JPH06331019A - 手動変速可能な自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

手動変速可能な自動変速機の変速制御装置

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JPH06331019A
JPH06331019A JP5141596A JP14159693A JPH06331019A JP H06331019 A JPH06331019 A JP H06331019A JP 5141596 A JP5141596 A JP 5141596A JP 14159693 A JP14159693 A JP 14159693A JP H06331019 A JPH06331019 A JP H06331019A
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淳 田端
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康夫 北條
Masato Kaikawa
正人 甲斐川
Takeshi Inuzuka
武 犬塚
Masashi Hattori
雅士 服部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動変速モードでの変速時遅延制御中に手動
変速モードに切換えられた場合の変速の応答遅れや意図
しない変速の発生を防止する。 【構成】 自動変速モードの状態で変速遅延時間設定手
段2によって設定された遅延時間中に走行状態に基づい
て最終に判断された変速段を前記変速指令信号によって
設定すべき予定変速段とする予定変速段判断手段3を備
えた手動変速可能な自動変速機Aの変速制御装置であっ
て、変速モード切換え手段1によって自動変速モードか
ら手動変速モードに切換えられたことを判断するモード
変更検出手段4と、前記遅延時間中に自動変速モードか
ら手動変速モードに切換えたことが検出された場合に前
記遅延時間の経過を待たずに直ちに所定の変速段への変
速指令信号を出力する手動変速指令出力手段5とを備え
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車速やスロットル開
度などの車両の走行状態に基づいて変速を実行する自動
変速モードと、シフトレバーを操作して選択した変速段
に変速する手動変速モードとに切り換えることのできる
自動変速機を対象とした変速制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように車両用の自動変速機は、多
板クラッチや多板ブレーキなどの摩擦係合装置を適宜に
係合・解放させることにより、複数組の遊星歯車機構を
主体とする歯車列におけるトルクの伝達経路を変え、こ
れにより所定の変速段を設定するように構成されてい
る。この種の自動変速機における変速制御は、一般に
は、車速やスロットル開度等の走行状態を電気的に判断
し、その判断結果に基づいてソレノイドバルブなどを制
御することにより行っている。この変速制御は、通常、
走行状態に応じて変速段を決めた変速線図に基づいて行
うが、このような変速制御では、変速を実行する走行状
態が一義的に決められてしまうため、変速の自由度が少
ない。そこで最近では、手動操作に基づく出力信号によ
って前記摩擦係合装置を適宜に係合・解放させて変速を
実行する機能を付加した自動変速機が提案されている。
【0003】これは、例えば自動変速モードでの走行レ
ンジを選択するためのシフト装置に、変速段を指示する
スイッチあるいはアップシフトやダウンシフトを指示す
るスイッチを設け、シフトレバーがそれらのスイッチを
ON動作させた場合に、その出力信号によって指示され
る変速段への変速制御を実行するように構成されてい
る。
【0004】この種のシフト装置のうちアップシフトス
イッチあるいはダウンシフトスイッチを手動操作によっ
て動作させるタイプのシフト装置を使用した場合、これ
らのスイッチのいずれかを動作させる直前の変速段すな
わち手動変速モードでの初期段を設定する必要がある。
そこで例えば特開平2−125174号公報に記載され
た発明では、自動変速モードでのDレンジ位置から手動
変速モード用のシフト位置にシフトレバーを移動する直
前の自動変速モードでの変速段を、手動変速モードでの
初期段とすることとしている。
【0005】
【発明が解決しようする課題】ところで上述した手動変
速モードでの変速を実行可能な自動変速機においても、
自動変速モードの状態では、変速指令信号の出力を若干
遅らせる遅延制御を行うことがある。すなわち自動変速
モードでの変速段の判断は、スロットル開度や車速など
の走行状態に基づいて行われるが、走行状態の変化に伴
って変速を実行することが判断されても、走行状態が更
に変化した場合には、一旦判断された変速段とは異なる
変速段に設定すべきことが判断され、このような場合、
所謂多重変速となる。また変速の際にはショックを低減
させるためにロックアップクラッチを解放した状態で変
速を実行することが必要である。そのため、変速を行う
べきことが判断されても直ちには変速指令信号を出力せ
ずに、所定の遅延時間が経過するのを待ち、その間に生
じた最終の変速判断に基づく変速段への変速を指令し、
あるいはその間にロックアップクラッチを解放する。
【0006】しかるにこのような所謂遅延制御を行う自
動変速機に、上述した手動変速モードでの変速を行う機
能を付加した場合、手動変速は運転者の自由意思に基づ
いて行われるため、上記の遅延制御中に手動変速モード
への切換え、あるいは手動変速モードでの変速段の選択
が行われる場合がある。このような場合、遅延時間の経
過後に設定するべく判断された変速段すなわち予定変速
段と、手動操作によって選択された変速段とが異なって
いれば、予定変速段への変速の後に手動で選択した変速
段への変速が達成されることになり、自動変速モードか
ら手動変速モードに切換えた際の変速応答性が劣ること
になり、あるいは変速が2回連続して生じることにな
る。
【0007】また前述した自動変速モードでの最終変速
