JPH06336853A - ゴンドラ式立体駐車装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両を載置するゴンドラを複数基を設け、各
ゴンドラを垂直循環させるゴンドラ式立体駐車装置にお
いて、ゴンドラ駆動機構を簡単にすること。 【構成】 支柱４ａ〜４ｄと、梁５ａ〜５ｊで構成され
るフレーム２に、ゴンドラ駆動機構１を取り付ける。駆
動モータにより駆動スプロケット１０を回転させると、
４組の駆動チェーン１１ａ〜１１ｄが回転する。各ゴン
ドラ吊りシャフト１３の両端に設けた走行スプロケット
１２が駆動チェーン１１に噛合して、ゴンドラ２１が案
内チェーン７に沿って循環する。各ゴンドラは連結チェ
ーン１５によって連結されているので、最上部及び最下
に位置するゴンドラは駆動チェーン１１と係合しなくて
も搬送される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はゴンドラ駆動機構を簡略
化したゴンドラ式立体駐車装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】多数の車両を駐車する立体駐車装置とし
て、駐車塔の上部及び下部に大歯車を設け、上下の大歯
車にエンドレスチェーンを回巻し、車両のゴンドラを垂
直に循環できるようにしたものがある。このような立体
駐車装置では駐車塔の前面及び後面の壁に沿ってエンド
レスチェーンが２組懸回されている。そしてエンドレス
チェーンに沿って一定間隔にゴンドラの懸垂軸受が複数
組み設けられ、１組の前後の懸垂軸受に懸垂軸が回転自
在に懸架されている。そして各懸垂軸に門型のパレット
枠が設けられ、パレット枠の底部に車両の車輪を載置す
る平板状のパレットが載置されている。

【０００３】このような構成の立体駐車装置で車両を入
庫もしくは出庫させるには、駆動源より大歯車を一定方
向に回転させ、エンドレスチェーンを介して特定のゴン
ドラを駐車塔の下部に移動させる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の立体
駐車装置では、多数のゴンドラがエンドレスチェーンを
介して懸垂軸に保持されているため、エンドレスチェー
ンに対して格納台数に比例した重力がかかる。又格納台
数を多くする場合、上下方向にゴンドラを多く懸架しな
ければならず、上下の大歯車の間隔が大きくなる。この
場合垂直部分のエンドレスチェーンの撓みにより、ゴン
ドラが水平方向に振動し易くなる。このため振動防止用
の案内レールを駐車塔の垂直方向に設けねばならなかっ
た。更に大歯車を駐車塔の上部に設けるため、駐車塔の
天井を高くとらなければならないという欠点があった。

【０００５】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、ゴンドラを懸回途中で水平方向
に振動させないこと、駐車塔の高さをゴンドラ数に比較
してできるだけ低くすること、及びゴンドラ駆動機構を
簡易化することを技術的課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本願の請求項１の発明
は、車両を載置するゴンドラを複数基設け、各ゴンドラ
をフレーム内のゴンドラ駆動機構を介して垂直循環させ
て複数の車両を格納するゴンドラ式立体駐車装置であっ
て、ゴンドラ駆動機構は、ゴンドラの循環駆動源となる
駆動モータと、駆動モータと動力伝達機構を介して連結
されて回転し、フレームの４隅の上下に夫々軸支された
複数の駆動スプロケットと、上下の駆動スプロケットの
間に張架され、駆動スプロケットの回転により垂直循環
する複数の駆動チェーンと、２つの駆動チェーンの垂直
循環部の間に直立して設けられ、４隅が円弧状に形成さ
れた矩形の一対の保持板と、保持板の外周縁部に沿って
無端状に回巻固定され、駆動チェーンと同一ピッチを有
する案内チェーンと、駆動チェーンと噛合したとき、案
内チェーンに沿って移動する走行スプロケットと、同一
方向及び高さで移動する２つの走行スプロケットの中心
軸孔に嵌入され、ゴンドラを懸架するゴンドラ吊りシャ
フトと、ゴンドラ吊りシャフトに回動自在に軸支され、
隣接する各ゴンドラのゴンドラ吊りシャフトに連結され
た連結部材と、を具備することを特徴とするものであ
る。

