JPH06323101A - スクロール流体機械 - Google Patents

スクロール流体機械

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Publication number
JPH06323101A
JPH06323101A JP11038493A JP11038493A JPH06323101A JP H06323101 A JPH06323101 A JP H06323101A JP 11038493 A JP11038493 A JP 11038493A JP 11038493 A JP11038493 A JP 11038493A JP H06323101 A JPH06323101 A JP H06323101A
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JP
Japan
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seal
groove
scroll
tip seal
spiral
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP11038493A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Yoshida
喜明 吉田
Hiroshi Ishibashi
広志 石橋
Yoshitaka Shibamoto
祥孝 芝本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP11038493A priority Critical patent/JPH06323101A/ja
Publication of JPH06323101A publication Critical patent/JPH06323101A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C27/00Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C27/005Axial sealings for working fluid

Abstract

(57)【要約】 【目的】チップシールを合成樹脂の成形品により形成し
ながら、耐摩耗性に優れ、しかも、熱膨張による変形を
少なくして渦巻体と該渦巻体に対向する鏡板との間の隙
間を有効にシールできるようにする。 【構成】渦巻体32,42の突設部端面32a,42a
に形成するシール溝7に嵌入保持するチップシール8を
樹脂材料により形成して、このチップシール8の少なく
ともスクロール巻き始め側で、かつ、鏡板31,41と
の摺動部側に、耐摩耗性材料で、かつ、低熱膨張率の材
料から成る摺接体9を結合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鏡板に渦巻体を突設し
た一対のスクロールを備え、前記渦巻体の突設部端面に
シール溝を設け、該シール溝にチップシールを嵌入保持
させたスクロール流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のスクロール流体機械は、
例えば、特公昭63−63755号公報に記載されてお
り、鏡板に渦巻体を突設した一対の固定スクロール及び
可動スクロールを前記各渦巻体が対向するごとく組合わ
せて配設して、前記各渦巻体により複数の圧縮室を形成
するときに、前記各渦巻体の突設部端面と、該突設部端
面と対向する鏡板との間に形成される隙間からの各圧縮
室間のガスもれを抑制するために、各渦巻体の突設部端
面にシール溝を形成し、該シール溝にチップシールを嵌
入保持させたものが知られている。
【0003】このシール構造を図9に基づいて説明す
る。図9に示したものは、可動スクロールAであって、
この可動スクロールAにおける渦巻体Bの突設部端面C
に、渦巻長手方向に沿って開口する断面矩形のシール溝
Dをスクロール巻き始めから巻き終わりに亘って形成
し、このシール溝D内に、該シール溝Dと同形状のチッ
プシールEを嵌入保持させて、前記各スクロールの渦巻
体によって形成される各圧縮室のうち高圧側圧縮室から
低圧側圧縮室へのガス漏れを抑制するようにしたもので
ある。即ち、前記チップシールEは、高圧側圧縮室のガ
ス圧により渦巻き外周側に押圧され、さらに、前記チッ
プシールEの背面側、つまり、前記チップシールEと前
記シール溝Dとの間の隙間に前記高圧ガスが導入され
