JPH06335337A - ゴム製の魚礁 - Google Patents

ゴム製の魚礁

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JPH06335337A
JPH06335337A JP5149820A JP14982093A JPH06335337A JP H06335337 A JPH06335337 A JP H06335337A JP 5149820 A JP5149820 A JP 5149820A JP 14982093 A JP14982093 A JP 14982093A JP H06335337 A JPH06335337 A JP H06335337A
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JP
Japan
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rubber
floating
fish reef
reef
fish
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JP5149820A
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Masanori Yoshinaga
正▲徳▼ 吉永
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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  • Artificial Fish Reefs (AREA)
  • Cultivation Of Seaweed (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水系に昇降可能に浮設される浮上部を備えた
造成・撤収・移設及び点検管理の容易なゴム製の魚礁に
着藻帯とヒビ棚とを垂下し水生植物を繁茂させて水棲動
物の産卵・揺籃場と摂餌場を造成することにより生物相
を多様化させ水産資源の涵養と水系の浄化とを可能にす
る。 【構成】 浮上部とそれに懸架される吊魚礁部とを具備
し、該浮上部から懸架される着藻帯と該浮上部間を揺動
可能に連結するとともにヒビ網,生簀網などを付設する
連結手段が設けられていることを特徴とするゴム製の魚
礁。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は海,河川,湖沼,ダムな
ど(以下水系という)の水中にコンブ,ワカメ,ヒジ
キ,カジメ,ノリなど(以下藻類という)を着床・繁茂
させて貝,エビ,魚など(以下水棲動物という)の摂餌
場・産卵場,揺藍場を造出せしめ水系の生態系を健全化
し水系汚染を防止するとともに水産資源を涵養せしめる
移動・撤収可能で管理の容易なゴム製の魚礁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来法は、コンクリートブロック,岩
石,廃船などを沈めて不動の底置魚礁を造成していた。
【0003】従って、魚礁の単位重掛・排水量当り接液
表面積・空隙率が極めて小さくそれだけ多量の岩石,コ
ンクリートブロックが必要になるので、重量物の荷役設
備・運搬船・投下作業船など大掛りな造成設備機材と段
取が必要になり人手と手間が掛るばかりではなく、造成
作業中の船の転覆・沈没事故防止のため気象条件に厳し
く制約されるなどの問題があった。
【0004】また、造成魚礁の移動・撤収が難しいこ
と、不可視に水没造成されるので航行船舶の座礁因にな
ることなどから底置場所が選定条件の激しい制約を受け
るために水底深度が比較的深い水系に低丘状に水平延展
され勝になり、また造成適否のの綿密且つ大掛りな事前
選定調査が必要になり造成場所を限定され、また底置深
度が深くなる程に透光量が幾何級数的に減衰するために
可着生藻の種類が限定され生物相が単純化し勝になりバ
イオマス効果が低くく、また魚礁造成後の調査・点検に
潜水作業が必要になるので管理が難しいなどの問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する問題点は、底置魚礁の単位重量・排水量当りの接液
表面積及び空隙率が小さく、水棲動物の多様化及びバイ
オマス効果が低く、手繰り上げ、移動・撤収ができず管
