JPH06329710A - スチレン系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物の製造方法

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JPH06329710A
JPH06329710A JP11584893A JP11584893A JPH06329710A JP H06329710 A JPH06329710 A JP H06329710A JP 11584893 A JP11584893 A JP 11584893A JP 11584893 A JP11584893 A JP 11584893A JP H06329710 A JPH06329710 A JP H06329710A
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JP
Japan
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styrene
monomer
weight
screw extruder
molecular weight
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JP11584893A
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English (en)
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Takamasa Fukuoka
孝政 福岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】残存揮発成分濃度が低く、且つ、高分子量成分
と低分子量成分の両者が十分に相溶されており、トナー
用バインダー樹脂として好適に利用することができるス
チレン系樹脂組成物の製造方法を提供する。 【構成】噛み合い型同方向回転2軸スクリュウ押出機を
用意し、予めバレル温度を150℃、スクリュウ回転数
を毎分120回転に設定する。重量平均分子量61.4
万の高分子量のスチレン系樹脂5重量部を、スチレン系
単量体100重量部に溶かし、この溶液を室温に保ちな
がら、重合開始剤として、アゾビスイソブチルニトリル
3重量部を入れて完全に溶けるまでかき混ぜ原料とす
る。この原料を、ケミカルポンプにより、2軸スクリュ
ウ押出機に連続的に供給し、定常状態において重合反応
押出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、残存揮発成分濃度が低
く、且つ、高分子量のスチレン系樹脂成分と低分子量の
スチレン系樹脂成分を含有し、トナー用バインダー樹脂
として好適に使用することができるスチレン系樹脂組成
物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電子複写装置に使用されるトナー
用バインダー樹脂としては、スチレン系樹脂を主成分と
するものが広く用いられているが、トナーとしての重要
な性能である耐オフセット性、定着性、耐ブロッキング
性は、このスチレン系樹脂の熱的物性に強く依存する。
【0003】一般的には、これら3つの性能を同時に満
足させるためには、かかるスチレン系樹脂の分子量分布
において、耐オフセット性を付与する重量平均分子量が
数十万を超える比較的高分子量の重合体成分と、定着性
を付与する重量平均分子量が数万の比較的低分子量の2
つのモードを有する組成物が好適に用いられてきた。
【0004】このようなスチレン系樹脂組成物として
は、例えば、特開昭50─133242号公報に記載の
如く、予め重合された高分子量及び低分子量のスチレン
系樹脂を溶媒に溶解して充分に混合した後、溶媒を除去
して混合物を得る方法や、予め重合された高分子量のス
チレン系樹脂をスチレン単量体中に溶解して混合溶液と
なし、これをトルエン中で重合する方法等によって製造
されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来の製造方法において、樹脂の原料となる単量体
以外に新たな有機溶剤を使用するため、工程が煩雑であ
った。又、最終的には、脱溶剤機を用いて有機溶剤を留
