JPH0633695B2 - ドア用オートヒンジ - Google Patents

ドア用オートヒンジ

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JPH0633695B2
JPH0633695B2 JP62198857A JP19885787A JPH0633695B2 JP H0633695 B2 JPH0633695 B2 JP H0633695B2 JP 62198857 A JP62198857 A JP 62198857A JP 19885787 A JP19885787 A JP 19885787A JP H0633695 B2 JPH0633695 B2 JP H0633695B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はドア用オートヒンジに関するものであり、詳し
くは、枢軸に支持された状態で回転移動軌跡に沿って開
閉するドア、即ち、開き戸型式のドアに取付けるセミ・
コンシールド型式のオートヒンジに関するものである。
従来の技術 一般に、ドアの自動閉鎖装置は、ドアを開ける際の力を
スプリングに弾性力として蓄力し、ドアの閉鎖時にはこ
のスプリングの弾性復元力により閉鎖方向に付勢すると
共にこのドア本体の閉鎖速度を油圧緩衝装置によって制
御するようにしたものである。
上記自動閉鎖装置において、開き戸に適用されるものと
しては、2本のリンクアームを備えて内部のスプリング
を圧縮させる型式のドアチェッカーや、ヒンジ部を一体
に有し、トーションスプリングを利用したオートヒンジ
が知られており、近年ではドアに内蔵させるコンシール
ドタイプのオートヒンジが用いられている。
上記オートヒンジは、ドアの開放動作をヒンジ部に内蔵
した2枚の歯車を介して、トーションスプリングに伝達
してこのスプリングに閉鎖方向の弾性力を蓄積すると共
に油圧緩衝装置内のピストンを移動させて、そして上記
トーションスプリングの弾性復元力により、ドアを閉鎖
方向に付勢するとともに、上記ピストンが元位置に復帰
する際の作動油の粘性により、上記ドアの閉鎖速度に抵
抗を与えて制御するようにしたもので、本出願人も、こ
の種ドア用オートヒンジを先に出願している。(実開昭
62-27180号公報) 発明が解決しようとする問題点 ところで、上記在来のドア用オートヒンジにおいては、
静止状態のピボット軸にピニオンギアを、オートヒンジ
本体から延びる枢軸にセクタギアを配設し、上記ピニオ
ンギアとセクタギアとの噛合により上記ピボット軸と枢
軸とを連結しているため、上記ドア本体の開閉角度に対
して枢軸の自転角度が1/2程度であり、上記枢軸の自転
角度を大きくできなかった。
上記のように枢軸の回転量が少ないと、トーションスプ
リングも弾性力の強いものを用いる必要があり、更に、
油圧緩衝装置のピストンの移動ストローク量が大きくと
れない。
即ち、上記ピストンの移動ストローク量が小さいと、緩
衝力や緩衝力を変化させる位置の調整が困難であり、ま
た油圧室の容量も大きく設定し難いため、作動油の劣化
が速いという問題を生じる。
問題点を解決するための手段 本発明は、上記問題点に鑑みてされたもので、開き戸型
式のドアの回転中心近傍に取付けるドア用オートヒンジ
であって、ドア本体から所定の偏心距離をおいて垂直さ
れ、床面に対して不動のピボット軸と、上記ドア本体の
側縁に収容され、ドア本体に閉鎖方向の力を付与する蓄
力機構及びドア本体の閉鎖速度を制御する緩衝機構並び
にドア本体を所望の開角度で停止保持させるストッパ機
構を枢軸で連結してなるオートヒンジ本体と、上記ピボ
ット軸と上記オートヒンジ本体の枢軸との間に配設さ
れ、中間歯車を有する歯車伝導機構とからなり、 上記ストッパ機構は、内周面一部に凹溝を有し、上記枢
軸に回転自在に嵌装したスライドカラーと、このスライ
ドカラーの凹溝に対応して上記枢軸の外周面に形成され
たカム面と、上記枢軸を同心状に囲繞して延び、かつ、
ドア本体側に固定される円筒状ケースに固定され、上記
