JPH06330872A - スクロール流体機械 - Google Patents
スクロール流体機械Info
- Publication number
- JPH06330872A JPH06330872A JP12003193A JP12003193A JPH06330872A JP H06330872 A JPH06330872 A JP H06330872A JP 12003193 A JP12003193 A JP 12003193A JP 12003193 A JP12003193 A JP 12003193A JP H06330872 A JPH06330872 A JP H06330872A
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- JP
- Japan
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- seal
- groove
- scroll
- seal groove
- tip
- Prior art date
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- Withdrawn
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C27/00—Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
- F04C27/005—Axial sealings for working fluid
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Rotary Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】チップシールを任意の断面形状で、所定隙間を
介してシール溝に嵌入保持できながら、一方のスクロー
ルを裏返して他方のスクロールに組付ける際、前記チッ
プシールを手などにより保持せずとも、組付けられるよ
うにして組付け作業性を良好にする。 【構成】前記チップシール8の背面とシール溝7の底面
との一方に、渦巻体32,42の中心部を挟んで少なく
とも2個の突起部91,91を設ける。他方にこの突起
部91,91を受け入れる受入凹部92,92を設け
る。そして、突起部91,91及び受入凹部92,92
の一方を、チップシール8の幅方向中心及びシール溝7
の幅方向中心に対し、突起部91を受入凹部92への嵌
合時、チップシール8を弾性変位させ、その弾性復元力
でチップシール8をシール溝7に保持可能な偏位量で幅
方向一側方に偏位させて、突起部91を受入凹部92に
チップシール8の弾性復元力により圧接させて保持す
る。
介してシール溝に嵌入保持できながら、一方のスクロー
ルを裏返して他方のスクロールに組付ける際、前記チッ
プシールを手などにより保持せずとも、組付けられるよ
うにして組付け作業性を良好にする。 【構成】前記チップシール8の背面とシール溝7の底面
との一方に、渦巻体32,42の中心部を挟んで少なく
とも2個の突起部91,91を設ける。他方にこの突起
部91,91を受け入れる受入凹部92,92を設け
る。そして、突起部91,91及び受入凹部92,92
の一方を、チップシール8の幅方向中心及びシール溝7
の幅方向中心に対し、突起部91を受入凹部92への嵌
合時、チップシール8を弾性変位させ、その弾性復元力
でチップシール8をシール溝7に保持可能な偏位量で幅
方向一側方に偏位させて、突起部91を受入凹部92に
チップシール8の弾性復元力により圧接させて保持す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鏡板に渦巻体を突設し
た一対のスクロールを備え、前記渦巻体を互いに噛み合
わせると共に、前記渦巻体の突設部端面にシール溝を設
け、このシール溝にチップシールを嵌入保持したスクロ
ール流体機械に関する。
た一対のスクロールを備え、前記渦巻体を互いに噛み合
わせると共に、前記渦巻体の突設部端面にシール溝を設
け、このシール溝にチップシールを嵌入保持したスクロ
ール流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のスクロール流体機械は、
例えば、特開昭62−126207号公報に記載されて
いるように、鏡板に渦巻体を突設した一対の固定スクロ
ール及び可動スクロールを前記各渦巻体が対向するごと
く噛み合わせて配設し、前記各渦巻体により複数の圧縮
室を形成するときに、前記各渦巻体の突設部端面と、該
突設部端面と対向する鏡板との間に形成される隙間から
の各圧縮室間のガス漏れを抑制するために、各渦巻体の
突設部端面にシール溝を形成し、該シール溝にチップシ
ールを嵌入保持させたものが知られている。
例えば、特開昭62−126207号公報に記載されて
いるように、鏡板に渦巻体を突設した一対の固定スクロ
ール及び可動スクロールを前記各渦巻体が対向するごと
く噛み合わせて配設し、前記各渦巻体により複数の圧縮
室を形成するときに、前記各渦巻体の突設部端面と、該
突設部端面と対向する鏡板との間に形成される隙間から
の各圧縮室間のガス漏れを抑制するために、各渦巻体の
突設部端面にシール溝を形成し、該シール溝にチップシ
ールを嵌入保持させたものが知られている。
【0003】このシール構造を図11乃至図13に基づ
いて説明する。図11に示したものは、固定側の第1ス
クロール3及び可動側の第2スクロール4を備えたもの
であって、前記第2スクロール4の上方に前記第1スク
ロール3を組付け、そして、各スクロール3,4の鏡板
31,41に突設した渦巻体32,42の各突設部端面
32a,42aに、渦巻長手方向に沿って開口する断面
三角形状または断面矩形のシール溝7,7をスクロール
の巻き始めから巻き終わりに亘って形成し、これらシー
ル溝7,7内に、図12及び図13に示すように該シー
ル溝7と同形状のチップシール8を所定隙間を介して嵌
入保持させて、前記各スクロール3,4の渦巻体によっ
て形成される各圧縮室のうちスクロール中心部側の高圧
側圧縮室からスクロール外周側の低圧側圧縮室へのガス
漏れを抑制するようにしたものである。即ち、前記各チ
ップシール8,8は、高圧側圧縮室のガス圧によりスク
ロール外周側に押圧され、さらに、前記チップシール8
の背面側、つまり、前記チップシール8と前記シール溝
7との間の隙間に前記高圧ガスが導入されて、互いに噛
み合う相手側スクロールの鏡板41,31側に押し付け
られ、この結果、前記渦巻体32,42と、この渦巻体
32,42の突設部端面32a,42aが対向する相手
側スクロールの鏡板41,31との間をシールするよう
にしている。
いて説明する。図11に示したものは、固定側の第1ス
クロール3及び可動側の第2スクロール4を備えたもの
であって、前記第2スクロール4の上方に前記第1スク
ロール3を組付け、そして、各スクロール3,4の鏡板
31,41に突設した渦巻体32,42の各突設部端面
32a,42aに、渦巻長手方向に沿って開口する断面
三角形状または断面矩形のシール溝7,7をスクロール
の巻き始めから巻き終わりに亘って形成し、これらシー
ル溝7,7内に、図12及び図13に示すように該シー
ル溝7と同形状のチップシール8を所定隙間を介して嵌
入保持させて、前記各スクロール3,4の渦巻体によっ
て形成される各圧縮室のうちスクロール中心部側の高圧
側圧縮室からスクロール外周側の低圧側圧縮室へのガス
漏れを抑制するようにしたものである。即ち、前記各チ
ップシール8,8は、高圧側圧縮室のガス圧によりスク
ロール外周側に押圧され、さらに、前記チップシール8
の背面側、つまり、前記チップシール8と前記シール溝
7との間の隙間に前記高圧ガスが導入されて、互いに噛
み合う相手側スクロールの鏡板41,31側に押し付け
られ、この結果、前記渦巻体32,42と、この渦巻体
32,42の突設部端面32a,42aが対向する相手
側スクロールの鏡板41,31との間をシールするよう
にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のスク
ロール流体機械では、組立て時に前記チップシール8が
前記シール溝7から脱落するおそれがあって、組立て作
業が困難となる問題があった。即ち、組立て作業に際
し、まず両方のスクロール3,4を前記各渦巻体32,
42のシール溝7,7を上方に開口させた状態に配置
し、これらシール溝7,7に前記チップシール8,8を
嵌入させておき、次に、第1スクロール3を裏返して、
図11に示すように、前記第2スクロール4に組合わせ
るのであるが、このとき、前記チップシール8は前記シ
ール溝7に所定隙間を介して嵌入させるようにしている
