JPH0633111A - 多孔体の製造方法 - Google Patents
多孔体の製造方法Info
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- JPH0633111A JPH0633111A JP20699792A JP20699792A JPH0633111A JP H0633111 A JPH0633111 A JP H0633111A JP 20699792 A JP20699792 A JP 20699792A JP 20699792 A JP20699792 A JP 20699792A JP H0633111 A JPH0633111 A JP H0633111A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 所要の気孔形態および分布を有する金属、
合金、金属化合物またはセラミックスの多孔体の製造方
法を提供する。 【構成】 マグネシウム粉末またはマグネシウム合金
粉末を造孔剤として、焼結体用原料粉末に適量混合して
成形した後、この成形体を減圧下で加熱処理して造孔剤
を蒸発分離させ、さらに成形体を焼結する。 【効果】 気孔形態および分布の制御が容易であり、
所要の気孔を有する多孔体を容易に製造できる。しかも
成形時に適当な加圧を行って成形体に十分な強度を与え
ることができる。
合金、金属化合物またはセラミックスの多孔体の製造方
法を提供する。 【構成】 マグネシウム粉末またはマグネシウム合金
粉末を造孔剤として、焼結体用原料粉末に適量混合して
成形した後、この成形体を減圧下で加熱処理して造孔剤
を蒸発分離させ、さらに成形体を焼結する。 【効果】 気孔形態および分布の制御が容易であり、
所要の気孔を有する多孔体を容易に製造できる。しかも
成形時に適当な加圧を行って成形体に十分な強度を与え
ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属、合金、金属間化
合物、またはセラミックスを粉末冶金法によって焼結し
て多孔体(多孔質の焼結体)を製造する方法に関するも
のである。
合物、またはセラミックスを粉末冶金法によって焼結し
て多孔体(多孔質の焼結体)を製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば金属またはセラミックスのフィル
タのような多孔体を粉末冶金法によって製造する際に
は、通常、金属またはセラミックスの粉末の粒形や粒度
を制御して、特定寸法の粒径を有する粉末を選別し、必
要に応じては重炭酸アンモニウム(融点(急速加熱)1
07.5℃、36〜60℃で分解開始)やステアリン酸
亜鉛(融点120℃、ステアリン酸自身の分解380
℃)などの造孔剤を加えて、加圧力や焼結温度を調整し
ながら焼結製品の多孔率を制御している。
タのような多孔体を粉末冶金法によって製造する際に
は、通常、金属またはセラミックスの粉末の粒形や粒度
を制御して、特定寸法の粒径を有する粉末を選別し、必
要に応じては重炭酸アンモニウム(融点(急速加熱)1
07.5℃、36〜60℃で分解開始)やステアリン酸
亜鉛(融点120℃、ステアリン酸自身の分解380
℃)などの造孔剤を加えて、加圧力や焼結温度を調整し
ながら焼結製品の多孔率を制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の方法
では、加圧力を増した場合には、気孔径が小さくなった
り気孔率が低下したりするので、十分な多孔率を得るた
めには加圧力を低く設定しなければならない。しかし、
原料粉末に十分な圧力を加えることができないと、焼結
前の成形体の強度が低くなり、複雑な形状や大型の製品
では保型性が悪くて製造が困難になるという問題があ
る。さらに、多孔率を制御するために加圧力を調整する
ので、加圧力の変動によって焼結製品の機械的性質に影
響をあたえるという問題もある。
では、加圧力を増した場合には、気孔径が小さくなった
り気孔率が低下したりするので、十分な多孔率を得るた
めには加圧力を低く設定しなければならない。しかし、
原料粉末に十分な圧力を加えることができないと、焼結
前の成形体の強度が低くなり、複雑な形状や大型の製品
では保型性が悪くて製造が困難になるという問題があ
る。さらに、多孔率を制御するために加圧力を調整する
