JP2000019775A - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

電子写真用トナーの製造方法

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JP2000019775A JP18284798A JP18284798A JP2000019775A JP 2000019775 A JP2000019775 A JP 2000019775A JP 18284798 A JP18284798 A JP 18284798A JP 18284798 A JP18284798 A JP 18284798A JP 2000019775 A JP2000019775 A JP 2000019775A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒度分布が狭く、かつ小粒径な電子写真用ト
ナーが高効率に得られる電子写真用トナーの製造方法を
提供する。 【解決手段】 発泡剤を内添分散している結着樹脂剤、
着色剤、帯電制御剤及び必要に応じて離型剤を溶融混練
し、該発泡剤を発泡させ、次いで得られた混練物を粉砕
後、分級することを特徴とする電子写真用トナーの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用トナー
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用トナーを製造する為に以下の
工程を必要としている。まず、加熱により軟化する結着
樹脂と、色彩を付与する着色剤と、帯電性を付与する帯
電制御剤とオフセットを防止する離型剤等を、それぞれ
所定量計量し計量した材料を同時に混合機に投入して混
合した後、溶融して混練し、得られた混練物を粉砕して
分級することにより、所定粒径のトナーを得ている。
【0003】近年において、複写機、プリンター等の高
解像度化に伴い、トナーの小粒径化(小粒径とは10μ
m以下を指す)が求められている。一般に、電子写真用
トナーを粉砕するときにはジェットミルが使用されてい
るが、ジェットミルによる粉砕は平均粒子径7μm以上
までの粉砕が効率上限界であり、それ以下の粒径を得よ
うとすると著しく収率が悪化しコストの増大を招く。こ
のように、従来の電子写真用トナーの製造方法では、小
粒径のものを効率よく得ることは困難であるという課題
を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題に鑑みなされたものであり、粒度分布が狭く、かつ
小粒径な電子写真用トナーが高効率に得られる電子写真
用トナーの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、電子写真用ト
ナーを製造する際に、発泡剤を結着樹脂剤に内添させる
か、或いは溶融混練工程の途中で気体を供給することに
より、上記従来の課題を解決することを見い出し、本発
明を完成するに至ったのである。
【0006】即ち、本発明の電子写真用トナーの製造方
法は、以下に存する。請求項1の発明は、発泡剤を内添
分散している結着樹脂剤、着色剤、帯電制御剤及び必要
に応じて離型剤を溶融混練し、該発泡剤を発泡させ、次
いで得られた混練物を粉砕後、分級することを特徴とす
る電子写真用トナーの製造方法、である。
【0007】請求項2の発明は、発泡剤を内添分散して
いる結着樹脂剤における発泡剤の内添量を、混練物中の
発泡剤から発生する気泡の割合が10〜60体積%とな
るように制御することを特徴とする請求項1に記載の電
子写真用トナーの製造方法、である。
【0008】請求項3の発明は、発泡剤を内添分散して
いる結着樹脂剤における発泡剤の分散径を、混練物中の
発泡剤から発生する気泡が直径0.1〜50μmとなる
ように制御することを特徴とする請求項1に記載の電子
写真用トナーの製造方法、である。
【0009】請求項4の発明は、結着樹脂剤中に2種類
以上の分散径を持つ同一の発泡剤を内添分散させること
を特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーの製造
方法、である。
【0010】請求項5の発明は、結着樹脂剤中に2種類
以上の発泡剤を内添分散させることを特徴とする請求項
1〜4に記載の電子写真用トナーの製造方法、である。
【0011】請求項6の発明は、請求項1において、溶
融混練を2軸又は1軸の押出溶融混練機を使用する場
合、溶融混練中の樹脂温度分布を、結着樹脂中に内添分
散させる発泡剤の発泡温度により制御することを特徴と
する電子写真用トナーの製造方法、である。
【0012】請求項7の発明は、請求項1において、溶
融混練を2軸又は1軸の押出溶融混練機を使用する場
合、溶融混練中の脱気を行うベント位置を、発泡剤の発
泡工程以前に設定することを特徴とする電子写真用トナ
ーの製造方法、である。
【0013】請求項8の発明は、発泡剤を内添分散して
いる結着樹脂剤、着色剤、帯電制御剤及び必要に応じて
離型剤を溶融混練し、該発泡剤を発泡させ、次いで得ら
れた混練物を粉砕後、分級して電子写真用トナーを製造
する際に、前記発泡剤を発泡させる以前に脱気を行うこ
とを特徴とする電子写真用トナーの製造方法、である。
【0014】請求項9の発明は、結着樹脂剤、着色剤、
帯電制御剤及び必要に応じて離型剤を溶融混練する工程
中に、気体を供給し、得られた混練物を粉砕後、分級す
ることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法、であ
る。
【0015】請求項10の発明は、混練物中の気泡の割
合が10〜60体積%となるように気体の供給を制御す
ることを特徴とする請求項9に記載の電子写真用トナー
の製造方法、である。
【0016】請求項11の発明は、気体が不活性ガスで
ある請求項9に記載の電子写真用トナーの製造方法、で
ある。
【0017】請求項12の発明は、結着樹脂剤、着色
剤、帯電制御剤及び必要に応じて離型剤を溶融混練する
工程中に、気体を供給し、得られた混練物を粉砕後、分
級して電子写真用トナーを製造する際に、前記気体を供
給する前に脱気を行うことを特徴とする請求項9に記載
の電子写真用トナーの製造方法、である。
【0018】請求項13の発明は、請求項9において、
溶融混練を2軸又は1軸の押出溶融混練機を使用する場
合、該押出溶融混練機の押し出しスクリューから気体を
供給する機能を持つ溶融混練機を使用することを特徴と
する電子写真用トナーの製造方法、である。
【0019】請求項14の発明は、請求項9において、
溶融混練を2軸又は1軸の押出溶融混練機を使用する場
合、該押出溶融混練機のシリンダーから気体を供給する
機能を持つ溶融混練機を使用することを特徴とする電子
写真用トナーの製造方法、である。
【0020】請求項15の発明は、請求項9において、
溶融混練を2軸又は1軸の押出溶融混練機を使用する場
合、溶融混練中の脱気を行うベント位置を、気体を供給
する工程以前に設定することを特徴とする電子写真用ト
ナーの製造方法、である。
【0021】請求項16の発明は、請求項9において、
溶融混練を2軸又は1軸の押出溶融混練機を使用する場
合、気体供給位置以降にスクリューパターンとして分散
を上げる効果の大きいパターンが備わっていることを特
徴とする電子写真用トナーの製造方法、である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明の電子写真用トナーの製造方法は、
発泡剤を内添分散している結着樹脂剤、着色剤、帯電制
御剤及び必要に応じて離型剤を溶融混練し、該発泡剤を
発泡させ、次いで得られた混練物を粉砕後、分級するこ
とを特徴とする。
【0023】また、本発明の電子写真用トナーの製造方
法は、結着樹脂剤、着色剤、帯電制御剤及び必要に応じ