【０００７】本願の請求項２の発明では、ゴンドラ駆動
機構は、ゴンドラ吊りシャフトの両端部に回転自在に嵌
入された第１の案内ローラと、保持板の下方縁部に沿っ
て平行に設けられ、第１の案内ローラの回転路面となる
第１の案内レールと、を具備することを特徴とするもの
である。

【０００８】本願の請求項３の発明では、ゴンドラ駆動
機構は、ゴンドラの下部に設けられ、ゴンドラの搬送方
向に垂直の回転軸を有する第２の案内ローラと、保持板
と平行となるように設けられ、ゴンドラが循環最上部に
きたとき、第２の案内ローラの回転路面となる第２の案
内レールと、を具備することを特徴とするものである。

【０００９】本願の請求項４の発明では、ゴンドラ駆動
機構は、駆動スプロケットの垂直循環部に設けられ、そ
の端面が駆動チェーンのローラに当接する第１の案内プ
レートを具備することを特徴とするもので或る。

【００１０】本願の請求項５の発明は、床面に立設した
複数組みの支柱、及び支柱間に結合された複数の梁を含
むフレームを有し、フレームによってゴンドラ駆動機構
を床面に対して一定高さに保持することを特徴とするも
のである。

【００１１】

【作用】このような特徴を有する本願の請求項１の発明
によれば、駆動モータが回転すると、フレームに夫々軸
支された複数の駆動スプロケットが回転する。そして駆
動チェーンは上下の駆動スプロケットの間に張架されて
垂直循環する。ゴンドラ吊りシャフトの両端部に嵌入さ
れた走行スプロケットは、保持板の外周縁部の案内チェ
ーンと噛合し、駆動チェーンの循環によって移動する。
そうするとこのゴンドラ吊りシャフトに懸架されたゴン
ドラは案内チェーンに沿って循環する。又各ゴンドラ間
を連結部材によって結合しているため、走行スプロケッ
トが駆動チェーンと噛合していないゴンドラも同時に搬
送される。このようにゴンドラを垂直循環させると、ゴ
ンドラ駆動機構が簡単になり、機構部品も市販のものが
利用できる。

【００１２】又本願の請求項２の発明によれば、ゴンド
ラが循環の最下部に到来すると、第１の案内ローラが第
１の案内レールに保持されるので、走行スプロケットが
駆動チェーンと噛合しなくても、ゴンドラが床面に沿っ
て水平に移動することとなる。

【００１３】本願の請求項３の発明によれば、ゴンドラ
が循環最上部にきたとき、第２の案内ローラは第２の案
内レールにより案内されることとなる。本願の請求項４
の発明によれば、ゴンドラが駆動チェーンに沿って垂直
循環するとき、駆動チェーンが走行スプロケットにより
外向きの押圧力を受けても、第１の案内プレートにより
その位置が保持されることとなる。このため駆動チェー
ンの摩擦が低減され、駆動スプロケットが駆動チェーン
から外れにくくなる。

【００１４】

【実施例】本発明の一実施例におけるゴンドラ式立体駐
車装置について図面を参照しつつ説明する。図１は本実
施例のゴンドラ式立体駐車装置（以下駐車塔ともいう）
におけるゴンドラ駆動機構１とこれを保持するフレーム
２の構成を示す斜視図である。本図に示すようにゴンド
ラ駆動機構１はフレーム２の前面及び後面に取付けら
れ、車両を載置するゴンドラ（図示せず）を略楕円状に
垂直循環させる駆動機構である。

【００１５】フレーム２はゴンドラ駆動機構１を床面３
に対し所定高さで保持するための構造物であり、駐車塔
の建屋の一部を構成している。図１の下部に示す矢印
Ｈ，Ｄ，Ｗは夫々駐車塔の高さ方向，奥行き方向，幅方
向を示すものとする。フレーム２は直立する４本の支柱
４ａ〜４ｄと、５組の梁５ａ〜５ｊにより構成される。
支柱４ａ〜４ｄは、駐車塔の４隅に設けられ、床面３に
対し垂直に固定された支柱である。