段を手動変速モードでの初期変速段とする制御装置にお
いては、前記遅延時間中に手動変速モードへ切換える
と、自動変速モードでの最終変速段が確定していないた
め、制御が不安定になり、あるいは手動変速モードに切
り替わった後、アップシフト操作およびダウンシフト操
作のいずれも行っていないにも拘らず、予定変速段への
変速が生じ、これは運転者の意図していない変速となる
ため、違和感を生じさせるおそれがある。
【0008】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、手動変速モードに切換えた際の変速応答性に
優れ、また意図しない変速が生じるおそれのない変速制
御装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、図1に示す構成としたことを特徴と
するものである。すなわちこの発明は、設定すべき変速
段を走行状態に基づいて判断する自動変速モードと手動
操作によって指示された変速を実行する手動変速モード
とに切換える変速モード切換え手段1と、自動変速モー
ドにおいて変速判断から変速指令信号の出力までに所定
の遅延時間を設定する変速遅延時間設定手段2と、走行
状態に基づいて判断された変速段を前記変速指令信号に
よって設定すべき予定変速段とする予定変速段判断手段
3とを備えた手動変速可能な自動変速機Aの変速制御装
置であって、前記自動変速モードから手動変速モードに
切換えられたことを判断するモード変更検出手段4と、
前記遅延時間中に自動変速モードから手動変速モードに
切換えたことが検出された場合に前記遅延時間の経過を
待たずに直ちに所定の変速段への変速指令信号を出力す
る手動変速指令出力手段5とを備えていることを特徴と
するものである。
【0010】またこの発明においては、前記所定の変速
段を、前記予定変速段とすることができる。
【0011】さらに前記所定の変速段を、前記遅延時間
中に手動変速モードに切換えられて選択された変速段と
することができる。
【0012】そしてこの発明においては、前記所定の変
速段として、前記予定変速段と前記遅延時間中に手動変
速モードに切換えられて選択された変速段とに基づいて
判断された変速段、もしくは自動変速モードから手動変
速モードに切換えられる直前に設定されていた変速段と
前記遅延時間中に手動変速モードに切換えられて選択さ
れた変速段とに基づいて判断された変速段を採用するこ
とができる。
【0013】
【作用】この発明の変速制御装置においては、変速モー
ド切換え手段1により自動変速モードと手動変速モード
と切換えることができる。また自動変速モードでの走行
中に走行状態が変化することにより変速判断が行われた
場合、遅延時間設定手段2により、変速指令信号の出力
までの間に所定の遅延時間が設定される。走行状態に基
づいて予定変速段が予定変速段判断手段3によって判断
される。一方、その遅延時間の間に自動変速モードから
手動変速モードに切換えられると、その変更をモード変
更検出手段4が検出する。遅延時間中に変速モードが切
換えられると、手動変速指令出力手段5は、遅延時間の
経過を待たずに直ちに所定の変速段への変速指令信号を
出力する。その変速指令信号によって指示される変速段
は、遅延時間中に最終に判断された予定変速段あるいは
手動操作によって選択された変速段であり、もしくは手
動操作によって選択された変速段と予定変速段あるいは
自動変速モードでの最終変速段とに基づいて決定された
変速段である。いずれの場合であっても、手動変速モー
ドに切換えられると、前記遅延時間が経過する以前に変
速が実行されるので、変速応答性が良好になり、また手
動変速モードに切り替わってから、予定変速段への変速
と手動操作で選択した変速段への変速との2回の連続し
た変速が生じるなどのことを防止できる。
【0014】
【実施例】つぎにこの発明の実施例を図面を参照して説
明する。図2はこの発明の一実施例の基本的な構成を示
すブロック図であって、ここに示す自動変速機Aは、走
行状態に応じて変速段を設定する自動モードと、手動操
作に基づいて変速段を設定する手動モードとを選択でき
るように構成されている。すなわち自動変速機Aは、油
圧制御装置20における変速用のソレノイドバルブS1
,S2 、およびエンジンブレーキを効かせる状態にす
るためのソレノイドバルブS3 、ならびにライン圧用ソ
レノイドバルブSLT、ロックアップクラッチ用ソレノイ
ドバルブSLU、さらにはアキュームレータ背圧用ソレノ
イドバルブSLNを自動変速機用の電子制御装置(EC
U)21によって制御するとともに、シフトレバーによ
って操作するシフト装置22によりマニュアルバルブを
動作させて所定のレンジを設定し、また変速段スイッチ
を動作させて所定の変速段を設定するように構成されて
いる。
【0015】このシフト装置22は、シフトレバーによ
って自動変速モードでの走行レンジを選択する一方、手
動変速モードで変速段を選択する機能を備えたものであ
る。その一例を簡単に説明すると、図3に示すシフト装
置22は、手動変速モードにおいてシフトレバー23に
よって変速段を直接選択するよう構成したものである。
すなわちパーキング(P)、リバース(R)、ニュート
ラル(N)、ドライブ(D)の各レンジ位置と、第2速
までの変速を行う“S”レンジ位置ならびに第1速に保
持するロー(L)レンジ位置とが車両の前後方向に向け
て直線上に配列されており、そのドライブレンジ位置を
中心にして4つの変速段スイッチSW1,SW2,SW3,S
W4が「H」の字形に配置されている。そしてこれらのス
イッチSW1,〜SW4を設けてある位置は、各レンジ位置
を結ぶ「I」の字形の溝24に交差する「H」の字形の
溝25によって連結されている。シフトレバー23はこ
れらの溝24,25の中を移動するように設けられてお
り、そのシフトレバー23のグリップの頂部に手動変速
モード(DM)に切換えるためのDMスイッチ26が取
り付けられている。このDMスイッチ26がON動作さ
せられることにより手動変速モードに切り替わり、その
状態で「H」の字形の溝25に移動させたシフトレバー