て離型剤を溶融混練する工程中に、気体を供給し、得ら
れた混練物を粉砕後、分級することを特徴とする。
【0024】本発明で用いられる結着樹脂剤は、電子写
真用トナーを構成する各材料を一体化するものである
が、その具体例としては、例えばポリスチレン、ポリ−
p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン
およびその置換体の単独重合体(ホモポリマー)、例え
ばスチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−
プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合
体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−
アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸オク
チル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロル
メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合
体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレ
ン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン
−アクリロニトリルインデン共重合体、スチレン−マレ
イン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合
体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリ
ビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性
ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪酸又は脂
環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィ
ン、パラフィンワックス、天然ワックス等が挙げられ、
これらは夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて
用いても良い。
【0025】発泡剤を内添分散している結着樹脂剤にお
ける発泡剤は、発生する気体により粉砕性を向上させ、
加熱により気体を発生するものであれば特に限定される
ものではない。該発泡剤としては、無機物でも有機物で
も良く、例えば60〜300℃で気化または分散により気体
を発生する物質等が挙げられる。無機物の発泡剤の具体
例としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩、例えば水銀、カド
ミウム等の重金属の炭酸水素塩、炭酸水素アンモニウ
ム、炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等が挙げられ
る。有機物の発泡剤としては、例えばニトロソ系化合
物、アゾ系化合物、スルホヒドラジド系化合物、ジニト
ロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニ
トリル、アゾジカルボンアミド、ジフェニルスルフォン
-3,3'-ジスルホヒドラジン、4,4'-オネシビス(ベンゼン
スルホヒドラジド)、アリルビス(スルホヒドラジド)、5
-モルホリン-N,N'-ジメチル-N,N'-ジニトロテレフタル
アミド、ジアミノベンゼン、フロン11、フロン12、
フロン114等が挙げられる。これら発泡剤は、夫々単
独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0026】発泡剤の使用量としては、結着樹脂剤100
重量部に対して、通常0.1〜30重量部の範囲から適宜選
択される。
【0027】着色剤としては、色彩を付与するものであ
れば特に限定されないが、顔料、染料等の色素が挙げら
れる。顔料としては特に限定されないが、無機顔料、有
機顔料等が挙げられる。無機顔料としては、例えばカー
ボンブラック、チタンブラック、亜鉛華、べんがら、酸
化チタン、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、酸化鉄
黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロ
ー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレン
ジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホ
ワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸バ
リウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺青、マ
ンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉等が挙げ
られる。有機顔料としては、フタロシアニン系、アント
ラキノン系、キナクリドン系、アニリン系、シアニン
系、アゾ系(モノアゾ系、ジスアゾ系)、アジン系等が
挙げられ、具体的には、例えばハンザイエロー、ベンジ
ジンイエロー等の黄色有機顔料、例えばベンジジンオレ
ンジ、パーマネントオレンジ等の橙色有機顔料、例えば
レーキレッド、パーマネントカーミン等の赤色有機顔
料、例えばキナクリドンバイオレット、ジオキサジンバ
イオレット等の紫色有機顔料、例えばフタロシアニンブ
ルー、ファストスカイブルー等の青色有機顔料、例えば
フタロシアニングリーン、パーマネントブラウンー等の
緑色有機顔料等が挙げられる。
【0028】染料は特に限定されないが、例えば塩基性
染料、酸性染料、直接染料等が挙げられる。該染料の具
体例としては、C.I.solvent black 3、C.I.solvent bla
ck 5、C.I.solvent black 7、C.I.solvent black 27、
C.I.solvent black 29、C.I.solvent black 34、C.I.so
lvent yellow 2、C.I.solvent yellow 14、C.I.solvent
yellow 16、C.I.solvent yellow 29、C.I.solvent yel
low 33、C.I.solvent yellow 56、C.I.solvent yellow
77、C.I.solvent yellow 79、C.I.solvent yellow 82、
C.I.solvent yellow 93、C.I.solvent red 1、C.I.solv
ent red 3、C.I.solvent red 4、C.I.solvent red 8、
C.I.solvent red 18、C.I.solvent red 24、C.I.solven
t red 27、C.I.solvent red 49、C.I.solvent red 11
1、C.I.solvent red 132、C.I.solvent red 135、C.I.s
olvent red 179、C.I.solvent red 218、C.I.solvent b
lue 14、C.I.solvent blue 25、C.I.solvent blue 35、
C.I.solvent blue 70、C.I.solvent blue 94、Basic bl
ue 7、C.I.solvent orange 45、C.I.solvent orange 6
0、C.I.solvent orange 62、C.I.solvent green 3、C.