出させる必要があり、このときの加熱・減圧の条件によ
っては、樹脂中の残存溶剤濃度が所定の濃度以上含まれ
てしまう。
【0006】この傾向は、特に、高分子量スチレン系樹
脂の重量平均分子量が30万を超える高粘度の樹脂組成
物の場合に、脱揮が困難となり顕著となる。これによ
り、トナー用バインダー樹脂としての必須の性能である
耐ブロッキング性が低下するという問題点があった。
【0007】上記の従来の製造方法の他には、予め重合
された高分子量及び低分子量のスチレン系樹脂を、イン
ターナルミキサーやスクリュウ押出機等の混練機にて溶
融混合する方法がある。この方法では、組成物を調整す
る溶融混合の工程で有機溶剤が介在しないので、上記の
如き方法に見られる耐ブロッキング性にかかる問題が解
消されるので、性能向上が期待できる。
【0008】ところが、高分子量のスチレン系樹脂と低
分子量のスチレン系樹脂の各々の溶融粘度が極端に異な
るため、通常考えられる溶融混練機では混合不良を起こ
してしまう。即ち、この方法で得られたバインダー樹脂
組成物は、カーボンブラック等のトナーに必要な充填物
を均一に分散させることが困難となる。
【0009】本発明は上記の如き従来の問題点を解消
し、残存揮発成分濃度が低く、且つ、高分子量成分と低
分子量成分の両者が十分に相溶されており、トナー用バ
インダー樹脂として好適に利用することができるスチレ
ン系樹脂組成物の製造方法を提供することを目的として
なされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明において用いられ
るスチレン系単量体(a)とは、スチレン及びその誘導
体から選ばれる少なくとも1種以上の単量体をさす。ス
チレン誘導体としては、例えば、o─メチルスチレン、
m─メチルスチレン、p─メチルスチレン、α─メチル
スチレン、p─エチルスチレン、2,4─ジメチルスチ
レン、p─n─ブチルスチレン、p─tert─ブチル
スチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチ
ルスチレン、p−n─ノニルスチレン、p−n−デシル
スチレン、p−n−ドデシルスチレン等のアルキルスチ
レン、p−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン、
p−クロルスチレン、3,4─ジクロルスチレン等のハ
ロゲン化スチレン等が挙げられる。これらは、スクリュ
ウ押出機中にて重合され、最終的に低分子量のスチレン
系樹脂成分となる。
【0011】本発明において用いられる重合開始剤
(b)は、スチレン系単量体(a)に可溶であって1時
間の半減期温度が60〜150℃のものである。ここ
で、1時間の半減期温度とは、ベンゼン又はトルエンに
溶解した物質の半減期が1時間を示す温度を意味する。
重合開始剤の半減期は、例えば、重合禁止剤の1種であ
るジフェニル─1─ピクリルヒドラジルを用いて、その
消失速度を紫外線吸収スペクトルで測定することにより
求めることができる。
【0012】重合開始剤(b)として、1時間の半減期
温度が60℃未満のものを使用すると、重合反応速度が
速くなり過ぎ暴走反応の状態に陥ってしまう。これに対
して、制御可能となるまで反応系の温度を下げると、既
に系に存在する高分子の影響により粘度が上昇し、反応
が停止するという不都合が生じる。一方、1時間の半減
期温度の150℃を超えるものを使用する場合には、重
合反応速度が遅くなり過ぎ、たとえスチレン系単量体
(a)の沸騰温度まで反応系の温度を上げても、スクリ
ュウ押出機中では重合反応が完結しなくなる。
【0013】このような重合開始剤(b)としては、例
えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4─ジクロルベ
ンゼンパーオキサイド、p−クロルベンゼンパーオキサ
イド、o−メチルベンゼンパーオキサイド、ビス─3,
5,5─トリメチルヘキサノールパーオキサイド等のジ
アシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,
5─ジメチル─2,5─ジ─(tert─ブチルパーオ
キシ)─ヘキサン、tert─ブチルクミルパーオキサ
イド、ジ─tret─ブチルパーオキサイド、1,3─
ビス─(tert─ブチルパーオキシイソプロピル)─
ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド、1,1─ジ─
tert─ブチルパーオキシシクロヘキサン等のパーオ
キシケタノール、tert─ブチルジカーボネート等の
パーカーボネート等のアルキルパーエステル、ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート
などの有機過酸化物、2─2′─アゾビス(2,4─ジ
メチルバレロニトリル)、2,2′─アゾビスイソブチ
ロニトリル、1,1′─アゾビスシクロヘキサンニトリ
ル等のアゾニトリル化合物などが挙げられる。
【0014】重合開始剤(b)の添加量は、スチレン系
単量体(a)100重量部に対して、0.01〜5重量
部が好ましい。
【0015】本発明において用いられるスチレン系樹脂
(c)としては、上記のスチレン系単量体(a)の1種
以上が重合されたスチレン系樹脂、及び上記スチレン系
単量体を主体とし、この単量体と共重合可能な1種以上
のアクリル系単量体との共重合体(以下、スチレン─ア
クリル共重合体という)が挙げられる。
【0016】アクリル系単量体とは、(メタ)アクリル
酸及びその誘導体をさす。このようなアクリル系単量体
としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸オクチル等のアクリル酸エステル、メタ
クリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸
グリシジル等のメタクリル酸エステル、及び、アクリル
ニトリルなどが挙げられる。
【0017】スチレン系樹脂(c)の重量平均分子量
は、20万以上である必要があり、40万〜100万が
好ましい。分子量が20万未満の場合には、トナーの耐
オフモット性が低下し性能不良となる。ここでいう、重
量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)で測定されるポリスチレン換算の分子量
分布に基づく統計値Mwである。
【0018】高分子量のスチレン系樹脂(c)の添加量
は、スチレン系単量体(a)100重量部に対して、2
0〜50重量部が好ましい。その理由は、トナー用バイ
ンダー樹脂として使用する場合に、添加量が20重量部
未満の場合には、耐オフセット性が低下し、逆に、50
重量部を超えると定着性が低下するからである。
【0019】本発明においては、必要に応じて、スチレ
ン系単量体(a)と共重合可能な1種以上のアクリル系
単量体が併用されてもよい。アクリル系単量体としては
上記したものが使用される。
【0020】本発明における、アクリル系単量体の添加
量は、スチレン系単量体(a)100重量部に対して、
60重量部以下が好ましい。添加量が60重量部を超え
ると、トナー用バインダー樹脂として使用する場合の粉
砕性に問題が生じ易い。
【0021】本発明においては、更に必要に応じて、上
記以外の重合体、有機溶剤、可塑剤、無機質充填剤等の
添加剤が添加されてもよい。これらの添加剤の添加量と
しては、スチレン系単量体(a)100重量部に対し
て、30重量部以下であるのが好ましい。
【0022】本発明においては、スチレン系単量体
(a)、スチレン系単量体(a)に可溶であって1時間
の半減期温度が60〜150℃の重合開始剤(b)、及
び重量平均分子量20万以上を有するスチレン系樹脂
(c)、必要に応じて添加される添加剤を、予め全て又
はいくつかを混合したもの、あるいはそれぞれ単独で、
スクリュウ押出機に供給する。このとき、特に高分子量
のスチレン系樹脂(c)はスチレン系単量体(a)に充
分に溶解しているのが好ましいが、必ずしも溶解してい
なくてもよい。
【0023】本発明において用いられるスクリュウ押出
機とは、1軸スクリュウ押出機、2軸スクリュウ押出
機、及び3本以上のスクリュウを有する多軸スクリュウ
押出機をいう。1軸スクリュウ押出機としては、例え
ば、一般的なフルフライト型スクリュウを有するものの
他、不連続フライト型のスクリュウ、ピンバレル、ミキ
シングヘッド等を有するもの等が使用される。
【0024】2軸スクリュウ押出機は、噛み合い同方向
回転型、噛み合い異方向回転型、非噛み合い異方向回転
型のいずれであってもよい。以上のスクリュウ押出機の
うちで特に好適に使用されるのは、部分的にニーディン
