JPH06334018A - Ｉｃハンドラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】動作コントローラ３が供給エア切替えバルブ１
２に切替え動作指令を出力してから、ピストンロッド後
退端の位置検出センサ５のオフ反応及びピストンロッド
前進端の位置検出センサ４のオン反応するまでの経過時
間を計測し、正常動作最大時間との比較を行い正常・異
常の自己診断を行う機能を有したＩＣハンドラ。 【効果】ハンドラの性能低下を検出し、装置停止トラブ
ルを未然に防ぐ効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエアシリンダを構成部品
とする装置において、エアシリンダの動作不良を検出す
るＩＣハンドラに関する。

【０００２】

【従来の技術】エアシリンダの動作コントローラと供給
エア切替えバルブ及びエアシリンダ各部の関係を図１に
示す。複数のエアシリンダを有する装置の動作コントロ
ーラ３は供給エア切替えバルブ１２に切替え動作指令を
出し、シリンダケーシング１への圧縮空気を供給を切替
えることにより、ピストンロッド２を前進・後退させ、
ピストンロッド前進端位置検出センサ４とピストンロッ
ド後退端位置検出センサ５により、ピストンロッド２の
前進端・後退端への到達を確認し、各エアシリンダと連
結しているメカニカル部品の干渉を防いでいる。しか
し、ピストンロッド２のエアシールの摩耗によるエア洩
れや固渋が発生すると、ピストンロッド２の動作速度が
低下し、装置本来の動作性能は低下してしまう。なお、
この種の装置として関連するものには特開昭63−63325
号公報がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、図
２の様にエアシリンダのピストンロッド２からのエア洩
れ，ロッド側エア配管６からのエア洩れ，シリンダケー
シング１の内周面のきず等によるエアシリンダ動作速度
低下と動作不良の検出ができずに、装置の性能が低下し
た状態で運転を続けてしまう問題があった。

【０００４】本発明の目的はピストンロッドの動作時間
を検出して動作不良の早期検出を可能とする方法を提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は動作コントローラが供給エア切替えバルブ
に切替え動作指令を出力してから、ピストンロッドが動
作する前の停止位置でオン反応していたピストンロッド
検出センサがオフ反応するまでの時間とピストンロッド
の動作端のピストンロッド検出センサがオン反応するま
での時間を計測する方法を採用するものである。又、装
置本来の運転とは別に各エアシリンダを一本ずつ動作さ
せた状態で計測する方式を採用することで供給エアの圧
力と流量の変動による影響を少なくし、計測精度を向上
させている。

【０００６】

【作用】図３に本発明の計測タイミングチャートを示
す。動作コントローラは供給エア切替えバルブに対して
切替え動作指令を出力すると同時に動作経過時間ｔ１の
計測を開始し、ピストンロッドの動作する前の停止位置
でオン反応していたピストンロッド後退端位置検出セン
サ５がオフ反応した時点で計測を終了する。又、動作経
過時間ｔ１の計測終了と同時に動作経過時間ｔ２の計測
を開始し、エアシリンダの動作端のピストンロッド前進
端位置検出センサ４がオン反応した時点で計測を終了す
る。この計測時間ｔ１があらかじめ登録された正常動作
最大時間Ｔ１より小さければ正常とし、大きければ供給
エアの配管のエア洩れ異常と判断する。また、計測時間
ｔ２があらかじめ登録された正常動作最大時間Ｔ２より
小さければ正常とし、大きければシリンダケーシングの
内周面のきずや固渋異常と判断する。この動作・計測を
装置の各エアシリンダの往・復動作について一つずつ行
い、それぞれの動作毎に登録された正常動作最大時間Ｔ
１，Ｔ２と比較判断を自動的に行うことで、全エアシリ
ンダの動作不良の自己診断が可能となる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図４，図５，図６
により説明する。図４はハンドラのＩＣ部品搬送装置の
構成を示し、図５はその装置の本来の運転動作を示すフ
ローチャートであり、図６は本発明による動作不良自己
診断動作のフローチャートを示す。