【００１６】梁５ａは前方の支柱４ａ，４ｂ間に水平に
設けられ、梁５ｂ（図示せず）は後方の支柱４ｃ，４ｄ
間に水平に設けられたものである。これらの梁５ａ，５
ｂは、床面３に沿って入出庫する車両より高くなる位置
に固定されている。又梁５ｃは支柱４ａ，４ｂ間の上方
に、梁５ｄは支柱４ｃ，４ｄ間の上方に夫々水平に設け
られたものであり、後述するゴンドラ駆動機構１の補強
フレームを保持している。又梁５ｅは支柱４ａ，４ｂ間
の最上部に、梁５ｆは支柱４ｃ，４ｄ間の最上部に夫々
水平に設けられたものである。更に梁５ｇは支柱４ａ，
４ｄ間の最上部に、梁５ｈは支柱４ｂ，４ｃ間の最上部
に夫々水平に設けられたものである。又梁５ｉは支柱４
ａ，４ｄ間に、梁５ｊは支柱４ｂ，４ｃ間に夫々梁５
ｃ，５ｄとほぼ同一高で水平に設けられたものである。

【００１７】支柱４ａ〜４ｄ及び梁５ａ〜５ｊは例えば
形鋼又は鋼管で構成され、支柱４及び梁５間の各接合は
溶接又はボルト締めにて結合される。

【００１８】次にゴンドラ駆動機構１について図１，図
２を用いて説明する。図２はゴンドラ駆動機構１の構成
を示す斜視図である。図１，図２において案内チェーン
保持板６はその外周縁部に沿って案内チェーン７を保持
するものである。前方の案内チェーン保持板６ａは補強
フレーム８ａを介し図１に示す梁５ａ，５ｃに固定され
る。又後方の案内チェーン保持板６ｂは補強フレーム８
ｂを介し梁５ｂ，５ｄに固定される。案内チェーン保持
板６ａ，６ｂは４隅が湾曲するように切欠かれた長方形
状の平板であって、その内周部に矩形の開口が設けられ
ている。案内チェーン保持板６は平板状であるため、そ
の剛性を確保するためにその片面に補強フレーム８が溶
接される。

【００１９】図１に示すように前方の補強フレーム８ａ
は例えば角形の鋼管を額縁状に結合し、その中央部に二
本のフレームを横架した構成となっている。補強フレー
ム８ａは梁５ａ，５ｃにボルト締めにより固定される。
後方の補強フレーム８ｂも同様である。

【００２０】さて図２の案内チェーン７は、一般の動力
伝達用に用いられるローラチェーンで、後述するように
ローラ，リンクプレート，ピンが互いに連結したもので
ある。そして案内チェーン７は案内チェーン保持板６
ａ，６ｂの外周縁部に沿って設けた案内プレート９にロ
ーラが当接するよう固定される。案内プレート９の肉厚
は案内チェーン７のリンクプレート間の間隙よりも薄
く、耐摩耗性の改良された塩化ビニール樹脂により構成
される。

【００２１】次に図１，図２に示すように駆動スプロケ
ット１０ａ〜１０ｈは夫々梁５に支持された軸に回転自
在に取付けられている。前方下部の駆動スプロケット１
０ａは梁５ａの右端に、前方上部の駆動スプロケット１
０ｂは梁５ｃの右端に夫々回転自在に取付けられる。又
前方下部の駆動スプロケット１０ｃは梁５ａの左端に、
前方上部の駆動スプロケット１０ｄは梁５ｃの左端に夫
々回転自在に取付けられる。又後方の駆動スプロケット
１０ｅ〜１０ｈは駆動スプロケット１０ａ〜１０ｄと同
様、後方の梁５ｂ，５ｄに夫々回転自在に取付けられ
る。