ので、加圧力の変動によって焼結製品の機械的性質に影
響をあたえるという問題もある。
【0004】また、傾斜多孔体、すなわち多孔率が同一
製品の中で変化している焼結体を製造するときには、従
来の方法では、加圧力を多孔率に合わせて変化させる必
要があり、加圧の制御が困難である。また、多孔体の種
類によっては、孔が特定形状を有していた方が、その材
料に有益な場合もあるが、従来の方法では孔の形状を制
御することは困難である。このため、焼結前の成形体
に、取扱上十分な強度を有するように大きな圧力を加え
ても、所望の多孔率が得られ、しかも、他の性質に悪影
響を与えることなく多孔率や孔の形状を制御できる製造
方法が望まれている。本願発明は上記事情を背景として
なされたものであり、よく制御された多孔率を有する多
孔体の製造方法を提供するものである。
製品の中で変化している焼結体を製造するときには、従
来の方法では、加圧力を多孔率に合わせて変化させる必
要があり、加圧の制御が困難である。また、多孔体の種
類によっては、孔が特定形状を有していた方が、その材
料に有益な場合もあるが、従来の方法では孔の形状を制
御することは困難である。このため、焼結前の成形体
に、取扱上十分な強度を有するように大きな圧力を加え
ても、所望の多孔率が得られ、しかも、他の性質に悪影
響を与えることなく多孔率や孔の形状を制御できる製造
方法が望まれている。本願発明は上記事情を背景として
なされたものであり、よく制御された多孔率を有する多
孔体の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、前記課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明をするに
至ったものである。すなわち第1の発明は、マグネシウ
ム粉末またはマグネシウム合金粉末を造孔剤として、焼
結体用原料粉末に適量混合して成形した後、この成形体
を減圧下で加熱処理して造孔剤を蒸発分離させ、さらに
成形体を焼結することを特徴とする。また、第2の発明
は、同一多孔体内において、焼結体用原料粉末に対して
混合する造孔剤の量的比を位置によって変えて、気孔の
分布に変化を与えたことを特徴とする。さらに、第3の
発明は、造孔剤の形状を制御して気孔形状を制御するこ
とを特徴とし、第4の発明は第2、第3の発明を組み合
わせたものである。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明をするに
至ったものである。すなわち第1の発明は、マグネシウ
ム粉末またはマグネシウム合金粉末を造孔剤として、焼
結体用原料粉末に適量混合して成形した後、この成形体
を減圧下で加熱処理して造孔剤を蒸発分離させ、さらに
成形体を焼結することを特徴とする。また、第2の発明
は、同一多孔体内において、焼結体用原料粉末に対して
混合する造孔剤の量的比を位置によって変えて、気孔の
分布に変化を与えたことを特徴とする。さらに、第3の
発明は、造孔剤の形状を制御して気孔形状を制御するこ
とを特徴とし、第4の発明は第2、第3の発明を組み合
わせたものである。
【0006】本願発明で造孔剤として用いるマグネシウ
ム粉末またはマグネシウム合金は、純マグネシウムの沸
点1090℃や融点650℃を大きく変化させず、かつ
原料粉と著しい反応を起こさないものであればよい。原
料粉の種類によっては、反応を抑制するためにマグネシ
ウムに添加元素を加えて合金とするが、添加元素の種類
や量は原料粉の種類や処理温度により適宜決定される。
このマグネシウム粉末とマグネシウム合金粉末とは混合
して使用することも可能であり、2種以上のマグネシウ
ム合金粉末を用いることも可能である。
ム粉末またはマグネシウム合金は、純マグネシウムの沸
点1090℃や融点650℃を大きく変化させず、かつ
原料粉と著しい反応を起こさないものであればよい。原
料粉の種類によっては、反応を抑制するためにマグネシ
ウムに添加元素を加えて合金とするが、添加元素の種類
や量は原料粉の種類や処理温度により適宜決定される。
このマグネシウム粉末とマグネシウム合金粉末とは混合
して使用することも可能であり、2種以上のマグネシウ
ム合金粉末を用いることも可能である。
【0007】これらの粉末の形状や寸法は、原料粉の種
類、形状、寸法、目的の気孔の形状、寸法、分布などに
より大きく左右され、それぞれの目的に合うように適宜
