JPH08296572A - スクロール圧縮機とそのチップシール製造方法 - Google Patents

スクロール圧縮機とそのチップシール製造方法

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JPH08296572A
JPH08296572A JP9855595A JP9855595A JPH08296572A JP H08296572 A JPH08296572 A JP H08296572A JP 9855595 A JP9855595 A JP 9855595A JP 9855595 A JP9855595 A JP 9855595A JP H08296572 A JPH08296572 A JP H08296572A
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Japan
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seal
mounting groove
tip
scroll
scroll compressor
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JP9855595A
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Yoshinosuke Saeki
美之介 佐伯
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Nishishiba Electric Co Ltd
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Nishishiba Electric Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C27/00Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C27/005Axial sealings for working fluid

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】チップシールの底面と溝の底面との間には微小
隙間を有し、非接触で作用するチップシールを備えたス
クロール圧縮機を提供すること。 【構成】固定スクロールと旋回スクロールに立設された
渦巻き体を互いに組み合わせ、旋回スクロールの旋回運
動により渦巻き体で形成された圧縮室を順次縮小するこ
とにより圧縮された流体を、固定スクロールの中心部の
吐出口から吐出するスクロール圧縮機において、固定及
び旋回スクロールに立設された渦巻き体の先端部分に矩
形断面のシール装着溝を設け、そのシール装着溝に軟質
材で形成したチップシールを装着し、チップシールの底
面に略矩形状のラビリンス溝を複数個設け、シール装着
溝の底面とチップシール底面との間には微小な隙間を有
するように構成しているので、接触部の摩耗・摩滅など
が全くない、長寿命のスクロール圧縮機が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮機および真空ポン
プとしてなどに用いられるスクロール流体機械に係り、
特に渦巻き体先端の装着溝にチップシールを装着したス
クロール圧縮機とそのチップシール製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、従来のスクロール圧縮機
は、固定スクロールと旋回スクロールに立設された渦巻
き体を互いに組み合わせ、ケーシングに支承されたクラ
ンク軸の回転運動により旋回スクロールに自転を防止し
つつ、旋回運動を与えることにより渦巻き体により形成
された圧縮室の容積を順次縮少し、渦巻き体外周部の吸
入口から吸入した気体を中心部の吐出口へ圧力を上昇さ
せながら移動,吐出するように構成されている。
【0003】このようなスクロール圧縮機では、チップ
シールにより渦巻き体先端部分からの半径方向,円周方
向への漏れを軽減して、シール性能の向上,体積効率の
向上が図られてきた。特に無潤滑式のスクロール圧縮機
では、油膜によるシール作用が無いのでチップシールに
よるシール機能の向上が重要である。
【0004】図6は従来のチップシールを示す渦巻き体
先端部分の断面図であり、固定渦巻羽根8と旋回渦巻羽
根10との間の空間に設けたチップシール1の底面に背
面隙間を仕切る多数個のひれ状の突起11を形成し、チ