ので、前記第1スクロール3を裏返したときに、前記チ
ップシール8が前記シール溝7から簡単に脱落するおそ
れがあるのである。これを防止するためには、前記チッ
プシール8を手や保持具などで押さえながら前記第1ス
クロール3を裏返して組付ける作業を必要とし、作業が
困難となっていたのである。
ロール流体機械では、組立て時に前記チップシール8が
前記シール溝7から脱落するおそれがあって、組立て作
業が困難となる問題があった。即ち、組立て作業に際
し、まず両方のスクロール3,4を前記各渦巻体32,
42のシール溝7,7を上方に開口させた状態に配置
し、これらシール溝7,7に前記チップシール8,8を
嵌入させておき、次に、第1スクロール3を裏返して、
図11に示すように、前記第2スクロール4に組合わせ
るのであるが、このとき、前記チップシール8は前記シ
ール溝7に所定隙間を介して嵌入させるようにしている
ので、前記第1スクロール3を裏返したときに、前記チ
ップシール8が前記シール溝7から簡単に脱落するおそ
れがあるのである。これを防止するためには、前記チッ
プシール8を手や保持具などで押さえながら前記第1ス
クロール3を裏返して組付ける作業を必要とし、作業が
困難となっていたのである。
【0005】また、前記チップシール8の断面形状を図
13に示すように方形状とした上で、該チップシール8
の渦巻き曲線を前記シール溝7の曲線より径方向外方に
大きくなるごとく形成して、前記チップシール8を前記
シール溝7に嵌入する際、弾性変形させて嵌入し、その
弾性復元力を利用して前記チップシール8を前記シール
溝7の外周側側面に押圧させて保持させることが特公昭
63−63755号公報において提案されているが、こ
のように、前記チップシール8全体が前記シール溝7の
溝壁に圧接されるので、前記チップシール8に背圧が作
用するとき、相手側スクロールへの押上の動作不良が生
し、前記した脱落防止の対策としては不十分なものとな
っている。また、シール溝7内における周方向の漏れを
考慮して、前記チップシール8とシール溝7との間の隙
間を小さくするために、図12に示すように、前記チッ
プシール8及びシール溝7の断面形状を三角形状とした
ものにおいて、前記チップシール8を弾性変形させるよ
うに成した場合には、前記シール溝7が傾斜面に形成さ
れるので、前記チップシール8に弾性力が働くと、該チ
ップシール8が傾斜面に沿って外方に滑り出していま
い、脱落は防止できないのである。
13に示すように方形状とした上で、該チップシール8
の渦巻き曲線を前記シール溝7の曲線より径方向外方に
大きくなるごとく形成して、前記チップシール8を前記
シール溝7に嵌入する際、弾性変形させて嵌入し、その
弾性復元力を利用して前記チップシール8を前記シール
溝7の外周側側面に押圧させて保持させることが特公昭
63−63755号公報において提案されているが、こ
のように、前記チップシール8全体が前記シール溝7の
溝壁に圧接されるので、前記チップシール8に背圧が作
用するとき、相手側スクロールへの押上の動作不良が生
し、前記した脱落防止の対策としては不十分なものとな
っている。また、シール溝7内における周方向の漏れを
考慮して、前記チップシール8とシール溝7との間の隙
間を小さくするために、図12に示すように、前記チッ
プシール8及びシール溝7の断面形状を三角形状とした
ものにおいて、前記チップシール8を弾性変形させるよ
うに成した場合には、前記シール溝7が傾斜面に形成さ
れるので、前記チップシール8に弾性力が働くと、該チ
ップシール8が傾斜面に沿って外方に滑り出していま
い、脱落は防止できないのである。
【0006】本発明は以上の問題に鑑みてなしたもの
で、その目的は、チップシールを任意の断面形状で、所
定隙間を介してシール溝に嵌入保持できながら、スクロ
ールの組付け時、前記チップシールを手などにより保持
せずとも、脱落なく容易に組付けられるようにして組付
け作業性を良好にできるようにすることにある。
で、その目的は、チップシールを任意の断面形状で、所
定隙間を介してシール溝に嵌入保持できながら、スクロ
ールの組付け時、前記チップシールを手などにより保持
せずとも、脱落なく容易に組付けられるようにして組付
け作業性を良好にできるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、鏡板31,41に渦巻体3
2,42を突設した一対のスクロール3,4を備え、前
記渦巻体32,42を互いに噛み合わせると共に、前記
渦巻体32,42の突設部端面32a,42aにシール
溝7を設け、このシール溝7にチップシール8を嵌入保
持したスクロール流体機械において、前記チップシール
8の背面とシール溝7の底面との一方に、渦巻体32,
42の中心部を挟んで少なくとも2個の突起部91,9
1を設け、他方にこの突起部91,91を受け入れる受
入凹部92,92を設けて、前記突起部91,91及び
受入凹部92,92の一方を、チップシール8の幅方向
中心及びシール溝7の幅方向中心に対し、前記突起部9
1を受入凹部92への嵌合時、前記チップシール8を弾
性変位させ、その弾性復元力で前記チップシール8をシ
ール溝7に保持可能な偏位量で幅方向一側方に偏位させ
たのである。
め、請求項1記載の発明は、鏡板31,41に渦巻体3
2,42を突設した一対のスクロール3,4を備え、前
記渦巻体32,42を互いに噛み合わせると共に、前記
渦巻体32,42の突設部端面32a,42aにシール
溝7を設け、このシール溝7にチップシール8を嵌入保
持したスクロール流体機械において、前記チップシール
8の背面とシール溝7の底面との一方に、渦巻体32,
42の中心部を挟んで少なくとも2個の突起部91,9
1を設け、他方にこの突起部91,91を受け入れる受
入凹部92,92を設けて、前記突起部91,91及び
受入凹部92,92の一方を、チップシール8の幅方向
中心及びシール溝7の幅方向中心に対し、前記突起部9
1を受入凹部92への嵌合時、前記チップシール8を弾
性変位させ、その弾性復元力で前記チップシール8をシ
ール溝7に保持可能な偏位量で幅方向一側方に偏位させ
たのである。
【0008】また、請求項2記載の発明は、前記シール
溝7が、前記渦巻体32,42の突設部端面32a,4
2aから溝底部に向かって溝幅が狭くなるように傾斜す
る溝側面をもち、前記シール溝7に嵌入するチップシー
ル8の側面が、前記シール溝7の溝側面に符合する傾斜
面となるようにしたのである。
溝7が、前記渦巻体32,42の突設部端面32a,4
2aから溝底部に向かって溝幅が狭くなるように傾斜す
る溝側面をもち、前記シール溝7に嵌入するチップシー
ル8の側面が、前記シール溝7の溝側面に符合する傾斜
面となるようにしたのである。
【0009】また、請求項3記載の発明は、前記チップ
シール8を樹脂材料から射出成形し、この成形時の材料
流入口が前記シール溝7の底部に向かう反摺接面に少な
くとも2個設けられ、これら材料流入口により形成され
る盛上部を前記突起部91,91としたのである。
シール8を樹脂材料から射出成形し、この成形時の材料
流入口が前記シール溝7の底部に向かう反摺接面に少な
くとも2個設けられ、これら材料流入口により形成され
る盛上部を前記突起部91,91としたのである。
【0010】また、請求項4記載の発明は、前記チップ
シール8に突起部91,91を形成し、前記シール溝7
の溝底部に前記突起部91,91を受け入れる受入凹部
92,92を形成して、これら受入凹部92,92を、
前記シール溝7の幅方向中心に対し、径方向外方に偏位
させ、前記チップシール8の前記突起部91,91を、
幅方向中心に設けたのである。
シール8に突起部91,91を形成し、前記シール溝7
の溝底部に前記突起部91,91を受け入れる受入凹部
92,92を形成して、これら受入凹部92,92を、
前記シール溝7の幅方向中心に対し、径方向外方に偏位
させ、前記チップシール8の前記突起部91,91を、
幅方向中心に設けたのである。
【0011】また、請求項5記載の発明は、前記チップ
シール8に突起部91,91を形成し、これら突起部9
1,91を前記チップシール8の幅方向中心に対し、径
方向内側に偏位させ、前記突起部91,91を受入れる
受入凹部92,92を前記シール溝7の底部における幅
方向中心に設けたのである。
シール8に突起部91,91を形成し、これら突起部9
1,91を前記チップシール8の幅方向中心に対し、径
方向内側に偏位させ、前記突起部91,91を受入れる
受入凹部92,92を前記シール溝7の底部における幅
方向中心に設けたのである。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、スクロールの組付け