23によっていずれかのスイッチSW1,〜SW4をON動
作させることにより、そのスイッチSW1,〜SW4からの
信号によって指示される変速段が、エンジンブレーキの
効く状態で設定されるようになっている。
【0016】ここで電子制御装置21について簡単に説
明すると、図4において電子制御装置21は、中央演算
処理装置(CPU)およびROMやRAMなどの記憶素
子を主体として構成されており、この電子制御装置21
には、入力インターフェース回路29を介して、DMス
イッチからの信号、各変速段を指示するスイッチSW1,
〜SW4からの信号、D・G・T信号、オートドライブコ
ンピューターからの信号、ニュートラルスタートスイッ
チからの信号、水温センサーからの信号、スロットルポ
ジションセンサーからの信号、吸気管圧力の信号、スピ
ードセンサーNO.1およびNO.2からの信号、トランス
ミッション(TM)インプットスピードセンサーからの
信号、キックダウンスイッチからの信号、トランスミッ
ションコントロールスイッチからの信号、ストップラン
プスイッチからの信号、パターンセレクトスイッチから
の信号がそれぞれ入力されている。また出力インターフ
ェース回路30を介して燃料噴射制御コンピュータ(E
FIコンピュータ)に信号が出力され、また他の出力イ
ンターフェース回路30を介して、変速用のソレノイド
バルブS1 ,S2 、エンジンブレーキ用のソレノイドバ
ルブS3 、ライン圧制御用のソレノイドバルブSLT、ロ
ックアップクラッチ制御用のソレノイドバルブSLU、ア
キュームレータ背圧制御用のソレノイドバルブSLNに信
号が出力され、さらにダイアグノーシス信号が出力され
ている。なお、電子制御装置21は、定電圧電源31を
介してバッテリー32に接続されている。
【0017】この電子制御装置21によって制御される
自動変速機Aの歯車列の一例を図示すれば、図5のとお
りであり、またこの歯車列を対象として自動モードと手
動モードとで変速を実行する油圧制御装置20の油圧回
路の主要部分を図示すれば図6のとおりである。
【0018】すなわち図5に示す自動変速機Aには、ロ
ックアップクラッチ35を有するトルクコンバータ36
と、一組の遊星歯車機構を有する第2変速部37と、二
組の遊星歯車機構によって複数の前進段および後進段を
設定する第1変速部38とが設けられている。
【0019】第2変速部37は、ハイ・ローの二段の切
換えを行うものであって、その遊星歯車機構のキャリヤ
39がトルクコンバータ36のタービンランナ40に連
結されており、またこのキャリヤ39とサンギヤ41と
の間にはクラッチC0 および一方向クラッチFo が相互
に並列の関係となるよう設けられ、さらにサンギヤ41
とハウジングHu との間にブレーキB0 が設けられてい
る。
【0020】第1変速部38の各遊星歯車機構における
サンギヤ42,43は、共通のサンギヤ軸44に設けら
れており、この第1変速部38の図における左側(フロ
ント側)の遊星歯車機構におけるリングギヤ45と第2
変速部37におけるリングギヤ46との間に第1クラッ
チC1 が設けられ、また前記サンギヤ軸44と第2変速
部37のリングギヤ46との間に第2クラッチC2 が設
けられている。第1変速部38における図の左側の遊星
歯車機構のキャリヤ47と右側(リヤ側)の遊星歯車機
構のリングギヤ48とが一体的に連結されるとともに、
これらのキャリヤ47とリングギヤ48とに出力軸49
が連結されている。
【0021】そしてバンドブレーキである第1ブレーキ
B1 がサンギヤ軸44の回転を止めるように、より具体
的には第2クラッチC2 のクラッチドラムの外周側に設
けられており、またサンギヤ軸44とハウジングHu と
の間に、第1一方向クラッチF1 と第2ブレーキB2 と
が直列に配置されており、またリヤ側の遊星歯車機構に
おけるキャリヤ50とハウジングHu との間に第2一方
向クラッチF2 と第3ブレーキB3 とが並列に配置され
ている。
【0022】上記の歯車列を備えた自動変速機Aは、前
進段で第1速ないし第4速を設定することができ、これ
らのうち第1速および第2速は自動モードでエンジンブ
レーキが効かず、手動モードでエンジンブレーキを効か
せる必要があるので、前記油圧制御装置20には図6に
示す油圧回路が組み込まれている。
【0023】マニュアルバルブ100は、シフトレバー
を操作してスプール101を移動することにより油圧の
給排状態を切換えるものであって、プライマリーレギュ
レータバルブ(図示せず)で調圧されたライン圧PL を
供給するライン圧油路60が入力ポート102に接続さ
れており、Dレンジでは、スプール101が図示の位置
にあって入力ポート102をDポート103に連通させ
るようになっている。またSレンジではスプール101
が図の下側に移動して入力ポート102がDポート10
3とSポート104とに連通し、Lレンジではスプール
101が更に下側に移動して入力ポート102がDポー
ト103、Sポート104およびLポート105の三者
に連通し、また反対にNレンジではスプール101が入
力ポート102を閉じ、Rレンジでは入力ポート102
がRポート106に連通し、Pレンジでは入力ポート1
02を閉じるとともに、他のポートをドレンポートに連
通するようになっている。
【0024】第1速と第2速との間の変速を行う 1-2シ
フトバルブ200は、四つのランドを有するスプール2
01とその一端部に配置したスプリング202とを備え
ており、スプリング202とは反対側の端部に形成した
制御ポート203が第2ソレノイドバルブS2 に接続さ
れ、第2ソレノイドバルブS2 がOFFのときに、ライ
ン圧油路61からストレーナ62およびオリフィス63
を介して供給されるライン圧PL が制御ポート203に
生じるようになっている。
【0025】制御ポート203より図での下側に、最上
部のランドで開閉されるセカンドコーストポート204
と、このセカンドコーストポート204とドレンポート
205とに選択的に連通される第1ブレーキポート20
6とが順に形成され、この第1ブレーキポート206に
セカンドコーストモジュレータバルブ64を介して第1