I.solvent violet 8、C.I.solvent violet 13、C.I.sol
vent violet 14、C.I.solvent brown 5等が挙げられ
る。
【0029】着色剤の使用量としては、結着樹脂剤100
重量部に対して、通常2〜15重量部の範囲から適宜選択
される。
【0030】帯電制御剤としては、例えば含金染料、第
四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルア
ミン類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、グリ
センリン脂肪酸エステル類、アルキルベタイン類、ポリ
ビニルベンジル類等が挙げられる。
【0031】帯電制御剤の使用量としては、結着樹脂剤
100重量部に対して、通常0.1〜5重量部の範囲から適宜
選択される。
【0032】本発明の電子写真用トナーの製造方法を行
うには例えば下記のようにして行えばよい。先ず、結着
樹脂剤を得るのに用いられるモノマー及び必要であれば
溶媒を混合し、これに発泡剤を分散させた後、溶液重
合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等により重合反応さ
せて結着樹脂剤を得る。具体的に説明すると、例えば主
として用いられる結着樹脂剤がスチレン−アクリロニト
リル樹脂である場合には、溶液重合を用い、即ち、スチ
レン及びアクリロニトリルをこれらが可溶な溶媒に溶解
し、これに開始剤を添加した溶液に、発泡剤を微分散さ
せることにより、発泡剤を内添分散している結着樹脂剤
を得ることができる。次に、得られた結着樹脂剤、着色
剤、帯電制御剤、及び必要に応じて離型剤を混合し、こ
れを押出溶融混練機で混練し、脱気した後、該結着樹脂
剤に内添分散している発泡剤を発泡させて気体を発生さ
せ、更に必要に応じて混練した後、得られた混練物をジ
ェットミル等の粉砕機で粒子状等に粉砕し、風力分級機
等の分級機で分級して目的の電子写真用トナーを得るこ
とができる。
【0033】押出溶融混練機で混練する混練機の設定温
度としては、通常50〜300℃の範囲から適宜選択され
る。
【0034】脱気を行う際の樹脂温度としては、通常60
〜300℃の範囲から適宜選択される。
【0035】結着樹脂剤に内添分散している発泡剤を発
泡させ気泡を発生させるには、押出溶融混練機中で加熱
することにより行えば良いが、該発泡剤の有効ガス放出
量、発泡温度、分散径に応じてその所定量を上記結着樹
脂剤の製造段階で予め微分散等させ、得られた結着樹脂
剤と他の材料とを混合し、所定温度で混練、加熱するこ
とが必要である。前記発泡剤を発泡させる温度として
は、使用する発泡剤が気化又は分解により気体を発生す
る発泡温度により異なるが、発泡剤の発泡温度以上で行
えば良く、通常60〜300℃、好ましくは60〜200℃の範囲
から適宜選択される。尚、結着樹脂剤を製造する際に、
上記発泡剤を添加するだけでも構わないが、分散や微分
散させておくことにより、発泡剤同士が凝集することな
く均一な気泡径を得ることが可能となるので好ましい。
【0036】発泡剤から発泡する気泡の大きさとして
は、用いる発泡剤の種類や量或いは所望の電子写真用ト
ナーの大きさ等により異なるため特に限定されないが、
その気泡径が直径0.1〜50μmの微細な気泡が好ましい。
発生した気泡が0.1μm未満の場合には、電子写真用トナ
ーのバインダーである結着樹脂剤の機械的強度及び物理
的結合が著しく弱められるため、粉砕工程で過粉砕され
粒度分布がブロードに成ってしまう。また、50μmを越
える気泡では粉砕効率の向上は望めない。
【0037】発泡剤から発生する気泡が上記混練物中に
占める割合としては、用いる発泡剤の種類や量或いは所
望の電子写真用トナーの大きさ等により異なるため特に
限定されないが、10〜60体積%の範囲が好ましい。10体
積%未満の場合には、粉砕効率の向上は望めない。ま
た、60体積%を越える場合には、発泡により混練物の体
積が増加しすぎて、混練出来る量が少なくなり生産性が
悪化する。
【0038】上記製造方法により得られる混練物中に2
種類以上の気泡を存在させれば、より効率的に電子写真
用トナーを得ることができる。2種類以上の気泡を混練
物中に存在させるためには、結着樹脂剤を製造する際に
2種類以上の粒子径を有する同一の発泡剤を分散させ
る、有効ガス放出量の違う2種類以上の発泡剤を分散さ
せる、2種類以上の分散径を有する同一の発泡剤を分散
させる、或いは、発泡温度の異なる2種類以上の発泡剤
を分散させれば良く、これらは適宜組み合わせて用いて
も良い。
【0039】本発明で必要に応じて用いられる離型剤と
しては、電子写真用トナーが電子写真装置の定着ローラ
ーの裏面に付着することによって生じるオフセットを防
止するものであれば特に限定されないが、その具体例と
しては、ポリプロピレン、シリコーン樹脂、流動パラフ
ィン等が挙げられる。
【0040】離型剤の使用量としては、結着樹脂剤100
重量部に対して、通常0.1〜30重量部の範囲から適宜選
択される。
【0041】本発明に係る、上記結着樹脂剤を製造する
際に用いられる開始剤としては、重合方法により異なる
が、重合開始剤として用いられるものであれば特に限定
されないが、例えばアゾビスイソブチロニトリル、2,2'
-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビ
ス(2-メチルプロピオン酸メチル)、2,2'-アゾビス(2-メ
チルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチル-4-
メトキシバレロニトリル)、4,4'-アゾビス(4-シアノペ
ンタン酸)等のアゾ系重合開始剤、例えばラウロイルパ
ーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ビス(4-tert-ブ
チルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、tert-
ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、メチルエ
チルケトンパーオキシド等の過酸化物系重合開始剤等が
挙げられる。
【0042】必要に応じて用いる溶媒としては、例えば
ベンゼン、トルエン、キシレン、n-ヘキサン、シクロヘ
キサン等の炭化水素類、例えば酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n-ブチル等のエステル類、例えばジクロロメ
タン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水