時、前記突起部91を前記受入凹部92に前記チップシ
ール8の弾性復元力により圧接させてチップシール8を
シール溝7に保持することができ、しかも、前記突起部
91の前記受入凹部92への静止摩擦力だけで、前記チ
ップシール8を前記シール溝7内に保持できるから、前
記チップシール8を手などで保持せずとも脱落を防止で
き、従って簡単に各スクロールの組付け作業を行えなが
ら、前記チップシール8によるシール性能も保持できる
のである。
時、前記突起部91を前記受入凹部92に前記チップシ
ール8の弾性復元力により圧接させてチップシール8を
シール溝7に保持することができ、しかも、前記突起部
91の前記受入凹部92への静止摩擦力だけで、前記チ
ップシール8を前記シール溝7内に保持できるから、前
記チップシール8を手などで保持せずとも脱落を防止で
き、従って簡単に各スクロールの組付け作業を行えなが
ら、前記チップシール8によるシール性能も保持できる
のである。
【0013】また、請求項2記載の発明では、前記チッ
プシール8の鏡板31,41への摺動面積を、所定面積
に保持できながら、前記シール溝7及びチップシール8
の断面形状を方形にするときに比べて、前記チップシー
ル8と前記シール溝7とが対向する面積を小さくでき、
従って、前記シール溝7とチップシール8との間に形成
される隙間の断面積を小さくでき、それだけ前記シール
溝7内に流入するガスのスクロール巻き終わり方向への
ガス漏れ量を少なくできるのであって、前記チップシー
ル8によるシール性をより向上できながら、前記チップ
シール8を手などで保持せずとも脱落なく簡単に各スク
ロールの組付け作業も行なえるのである。
プシール8の鏡板31,41への摺動面積を、所定面積
に保持できながら、前記シール溝7及びチップシール8
の断面形状を方形にするときに比べて、前記チップシー
ル8と前記シール溝7とが対向する面積を小さくでき、
従って、前記シール溝7とチップシール8との間に形成
される隙間の断面積を小さくでき、それだけ前記シール
溝7内に流入するガスのスクロール巻き終わり方向への
ガス漏れ量を少なくできるのであって、前記チップシー
ル8によるシール性をより向上できながら、前記チップ
シール8を手などで保持せずとも脱落なく簡単に各スク
ロールの組付け作業も行なえるのである。
【0014】また、請求項3記載の発明では、射出成形
をする際の材料流入口により形成される盛上部を利用し
て、前記突起部91を形成できるから、該突起部91を
形成するために、わざわざ該突起部91を前記チップシ
ール8に取付けたり、また、この突起部91を有する射
出成形用の型を作成する必要もなく、コストがかかるこ
となく、前記チップシール8の前記シール溝7への保持
を行えるのである。
をする際の材料流入口により形成される盛上部を利用し
て、前記突起部91を形成できるから、該突起部91を
形成するために、わざわざ該突起部91を前記チップシ
ール8に取付けたり、また、この突起部91を有する射
出成形用の型を作成する必要もなく、コストがかかるこ
となく、前記チップシール8の前記シール溝7への保持
を行えるのである。
【0015】また、請求項4記載の発明では、各スクロ
ールの組付け時は、前記チップシール8を前記シール溝
7のほぼ中央に位置させながら、前記チップシール8を
前記シール溝7内に保持でき、運転時には、高圧ガス流
体により前記チップシール8を前記シール溝7における
スクロール径方向外方側側面に押し付けながら、相手側
のスクロールの鏡板に押し上げて前記チップシール8に
より前記渦巻体の突設部端面と相手側スクロールの鏡板
との間のシール性能を保持できるのである。
ールの組付け時は、前記チップシール8を前記シール溝
7のほぼ中央に位置させながら、前記チップシール8を
前記シール溝7内に保持でき、運転時には、高圧ガス流
体により前記チップシール8を前記シール溝7における
スクロール径方向外方側側面に押し付けながら、相手側
のスクロールの鏡板に押し上げて前記チップシール8に
より前記渦巻体の突設部端面と相手側スクロールの鏡板
との間のシール性能を保持できるのである。
【0016】また、請求項5記載の発明では、各スクロ
ールの組付け時は、前記チップシール8を前記シール溝
7のほぼ中央に位置させながら、前記チップシール8を
前記シール溝7内に保持でき、運転時には、高圧ガス流
体により前記チップシール8を前記シール溝7における
スクロール径方向外方側側面に押し付けながら、相手側
のスクロールの鏡板に押し上げて前記チップシール8に
より前記渦巻体の突設部端面と相手側スクロールの鏡板
との間のシール性能を保持できるのである。
ールの組付け時は、前記チップシール8を前記シール溝
7のほぼ中央に位置させながら、前記チップシール8を
前記シール溝7内に保持でき、運転時には、高圧ガス流
体により前記チップシール8を前記シール溝7における
スクロール径方向外方側側面に押し付けながら、相手側
のスクロールの鏡板に押し上げて前記チップシール8に
より前記渦巻体の突設部端面と相手側スクロールの鏡板
との間のシール性能を保持できるのである。
【0017】
【実施例】第1実施例について、図1乃至図5に基づい
て説明する。図5に示すスクロール流体機械は圧縮機で
あって、圧縮要素2を、鏡板31の一側平面に渦巻体3
2を下向きに突設した固定側の第1スクロール3と、密
閉ケーシング1内に固定される軸受ハウジング5に公転
駆動可能に支持され、鏡板41の一側平面に渦巻体42
を上向きに突設し、この渦巻体42を前記第1スクロー
ル3の渦巻体32と上下方向に噛合状に係合させた可動
側の第2スクロール4とから構成し、この圧縮要素2
を、前記密閉ケーシング1内の上方に配設すると共に、
前記ケーシング1内の下部に、駆動軸6を介して前記第
2スクロール4を駆動するモータMを配設したものであ
る。
て説明する。図5に示すスクロール流体機械は圧縮機で
あって、圧縮要素2を、鏡板31の一側平面に渦巻体3
2を下向きに突設した固定側の第1スクロール3と、密
閉ケーシング1内に固定される軸受ハウジング5に公転
駆動可能に支持され、鏡板41の一側平面に渦巻体42
を上向きに突設し、この渦巻体42を前記第1スクロー
ル3の渦巻体32と上下方向に噛合状に係合させた可動
側の第2スクロール4とから構成し、この圧縮要素2
を、前記密閉ケーシング1内の上方に配設すると共に、
前記ケーシング1内の下部に、駆動軸6を介して前記第
2スクロール4を駆動するモータMを配設したものであ
る。
【0018】また、前記駆動軸6の上部軸部61は、前
記軸受ハウジング5に形成する軸受部51に支持すると
共に、前記軸部61の先端部には、前記第2スクロール
4における下面側に突設したボス部43に嵌合する偏心
ピン部62を形成して、該ピン部62を前記ボス部43
に嵌合させて、前記駆動軸6の駆動により、前記第2ス
クロール4を公転駆動させるごとく成すのである。
記軸受ハウジング5に形成する軸受部51に支持すると
共に、前記軸部61の先端部には、前記第2スクロール
4における下面側に突設したボス部43に嵌合する偏心
ピン部62を形成して、該ピン部62を前記ボス部43
に嵌合させて、前記駆動軸6の駆動により、前記第2ス
クロール4を公転駆動させるごとく成すのである。
【0019】また、前記軸受ハウジング5には、前記第
2スクロール4の自転を阻止するオルダムリング52を
設けると共に、前記軸受ハウジング5における前記第2
スクロール4の下面との対向面をスラスト軸受部53と
なし、前記第2スクロール4に作用するスラスト荷重を
受け止めるようにしている。そして、前記駆動軸6に、
該駆動軸6を軸方向に貫通する給油通路63を設けて、
前記ケーシング1内下部の油溜めの油を、前記給油通路
63を介して前記軸受部51、及び、前記スラスト軸受
部53等の各摺接部に供給するようにしている。
2スクロール4の自転を阻止するオルダムリング52を
設けると共に、前記軸受ハウジング5における前記第2
スクロール4の下面との対向面をスラスト軸受部53と
なし、前記第2スクロール4に作用するスラスト荷重を
受け止めるようにしている。そして、前記駆動軸6に、
該駆動軸6を軸方向に貫通する給油通路63を設けて、
前記ケーシング1内下部の油溜めの油を、前記給油通路
63を介して前記軸受部51、及び、前記スラスト軸受
部53等の各摺接部に供給するようにしている。
【0020】さらに、前記ケーシング1内における前記
軸受ハウジング5の下方に吸入管11を開口させて、前
記ケーシング1内における前記軸受ハウジング5の下方
側空間を低圧室12と成す一方、前記ケーシング1内に
おける前記第1スクロール3の上方に、前記低圧室12
と区画される高圧室13を設けて、この高圧室13に前
記第1スクロール3の中心部に形成した吐出孔33を開
口させると共に、前記高圧室13に吐出管14を開口さ