ブレーキB1 が接続されている。またドレンポート20
5より図での下側に、マニュアルバルブ100のDポー
ト103に接続したDポート207が形成されており、
このDポート207と他のドレンポート208とに選択
的に連通される第2ブレーキポート209に第2ブレー
キB2 が接続されている。前記他のドレンポート208
より図での下側に更に他のドレンポート210が形成さ
れており、このドレンポート210とローコーストポー
ト211とに選択的に連通される第3ブレーキポート2
12に第3ブレーキB3 が接続されている。そしてスプ
リング202を配置してある最下端部にホールドポート
213が形成されている。
【0026】第2速と第3速との間の変速を行う 2-3シ
フトバルブ300は、六つのランドを形成したスプール
301と、その一端部(図の下端部)に配置したスプリ
ング302とを有しており、スプリング302とは反対
側の端部に形成した制御ポート303が第1ソレノイド
バルブS1 に接続され、第1ソレノイドバルブS1 がO
FFのときに、前記マニュアルバルブ100のDポート
103からストレーナ65およびオリフィス66を介し
て供給されるライン圧PL が制御ポート303に生じる
ようになっている。
【0027】この 2-3シフトバルブ300には、図の上
から順に、第1ドレンポート304、ブレーキポート3
05、第1Dポート306が形成されており、そのブレ
ーキポート305が前記 1-2シフトバルブ200のセカ
ンドコーストポート204に接続されるとともに、この
ブレーキポート305を第1ドレンポート304と第1
Dポート306とに選択的に連通させるようになってい
る。上記のポートに続けて、ホールド出力ポート30
7、入力ポート308、クラッチポート309、第2ド
レンポート310が順に形成されており、第1ドレンポ
ート304とブレーキポート305とが連通していると
きに、第1Dポート306とホールド出力ポート30
7、入力ポート308とクラッチポート309とがそれ
ぞれ連通し、ブレーキポート305が第1Dポート30
6に連通しているときに、ホールド出力ポート307と
入力ポート308、クラッチポート309と第2ドレン
ポート310とがそれぞれ連通するようになっている。
【0028】さらに第2ドレンポート310に続けてブ
レーキポート311、第2Dポート312が順に形成さ
れており、クラッチポート309が入力ポート308に
連通しているときに第2ドレンポート310がブレーキ
ポート311に連通し、また反対にクラッチポート30
9が第2ドレンポート310に連通しているときにブレ
ーキポート311と第2Dポート312とが連通するよ
うになっている。さらにまたスプリング302を配置し
てある最下端部にホールドポート313が形成されてい
る。
【0029】そして前記クラッチポート309に第2ク
ラッチC2 が接続される一方、前記1-2シフトバルブ2
00のホールドポート213とこのクラッチポート30
9とが接続されている。またブレーキポート311がロ
ーコーストモジュレータバルブ67を介して 1-2シフト
バルブ200のローコーストポート211に接続されて
いる。さらにホールドポート313がマニュアルバルブ
100のLポート105に接続され、Lレンジではスプ
ール301を図の右半分に示すように押し上げた位置に
保持するようになっている。
【0030】3-4シフトバルブ400は第2ソレノイド
バルブS2 および 2-3シフトバルブ300のホールド出
力ポート307から送られる油圧によって制御されて、
前述した第2変速部37の変速を実行するものであっ
て、四つのランドが形成されたスプール401とその一
端部に配置したスプリング402とを備えており、スプ
リング402とは反対側の端部に形成した制御ポート4
03が、前述した 1-2シフトバルブ200の制御ポート
203と同様に、第2ソレノイドバルブS2 に接続さ
れ、またスプリング402を配置してある端部に形成し
たホールドポート404が、 2-3シフトバルブ300に
おけるホールド出力ポート307に接続されている。
【0031】この 3-4シフトバルブ400は、第2ソレ
ノイドバルブS2 がOFFとなっていて制御ポート40
3にライン圧PL が作用している場合に、ライン圧油路
61に接続してある入力ポート405が、ブレーキB0
を接続してあるブレーキポート406に連通し、また反
対に制御ポート403から排圧されている場合あるいは
ホールドポート404に油圧が作用している場合に入力
ポート405が、クラッチC0 を接続してあるクラッチ
ポート407に連通するようになっている。
【0032】そしてマニュアルバルブ100のDポート
103に第1クラッチC1 が接続されるとともに、この
第1クラッチC1 から 2-3シフトバルブ300の第1お
よび第2のDポート306,312に至る油路68の途
中に、手動モードでの第1速と第2速とでエンジンブレ
ーキを効かせるため、換言すれば自動モードでの第1速
と第2速とでのエンジンブレーキを阻止するためのコー
ストブレーキカットオフバルブ500が設けられてい
る。
【0033】これは、第1クラッチC1 に接続してある
クラッチポート501と 2-3シフトバルブ300の第1
および第2のDポート306,312に接続してあるブ
レーキポート502とを選択的に連通させるものであっ
て、スプリング503によって一方向に押圧されたスプ
ール504を有するとともに、スプリング503を配置
した端部に形成されているホールドポート505が、オ
ーバードライブ(O/D)ロックアウトバルブ600を
介して、マニュアルバルブ100のSポート104に接
続され、またこれとは反対側の端部に形成した制御ポー
ト506が第3ソレノイドバルブS3 に接続されてい
る。そしてこの第3ソノイドバルブS3 は、第1クラッ
チC1 と制御ポート506とを、ストレーナ65および
オリフィス70を介して接続している油路71に介装さ
れ、OFF状態でドレンポートを閉じて制御ポート50
6にライン圧PL を生じさせ、ON状態でドレンポート
を開いて制御ポート506から排圧するようになってい
る。