【００２２】駆動スプロケット１０は駆動チェーン１１
と噛合して後述するゴンドラを上方又は下方に搬送する
スプロケットである。駆動スプロケット１０ａ，１０ｂ
間には駆動チェーン１１ａが、駆動スプロケット１０
ｃ，１０ｄ間には駆動チェーン１１ｂが夫々張架されて
いる。駆動スプロケット１０ｅ，１０ｆ間には駆動チェ
ーン１１ｃが、駆動スプロケット１０ｇ，１０ｈ間には
駆動チェーン１１ｄが夫々張架されている。駆動チェー
ン１１ａ〜１１ｄは案内チェーン７と同一形状のローラ
チェーンであり、案内チェーン７と間には図示のように
走行スプロケット１２が設けられる。

【００２３】走行スプロケット１２は、歯数が異なるだ
けで駆動スプロケット１０と同一の歯形状を有し、ゴン
ドラ式立体駐車装置のゴンドラ数に対応した数だけ配置
されている。例えばゴンドラの数を８基とすると、案内
チェーン保持板６ａ，６ｂの外周部に沿って等間隔で走
行スプロケット１２が８組配置される。走行スプロケッ
ト１２は駆動チェーン１１が回動すると、案内チェーン
７に案内されて略楕円状に移動する遊星歯車の働きをし
ている。

【００２４】次に図１，図２に示すように、前方及び後
方のの走行スプロケット１２の間には例えばボールベア
リングを介しゴンドラ吊りシャフト１３が回転自在に取
付けられている。ゴンドラ吊りシャフト１３は図示しな
いパレット枠を懸架するもので、棒状又はパイプ状の鋼
材で構成される。

【００２５】ゴンドラ吊りシャフト１３には、夫々２つ
の連結軸受１４が前後の走行スプロケット１２に隣接し
て設けられる。１本のゴンドラ吊りシャフト１３に設け
られる連結軸受１４は４個あり、図２に示すように例え
ば前方の連結軸受１４ａ，１４ｂは夫々連結チェーン１
５ａ，１５ｂを連結している。同様に後方の連結軸受１
４ｃ，１４ｄは夫々連結チェーン１５ｃ，１５ｄを連結
している。このような構造の連結軸受１４が他の７本の
ゴンドラ吊りシャフト１３にも同様に設けられ、夫々連
結チェーン１５を介して８基のゴンドラが互いに連結さ
れている。

【００２６】次に図１，図２に示すように、案内チェー
ン保持板６ａ，６ｂの下部側面に沿って夫々平行に案内
レール１６ａ，１６ｂが設けられる。案内レール１６は
案内チェーン７と平行になるようＵ字形に曲げられたベ
ルト状の金属板である。案内レール１６ａ，１６ｂの左
右端部は駆動チェーン１１と近接する部分で切断されて
おり、最下面に位置するゴンドラの走行スプロケット１
２が駆動チェーン１１と離脱及び係合し易くしている。

【００２７】次に図１，図２に示すように、駐車塔の上
部に位置する前後１組の駆動スプロケット１０は駆動シ
ャフト１７によって連結されている。即ち右側の駆動シ
ャフト１７ａは駆動スプロケット１０ｂ，１０ｆ間に連
結され、左側の駆動シャフト１７ｂは駆動スプロケット
１０ｄ，１０ｈ間に連結される。そして後方の駆動スプ
ロケット１０ｆ，１０ｈが回転すると、その回転トルク
は駆動シャフト１７ａ，１７ｂを介し前方のスプロケッ
ト１０ｂ，１０ｄに伝達される。

【００２８】図２に示すように駆動シャフト１７ａ，１
７ｂの後方には動力伝達ギア１８ａ，１８ｂが取付けら
れている。又後方の梁５ｄの下部に、図示しない駆動モ
ータと減速機構を介して駆動ギア１９が取付けられてい
る。そして駆動ギア１９と動力伝達ギア１８ａ，１８ｂ
間に動力伝達チェーン２０が張架され、駆動モータの回
転トルクが駆動チェーン１１ａ〜１１ｄに伝達される。