て、互いに噛み合う相手側スクロールの鏡板側に押し付
けられ、この結果、前記渦巻体Bと、この渦巻体Bの突
設部端面Cが対向する相手側スクロールの鏡板との間を
シールするようにしている。
【0004】ところで、従来のスクロール流体機械にお
ける前記チップシールEは、従来金属で形成されること
もあるが、鉄系金属では形成し難く、断面形状、例えば
断面台形状または三角形状を用いる場合や、チップシー
ルによる摩擦損失軽減のため摺動性のよいものを用いた
い場合や、さらに、軽量化を必要とする場合には、合成
樹脂材料により形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上のよう
に前記チップシールEを合成樹脂により形成した場合、
任意な断面形状にでき、また、材料によっては摩擦損失
を軽減でき、さらに、軽量化ができるのであるが、合成
樹脂のみを用いてチップシールを形成する場合、その材
料特性により次のような問題があった。
【0006】(1) 合成樹脂材料を用いてチップシールを
形成する場合、成形型を用い、主として射出成形するこ
とになるが、この成形性を考慮して選択した樹脂材料に
よるチップシールは、鉄系金属により形成したチップシ
ールに比較して耐摩耗性が低くなる。この結果、鏡板へ
の押し付け力が弱いスクロール巻き終わり側では、それ
程問題が生じないが、スクロール巻き始め側になるほど
圧縮室内の圧力が高くなり、圧縮ガスの圧力が高くなれ
ばそれだけ鏡板への押し付け力も強くなり、このためス
クロール巻き始め側での摩耗が特に著しくなる。
【0007】(2) 前記チップシールEを形成する前記合
成樹脂は鉄系金属よりも熱膨張率が大きいため、特に圧
縮ガスの温度が高くなるスクロール巻き始め側での熱膨
張が大きくなり、この熱膨張により前記チップシールE
が拡径するから、前記シール溝Dとの間の適性なクリア
ランスが保てなくなって、高圧ガスによる前記チップシ
ールEの鏡板への押し付けが不十分となり、前記渦巻体
Bの突設部端面Cと、該端面Cが対向する相手側スクロ
ールの鏡板との間の隙間からガス漏れが生じてしまう問
題もあった。
【0008】本発明は以上の問題に鑑みてなしたもの
で、その目的は、チップシールを合成樹脂により形成し
ながら、耐摩耗性に優れ、しかも、熱膨張による変形を
少なくして渦巻体と該渦巻体に対向する鏡板との間の隙
間を有効にシールできるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、鏡板31,41に渦巻体3
2,42を突設した一対のスクロール3,4を備え、前
記渦巻体32,42の突設部端面32a,42aにシー
ル溝7を設け、該シール溝7にチップシール8を嵌入保
持させたスクロール流体機械において、前記チップシー
ル8を樹脂材料により形成して、このチップシール8の
少なくともスクロール巻き始め側で、かつ、鏡板31,
41との摺動部側に、耐摩耗性材料で、かつ、低熱膨張
率の材料から成る摺接体9を結合したのである。
【0010】また、請求項2記載の発明は、前記シール
溝7が、前記渦巻体32,42の突設部端面32a,4
2aから、溝底部に向かって溝幅が狭くなるように傾斜
する溝側面をもち、前記シール溝7に嵌入する前記チッ
プシール8の側面が、前記シール溝7の溝側面に符合す
る傾斜面となるようにしたのである。
【0011】さらに、請求項3記載の発明は、前記チッ
プシール8の巻き始め側の幅寸法を巻き終わり側の幅寸
法より漸次狭くしたのである。
【0012】また、請求項4記載の発明は、摺接体9を
磁性体により形成したのである。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明では、前記チップシール8
を樹脂材料で成形し、耐摩耗性材料から成る摺接体9
を、少なくとも特に摩耗の著しいスクロール巻き始め側
に結合しているので、前記チップシール8の断面形状を
任意な形状に自由に形成でき、また、軽量化もできなが
ら、材料特性に起因する耐摩耗性の問題を解消でき、し
かも、熱膨張による変形も少なくでき、従って、前記チ
ップシール8による圧縮室のシール性を向上できるので
ある。
【0014】また、請求項2記載の発明では、前記チッ
プシール8の鏡板31,41への摺動面積を、所定面積
に保持できながら、前記シール溝7及びチップシール8
の断面形状を方形にするときに比べて、前記チップシー
ル8と前記シール溝7とが対向する面積を小さくでき、
従って、前記シール溝7とチップシール8との間に形成
される隙間の断面積を小さくでき、それだけ前記シール