理が難しいという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、藻類を着生させて繁茂せしめるとともに水棲動物
の摂飼・揺藍場を造成するゴム製の魚礁において、複数
のゴムタイヤを積み重ねて浮体を装填し且つ該浮体とと
もに締結桿で接合し形成せしめた浮上部と別の複数のゴ
ムタイヤを千鳥絡に積み重ねて締結桿で接合し且つ該浮
上部の下方の離れた水層に該浮上部から懸架し形成され
る吊魚礁とを具備し、該浮上部同志を波動に追随可能に
連結する連結管に垂下されるヒビ棚と該浮上から垂下さ
れ且つ該吊魚礁に下部が係着される着藻帯とを具備して
いることを特徴とするゴム製の魚礁である。
【0007】
【実施例】本発明の実施例を説明図を示した図1と、図
1の浮上部の断面図を示した図2と、図1の吊魚礁部の
平面図を示した図3と、図3の断面図を示した図4に基
づいて説明する。1は浮上部であり、ゴムタイヤ3の内
外面を反転し通液口を設けた環状の波受堰と別のゴムタ
イヤ4の環洞部に発泡スチロール片を樹脂製の叺に詰め
た浮体5とスペイサ管6とを装着してなる浮胴体2と複
数の浮胴体5を円筒形状に積み重ねて形成した中空空間
内に搭載した缶状の浮体15とを具備し、それらを缶体
15の缶体支持板18とともにスペイサ管6を貫通する
締結桿9で接合しロックナット12で締め込み形成され
ている。7と8とは浮上部1の上部と下部とに付設され
た環状の対挟板、10はフック、11はストッパ、14
は浮上部1,1A及び図示しない別の浮上部を波動に追
随可能に直線状・格子状に連結する連結管、13は揺動
・回転可能な連結管の揺動接手である。なお、浮体5は
ピンポン玉を叺詰めしたものでも或は気泡パッキングシ
ートを巻いたものであってもよい。
【0008】また、浮体15の缶体内にはバラスト調整
装置17が付設されたバラスト水タンク16とバッテリ
ィ22と受発信器24と図示しない散気ポンプと水流速
度・水温・風速・風向の自動記録装置と遠隔操作可能な
テレビカメラとが装設され、また缶体上部には太陽光発
電板21と明暗感知センサを内装し自動点・消灯する安
全灯23とアンテナ25と風速計26と風向計27とが
搭載され図示しないが4方向に視窓が設けられている。
なお、19はフランジ、20はボルトナットである。
【0009】28は没水部であり、複数のゴムタイヤ3
3の環洞部にスペイサ管34を装着し千鳥絡に積み重ね
且つスペイサ管34,41を貫通する締結桿37,44
で接合しロックナット40,46で締め込み形成された
吊魚礁32と、吊魚礁32を浮上部1に懸架する懸鎖2
9と、懸鎖29に装脱着されるアワビ,トコブシ,サザ
エなどの稚貝の養殖棚31と、浮上部1と吊魚礁32と
の間に張られる着藻帯30と図示しない散気ノズルとが
設けられている。また、39と43とはフック10に係
着・垂下される懸鎖29と着藻帯30との端部が係着さ
れるフック、35と36とは吊魚礁32の上部と下部と
に付設された環状の対挟板、38,42はストッパであ
る。
【0010】47,47A,47Bは連結管14,14
A,14Bに簾状に係留されたヒビ棚であり、48はフ
ロート、49はヒビ網、50は錘棒、51はフロート4
8の間隔を保持せしめ且つ鳥の自重で反転する鳥追管、
52は錨鋼、53は錨である。
【0011】また、ゴムタイヤ4,33の接液部外面は
酸化鉄、貝粉及びそれらの混合粉粒物を塗布・溶射され
ている。またスペイサ管6,34,41には一端部又は
両端部に鍔金を嵌合した両鍔が備けられている。なお、
Wは水系の水面である。
【0012】以下作用について説明する。上述の構成に
より所定水域に水上運搬・水中牽引した複数の浮上部
1,1A…等にそれぞれ吊魚礁32,32A…等とを投
下・懸架し着藻帯30,30A…等を垂下し且つ浮上部
1,1A…等の間を連結管14で波動に追随可能に直線
状・格子状に連結するとともにヒビ棚47,47A,4
7B…等を延展してゴム製魚礁群を造成し、水棲動物の
遊走子,底生・着生動物の幼生などのプランクトン類を
深度・透光量・水温に応じ広い水域・深度範囲で多種多
様に着床・繁茂させ富栄養化物質を生体吸収・固定させ
て水系を浄化し赤潮発生因を除きつつ水棲動物の産卵
場,摂餌場,揺藍場を造成し生物相を多様化させ生態系
の健全化を計りバイオマス効果を相乗的に向上させると
ともに定期的に移動・手藻り上げて間引き・清掃などの