【００２９】次にゴンドラ２１について図３，図４，図
５を用いて説明する。図３は８基のゴンドラ２１ａ〜２
１ｈを取付けたゴンドラ駆動機構１の正面図であり、図
４はゴンドラ２１の構成を示す側面図である。図３，図
４に示すように各ゴンドラ吊りシャフト１３にパレット
枠２２が懸架されている。パレット枠２２は、鋼管が逆
Ｕ字状に折り曲げられた吊り下げ部２３と、矩形の床枠
２４が連結されたもので、車両を載置するパレットを保
持する働きをしている。

【００３０】図４に示すようにゴンドラ吊りシャフト１
３にはその左右の端部から内方に向かって第１の案内ロ
ーラ２５，走行スプロケット１２，２個の連結軸受１４
が回転自在に嵌入されている。又連結軸受１４の内方に
はゴンドラ用軸受２６が取付けられている。そしてゴン
ドラ用軸受２６の下部に設けた自在軸受を介し、吊り下
げ部２３が懸架され、これに床枠２４が連結されてい
る。床枠２４はパレットを載置するもので、床枠２４の
後方には第２の案内ローラ２７が水平に２個設けられて
いる。

【００３１】図５は図３に示す最上部に位置するゴンド
ラ２１の案内ローラ２７と、これを案内する第２の案内
レール３０の関係を示す正面図である。案内ローラ２７
は案内ローラ２５と異なり、ゴンドラ２１が駐車塔の最
上部に位置するとき案内レール３０に案内されてゴンド
ラ２１が回動するのを防止するものである。案内レール
３０は左右両端が下方に湾曲した部分を有するレールで
あり、補強フレーム８にステーを介して固定される。更
に案内ローラ２７はゴンドラ２１が駐車塔の最下面に位
置したとき、床面３と当接して車両を入出庫する場合に
生じるゴンドラ２１の振動を防止する働きをしている。

【００３２】図６はゴンドラ吊りシャフト１３の端部に
取付けられた各部材の構成を示す一部断面図である。本
図に示すようにゴンドラ吊りシャフト１３の端部に案内
ローラ２５が回転自在に設けられる。案内ローラ２５は
ゴンドラ２１が駐車塔の最下部にきたとき図２に示す案
内レール１６上を転がり、ゴンドラ２１の総重量を保持
するための部材である。

【００３３】次に連結チェーン１５は、自己のゴンドラ
２１と隣接する他のゴンドラを連結している。連結軸受
１４と連結チェーン１５は、特定のゴンドラ２１が駐車
塔の最上部又は最下部にあるとき走行スプロケット１２
が駆動チェーン１１から外れるので、隣接する両ゴンド
ラの移動力を利用して自己のゴンドラを搬送させるもの
である。又連結チェーン１５は、上下方向に移動するゴ
ンドラ２１の走行スプロケット１２が仮に駆動チェーン
１１から脱離しても、ゴンドラ２１が下方に脱落するの
を防止する働きをしている。

【００３４】図７は走行スプロケット１２と噛合する案
内チェーン７と駆動チェーン１１の係合状態を示す正面
図であり、図８は図７に示すＹ−Ｙ線部分における駆動
チェーン１１と案内プレート９の係合状態を示す断面図
である。図７に示すように案内チェーン７は案内チェー
ン保持板６の外周端面に沿って固定され、割りピン２８
を用いてエンドレス状態に連結される。図８に示すよう
に案内プレート９は案内チェーン６のリンクプレート３
１間に挿入され、ローラ３２と当接して案内チェーン７
が図７の右方向に退行しないよう保持するものである。
又第２の案内プレート２９は案内プレート９と同様、駆
動チェーン１１のリンクプレート間に挿入され、ローラ
と当接して駆動チェーン１１の摺動面を構成するもので
ある。案内プレート２９の材質は耐摩耗性に優れ、摺動
摩擦係数の低いもので、例えば塩化ビニール樹脂により
構成される。