決定される。例えば気孔の形状を制御する場合には、そ
れに合わせてこれら粉末の形状を繊維状、薄片状、球状
などとする。これら粉末の形状は、複数組み合わせるこ
とも可能であり、また、多孔体の位置によって異なる形
状を選定することも可能である。
類、形状、寸法、目的の気孔の形状、寸法、分布などに
より大きく左右され、それぞれの目的に合うように適宜
決定される。例えば気孔の形状を制御する場合には、そ
れに合わせてこれら粉末の形状を繊維状、薄片状、球状
などとする。これら粉末の形状は、複数組み合わせるこ
とも可能であり、また、多孔体の位置によって異なる形
状を選定することも可能である。
【0008】上記造孔剤を混合する焼結体用原料粉末
は、金属、合金、金属間化合物、またはセラミックスな
どの単独または混合物からなるものであり、本願発明と
しては、これら原料の種別が限定されるものではない。
なお、原料粉末には、結合剤などの適当な添加剤を含む
ものであってもよい。これらの混合粉末は、通常は加圧
しつつ成形する。なお、成形方法は特に限定されるもの
ではなく、適宜選定できる。
は、金属、合金、金属間化合物、またはセラミックスな
どの単独または混合物からなるものであり、本願発明と
しては、これら原料の種別が限定されるものではない。
なお、原料粉末には、結合剤などの適当な添加剤を含む
ものであってもよい。これらの混合粉末は、通常は加圧
しつつ成形する。なお、成形方法は特に限定されるもの
ではなく、適宜選定できる。
【0009】得られた成形体における造孔剤を蒸発させ
る加熱処理は、低圧または真空の減圧下で行う。低圧下
では、適当な雰囲気に調整することも可能である。加熱
処理の温度、時間は対象となる多孔体の寸法、材質等に
よって変化するが、最高加熱温度としてはマグネシウム
の沸点1070℃を超えることが望ましく、その温度に
保持する時間は、その温度に達するまでの加熱処理工程
などに依存し、通常数分から数十分とみられる。造孔剤
を蒸発・分離した後は、常法による焼結を行う。なお、
焼結は、上記加熱処理に連続して行うことも可能であ
る。
る加熱処理は、低圧または真空の減圧下で行う。低圧下
では、適当な雰囲気に調整することも可能である。加熱
処理の温度、時間は対象となる多孔体の寸法、材質等に
よって変化するが、最高加熱温度としてはマグネシウム
の沸点1070℃を超えることが望ましく、その温度に
保持する時間は、その温度に達するまでの加熱処理工程
などに依存し、通常数分から数十分とみられる。造孔剤
を蒸発・分離した後は、常法による焼結を行う。なお、
焼結は、上記加熱処理に連続して行うことも可能であ
る。
【0010】
【作用】すなわち、本願発明によれば、マグネシウムま
たはその合金粉末を原料粉末と混合し、これを成形する
ことにより、十分に大きな圧力を加えてもこれら粉末に
よる孔用の空間が確実に確保され、適当な加圧力により
適当な強度を有する圧粉体を成形することができる。
たはその合金粉末を原料粉末と混合し、これを成形する
ことにより、十分に大きな圧力を加えてもこれら粉末に
よる孔用の空間が確実に確保され、適当な加圧力により
適当な強度を有する圧粉体を成形することができる。
【0011】なお、原料粉末として鉄鋼、チタン、ジル
コニウム、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タングス
テンなどを用いたときには、マグネシウムまたはその合
金は、これら原料粉末とは殆ど反応しない。また、ニッ
ケル、銅、コバルトなどを用いたときには加熱条件によ
っては反応の可能性もあるが、加熱条件の選定などによ
って反応を抑制することも可能である。したがって、マ
グネシウムまたはその合金粉末は、これらの金属材料粉
と高温まで両立性が保たれる。また、金属間化合物やセ
ラミックスにおいても同様に、マグネシウムとの両立性
が良好なものは勿論、反応性のあるものでもマグネシウ
ムまたはその合金粉末の表面を処理することなどによ
り、両立性を得ることができる。なお、粉末の表面処理
の例として、薄い酸化皮膜の形成やセラミックによる被
覆などを挙げることができる。
コニウム、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タングス
テンなどを用いたときには、マグネシウムまたはその合
金は、これら原料粉末とは殆ど反応しない。また、ニッ
