JPH06331649A - 加速度センサおよびその製造方法 - Google Patents

加速度センサおよびその製造方法

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JPH06331649A
JPH06331649A JP13955593A JP13955593A JPH06331649A JP H06331649 A JPH06331649 A JP H06331649A JP 13955593 A JP13955593 A JP 13955593A JP 13955593 A JP13955593 A JP 13955593A JP H06331649 A JPH06331649 A JP H06331649A
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electrode
silicon
acceleration sensor
movable
fixed
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JP13955593A
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Inventor
Yasuhiro Negoro
泰宏 根来
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加速度センサの固定部および可動部の電極間
に微小隙間を確保した状態で、電極の有効面積を大きく
して検出感度を高める。 【構成】 加速度センサ31の固定部32および可動部
34を2枚のシリコンウエハ41,41′から形成す
る。これにより、固定部32,可動部34の電極板33
A,38Aの厚さ寸法を大きくでき、各電極板33A,
38A間の微小隙間を確保すると共に、有効面積を大き
くする。また、シリコンウエハは何層にも積層化するこ
とができ、検出感度を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車両等の加速度
を検出するのに好適に用いられる加速度センサおよびそ
の製造方法に関し、特に小型,高感度な加速度センサお
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両等の加速度や回転方向を検
出するのに用いられる加速度センサは、電極板間の静電
容量を利用して検出するもので、例えば特開平3−94
169号公報および特開昭62−232171号公報等
によって知られている。
【0003】しかし、これらの加速度センサは、固定部
と可動部との対向する電極のなす面積(以下、「有効面
積」という)が小さくその離間寸法が大きいために、検
出感度が小さくなり高精度の加速度検出を行うことがで
きなかった。
【0004】一方、例えば特開平4−115165号公
報に記載の加速度センサ(以下、他の従来技術という)
では、固定電極および可動電極にくし状電極を用い、電
極間の有効面積を大きくして検出感度を向上させるよう
にしている。
【0005】そして、この他の従来技術による加速度セ
ンサは、一端がベースに固定され他端が水平方向に振動
可能な重りとなった片持梁と、該片持梁に一体形成され
た可動側のくし歯状電極部と、該可動側のくし歯状電極
部と非接触でかみ合わされた固定側のくし歯状電極部を
有し、前記ベースに固定されたくし歯状固定板とから構
成され、前記重りに加速度が加わったときに、可動側の
くし歯状電極部と固定側のくし歯状電極部との有効面積
を変化させ、この変化を静電容量として検出し、加速度
に応じた検出信号を得るものである。
【0006】しかし、この他の従来技術では、シリコン
のエッチング加工技術を利用して各くし歯状電極部を形
成するときに、シリコンの一側面からのみエッチング処
理を施しているから、それぞれのエッチング面が傾いて
しまい、各電極部間の離間寸法を小さくすると、シリコ
ンの他側面部位で各電極部が接触してしまうことがあ
り、各電極部間の離間寸法を小さくできないという欠点
がある。
【0007】即ち、シリコンウエハの厚さは数百μmの
ものが通常使用され、この厚さをそのまま各電極部の厚
さ寸法とすると、先の理由によりエッチング面が傾いて
離間寸法を小さくすることが困難となる。一方、始めか
ら厚さが数10μm程度に形成されたシリコンウエハを