管理を容易に行ない水産資源を涵養し且つ収穫する。
【0013】また、太陽光発電板21でバッテリィ22
に充電された電力を電源とし自動記録装置の水温・水流
速度・風速・風向データを定期的に読み出して報信さ
せ、遠隔操作のテレビカメラを作動させ、夜間に安全灯
23を自動点灯させ、散気ポンプを駆動する。なお、船
舶との接触・衝突の衝撃をゴムタイヤで吸収・保護し破
損を防ぎ且つ船体への損傷を防止する。
【0014】本実施例のゴム製の魚礁は流れが早く水深
が深い水域の造成に適し、図示しない水流速度計と複数
の水温センサが設けられている。なお、以下の実施例で
は作用の説明は省略する。
【0015】図5は本発明の別の一実施例を示す説明
図、図6は図5の浮上部の平面図、図7は図6の断面
図、図8は図5の底置魚礁部の側面図である。以下図5
〜図8に基づいて説明する。55は浮上部であり、複数
のゴムタイヤ57の環洞部にスペイサ管58を装着する
とともに互に違い棚状にスペイサ管59で支持し且つ挿
設した缶状の浮体71のフラン状の缶体支持板72を組
み込み千鳥絡に積み上げスペイサ管58,59を貫通す
る複数の締結桿62,67で接合しロックナット66,
69で締め込み形成されている浮魚礁56と、透明ガラ
ス鐘体73を備えた缶状の浮体71とからなる。60は
上部フレーム、61は下部フレーム、63,68はスト
ッパ、64,70はフック、65は揺動接手である。
【0016】浮体71の缶体内にはバッテリィ78、受
発信器79、水流速度・水温・風速・風向の自動記録・
報信装置80、遠隔操作のテレビカメラ81、バラスト
タンク106、バラスト水調整装置107及び散気ポン
プ82が装設され、また缶体上部には明暗感知センサを
内装し自動点・消灯する安全灯83及び陣笠75上に搭
載した太陽光発電板77、アンテナ84、風速計85、
風向計86が設けられている。なお、76は陣笠75の
支柱、74は図示しないボルトナットで締結されるフラ
ンジ、87は浮上部55と別の図示しない浮上部とを揺
動接手65で締結し直線状及び格子状に連結する連結管
であり図示しない錨鋼が係着されている。
【0017】88は没水部であり、散気ノズル93を備
えた吊魚礁91と懸鎖89と着藻帯90と係留鎖97と
底置魚礁98とが設けられている。
【0018】吊魚礁91は浮魚礁56から浮体71を取
り外した構造ど同一の構造体であり千鳥絡に積み上げた
ゴムタイヤ92を締結し形成されている。なお、94は
フック64に係着・懸架された懸鎖89の下端が係着さ
れるフック、95はフック70に係着・垂下された着藻
帯90の下端が係着されるフックである。また、10
2,103は吊魚礁91の下部に付設されたフックであ
る。
【0019】底置魚礁98は、複数のゴムタイヤ99の
環洞部にスペイサ管100を装着し千鳥絡にずり上げス
ペイサ管100,101を貫通する複数の締結桿104
で接合しロックナット106で締め込み形成されてい
る。105はストッパ、107はフック102に係着さ
れた係留鎖97の下端が係着されるフックである。な
お、本実施例のゴム製の魚礁は水深の浅い水系域及び護
岸・橋脚沿の水系域における魚礁の造成に適している。
【0020】なお、ゴムタイヤ3,4,33,57,9
2,99は廃タイヤであってもよく、浮体5の発泡スチ
ロールはトロ箱、パッキングなどの廃材片でもよく或は
ゴムタイヤ4,57の開口部をゴム板で接着密閉しても
それらの環洞部に中空ゴムチューブを装填し圧気・密封
してもよく、散気ノズル93などから定期的に酢酸,蟻
酸,クエン酸,リンゴ酸などの有機酸を注入・分散せし
める給酸装置を併設してもよく、また着藻帯30,90
及びヒビ網49は廃魚網であってもよい。
【0021】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、複数のゴム製の魚礁を任意の形状に連結せしめて
もよく、寸法の異なるゴムタイヤを接合したものでもよ
く、ゴムタイヤ同志を接着材で接合してもよくその他本
発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更を加えうることは
勿論である。
【0022】
【発明の効果】
(1)ゴム製の魚礁に浮上部が設けられヒビ棚と着藻帯
とが懸架・垂下されているので、水系の広い表層域と中
層〜深層に至る広範囲の深度幅をカバーし各深度におけ
る水温及び透光強度に適応する各種多様の藻類を着床・