ケル、銅、コバルトなどを用いたときには加熱条件によ
っては反応の可能性もあるが、加熱条件の選定などによ
って反応を抑制することも可能である。したがって、マ
グネシウムまたはその合金粉末は、これらの金属材料粉
と高温まで両立性が保たれる。また、金属間化合物やセ
ラミックスにおいても同様に、マグネシウムとの両立性
が良好なものは勿論、反応性のあるものでもマグネシウ
ムまたはその合金粉末の表面を処理することなどによ
り、両立性を得ることができる。なお、粉末の表面処理
の例として、薄い酸化皮膜の形成やセラミックによる被
覆などを挙げることができる。
【0012】したがって成形体を加熱処理することによ
り、マグネシウムまたはその合金粉末は、良好に蒸発分
離して所望の気孔が形成される。この成形体を焼結する
ことにより、所望の気孔を有する多孔体が得られる。な
お、原料粉末に上記造孔剤用粉末を混合する際に、造孔
剤用粉末の量的比を位置によって変えることにより、成
形時に特別な加圧制御を行うことなく、気孔分布が意図
するように変化している多孔体を得ることができる。ま
た、造孔剤用粉末の形状を制御して、この粉末を蒸発分
離させることにより、この粉末の形状に合った形状を有
する気孔が形成されるので、気孔形状を容易に制御する
ことができる。
り、マグネシウムまたはその合金粉末は、良好に蒸発分
離して所望の気孔が形成される。この成形体を焼結する
ことにより、所望の気孔を有する多孔体が得られる。な
お、原料粉末に上記造孔剤用粉末を混合する際に、造孔
剤用粉末の量的比を位置によって変えることにより、成
形時に特別な加圧制御を行うことなく、気孔分布が意図
するように変化している多孔体を得ることができる。ま
た、造孔剤用粉末の形状を制御して、この粉末を蒸発分
離させることにより、この粉末の形状に合った形状を有
する気孔が形成されるので、気孔形状を容易に制御する
ことができる。
【0013】
(実施例1)原料粉末として鉄鋼を使用する例として、
SUS304(18Cr−8Ni)ステンレス鋼粉末を用
意した。用いた粉末は、市販の100メッシュ以下の粒
度を有するものである。また、マグネシウム粉末には、
ヤスリ粉をふるい分けして100メッシュ以下としたも
のを用意した。
SUS304(18Cr−8Ni)ステンレス鋼粉末を用
意した。用いた粉末は、市販の100メッシュ以下の粒
度を有するものである。また、マグネシウム粉末には、
ヤスリ粉をふるい分けして100メッシュ以下としたも
のを用意した。
【0014】次に上記原料粉末に対して、マグネシウム
粉末を、容積比率で0%、10%、20%、30%、4
0%または50%添加して混合した各混合粉を、それぞ
れ400kgまたは1000kgで加圧して、直径10
mm、高さ10mmの円柱形状に成形した。得られた圧
粉成形体を、真空下(10ー3Torr)において図1のヒー
トパターンによりマグネシウム粉末を蒸発分離させ、さ
らに真空加熱焼結した。得られた焼結体の密度変化を図
2に示す。図から明かなように、荷重が大きいほうが密
度が高く、またマグネシウムの混合比が大きいほど密度
が低くなっており、マグネシウムの混合により適度な気
孔が形成されていることがわかる。
粉末を、容積比率で0%、10%、20%、30%、4
0%または50%添加して混合した各混合粉を、それぞ
れ400kgまたは1000kgで加圧して、直径10
mm、高さ10mmの円柱形状に成形した。得られた圧
粉成形体を、真空下(10ー3Torr)において図1のヒー
トパターンによりマグネシウム粉末を蒸発分離させ、さ
らに真空加熱焼結した。得られた焼結体の密度変化を図
2に示す。図から明かなように、荷重が大きいほうが密
度が高く、またマグネシウムの混合比が大きいほど密度
が低くなっており、マグネシウムの混合により適度な気
孔が形成されていることがわかる。
【0015】(実施例2)原料粉末として100メッシ
ュ以下の純チタンを使用し、実施例1と同様のマグネシ
ウム粉末を、容積比率で0%、10%、30%または5
0%添加して混合した混合粉を、750kgの荷重で加
圧して圧粉体を成形した。この成形体を真空下において
実施例1と同様のヒートパタンで、マグネシウムの蒸発
分離および焼結を行った。得られた焼結体の密度変化は
図2に示すとおりであり、マグネシウムの混合比が大き
いほど密度が低くなっており、実施例1と同様にマグネ