溝7内に流入するガスの渦巻き巻き終わり方向へのガス
漏れ量を少なくできるのであって、チップシール8によ
るシール性をより向上できるのである。
【0015】また、請求項3記載の発明では、スクロー
ル巻き始め側における摺動面積を小さくできるので、ス
クロール巻き始め側において前記チップシール8の鏡板
31,41への押し付け力が最も大きくても、摺動損失
を軽減でき、チップシール8を樹脂材料で形成すること
による耐摩耗性の問題を解消し、熱膨張による変形も少
なくしながらチップシール8の摺動性が低下するのを少
なくし得るのである。
【0016】また、請求項4記載の発明では、各スクロ
ール3,4の組付け時、上部側に位置するスクロール、
例えば固定側のスクロール3の鏡板31の反渦巻体形成
側で、前記渦巻体32の形成位置に対向する位置に磁石
を配設しておくことにより、該磁石で前記摺接体9を引
き付けることができるので、前記シール溝7が下方に向
かって開口した状態であっても、前記チップシール8が
前記シール溝7から落下することを防止できるのであ
り、前記各スクロール3,4の組付け作業を簡単に行え
るのである。
【0017】
【実施例】第1実施例について、図1乃至図3に基づい
て説明する。図3に示すスクロール圧縮機は、圧縮要素
2を、鏡板31の一側平面に渦巻体32を下向きに突設
した固定側の第1スクロール3と、密閉ケーシング1内
に固定される軸受ハウジング5に公転駆動可能に支持さ
れ、鏡板41の一側平面に渦巻体42を上向きに突設
し、この渦巻体42を前記第1スクロール3の渦巻体3
2と上下方向に噛合状に係合させた可動側の第2スクロ
ール4とから構成し、この圧縮要素2を、前記密閉ケー
シング1内の上方に配設すると共に、前記ケーシング1
内の下部に、駆動軸6を介して前記第2スクロール4を
駆動するモータMを配設したものである。
【0018】また、前記駆動軸6の上部には軸部61を
形成して、該軸部61を、前記軸受ハウジング5に形成
する軸受部51に支持すると共に、前記軸部61の先端
部には、前記第2スクロール4における下面側に突設し
たボス部43に嵌合する偏心ピン部62を形成して、該
ピン部62を前記ボス部43に嵌合させて、前記駆動軸
6の駆動により、前記第2スクロール4を公転駆動させ
るごとく成すのである。
【0019】また、前記軸受ハウジング5には、前記第
2スクロール4の自転を阻止するオルダムリング52を
設けると共に、前記軸受ハウジング5における前記第2
スクロール4の下面との対向面をスラスト軸受部53と
なし、前記第2スクロール4に作用するスラスト荷重を
受け止めるようにしている。そして、前記駆動軸6に、
該駆動軸6を軸方向に貫通する給油通路63を設けて、
前記ケーシング1内下部の油溜めの油を、前記給油通路
63を介して前記軸受部51、及び、前記スラスト軸受
部53等の各摺接部に供給するようにしている。
【0020】さらに、前記ケーシング1内下方に吸入管
11を開口させて、前記ケーシング1内における前記軸
受ハウジング5の下方側空間を低圧室12と成す一方、
前記ケーシング1内における前記第1スクロール3の上
方に、前記低圧室12と区画される高圧室13を設け
て、この高圧室13に前記第1スクロール3の渦巻き中
心部に形成した吐出孔33を開口させると共に、前記高
圧室13に吐出管14を開口させるのである。
【0021】そして、前記圧縮要素2において、前記各
スクロール3,4の渦巻体32,42の間に複数の圧縮
室P・・を形成し、前記渦巻体32,42の渦巻巻き終
わり側から、前記ケーシング1内の低圧室12の低圧ガ
スを吸入し、前記吐出孔33を開設する渦巻中心部にか
けて順次圧縮して、該吐出孔33から高圧ガスを前記高
圧室13に吐出し、前記吐出管14から外部に取り出す
ようにしている。
【0022】また、前記各渦巻体32,42の突設部端
面32a,42aには、図1乃至図3に示すように、渦
巻長手方向に沿って開口する断面矩形のシール溝7をス
クロール巻き始めから巻き終わりに亘って形成し、この
シール溝7内に、該シール溝7と同形状のチップシール
8を図2に示すように幅方向に所定隙間を介して嵌入保
持させて、前記圧縮室Pのうち高圧側高圧室の高圧ガス
により、前記チップシール8を渦巻外周側に押圧し、さ
らに、図2の矢印に示すように、前記チップシール8と
前記シール溝7との間の隙間へ流入させて、該シール溝
7の底部から前記チップシール8の背面側を高圧ガスに
より前記各突設部端面32a,42aより上方に押し上
げて、互いに噛み合う相手側スクロールの鏡板41,3