素類、例えばエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、例え
ばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロ
パノール、n-ブタノール、tert-ブタノール等のアルコ
ール類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類、例えばN,N-ジメチルホルムア
ミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、アセトニト
リル、水等が挙げられる。これらは夫々単独で用いても
二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0043】本発明の電子写真用トナーの製造方法を行
うには、また、下記のようにして行っても良い。先ず、
結着樹脂剤を得るのに用いられるモノマー及び必要であ
れば溶媒を混合し、これに開始剤を添加した後、溶液重
合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等により重合反応さ
せて結着樹脂剤を得る。次に、得られた結着樹脂剤、着
色剤、帯電制御剤及び必要に応じて離型剤を混合し、こ
れを押出溶融混練機で気体を混入しながら混練し、得ら
れた混練物をジェットミル等の粉砕機で粉砕し、風力分
級機等の分級機で分級して、目的の電子写真用トナーを
得ることができる。
【0044】ここで用いられる押出溶融混練機は、強制
的に混練物中に気体を混入させる機能を持つ1軸又は2
軸混練機を使用する。
【0045】押出溶融混練機で気体を混入する気体とし
ては、例えば窒素ガス、アルゴンガス、圧縮空気等の不
活性ガス等が挙げられる。不活性ガスは、混練操作中の
結着樹脂剤の発熱を抑制し、他の材料への熱的影響を防
止できる等の理由で好ましく用いられる。
【0046】本発明の製造方法により電子写真用トナー
の製造を行う際に、その性質を損なわない範囲で他の成
分を添加しても良い。添加可能な成分としては発泡助剤
等が挙げられる。
【0047】発泡助剤としては、例えばステアリン酸等
が挙げられる。
【0048】本発明の製造方法により得られる電子写真
用トナーは、上記のようにして得られた例えば硬質スポ
ンジ状の混練物をジェットミル等で粉砕すれば、該混練
物中の気泡の存在により、該トナー中の結着樹脂剤の機
械的強度及び物理的結合が著しく弱められる。そのた
め、より少ないエネルギーにより粉砕を行うことが可能
となり、高効率、ローコストで目的の電子写真用トナー
が得られる。
【0049】本発明の製造方法により得られる電子写真
用トナーの大きさとしては、50%体積平均粒子径5〜12
μmの範囲のものが挙げられる。
【0050】以上述べたように本発明の製造方法は、発
泡剤から気泡を発生させるために粉砕効率を高めるとい
う効果を奏するばかりでなく、結着樹脂剤中に分散させ
る発泡剤の有効ガス放出量と分散粒子径を制御すること
により、混練物中の気泡径を制御することが可能とな
り、所定の粒子径の電子写真用トナーを粉砕、分級して
得ることが出来る。また、2種類以上の気泡を混練物中
に存在させることにより、粉砕エネルギーを段階的に制
御することが可能となり、粒度分布がシャープな電子写
真用トナーを高効率で得ることが出来る。発泡温度の違
う2種以上の発泡剤を分散させた結着樹脂剤を使用すれ
ば、押出溶融混練機での発泡工程位置を溶融樹脂温度で
制御することができ、それにより、混練分散度を替える
ことが可能となり、2種以上の分散度の気泡が存在する
混練物を得ることができる。しかしながら、通常は該溶
融混練での混練工程中、混練物中に気体が存在すれば気
体が混練エネルギーを吸収するために着色剤等の分散が
極度に悪化するため、脱気工程が設けられている場合が
ほとんどである。これに対し、本発明によれば、発泡剤
を発泡させる工程を脱気工程以降とし、この発泡工程で
混練物の樹脂温度を制御することにより、他の材料の分
散を阻害することなく混練物中に効率よく気泡を存在さ
せることが可能となる。また、発泡工程を混練操作の最
終工程部で行うために溶融樹脂温度を制御することによ
り、着色剤等の他の材料の分散を阻害することなく混練
物中に気泡を存在させることが可能となる。
【0051】また、本発明において、上記したような結
着樹脂剤中に発泡剤を内添させずに混練物中に気体を供
給するために、押出溶融混練機に強制的に混練物中に気
体を混入させる機能を持つ混練機を使用することによ
り、目的の電子写真用トナーを得ることも可能である。
そのため、発泡剤を使用しないので、結着樹脂剤のコス
トが削減でき、且つ、粉砕効率を高めることが可能とな
る。しかしながら、発泡剤を内添することに比べて、混
練物中の気泡径が不均一になるため効果としては若干劣
るが、材料コストの面と、発泡剤を使用すると、若干の
トナー性能を悪化させる成分が残る可能性がある為に、
それらの面からは有効な手段となり得る。
【0052】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に
かかる図であり、本発明で用いられる押出溶融混練機の
構成及びスクリューパターンを示した図である。順送り
ニーディング、逆送りニーディング、シーリング、滞留
ニーディング、送りスクリュー等の分散を上げる効果の
大きいパターンが備わっている。スクリューパターン
は、電子写真用トナーを製造する原料(材料)を材料投
入口から投入し、第1シリンダーから第7シリンダーま
でで構成され、送りスクリュー、滞留ニーディング、送
りスクリュー、順送りニーディング、逆送りニーディン
グ、シーリング小、送りスクリュー、順送りニーディン
グ、逆送りニーディング、シーリング大、送りスクリュ
ー、順送りニーディング、逆送りニーディングを経て、
押出溶融混練機から混練物が押し出される。本実施形態
では、押出溶融混練機の材料投入口から投入した原料
(材料)を第5シリンダーまで混練したものを、第6シ
リンダーで混練物中の気体(気泡)を除去する脱気工程
を行い、第7シリンダーで温度を上昇させて発泡剤を発
泡させる工程を行うことにより、所望の混練物を得る。
押出溶融混練機は2軸又は1軸のものを使用することが
可能である。また、上記発泡剤を2種類以上もちいた場
合には、例えば発泡温度が異なる場合には、上記発泡工
程の際の温度を適宜調節すれば良い。
【0053】図2は、本発明の第2の実施形態にかかる
図であり、(a)は、本発明で用いられる押出溶融混練
機の構成及びスクリューパターンを示した図であり、
(b)は、気体供給口を有するスクリューの拡大図であ
り、(c)は、(b)に示すスクリューの断面図であ
り、コンプレッサーから気体が供給される。また、スク