せるのである。
軸受ハウジング5の下方に吸入管11を開口させて、前
記ケーシング1内における前記軸受ハウジング5の下方
側空間を低圧室12と成す一方、前記ケーシング1内に
おける前記第1スクロール3の上方に、前記低圧室12
と区画される高圧室13を設けて、この高圧室13に前
記第1スクロール3の中心部に形成した吐出孔33を開
口させると共に、前記高圧室13に吐出管14を開口さ
せるのである。
【0021】そして、前記圧縮要素2において、前記各
スクロール3,4の渦巻体32,42の間に複数の圧縮
室P・・を形成し、前記渦巻体32,42の巻き終わり
側から、前記ケーシング1内の低圧室12の低圧ガスを
吸入し、前記吐出孔33を開設するスクロール中心部へ
と順次圧縮して、該吐出孔33から高圧ガスを前記高圧
室13に吐出し、前記吐出管14から外部に取り出すよ
うにしている。
スクロール3,4の渦巻体32,42の間に複数の圧縮
室P・・を形成し、前記渦巻体32,42の巻き終わり
側から、前記ケーシング1内の低圧室12の低圧ガスを
吸入し、前記吐出孔33を開設するスクロール中心部へ
と順次圧縮して、該吐出孔33から高圧ガスを前記高圧
室13に吐出し、前記吐出管14から外部に取り出すよ
うにしている。
【0022】また、前記各渦巻体32,42の突設部端
面32a,42aには、図4及び図11に示すように、
渦巻長手方向に沿って開口する断面三角形状のシール溝
7をスクロール巻き始めから巻き終わりに亘って形成
し、このシール溝7内に、該シール溝7と同形状のチッ
プシール8を図2に示すように幅方向に所定隙間を介し
て嵌入保持させて、圧縮機の駆動に伴い、前記圧縮室P
のうち高圧側高圧室の高圧ガスにより、前記チップシー
ル8をスクロール外周側に押圧し、さらに、図2の矢印
に示すように、前記チップシール8と前記シール溝7と
の間の隙間へ高圧ガスを流入させて、該シール溝7の底
部から前記チップシール8の背面側を高圧ガスにより前
記各突設部端面32a,42aより押し上げて、互いに
噛み合う相手側スクロールの鏡板41,31に押し付
け、前記各渦巻体32,42の突設部端面32a,42
aと、該各端面32a,42aが対向する相手側スクロ
ール4,3の鏡板41,31との間をシールするように
している。
面32a,42aには、図4及び図11に示すように、
渦巻長手方向に沿って開口する断面三角形状のシール溝
7をスクロール巻き始めから巻き終わりに亘って形成
し、このシール溝7内に、該シール溝7と同形状のチッ
プシール8を図2に示すように幅方向に所定隙間を介し
て嵌入保持させて、圧縮機の駆動に伴い、前記圧縮室P
のうち高圧側高圧室の高圧ガスにより、前記チップシー
ル8をスクロール外周側に押圧し、さらに、図2の矢印
に示すように、前記チップシール8と前記シール溝7と
の間の隙間へ高圧ガスを流入させて、該シール溝7の底
部から前記チップシール8の背面側を高圧ガスにより前
記各突設部端面32a,42aより押し上げて、互いに
噛み合う相手側スクロールの鏡板41,31に押し付
け、前記各渦巻体32,42の突設部端面32a,42
aと、該各端面32a,42aが対向する相手側スクロ
ール4,3の鏡板41,31との間をシールするように
している。
【0023】図1乃至図4に示した実施例は、以上の構
成において、前記シール溝7の溝側面を、前記渦巻体3
2,42の突設部端面32a,42aから溝底部に向か
って溝幅が狭くなるように傾斜させて断面三角形状と成
すのである。また一方、前記チップシール8を、合成樹
脂材料を用い、射出成形により渦巻状で、側面が前記シ
ール溝7の溝側面に符合する傾斜面となるように断面三
角形状に形成すると共に、このチップシール8の背面
に、図3に示すように、前記渦巻体32,42の中心部
を挟んで少なくとも2個の突起部91・・・を設け、前
記シール溝7の溝底部に、図1及び図4に示すように前
記各突起部91・・・を受け入れる受入凹部92・・・
を形成して、前記突起部91を前記受入凹部92へ嵌合
させる時に、前記チップシール8を弾性変位させ、その
弾性復元力で前記チップシール8を前記シール溝7のス
クロール中心部側に圧接させて保持できるような偏位量
となるように、前記各受入凹部92・・・を、前記シー
ル溝7の幅方向中心に対し、スクロールの径方向外方に
偏位させ、前記チップシール8の前記各突起部91・・
・を、幅方向中心に設けるのである。
成において、前記シール溝7の溝側面を、前記渦巻体3
2,42の突設部端面32a,42aから溝底部に向か
って溝幅が狭くなるように傾斜させて断面三角形状と成
すのである。また一方、前記チップシール8を、合成樹
脂材料を用い、射出成形により渦巻状で、側面が前記シ
ール溝7の溝側面に符合する傾斜面となるように断面三
角形状に形成すると共に、このチップシール8の背面
に、図3に示すように、前記渦巻体32,42の中心部
を挟んで少なくとも2個の突起部91・・・を設け、前
記シール溝7の溝底部に、図1及び図4に示すように前
記各突起部91・・・を受け入れる受入凹部92・・・
を形成して、前記突起部91を前記受入凹部92へ嵌合
させる時に、前記チップシール8を弾性変位させ、その
弾性復元力で前記チップシール8を前記シール溝7のス
クロール中心部側に圧接させて保持できるような偏位量
となるように、前記各受入凹部92・・・を、前記シー
ル溝7の幅方向中心に対し、スクロールの径方向外方に
偏位させ、前記チップシール8の前記各突起部91・・
・を、幅方向中心に設けるのである。
【0024】具体的には、図1及び図3に示すように、
前記チップシール8の背面側で、幅方向中心位置に、横
断面円形の前記突起部91・・・を複数個形成するので
あって、該突起部91は、前記渦巻体32,42の巻き
始め側に、スクロール中心部を挟んで2個の突起部9
1,91を形成し、さらに、それよりも巻き終わり側に
巻き始めから2番目の前記突起部91によりスクロール
中心部を囲む三角形を形成するように2つの突起部9
1,91を形成するのである。しかも、これら突起部9
1・・・は、射出成形する際の材料流入口を利用して形
成するのであって、該材料流入口を前記チップシール8
の形成型において、前記シール溝7の底部に向かう反摺
接面となる部分に設けて、射出成形後に前記チップシー
ル8を取り出したとき、前記各材料流入口内に残ってい
る合成樹脂が前記チップシール8本体に結合するので、
この材料流入口により形成される盛上部を前記突起部9
1・・・と成すのである。
前記チップシール8の背面側で、幅方向中心位置に、横
断面円形の前記突起部91・・・を複数個形成するので
あって、該突起部91は、前記渦巻体32,42の巻き
始め側に、スクロール中心部を挟んで2個の突起部9
1,91を形成し、さらに、それよりも巻き終わり側に
巻き始めから2番目の前記突起部91によりスクロール
中心部を囲む三角形を形成するように2つの突起部9
1,91を形成するのである。しかも、これら突起部9
1・・・は、射出成形する際の材料流入口を利用して形
成するのであって、該材料流入口を前記チップシール8
の形成型において、前記シール溝7の底部に向かう反摺
接面となる部分に設けて、射出成形後に前記チップシー
ル8を取り出したとき、前記各材料流入口内に残ってい
る合成樹脂が前記チップシール8本体に結合するので、
この材料流入口により形成される盛上部を前記突起部9
1・・・と成すのである。
【0025】また、前記シール溝7は、図1に示すよう
に前記シール溝7の溝幅中心と、前記チップシール8の
幅方向中心をAとすると、前記シール溝7に前記チップ
シール8を前記中心Aが合うように嵌入したときに、前
記チップシール8と前記シール溝7との間で幅方向両側
に所定隙間b、bをそれぞれ保持するごとく形成するの
であり、さらに、前記シール溝7の底面に形成する前記
各受入凹部92・・・は、前記チップシール8に形成す
る前記各突起部91・・・の形成位置に対向する位置に
形成され、しかも、円形で、この円形を、前記受入凹部
92における溝幅方向の長さを前記突起部92の溝幅方
向長さに前記隙間bより大きい長さaを足した長さの径
をもつ円形となるように、該円形の中心Bを前記溝幅中
心Aより前記長さaを2等分した長さcだけスクロール
の径方向外方に偏位させて形成して、前記突起部91を
前記受入凹部92に嵌入させたときに、前記突起部91
と前記受入凹部92とが溝幅方向におけるスクロール中
心部側において接触するように成すのである。
に前記シール溝7の溝幅中心と、前記チップシール8の
幅方向中心をAとすると、前記シール溝7に前記チップ
シール8を前記中心Aが合うように嵌入したときに、前
記チップシール8と前記シール溝7との間で幅方向両側
に所定隙間b、bをそれぞれ保持するごとく形成するの