グエレメントを有する噛み合い(セルフワイピング)同
方向回転型2軸スクリュウ押出機である。尚、いずれの
スクリュウ押出機を選んだ場合でも、スクリュウ押出機
には少なくとも1箇所以上真空脱気が可能な機能がある
ことが望ましい。
【0025】本発明においては、スクリュウ押出機のバ
レル温度が80〜180℃に保たれている必要があり、
好ましくは、押出機の前半区間で、スチレン系単量体
(a)が沸騰しない範囲で重合反応を充分に進行させる
ために90〜140℃、後半区間で、反応系の粘度の著
しい上昇を招かない130〜180℃に保たれているの
が好ましい。
【0026】押出機のバレル温度が80℃未満である場
合には、重合途上でスチレン系単量体(a)が消費され
ることにより反応系が増粘し、最終的に押出移送が不可
能な状態となり、逆に、180℃を超える場合には、反
応系は暴走状態に陥り、回収された組成物の低分子量成
分には多量のオリゴマーを含むことになる。このオリゴ
マーは組成物の耐熱性を著しく下げるため、トナー用バ
インダー樹脂としての耐ブロッキング性を阻害する原因
となる。
【0027】又、本発明においては、スクリュウ押出機
内の平均滞留時間が4分以上となるように操作条件が設
定されている必要があるが、この平均滞留時間とは、以
下の関係式で求めることができる。 平均滞留時間=(スクリュウ押出機の内容積/吐出流
量)×充満率
【0028】しかし、この式中の充満率は技術的に実測
することが困難なことも多く、その場合には、定常状態
のスクリュウ押出機に、例えば平均粒径が1mm程度で
均一なアルミフレーク等の、流体に不溶不融の粉体の一
定量を原料供給口から一括投入し、それらが出口から吐
出されるまでの時間を頻度分布として測定し、これに基
づく確率分布関数より直接的に平均滞留時間を求めるこ
とができる。
【0029】所望の平均滞留時間の確保は、スクリュウ
押出機のバレルの径と長さ、スクリュウの形状と回転
数、及びスクリュウ押出機出口部に設けるブレーカー、
ダイヘッド、ダイ金型等の形状を適切に設計、又は選択
することにより達成される。
【0030】本発明においては、スクリュウ押出機中で
スチレン系単量体(a)の重合反応を完結させるため
に、少なくとも4分の平均滞留時間が必要であり、好ま
しくは5〜15分必要である。尚、15分を超える長い
平均滞留時間を与えるような操作条件では吐出流量が小
さ過ぎ、その場合には生産効率が問題となる。
【0031】
【作用】本発明のスチレン系樹脂組成物の製造方法は、
スチレン系単量体(a)、スチレン系単量体(a)に可
溶であって1時間の半減期温度が60〜150℃の重合
開始剤(b)及び重量平均分子量20万以上を有するス
チレン系樹脂(c)を、バレル温度が80〜180℃に
保たれ、且つ、平均滞留時間が4分以上となるような条
件に設定されたスクリュウ押出機に供給し、スチレン系
単量体(a)を重合しながら押出成形することにより、
スクリュウ押出機中にて、スチレン系単量体(a)は、
重合開始剤(b)が熱分解して発生するフリーラジカル
に基づく反応により、重量平均分子量1〜10万の低分
子量のスチレン系樹脂に重合される。
【0032】この重合反応は、スチレン系樹脂(c)の
存在下に行われるので、両者が全く均一に相溶した重合
体を得ることができる。この重合反応において、スチレ
ン系樹脂(c)が予めスチレン系単量体(a)に充分溶
解された状態のみならず、スチレン系樹脂(c)がスチ
レン系単量体(a)に充分溶解乃至混和不充分な状態で
あっても、スクリュウ押出機中にて、混練されて、重合
反応と同時に両者が均一に相溶状態となっているので、
得られるスチレン系樹脂組成物は、トナー用バインダー
樹脂として用いたときに、耐オフセット性及び定着性に
優れている。
【0033】加えて、上記の条件下でのスクリュウが内
容物に与える対流伝熱と界面更新の効果は、重合反応時
の微妙な温度制御を可能とするので、一般的な反応槽で
のラジカル重合でみられる、急激な反応に伴う増粘に起
因する暴走反応や反応転化率の低下等が起こらず、スチ
レン系単量体(a)の重合反応が完結されるため、得ら
れるスチレン系樹脂組成物は、残存揮発成分量が低く
て、トナー用バインダー樹脂として用いたときに、トナ
ー等の充填物を添加したときの耐ブロッキング性に優れ
ている。
【0034】以下、本発明を実施例により説明する。実施例1 セルフワイピング型の2条スクリュウエレメントとニー