繁茂させ富栄養化物質を生体吸収・固定させて溶存酸素
濃度を高めるとともに水系を浄化し赤潮プランクトンの
発生因を排除し且つ多種・多様の水棲動物の摂飼場・産
卵場・揺藍場を造成し生物相の多様化・個体数の高密度
化・バイオマス効果の向上及び生態系の健全化・水産資
源の涵養を計られる。 (2)ゴム製の魚礁の単位重量・排水量当りの接液表面
積・通液迷路容積が極めて大きいので、着床生物や底生
生物、魚付密度を高め生物相の安定化及び水産物の増産
化を計られる。 (3)ゴム製の魚礁が浮上部を備え且つ軽量なので、魚
礁の造成・移設・撤収が容易であるばかりではなく、手
繰り寄せ・手操り揚げる間引・清掃・刈取などの収穫・
管理及び点検・補修が容易であり人手の大幅な削減が計
られる。 (4)ゴム製の魚礁が軽く弾力性・耐摩耗性に富むの
で、船舶及び岸壁などとの衝突・接触に強く破損するこ
とも相方を損傷させることもないことから護岸沿や岩礁
域などにも配設・係留でき適用水域の大幅な拡大を計ら
れる。 (5)ゴム製の魚礁に廃棄処理・処分を必要とする廃タ
イヤ,発泡スチロール廃棄物及び廃魚網などを流用でき
るので、廃棄物の有効利用・再資源化と公害防止とを計
りながら低簾に製造し普及せしめ水産資源を涵養し環境
保繕を計られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る説明図である。
【図2】図1の浮上部の断面図である。
【図3】図1の吊魚礁部の平面図である。
【図4】図3のII−II断面図である。
【図5】本発明の別の一実施例に係る説明図である。
【図6】図5の浮上部の平面図である。
【図7】図6のIII −III 断面図である。
【図8】図5の底置魚礁部V視側面図である。
【符号の説明】
1,1A,55 浮上部 2 浮胴体 3,4,33,57,92,99 ゴムタイヤ 5,15,71 浮体 14,87 連結管 21,77 太陽発電板 28,88 没水部 29,89 懸鎖 30,90 着藻帯 31 養殖棚 32,91 吊魚礁 47 ヒビ棚 53 錨 97 係留鎖 98 底置魚礁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ゴム製の魚礁
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は海,河川,湖沼,ダムな
ど(以下水系という)の水中にコンブ,ワカメ,ヒジ
キ,カジメ,ノリなど(以下藻類という)を着床・繁茂
させて貝,エビ,魚など(以下水棲動物という)の摂餌
場・産卵場,揺籃場を造出せしめ水系の生態系を健全化
し水系汚染を防止するとともに水産資源を涵養せしめる
移動・撤収可能で管理の容易なゴム製の魚礁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来法は、コンクリートブロック,岩
石,廃船などを沈めて不動の底置魚礁を造成していた。
【0003】従って、魚礁の単位重量・排斥水量当りの
接液表面積・空隙率が極めて小さくそれだけ多量の岩
石,コンクリートブロックが必要になるので、魚礁の造
成時には重量物の荷役設備・運搬船・投下作業船などの
大掛りな造成設備機材と段取が必要になり人手と手間が
掛るばかりではなく、造成作業中の船の転覆・沈没事故
防止のため気象条件に厳しく制約されるなどの問題があ
った。
【0004】また、造成魚礁の移動・撤収が難しく、ま
た不可視に水没造成されて航行船舶の座礁因にもなるこ
とから造成底置場所の選定条件に厳しい制約を受けるの
で、造成適否に綿密且つ大掛りな事前選定調査が必要に
なり造成費用が過大になること、底置深度が深くなる程
に透光量が幾何級数的に減衰し着生藻の種類が限定され
て生物相が単純化し勝になりバイオマス効果を上げ難い
こと、魚礁造成後の調査・点検に潜水作業が必要になり
管理がし難いことなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する問題点は、底置魚礁の単位重量・排斥水量当りの接
液表面積及び空隙率が小さく、水棲生物の多様化が難し
く、バイオマス効果が低く、手繰り上げ操作や移動・撤
収や管理が難しいという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、藻類を着生させて繁茂せしめるとともに水棲動物
の摂餌場と揺籃場とを造成するゴム製の魚礁において、