用いることも考えられるが、この場合にはシリコンウエ
ハの強度が弱くなり、運搬時等に破損してしまう。
【0008】そこで、上述した従来技術の問題を解消す
るために、本発明者は図10ないし図19に示す如き加
速度センサおよびその製造方法を検討した(以下、「先
行技術」という)。
【0009】即ち、図10ないし図19において、1は
加速度センサ、2は絶縁基板としてのガラス基板を示
し、該ガラス基板2上には後述する固定部3,3および
可動部5が形成されている。また、該ガラス基板2には
矩形状の凹溝2Aが形成され、該凹溝2A上に位置する
可動部5の質量部8および可動側くし状電極9は矢示A
方向(加速度が加わる方向)に変位可能となっている。
【0010】3,3は低抵抗を有するシリコン材料によ
り形成された一対の固定部を示し、該各固定部3は前記
ガラス基板2の左,右に離間して位置し、それぞれ対向
する内側面には複数(例えば5枚)の薄板状の電極板4
A,4A,…が突出形成され、該各電極板4Aは固定電
極としての固定側くし状電極4,4をそれぞれ構成して
いる。
【0011】5は低抵抗を有するシリコン材料により形
成された可動部を示し、該可動部5は、前記ガラス基板
2の前,後に離間してガラス基板2に固着された支持部
6,6と、該各支持部6に梁7,7を介して支持され、
前記各固定部3の間に配設された質量部8と、該質量部
8から左,右方向にそれぞれ突出形成された複数(例え
ば5枚)の薄板状の電極板9A,9A,…を有する可動
側くし状電極9,9とから構成され、前記各梁7は質量
部8を矢示A方向に変位させるように薄板状に形成され
ている。そして、前記各可動側くし状電極9の各電極板
9Aは前記各固定側くし状電極4の各電極板4Aと微小
隙間を介して互いに対向するようになっている。
【0012】次に、図12ないし図19に先行技術によ
る加速度センサ1の製造方法について述べる。
【0013】まず、図12中の11はシリコン板として
のシリコンウエハを示し、該シリコンウエハ11は例え
ば直径7.5〜15.5(cm),厚さ300μm程度
の円板状に形成されている。
【0014】次に、前記シリコンウエハ11の一側面に
固定部3および可動部5を分離して形成するため、溝1
2以外の部分をマスキングした後に、第1のエッチング
工程によって、一側面から所定時間の間、ドライエッチ
ングとしてのRIE(リアクティブイオンエッチング)
またはウエットエッチングとしての異方性エッチングを
施し、図13のように所定深さの溝12を形成する。な
お、シリコンウエハ11には図18および図19に示す
ように、複数個の加速度センサ1を一度に形成するため
に、溝12はシリコンウエハ11の一側面で全て連通す
るようになっている。
【0015】一方、図14に示すようにシリコンウエハ
11と同じ大きさとなる円板状のガラス基板13を用意
しておき、該ガラス基板13の一側面にはガラスエッチ
ング(ガラスエッチング工程)を施すことにより、図1
5のような矩形状の凹部13A(凹溝2A)を形成す
る。
【0016】次に、図16に示す接合工程では、前記第
1のエッチング工程で溝12を図13の如く形成したシ
リコンウエハ11を一側面が下側に向くように反転さ
せ、凹部13Aが形成されたガラス基板13の一側面に
シリコンウエハ11の一側面を陽極接合させ、シリコン
ウエハ11とガラス基板13とを一体にする。
【0017】さらに、図17に示す第2のエッチング工
程では、シリコンウエハ11の厚みを薄くするように、
該シリコンウエハ11の他側面からRIEまたはウエッ
トエッチングを施し、前記溝12が貫通するまでエッチ
ングを行う(即ち、前記溝12のレベルまでシリコンウ
エハ11を上側から溶かして削除する)ことにより、加
速度センサ1となる固定部3および可動部5をガラス基
板13上に複数個形成する(図18および図19参
照)。なお、可動部5では支持部6,6のみがガラス基
板13上に固着され、梁7,7、質量部8および可動側
くし状電極9,9は前記凹部13A上に位置して、該質
量部8等は各梁7により矢示A方向に移動可能になって
いる。
【0018】そして、図19に示すように、ガラス基板
13上に形成された複数個の加速度センサ1をチップ
(5mm角)の大きさに点線の位置で切断することによ
って、一度の製造工程で加速度センサ1を例えば52個
製造する。
【0019】このように構成される先行技術による加速