であり、さらに、前記シール溝7の底面に形成する前記
各受入凹部92・・・は、前記チップシール8に形成す
る前記各突起部91・・・の形成位置に対向する位置に
形成され、しかも、円形で、この円形を、前記受入凹部
92における溝幅方向の長さを前記突起部92の溝幅方
向長さに前記隙間bより大きい長さaを足した長さの径
をもつ円形となるように、該円形の中心Bを前記溝幅中
心Aより前記長さaを2等分した長さcだけスクロール
の径方向外方に偏位させて形成して、前記突起部91を
前記受入凹部92に嵌入させたときに、前記突起部91
と前記受入凹部92とが溝幅方向におけるスクロール中
心部側において接触するように成すのである。
【0026】さらに、前記チップシール8の渦巻き曲線
を、前記シール溝7に嵌入したときの渦巻き曲線よりも
小さい渦巻きを形成するように予め形成しておくのであ
る。即ち、前記チップシール8を前記シール溝7に嵌入
する前においては、前記突起部91の溝幅方向における
スクロール中心部側の外面が前記シール溝7に形成した
前記受入凹部92の溝幅方向におけるスクロール中心部
側の内面の位置よりも長さeだけスクロール中心部側へ
位置するように形成するのである。
を、前記シール溝7に嵌入したときの渦巻き曲線よりも
小さい渦巻きを形成するように予め形成しておくのであ
る。即ち、前記チップシール8を前記シール溝7に嵌入
する前においては、前記突起部91の溝幅方向における
スクロール中心部側の外面が前記シール溝7に形成した
前記受入凹部92の溝幅方向におけるスクロール中心部
側の内面の位置よりも長さeだけスクロール中心部側へ
位置するように形成するのである。
【0027】斯くして、嵌入前の前記突起部91を前記
受入凹部92よりもスクロール中心部側に位置させるこ
とにより、前記突起部91を前記受入凹部92へ嵌入す
るときに、前記突起部91を径方向外方に向かって移動
させて嵌入して、前記チップシール8の前記シール溝7
への嵌入時、前記チップシール8を前記シール溝7との
間に所定隙間b,bを保持したまま径方向外方に弾性変
位させられるのである。
受入凹部92よりもスクロール中心部側に位置させるこ
とにより、前記突起部91を前記受入凹部92へ嵌入す
るときに、前記突起部91を径方向外方に向かって移動
させて嵌入して、前記チップシール8の前記シール溝7
への嵌入時、前記チップシール8を前記シール溝7との
間に所定隙間b,bを保持したまま径方向外方に弾性変
位させられるのである。
【0028】つまり、前記各突起部91・・・が、スク
ロール中心部を中心にして互いに押し合う位置に形成さ
れていて、かつ、前記突起部91を前記受入凹部92に
嵌入すると、前記突起部91の径方向外方への移動によ
り、前記チップシール8がスクロールの径方向外方へ向
かって弾性変位し、この弾性変位によるスクロール中心
部に向かう弾性復元力によって、前記突起部91を前記
受入凹部92にスクロール中心部に向かって圧接させる
ことができるので、前記チップシール8の幅方向両端側
に前記シール溝7との間の所定隙間b,bを保持したま
ま、前記チップシール8を前記シール溝7内に保持でき
るのである。従って、前記第1スクロール3を前記突設
部端面42aを下方に向けた状態で前記第2スクロール
4に組付けるときでも、前記突起部91の前記受入凹部
92に圧接により、前記チップシール8を前記シール溝
7内に保持できるので、前記チップシール8を手などで
保持せずとも脱落なく簡単に組付け作業を行えるのであ
る。
ロール中心部を中心にして互いに押し合う位置に形成さ
れていて、かつ、前記突起部91を前記受入凹部92に
嵌入すると、前記突起部91の径方向外方への移動によ
り、前記チップシール8がスクロールの径方向外方へ向
かって弾性変位し、この弾性変位によるスクロール中心
部に向かう弾性復元力によって、前記突起部91を前記
受入凹部92にスクロール中心部に向かって圧接させる
ことができるので、前記チップシール8の幅方向両端側
に前記シール溝7との間の所定隙間b,bを保持したま
ま、前記チップシール8を前記シール溝7内に保持でき
るのである。従って、前記第1スクロール3を前記突設
部端面42aを下方に向けた状態で前記第2スクロール
4に組付けるときでも、前記突起部91の前記受入凹部
92に圧接により、前記チップシール8を前記シール溝
7内に保持できるので、前記チップシール8を手などで
保持せずとも脱落なく簡単に組付け作業を行えるのであ
る。
【0029】さらに、前記各スクロール3,4により圧
縮行程に入ると、図2に示すように、前記圧縮室Pのう
ちスクロール中心部側に位置する高圧側高圧室の高圧ガ
スにより、前記チップシール8をスクロールの径方向外
方側に押圧し、さらに、図2の矢印に示すように、前記
チップシール8と前記シール溝7との間の隙間へ流入さ
せて、該シール溝7の底部から前記チップシール8の背
面側を高圧ガスにより前記各突設部端面32a,42a
より押し上げて、互いに噛み合う相手側スクロールの鏡
板41,31に押し付け、前記各渦巻体32,42の突
設部端面32a,42aと、該各端面32a,42aが
対向する相手側スクロール4,3の鏡板41,31との
間をシールするのである。このとき、前記受入凹部92
の内径を前記突起部91の外径より大きくし、かつ、前
記突起部91を前記受入凹部92に嵌入したときに形成
する隙間aを前記隙間bよりも大きくなるように形成し
ているで、前記チップシール8がスクロール径方向外方
へ移動しても、前記突起部91の溝幅方向におけるスク
ロール径方向外方側の外面が前記受入凹部92に圧接し
たりして、前記チップシール8のスクロール径方向外方
及び相手側スクロールの鏡板への移動を阻止するような
ことはないのである。
縮行程に入ると、図2に示すように、前記圧縮室Pのう
ちスクロール中心部側に位置する高圧側高圧室の高圧ガ
スにより、前記チップシール8をスクロールの径方向外
方側に押圧し、さらに、図2の矢印に示すように、前記
チップシール8と前記シール溝7との間の隙間へ流入さ
せて、該シール溝7の底部から前記チップシール8の背
面側を高圧ガスにより前記各突設部端面32a,42a
より押し上げて、互いに噛み合う相手側スクロールの鏡
板41,31に押し付け、前記各渦巻体32,42の突
設部端面32a,42aと、該各端面32a,42aが
対向する相手側スクロール4,3の鏡板41,31との
間をシールするのである。このとき、前記受入凹部92
の内径を前記突起部91の外径より大きくし、かつ、前
記突起部91を前記受入凹部92に嵌入したときに形成
する隙間aを前記隙間bよりも大きくなるように形成し
ているで、前記チップシール8がスクロール径方向外方
へ移動しても、前記突起部91の溝幅方向におけるスク
ロール径方向外方側の外面が前記受入凹部92に圧接し
たりして、前記チップシール8のスクロール径方向外方
及び相手側スクロールの鏡板への移動を阻止するような
ことはないのである。
【0030】さらに、前記シール溝7及びチップシール
8の断面形状を三角形状と成しているので、前記チップ
シール8の鏡板31,41への摺動面積を、前記シール
溝7及びチップシール8の断面形状を方形状とするとき
に比べ、摺動面積を同じにできながら、前記シール溝7
の溝側面を溝底部に向かって溝幅が狭くなるように形成
しているので、断面形状を方形状とした前記シール溝7
にくらべ、溝の内面積を小さくできるのである。従っ
て、前記チップシール8と、前記シール溝7とが対向す
る面積を、前記シール溝7及びチップシール8の断面形
状を方形状にするときに比べ小さくでき、前記シール溝
7とチップシール8との間に形成される隙間の断面積を
小さくできるのであって、前記シール溝7内に流入した
ガスのスクロール巻き終わり方向へのガス漏れ量をそれ
だけ少なくでき、チップシール8によるシール性をより
向上できるのである。
8の断面形状を三角形状と成しているので、前記チップ
シール8の鏡板31,41への摺動面積を、前記シール
溝7及びチップシール8の断面形状を方形状とするとき
に比べ、摺動面積を同じにできながら、前記シール溝7
の溝側面を溝底部に向かって溝幅が狭くなるように形成
しているので、断面形状を方形状とした前記シール溝7
にくらべ、溝の内面積を小さくできるのである。従っ
て、前記チップシール8と、前記シール溝7とが対向す
る面積を、前記シール溝7及びチップシール8の断面形
状を方形状にするときに比べ小さくでき、前記シール溝
7とチップシール8との間に形成される隙間の断面積を
小さくできるのであって、前記シール溝7内に流入した
ガスのスクロール巻き終わり方向へのガス漏れ量をそれ
だけ少なくでき、チップシール8によるシール性をより
向上できるのである。
【0031】次に、図6及び図7に示した第2実施例を