リュー中に細管を通し、混練工程の最終段階にスクリュ
ー面の気体供給口から気体を供給できるようにしてい
る。スクリューパターン及びスクリューパターンを示し
た夫々の図は図1と同様である。本実施形態では、押出
溶融混練機の材料投入口から投入した電子写真用トナー
を製造する原料(材料)を第5シリンダーまで混練した
ものを、第6シリンダーで混練物中の気体(気泡)を除
去する脱気工程を行った後、気体供給口より気体を供給
し、第7シリンダーで更に混練して所望の混練物を得
る。押出溶融混練機は2軸又は1軸の押出スクリューか
ら気体を供給する機能を持つ溶融混練機を使用すれば良
い。本実施形態では、確実に気体を導入できることか
ら、大きな気体分散効果が得られる。
【0054】図3は、本発明の第3の実施形態にかかる
図であり、(a)は、本発明で用いられる押出溶融混練
機の構成及びスクリューパターンを示した図であり、
(b)は、(a)の説明図である。気体は、混練工程の
最終段階のシリンダーにノズルにて供給する。この方法
では、前記に比べて、若干気体の分散性に劣るものの、
装置の構造上簡単かつ安価に機能を追加することが可能
である。スクリューパターン及びスクリューパターンを
示した夫々の図は図1と同様である。本実施形態では、
押出溶融混練機の材料投入口から投入した電子写真用ト
ナーを製造する原料(材料)を第5シリンダーまで混練
したものを、第6シリンダーで混練物中の気体(気泡)
を除去する脱気工程を行った後、気体供給口より気体を
供給し、第7シリンダーで更に混練して所望の混練物を
得る。押出溶融混練機は2軸又は1軸のシリンダーから
気体を供給する機能を持つ溶融混練機を使用すれば良
い。また、気体を供給する位置以降にスクリューパター
ンとして図1の様な、シール、ニーディング形状、逆送
り形状等の分散を上げる効果の大きいパターンが備わっ
ていることが望ましい。
【0055】図4は、比較例で用いられる押出溶融混練
機の構成及びスクリューパターンを示した図である。ス
クリューパターンは、電子写真用トナーを製造する原料
(材料)を材料投入口から投入し、第1シリンダーから
第7シリンダーまでで構成され、送りスクリュー、滞留
ニーディング、送りスクリュー、順送りニーディング、
逆送りニーディング、シーリング小、送りスクリュー、
順送りニーディング、逆送りニーディング、シーリング
大、送りスクリューを経て、押出溶融混練機から混練物
が押し出される。ここでは、押出溶融混練機の材料投入
口から投入した電子写真用トナーを製造する原料(材
料)を第5シリンダーまで混練したものを、第6シリン
ダーで混練物中の気体(気泡)を除去する脱気工程を行
った後、気体供給口より気体を供給し、第7シリンダー
で更に混練して混練物を得る。しかしながら、図1〜図
3で示されるように、混練物が得られる前に順送りニー
ディング、逆送りニーディング等の材料を分散させる効
果の大きい分散工程がない。従って、気体供給後に混練
物の分散工程が無いことから、気泡が微分散せず粉砕効
率が向上しない。
【0056】図5は、比較例で用いられる押出溶融混練
機の構成及びスクリューパターンを示した図である。ス
クリューパターン及びスクリューパターンを示した夫々
の図は図1と同様である。ここでは、押出溶融混練機の
材料投入口から投入した電子写真用トナーを製造する原
料(材料)を第5シリンダーまで混練したものを、第6
シリンダーで混練物中の気体(気泡)を除去する脱気工
程を行う以前に、気体供給口より気体を供給し、第7シ
リンダーで更に混練して所望の混練物を得る。このよう
な押出溶融混練機を用いて写真用トナーの製造を行う
と、気体供給後の脱気工程により気泡が脱気され、粉砕
効率は向上しない。
【0057】図6は、本発明の実施形態により得られる
ものの図であり、(a)は、本発明の製造方法におけ
る、溶融混練の工程により得られる混練物であり、
(b)は目的の電子写真用トナーである。
【0058】図7は、実施例5及び比較例11〜13で
行う混練条件を示した図である。混練条件1には脱気工
程がなく、混練条件2には発泡剤を発泡させる工程がな
く、混練条件3は発泡剤を発泡させる工程後に脱気工程
を有し、混練条件4は本発明の実施形態にかかる条件で
ある。
【0059】
【実施例】以下に、実施例及び比較例等を挙げて本発明
を更に詳細に説明するが、本発明は実施例によって何ら
限定されるものではない。尚、変動計数を下記式により
求めた。変動計数は、粒度分布の広がりを示すものであ
り、大きいほど粒度分布はブロードとなる。
【0060】 変動計数CV=(標準偏差σ)/(体積平均径) ・・・(式1)
【0061】比較例1.スチレン 800cm3及びアクリロ
ニトリル 200cm3をトルエン 10000cm3に溶解し、これに
アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」とい
う。) 3gを加えて重合反応させて、目的の結着樹脂
剤を得た。次に、得られた結着樹脂剤 100重量部、ポリ
プロピレン 2重量部、カーボンブラック 5重量部及び
含金染料 2重量部を混合し(各材料の配合率等を表1
に示す)、これを時間処理量5kg/hrで、図1に示
すような2軸押し出し溶融混練機(温度制御シリンダー
数7、ベント数1)で第6シリンダーまで樹脂温度130
℃で混練し、第6シリンダーで脱気し、第7シリンダー
で160℃として、スポンジ状の混練物を得た。得られた
混練物には0.1〜25μmの気泡が10体積部以下しか存在し
なかった。この混練物をジェットミルで圧力を8kg/cm
2に設定して粉砕し、風力分級機で分級して目的とする5
0%体積平均粒子径7μmの電子写真用トナーを収率20%
で得た。また、変動計数CV=40となった。
【0062】
【表1】
【0063】比較例2.スチレン 800cm3及びアクリロ
ニトリル 200cm3をトルエン 10000cm3に溶解し、これに
AIBN 3gを加えて重合反応させて、目的の結着樹脂剤
を得た。次に、得られた結着樹脂剤 100重量部、ポリプ
ロピレン 2重量部、カーボンブラック 5重量部、含金
染料 2重量部、50%体積平均粒子径5μmのアゾジカル
ボンアミド 10重量部及びステアリン酸 1重量部を混合
し(各材料の配合率等を表2に示す)、これを時間処理
量5kg/hrで、図1に示すような2軸押し出し溶融
混練機(温度制御シリンダー数7、ベント数1)で第5
シリンダーまで樹脂温度130℃で混練し、第6シリンダ
ーにベントを設置して150℃で脱気し、第7シリンダー
で180℃で発泡させて、スポンジ状の混練物を得た。得
られた混練物には図6に示すような0.1〜25μmの気泡が
30体積部存在した。この混練物をジェットミルで圧力を
6kg/cm2に設定して粉砕し、風力分級機で分級して目