1に押し付け、前記各渦巻体32,42の突設部端面3
2a,42aと、該各端面32a,42aが対向する相
手側スクロール4,3の鏡板41,31との間をシール
するようにしている。
【0023】図1及び図2に示した実施例は、以上の構
成において、前記チップシール8を、合成樹脂材料を用
い、主として射出成形により渦巻状で、断面方形に形成
すると共に、このチップシール8のスクロール巻き始め
側で、かつ、各鏡板31,41との摺動部側に、渦巻き
長手方向に延びる凹部81を形成し、該凹部81に例え
ば鉄系金属などの、耐摩耗性材料で、かつ、低熱膨張率
の材料から成る薄板状で渦巻状の摺接体9を嵌合し、前
記チップシール8と一体に結合したのである。
【0024】斯くすることにより、前記摺接体9を結合
したスクロール巻き始め側では、前記摺接体9が相手側
の鏡板に摺接することになり、従って、前記チップシー
ル8を、合成樹脂材料を用い、射出成形により形成して
も、特に摩耗の著しいスクロール巻き始め側における前
記鏡板31,41との摺動部での摩耗を抑制できるし、
また、熱膨張による変形も抑えられるのである。このよ
うに、合成樹脂の成形品から成るチップシール8に、鉄
などの耐摩耗性材料で、かつ、低熱膨張率の材料から成
る前記摺接体9を結合したから、前記チップシール8の
断面形状をその成形の選択で任意な形状に自由に形成で
き、また、軽量化もできながら、材料特性に起因する耐
摩耗性の問題を解消でき、しかも、熱膨張による変形も
少なくできるのであって、前記チップシール8を合成樹
脂の成形品により形成しながら、このチップシール8に
よる圧縮室のシール性を向上できるのである。
【0025】また、図4に示した第2実施例は、前記チ
ップシール8の巻き始めから巻き終わりに亘って前記凹
部81を設けて、この凹部81に、前記摺接体9を前記
チップシール8の渦巻長手方向全体に結合したものであ
る。
【0026】斯くするときには、前記した第1実施例の
ようにスクロール巻き始め側にのみ摺接体9を結合する
場合に比較して、前記チップシール8の摩耗をより有効
に抑制できるし、また、前記チップシール8の熱膨張に
よる変形も少なくできる。従って、前記シール溝7とチ
ップシール8との間の適性なクリアランスをより有効に
確保でき、前記チップシール8による圧縮室のシール性
をより向上できるのである。
【0027】次に、図5に示した第3実施例について説
明する。この第3実施例は、図5に示したように、前記
シール溝7の溝側面を、前記渦巻体32,42の突設部
端面32a,42aから、溝底部に向かって溝幅が狭く
なるように傾斜させて形成すると共に、前記チップシー
ル8を樹脂材料により形成し、前記チップシール8の側
面を、傾斜した前記シール溝7の溝側面に符合する傾斜
面となるように形成したものである。尚、図5において
は、前記チップシール8の断面形状は、台形状である
が、三角形状に形成するようにしても差し支えない。
【0028】斯くするときには、前記チップシール8の
鏡板31,41への摺動面積を、前記第1実施例の摺動
面積と同じにできながら、前記シール溝7の溝側面を溝
底部に向かって溝幅が狭くなるように形成しているの
で、前記した第1実施例における前記シール溝7にくら
べ、溝の内面積を小さくできるのである。従って、前記
チップシール8と、前記シール溝7とが対向する面積
を、前記第1実施例のように、前記シール溝7及びチッ
プシール8の形状を方形にするときに比べ小さくでき、
前記シール溝7とチップシール8との間に形成される隙
間の断面積を小さくできるのであって、前記シール溝7
内に流入したガスの渦巻き巻き終わり方向へのガス漏れ
量をそれだけ少なくでき、チップシール8によるシール
性をより向上できるのである。
【0029】即ち、前記チップシール8を合成樹脂の成
形品により形成するのであるから、その断面形状を図5
に示した台形状に容易に形成でき、しかも、全体を軽量
にできながら、前記摺接体9を結合するのであるから、
合成樹脂の成形品による耐摩耗性の問題も解消でき、ま
た、熱膨張による変形も抑制でき、そのシール性を向上
できるのであり、その上、前記チップシール8の断面形
状を台形状にしたから、前記シール溝7に流入するガス
の渦巻き巻き終わり方向へのガス漏れも少なくできるの
であり、全体として前記チップシール8によるシール性
をより向上できるのである。
【0030】次に、図6に示した第4実施例について説
明する。前記した第1乃至第3実施例では、前記チップ
シール8の幅、及び前記シール溝7の溝幅は、渦巻長手
方向において、一定幅を保持するように形成していたの