説明する。前記第1実施例では、前記受入凹部92を前
記シール溝7の溝幅中心に対し径方向外方に変位させた
が、この第2実施例では、前記チップシール8に突起部
91,91を形成し、これら突起部91,91を前記チ
ップシール8の幅方向中心に対し、径方向内側に偏位さ
せ、前記突起部91,91を受入れる受入凹部92,9
2を前記シール溝7の底部における幅方向中心に設けた
のである。
説明する。前記第1実施例では、前記受入凹部92を前
記シール溝7の溝幅中心に対し径方向外方に変位させた
が、この第2実施例では、前記チップシール8に突起部
91,91を形成し、これら突起部91,91を前記チ
ップシール8の幅方向中心に対し、径方向内側に偏位さ
せ、前記突起部91,91を受入れる受入凹部92,9
2を前記シール溝7の底部における幅方向中心に設けた
のである。
【0032】具体的には、図6及び図7に示すように、
前記シール溝7とチップシール8とを、前記第1実施例
と同様に、前記シール溝7の溝幅中心及び前記チップシ
ール8の幅方向中心をAとすると、前記シール溝と前記
チップシール8とをその中心Aに合わせて、該チップシ
ール8を前記シール溝7に嵌入したときに、前記チップ
シール8と前記シール溝7との間で幅方向両側に所定隙
間b,bをそれぞれ保持するごとく形成するのである。
前記シール溝7とチップシール8とを、前記第1実施例
と同様に、前記シール溝7の溝幅中心及び前記チップシ
ール8の幅方向中心をAとすると、前記シール溝と前記
チップシール8とをその中心Aに合わせて、該チップシ
ール8を前記シール溝7に嵌入したときに、前記チップ
シール8と前記シール溝7との間で幅方向両側に所定隙
間b,bをそれぞれ保持するごとく形成するのである。
【0033】さらに、前記チップシール8の背面側に形
成する前記各突起部91・・・は、横断面円形を有する
突起で、図6に示すように、前記チップシール8の幅方
向中心Aから、前記隙間bよりも大きい長さaを2等分
した長さdだけ、径方向内側、つまり、スクロール中心
部側に変位させた位置を中心Dとし、かつ、前記チップ
シール8の幅方向中心Aと前記突起部91の中心Dとの
間の長さdよりも大きい半径となる円を形成するように
前記突起部91を形成し、これら突起部91,91を前
記チップシール8の幅方向中心Aに対し、スクロール中
心部側に偏位させるのである。
成する前記各突起部91・・・は、横断面円形を有する
突起で、図6に示すように、前記チップシール8の幅方
向中心Aから、前記隙間bよりも大きい長さaを2等分
した長さdだけ、径方向内側、つまり、スクロール中心
部側に変位させた位置を中心Dとし、かつ、前記チップ
シール8の幅方向中心Aと前記突起部91の中心Dとの
間の長さdよりも大きい半径となる円を形成するように
前記突起部91を形成し、これら突起部91,91を前
記チップシール8の幅方向中心Aに対し、スクロール中
心部側に偏位させるのである。
【0034】また、前記シール溝7に形成する前記各受
入凹部92・・・は、円形で、溝底部における溝幅中心
A位置に形成するのであって、前記円形の大きさを、前
記受入凹部92における溝幅方向の長さを前記突起部9
2の溝幅方向長さに前記隙間bよりも大きい前記長さa
を足した長さとなる径をもつ円形に形成し、前記突起部
91を前記受入凹部92に嵌入させたときに、前記突起
部91と前記受入凹部92とが、溝幅方向におけるスク
ロール中心部側において接触するごとく成すのである。
入凹部92・・・は、円形で、溝底部における溝幅中心
A位置に形成するのであって、前記円形の大きさを、前
記受入凹部92における溝幅方向の長さを前記突起部9
2の溝幅方向長さに前記隙間bよりも大きい前記長さa
を足した長さとなる径をもつ円形に形成し、前記突起部
91を前記受入凹部92に嵌入させたときに、前記突起
部91と前記受入凹部92とが、溝幅方向におけるスク
ロール中心部側において接触するごとく成すのである。
【0035】さらに、前記チップシール8の渦巻き曲線
を、前記シール溝7に嵌入したときの渦巻き曲線よりも
小さい渦巻きを形成するように予め形成しておくのであ
る。即ち、前記チップシール8を前記シール溝7に嵌入
する前においては、前記突起部91の溝幅方向における
スクロール中心部側の外面が前記シール溝7に形成した
前記受入凹部92の溝幅方向におけるスクロール中心部
側の内面の位置よりも長さeだけスクロール中心部側へ
位置するように形成するのである。
を、前記シール溝7に嵌入したときの渦巻き曲線よりも
小さい渦巻きを形成するように予め形成しておくのであ
る。即ち、前記チップシール8を前記シール溝7に嵌入
する前においては、前記突起部91の溝幅方向における
スクロール中心部側の外面が前記シール溝7に形成した
前記受入凹部92の溝幅方向におけるスクロール中心部
側の内面の位置よりも長さeだけスクロール中心部側へ
位置するように形成するのである。
【0036】斯くして、第2実施例も前記第1実施例と
同様に、嵌入前の前記突起部91を前記受入凹部92よ
りもスクロール中心部側に位置させることにより、前記
突起部91を前記受入凹部92へ嵌入するときに、前記
突起部91を径方向外方に向かって移動させて嵌入し
て、前記チップシール8の前記シール溝7への嵌入時、
前記チップシール8を前記シール溝7との間に所定隙間
b,bを保持したまま径方向外方に弾性変位させられる
のである。
同様に、嵌入前の前記突起部91を前記受入凹部92よ
りもスクロール中心部側に位置させることにより、前記
突起部91を前記受入凹部92へ嵌入するときに、前記
突起部91を径方向外方に向かって移動させて嵌入し
て、前記チップシール8の前記シール溝7への嵌入時、
前記チップシール8を前記シール溝7との間に所定隙間
b,bを保持したまま径方向外方に弾性変位させられる
のである。
【0037】従って、前記第1スクロール3を前記突設
部端面42aを下方に向けた状態で前記第2スクロール
4に組付けるときでも、前記突起部91の前記受入凹部
92に圧接により、前記チップシール8を前記シール溝
7内に保持できるので、前記チップシール8を手などで
保持せずとも脱落なく簡単に組付け作業を行えながら、
渦巻体と相手側のスクロールの鏡板との間のシールも確
実に行えるのである。
部端面42aを下方に向けた状態で前記第2スクロール
4に組付けるときでも、前記突起部91の前記受入凹部
92に圧接により、前記チップシール8を前記シール溝
7内に保持できるので、前記チップシール8を手などで
保持せずとも脱落なく簡単に組付け作業を行えながら、
渦巻体と相手側のスクロールの鏡板との間のシールも確
実に行えるのである。
【0038】また、前記した第1及び第2実施例では、
前記シール溝7及びチップシール8の断面形状を三角形
状に形成したが、図8乃至図10に示すように、断面形
状を方形状に形成するようにしてもよい。このとき、図
8は、前記チップシール8に突起部91,91を形成
し、前記シール溝7の溝底部に前記突起部91,91を
受け入れる受入凹部92,92を形成して、これら受入
凹部92,92を、前記シール溝7の幅方向中心に対
し、径方向外方に偏位させ、前記チップシール8の前記
突起部91,91を、幅方向中心に設けたものであり、
図9は、前記各突起部91,91を前記チップシール8
の幅方向中心に対し、径方向内側に偏位させ、前記突起
部91,91を受入れる受入凹部92,92を前記シー
ル溝7の底部における幅方向中心に設けたものである。
前記シール溝7及びチップシール8の断面形状を三角形
状に形成したが、図8乃至図10に示すように、断面形
状を方形状に形成するようにしてもよい。このとき、図
8は、前記チップシール8に突起部91,91を形成
し、前記シール溝7の溝底部に前記突起部91,91を
受け入れる受入凹部92,92を形成して、これら受入
凹部92,92を、前記シール溝7の幅方向中心に対
し、径方向外方に偏位させ、前記チップシール8の前記
突起部91,91を、幅方向中心に設けたものであり、
図9は、前記各突起部91,91を前記チップシール8
の幅方向中心に対し、径方向内側に偏位させ、前記突起
部91,91を受入れる受入凹部92,92を前記シー
ル溝7の底部における幅方向中心に設けたものである。
【0039】また、前記各実施例における各突起部91
・・・は、前記チップシール8に形成したが、前記シー
ル溝7の底面に、前記各渦巻体32,42の中心部を挟
んで少なくとも2個の突起部91,91を設け、前記チ
ップシール8にこの突起部91,91を受け入れる受入
凹部92,92を設けるようにしてもよい。
・・・は、前記チップシール8に形成したが、前記シー
ル溝7の底面に、前記各渦巻体32,42の中心部を挟
んで少なくとも2個の突起部91,91を設け、前記チ
ップシール8にこの突起部91,91を受け入れる受入