【0034】O/Dロックアウトバルブ600は、弁体
601の位置を、制御ポート602に作用するライン圧
PL とこの制御圧に対抗するスプリング603とによっ
て制御することにより、出力ポート604を入力ポート
605とドレンポート606とに選択的に連通させるよ
う構成されている。すなわち弁体601は、中間部の外
径を両端部の外径より小さくしたものであって、図6の
右半分に示すように弁体601がスプリング603を圧
縮して押し下げられている状態では、出力ポート604
と入力ポート605とが弁体601の外周側の隙間を介
して連通し、また弁体601が図6の左半分に示す位置
に押し上げられている状態では、入力ポート605が閉
じられるとともに、出力ポート604がドレンポート6
06に連通する。
【0035】そしてその出力ポート604にコーストブ
レーキカットオフバルブ500のホールドポート505
が接続され、また入力ポート605はマニュアルバルブ
100のSポート104に接続され、さらに制御ポート
602は第1ソレノイドバルブS1 に接続されている。
【0036】上記の各ソレノイドバルブS1 ,S2 ,S
3 が図7に示すようにONもしくはOFFとされるの
で、 1-2シフトバルブ200では、第1速で右半分に示
すようにスプール201が押し下げられ、それ以外の前
進段ではスプール201が図の左半分に示すように押し
上げられ、また 2-3シフトバルブ300では、第1速お
よび第2速で図の右半分に示すようにスプール301が
押し上げられ、第3速および第4速ではスプール301
が図の左半分に示すように押し下げられ、さらに3-4シ
フトバルブ400では、第1速ないし第3速でスプール
401が図の右半分に示すように押し上げられ、第4速
で図の左半分に示すように押し下げられる。その結果、
各摩擦係合装置が図7に示すように係合あるいは解放さ
れて各変速段が設定される。
【0037】なお、図7は作動表であって、○印はソレ
ノイドバルブについてON、摩擦係合装置については係
合を示し、また×印はソレノイドバルブについてOF
F、摩擦係合装置については解放を示す。
【0038】ここで特に手動モードでの第1速と第2速
とについて説明すると、これらの変速段を設定する場
合、第3ソレノイドバルブS3 はONとされるので、コ
ーストブレーキカットオフバルブ500の制御ポート5
06から排圧され、そのスプール504がスプリング5
03によって図の左半分に示す位置へ押し上げられる。
その結果、クラッチポート501とブレーキポート50
2とが連通するので、 2-3シフトバルブ300の第1D
ポート306と第2Dポート312とにライン圧PL が
供給される。一方、 2-3シフトバルブ300は、第1速
および第2速を設定する際に、第1ソレノイドバルブS
1 がONとされて制御ポート303から排圧され、それ
に伴ってスプール301が図の右半分に示す位置に押し
上げられているから、第1Dポート306がブレーキポ
ート305に連通し、第2Dポート312がブレーキポ
ート311に連通する。すなわちこれらのブレーキポー
ト305,311にそれぞれ接続されている 1-2シフト
バルブ200のセカンドコーストポート204とローコ
ーストポート211とにライン圧PL が供給される。
【0039】この 1-2シフトバルフ200は、第1速の
ときに第2ソレノイドバルブS2 がOFFとなって制御
ポート203に油圧が供給されることによりスプール2
01が図の右半分に示す位置に押し下げられるから、ロ
ーコーストポート211が第3ブレーキポート212に
連通し、その結果、ここに接続してある第3ブレーキB
3 に油圧が供給されてこれが係合する。すなわち図5に
示す歯車列において、第2一方向クラッチF2 と並列の
関係にある第3ブレーキB3 が係合するためにキャリヤ
50の正逆両方向への回転が阻止され、エンジンブレー
キを効かせることができる。
【0040】また 1-2シフトバルブ200は第2速の際
に、第2ソレノイドバルブS2 がONとなって制御ポー
ト203から排圧され、そのスプール201が図の左半
分に示す位置へ押し上げられるから、セカンドコースト
ポート204が第1ブレーキポート206に連通し、そ
の結果、ここに接続してある第1ブレーキB1 が係合す
る。すなわち図5に示す歯車列において、第1一方向ク
ラッチF1 および第2ブレーキB2 に対して並列の関係
にある第1ブレーキB1 が係合することにより、第1変
速部38におけるサンギヤ42,43の正逆両方向の回
転が阻止され、エンジンブレーキを効かせることができ
る。
【0041】上記の自動変速機Aでは、前述したDMス
イッチ26をOFFにした状態でシフトレバー23を例
えばドライブレンジ位置に設定すれば、自動変速モード
となって車速やスロットル開度等の走行状態に基づいて
変速段が判断される。この自動変速モードの状態で変速
判断が行われると、電子制御装置21はタイマT1 をス
タートさせて、その設定時間が経過するまで変速指令信
号の出力を遅らせる。またその遅延時間の間においても
走行状態に基づいて、設定するべき変速段を判断する。
このようにして判断された最終の変速段が、遅延時間の
経過後に設定されるべき予定変速段となり、自動変速モ
ードのまま遅延時間が経過した場合には、その時点で予
定変速段への変速指令信号が出力される。
【0042】また手動変速モードへの切換えは、シフト
レバー23のグリップ部に設けたDMスイッチ26をO
N動作させることにより行い、さらに手動変速モードで
の変速段の選択は、シフトレバー23をいずれかの変速
段位置に移動させてスイッチSW1,〜SW4のいずれかを
ON動作させることにより行う。この手動変速モードは
シフトレバー23をこのように操作することにより選択
された変速段を達成する変速モードであるが、シフトレ
バー23は、ドライブレンジ位置からH字形の溝25に
移動させるから、マニュアルバルブ100は切り替わら
ない。すなわちマニュアルバルブ100からの油圧の給
排状態は自動変速モードでのドライブレンジ状態とは変
わらない。しかしながらDMスイッチ26をON動作さ
せることにより、第3ソレノイドバルブS3 がON状態