シウムの混合により適度な気孔が形成されている。
ュ以下の純チタンを使用し、実施例1と同様のマグネシ
ウム粉末を、容積比率で0%、10%、30%または5
0%添加して混合した混合粉を、750kgの荷重で加
圧して圧粉体を成形した。この成形体を真空下において
実施例1と同様のヒートパタンで、マグネシウムの蒸発
分離および焼結を行った。得られた焼結体の密度変化は
図2に示すとおりであり、マグネシウムの混合比が大き
いほど密度が低くなっており、実施例1と同様にマグネ
シウムの混合により適度な気孔が形成されている。
【0016】(実施例3)実施例2の純チタンを使用し
て、これに上記実施例と同様のマグネシウム粉末を位置
によって混合比が変わるように混合し、さらに全体を均
一に加圧しつつ成形して、円柱状ダイス内の中心から周
囲に向かって、チタン粉に対するマグネシウム粉の混合
比を増加させた直径10mm、高さ10mmの圧粉体を
得た。この圧粉体を、真空下において実施例1と同様の
ヒートパターンで、マグネシウムの蒸発分離および焼結
を行った。得られた焼結体の組織写真を図3に示す。図
から明らかなように、焼結体の中心部は非常に密度が高
いが、外側に向かうほど密度が低下しており、気孔率の
密度分布が傾斜している傾斜多孔体が特別な加圧制御を
行うことなく容易に得られた。
て、これに上記実施例と同様のマグネシウム粉末を位置
によって混合比が変わるように混合し、さらに全体を均
一に加圧しつつ成形して、円柱状ダイス内の中心から周
囲に向かって、チタン粉に対するマグネシウム粉の混合
比を増加させた直径10mm、高さ10mmの圧粉体を
得た。この圧粉体を、真空下において実施例1と同様の
ヒートパターンで、マグネシウムの蒸発分離および焼結
を行った。得られた焼結体の組織写真を図3に示す。図
から明らかなように、焼結体の中心部は非常に密度が高
いが、外側に向かうほど密度が低下しており、気孔率の
密度分布が傾斜している傾斜多孔体が特別な加圧制御を
行うことなく容易に得られた。
【0017】(実施例4)水素吸蔵合金であるZrNi化
合物粉(100メッシュ以下)に体積比で10%のマグ
ネシウム粉(100メッシュ以下)を混合し、この混合
体を、同様にマグネシウム粉(100メッシュ以下)を
体積比で5〜50%混合したステンレス鋼粉(100メ
ッシュ以下)で被覆して加圧した。この圧粉体を真空下
において実施例1と同様のヒートパターンで、マグネシ
ウムを蒸発させるとともに焼結して、多孔質ステンレス
鋼によってカプセル化したZrNi多孔体を作製した。こ
の水素吸蔵合金の性能は被覆しないものと同等のもので
あることが確認されており、多孔率の大きな多孔体も容
易に製造することができた。
合物粉(100メッシュ以下)に体積比で10%のマグ
ネシウム粉(100メッシュ以下)を混合し、この混合
体を、同様にマグネシウム粉(100メッシュ以下)を
体積比で5〜50%混合したステンレス鋼粉(100メ
ッシュ以下)で被覆して加圧した。この圧粉体を真空下
において実施例1と同様のヒートパターンで、マグネシ
ウムを蒸発させるとともに焼結して、多孔質ステンレス
鋼によってカプセル化したZrNi多孔体を作製した。こ
の水素吸蔵合金の性能は被覆しないものと同等のもので
あることが確認されており、多孔率の大きな多孔体も容
易に製造することができた。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本願発明の多孔体の
製造方法によれば、マグネシウム粉末またはマグネシウ
ム合金粉末を造孔剤として、焼結体用原料粉末に適量混
合して成形した後、この成形体を減圧下で加熱処理して
造孔剤を蒸発分離させ、さらに成形体を焼結するので、
十分な加圧によっても所望の気孔率を得ることができ、
十分な強度を有する成形体を得ることができる。また、
気孔率や気孔の形状、分布の制御が容易であり、液体、
気体、粉体などのフィルタの製造に応用することができ
る。また、傾斜多孔体の製造も容易に行うことができる
ので、この方法を活用して、より優れた人工骨や人工歯
などの製造が可能となる。さらに、含浸性多孔表面をも
つ材料の製造に応用することもできる。
製造方法によれば、マグネシウム粉末またはマグネシウ
ム合金粉末を造孔剤として、焼結体用原料粉末に適量混
合して成形した後、この成形体を減圧下で加熱処理して