的とする50%体積平均粒子径7μmの電子写真用トナー
を収率35%で得た。また、変動計数CV=40となっ
た。
【0064】
【表2】
【0065】実施例1.スチレン 800cm3及びアクリロ
ニトリル 200cm3をトルエン 10000cm3に溶解し、これに
AIBN 3g、更に、50%体積平均粒子径5μmのアゾジカ
ルボンアミドを加えて分散させた後、重合反応させて、
目的の結着樹脂剤を得た。次に、得られた結着樹脂剤 1
10重量部、ステアリン酸 1重量部、ポリプロピレン 2
重量部、カーボンブラック 5重量部及び含金染料 2重
量部を混合し(各材料の配合率等は上記表2と同様であ
る)、これを時間処理量5kg/hrで、図1に示すよ
うな2軸押し出し溶融混練機(温度制御シリンダー数
7、ベント数1)で第5シリンダーまで樹脂温度130℃
で混練し、第6シリンダーにベントを設置して150℃で
脱気し、第7シリンダーで180℃で発泡させて、スポン
ジ状の混練物を得た。得られた混練物には図6に示すよ
うな0.1〜25μmの気泡が30体積部存在した。この混練物
をジェットミルで圧力を5kg/cm2に設定して粉砕し、
風力分級機で分級して目的とする50%体積平均粒子径7
μmの電子写真用トナーを収率50%で得た。また、変動
計数CV=35となった。この結果より、本製造方法に
より粉砕効率が向上した。
【0066】実施例2.スチレン 800cm3及びアクリロ
ニトリル 200cm3をトルエン 10000cm3に溶解し、これに
AIBN 3g、更に、50%体積平均粒子径5μmのアゾジカ
ルボンアミド5重量部及び50%体積平均粒子径15μmの
アゾジカルボンアミド 5重量部を加えて分散させた
後、重合反応させて、目的の結着樹脂剤を得た。次に、
得られた結着樹脂剤 110重量部、ステアリン酸 1.0重量
部、ポリプロピレン 2重量部、カーボンブラック 5重
量部、含金染料 2重量部を混合し(各材料の配合率等
を表3に示す)、これを時間処理量5kg/hrで、図
1に示すような2軸押し出し溶融混練機(温度制御シリ
ンダー数7・ベント数1)で第5シリンダーまで樹脂温
度130℃で混練し、第6シリンダーにベントを設置して1
60℃で脱気し、第7シリンダーで180℃で発泡させて、
スポンジ状の混練物を得た。得られた混練物には0.1〜2
5μmの気泡が20体積部と25〜50μmの気泡が10体積部存
在した。この混練物をジェットミルで圧力を3kg/cm2
に設定して30μm以下に粉砕し、再度それをジェットミ
ルで圧力を5kg/cm2に設定して粉砕し、風力分級機で
分級して目的とする50%体積平均粒子径7μmの電子写
真用トナーを収率65%で得た。また、変動計数CV=3
0となった。この結果より、本製造方法により粉砕効率
が向上した。
【0067】
【表3】
【0068】実施例3.スチレン 800cm3及びアクリロ
ニトリル 200cm3をトルエン 10000cm3に溶解し、これに
AIBN 3g、更に、50%体積平均粒子径5μmのアゾジカ
ルボンアミド5重量部及び50%体積平均粒子径5μmの
ジニトロソペンタメチレンテトラミン5重量部を加えて
分散させた後、重合反応させて、目的の結着樹脂剤を得
た。尚、アゾジカルボンアミドとジニトロソペンタメチ
レンテトラミン有効発生ガス量は夫々 アゾジカルボンアミド 260〜270ml/g ジニトロソペンタメチレンテトラミン 190ml/g である。次に、得られた結着樹脂剤 110重量部、ステア
リン酸 1.0重量部、ポリプロピレン 2重量部、カーボ
ンブラック 5重量部、含金染料 2重量部を混合し(各
材料の配合率等を表4に示す)、これを時間処理量5k
g/hrで、図1に示すような2軸押し出し溶融混練機
(温度制御シリンダー数7・ベント数1)で第5シリン
ダーまで樹脂温度130℃で混練し、第6シリンダーにベ
ントを設置して140℃で脱気し、第7シリンダーで190℃
で発泡させて、スポンジ状の混練物を得た。得られた混
練物には0.1〜25μmの気泡が25体積部と25〜50μmの気
泡が5体積部存在した。この混練物をジェットミルで圧
力を3kg/cm2に設定して30μm以下に粉砕し、再度それ
をジェットミルで圧力を5kg/cm2に設定して粉砕し、
風力分級機で分級して目的とする50%体積平均粒子径7
μmの電子写真用トナーを収率65%で得た。また、変動
計数CV=30となった。この結果より、本製造方法に
より粉砕効率が向上した。
【0069】
【表4】
【0070】実施例4.スチレン 800cm3及びアクリロ
ニトリル 200cm3をトルエン 10000cm3に溶解し、これに
AIBN 3g、更に、50%体積平均粒子径5μmのアゾジカ
ルボンアミド5重量部及び50%体積平均粒子径15μmの
炭酸水素ナトリウム 5重量部を加えて分散させた後、
重合反応させて、目的の結着樹脂剤を得た。次に、得ら
れた結着樹脂剤 110重量部、ステアリン酸 0.5重量部、
ポリプロピレン 2重量部、カーボンブラック 5重量
部、含金染料 2重量部を混合し(各材料の配合率等を
表5に示す)、これを時間処理量5kg/hrで、図1
に示すような2軸押し出し溶融混練機(温度制御シリン
ダー数7・ベント数1)で第4シリンダーまで樹脂温度
130℃で混練し、第5シリンダーにベントを設置して140
℃で脱気し、第6シリンダーで160℃で炭酸水素ナトリ
ウムを発泡させ、第7シリンダーで180℃でアゾジカル
ボンアミドを発泡させて、スポンジ状の混練物を得た。
得られた混練物には0.1〜25μmの気泡が20体積部と25〜
50μmの気泡が10体積部存在した。この混練物をジェッ
トミルで圧力を3kg/cm2に設定して30μm以下に粉砕
し、再度それをジェットミルで圧力を5kg/cm2に設定
して粉砕し、風力分級機で分級して目的とする50%体積
平均粒子径7μmの電子写真用トナーを収率70%で得
た。また、変動計数CV=30となった。この結果よ
り、本製造方法により粉砕効率が向上した。
【0071】
【表5】
【0072】実施例5.及び比較例3〜5.スチレン 8
00cm3及びアクリロニトリル 200cm3をトルエン 10000cm
3に溶解し、これにAIBN 3g、更に、50%体積平均粒子
径5μmのアゾジカルボンアミド 10重量部を加えて分散
させた後、重合反応させて、目的の結着樹脂剤を得た。
次に、得られた結着樹脂剤 110重量部、ステアリン酸
1重量部、ポリプロピレン 2重量部、カーボンブラッ
ク 5重量部、含金染料 2重量部を混合し(各材料の配
合率等を表6に示す)、これを時間処理量5kg/hr
で、図7に示す混練条件〔混練条件1〜3(比較例3〜
5)、混練条件4(実施例5)〕により2軸押し出し溶
融混練機(温度制御シリンダー数7・ベント数1)で混
練して混練物を得た。尚、実施例5で得られた混練物に