であるが、第4実施例では、図6に示すように、前記チ
ップシール8の巻き始め側の幅寸法を巻き終わり側の幅
寸法より漸次狭くし、かつ、該チップシール8の幅寸法
に合わせて、前記シール溝7の溝幅も、前記チップシー
ル8との間の所定隙間を保持するように、巻き始め側の
溝幅寸法を巻き終わり側の溝幅寸法より漸次狭くなるよ
うに形成するのである。
【0031】即ち、前記チップシール8の幅寸法を、巻
き終わり側の幅寸法を図2に示すように前記第1実施例
と同じ寸法にする一方、巻き始め側の幅寸法を図7に示
すように狭くし、かつ、それに伴い前記シール溝7の溝
幅も狭くするのである。
【0032】このように圧縮ガスの圧力が高くなり、そ
の結果、前記チップシール8の鏡板31,41への押し
付け力が最も大きくなるスクロール巻き始め側での幅寸
法を巻き終わり側の幅寸法より漸次狭くすることによ
り、スクロール巻き始め側における摺動面積を小さくで
きるので、摺動損失を少なくできるのである。即ち、ス
クロール巻き始め側においては、前記押し付け力が大き
いので、前記チップシール8の鏡板31,41への摺動
面積を小さくしても、充分シールできるのであって、摺
動面積が小さくなっただけ摺動損失を軽減できるのであ
る。
【0033】尚、前記第1乃至第4実施例において使用
した前記チップシール8の摺接体9は、各スクロール
3,4の組付け作業性から、鉄などの磁性体により形成
することが好ましい。
【0034】即ち、前記摺接体9を磁性体により形成す
ることにより、前記第1スクロール3と前記第2スクロ
ール4との組付けの際、前記シール溝7に前記チップシ
ール8を嵌入した状態で、どちらか一方のスクロール
を、前記渦巻体の突設部端面を下方に向けた状態で組付
ける場合、図8に示すように、組付け時、上部側に位置
するスクロール、例えば前記第1スクロール3の鏡板3
1の反渦巻体形成面で、前記渦巻体32の形成位置に対
向した位置に磁石10を配設しておくことにより、該磁
石10で前記摺接体9を引き付けることができるので、
前記シール溝7が下方に向かって開口した状態であって
も、前記チップシール8が前記シール溝7から落下する
ことを防止できるのであり、前記各スクロール3,4の
組付け作業を簡単に行えるし、この組付け作業後に、前
記磁石10を取り外すだけで、前記チップシール8を高
圧ガスにより各鏡板31,41に圧接させてシールする
ことができるのである。
【0035】尚、前記した各実施例では、前記摺接体9
に鉄系金属を用いたが、前記チップシール8を成形によ
り形成する合成樹脂に対し耐摩耗性があり、低熱膨張率
の材料であれば鉄系金属以外の材料でもよい。
【0036】また、前記摺接体9は、前記チップシール
8の射出成形時、金型内に装入して埋込成形により一体
に結合してもよいし、前記チップシール8の成形後、前
記凹部81に圧入嵌合したり、接着剤を用いて一体に形
成してもよいし、凹部81を設けずに貼り付けてもよ
い。また、前記チップシール8に凹部81を設けて埋込
状に結合する場合、この凹部81の深さは前記摺接体9
の厚さと同じにするのであるが、やや深めとして、摩耗
により前記摺接体9を摺接させるようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、前記チップシール8を樹脂材料により形成して、
このチップシール8の少なくともスクロール巻き始め側
で、かつ、鏡板31,41との摺動部側に、耐摩耗性材
料で、かつ、低熱膨張率の材料から成る摺接体9を結合
したから、前記チップシール8の断面形状を任意な形状
に自由に形成でき、また、軽量化もできながら、材料特
性に起因する耐摩耗性の問題を解消でき、しかも、熱膨
張による変形も少なくでき、従って、前記チップシール
8による圧縮室のシール性を向上できるのである。
【0038】また、請求項2記載の発明によれば、前記
シール溝7が、前記渦巻体32,42の突設部端面32
a,42aから、溝底部に向かって溝幅が狭くなるよう
に傾斜する溝側面をもち、前記シール溝7に嵌入する前
記チップシール8の側面が、前記シール溝7の溝側面に
符合する傾斜面となるようにしているから、前記チップ
シール8の鏡板31,41への摺動面積を、所定面積に
保持できながら、前記シール溝7及びチップシール8の
断面形状を方形にするときに比べて、前記チップシール
8と前記シール溝7とが対向する面積を小さくでき、従
って、前記シール溝7とチップシール8との間に形成さ
れる隙間の断面積を小さくでき、それだけ前記シール溝
7内に流入するガスの渦巻き巻き終わり方向へのガス漏