枢軸とスライドカラーとの間に回転自在に配設された保
持器と、この保持器の一部に保持され、上記枢軸のカム
面とスライドカラーの凹溝とに係合してドア本体を停止
保持させるローラとで構成し、 また、上記蓄力機構は、上記枢軸に同心状に嵌装したト
ーションスプリングの一端を上記枢軸と一体の歯車のボ
ス部に、そして他端を上記ストッパ機構のスライドカラ
ーに係止して構成したことを特徴とするドア用オートヒ
ンジである。
作用 本発明に係るドア用オートヒンジは、静止のピボット軸
とドア本体に収容されたオートヒンジ本体から延びる枢
軸とを中間歯車を有する歯車伝動機構によって連結する
ことにより、ドア本体の開閉角度、即ち、枢軸のピボッ
ト軸に対する公転角度に対して、上記枢軸の自転角度を
大きくすることができ、また、上記歯車伝動機構を構成
する各歯車も小さくすることができる。
実施例 第1図乃至第5図は、本発明に係るドア用オートヒンジ
の一実施例を示すもので、上記オートヒンジは、第1図
に示すように、ヒンジ部(H)をドア本体(D)の下部
から突出させた状態で、本体部(B)をドア本体(D)
の側縁部に内蔵して取付けられ、このヒンジ部(H)と
ドア本体(D)の上部に取付けた通常のヒンジ(H)と
によって、ドア本体(D)は開閉自在に支持される。
上記ヒンジ部(H)は、ドア本体(D)から所定距離偏
心させたピボット軸(1)を有しており、上記ヒンジ
(H′)も同様にピボット軸(1′)を有し、この両ピボット
軸(1)(1′)は同一軸線上に位置して、上記ドア本体
(D)はこのピボット軸(1)(1′)を中心に回転し、
開閉する。
上記ヒンジ部(H)のピボット軸(1)は、床(F)に
対して固定されており、ドア本体(D)側のピボットハ
ウジング(2)内に収容された歯車(3)に一体に固定
される。上記歯車(3)はハウジング(2)内のベース
ブロック(4)に対してベアリング(5)を介して回転
自在に取付けられており、この歯車(3)は、ベースブ
ロック(4)に回転自在に取付けられた中間歯車(6)
と噛合させてあり、この中間歯車(6)は、ベースブロ
ック(4)にスライドブッシュ(7)でもってボス部
(8a)を回転自在に支持された歯車(8)と噛合させて
ある。
ここで、上記歯車(3)を固定したピボット軸(1)
は、床(F)に対して常に静止しており、このピボット
軸(1)の回りにドア本体(D)を開閉させると、上記
歯車(6)は、上記歯車(3)に対して公転しながら自
転し、また歯車(8)も上記歯車(6)と同様に公転し
ながら自転し、所謂プラネタリギア機構を構成してい
る。そして、本実施例においては、歯車(3)、中間歯
車(6)、歯車(8)の歯数は167、177、167に設定さ
れており、従って、歯車(8)の公転角度に対する自転
角度の比、即ち、ドア本体(D)の開閉角度に対する歯
車(8)自体の回転角度は1:1となっている。
上記本体部(B)は、ドア本体(D)に閉鎖方向の力を
付与するための蓄力機構(S)と、ドア本体(D)の閉
鎖速度を制御する緩衝機構(A)とを1本の円筒状ケー
ス(10)内に収容して構成される。
上記蓄力機構(S)は、上記円筒状ケース(10)の略軸
線に沿って配設された枢軸(11)とこの枢軸(11)と円
筒状ケース(10)との間に同軸状に配置されたトーショ
ンスプリング(12)とで構成される。
上記枢軸(11)の下端には前述の歯車(8)がキー(1
3)を利用して一体的に連結してあり、上記歯車(8)
のボス部(8a)の先端位置に配設されたブッシュ(14)
(15)並びに、上記円筒状ケース(10)の略中間位置に
収容したストッパ機構(C)とによって、上記円筒状ケ
ース(10)内に回転自在に支持されている。
上記トーションスプリング(12)は、本実施例では、断
面形状略4角形の素線をコイル状に巻回したものを用い
てあり、上記トーションスプリング(12)の両端は中心
方向に折曲してフック部(12a)(12b)としてある。
そして、上記トーションスプリング(12)の上端側のフ
ック部(12a)は、ストップ装置(C)のスライドカラ