は0.1〜25μmの気泡が20体積部と25〜50μmの気泡が10
体積部存在した。得られた夫々の混練物をジェットミル
で圧力を3kg/cm2に設定して30μm以下に粉砕し、再度
それをジェットミルで圧力を5kg/cm2に設定して粉砕
し、風力分級機で分級して目的とする50%体積平均粒子
径7μm電子写真用トナーを得た。尚、実施例5では、
風力分級機で50%体積平均粒子径7μmの電子写真用ト
ナーを得た。また、変動計数CV=30となった。
【0073】
【表6】
【0074】試験例1.実施例5及び比較例3〜5で得
られた電子写真用トナーを夫々 10mgとり、テトラヒド
ロフラン(THF) 20mlに溶解し、吸光度計によりカー
ボンブラックの吸光度を測定した。結果を表7に示す。
【0075】
【表7】
【0076】表7の結果から、一般的にカーボンブラッ
クが微分散している状態で、吸光度は増大することか
ら、混練条件1の脱気ベント(脱気工程)及び発泡剤を
発泡させる工程が無い場合は、所望の電子写真用トナー
を得ることはできなかった。混練条件2の脱気ベントが
無い場合は、吸光度は良好な値を示したが、混練物中に
気体が常に存在するため、気体に混練エネルギーが吸収
され分散状態が悪化しているものと判断される。また、
混練条件3の様に、発泡工程を脱気ベント前に設定する
と、発泡剤から発生する気泡に混練エネルギーが吸収さ
れる為、若干分散状態が悪化しているものと判断する。
また、ベントから発生した気泡が脱気されてしまうた
め、混練物中には0.1〜25μmの気泡が15体積部しか存
在せず、粉砕効率の大きな効果は得られない。これに対
し、本発明の製造方法である混練条件4では、発泡工程
は混練操作の最終工程に設定し、脱気ベント位置を発泡
工程の前に設定していることから、本発明の製造方法を
用いることにより、所望の電子写真用トナーを得ること
ができることが判る。
【0077】比較例6.スチレン 800cm3及びアクリロ
ニトリル 200cm3をトルエン 10000cm3に溶解し、これに
AIBN 3gを加えて重合反応させて、目的の結着樹脂剤
を得た。次に、得られた結着樹脂剤 100重量部、ポリプ
ロピレン 2重量部、カーボンブラック 5重量部及びベ
ンジルトリブチルアンモニウム−4−ヒドロキシナフタ
レン−1−スルホネート〔四級アンモニウム塩、オリエ
ント化学工業(株)製商品名P−51。以下、「四級アン
モニウム塩P−51」という。〕 2重量部を混合し
(各材料の配合率等を表8に示す)、これを時間処理量
5kg/hrで、図1に示すような2軸押し出し溶融混
練機(温度制御シリンダー数7、ベント数1)で第5シ
リンダーまで樹脂温度150℃で混練し、第6シリンダー
にベントを設置して150℃で脱気し、第7シリンダーで1
50℃として混練物を得た。得られた混練物には0.1〜50
μmの気泡が5体積部以下しか存在しなかった。この混
練物をジェットミルで圧力を8kg/cm2に設定して粉砕
し、風力分級機で分級して目的とする50%体積平均粒子
径7μmの電子写真用トナーを収率20%で得た。また、
変動計数CV=40となった。
【0078】
【表8】
【0079】実施例6.スチレン 800cm3及びアクリロ
ニトリル 200cm3をトルエン 10000cm3に溶解し、これに
AIBN 3gを加えて重合反応させて、目的の結着樹脂剤
を得た。次に、得られた結着樹脂剤 100重量部、ポリプ
ロピレン 2重量部、カーボンブラック 5重量部及び四
級アンモニウム塩P−51 2重量部を混合し(各材料
の配合率は比較例6の表8と同様である)、これを時間
処理量5kg/hrで、図2に示すようなスクリューに
気体供給手段を具備した2軸押し出し溶融混練機(温度
制御シリンダー数7、ベント数1)で第5シリンダーま
で樹脂温度150℃で混練し、第6シリンダーにベントを
設置して150℃で脱気し、この脱気工程後設置したスク
リューの気体供給口より8kg/cm2の圧縮空気を3
l/hrの流量で供給し、第7シリンダーで150℃で混
練して混練物を得た。得られた混練物には0.1〜50μmの
気泡が30体積部存在した。この混練物をジェットミルで
圧力を5kg/cm2に設定して粉砕し、風力分級機で分級
して目的とする50%体積平均粒子径7μmの電子写真用
トナーを収率45%で得た。また、変動計数CV=35と
なった。この結果より、本製造方法により粉砕効率が向
上した。
【0080】実施例7.スチレン 800cm3及びアクリロ
ニトリル 200cm3をトルエン 10000cm3に溶解し、これに
AIBN 3gを加えて重合反応させて、目的の結着樹脂剤
を得た。次に、得られた結着樹脂剤 100重量部、ポリプ
ロピレン 2重量部、カーボンブラック 5重量部及び四
級アンモニウム塩P−51 2重量部を混合し(各材料
の配合率は比較例6の表8と同様である)、これを時間
処理量5kg/hrで、図3に示すような第6シリンダ
ーに気体供給手段を具備した2軸押し出し溶融混練機
(温度制御シリンダー数7、ベント数1)で第6シリン
ダーまで樹脂温度150℃で混練し、第6シリンダーにベ
ントを設置して150℃で脱気し、この脱気工程後、設置
した気体供給口より8kg/cm2の窒素ガスを3l/
hrの流量で供給し、第7シリンダーで150℃で混練し
て混練物を得た。得られた混練物には0.1〜50μmの気泡
が30体積部存在した。この混練物をジェットミルで圧力
を5kg/cm2に設定して粉砕し、風力分級機で分級して
目的とする50%体積平均粒子径7μmの電子写真用トナ
ーを収率45%で得た。
【0081】実施例6及び7で得られた電子写真用トナ
ーを夫々示差走査熱量計で帯電制御剤(4級アンモニウ
ム塩)の吸熱量を測定して、下記の結果が得られた。 実施例6の電子写真用トナー 吸熱量 0.1[mj/mg] 実施例7の電子写真用トナー 吸熱量 0.3[mj/mg] 上記の結果から、窒素ガスの供給により、混練物中の発
熱が押さえられ、帯電制御剤の熱分解を防ぐことができ
る。
【0082】実施例8.スチレン 800cm3及びアクリロ
ニトリル 200cm3をトルエン 10000cm3に溶解し、これに
AIBN 3gを加えて重合反応させて、目的の結着樹脂剤
を得た。次に、得られた結着樹脂剤 100重量部、ポリプ
ロピレン 2重量部、カーボンブラック 5重量部及び四
級アンモニウム塩P−51 2重量部を混合し(各材料
の配合率は比較例6の表8と同様である)、これを時間
処理量5kg/hrで、図3に示すような第6シリンダ
ーに気体供給手段を具備した2軸押し出し溶融混練機
(温度制御シリンダー数7、ベント数1)で第6シリン
ダーまで樹脂温度150℃で混練し、第6シリンダーにベ
ントを設置して150℃で脱気し、この脱気工程後、設置
した気体供給口より8kg/cm2の圧縮空気を3l/