度センサ1は、外部から矢示A方向の加速度が加わる
と、質量部8が各支持部6に対し各梁7を介して変位
し、可動側くし状電極9の各電極板9Aが固定側くし状
電極4の各電極板4Aに対して接近または離間するの
で、このときの離間寸法の変位を静電容量の変化として
外部の図示しない信号処理回路に出力し、該信号処理回
路ではこの静電容量の変化に基づき前記加速度に応じた
信号を出力する。
【0020】そして、この加速度センサ1では、可動側
くし状電極9および固定側くし状電極4の各電極板9
A,4Aの間で静電容量の変化として加速度を検出して
おり、該各電極板9A,4Aはそれぞれ電気的に並列接
続されているから、各電極板9A,4A間の静電容量を
それぞれ加算した値となる全体の静電容量から加速度を
検出でき、検出感度を高め、加速度の検出精度を向上さ
せることができる。
【0021】また、先行技術による加速度センサ1の製
造方法においては、例えば厚さ300μmのシリコンウ
エハ11を第2のエッチング工程で数10μm程度まで
薄くすることによって、固定部3および可動部5等を分
離して形成しており、第1のエッチング工程で形成され
る溝12の深さ寸法に基づき固定部3,可動部5等の厚
さ寸法が決められるから、溝12の深さ寸法を調整する
ことによって、各電極板4A,9Aの面積を調整するこ
とができる。また、シリコンウエハ11の一側面および
他側面に対して第1および第2のエッチング工程でそれ
ぞれエッチング処理を行っているから、シリコンウエハ
11の厚さをガラス基板13上で薄くでき、くし状電極
4,9の各電極板4A,9Aの離間寸法を微小隙間とし
て確保できる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、加
速度センサの検出感度を高めるためには、電極板間の距
離を小さくすると共に、対向する電極板の有効面積を大
きくすれば良いことは知られている。
【0023】しかし、上述した先行技術の加速度センサ
1では、くし状電極4,9の各電極板4A,9Aの離間
寸法を確実に確保するためには、ガラス基板13上に形
成される固定部3および可動部5の厚さを薄くしなけれ
ばらなず、この場合には、各電極板4A,9A間の厚さ
寸法が小さくなり有効面積が小さくなる。これにより、
加速度センサの検出感度を高めることができないという
問題がある。
【0024】また、加速度センサの検出感度を単に向上
させるためには、先行技術による加速度センサ1を複数
個用いるようにすればよいが、この場合には部品点数が
増えると共に、各加速度センサ1のノイズも加算され、
正確な加速度を検出することができない。
【0025】さらに、別の方法としては、各電極板4
A,9A間の面積を大きくするために、該各電極板4
A,9Aの突出長を長くすることも可能であるが、この
場合には加速度センサ自体の横方向寸法が大きくなると
いう問題がある。
【0026】本発明は上述した先行技術の問題に鑑みな
されたもので、小型,高感度な加速度センサおよびその
製造方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明による加速度センサは、絶縁基板と、該
絶縁基板上に設けられ、シリコン板をエッチング処理す
ることにより互いに分離して形成された固定部および可
動部とを備え、該固定部には固定電極を一体に形成し、
前記可動部には、該固定電極と微小隙間を介して対向す
る可動電極と、外部からの加速度により該可動電極を固
定電極に対して接近,離間させる質量部と、該質量部に
梁を介して連結され、該質量部および可動電極を前記絶
縁基板上で変位可能に支持する支持部とを一体に形成す
ることによって構成される。そして、本発明が採用する
構成の特徴は、前記固定部および可動部は少なくとも2
枚以上のシリコン板を前記絶縁基板上に積層化して形成
したことにある。
【0028】この場合、前記可動部の可動電極は質量部
からくし状に突出する複数の電極板によって形成し、前
記固定部の固定電極は該可動電極の各電極板に対して微
小隙間を介して対向するくし状の複数の電極板によって
形成することが望ましい。
【0029】また、本発明による加速度センサの製造方
法は、シリコン板に一側面からエッチング処理を施し、
固定部と可動部とを分離するための溝をシリコン板の一
側面に形成する第1のエッチング工程と、該第1のエッ
チング工程で一側面に前記溝を形成した2枚のシリコン