有蓋円筒缶体状のフロートに外挿し積み重ねた複数のゴ
ムタイヤを締結してなる浮上部と別の複数のゴムタイヤ
を千鳥絡りに締結して該浮上部から下方の水系中に係留
される吊魚礁部とを具備し、該水系で複数の該浮上部間
を風波に追随可能に連絡するとともにヒビ網,生簀網な
どが係着される連結手段を備え随時に移動・撤収可能に
浮設されていることを特徴とするゴム製の魚礁と、該フ
ロートに浮上部を随時に浮沈せしめるバラスト調整装置
が搭載されていることを特徴とするゴム製の魚礁と、該
吊魚礁部に浮上部から垂下された着藻帯が係着されてい
ることを特徴とするゴム製の魚礁とである。
【0007】
【実施例】本発明の実施例を説明図を示した図1と、図
1の浮上部の断面図を示した図2と、図1の吊魚礁部の
平面図を示した図3と、図3の断面図を示した図4に基
づいて説明する。1,1A…等は着藻帯30と吊魚礁部
32とを備え水系に浮設された浮上部であり、2はゴム
タイヤの溝状の環胴にスペイサ管3と浮4とを装填した
浮胴体、5はゴムタイヤの内外面を反転させた波受堰、
14は有蓋円筒缶体状のフロートである。6は締結桿で
あり、フロート14を芯にし外挿した複数の浮胴体2と
波受堰5とをワッシャ11,12及びスペイサ管3を貫
通させてフロート14に付設したフランジ15,16に
締結される。なお、締結桿6には半割フランジ状のスト
ッパ7、ロックナット8、フック9、揺動接手10が付
設され、その上部は図示しない結束桿で連結・補強され
ている。13は連結桿であり、揺動接手10を連結し浮
上部1,1A…等を風波に追随可能に且つ直線状,円形
状,楕円形状,多角形状,格子形状及びそれらを適宜に
組み合わせた形状乃至定置網状に連結し浮上魚礁群を形
成している。また、該浮上魚礁群は錨53又は陸上から
の鎖に係留されている。なお、浮4は発泡スチロールや
空気を封入したミニペットボトルなどを叺やネットなど
の袋に充填したり或は気泡パッキングシートを巻いたも
のである。
【0008】また、浮上部1のフロート14の缶体内に
はバラスト水タンク17とバラスト調整装置18とバッ
テリィ22と受発信器24と遠隔操作可能なテレビカメ
ラ28と図示しない散気ポンプと水流速度・水温・風速
・風向などの環境条件の自動記録装置とが装設され、ま
た缶体上部の透明鐘蓋20には太陽光発電板21と明暗
感知センサを内装し自動点・消灯する安全灯23とアン
テナ25と風速計26と風向計27とが搭載されてい
る。また、19はフロート14の缶体を開閉するフラン
ジである。なお、浮上部1Aには受発信器,テレビカメ
ラ,環境条件の自動記録装置,アンテナ,風速計,風向
計は搭載されていない。
【0009】吊魚礁部32はスペイサ管34が溝状の環
胴に装着された複数のゴムタイヤ33を上部フレーム3
5と下部フレーム36との間に千鳥絡に積み重ね且つス
ペイサ管34,41を貫通する締結桿37,44で接合
しロックナット40,45で締め込み形成され、散気ノ
ズル46が設けられている。29は吊魚礁部32を浮上
部1に懸架する懸鎖、31は懸鎖29に装脱着されるア
ワビ,トコブシ,サザエなどの稚貝の養殖棚、30は浮
上部1と吊魚礁部32との間に張られた着藻帯、39と
43とはフック9に係着・垂下される懸鎖29と着藻帯
30との端部が係着されるフック、38,42はストッ
パである。なお、懸鎖29及び/又は着藻帯30はカ
キ,ホタテなどの貝棚であってもよい。
【0010】47は連結桿13に係留されたヒビ棚であ
り、48は浮、49はヒビ網、50は錘棒、51は浮4
8の間隔を保持せしめるスペイサ管、52は錨53の錨
綱である。
【0011】また、バラスト調整装置18は無線指令に
より浮上部1の浮力を調整し付着生物量とのバランスを
取り或は点検時に昇降操作する。なお、Wは水系の水面
である。
【0012】以下作用について説明する。上述の構成に
より所定水域へ吊魚礁部32と着藻帯30とともに水上
運搬・水中牽引された複数の浮上部1,1A…等は連結
桿13で風波に追随可能に且つ直線状,円形状,楕円形
状,多角形状,格子状及びそれらを適宜に組み合わせた
形状乃至各種定置網伏に連結・配置されて錨53或は陸
上からの鎖に係留されるとともにヒビ棚47が係着・延
展されてゴム製魚礁群を造成し、水棲生物の遊走子や幼
生などを深度・透光量・水温に応じ広い水域・深度範囲
で多種多様に着床・繁茂させ富栄養化物質を生体吸収・