ー(20)のスリット溝(20a)に係止してあり、下端側
のフック部(12b)は枢軸(11)の下端側に固着した歯
車(8)のボス部(8a)のスリット溝(8b)に係止して
ある。
ここで上記ストッパ機構(C)は、枢軸(11)の小径部
に回転自在に嵌装したスライドカラー(20)、円筒状ケ
ース(10)に固着した保持器(21)、保持器(21)によ
ってケース(10)の円周方向の位置を規制されたローラ
(22)、上記保持器(21)内周面と対向する枢軸(11)
の外周面に形成したカム面(23)で構成されている。
上記スライドカラー(20)は、前述したように、下端小
径部のスリット溝(20a)にトーションスプリング(1
2)の上端(12a)を係止させてあり、上端外周は、上
記円筒状ケース(10)の内周面に略摺接する寸法に設定
され、上記上端部に形成した円柱状空胴部(20b)の一
部には上記ローラ(22)の一部が嵌り込み得る凹溝(20
c)が形成されている。
上記保持器(21)は、大径の円筒部(21a)でもって、
上記円筒状ケース(10)に一体に固着されると共に、上
記枢軸(11)を支持しており、小径の円筒部(21b)
は、上記枢軸(11)のカム面(23)とスライドカラー
(20)の空胴部(20b)との間に遊嵌状態で配置され
る。そして、上記小径の円筒部(21b)には、上記ロー
ラ(22)が互いの軸線を平行に保った状態で、径方向に
移動し得る寸法のローラ保持孔(21c)が貫通形成され
ている。
上記枢軸(11)に形成したカム面(23)は、円周面の一
部になだらかに突起(23a)を形成したもので、この突
起(23a)の円周面からの突出高さと、上記スライドカ
ラー(20)の凹溝(20c)の円周面からの凹入深さとは
対応させてある。
そして、上記ローラ(22)は、上記カム面(23)の円周
面と上記スライドカラー(20)の空胴部(20b)の円周
面との間に介在し得る直径とされている。
尚、上記スライドカラー(20)と上記枢軸(11)とは、
第5図に示すように、上記凹溝(20c)と突起(23a)
とがドア本体(D)を途中で停止保持させたい所望の角
度差に対応する位相差となるように配置される。
上記緩衝装置(A)は、流体の粘性を利用したもので、
上記枢軸(11)の頭部(11a)に固着したシリンダ(3
1)と、このシリンダ(31)内に収容されるピストン(3
2)と、上記円筒状ケース(10)の上端から内部下方に
向けて配設されたガイド部材(33)とで構成される。
上記枢軸(11)の頭部(11a)は、上記円筒状ケース
(10)の内径と略同一で密封状態で回転し得るように設
定してあり、中心部に穿設した丸孔(34)に2個の流量
調整弁(V)(V)を配置してある。そして上記丸
孔(34)の頭部(11a)における開口にはオイルフィル
タ(35)が配設されている。
上記頭部(11a)に固着されたシリンダ(31)は、上記
円筒状ケース(10)の内径と略同様の外径を有し、内面
の下端寄りにはリード量の大きな多条ねじ部(31a)を
形成してある。
そして、上記シリンダ(31a)の上端にはスライドスリ
ープ(36)が固着してある。
上記ピストン(32)は、上記シリンダ(31)の内径と略
同一の外径を有する円筒形状をなし、下端側外周には、
上記シリンダ(31)内周面の多条ネジ部(31a)の螺合
する多条ネジ部(32a)が形成されている。上記ピスト
ン(32)の内周下端には逆止弁(37)の支持部材(38)
が固着され、内周面は略全長にわたってスプライン孔
(32b)とされている。
上記逆止弁(37)は、ボール及びカップを利用したもの
で、ピストン(32)の下部から内部へ向けて流入を阻止
するように構成されている。
上記ガイド部材(33)は、上記円筒状ケース(10)内に
嵌合し得る大径部(33a)と上記シリンダ(31)のスラ
イドスリーブ(36)に嵌合し得る小径部(33b)とを一
体に連設形成したもので、軸線方向に沿って貫通孔(33
c)が形成されており、この貫通孔(33c)の上端に
は、Oリング(O)を介して密封栓(39)を螺着して