ップシール1の背面隙間からの円周方向への気体の漏れ
を防止するものである。
【0005】また図7は従来の他のチップシールの断面
図であり、固定渦巻羽根8と旋回渦巻羽根10との間の
空間に設けたチップシール1の背面に斜めの切込み12
による突起11を設けた溝の底面と常に接触することに
より渦巻き線に沿う気体の漏れを防止するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のチップシール構造のスクロール圧縮機では、以
下の如き問題があった。 (1) チップシールに突起,切込みを設け、溝に対して圧
接するため、圧縮機の圧力変動,温度上昇などにより接
触部が溝底と摺動し、摩耗,摩滅によりシール機能が低
下する。
【0007】(2) チップシール底面に切込みを形成する
には、チップシールを矩形断面に成形した後、別の工程
で切込みを加工する必要があるので、チップシールの製
造コストが高くなる。
【0008】(3) チップシールは圧縮機の圧縮熱に繰り
返しさらされるため、材料が徐々に硬化収縮し、柔軟性
・弾力性が失われ、シール機能が低下する。 (4) チップシールと溝の底面との隙間を完全に仕切るの
で、シール背面の渦巻き線に沿った円周方向への圧力の
伝達がなく、十分なシールの押し付け力(摺動面圧)が
得られない。
【0009】本発明は、従来技術のこれらの問題点を解
決するためのもので、その目的はチップシールの底面と
溝の底面との間には微小隙間を有し、非接触で作用する
ことにより摩耗のない、長寿命のチップシールを備えた
スクロール圧縮機を提供することにある。
【0010】また本発明の他の目的は、非接触で作用す
ることにより摩耗がなく、長寿命でかつ安いコストで製
造できるスクロール圧縮機のチップシール製造方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1は、固定スクロールと旋回スクロ
ールに立設された渦巻き体を互いに組み合わせ、前記旋
回スクロールの旋回運動により前記渦巻き体で形成され
た圧縮室を順次縮小することにより圧縮された流体を、
前記固定スクロールの中心部の吐出口から吐出するスク
ロール圧縮機において、前記固定及び旋回スクロールに
立設された渦巻き体の先端部分に矩形断面のシール装着
溝を設け、そのシール装着溝に軟質材で形成したチップ
シールを装着し、該チップシールの底面に略矩形状のラ
ビリンス溝を複数個設け、前記シール装着溝の底面とチ
ップシール底面との間には微小な隙間を有するように構
成したことを特徴とする。
【0012】本発明の請求項2は、請求項1記載のスク
ロール圧縮機において、ラビリンス溝を渦巻き体の先端
部のチップシール装着溝の底面に設けたことを特徴とす
る。本発明の請求項3は、請求項1および請求項2記載
のスクロール圧縮機において、前記ラビリンス溝をチッ
プシールの底面と装着溝の底面との両方に設け、その溝
位置を略一致するように配設したことを特徴とする。
【0013】本発明の請求項4は、請求項1乃至請求項
3記載のスクロール圧縮機において、前記チップシール
装着溝の内周側側壁に小さい曲率の突起を複数個設けた
ことを特徴とする。
【0014】本発明の請求項5は、スクロール圧縮機の
固定スクロールと旋回スクロールに立設された渦巻き体
の先端部分に矩形断面のシール装着溝を設け、そのシー
ル装着溝に装着する軟質材で形成したスクロール圧縮機
のチップシール製造方法において、押出し成形により内
周側にラビリンス溝を形成した自己潤滑材料でパイプ状
に成形した後、所定の厚さに切断してリング状のシール
を作り、円周上の1ヵ所で切断することによりヒモ状の
チップシールを製造することを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明のスクロール圧縮機(請求項1〜請求項
4対応)によると、チップシールはシール装着溝の底面
との間に微小な隙間を有し、かつ非接触で作動するチッ
プシールを備えているので、従来のように接触部の摩耗
・摩滅などが全くない、長寿命のスクロール圧縮機が得
られる。
【0016】また、本発明のスクロール圧縮機のチップ
シール製造方法(請求項5対応)によると、非接触で作
用することにより摩耗がなく、長寿命でかつ安いチップ
シールコストを製造することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照して説明す
る。図1は本発明の第1の実施例(請求項1対応)であ
り、同図(a)はチップシール装着部の渦巻き線に沿っ