れ量を少なくできるのであって、前記チップシール8に
よるシール性をより向上できるのである。
【0039】また、請求項3記載の発明によれば、前記
チップシール8の巻き始め側の幅寸法を巻き終わり側の
幅寸法より漸次狭くしているから、スクロール巻き始め
側における摺動面積を小さくできるので、スクロール巻
き始め側において前記チップシール8の鏡板31,41
への押し付け力が最も大きくても、摺動損失を軽減でき
るのであって、チップシール8を樹脂材料で形成するこ
とによる耐摩耗性の問題を解消でき、熱膨張による変形
も少なくできながら、チップシール8の摺動性が低下す
るのを少なくできるのである。
【0040】また、請求項4記載の発明によれば、摺接
体9を磁性体により形成しているので、各スクロール
3,4の組付け時、上部側に位置するスクロール、例え
ば固定側のスクロール3の鏡板31の反渦巻体形成側
で、前記渦巻体32の形成位置に対向する位置に磁石を
配設しておくことにより、該磁石で前記摺接体9を引き
付けることができるので、前記シール溝7が下方に向か
って開口した状態であっても、前記チップシール8が前
記シール溝7から落下することを防止できるのであり、
前記各スクロール3,4の組付け作業を簡単に行えるの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクロール流体機械の第1実施例にお
けるチップシールの斜視図。
【図2】第1実施例におけるチップシール及びシール溝
の要部断面図。
【図3】本発明のスクロール流体機械の部分切欠断面
図。
【図4】本発明の第2実施例におけるチップシールの斜
視図。
【図5】本発明の第3実施例におけるチップシール及び
シール溝の要部断面図。
【図6】本発明の第4実施例におけるスクロールの渦巻
体にシール溝を形成した状態を示す上面図。
【図7】図6におけるX−X断面図。
【図8】本発明のスクロール流体機械における各スクロ
ールを組付けを説明する説明図。
【図9】従来のスクロール流体機械におけるチップシー
ルとシール溝を示す説明図。
【符号の説明】
3, 4 スクロール 31,41 鏡板 32,42 渦巻体 7 シール溝 8 チップシール 9 摺接体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鏡板(31)(41)に渦巻体(32)
    (42)を突設した一対のスクロール(3)(4)を備
    え、前記渦巻体(32)(42)の突設部端面(32
    a)(42a)にシール溝(7)を設け、該シール溝
    (7)にチップシール(8)を嵌入保持させたスクロー
    ル流体機械において、前記チップシール(8)を樹脂材
    料により形成して、このチップシール(8)の少なくと
    もスクロール巻き始め側で、かつ、鏡板(31)(4
    1)との摺動部側に、耐摩耗性材料で、かつ、低熱膨張
    率の材料から成る摺接体(9)を結合していることを特
    徴とするスクロール流体機械。
  2. 【請求項2】シール溝(7)は渦巻体(32)(42)
    の突設部端面(32a)(42a)から、溝底部に向か
    って溝幅が狭くなるように傾斜する溝側面をもち、前記
    シール溝(7)に嵌入するチップシール(8)の側面
    を、前記シール溝(7)の溝側面に符合する傾斜面とし
    ている請求項1記載のスクロール流体機械。
  3. 【請求項3】チップシール(8)の巻き始め側の幅寸法
    を巻き終わり側の幅寸法より漸次狭くしている請求項1
    乃至2記載のスクロール流体機械。
  4. 【請求項4】摺接体(9)が磁性体により形成されてい
    る請求項1乃至3記載のスクロール流体機械。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007162622A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Sanden Corp スクロール型流体機械
WO2015011875A1 (ja) * 2013-07-25 2015-01-29 三菱重工業株式会社 スクロール圧縮機
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CN113357148A (zh) * 2021-07-14 2021-09-07 大连大学 一种大功率涡旋压缩机用具有自压紧特性的轴向密封条

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