JPH06329875A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
硬化性樹脂組成物Info
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- JPH06329875A JPH06329875A JP11561693A JP11561693A JPH06329875A JP H06329875 A JPH06329875 A JP H06329875A JP 11561693 A JP11561693 A JP 11561693A JP 11561693 A JP11561693 A JP 11561693A JP H06329875 A JPH06329875 A JP H06329875A
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Abstract
したノボラック樹脂のフェノール性水酸基の少なくとも
1個をビニルベンジルエーテル基で置換することによ
り、分子中にフェノール性水酸基(a)とビニルベンジル
エーテル基(b)とを有し、フェノール性水酸基(a)とビ
ニルベンジルエーテル基(b)との割合が当量比で1:9
から7:3である、数平均分子量500〜2000のビ
ニルベンジルエーテル化ノボラック樹脂(A)100
部、ノボラック型又はレゾール型フェノール樹脂(B)
200重量部以下、有機過酸化物(C)0.01〜30
重量部及びヘキサメチレンテトラミン(D)0.1〜4
0重量部からなる硬化性樹脂組成物。 【効果】 優れた耐熱性を有し、速硬化性で硬化の温度
依存性が極めて大きく、安価な硬化性樹脂組成物を得る
ことができ、接着剤、塗料、積層材、成形材料、有機材
料又は無機材料の結合剤など種々の用途に有用な樹脂組
成物を提供することができる。
Description
が極めて大きい、即ち100〜150℃以下の比較的低
温では実質的に硬化せず安定であり、150℃以上の高
温では速やかに硬化する特長を有し、耐熱性が優れ、か
つ安価である硬化性樹脂組成物に関し、接着剤、塗料、
積層材、成形材料、有機材料又は無機材料の結合剤など
の用途に好適なものである。
は分子構造中にエステル結合を含まないことから、耐ア
ルカリ性など耐薬品性に優れた樹脂として注目されてい
る。この樹脂については米国特許第4116936号明
細書に記載されているが、基本的に多価フェノール化合
物のフェノール性水酸基を全てビニルベンジルエーテル
化した構造のものである。フェノール性水酸基が残存す
ると過酸化物によりラジカル重合させる際、これがラジ
カルを捕捉し、重合禁止剤として作用すると考えられて
いるからである。
する樹脂については特開平2−134340号公報にも
開示されている。これは多価フェノールのフェノール性
水酸基の一部をビニルベンジルエーテル化してなるフェ
ノール性水酸基とビニルベンジルエーテル基とを有する
フェノールビニルベンジルエーテル化合物、及びこの化
合物とエポキシ化合物とを反応させることにより実質的
にフェノール性水酸基を有しないビニルベンジルエーテ
ル基を有するオリゴマーを得る方法に関するものであ
る。上記フェノール性水酸基を有するフェノールビニル
ベンジルエーテル化合物については、これ自体反応性モ
ノマーとして利用可能であること、及びフェノール、ア
ルキルフェノール等のフェノール化合物とホルムアルデ
ヒドとの縮合物であるノボラック樹脂の比較的低分子の
ものをビニルベンジルエーテル化したものも使用可能で
あることが示されている。
を有するフェノールビニルベンジルエーテル化合物を過
酸化物で重合硬化させることについては開示されていな
い。これもフェノール性水酸基が重合禁止作用をするた
めにラジカル重合反応しないと考えられているためであ
ろう。多価フェノール、特にフェノール性水酸基の多い
ノボラック樹脂ではフェノール性水酸基のすべてをビニ
ルベンジルエーテル化することは困難である。従って、
ビニルベンジルエーテル化ノボラック樹脂を過酸化物で
重合させる技術は現在まで実施されておらず、更に、フ
ェノール化合物とホルムアルデヒドとを縮合したノボラ
ック型又はレゾール型フェノール樹脂(以下、フェノー
ル樹脂と略称する)及びヘキサメチレンテトラミンを併
用したラジカル・付加縮合反応併用の技術についても未
だ例がない。
樹脂などの熱硬化性樹脂と同等ないしそれ以上の優れた
特性を有し、かつラジカル硬化樹脂の特長を有する樹脂
組成物を種々検討し、完成されたものである。本発明
は、すぐれた耐熱性を有するとともに、速硬化性であ
り、硬化の温度依存性が極めて大きい硬化性樹脂組成物
を得ようとするものである。本発明に使用するビニルベ
ンジル化ノボラック樹脂は、アルカリ化したノボラック
樹脂をビニルベンジルクロライドと反応し、副生したア
ルカリクロライドを除去する工程を経るため、高価であ
るが、フェノール樹脂を併用することによりコスト低減
化を達成できた。
ノボラック樹脂のフェノール性水酸基の少なくとも1個
をビニルベンジルエーテル基で置換することにより、分
子中にフェノール性水酸基(a)とビニルベンジルエー
テル基(b)とを有するビニルベンジルエーテル化ノボ
ラック樹脂(A)100重量部、フェノール樹脂(B)
200重量部以下、有機過酸化物(C)0.01〜30