板をそれぞれの溝が正対するように一側面で接合する第
1の接合工程と、該第1の接合工程で接合した2枚のシ
リコン板のうち、一方のシリコン板の他側面からエッチ
ング処理を施し、前記各溝を外部に露出させる第2のエ
ッチング工程と、該第2のエッチング工程で前記各溝を
外部に露出させた後に、前記各シリコン板のうち、他方
のシリコン板の他側面が上側になるように前記各シリコ
ン板を反転し、該各シリコン板を絶縁基板上に接合する
第2の接合工程と、前記各シリコン板を絶縁基板上に接
合した状態で、前記他方のシリコン板に他側面からエッ
チング処理を施し、前記各シリコン板に固定部と可動部
とを分離して形成する第3のエッチング工程とからな
る。
【0030】さらにこの場合、前記第1のエッチング工
程、第1の接合工程および第2のエッチング工程を複数
回繰返すことにより、シリコン板を少なくとも3層以上
積層化し前記各溝を外部に露出させることが望ましい。
【0031】
【作用】上述の如く構成される加速度センサでは、固定
部および可動部を少なくとも2枚以上のシリコン板を絶
縁基板上に積層化して形成することにより、固定部の固
定電極および可動部の可動電極とを微小隙間を介して対
向させると共に、該各電極による有効面積を大きくする
ことができる。
【0032】この場合、前記可動部の可動電極および固
定部の固定電極をくし状の電極として形成することによ
り、電極間の有効面積を効果的に大きくでき、それぞれ
の電極板を微小隙間を介して対向させることができる。
【0033】また、加速度センサの製造方法において
は、第1のエッチング工程によりシリコン板の一側面に
溝をそれぞれ形成し、第1の接合工程により2枚のシリ
コン板をそれぞれの溝が正対するように接合し、第2の
エッチング工程により2枚のシリコン板のうち、一方の
シリコン板の他側面から各溝を外部に露出させ、第2の
接合工程により一方のシリコン板の一側面を絶縁基板上
に接合し、第3のエッチング工程により各シリコン板に
固定部と可動部とを分離して形成する。そして、固定部
と可動部とを微小隙間を介して離間することができる。
【0034】この場合、第2のエッチング工程と第2の
接合工程の間に第1のエッチング工程および第1の接合
工程を繰返すことにより、シリコン板を何層にも積層化
することができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図9に基
づいて説明する。なお、実施例では前述した先行技術と
同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。
【0036】まず、図1ないし図8に本発明の第1の実
施例を示す。
【0037】図中、31は本実施例による加速度センサ
を示し、該加速度センサ31は先行技術による加速度セ
ンサ1とほぼ同様に構成され、絶縁基板としてのガラス
基板2上には後述する固定部32,32および可動部3
4等が一体的に形成されている。
【0038】32,32は固定部を示し、該各固定部3
2は固定電極としての固定側くし状電極33,33を有
してガラス基板2の左,右に離間して形成され、それぞ
れ対向する内側面に複数の薄板状の電極板33A,33
A,…が突出されている。
【0039】34は可動部を示し、該可動部34は、ガ
ラス基板2の前,後に離間して配設された支持部35,
35と、該各支持部35に梁36,36を介して支持さ
れ、前記各固定部32間に配設された質量部37と、該
質量部37から左,右方向に突出形成された薄板状の電
極板38A,38A,…を有する可動側くし状電極3
8,38とを一体的に形成することによって構成されて
いる。
【0040】ここで、本実施例による加速度センサ31
の特徴は、次に説明する製造方法により製造することに
より、前記各固定部32および可動部34の厚さ寸法
は、先行技術の加速度センサ1の固定部3および可動部
5の厚さ寸法の2倍の厚さになっている。
【0041】本実施例の加速度センサ31は上述の如き
構成を有するもので、次に、図3ないし図8を参照し
て、当該加速度センサ31の製造方法について述べる。
【0042】まず、41はシリコン板としてのシリコン
ウエハを示し、該シリコンウエハ41には一側面に溝4
2以外の部分をマスキングした後に、第1のエッチング
工程によって、一側面から所定時間の間、ドライエッチ
ングとしてのRIE(リアクティブイオンエッチング)
またはウエットエッチングとしての異方性エッチングを