た円周方向の断面図、同図(b)は同図(a)のI−I
方向の断面図である。
【0018】図に示すように、渦巻き体3の先端部分に
設けられた矩形断面のシール装着溝4に、チップシール
1が装着される。チップシール1の背面側にラビリンス
溝7が多数形成され、シール装着溝4の底面5との間に
は微小隙間6を確保するように構成する。
【0019】通常、スクロール圧縮機を運転すると、中
心側の圧縮室の高い圧力がチップシール1の底面に入
り、チップシール1と底面5との隙間6を通ってチップ
シール1の溝部7へ入る。
【0020】チップシール1の背面側にはラビリンス溝
7が多数設けてあるので、隙間6を通る流れは、渦巻き
線に沿って順次外周側へ流れてゆく。このとき、シール
底面のラビリンス溝7とシール装着溝4の底面5との間
で断面が広くなったり狭くなったりすることを繰り返す
ため、流れは縮流損失及び拡大損失を繰り返しながら、
順次ラビリンス溝7での圧力は低下してゆく。ラビリン
ス溝7での気体の圧力は、チップシール1と摺動面2と
の摺動面圧として作用するので、渦巻き体3の外周側へ
ゆくにしたがってチップシール1の摺動面圧も低くな
る。
【0021】ところで、本発明に使用するラビリンスシ
ールは、一般に直通形ラビリンスと呼ばれているもので
産業上広く使用されており、また、今までに多くの研究
がなされている。このラビリンスシールからの漏れ量は
下記(1)式(実験式)で与えられる。
【0022】 G=F・α・ν・Φ0 ・Po・√(g/R・To)・・・(1) ここで、F =絞り口の断面積 α =流量係数 ν =吹き抜け係数 Φ0 =ラビリンス関数 Po=ラビリンス入口のガス圧力 To=ラビリンス入口の温度 R =ガス定数 g =重力の加速度 流量係数αは、絞り片先端の厚さδ,隙間εとの比δ/
ε=4.8〜8.0で最大値が存在するので、その範囲
のαは避けた方がよい。膨脹室の深さhと絞り片間隔S
との最適比は、h/S=0.15〜0.3、膨脹室への
流れの広がり角度θは、θ=6〜7°、膨脹室の深さh
を必要以上に深くしても吹き抜けを減らすのにほとんど
役立たず、ごく浅い偏平な長方形断面の方が漏れ量が少
なくなる。
【0023】これらのことから、ラビリンス溝部の微小
隙間の高さεは、漏出量Gが隙間面積Fに比例して増大
することから、できる限り小さく押えることが望ましい
が、各部品の加工精度,組立て誤差,運転時の熱膨脹な
どを考慮して決めることが必要で、必要以上に隙間を詰
めることはコストアップを招くだけである。
【0024】一般的な汎用圧縮機を例にとれば、実用的
には隙間εは、0.1〜0.15mmである。従って、
絞り片先端の厚さδは2〜3mm(δ/ε=13〜3
0)、膨脹室の深さhは1.0〜1.5mm、絞り片の
間隔Sは8〜10mmに選定すし、流れの広がり角度θ
を6°とすると、ラビリンス溝部での流れの広がり高さ
はS×tanθ=8×0.105≒0.8mmとなっ
て、深さhの高さ内でおさまり、ほぼ、最適なラビリン
ス溝が得られる。ただし、本発明が適用できる圧縮機,
真空ポンプなどは、種々の型式のものがあるので、ラビ
リンス溝の寸法は上記した例に限定するものではない。
【0025】また、通常の圧縮機では、渦巻き数は3〜
4巻に選定されるので、渦巻き体およびチップシールの
全長は600〜900mm程度になる。ラビリンス溝の
ピッチを10mmとすると、チップシールの長手方向に
等間隔にラビリンス溝を設けた場合、60〜90個の溝
ができる。
【0026】上記(1)式のラビリンス関数Φ0 は、溝
の個数nが多い程、小さくなる。また、隙間εを0.2
〜1.0の範囲で変えても、膨脹室深さが1〜2mmで
あればラビリンス関数Φ0 は、0.35〜0.37の範
囲内であり、十分に小さい値であることから、チップシ
ール底面に最適な寸法に選定したラビリンス溝を適用す
れば、十分に機能を満足する圧縮機が得られる。この効
果は実機においても確認できた。
【0027】また、チップシールの外周側の圧縮室では
圧縮圧力も低いため、チップシールを摺動面側へ押し付
けるための背圧も小さくてよいので、チップシールの外
周側では、ラビリンス溝の間隔を広く、背圧を小さくす
ることにより、チップシールの押し付け力を低減し、摩
耗の少ないチップシールを得ることもできる。その結
果、摩擦ロスの少ない機械効率の高い圧縮機が実現でき
る。
【0028】さらに、単純な矩形断面のラビリンス溝を
底面側へチップシールと一体に押出し成形により成形す
ることにより、安価で多量にチップシールを生産するこ
とができる。
【0029】図2は本発明の第2実施例(請求項2対