ディングディスクエレメントからなる直径39mm、L
/D40のスクリュウを備えた噛み合い型同方向回転2
軸スクリュウ押出機を用意し、予めバレル温度を150
℃、スクリュウ回転数を毎分120回転に設定しておい
た。
【0035】次に、重量平均分子量61.4万のスチレ
ン─アクリル共重合体(成分比;スチレン75重量%、
アクリル酸n─ブチル20重量%、メタクリル酸メチル
5重量%)58重量部を、スチレン単量体100重量
部、アクリル酸n─ブチル18重量部及びメタクリル酸
メチル18重量部よりなる混合液に溶かし、この溶液を
室温に保ちながら、重合開始剤として、アゾビスイソブ
チルニトリル(1時間の半減期温度82℃)3重量部を
入れて完全に溶けるまでかき混ぜ原料とした。
【0036】この原料を、ケミカルポンプにより、2軸
スクリュウ押出機に連続的に供給し、定常状態において
重合反応押出を行った。2軸スクリュウ押出機の出口側
付近のバレルに設けたベント口は640mmHg以下の
減圧とし、溶融物に内在する揮発成分の脱気も同時に行
った。このときの平均粒径500μmのアルミフレーク
を用いて平均滞留時間を測定したところ5.7分であっ
た。
【0037】実施例2 2軸スクリュウ押出機のバレル温度を160℃に設定し
たこと、重合開始剤として、ジ─tert─ブチルパー
オキサイド(1時間の半減期温度147℃)を用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして、重合反応押出を行っ
た。このときの平均滞留時間は8.0分であった。
【0038】比較例1 重合開始剤として、2,2─アゾビス(4─メトキシ─
2,4─ジメチルバレロニトリル(1時間の半減期温度
46℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、
重合反応押出を行った。このときの平均滞留時間は5.
5分であった。
【0039】比較例2 2軸スクリュウ押出機のバレル温度を180℃に設定し
たこと、重合開始剤として、tert─ブチルパーオキ
サイド(1時間の半減期温度198℃)を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして、重合反応押出を行った。
このときの平均滞留時間は6.1分であった。
【0040】比較例3 2軸スクリュウ押出機のスクリュウ回転数を毎分180
回転に設定したことと以外は、実施例1と同様にして、
重合反応押出を行った。このときの平均滞留時間は3.
4分であった。
【0041】比較例4 2軸スクリュウ押出機のバレル温度を200℃に設定し
たこと以外は、実施例2と同様にして、重合反応押出を
行った。このときの平均滞留時間は6.1分であった。
【0042】比較例5 スチレン単量体100重量部、アクリル酸n─ブチル1
8重量部、メタクリル酸メチル18重量部、重量平均分
子量61.4万のスチレン─アクリル共重合体(成分
比;スチレン70重量%、アクリル酸n─ブチル20重
量%、メタクリル酸メチル10重量%)58重量部を6
0℃のトルエン190重量部に溶解し、これを攪拌装置
と還流装置のついた反応器に供給し、トルエンの沸点下
に加熱し攪拌した。この反応器に、アゾビスイソブチル
ニトリル10重量%のトルエン溶液を、混合しながら毎
分1重量部の流速で30分間滴下して溶液重合を行い、
滴下終了の後、更に2.5時間加熱・攪拌し続け重合反
応を完結させた。その後、反応容器内の内容物を脱溶剤
機に移して、700mmHg、200℃の減圧加熱条件
でトルエン成分を留出させた後、容器に残った重合体を
回収した。
【0043】比較例6 実施例1で用いたのと同様の噛み合い型同方向回転2軸
スクリュウ押出機を用意し、予めバレル全区間及びダイ
を165℃、スクリュウ回転数を毎分280回転に設定
しておいた。この2軸スクリュウ押出機に、重量平均分
子量61.4万のスチン─アクリル共重合体(成分比;
スチレン70重量%、アクリル酸n─ブチル20重量
%、メタクリル酸メチル10重量%)と、重量平均分子
量1.7万のスチレン─アクリル共重合体(成分比;ス
チレン70重量%、アクリル酸n─ブチル15重量%、
メタクリル酸メチル15重量%)を粉体同士で混合した
原料を連続的に投入し溶融混合を行った。同時に2軸ス