となるので、各前進段でエンジンブレーキを効かせるこ
とができる。
【0043】したがって自動変速モードにおいて変速す
るべきことが判断され、それに伴ってタイマT1 が遅延
時間をカウントしている間に手動変速モードに切換えら
れ、かつ所定の変速段が選択されると、設定すべき変速
段として前記予定変速段と手動操作によって選択された
変速段とが存在することになる。そこで上述した自動変
速機では、タイマT1 の作動中に手動変速モードに切換
えられた場合には、以下に述べるように変速制御を行
う。
【0044】図8はその制御ルーチンを示すフローチャ
ートであり、まずステップ1で入力信号の処理を行った
後、DMスイッチ26がONか否かを判断する(ステッ
プ2)。DMスイッチ26がOFFであって自動変速モ
ードが選択されている状態では制御プロセスはリターン
し、またDMスイッチ26がON動作させられて手動変
速モードが選択されている場合にはステップ3に進んで
いずれかの変速段スイッチSW1,〜SW4がONとなって
いるか否かを判断する。その判断結果が“ノー”の場合
にはリターンし、またいずれかの変速段スイッチSW1,
〜SW4がONとなっている場合には、自動変速モードで
の変速の際の遅延タイマT1 が作動しているか否かを判
断する(ステップ4)。このタイマT1 が時間をカウン
トしていれば、すなわちステップ4の判断結果が“イエ
ス”であれば、そのタイマT1 による時間のカウントを
直ちに中止し(ステップ5)、かつタイマT1 による時
間のカウント終了後に設定が予定されていた予定変速段
をキャンセルする(ステップ6)。そしてON動作させ
られている変速段スイッチSW1,〜SW4によって指示さ
れる変速段への変速を指令する変速指令信号を出力する
(ステップ7)。なお、ステップ4の判断結果が“ノ
ー”の場合、すなわちタイマT1 が作動していない場合
には、ステップ7に進み、ON動作させられている変速
段スイッチSW1,〜SW4で指示されている変速段への変
速指令信号を出力する。
【0045】上述した制御による各信号の出力に関する
タイムチャートを図示すれば、図9のとおりである。す
なわちt0 時点に変速判断が行われると、ここからタイ
マT1 による遅延時間のカウントが開始される。そのカ
ウントアップより前のt1 時点にDMスイッチ26がO
N動作させられ、かつそれより若干遅れたt2 時点にい
ずれかの変速段スイッチSW1,〜SW4がON動作させら
れると、この変速段スイッチSW1,〜SW4のONと同時
に予定変速段への変速指示がキャンセルされ、かつ変速
段設定用のソレノイドバルブS1 ,S2 およびエンジン
ブレーキ用のソレノイドバルブS3 に信号が出力され、
さらにロックアップクラッチのOFF信号が出力され
る。すなわち手動変速による変速段の選択と同時に変速
指令信号が出力され、手動操作で選択した変速段への変
速が実行される。そのため時間的な遅れが殆ど生じるこ
とがないので、変速応答性が良好になる。
【0046】つぎにこの発明の他の実施例について説明
する。図10および図11はこの発明で使用される他の
シフト装置を示す図であり、ここに示すシフト装置は、
シフトレバー23のグリップ部の頂部にアップシフトス
イッチ27を設けるとともに、そのグリップ部の車両前
方側下部にダウンシフトスイッチ28を設け、かつこれ
らのスイッチ27,28を電子制御装置21に接続した
ものであり、このシフトレバー23によって選択される
自動変速モードでの各レンジ位置および手動変速モード
を設定する位置は、図11に示すように配列されてい
る。
【0047】すなわち図11において、上から順にパー
キング(P)、リバース(R)、ニュートラル(N)、
ドライブ(D)の各レンジ位置が設定され、そのドライ
ブレンジ位置の左側に第1速ないし第3速の間で変速を
行わせる“3”レンジ位置が設定され、その下側(車両
では後方側)に第1速と第2速との変速を行う“2”レ
ンジ位置、ロー(L)レンジ位置が順に設定されてい
る。また一方、トライブレンジ位置の右側に手動変速モ
ードを設定するためのダイレクトモード(DM)位置が
設けられ、ここにDMスイッチ(図示せず)が配置され
ている。そして図10に示すシフト装置は、シフトレバ
ー23をDM位置に移動させ、ここで前記アップシフト
スイッチ27をON動作させるごとに、一段づつアップ
シフトし、また反対にダウンシフトスイッチ28をON
動作させるごとに、一段づつダウンシフトするように構
成されている。なおこのシフト装置を採用した場合に
は、前記電子制御装置21には、各変速段スイッチSW
1,〜SW4からの信号に替えてアップシフトスイッチ2
7およびダウンシフトスイッチ28からの信号が入力さ
れることになる。
【0048】このシフト装置を採用した自動変速機で
は、シフトレバー23をDM位置に移動させることによ
り手動変速モードに切り替わり、この状態でアップシフ
トスイッチ27もしくはダウンシフトスイッチ28のい
ずれかがON動作させられることにより、アップシフト
あるいはダウンシフトが生じるが、そのアップシフトも
しくはダウンシフトの基礎となる変速段を事前に確定す
る必要がある。そこでこの発明の制御装置では、自動変
速モードでの変速の際の遅延時間のカウントが行われて
いる間に手動変速モードへの切換えおよびアップシフト
もしくはダウンシフトの指示がなされた場合には、以下
に述べるように変速制御を行う。
【0049】図12はその制御ルーチンを示すフローチ
ャートであり、ステップ10で入力信号の処理を行った
後に手動変速モードが選択されているか否かを判断する
(ステップ11)。その判断結果が“ノー”の場合には
リターンし、また“イエス”の場合にはステップ12に
進んでタイマT1 が作動中か否かを判断する。タイマT
1 が作動中でなければ、制御プロセスはリターンし、ま
たタイマT1 が作動していれば、ステップ13でアップ
シフトスイッチ27もしくはダウンシフトスイッチ28
がONか否かを判断する。いずれかのスイッチ27,2
8がON動作せられている場合には、そのスイッチ2
7,28から信号が入力された時点の予定変速段とスイ