凹部92,92を設けるようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、前記チップシール8の背面とシール溝7の底面と
の一方に、渦巻体32,42の中心部を挟んで少なくと
も2個の突起部91,91を設け、他方にこの突起部9
1,91を受け入れる受入凹部92,92を設けて、前
記突起部91,91及び受入凹部92,92の一方を、
チップシール8の幅方向中心及びシール溝7の幅方向中
心に対し、前記突起部91を受入凹部92への嵌合時、
前記チップシール8を弾性変位させ、その弾性復元力で
前記チップシール8をシール溝7に保持可能な偏位量で
幅方向一側方に偏位させたから、前記突起部91の前記
受入凹部92への嵌合時、前記チップシール8の弾性復
元力により前記突起部91を前記受入凹部92に圧接さ
せられ、従って、この圧接により、前記チップシール8
をシール溝7に保持することができ、しかも、前記突起
部91の前記受入凹部92への静止摩擦力だけで、前記
チップシール8を前記シール溝7内に保持できるのであ
って、前記チップシール8を手などで保持せずとも脱落
なく簡単に各スクロールの組付け作業を行えながら、前
記チップシール8によるシール性能も保持できるのであ
る。
れば、前記チップシール8の背面とシール溝7の底面と
の一方に、渦巻体32,42の中心部を挟んで少なくと
も2個の突起部91,91を設け、他方にこの突起部9
1,91を受け入れる受入凹部92,92を設けて、前
記突起部91,91及び受入凹部92,92の一方を、
チップシール8の幅方向中心及びシール溝7の幅方向中
心に対し、前記突起部91を受入凹部92への嵌合時、
前記チップシール8を弾性変位させ、その弾性復元力で
前記チップシール8をシール溝7に保持可能な偏位量で
幅方向一側方に偏位させたから、前記突起部91の前記
受入凹部92への嵌合時、前記チップシール8の弾性復
元力により前記突起部91を前記受入凹部92に圧接さ
せられ、従って、この圧接により、前記チップシール8
をシール溝7に保持することができ、しかも、前記突起
部91の前記受入凹部92への静止摩擦力だけで、前記
チップシール8を前記シール溝7内に保持できるのであ
って、前記チップシール8を手などで保持せずとも脱落
なく簡単に各スクロールの組付け作業を行えながら、前
記チップシール8によるシール性能も保持できるのであ
る。
【0041】また、請求項2記載の発明によれば、前記
シール溝7が、前記渦巻体32,42の突設部端面32
a,42aから溝底部に向かって溝幅が狭くなるように
傾斜する溝側面をもち、前記シール溝7に嵌入するチッ
プシール8の側面が、前記シール溝7の溝側面に符合す
る傾斜面となるようにしたから、前記チップシール8の
鏡板31,41への摺動面積を、所定面積に保持できな
がら、前記シール溝7及びチップシール8の断面形状を
方形にするときに比べて、前記チップシール8と前記シ
ール溝7とが対向する面積を小さくでき、従って、前記
シール溝7とチップシール8との間に形成される隙間の
断面積を小さくでき、それだけ前記シール溝7内に流入
するガスのスクロール巻き終わり方向へのガス漏れ量を
少なくできるのであって、前記チップシール8によるシ
ール性をより向上できながら、前記チップシール8を手
などで保持せずとも脱落なく簡単に各スクロールの組付
け作業も行なえるのである。
シール溝7が、前記渦巻体32,42の突設部端面32
a,42aから溝底部に向かって溝幅が狭くなるように
傾斜する溝側面をもち、前記シール溝7に嵌入するチッ
プシール8の側面が、前記シール溝7の溝側面に符合す
る傾斜面となるようにしたから、前記チップシール8の
鏡板31,41への摺動面積を、所定面積に保持できな
がら、前記シール溝7及びチップシール8の断面形状を
方形にするときに比べて、前記チップシール8と前記シ
ール溝7とが対向する面積を小さくでき、従って、前記
シール溝7とチップシール8との間に形成される隙間の
断面積を小さくでき、それだけ前記シール溝7内に流入
するガスのスクロール巻き終わり方向へのガス漏れ量を
少なくできるのであって、前記チップシール8によるシ
ール性をより向上できながら、前記チップシール8を手
などで保持せずとも脱落なく簡単に各スクロールの組付
け作業も行なえるのである。
【0042】また、請求項3記載の発明によれば、前記
チップシール8を樹脂材料から射出成形し、この成形時
の材料流入口が前記シール溝7の底部に向かう反摺接面
に少なくとも2個設けられ、これら材料流入口により形
成される盛上部を前記突起部91,91としたから、射
出成形をする際の材料流入口により形成される盛上部を
利用して、前記突起部91を形成できるから、該突起部
91を形成するために、わざわざ該突起部91を前記チ
ップシール8に取付けたり、また、この突起部91を有
する射出成形用の型を作成する必要もなく、コストがか
かることなく、前記チップシール8の前記シール溝7へ
の保持を行えるのである。
チップシール8を樹脂材料から射出成形し、この成形時
の材料流入口が前記シール溝7の底部に向かう反摺接面
に少なくとも2個設けられ、これら材料流入口により形
成される盛上部を前記突起部91,91としたから、射
出成形をする際の材料流入口により形成される盛上部を
利用して、前記突起部91を形成できるから、該突起部
91を形成するために、わざわざ該突起部91を前記チ
ップシール8に取付けたり、また、この突起部91を有
する射出成形用の型を作成する必要もなく、コストがか
かることなく、前記チップシール8の前記シール溝7へ
の保持を行えるのである。
【0043】また、請求項4記載の発明によれば、前記
チップシール8に突起部91,91を形成し、前記シー
ル溝7の溝底部に前記突起部91,91を受け入れる受
入凹部92,92を形成して、これら受入凹部92,9
2を、前記シール溝7の幅方向中心に対し、径方向外方
に偏位させ、前記チップシール8の前記突起部91,9
1を、幅方向中心に設けたから、各スクロールの組付け
時は、前記チップシール8を前記シール溝7のほぼ中央
に位置させながら、前記チップシール8を前記シール溝
7内に保持でき、運転時には、高圧ガス流体により前記
チップシール8を前記シール溝7におけるスクロール径
方向外方側側面に押し付けながら、相手側のスクロール
の鏡板に押し上げて前記チップシール8により前記渦巻
体の突設部端面と相手側スクロールの鏡板との間のシー
ル性能を保持できるのである。
チップシール8に突起部91,91を形成し、前記シー
ル溝7の溝底部に前記突起部91,91を受け入れる受
入凹部92,92を形成して、これら受入凹部92,9
2を、前記シール溝7の幅方向中心に対し、径方向外方
に偏位させ、前記チップシール8の前記突起部91,9
1を、幅方向中心に設けたから、各スクロールの組付け
時は、前記チップシール8を前記シール溝7のほぼ中央
に位置させながら、前記チップシール8を前記シール溝
7内に保持でき、運転時には、高圧ガス流体により前記
チップシール8を前記シール溝7におけるスクロール径
方向外方側側面に押し付けながら、相手側のスクロール
の鏡板に押し上げて前記チップシール8により前記渦巻
体の突設部端面と相手側スクロールの鏡板との間のシー
ル性能を保持できるのである。
【0044】また、請求項5記載の発明によれば、前記
チップシール8に突起部91,91を形成し、これら突
起部91,91を前記チップシール8の幅方向中心に対
し、径方向内側に偏位させ、前記突起部91,91を受
入れる受入凹部92,92を前記シール溝7の底部にお
ける幅方向中心に設けたから、各スクロールの組付け時
は、前記チップシール8を前記シール溝7のほぼ中央に
位置させながら、前記チップシール8を前記シール溝7
内に保持でき、運転時には、高圧ガス流体により前記チ
ップシール8を前記シール溝7におけるスクロール径方
向外方側側面に押し付けながら、相手側のスクロールの
鏡板に押し上げて前記チップシール8により前記渦巻体
の突設部端面と相手側スクロールの鏡板との間のシール
性能を保持できるのである。
チップシール8に突起部91,91を形成し、これら突
起部91,91を前記チップシール8の幅方向中心に対
し、径方向内側に偏位させ、前記突起部91,91を受
入れる受入凹部92,92を前記シール溝7の底部にお
ける幅方向中心に設けたから、各スクロールの組付け時
は、前記チップシール8を前記シール溝7のほぼ中央に
位置させながら、前記チップシール8を前記シール溝7
内に保持でき、運転時には、高圧ガス流体により前記チ
ップシール8を前記シール溝7におけるスクロール径方
向外方側側面に押し付けながら、相手側のスクロールの
鏡板に押し上げて前記チップシール8により前記渦巻体