施し、図4のように所定深さの溝42が形成される。な
お、図4中の上側に位置するシリコンウエハ41は第1
のエッチング工程により形成された一方のシリコンウエ
ハを反転させたもので、シリコンウエハ41′は第1の
エッチング工程により別途に形成された他方のシリコン
ウエハである。
【0043】次に、接合工程では、図4に示す如く、第
1のエッチング工程により一側面に溝42,42′を形
成した2枚のシリコンウエハ41,41′のうち、一方
のシリコンウエハ41を反転させ、それぞれの一側面、
即ち溝42,42′が正対するように位置合わせした後
に、一側面同士でシリコンの直接接合を行って、図5に
示すようにシリコンウエハ41,41′を一体にする。
【0044】さらに、上側に位置した一方のシリコンウ
エハ41の他側面からRIEまたはウエットエッチング
を施し(第2のエッチング工程)、前記溝42,42′
が露出するまで、即ち図5に点線で示す厚さTのレベル
までシリコンウエハ41を上側から溶かして削除し、図
6に示すように、上側のシリコンウエハ41を介して溝
42,42′が上側に露出するようになる。
【0045】次の、第2の接合工程では、図6のシリコ
ンウエハ41,41′を他方のシリコンウエハ41′の
他側面が上側を向くようにシリコンウエハ41,41′
を反転させ、一側面に凹部13Aを有するガラス基板1
3上にシリコンウエハ41の一側面を陽極接合してシリ
コンウエハ41,41′とガラス基板13とを一体にす
る。
【0046】さらに、上側に位置した 方のシリコンウ
エハ41′の他側面からRIEまたはウエットエッチン
グを施し(第3のエッチング工程)、前記溝42,4
2′が露出するまで、即ち図7に点線で示す厚さTのレ
ベルまでシリコンウエハ41′を上側から溶かして削除
し、図8に示すように、上側のシリコンウエハ41を介
して溝42,42′を上側に露出させる。この後に、ガ
ラス基板13を図8の点線に沿って切断することによっ
て、加速度センサ31を複数個製造する。
【0047】このように加速度センサ31の固定部32
および可動部34はシリコンウエハ41,41′をエッ
チングすることにより形成されているから、先行技術の
加速度センサ1の固定部3および可動部5の厚さ寸法の
2倍となり、くし状電極33,38の対向する各電極板
33A,38Aの有効面積を2倍の大きさにすることが
できる。
【0048】また、各電極板33A,38Aは個々のシ
リコンウエハ41,41′毎に形成しているから、該各
電極板33A,38A間の離間寸法は微小隙間を確保す
ることができる。
【0049】さらに、質量部37においてもシリコンウ
エハ41,41′により形成されているから、該質量部
37の重量も重くすることができる。
【0050】然るに、前記固定側くし状電極33の各電
極板33Aと可動側くし状電極38の各電極板38Aと
を微小隙間を介して対向させ、かつ対向する各電極板3
3A,38Aの有効面積を大きくすることができると共
に、質量部37を重くすることにより、加速度センサ3
1の検出感度を高めることができる。
【0051】一方、固定部32および可動部34の厚さ
寸法を変えることにより有効面積を大きくすることがで
きるから、先行技術の加速度センサ1と同じ感度にする
場合には、各電極板33A,38Aの長さを短くして加
速度センサの外形を小さくでき、小型化を図ることがで
きる。
【0052】次に、図9に本発明の第2の実施例を示す
に、本実施例による加速度センサ51の特徴は、前述し
た第1の実施例のシリコンウエハ41,41′に加えて
シリコンウエハ41″を加えた3枚で固定部32および
可動部34を形成したことにある。
【0053】また、製造工程においては、第2のエッチ
ング工程と第2の接合工程の間に、図6に示すシリコン
ウエハ41,41′の溝42,42′の露出側となる一
方のシリコンウエハ41の一側面に第1のエッチング工
程で形成されたシリコンウエハ41″の一側面を直接接
合(第1の接合工程)させ、再び第2のエッチング工程
を行うようにして溝42,42′,42″が露出するよ
うにシリコンウエハ41,41′,41″を形成した後
に、第2の接合工程および第3のエッチング工程を行う
ようにする。
【0054】然るに、本実施例における加速度センサ5
1は、対向する各電極板33A,38Aの有効面積を大
きくすることができ、第1の実施例の加速度センサ31