ある。
上記ガイド部材(33)の小径部(33b)は、上部が前述
のようにシリンダ(31)上端に固着したスライドスリー
ブ(36)内面と密接した状態で摺動自在とされており、
中央部以下は、上記ピストン(32)のスプライン孔(32
b)と係合するスプライン軸(33d)とされている。
そして、シリンダ(31)内面における上記枢軸(11)の
頭部(11b)上面とピストン(32)下端面との間に第1
油圧室(a)が形成され、上記シリンダ(31)内面とガ
イド部材(33)の小径部(33b)の外面との間で、か
つ、上記スライドスリーブ(36)の下端面とピストン
(32)の上面との間に第2油圧室(b)が形成され、ピ
ストン(32)内部とガイド部材(33)の小径部(33b)
下端との間に第3油圧室(c)が形成される。
上記第1油圧室(a)と第3油圧室(c)とは、ピスト
ン(32)に設けた逆止弁(37)を介して連通されてお
り、第1油圧室(a)と第2油圧室(b)とは、前記枢
軸(11)の頭部(11a)に配設した2つの流量調整弁
(V)(V)を通る2つの油通路(40)(41)を介
して連通させてある。
上記2つの流量調整弁(V)(V)のうち、上方側
に位置する流量調整弁(V)を通る油通路(40)は、
シリンダ(31)の外周面に形成した一方のV字溝(31
c)を介してスライドスリーブ(36)の下端近傍に開口
し、下方側に位置する流量調整弁(V)を通る油通路
(41)は、シリンダ(31)の外周面に形成した他方のV
字溝(31d)を介して、下降位置のピストン(32)上端
近傍に開口している。
上記第2油圧室(b)と第3油圧室(c)とは、上記ガ
イド部材(33)の小径部(33b)上方に穿設した透孔
(33e)により、ガイド部材(33)の貫通穴(33c)を
介して常時連通させてある。尚、上記第1乃至第3油圧
室(a)(b)(c)への作動油の充填は、上記ガイド
部材(33)の貫通孔(33c)から密封栓(39)を外した
状態で行われ、上記作動の充填後は、上記密封栓(39)
を貫通孔(33c)に螺着することにより密封される。
以下に、上記ドア用オートヒンジの機能及び動作につい
て説明する。
ドア本体(D)の閉鎖時においては、トーションスプリ
ング(12)に予め与えられた初期弾性力が枢軸(11)か
ら歯車(8)、中間歯車(6)、歯車(3)を介してピ
ボット軸(1)に伝達され、この反力により上記ドア本
体(D)は常時閉方向に付勢されている。
この状態から、ドア本体(D)を第1図の矢印I方向に
開けていくと、ピボット軸(1)の歯車(3)は静止歯
車であるため、この歯車(3)と歯合する中間歯車
(6)は、第3図に示すように上記歯車(3)の回りに
矢印I方向に公転しながら矢印II方向に自転し、この中
間歯車(6)と噛合する歯車(8)も同様に、矢印I方
向に公転しながら矢印III方向に枢軸(11)を中心とし
て自転する。そしてこの歯車(8)の自転量は、前述の
如く、歯車(8)の公転量、即ち、ドア本体(D)の開
閉角度に対して1:1の比率となっているため、枢軸
(11)は円筒状ケース(10)に対してドア本体(D)の
開閉角度と同量回転する。
上記歯車(8)と枢軸(11)が回転し始めると、第5図
(a)(b)に示すように、保持器(21)によって円筒状ケー
ス(10)に対して所定位置に保たれたローラ(22)は、
上記スライドスリーブ(20)の凹溝(20c)の開口縁と
枢軸(11)のカム面(23)との間に位置し、上記スライ
ドスリーブ(20)を円筒状ケース(10)に対して静止状
態に保持するため、上記トーションスプリング(12)
は、枢軸(11)とスライドカラー(20)との間で巻き縮
められ、弾性力を蓄積し、同時に、上記シリンダ(31)
内面の多条ネジ部(31a)と螺合するピストン(32)
は、ガイド部材(33)のスプライン軸(33d)との係合
により回転方向の動作が規制されていることにより、上
方に移動する。
上記ピストン(32)の上方への移動に際しては、第2油
圧室(b)内の作動油は、スライドスリーブ(36)とピ