固定させて水系を浄化することにより赤潮発生因を除き
つつ水棲動物の産卵場,摂餌場,揺籃場を造成し生物相
を多様化させて生態系の健全化を計りバイオマス効果を
相乗的に向上させるとともに定期的に移動・手藻り上げ
て間引き・清掃する管理を容易にし水産資源を涵養し且
つ収穫する。
【0013】また、太陽光発電板21で得られた電力を
電源とし図示しない自動記録装置の水温・水流速度・風
速・風向データを呼び出して発信させたり、遠隔操作で
テレビカメラ28を作動させたり、夜間に安全灯23を
自動点灯させたり、図示しない散気ポンプを駆動する。
なお、船舶との接触・衝突の衝撃をゴムタイヤで吸収さ
せて浮上部1,1A…等を保護し破損を防ぎ且つ船体へ
の損傷を防止する。
【0014】本実施例のゴム製の魚礁は流れが遅く水深
が浅い水域での造成に適している。なお、以下の実施例
では作用の説明は省略する。
【0015】図5は本発明の別の一実施例を示す説明
図、図6は図5の浮上部の平面図、図7は図6の断面
図、図8は図5の底置魚礁部の側面図である。以下図5
〜図8に基づいて説明する。55は浮魚礁部56を備え
た浮上部であり、スペイサ管58が溝状の環胴に装着さ
れたゴムタイヤ57を有蓋円筒缶体状のフロート72を
中心に千鳥絡りに積層し且つフレーム70と71との間
に挟み込むとともにフランジ73と74とを介しフロー
ト72に締結されている。60はスペイサ管58を貫通
する締結桿であり、ストッパ61,ロックナット62,
フック63及び揺動接手64が付設されている。66は
スペイサ管59を貫通する締結桿であり、ストッパ6
7,ロックナット68及びフック69が付設されてい
る。なお、65は締結桿60の頂部を環状に連絡・補強
する結束桿である。
【0016】77はフロート72の上部にフランジ76
で締結された透明鐘蓋であり、太陽光発電板82と回転
台に搭載された監視テレビカメラ83とが内装され、ま
た安全灯80とアンテナ81とが外装されている。ま
た、フロート72の缶体内にはバラスト水タンク78と
バラスト調整装置79とバッテリィ84と受信器85と
水温・水流・潜水深度の自動記録・発信器86とが装設
されている。75はフックである。なお、バラスト調整
装置79は無線による潜水指示に基づき浮上タイマの時
間を設定するとともにバラスト水タンク78に導水し浮
上部55を潜水させて強い風波を回避した後に浮上タイ
マの指示でバラスト水を排除し浮上する。また、87は
複数の浮上部55間をその揺動接手64部で連結する連
結桿であり、水系に直線状,円形状,楕円形状,多角形
状,格子状及びそれらを適宜に組み合わせた形状などに
配設し、また適宜に図示しないヒビ網及び/又は生簀網
が装着・延展される。
【0017】90は浮上部55から垂下・係留された吊
魚礁部であり、図示しないスペイサ管が溝状の環胴に装
着された複数のゴムタイヤ91をフレーム93と94と
の間に千鳥絡りに積層するとともに該スペイサ管と外ス
ペイサ管92とを貫通する図示しない締結桿で締結され
ている。95,96はフックである。88はフック69
と95との間を結ぶ懸鎖、89はフック69と96との
間に張られた着藻帯である。97は散気ノズルである。
なお、懸鎖88には図示しない稚貝養殖棚が付設されて
いる。
【0018】100は底置魚礁部であり、溝状の環胴に
スペイサ管102が装着された複数のゴムタイヤ101
を千鳥絡りに積み上げるとともにスペイサ管102,1
03を貫通する締結桿104で締結されている。105
はストッパ、106はロックナット、107はフックで
ある。99はフック75から垂下された係留鎖98の下
端に一端が係着された枝鎖であり、その他端はフック1
07に係着されている。また係留鎖98は図示しない錨
に係留されている。なお、懸鎖88及び/又は着藻帯8
9はカキ,ホヤなどの養殖棚であってもよい。
【0019】なお、本実施例のゴム製の魚礁は強い風波
を潜水回避できるので水深の深い水系域における魚礁の
造成に適している。
【0020】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、ゴムタイヤは廃タイヤであってもよく、浮5の発
泡スチロールはトロ箱,パッキング材などの廃材片でも
よく或はゴムタイヤの開口部をゴム板で接着密閉しても
よく、散気ノズル46,97の近くに定期的に酢酸,蟻
酸,クエン酸,リンゴ酸などの有機酸を注入・分散せし
