材と第2のサイドギアとを前記差動歯車ケースの
軸線方向の中心線に対して対称に設けることができるの
で、第2の伝達部材がピニオンシャフトと一体的に回転
可能とされた場合には、前記第1の出力軸と前記第2の
出力軸とを同一形状および同一長さとして、共通化する
ことができる。更に、これら両出力軸は、差動制限手段
を有しない普通の差動歯車装置の出力軸とも共通化する
ことができるので、普通の差動歯車装置を本発明の差動
歯車装置と交換する際には差動歯車装置本体のみを交換
すれば良い。
【0029】また、第2の伝達部材がピニオンシャフト
と一体的に回転可能とされた場合には、差動歯車ケース
と第1の出力軸との間の相対回転数差に応じた差動制限
を行うことができ、第2の伝達部材が第2の出力軸と一
体的に回転可能とされた場合には、第1の出力軸と第2
の出力軸との間の相対回転数差に応じた差動制限を行う
ことができるので、第2の伝達部材を交換するだけで差
動歯車装置の形式を変換し、差動制限特性を変更するこ
とができる。そこで、部品を大幅に共通化して構成部品
の種類を削減することができる。
【0030】従って、差動制限機構を有しない差動歯車
装置と出力軸の共通化を図り、容易に交換可能な差動歯
車装置を提供すると共に、一部の構成部品を変更するだ
けでその差動制限特性を変更可能として構成部品を大幅
に共通化し、安価な差動歯車装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に基づくビスカスカップリン
グ付き差動歯車装置の全体断面図である。
【図2】図1に示したビスカスカップリング付き差動歯
車装置と、普通の差動歯車装置とを比較する為の部分断
面図である。
【図3】図1に示したビスカスカップリング付き差動歯
車装置と、本発明の他の実施例に基づくビスカスカップ
リング付き差動歯車装置とを比較して示す部分断面図で
ある。
【図4】差動歯車ケースと一出力軸間で差動制限を行う
従来のビスカスカップリング付き差動歯車装置と、普通
の差動歯車装置とを比較して示す部分断面図である。
【図5】差動歯車ケースと一出力軸間で差動制限を行う
従来のビスカスカップリング付き差動歯車装置と、両出
力軸間で差動制限を行う従来のビスカスカップリング付
き差動歯車装置とを比較して示す部分断面図である。
【符号の説明】
1R 第2の出力軸 1L 第1の出力軸 2R 第2の出力軸 10 差動歯車機構 11 ケース 12 ケース蓋部 13 差動歯車ケース 14 ピニオンシャフト 15 ピニオンギア 16 第2のサイドギア 17 第1のサイドギア 18 外側回転部材 19 ハウジング(第1の伝達部材) 20 ハブ(第2の伝達部材) 30 ビスカスカップリング(差動制限手段) 31 作動室 32 インナープレート 33 アウタープレート 34 Xリング 35 Xリング 100 ビスカスカップリング付き差動歯車装置 200 ビスカスカップリング付き差動歯車装置 214 ピニオンシャフト 220 ハブ 230 ビスカスカップリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 和宏 栃木県小山市城山町3−2−23 栃南商事 株式会社3号館ビル2階ビスコドライブジ ャパン株式会社内 (72)発明者 林 和博 栃木県小山市城山町3−2−23 栃南商事 株式会社3号館ビル2階ビスコドライブジ ャパン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸とされる第1の出力軸と第2の出力
    軸の軸線の周りを駆動回転される差動歯車ケースと、該
    差動歯車ケース内に同軸線上で回転自在に収納されてそ
    れぞれ第1及び第2の出力軸と一体的に回転する第1及
    び第2のサイドギアと、前記軸線に対してジャーナル軸
    が直交するように前記差動歯車ケース内に取り付けられ
    たピニオンシャフトと、該ピニオンシャフトのジャーナ
    ル軸上に回転可能に配置されて前記第1及び第2のサイ
    ドギアと噛み合っているピニオンギアと、前記第1の出
    力軸と一体的に回転する第1の伝達部材と、回転数差に
    応じたトルク伝達を行う差動制限手段を介在させて前記
    第1の伝達部材に対して相対回転可能に配設された第2
    の伝達部材とを備えた差動歯車装置であって、前記ピニ
    オンシャフトのボス部を貫通するように延長された前記
    第2の伝達部材が前記ピニオンシャフト又は前記第2の
    出力軸のいずれか一方と一体的に回転可能に構成されて
    いることを特徴とする差動歯車装置。
JP12732593A 1993-05-28 1993-05-28 差動歯車装置 Pending JPH06337046A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008275042A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Toyota Motor Corp 車両用差動歯車装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008275042A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Toyota Motor Corp 車両用差動歯車装置

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