ストン(32)上端との間で圧縮されて、透孔(33e)か
ら貫通孔(33c)を経て第3油圧室(c)内に流入し、
この第3油圧室(c)内の作動油と共に、逆止弁(37)
を抵抗なく通って第1油圧室(a)内に流入する。
そして、上記枢軸(11)が更に回転すると、上記カム面
(23)の突起(23a)は第5図(c)に示すようにローラ
(22)を直径方向外側に押圧し、上記スライドスリーブ
(20)の凹溝(20c)内に上記ローラ(22)を押込み、
更に第5図(d)に示すように上記突起(23a)が、ロー
ラ(22)を乗りこえる。この状態でドア本体(D)の開
放操作を中止すると、ローラ(22)が、カム面(23)の
突起(23a)の基部とスライドスリーブ(20)の凹溝
(20c)の開口縁との間でトーションスプリング(12)
の弾性復元力により挾圧されることにより、上記枢軸
(11)は円筒状スリーブ(10)に対して固定され、ドア
本体(D)を予め設定した角度例えば、ドア本体(D)
の90゜開放位置で停止させうることができる。
以上のドア本体(D)の開放操作においては、逆止弁
(37)は作動せず、作動油が抵抗なく第2並びに第3油
圧室(b)(c)から第1油圧室(a)に流入するた
め、上記開放操作はトーションスプリング(12)の弾性
力に略対応する操作力で行われている。
上記ドア本体(D)を閉鎖する場合、ストッパ機構
(C)の作動位置より手前であれば上記ドア本体(D)
を開放する力を解除すると、トーションスプリング(1
2)の弾性復元力により枢軸(11)は上記と逆方向に回
転し、この枢軸(11)の回転より、上記歯車(8)並び
に中間歯車(6)は上記と逆方向に自転並びに公転し、
ドア本体(D)が閉鎖方向に移動する。
一方、ドア本体(D)が、ストッパ機構(C)によって
所定位置で停止させられている場合は、上記ドア本体
(D)を閉鎖方向に押圧すれば、上記突起(23a)が再
びローラ(22)をスライドスリーブ(20)の凹溝(20
c)に向けて押圧し、トーションスプリング(12)の弾
性力に抗しながら上記スライドスリーブ(20)を回転さ
せて上記凹溝(20c)内にローラ(22)を押し込んで、
上記ローラ(22)を突起(23a)を乗り越えさせること
により、上記ドア本体(D)の停止状態を解除させれ
ば、以後は、上記同様にトーションスプリング(12)の
弾性復元力によって、ドア本体(D)は閉鎖方向に付勢
される。
同時に、上記ピストン(32)は、シリンダ(31)が枢軸
(11)と共に逆方向に回転することにより、下方へ移動
しはじめる。すると、第1油圧室(a)内の作動油は、
ピストン(32)の降下により圧縮され、逆止弁(37)が
作動するため、フィルタ(35)によってろ過された後丸
孔(34)内に流入する。ここで、上記2本の油通路(4
0)(41)のうち、シリンダ(31)の下方側に開口する
油通路(41)はピストン(32)側面によって閉鎖されて
いるため、上記丸孔(34)内に流入した作動油は、流量
制御弁(V)、油通路(40)を通ってシリンダ(31)
上部の開口から第2油圧室(b)内に還流される。
この作動油の還流過程において、上記作動油は上記流量
制御弁(V)によってその流量を制限されるため、ピ
ストン(32)は抵抗を受けて緩やかに降下していく。従
って、枢軸(11)の回転もゆるやかなものとなり、上記
ドア本体(D)はゆっくりとなめらかに閉鎖方向に移動
する。
そして、上記ピストン(32)が更に下降し、シリンダ
(31)下方の油通路(41)が開放されると、第1油圧室
(a)の作動油は、丸孔(34)から上方の流量調整弁
(V)、油通路(40)を通って第2油圧室(b)に還
流される外、更に、下方の流量調整弁(V)、油通路
(41)を通って第2油圧室(b)に還流される。従って
第1油圧室(a)の作動油は2本の油通路(40)(41)
でもって第2油圧室(b)に還流されるため、上記ドア
本体(D)はこれ以後ドア本体(D)に取付けたラッチ
(R)が、通路側ラッチホール(図示せず)に嵌り込み
得る充分な速さに増速され、この状態で閉鎖位置まで閉