造孔剤を蒸発分離させ、さらに成形体を焼結するので、
十分な加圧によっても所望の気孔率を得ることができ、
十分な強度を有する成形体を得ることができる。また、
気孔率や気孔の形状、分布の制御が容易であり、液体、
気体、粉体などのフィルタの製造に応用することができ
る。また、傾斜多孔体の製造も容易に行うことができる
ので、この方法を活用して、より優れた人工骨や人工歯
などの製造が可能となる。さらに、含浸性多孔表面をも
つ材料の製造に応用することもできる。
【図1】図1は、この発明の一実施例のヒートパターン
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図2】図2は、同じく得られた焼結体の密度変化を示
すグラフである。
すグラフである。
【図3】図3は、他の実施例における傾斜多孔体の組織
写真である。
写真である。
フロントページの続き (71)出願人 000004215 株式会社日本製鋼所 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 (72)発明者 諸住 正太郎 宮城県仙台市青葉区広瀬町2番1号−206 (72)発明者 渡辺 国昭 富山県富山市月岡東緑町2丁目26番 (72)発明者 松山 政夫 富山県婦負郡婦中町田島884の6番地 (72)発明者 峯岸 知也 千葉県千葉市花見川区花園町1536の412 (72)発明者 兜森 俊樹 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日本 製鋼所内 (72)発明者 脇坂 裕一 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日本 製鋼所内
Claims (4)
- 【請求項1】 マグネシウム粉末またはマグネシウム合
金粉末を造孔剤として、焼結体用原料粉末に適量混合し
て成形した後、この成形体を減圧下で加熱処理して造孔
剤を蒸発分離させ、さらに成形体を焼結することを特徴
とする多孔体の製造方法 - 【請求項2】 同一多孔体内において、焼結体用原料粉
末に対して混合する造孔剤の量的比を位置によって変え
て、気孔の分布に変化を与えたことを特徴とする請求項
1記載の多孔体の製造方法 - 【請求項3】 造孔剤の形状を制御して気孔形状を制御
することを特徴とする請求項1記載の多孔体の製造方法 - 【請求項4】 請求項2によって気孔分布を変化させる
とともに、請求項3によって気孔形状を制御することを
特徴とする請求項1記載の多孔体の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20699792A JPH0633111A (ja) | 1992-07-13 | 1992-07-13 | 多孔体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20699792A JPH0633111A (ja) | 1992-07-13 | 1992-07-13 | 多孔体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0633111A true JPH0633111A (ja) | 1994-02-08 |
Family
ID=16532483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20699792A Pending JPH0633111A (ja) | 1992-07-13 | 1992-07-13 | 多孔体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0633111A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006087973A1 (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-24 | The University Of Tokushima | 多孔質金属体の製造方法、多孔質金属体および多孔質金属体構造物 |
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1992
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