応)のチップシール装着部の断面図である。同図に示す
ように、本実施例ではチップシール1の底面にはラビリ
ンス溝は設けず、シール装着溝4の底面にラビリンス溝
7を設けている。このラビリンス溝7はシール装着溝を
加工する際、同じカッターで渦巻き線に沿って加工し、
ラビリンス溝の箇所だけ深さを深く加工することにより
簡単に設けることができる。本実施例も上記図1実施例
と同じ効果を得ることができる。
【0030】図3は本発明の第3実施例(請求項3対
応)の断面図である。同図に示すように、ラビリンス溝
7をチップシール1の底面とシール装着溝の底面5の両
方に設け、ラビリンス溝の位置を一致させたものであ
る。ラビリンス溝の位置は多少ずれても機能が大きく低
下することはないが、一致した方がその効果が大きい。
本実施例も上記図1実施例と同じ効果を得ることができ
る。
【0031】図4は本発明の第4実施例(請求項4対
応)であり、渦巻き体の一部を上方から見た平面図であ
る。同図に示すように、本実施例では渦巻き体3の先端
部分のシール装着溝4の側壁の内周側に微小な曲率の突
起を複数個設けている。運転時、シール装着溝4に装着
されたチップシール1との内周側側面部の隙間を仕切る
ことにより側面からの円周方向への気体の漏れを低減す
る。本実施例も上記図1実施例と同じ効果を得ることが
できる。
【0032】図5は本発明のチップシールの製造時の形
状を示す斜視図(請求項5対応)である。同図に示すよ
うに、押出し成形により内周側にラビリンス溝7を形成
したパイプ状のものを成形し、所定の厚さに切断してリ
ング状のシールを作り、円周状の一ヵ所を切断すること
によりヒモ状のチップシールを得る。この状態では、押
出し成形時の曲率がそのそのまま残っており、その曲率
はシール装着時の渦巻きの曲率とは直角方向になるの
で、シール装着時の曲線になる方向に巻き直し、その状
態で150℃程度に温度を上げ、歪、ねじれを除去し、
装着状態の形に近い曲率に形を整える。このような製造
方法によると、安価で多量にラビリンス溝を一体に成形
したチップシールを製造することができる。
【0033】(本発明の他の実施例)上記実施例では、
チップシールの底面に設けるラビリンス溝は矩形状であ
るが、本発明は矩形状に限定するものではなく、微小な
隙間からの少量の流れを許容しつつ、拡大損失,縮流損
失を繰り返し、流れの圧力を減じる作用は、類似の溝で
も得ることができるのは言うまでもない。
【0034】また、上記実施例では、チップシールの底
面にラビリンス溝を設けないで、同様の溝を渦巻き体の
シール装着溝の底面に設けても同じ効果を得ることがで
きる。同様にチップシールの底面とシール装着溝の両方
に設けて同じ効果を得ることができる。
【0035】ところで、チップシールと装着溝の部分か
らの円周方向への気体の漏れは、底面からの漏れと側面
部からの漏れがあり、本発明によるラビリンス溝により
底面からの漏れが低減されることは既に説明しているの
で、次に、チップシール側面部からの漏れの低減につい
て説明する。
【0036】一般に、産業用汎用のオイルレス・スクロ
ール圧縮機では、実用上は体積効率80%程度で使用さ
れる。言い代えると、理論吐出量300l/minで設
計された圧縮機で、実吐出量は240l/min程度で
使用されている。つまり、約60l/min程度の内部
漏れは許容される。このことから、チップシール側面部
では、シール装着溝との隙間は、チップシールの運転中
の温度上昇に伴う熱膨脹を考慮して、50〜100μm
に設定される。チップシールの幅寸法およびシール装着
溝の幅寸法の精度を上げ、側面部からの漏れを低減する
ことは、コストアップを招き、好ましくない。このた
め、部品の精度を上げることなく、シール側面部の隙間
からの漏れを低減するため、シール装着溝の内周側,側
壁に小さい曲率で高さ0.1mm程度の突起を複数個設
け、チップシール側面との隙間を微小にする。これはシ
ール装着溝を加工する際、カッター(エンドミル)を部
分的に外周側へ動かすことにより簡単に設けることがで
きる。
【0037】図4では、シール装着溝の内周側にのみ突
起を設けてあるが、このシール装着溝を加工する際、カ
ッターで溝の内・外壁面を同時に加工することもでき、
この場合、溝の外壁面には突起13に対応した凹み(膨
らみ)ができる。
【0038】しかして、スクロール圧縮機の運転時、チ
ップシールが幅方向に膨脹し、前記溝側面に設けた突起
との隙間が狭くなる。また、軽く接触することにより側
面部からの円周方向の漏れが低減され、底面に設けたラ