よりも検出感度を向上させることができる。
【0055】なお、前記各実施例では、ガラス基板13
上に位置する固定部32および可動部34を2枚のシリ
コンウエハ41,41′または3枚のシリコンウエハ4
1,41′,41″から形成するようにしたが、本発明
はこれに限らず、固定部32および可動部34を4枚以
上のシリコンウエハで形成してもよく、この場合には、
製造工程において、第2のエッチング工程と第2の接合
工程の間で、第1の接合工程と第2のエッチング工程を
繰返すことにより、シリコンウエハを何層でも積層化す
ることができる。
【0056】また、前記各実施例では、第1,第2およ
び第3のエッチング工程において、ドライエッチングま
たはウエットエッチングのいずれかを選択するものとし
て述べたが、特に、加工精度の面からみればドライエッ
チングを用いるのがよく、コスト面からみればウエット
エッチングを用いるのがよい。
【0057】さらに、前記各実施例の加速度センサ31
は、固定部32の固定電極を固定側くし状電極33と
し、可動部34の可動電極を可動側くし状電極38と
し、各電極板33A,38Aを微小隙間を介して対向さ
せるものとして述べたが、本発明はこれに限らず、一般
的な絶縁基板と、該絶縁基板上に基端側が固定され、自
由端側に可動電極となる質量部を有する可動部と、質量
部の移動方向に固定電極となる固定部を形成した加速度
センサに用いてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明による加速度
センサにおいては、固定部および可動部を少なくとも2
枚以上のシリコン板を積層化して形成することにより、
固定部の固定電極および可動部の可動電極とを微小隙間
を介して対向させると共に、対向する電極の有効面積を
大きくでき、加速度センサとしての検出感度を向上させ
ることができる。
【0059】この場合、前記可動部の可動電極および固
定部の固定電極をくし状の電極として形成することによ
り、電極間の有効面積を効果的に大きくでき、それぞれ
の電極板を微小隙間を介して対向させることができる。
【0060】また、本発明による加速度センサの製造方
法により、各シリコン板を重ねて固定部および可動部を
形成しているから、固定部および可動部とを微小隙間を
介して確実に離間することができる。
【0061】さらにこの場合、第2のエッチング工程お
よび第1の接合工程を繰返すことにより、シリコン板を
何層にも積層した加速度センサとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による加速度センサを示
す平面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた縦断面図であ
る。
【図3】加速度センサの固定部および可動部を形成する
ために用いるシリコンウエハの縦断面図である。
【図4】第1の接合工程の前に行われる第1のエッチン
グ工程により、2枚のシリコンウエハの一側面に溝を形
成した状態を示す縦断面図である。
【図5】図4のように配置された2枚のシリコンウエハ
を第1の接合工程により、接合させた状態を示す縦断面
図である。
【図6】第2のエッチング工程により一方のシリコンウ
エハから各溝が露出した状態を示す縦断面図である。
【図7】図6による第2のエッチング工程に続く第2の
接合工程により、各シリコンウエハとガラス基板とを接
合した状態を示し縦断面図である。
【図8】図7による第2の接合工程に続く第3のエッチ
ング工程により、各シリコンウエハに固定部および可動
部を形成した状態を示す縦断面図である。
【図9】本発明の第2の実施例による加速度センサを示
す縦断面図である。
【図10】先行技術による加速度センサを示す平面図で
ある。
【図11】図10中の矢示XI−XI方向からみた縦断面で
ある。
【図12】加速度センサの固定部および可動部を形成す
るために用いるシリコンウエハの縦断面図である。
【図13】第1のエッチング工程によりシリコンウエハ
の一側面に溝を形成した状態を示す縦断面図である。
【図14】加速度センサのガラス基板を示す縦断面図で
ある。
【図15】ガラスエッチング工程によりガラス基板に凹
溝を形成した状態を示す縦断面図である。
【図16】図13による第1のエッチング工程および図
15によるガラスエッチング工程に続く接合工程によ
り、シリコンウエハの一側面とガラス基板とを接合させ