ッチ27,28で選択されている変速(アップシフトも
しくはダウンシフト)とに基づいて変速段(新変速段)
を決定する(ステップ14)。
【0050】図13はその新変速段を決定するためのマ
ップの一例であり、自動変速モードで判断されている予
定変速が1速のアップシフトであり、かつ手動操作によ
る変速操作がアップシフト操作であれば、新変速段は現
変速段に対して1速アップシフトした変速段とする。ま
た予定変速段が2速アップシフトする変速段であり、か
つ手動でアップシフト操作されていた場合には、新変速
段は現変速段に対して2速アップシフトした変速段とす
る。なおこれらのアップシフトの判断に基づいて設定さ
れる変速段が第4速を越える場合には、新変速段は第4
速とする。これに対して予定変速段が1速のアップシフ
トを行う変速段であり、かつ手動による変速操作がダウ
ンシフトであった場合には、新変速段として現変速段に
対して1速のダウンシフトを行う変速段を決定する。な
お、このようにして判断される変速段が第1速を下回る
場合には、新変速段は第1速とする。そして予定変速段
が2速のアップシフトを行う変速段であり、かつ手動に
よる変速操作がダウンシフトであった場合には、新変速
段として現変速段を決定する。
【0051】ステップ14に続くステップ15では、タ
イマT1 の動作を中止して遅延時間のカウントを停止
し、またステップ16では、上記のようにして決定され
た新変速段を達成するように変速指令信号を出力する。
【0052】なお、ステップ13の判断結果が“ノー”
であれば、直ちにステップ15に進んで、タイマT1 に
よる時間のカウントを停止する。
【0053】したがって図12に示す変速制御を行うこ
とにより、たとえ遅延時間のカウント中であっても、手
動変速による変速段の選択があった場合には、その時点
の走行状態におよび運転者の意図に適した変速段が直ち
に達成され、その結果、手動変速モードへ切換えた時点
の変速応答性が良好になる。
【0054】なお図12に示す例は、予定変速段と手動
操作に基づく変速とによって新変速段を決定する例であ
るが、手動操作による変速は、現実に設定されている変
速段あるいは現実の走行状態からの変速を求めて運転者
によって行われるものであり、したがって新変速段は現
変速段(手動変速モードへの切換え直前の自動変速モー
ドでの変速段)と手動操作に基づく変速段とによって決
定することとしてもよい。図14にこのように変速制御
ルーチンの一例を示してあり、これは図12に示す制御
ルーチンのうちのステップ14を、現変速段と手動操作
に基づく変速段とに基づいて新変速段を決定するステッ
プ(ステップ14−1)に替えたものである。このよう
な新変速段の決定も、予め定めたマップに基いて行うこ
とができる。
【0055】また図12に示す制御あるいは図14に示
す制御の選択は、変速がパワーオン状態で行われるか、
あるいはパワーオフ状態で行われるかを判断し、その判
断結果に基づいて行うこととしてもよい。
【0056】ところで図10および図11に示すシフト
装置を採用した自動変速機では、シフトレバー23をD
M位置に移動させると、手動変速モードへの切換えが行
われ、その時点で手動変速モードでの初期変速段を決定
する必要がある場合がある。すなわち自動変速モードお
よびその変速の際の遅延時間中に判断される変速段は、
その時点の走行状態に適した変速段であるから、手動変
速モードに切換えられた後、具体的な変速段を指示する
操作が行われていない時点では、遅延時間中に最終に判
断された予定変速段が、その時点の走行状態に最も適し
ていると考えられる。そこで手動変速モードへの切換え
スイッチを備えているシフト装置を使用する場合には、
上記の理由により、図15に示す変速制御を行ってもよ
い。
【0057】図15においてステップ20で入力信号の
処理を行った後に、ドライブ(D)レンジが選択されて
いるか否かを判断し(ステップ21)、その判断結果が
“ノー”であればリターンし、また“イエス”であれば
変速時の遅延時間をカウントするタイマT1 が作動中か
否かを判断する(ステップ22)。タイマT1 が作動中
の場合、手動変速モードへの切換え操作が行われたこと
が検出されたか否かを判断し(ステップ23)、手動変
速モードが選択されていなければリターンし、手動変速
モードが選択されていた場合には、タイマT1 による遅
延時間のカウントを中止する(ステップ24)。この時
点に判断されている変速段が予定変速段であり、そこで
ステップ25ではロックアップクラッチを解放するとと
もに、その予定変速段を達成するための変速出力処理を
行う(ステップ26)。すなわち予定変速段への変速指
令信号の出力を行う。そしてその予定変速段を手動変速
モードでの初期変速段として設定する処理を行う(ステ
ップ27)。
【0058】なお、タイマT1 が作動していないために
ステップ22の判断結果が“ノー”となった場合には、
走行状態に基づいて判断された変速段への通常の変速制
御を実行する(ステップ28)。
【0059】上述した制御による手動変速モードへの切
換え信号と変速遅延タイマT1 およびロックアップ解放
遅延タイマT2 との関係とをタイムチャートで示せば、
図16のとおりである。t10時点で変速判断が行われる
と、これと同時に各タイマT1 ,T2 がそれぞれの遅延
時間のカウントを開始するが、その遅延時間のカウント
を終了する以前のt11時点に手動変速モードへの切換え
操作が行われ、その直後のt12時点で手動変速モードへ
の切換え操作の行われたことが判断されると、これと同
時に各タイマT1 ,T2 による遅延時間のカウントが中
止される。
【0060】したがって図15に示す制御を行えば、自
動変速モードから手動変速モードに切換える際に変速の
応答遅れが生じることがなく、しかも走行状態や運転者
の意図にそぐわない変速段が達成されることを防止する
ことができる。
【0061】なお、この発明は、上述した歯車列や油圧
制御装置を備えた自動変速機を対象とした制御装置に限
定されないことは勿論である。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかなようにこの発明