【００３５】以上のように構成された本実施例のゴンド
ラ式立体駐車装置の動作について説明する。先ず図３に
示すように空車のゴンドラ２１ａが駐車塔の最下面に位
置するものとする。次に図１の矢印Ｘ方向へ車両を運転
して、ゴンドラ２１ａのパレット上に移動させる。この
場合車両を含むゴンドラ２１ａの重量は、案内ローラ２
５を介して案内レール１６で支持される。又図５に示す
案内ローラ２７が床面３に当接した場合、ゴンドラ２１
ａは車両の入庫時にゴンドラ吊りシャフト１３を中心と
して回転することはない。

【００３６】次に車両を載置したゴンドラ２１ａが図３
のＰ１に示す位置からＰ３に示す位置に移動する場合を
考える。図２に示す駆動ギア１９が駆動モータにより矢
印Ｄ方向から見て反時計方向（ｃｃｗ）方向に回転する
と、動力伝達チェーン２０もｃｃｗ方向に回転し、動力
伝達ギア１８ａ，１８ｂも同方向に回転する。この回転
トルクは駆動シャフト１７ａ，１７ｂを介し駆動スプロ
ケット１０ｆ，１０ｂと、駆動スプロケット１０ｈ，１
０ｄに伝達される。このため全ての駆動チェーン１１ａ
〜１１ｄは前方から見てｃｃｗ方向に回動する。

【００３７】このとき図３のＰ３に位置するゴンドラ２
１ｃは上方に移動しようとする。同様にＰ７に位置する
ゴンドラ２１ｇは下方に移動しようとする。図７の走行
スプロケット１２が図３のゴンドラ２１ｃのものとする
と、図７において走行スプロケット１２の左側の歯は矢
印Ｈで示す上方に持ち上げられる。このためこの走行ス
プロケット１２は時計方向（ｃｗ）に回動し、案内チェ
ーン７に案内されて上方に移動する。駆動チェーン１１
ｂの回動時に案内プレート２９は駆動チェーン１１ｂの
ローラを押圧しているので、駆動チェーン１１ｂは走行
スプロケット１２に押圧されて左側に退行することな
く、走行スプロケット１２と常時噛合する。

【００３８】又図２の駆動チェーン１１ｄも駆動チェー
ン１１ｂと同様にｃｃｗ方向に回転し、ゴンドラ２１ｃ
は上方に移動する。こうしてゴンドラ２１ｃが上昇する
と、ゴンドラ２１ｃ，２１ｂの連結軸受１４に張架され
た連結チェーン１５により、ゴンドラ２１ｂは上方に持
ち上がる。更にゴンドラ２１ｂ，２１ａ間に張架された
連結チェーン１５も位置Ｐ１のゴンドラ２１ａを左側に
引っ張る。このとき車両を載置したゴンドラ２１ａは案
内ローラ２７に案内されて揺動することなく床面３の左
側に搬送される。やがてゴンドラ２１ａは位置Ｐ２に差
し掛かり、更に上昇すると、案内ローラ２５が案内レー
ル１６から外れる。そしてゴンドラ２１ａの走行スプロ
ケット１２が案内チェーン７に案内されて駆動チェーン
１１ｂと噛合する。この後ゴンドラ２１ａは自己の走行
スプロケット１２により駆動され、更に上方に搬送され
る。こうして図３において各ゴンドラ２１ａ〜２１ｈは
夫々ｃｗ方向に移動する。

【００３９】以上のように各ゴンドラ２１を案内チェー
ン７に沿って搬送したとき、各ゴンドラ２１を連結する
連結チェーン１５の張力は変化する。しかし図６に示す
ように各連結チェーン１５はゴンドラ吊りシャフト１３
に対し連結軸受１４で回動自在に連結されており、且つ
案内チェーン保持板６の下部左右に連結チェーン１５の
張力を与えるシュー（図示せず）が設けられている。そ
のため連結チェーン１５に無理な張力や撓みが生じるこ
となく、ゴンドラ２１は円滑に搬送される。又最上部に
来たゴンドラ２１は、図５に示すように案内ローラ２７
により案内レール３０上を案内されるので、例え地震が
発生してもゴンドラ２１は振り子運動をせず、隣接する
ゴンドラと衝突しない。