【０００８】図４に示す装置ではハンドラベース８上に
エアシリンダ固定ブラケット９，ガイドレール１０，動
作コントローラ３，供給エア切替えバルブ１２が取り付
けてある。エアシリンダ固定ブラケット９にシリンダケ
ーシング１が取り付き、ガイドレール１０上をスライド
するスライドテーブル１１はピストンロッド２に連結し
てある。シリンダケーシング１にはピストンロッド２の
前進端と後退端を検出するためのピストンロッド前進端
位置検出センサ４とピストンロッド後退端位置検出セン
サ５が取り付けてある。動作コントローラ３は検出セン
サ配線１３でピストンロッド前進端位置検出センサ４と
ピストンロッド後退端位置検出センサ５に接続して、セ
ンサ反応状態を信号として取り込んでいる。また、動作
コントローラ３はバルブ配線１４で供給エア切替えバル
ブ１２に接続して、切替え動作指令信号を供給エア切替
えバルブ１２に出力している。供給エア切替えバルブ１
２はエアシリンダケーシング１のロッド側にロッド側エ
ア配管６とエンド側にエンド側エア配管７で配管接続し
てあり、動作コントローラ３からの切替え動作指令信号
により供給エア配管１５からの圧縮エアをロッド側エア
配管６とエンド側エア配管７に供給切替えを行うもので
ある。

【０００９】本装置はスライドテーブル１１内のＩＣ部
品を次工程の装置が受け取り可能な位置へ搬送する装置
であり、通常運転時の動作は図５に示す様に、動作コン
トローラ３はシリンダケーシング１のエンド側エア配管
７に圧縮エアを供給した（ステップ６３）後、ピストン
ロッド前進端位置検出センサ４のオンを確認し（ステッ
プ６４）、動作終了したものとしている。

【００１０】本発明の動作不良自己診断動作は図６に示
す様に、動作コントローラ３からの切替え動作指令信号
により、供給エア切替えバルブ１２はシリンダケーシン
グ１のエンド側エア配管７に圧縮エアを供給した（ステ
ップ５１）後、ピストンロッド後退端位置検出センサ５
がオフするまで（ステップ５２）の経過時間ｔ１を０.
０１秒単位(実用上の数値であり、他の値でも計測は可
能である）で計測し（ステップ５３）、経過時間ｔ１が
あらかじめ登録してある正常動作最大時間Ｔ１以上とな
った場合（ステップ５４）は供給エアの洩れ・シリンダ
の不良・コントローラの不良があると判断しエラー停止
となる（ステップ５５）。経過時間ｔ１が正常動作最大
時間Ｔ１を超える前にピストンロッド後退端位置検出セ
ンサ５がオフした場合（ステップ５６）は、ピストンロ
ッド前進端位置検出センサ４がオンするまで（ステップ
５７）の経過時間ｔ２を０.０１秒単位で計測し(ステッ
プ５８）、経過時間ｔ２があらかじめ登録してある正常
動作最大時間Ｔ２以上となった場合（ステップ５９）は
シリンダケーシング１の内周面のきずや固渋があると判
断しエラー停止となる（ステップ６０）。経過時間ｔ２
が正常動作最大時間Ｔ２を超える前にピストンロッド前
進端位置検出センサ４がオンした場合（ステップ６１）
は正常動作となる（ステップ６２）。ハンドラは一ロッ
ト自動運転前に自動的に図６の動作不良自己診断動作を
全エアシリンダの前進方向と後退方向に一方向ずつシー
ケンシャルに行うことで、各エアシリンダの動作不良を
自動発見できる。

【００１１】また、装置が長期連続運転の時は、図５の
通常運転のステップ６１の動作部を図６のステップ５２
〜６１の動作に置き換えて運転することも可能である。

【００１２】

【発明の効果】本発明は、ハンドラを構成する各エアシ
リンダの動作不良の早期検出が可能となり、装置停止時
のトラブルを未然に防ぐ効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】エアシリンダの動作コントローラとエアシリン
ダ各部の関係を示す説明図。

【図２】エアシリンダのエア洩れ状態の一例を示す断面
図。

【図３】本発明で採用した計測方法のタイミングチャー
ト。

【図４】本発明を採用した実施例の斜視図。

【図５】実施例の通常動作を示すフローチャート。

【図６】実施例の動作不良自己診断動作を示すフローチ
ャート。

【符号の説明】

１…シリンダケーシング、２…ピストンロッド、３…動
作コントローラ、４…ピストンロッド前進端位置検出セ
ンサ、５…ピストンロッド後退端位置検出センサ、６…
ロッド側エア配管、７…エンド側エア配管、１２…供給
エア切替えバルブ、１３…検出センサ配線、１４…バル
ブ配線、１５…供給エア配管。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾川 健男 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所清水工場内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】装置を構成しているシリンダの動作開始遅
   れ時間と動作時間を計測する機能を有することを特徴と
   するＩＣハンドラ。