ビリンス溝の効果と相俟って体積効率の高いスクロール
圧縮機を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のチップシ
ールはシール装着溝の底面との間に微小な隙間を有し、
非接触で作動するよう構成されているので、従来のよう
に接触部の摩耗・摩滅などが全くない、長寿命のチップ
シールが得られる。また、ラビリンス溝のラビリンス効
果により円周方向への漏れは、順次その圧力を減少する
ため、円周方向の漏れ量も低減でき、渦巻き線に沿った
外周側へゆく程、チップシール背面のラビリンス溝での
背圧も低くなるので、チップシールを摺動面へ押し付け
る力も小さくなり、従ってチップシールの摩耗も低減さ
れ、長寿命のチップシールが得られる。
【0040】さらに、本発明のチップシールは、自己潤
滑性材料でラビリンス溝を一体に形成する押出し成形に
より製作できるので、無給油式スクロール圧縮機に適し
たチップシールが安価に多量生産できる。しかも、チッ
プシール背面のラビリンス溝とシール装着溝の側壁の微
小な突起による側面のシール作用と相俟って気体の漏れ
が少ない体積効率の高いスクロール圧縮機を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であり、同図(a)はチッ
プシール装着部の渦巻き線に沿った円周方向の断面図、
同図(b)は同図(a)のI−I方向の断面図。
【図2】本発明の第2実施例の断面図。
【図3】本発明の第3実施例の断面図。
【図4】本発明の第4実施例の平面図。
【図5】本発明の第5実施例の斜視図。
【図6】従来技術の断面図。
【図7】他の従来技術の断面図。
【符号の説明】
1…チップシール、2…摺動面、3…渦巻き体、4…シ
ール装着溝、5…装着溝底面、6…微小隙間、7…ラビ
リンス溝、8…固定スクロール、10…旋回スクロー
ル、11,13…突起、12…切込み。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定スクロールと旋回スクロールに立設
    された渦巻き体を互いに組み合わせ、前記旋回スクロー
    ルの旋回運動により前記渦巻き体で形成された圧縮室を
    順次縮小することにより圧縮された流体を、前記固定ス
    クロールの中心部の吐出口から吐出するスクロール圧縮
    機において、前記固定及び旋回スクロールに立設された
    渦巻き体の先端部分に矩形断面のシール装着溝を設け、
    そのシール装着溝に軟質材で形成したチップシールを装
    着し、該チップシールの底面に略矩形状のラビリンス溝
    を複数個設け、前記シール装着溝の底面とチップシール
    底面との間には微小な隙間を有するように構成したこと
    を特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスクロール圧縮機におい
    て、ラビリンス溝を渦巻き体の先端部のチップシール装
    着溝の底面に設けたことを特徴とするスクロール圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 請求項1および請求項2記載のスクロー
    ル圧縮機において、前記ラビリンス溝をチップシールの
    底面と装着溝の底面との両方に設け、その溝位置を略一
    致するように配設したことを特徴とするスクロール圧縮
    機。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3記載のスクロール
    圧縮機において、前記チップシール装着溝の内周側側壁
    に小さい曲率の突起を複数個設けたことを特徴とするス
    クロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 スクロール圧縮機の固定スクロールと旋
    回スクロールに立設された渦巻き体の先端部分に矩形断
    面のシール装着溝を設け、そのシール装着溝に装着する
    軟質材で形成したスクロール圧縮機のチップシール製造
    方法において、押出し成形により内周側にラビリンス溝
    を形成した自己潤滑材料でパイプ状に成形した後、所定
    の厚さに切断してリング状のシールを作り、円周上の1
    ヵ所で切断することによりヒモ状のチップシールを製造
    することを特徴とするスクロール圧縮機のチップシール
    製造方法。
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