【００４０】又図１，図２に示すようにゴンドラ駆動機
構１の上方には、従来例の立体駐車装置に見られるよう
に、駆動モータと連結した大歯車がない。このため駐車
塔の高さをゴンドラ駆動機構１又はフレーム２の高さと
ほぼ同一にすることができ、本実施例のゴンドラ式立体
駐車装置は同一の収納台数を有する従来の立体駐車装置
よりも建築物の高さを低くすることができる。例えばゴ
ンドラ２１の数を８基とするなら、駐車塔の高さを８ｍ
以下にすることができる。

【００４１】又、案内チェーン保持板６の形状をその上
下の縁部が水平方向に長くなるようにすると、同時に複
数の車両を入出庫できる。即ち図３に示す案内チェーン
保持板６と案内レール１６の水平方向の長さを大きくと
ると、例えば２基のゴンドラ２１を床面３に接地させる
ことができる。この場合ゴンドラ式立体駐車装置のゲー
トは２つとなり、入出庫の能率が向上する。又本実施例
のゴンドラ式立体駐車装置では、市販のチェーンとスプ
ロケットを用いてゴンドラ駆動機構を実現することがで
き、立体駐車装置の価格を大幅に低減することができ
る。駆動チェーンが切断しても連結チェーンにより互い
が連結されているため、ゴンドラ２１の脱落事故が防止
できる。

【００４２】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本願の請求項
１の発明によれば、ゴンドラ吊りシャフトに走行スプロ
ケットを設け、この走行スプロケットを駆動チェーンと
案内チェーンを介して駆動するようにしている。このた
めゴンドラ駆動機構は、市販の機構部品を利用して組み
立てることができ、その製造価格が低減できるいう効果
が得られる。又案内チェーンに沿って複数のゴンドラが
搬送されるため、駆動チェーンにはゴンドラの重力も少
なくなり、駆動チェーンの張力が低減でき、ゴンドラが
懸回途中で水平方向に振動しなくなる。更に駐車塔の高
さをゴンドラ数に比較して低くできるという効果が得ら
れる。

【００４３】又本願の請求項２の発明によれば、ゴンド
ラ吊りシャフトの両端部に第１の案内ローラを設け、保
持板の下方縁部に沿って第１の案内レールを設けてい
る。このためゴンドラが循環経路の最下部にきたとき、
走行スプロケットが案内チェーンや駆動チェーンと係合
しなくなっても、ゴンドラの重量を安定して保持でき
る。

【００４４】本願の請求項３の発明によれば、ゴンドラ
の下部に第２の案内ローラを設け、保持板の側面に第２
の案内レールを設けているので、ゴンドラが循環最上部
にきたとき、振り子振動をしなくなる。又ゴンドラが循
環最下部にあるとき、車両を安定して入出庫できる。

【００４５】本願の請求項４の発明によれば、駆動チェ
ーンの垂直循環部に第１の案内プレートを設けているの
で、駆動チェーンの摺動摩擦が低減され、駆動スプロケ
ットが駆動チェーンから外れにくくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるゴンドラ式立体駐車
装置の全体構成を示す斜視図である。