める給酸装置を設けてもよく、また着藻帯30,89及
びヒビ網49は廃魚網であってもよい。
【0021】また複数のゴム製の魚礁は寸法の異なるゴ
ムタイヤを接合したものでもよく、連結桿13,87は
管,鎖,ワイヤ,竹,丸太など及びそれらを適宜に組み
合わせたものでもよく、ゴムタイヤの表面を熱した酸化
鉄,ゼオライト,硅砂,貝殻などの粉粒物及びこれらを
適宜に組み合わせた混合物で噴射処理しても或は鉄線を
巻いてもよくその他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で
変更を加えうることは勿論である。
【0022】
【発明の効果】 (1)ゴム製の魚礁が水系に昇降可能に浮設された浮上
部とそれに懸架・垂下されたヒビ棚と着藻帯とを備えて
いるので、水系の広い表層域と中層〜深層に至る広範囲
の水圏域とをカバーし得て各深度における水温及び透光
強度に適応する各種多様の藻類を着床・繁茂させて富栄
養化物質を生体吸収・固定させ且つ水中溶存酸素濃度を
高めるとともに水系を浄化し赤潮プランクトンの発生因
を排除しつつ多種多様の水棲動物の摂餌場・産卵場・揺
籃場を造成し生物相の多様化・個体数の高密度化・バイ
オマス効果の向上及び生態系の健全化・水産資源の涵養
を計られる。 (2)ゴム製の魚礁はその単位重量・排斥水量当りの接
液表面積・迷路容積が極めて大きいので、着床生物や底
生生物の密度を高めるとともに生物相の安定化及び水産
物の増産化を計られる。 (3)ゴム製の魚礁が浮上部を備え且つ軽量なので、魚
礁の造成・移設・撤収が容易であるばかりではなく、手
繰り寄せ・手操り揚げる間引・清掃・刈取などの収穫・
管理及び点検・補修が容易であり人手の大幅な削減が計
られる。 (4)ゴム製の魚礁が軽く弾力性・耐摩耗性に富むの
で、船舶及び岸壁などとの衝突・接触で破損することも
損傷させることもないことから護岸沿や岩礁域などにも
配設・係留でき適用水域の大幅な拡大を計られる。 (5)ゴム製の魚礁に廃棄処理・処分を必要とする廃タ
イヤ,発泡スチロール廃棄物及び廃魚網などが流用でき
るので、廃棄物の有効利用・再資源化と公害防止とを計
りながら低簾に製造し普及せしめて水産資源を涵養する
とともに環境保繕を計られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る説明図である。
【図2】図1の浮上部の断面図である。
【図3】図1の吊魚礁部の平面図である。
【図4】図3のII−II断面図である。
【図5】本発明の別の一実施例に係る説明図である。
【図6】図5の浮上部の平面図である。
【図7】図6のIII−III断面図である。
【図8】図5の底置魚礁部のV視側面図である。
【符号の説明】 1,1A,55 浮上部 2 浮胴体 13,87 連結桿 14,72 フロート 18,79 バラスト調整装置 29,88 懸鎖 30,89 着藻帯 31 養殖棚 32,90 吊魚礁部 47 ヒビ棚 56 浮魚礁部 100 底置魚礁部
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図6】
【図8】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 藻類を着生させて繁茂せしめるとともに
    水棲動物の摂飼・揺藍場を造成するゴム製の魚礁におい
    て、複数のゴムタイヤを積み重ねて浮体を装填し且つ該
    浮体とともに締結桿で接合し形成せしめた浮上部と別の
    複数のゴムタイヤを千鳥絡に積み重ねて締結桿で接合し
    且つ該浮上部の下方の離れた水層に該浮上部から懸架し
    形成される吊魚礁とを具備し、該浮上部同志を波動に追
    随可能に連結する連結管に垂下されるヒビ棚と該浮上部
    から垂下され且つ該吊魚礁に下部が係着される着藻帯と
    を具備しいることを特徴とするゴム製の魚礁。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001321007A (ja) * 2000-05-10 2001-11-20 Nippon Solid Co Ltd タイヤ魚礁
KR20200131077A (ko) * 2019-05-13 2020-11-23 배헌민 김 양식 자동화 시스템

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