の変速制御装置によれば、自動変速モードで変速段が判
断されてその変速のための遅延時間のカウント中に手動
変速モードに切換えても、その手動操作とほぼ同時に所
定の変速段が設定されるので、変速の応答遅れを防止す
ることができる。またしたがって手動変速モードへの切
換えに伴って複数回連続して、変速が生じるなどのこと
を解消できるので、運転フィーリングが損なわれること
を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な構成を説明するためのブロ
ック図である。
【図2】この発明の一実施例を概略的に示すブロック図
である。
【図3】シフト装置の一例を示す図であってシフトレバ
ーのガイド溝の形状およびシフト位置を示す図である。
【図4】電子制御装置の制御システムを概略的に示すブ
ロック図である。
【図5】自動変速機における歯車列を示すスケルトン図
である。
【図6】油圧制御装置における主要な回路部分を示す油
圧回路図である。
【図7】各変速段を設定するための作動表を示す図であ
る。
【図8】この発明による制御ルーチンの一例を示すフロ
ーチャートである。
【図9】変速遅延タイマの中止制御を行った場合のタイ
ムチャートである。
【図10】他のシフト装置の例を示す模式的な斜視図で
ある。
【図11】レンジ位置とDM位置との配列を示す図であ
る。
【図12】この発明による制御ルーチンの他の例を示す
フローチャートである。
【図13】新変速段の決定のためのマップの一例を示す
図表である。
【図14】この発明による制御ルーチンの更に他の例を
示すフローチャートである。
【図15】予定変速段を手動変速モードの初期変速段と
するこの発明の制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図16】図15に示す制御を行った場合のタイムチャ
ートである。
【符号の説明】
1 変速モード切換え手段 2 変速遅延時間設定手段 3 予定変速段判断手段 4 モード変更検出手段 5 手動変速指令出力手段 A 自動変速機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲斐川 正人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 犬塚 武 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 服部 雅士 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設定すべき変速段を走行状態に基づいて
    判断する自動変速モードと手動操作によって指示された
    変速を実行する手動変速モードとに切換える変速モード
    切換え手段と、自動変速モードにおいて変速判断から変
    速指令信号の出力までに所定の遅延時間を設定する変速
    遅延時間設定手段と、走行状態に基づいて判断された変
    速段を前記変速指令信号によって設定すべき予定変速段
    とする予定変速段判断手段とを備えた手動変速可能な自
    動変速機の変速制御装置において、 前記自動変速モードから手動変速モードに切換えられた
    ことを判断するモード変更検出手段と、前記遅延時間中
    に自動変速モードから手動変速モードに切換えられたこ
    とが検出された場合に前記遅延時間の経過を待たずに直
    ちに所定の変速段への変速指令信号を出力する手動変速
    指令出力手段とを備えていることを特徴とする手動変速
    可能な自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記所定の変速段が、前記予定変速段で
    あることを特徴とする請求項1に記載の手動変速可能な
    自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記所定の変速段が、前記遅延時間中に
    手動変速モードに切換えられて選択された変速段である
    ことを特徴とする請求項1に記載の手動変速可能な自動
    変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記所定の変速段が、前記予定変速段と
    前記遅延時間中に手動変速モードに切換えられて選択さ
    れた変速段とに基づいて判断された変速段であることを
    特徴とする請求項1に記載の手動変速可能な自動変速機
    の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 前記所定の変速段が、自動変速モードか
    ら手動変速モードに切換えられる直前に設定されていた
    変速段と前記遅延時間中に手動変速モードに切換えられ
    て選択された変速段とに基づいて判断された変速段であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の手動変速可能な自
    動変速機の変速制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6080083A (en) * 1998-04-14 2000-06-27 Nissan Motor Co., Ltd. Shift mode selector for automatic transmission
JP2007315414A (ja) * 2006-05-23 2007-12-06 Toyota Motor Corp 車両用自動変速機の変速制御装置
JP2016125638A (ja) * 2015-01-08 2016-07-11 マツダ株式会社 車両用シフト装置

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JP2007315414A (ja) * 2006-05-23 2007-12-06 Toyota Motor Corp 車両用自動変速機の変速制御装置
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