【図２】本実施例のゴンドラ式立体駐車装置におけるゴ
ンドラ駆動機構を示す斜視図である。

【図３】本実施例のゴンドラ式立体駐車装置の構成を示
す正面図である。

【図４】本実施例のゴンドラ式立体駐車装置におけるゴ
ンドラの構成を示す側面図である。

【図５】本実施例のゴンドラ式立体駐車装置におけるゴ
ンドラの構成を示す正面図である。

【図６】本実施例のゴンドラ式立体駐車装置におけるゴ
ンドラ吊りシャフトの端部構造を示す一部断面図であ
る。

【図７】本実施例のゴンドラ式立体駐車装置における走
行スプロケット周辺の構成を示す正面図である。

【図８】本実施例のゴンドラ式立体駐車装置における駆
動チェーンと案内プレートの係合状態を示す部分断面図
である。

【符号の説明】

１ ゴンドラ駆動機構 ２ フレーム ３ 床面 ４ａ〜４ｄ 支柱 ５ａ〜５ｊ 梁 ６ａ，６ｂ 案内チェーン保持板 ７ａ，７ｂ 案内チェーン ８ａ，８ｂ 補強フレーム ９，２９ 案内プレート １０ａ〜１０ｈ 駆動スプロケット １１ａ〜１１ｄ 駆動チェーン １２ 走行スプロケット １３ ゴンドラ吊りシャフト １４ 連結軸受 １５ 連結チェーン １６，３０ 案内レール １７ａ〜１７ｂ 駆動シャフト １８ａ〜１８ｂ 動力伝達ギア １９ 駆動ギア ２０ 駆動伝達チェーン ２１ａ〜２１ｈ ゴンドラ ２２ パレット枠 ２３ 吊り下げ部 ２４ 床枠 ２５，２７ 案内ローラ ２６ ゴンドラ用軸受 ２８ 割りピン ３１ リンクプレート ３２ ローラ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両を載置するゴンドラを複数基設け、
   各ゴンドラをフレーム内のゴンドラ駆動機構を介して垂
   直循環させて複数の車両を格納するゴンドラ式立体駐車
   装置であって、 前記ゴンドラ駆動機構は、 前記ゴンドラの循環駆動源となる駆動モータと、 前記駆動モータと動力伝達機構を介して連結されて回転
   し、フレームの４隅の上下に夫々軸支された複数の駆動
   スプロケットと、 前記上下の駆動スプロケットの間に張架され、前記駆動
   スプロケットの回転により垂直循環する複数の駆動チェ
   ーンと、 前記２つの駆動チェーンの垂直循環部の間に直立して設
   けられ、４隅が円弧状に形成された矩形の一対の保持板
   と、 前記保持板の外周縁部に沿って無端状に回巻固定され、
   前記駆動チェーンと同一ピッチを有する案内チェーン
   と、 前記駆動チェーンと噛合したとき、前記案内チェーンに
   沿って移動する走行スプロケットと、 同一方向及び高さで移動する前記２つの走行スプロケッ
   トの中心軸孔に嵌入され、前記ゴンドラを懸架するゴン
   ドラ吊りシャフトと、 前記ゴンドラ吊りシャフトに回動自在に軸支され、隣接
   する各ゴンドラのゴンドラ吊りシャフトに連結された連
   結部材と、を具備するものであることを特徴とするゴン
   ドラ式立体駐車装置。
2. 【請求項２】 前記ゴンドラ駆動機構は、 前記ゴンドラ吊りシャフトの両端部に回転自在に嵌入さ
   れた第１の案内ローラと、 前記保持板の下方縁部に沿って平行に設けられ、前記第
   １の案内ローラの回転路面となる第１の案内レールと、
   を具備することを特徴とする請求項１記載のゴンドラ式
   立体駐車装置。
3. 【請求項３】 前記ゴンドラ駆動機構は、 前記ゴンドラの下部に設けられ、前記ゴンドラの搬送方
   向に垂直の回転軸を有する第２の案内ローラと、前記保
   持板と平行となるように設けられ、前記ゴンドラが循環
   最上部にきたとき、前記第２の案内ローラの回転路面と
   なる第２の案内レールと、を具備することを特徴とする
   請求項１又は２記載のゴンドラ式立体駐車装置。
4. 【請求項４】 前記ゴンドラ駆動機構は、 前記駆動スプロケットの垂直循環部に設けられ、その端
   面が前記駆動チェーンのローラに当接する第１の案内プ
   レートを具備することを特徴とする請求項１，２又は３
   記載のゴンドラ式立体駐車装置。
5. 【請求項５】 床面に立設した複数組みの支柱、及び前
   記支柱間に結合された複数の梁を含むフレームを有し、
   前記フレームによって前記ゴンドラ駆動機構を床面に対
   して一定高さに保持することを特徴とする請求項１，
   ２，３又は４記載のゴンドラ式立体駐車装置。