の突設部端面と相手側スクロールの鏡板との間のシール
性能を保持できるのである。
【図1】本発明のスクロール流体機械の第1実施例にお
けるチップシールとシール溝との位置関係を示す説明
図。
けるチップシールとシール溝との位置関係を示す説明
図。
【図2】第1実施例における圧縮時のチップシールのシ
ール溝内での状態を示す説明図。
ール溝内での状態を示す説明図。
【図3】チップシールに形成する突起部の位置を示すチ
ップシールの背面図。
ップシールの背面図。
【図4】第1実施例におけるシール溝の要部切欠断面斜
視図。
視図。
【図5】本発明のスクロール流体機械の部分切欠断面
図。
図。
【図6】本発明のスクロール流体機械の第2実施例にお
けるチップシールとシール溝との位置関係を示す説明
図。
けるチップシールとシール溝との位置関係を示す説明
図。
【図7】第2実施例における圧縮時のチップシールのシ
ール溝内での状態を示す説明図。
ール溝内での状態を示す説明図。
【図8】他の実施例を示す要部部分断面図。
【図9】他の実施例を示す要部部分断面図。
【図10】図8,図9におけるシール溝の要部切欠断面
斜視図。
斜視図。
【図11】本発明のスクロール流体機械における各スク
ロールの組付けを説明する説明図。
ロールの組付けを説明する説明図。
【図12】チップシール及びシール溝の断面形状を三角
形状としたときの部分断面図。
形状としたときの部分断面図。
【図13】チップシール及びシール溝の断面形状を方形
状としたときの部分断面図。
状としたときの部分断面図。
【符号の説明】 3, 4 スクロール 31,41 鏡板 32,42 渦巻体 32a,42a 突設部端面 7 シール溝 8 チップシール 91 突起部 92 受入凹部
Claims (5)
- 【請求項1】鏡板(31)(41)に渦巻体(32)
(42)を突設した一対のスクロール(3)(4)を備
え、前記渦巻体(32)(42)を互いに噛み合わせる
と共に、前記渦巻体(32)(42)の突設部端面(3
2a)(42a)にシール溝(7)を設け、このシール
溝(7)にチップシール(8)を嵌入保持したスクロー
ル流体機械において、前記チップシール(8)の背面と
シール溝(7)の底面との一方に、渦巻体(32)(4
2)の中心部を挟んで少なくとも2個の突起部(91)
(91)を設け、他方にこの突起部(91)(91)を
受け入れる受入凹部(92)(92)を設けて、前記突
起部(91)(91)及び受入凹部(92)(92)の
一方を、チップシール(8)の幅方向中心及びシール溝
(7)の幅方向中心に対し、前記突起部(91)を受入
凹部(92)への嵌合時、前記チップシール(8)を弾
性変位させ、その弾性復元力で前記チップシール(8)
をシール溝(7)に保持可能な偏位量で幅方向一側方に
偏位させていることを特徴とするスクロール流体機械。 - 【請求項2】シール溝(7)は、渦巻体(32)(4
2)の突設部端面(32a)(42a)から溝底部に向
かって溝幅が狭くなるように傾斜する溝側面をもち、前
記シール溝(7)に嵌入するチップシール(8)の側面
を、前記シール溝(7)の溝側面に符合する傾斜面とし
ている請求項1記載のスクロール流体機械。 - 【請求項3】チップシール(8)は樹脂材料から射出成
形され、この成形時の材料流入口がシール溝(7)の底
部に向かう反摺接面に少なくとも2個設けられ、これら
材料流入口で形成される盛上部を突起部(91)(9
1)としている請求項1記載のスクロール流体機械。 - 【請求項4】チップシール(8)に突起部(91)(9
1)が形成され、シール溝(7)の溝底部に前記突起部
(91)(91)を受け入れる受入凹部(92)(9
2)が形成され、これら受入凹部(92)(92)が、
シール溝(7)の幅方向中心に対し、径方向外方に偏位
し、チップシール(8)の前記突起部(91)(91)
が、幅方向中心に設けられている請求項1記載のスクロ
ール流体機械。 - 【請求項5】チップシール(8)に突起部(91)(9
1)が形成され、これら突起部(91)(91)が前記
チップシール(8)の幅方向中心に対し、径方向内側に
偏位し、前記突起部(91)(91)を受入れる受入凹
部(92)(92)がシール溝(7)の底部における幅
方向中心に設けられている請求項1記載のスクロール流
体機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12003193A JPH06330872A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | スクロール流体機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12003193A JPH06330872A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | スクロール流体機械 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06330872A true JPH06330872A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=14776197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12003193A Withdrawn JPH06330872A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | スクロール流体機械 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06330872A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103321906A (zh) * | 2012-03-23 | 2013-09-25 | 三菱重工汽车空调系统株式会社 | 涡旋压缩机及其涡旋盘的加工方法 |
US20240209855A1 (en) * | 2022-12-22 | 2024-06-27 | Pfeiffer Vacuum Technology AG | Vacuum pump |
-
1993
- 1993-05-21 JP JP12003193A patent/JPH06330872A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103321906A (zh) * | 2012-03-23 | 2013-09-25 | 三菱重工汽车空调系统株式会社 | 涡旋压缩机及其涡旋盘的加工方法 |
DE102013004492A1 (de) | 2012-03-23 | 2013-09-26 | Mitsubishi Heavy Industries Automotive Thermal Systems Co., Ltd. | Scrollverdichter und Verarbeitungsverfahren der Schnecke |
KR101472664B1 (ko) * | 2012-03-23 | 2014-12-12 | 미츠비시 쥬우코 오토모티브 서멀 시스템즈 가부시키가이샤 | 스크롤 압축기 및 그 스크롤의 가공 방법 |
CN103321906B (zh) * | 2012-03-23 | 2016-02-10 | 三菱重工汽车空调系统株式会社 | 涡旋压缩机及其涡旋盘的加工方法 |
US9366253B2 (en) | 2012-03-23 | 2016-06-14 | Mitsubishi Heavy Industries Automotive Thermal Systems, Co., Ltd. | Scroll compressor and processing method of scroll including a projection on a tip seal and a hole in a tip seal groove |
DE102013004492B4 (de) * | 2012-03-23 | 2016-08-11 | Mitsubishi Heavy Industries Automotive Thermal Systems Co., Ltd. | Spiralverdichter und Verfahren zum Herstellen der Spirale |
US20240209855A1 (en) * | 2022-12-22 | 2024-06-27 | Pfeiffer Vacuum Technology AG | Vacuum pump |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000801 |