重量部及びヘキサメチレンテトラミン(D)0.1〜4
0重量部からなることを特徴とするものである。
ル化ノボラック樹脂がフェノール性水酸基を含有し、か
つフェノール樹脂を併用しているにもかかわらず、ラジ
カル反応性を有するが、その理由は次の通りと考えられ
る。一般に重合禁止剤は分子中に水酸基が1個又は2個
の単量体フェノール化合物であり、反応系内で動きやす
いためラジカル捕捉能が高いが、ビニルベンジルエーテ
ル化したノボラック樹脂及びフェノール樹脂は、分子量
が大きいため動き難いため、水酸基が有効にラジカルを
捕捉し難く、従ってフェノールビニルベンジルエーテル
化合物及びフェノール樹脂のフェノール性水酸基はビニ
ル基の重合に対して禁止作用が小さい。更にフェノール
性水酸基がラジカルを捕捉した場合に生成する酸素原子
上のラジカルが架橋に寄与する他の末端のラジカルと反
応し、新たな架橋が生成する。(重合禁止剤のような分
子中に水酸基が1個又は2個の単量体の場合は、重合停
止反応を誘引し、架橋が進行しない。) 以上の理由から
本発明の樹脂組成物はラジカル反応性を有すると考えら
れる。
基が存在するにもかかわらずラジカル反応性を有し、更
に、ヘキサメチレンテトラミンによる付加縮合反応によ
り硬化するものであり、優れた耐熱性と速硬化性を有
し、かつ硬化の温度依存性が極めて大きく、コスト上も
安価なものである。
化ノボラック樹脂(A)の原料であるノボラック樹脂に
用いられるフェノール化合物は水酸基を芳香族核に1個
以上有する化合物であればよく、例えばフェノールをは
じめ、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、
ノニルフェノール等のアルキルフェノール類、更にカテ
コール、レゾルシン、ヒドロキノン等多価フェノール
類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールS等多核フェノール類などを挙げることができ、こ
れらの1種まはた2種以上を組み合わせてもよい。ビニ
ルベンジルエーテル化ノボラック樹脂のフェノール性水
酸基とビニルベンジルエーテル基との割合は1:9から
7:3の範囲が好ましく、更には3:7〜6:4がより
好ましい。ビニルベンジルエーテル基が上記範囲より多
いと、樹脂の軟化点が低下し水あめ状ないし粘着性の固
形状となるので、成形材料や積層板等種々の用途での作
業性が悪化する。また、2核体程度の分子量の小さいノ
ボラック樹脂の場合を除いて、これ以上のビニルベンジ
ルエーテル化は、実際の製造上困難であることが多い。
ビニルベンジルエーテル基が上記範囲より少ないと、本
発明の樹脂組成物の特長である硬化性の温度依存性が小
さくなる。
(A)の数平均分子量は500以上2000以下が好ま
しい。500より小さいと樹脂の軟化点が低下し、種々
の用途において作業性が低下する。また2000より大
きいと軟化点の上昇、流動性の低下、溶液とした時の粘
度の増大等により成形材料や積層板等への適用が困難と
なる。より好ましい分子量の範囲は700〜1500で
ある。フェノール樹脂(B)は上記のフェノール化合物
の1種又は2種以上とホルムアルデヒドとを酸性触媒又
はアルカリ性触媒の存在下で反応させて得られたノボラ
ック樹脂又はレゾール樹脂であり、メラミン、アニリ
ン、乾性油、脂肪族不飽和化合物等で変性したものでも
よい。フェノール樹脂の配合量はビニルベンジル化ノボ
ラック樹脂(A)に対して200重量部以下が好まし
く、150重量部以下がさらに好ましい。200重量部
以上であると硬化性の温度依存性が小さくなる。
添加量はビニルベンジルエーテル化ノボラック樹脂
(A)100重量部に対し0.01〜30重量部であ
り、好ましくは1〜10重量部である。0.01重量部
より少ないと硬化性が損われ、30重量部より多いと硬
化が速すぎて実用的ではない。有機過酸化物の熱分解温
度(半減期10時間)は100℃以上が好適である。1
00℃より低いと本発明の目的のひとつである硬化反応
の温度依存性が大きいという特長が十分に発揮されな
い。熱分解温度100℃以上の有機過酸化物としてはジ
クミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、ジ−t−ブチルパーオキサイドが一般的であり好
適である。またこれらの有機過酸化物は1種もしくは2
種以上組み合わせてもよい。ヘキサメチレンテトラミン
(D)の添加量はビニルベンジルエーテルノボラック樹
脂(A)100重量部に対し0.1〜40重量部であ
り、好ましくは5〜25重量部である。0.1重量部よ
り少ないと硬化性が損われ、40重量部より多くても硬
化性は向上せず硬化物の特性が低下し、実用的でない。
実施例を示すがこれらをもって本発明を限定するもので
はない。 《実施例1》フェノール性水酸基とビニルベンジルエー
テル基の割合が当量比で5:5であり、数平均分子量1
000のビニルベンジルエーテル化フェノールノボラッ
ク樹脂100重量部と数平均分子量900のノボラック
型フェノール樹脂50重量部、及びこれら樹脂成分の合
計に対してジクミルパーオキサイド5Phr及びヘキサ
メチレンテトラミン10Phrを添加して乳鉢で混合
し、この配合物5gを試験管にとり、100℃油浴中で
ゲルタイムを測定した。3時間以上経過してもゲルしな
かった。次に175℃にて同様の操作を行なったところ