た状態を示す縦断面図である。
【図17】図16による接合工程に続く第2のエッチン
グ工程により、シリコンウエハに固定部および可動部を
形成した状態を示す図18中の矢示XVII−XVII方向から
みた縦断面図である。
【図18】図17による第2のエッチング工程により、
ガラス基板上に形成された固定部および可動部を示す平
面図である。
【図19】ガラス板上にシリコンウエハにより固定部お
よび可動部を形成した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
2(13) ガラス基板(絶縁基板) 31,51 加速度センサ 32 固定部 33 固定側くし状電極(固定電極) 34 可動部 35 支持部 36 梁 37 質量部 38 可動側くし状電極(可動電極) 41,41′,41″ シリコンウエハ(シリコン板) 42,42′,42″ 溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板と、該絶縁基板上に設けられ、
    シリコン板をエッチング処理することにより互いに分離
    して形成された固定部および可動部とを備え、該固定部
    には固定電極を一体に形成し、前記可動部には、該固定
    電極と微小隙間を介して対向する可動電極と、外部から
    の加速度により該可動電極を固定電極に対して接近,離
    間させる質量部と、該質量部に梁を介して連結され、該
    質量部および可動電極を前記絶縁基板上で変位可能に支
    持する支持部とを一体に形成してなる加速度センサにお
    いて、前記固定部および可動部は少なくとも2枚以上の
    シリコン板を前記絶縁基板上に積層化して形成したこと
    を特徴とする加速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記可動部の可動電極は質量部からくし
    状に突出する複数の電極板によって形成し、前記固定部
    の固定電極は該可動電極の各電極板に対して微小隙間を
    介して対向するくし状の複数の電極板によって形成して
    なる請求項1記載の加速度センサ。
  3. 【請求項3】 シリコン板に一側面からエッチング処理
    を施し、固定部と可動部とを分離するための溝をシリコ
    ン板の一側面に形成する第1のエッチング工程と、該第
    1のエッチング工程で一側面に前記溝を形成した2枚の
    シリコン板をそれぞれの溝が正対するように一側面で接
    合する第1の接合工程と、該第1の接合工程で接合した
    2枚のシリコン板のうち、一方のシリコン板の他側面か
    らエッチング処理を施し、前記各溝を外部に露出させる
    第2のエッチング工程と、該第2のエッチング工程で前
    記各溝を外部に露出させた後に、前記各シリコン板のう
    ち、他方のシリコン板の他側面が上側になるように前記
    各シリコン板を反転し、該各シリコン板を絶縁基板上に
    接合する第2の接合工程と、前記各シリコン板を絶縁基
    板上に接合した状態で、前記他方のシリコン板に他側面
    からエッチング処理を施し、前記各シリコン板に固定部
    と可動部とを分離して形成する第3のエッチング工程と
    からなる加速度センサの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1のエッチング工程、第1の接合
    工程および第2のエッチング工程を複数回繰返すことに
    より、シリコン板を少なくとも3層以上積層化し前記各
    溝を外部に露出させてなる請求項3記載の加速度センサ
    の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006134233A1 (en) * 2005-06-17 2006-12-21 Vti Technologies Oy Method for manufacturing a micromechanical motion sensor, and a micromechanical motion sensor
JP2010190636A (ja) * 2009-02-17 2010-09-02 Seiko Epson Corp 加速度センサー

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