じる。
上記構造のオートヒンジにおいて、閉鎖時の初期速度
は、上方の流量調整弁(V)を締め込むか、あるいは
緩めることにより調整することができ、閉鎖後期のラッ
チング速度は、下方の流量調整弁(V)を締め込む
か、あるいは緩めることにより調整することができる。
また、上記ラッチングが不用な場合には、上記下方側の
流量調整弁(V)を締め込んで、油通路(41)を完全
に閉鎖し、上方側の流量調整弁(V)が介在する油通
路(40)のみを作動させておけば、上記ドア本体(D)
は全閉まで略一定速度で滑らかに閉じる。
発明の効果 以上説明したように、本発明に係るドア用オートヒンジ
によれば、ヒンジ部内のピボット軸とオートヒンジ本体
から延びる枢軸とを、中間歯車を有する歯車伝動機構に
よって連結したので、上記ドア本体の開閉角度に対する
枢軸の自転角度を従来より大きく設定することが容易に
可能となるため、ピストンストロークを大きく設定でき
て、緩衝力の制御が行い易く、また各油圧室容積が大き
く取れ、作動油の量を大きくできで、劣化に対しての期
間が非常に長くなる。
また、上記のように歯車伝動機構の各歯車は、小型のも
のでよいためヒンジ部の小型化が容易で一層突出部の少
ないすっきりした外観のオートヒンジを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第5図は、本発明に係るドア用オートヒンジ
の位置実施例を示すもので、第1図は本発明装置のドア
への取付状態を示す全体斜視図、第2図は本発明の縦断
面図、第3図はピボット軸と枢軸との相対配設位置を説
明するための部分横断面図、第4図は油通路の形成位置
を説明するための部分横断面図、第5図はストッパ機構
を説明するための拡大断面図である。 (A)……緩衝機構、(B)……オートヒンジ、 (C)……ストッパ機構、(D)……ドア本体、 (G)……歯車伝動機構、(H)……ヒンジ部、 (S)……蓄力機構、 (V)(V)……流量調整弁、 (1)……ピボット軸、(6)……中間歯車、 (10)……円筒状ケース、(11)……枢軸、 (12)……トーションスプリング、 (31)……シリンダ、(32)……ピストン、 (37)……逆止弁、(40)(41)……油通路、 (a)……第1油圧室、(b)……第2油圧室、 (c)……第3油圧室。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開き戸型式のドアの回転中心近傍に取付け
    るドア用オートヒンジであって、 ドア本体から所定の偏心距離をおいて垂設され、床面に
    対して不動のピボット軸と、 上記ドア本体の側縁部に収容され、ドア本体に閉鎖方向
    の力を付与する蓄力機構及びドア本体の閉鎖速度を制御
    する緩衝機構並びにドア本体を所望の開角度で停止保持
    させるストッパ機構を枢軸で連結してなるオートヒンジ
    本体と、 上記ピボット軸と上記オートヒンジ本体の枢軸との間に
    配設され、中間歯車を有する歯車伝導機構とからなり、 上記ストッパ機構は、内周面一部に凹溝を有し、上記枢
    軸に回転自在に嵌装したスライドカラーと、このスライ
    ドカラーの凹溝に対応して上記枢軸の外周面に形成され
    たカム面と、上記枢軸を同心状に囲繞して延び、かつ、
    ドア本体側に固定される円筒状ケースに固定され、上記
    枢軸とスライドカラーとの間に回転自在に配設された保
    持器と、この保持器の一部に保持され、上記枢軸のカム
    面とスライドカラーの凹溝とに係合してドア本体を停止
    保持させるローラとで構成し、 また、上記蓄力機構は、上記枢軸に同心状に嵌装したト
    ーションスプリングの一端を上記枢軸と一体の歯車のボ
    ス部に、そして他端を上記ストッパ機構のスライドカラ
    ーに係止して構成したことを特徴とするドア用オートヒ
    ンジ。
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