ゲルタイムは29秒であった。次に、この配合物5gを
用いてタブレットを作成しキュラストメーターにより1
00℃及び175℃での硬化挙動(トルク上昇開始時
間、硬化速度最大硬化度)を測定した(トルク上昇開始
時間は上記ゲルタイムに相当するものである)。 更に、
キュラストメーターによる175℃の硬化物のガラス転
移温度を示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。
これらの結果を表1に示す。
−t−ブチルパーオキサイドにかえる以外は実施例1と
同様の方法を実施した。 《実施例3》フェノール性水酸基とビニルベンジルエー
テル基の当量比が3:7で、数平均分子量1000のビ
ニルベンジルエーテル化フェノールノボラック樹脂を使
用すること以外は実施例1と同様の方法を実施した。 《比較例1》ジクミルパーオキサイド及びヘキサメチレ
ンテトラミンを添加しないこと以外は実施例1と同様の
方法を実施した。 《比較例2》樹脂成分の合計に対してジクミルパーオキ
サイド40Phr及びヘキサメチレンテトラミン20P
hr添加すること以外は実施例1と同様の方法を実施し
た。 《比較例3》ノボラック型フェノール樹脂を300重量
部とし、樹脂成分の合計に対してジクミルパーオキサイ
ド5Phr及びヘキサメチレンテトラミン10Phr使
用すること以外は実施例1と同様の方法を実施した。 《比較例4》数平均分子量900のフェノールノボラッ
ク樹脂100部に対しヘキサメチレンテトラミン15部
を添加した組成物について実施例1と同様の操作で特性
を測定した。
を、各例の配合組成等とともに表1に示す。
めて大きい、即ち100〜150℃以下の比較的低温で
は実質的に硬化せず安定であり、150℃以上の高温で
は速やかに硬化する特長を有し、耐熱性が優れ、かつ安
価である硬化性樹脂組成物を得ることができ、接着剤、
塗料、積層材、成形材料、有機材料又は無機材料の結合
剤など種々の用途に有用な樹脂組成物を提供することが
できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 フェノール化合物とホルムアルデヒドを
縮合したノボラック樹脂のフェノール性水酸基の少なく
とも1個をビニルベンジルエーテル基で置換することに
より、分子中にフェノール性水酸基(a)とビニルベン
ジルエーテル基(b)とを有するビニルベンジルエーテ
ル化ノボラック樹脂(A)100重量部、フェノール化
合物とホルムアルデヒドとを縮合したノボラック型又は
レゾール型フェノール樹脂(B)200重量部以下、有
機過酸化物(C)0.01〜30重量部及びヘキサメチ
レンテトラミン(D)0.1〜40重量部からなる硬化
性樹脂組成物。 - 【請求項2】 ビニルベンジルエーテル化ノボラック樹
脂(A)のフェノール性水酸基(a)とビニルベンジル
エーテル基(b)との割合が当量比で1:9から7:3
である請求項1記載の硬化性樹脂組成物。 - 【請求項3】 ビニルベンジルエーテル化ノボラック樹
脂(A)の数平均分子量が500以上2000以下であ
る請求項2記載の硬化性樹脂組成物。 - 【請求項4】 有機過酸化物(C)の熱分解温度(半減
期10時間)が100℃以上である請求項1記載の硬化
性樹脂組成物。 - 【請求項5】 有機過酸化物(C)がジクミルパーオキ
サイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート又はジ−t
−ブチルパーオキサイドである請求項4記載の硬化性樹
脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11561693A JP3246688B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | 硬化性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11561693A JP3246688B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | 硬化性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06329875A true JPH06329875A (ja) | 1994-11-29 |
JP3246688B2 JP3246688B2 (ja) | 2002-01-15 |
Family
ID=14667067
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11561693A Expired - Lifetime JP3246688B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | 硬化性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3246688B2 (ja) |
-
1993
- 1993-05-18 JP JP11561693A patent/JP3246688B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
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