クリュウ押出機の出口側付近のバレルに設けたベント口
は640mmHg以下の減圧とし、溶融物に内在する揮
発成分の脱気も同時に行った。このときの平均滞留時間
は3.5分であった。
【0044】以上の実施例1,2及び比較例1〜6で得
たスチレン系樹脂組成物について、それぞれ、残存揮発
量、重量平均分子量の測定を行った。残存揮発量は、ト
ルエン及びスチレンに関して、ガスクロマトグラフィ
(GC)により測定した。重量平均分子量は、高分子量
成分と低分子量成分の2モードについて、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し
た。
【0045】又、以上の実施例1,2及び比較例1〜6
で得たスチレン系樹脂組成物100重量部に対して、そ
れぞれ、カーボンブラック(三菱化成社製、商品名「ダ
イヤブラックSH」)5重量部を混合し、これを160
℃の加熱ロールで5分間溶融混練した後、冷却粗粉砕
し、更にジェットミルで平均粒度11μmに微粉砕し、
これに疎水性シリカ微粉体(日本アエロジル社製、商品
名「R972」、平均粒径0.1μm)0.5重量部を
混合し、トナーを製造した。
【0046】得られたトナーの分散性を走査型電子顕微
鏡(SEM)を用いて、100倍、400倍、800倍
にて観察し、均一に分散しているものには良好、界面が
存在するものには不良と記した。このトナー10gを1
00ccの広口ビンに取り、50℃の恒温槽中に16時
間放置した後、粒子の合着の有無を目視することにより
耐ブロッキング性を評価し、粒子の合着がないものには
良好、有るものには不良と記した。これらの結果を表1
に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1からも明らかな如く、実施例1,2に
より得られたスチレン系樹脂組成物は、残存揮発成分量
が低く、耐ブロッキング性が良好であり、トナーの分散
性も優れていた。
【0049】これに対して、比較例1,4で得られたス
チレン系樹脂組成物は、残存揮発成分量は低いものの、
暴走反応の過程で生成したオリゴマーに起因するトナー
の耐ブロッキング性が悪かった。又、比較例2,3で得
られたスチレン系樹脂組成物は、重合反応が完結してお
らず、スチレン系単量体(a)が多く残存しており、
又、トナーの耐ブロッキング性が悪かった。
【0050】又、従来の製法に従った比較例5で得られ
たスチレン系樹脂組成物は、重合溶剤であるトルエンを
充分に取り除くことができず、又、比較例6で得られた
スチレン系樹脂組成物は、混練不良による分散不良と、
新たな問題として、押出機中で高分子量のスチレン系樹
脂(c)成分の分子切断が起きることが確認された。
【0051】
【発明の効果】本発明のスチレン系樹脂組成物の製造方
法は、上記の如き構成とされているので、残存揮発成分
量が少なく、且つ、高分子量成分と低分子量成分の両者
が十分に相溶されており、耐オフセット性、定着性、耐
ブロッキング性等に優れたトナー用バインダー樹脂とし
て好適に利用することができるスチレン系樹脂組成物を
容易に製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体(a)、スチレン系単
    量体(a)に可溶であって1時間の半減期温度が60〜
    150℃の重合開始剤(b)及び重量平均分子量20万
    以上を有するスチレン系樹脂(c)を、バレル温度が8
    0〜180℃に保たれ、且つ、平均滞留時間が4分以上
    となるような条件に設定されたスクリュウ押出機に供給
    し、スチレン系単量体(a)を重合しながら押出成形す
    ることを特徴とするスチレン系樹脂組成物の製造方法。
JP11584893A 1993-05-18 1993-05-18 スチレン系樹脂組成物の製造方法 Pending JPH06329710A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009198789A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Ricoh Co Ltd 電子写真現像剤用キャリア、電子写真用二成分現像剤、および画像形成方法

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