hrの流量で供給し、第7シリンダーで150℃で混練し
て混練物を得た。得られた混練物には0.1〜50μmの気泡
が30体積部存在した。この混練物をジェットミルで圧力
を5kg/cm2に設定して粉砕し、風力分級機で分級して
目的とする50%体積平均粒子径7μmの電子写真用トナ
ーを収率40%で得た。また、変動計数CV=35となっ
た。この結果より、本製造方法により粉砕効率が向上し
た。
【0083】比較例7.スチレン 800cm3及びアクリロ
ニトリル 200cm3をトルエン 10000cm3に溶解し、これに
AIBN 3gを加えて重合反応させて、目的の結着樹脂剤
を得た。次に、得られた結着樹脂剤 100重量部、ポリプ
ロピレン 2重量部、カーボンブラック 5重量部及び四
級アンモニウム塩P−51 2重量部を混合し(各材料
の配合率は比較例6の表8と同様である)、これを時間
処理量5kg/hrで、図4に示すようなスクリューに
気体供給手段を具備した2軸押し出し溶融混練機(温度
制御シリンダー数7、ベント数1)で第5シリンダーま
で樹脂温度150℃で混練し、第6シリンダーにベントを
設置して150℃で脱気し、この脱気工程後設置したスク
リューの気体供給口より8kg/cm2の圧縮空気を5
l/hrの流量で供給し、第7シリンダーで150℃で混
練して混練物を得た。得られた混練物には50μm以上の
気泡が存在した。この混練物をジェットミルで圧力を8
kg/cm2に設定して粉砕し、風力分級機で分級して目的
とする50%体積平均粒子径7μmの電子写真用トナーを
収率20%で得た。また、変動計数CV=40となった。
気泡供給後、混練の分散工程が無い為、気泡が微分散せ
ず、粉砕効率は向上しない為、気体供給後に分散工程が
必要となる。
【0084】比較例8.スチレン 800cm3及びアクリロ
ニトリル 200cm3をトルエン 10000cm3に溶解し、これに
AIBN 3gを加えて重合反応させて、目的の結着樹脂剤
を得た。次に、得られた結着樹脂剤 100重量部、ポリプ
ロピレン 2重量部、カーボンブラック 5重量部及び四
級アンモニウム塩P−51 2重量部を混合し(各材料
の配合率は比較例6の表8と同様である)、これを時間
処理量5kg/hrで、図5に示すようなスクリューに
気体供給手段を具備した2軸押し出し溶融混練機(温度
制御シリンダー数7、ベント数1)で第5シリンダーま
で樹脂温度150℃で混練し、第6シリンダーにベントを
設置して150℃で脱気し、この脱気工程後設置したスク
リューの気体供給口より8kg/cm2の圧縮空気を5
l/hrの流量で供給し、第7シリンダーで150℃で混
練して混練物を得た。得られた混練物には0.1〜25μmの
気泡が5体積部以下しか存在しなかった。この混練物を
ジェットミルで圧力を8kg/cm2に設定して粉砕し、風
力分級機で分級して目的とする50%体積平均粒子径7μ
mの電子写真用トナーを収率20%で得た。また、変動計
数CV=40となった。気泡供給後、脱気工程により気
泡が脱気され、粉砕効率は向上しない為、気体供給工程
は脱気工程以降でなければならない。
【0085】
【発明の効果】請求項1の効果は、発泡剤が混練中に凝
集することなく、結着樹脂剤中に所望の粒子径の発泡剤
を均一に微分散させることが可能であり、しかも該発泡
剤から発生する気泡径の制御が容易であることから、粉
砕効率の高い混練物を得ることができる。請求項2の効
果は、結着樹脂中に所望の粒子径の発泡剤を均一に微分
散させることが可能である事から、混練操作により均一
な気泡径を持つ粉砕効率の高い混練物を得ることがで
き、また、混練物中の気泡の占める割合からも制御が容
易となるため、結着樹脂の粉砕性に応じた発泡度合いを
選択しやすく粉砕効率も向上する。請求項3の効果は、
結着樹脂中に所望の粒子径の発泡剤を均一に微分散させ
ることが可能である事から、混練操作により均一な気泡
径を持つ粉砕効率の高い混練物を得ることができるた
め、結着樹脂の粉砕性に応じた気泡径を選択しやすく、
粉砕効率も向上する。請求項4の効果は、結着樹脂中に
2種類以上の分散径を持つ同一の発泡剤を分散させるこ
とにより、混練物中に2種類以上の気泡径を持つ混練物
を得ることが可能となる。この気泡径にあわせて、段階
的に最低の粉砕エネルギーにより粉砕することが可能と
なり、過粉砕等による粉砕効率の悪化を防止できる。請
求項5の効果は、発泡温度及び有効ガス放出量等の異な
る2種類以上の発泡剤を用いることにより、該発泡剤の
入手が容易で、かつ安価な発泡剤を選択することがで
き、更に、該発泡剤を発泡させる混練操作の行程を適宜
選択することにより、容易に異種の気泡径を持つ混練物
が得ることができ、請求項4と同様の効果が得られる。
請求項6の効果は、発泡剤の発泡温度に応じて混練操作
中の樹脂温度を制御し、混練操作の最終段階に発泡工程
を設けているため、混練操作において、気泡が混練物中
に存在すると混練エネルギーを気泡が吸収するため、他
の材料の結着樹脂中への分散状態が悪化することがな
く、材料分散を阻害することなく、混練物中に気泡を存
在させることが可能となり、粉砕効率の高い混練物を得
ることができる。請求項7の効果は、溶融混練中の脱気
を行うベント位置を発泡剤の発泡工程以前に設定してこ
れを行うことにより、材料分散を阻害することなく、混
練物中に均一な気泡径を存在させることが可能となり、
粉砕効率の高い混練物を得ることができる。請求項8の
効果は、溶融混練中の脱気を行うベント位置を発泡剤の
発泡工程以前に設定してこれを行うことにより、材料分
散を阻害することなく、混練物中に均一な気泡径を存在
させることが可能となり、粉砕効率の高い混練物を得る
ことができる。
【0086】請求項9の効果は、混練操作中に気体を強
制的に混練物中に供給することにより、得られた混練物
中に気泡を存在させることが可能となり、気体の供給量
の制御も可能となることから、粉砕効率の向上を図るこ
とができる。また、結着樹脂剤等の材料(原料)を変更
することなく、容易に混練物中に気泡を存在させること
が可能となり、粉砕効率の高い混練物を得ることができ
る。請求項10の効果は、得られた混練物中の気泡の占
める割合を供給する気体の量で制御する機能を持つ溶融
混練機を使用する事により、得られた混練物中に所望の
気泡径を有する気泡を存在させることが可能となり、粉
砕効率の向上を図ることができる。また、材料を変更す
ることなく、容易に混練物中に気泡を存在させることが
可能となり、粉砕効率の高い混練物を得ることができ
る。請求項11の効果は、得られた混練物中に供給する
気体として不活性ガスを用いることにより、混練操作中
の樹脂の発熱を抑制し、他の材料への熱的影響を防止で
きる。請求項12の効果は、溶融混練中の脱気を行うベ
ント位置を発泡剤の発泡工程以前に設定してこれを行う
ことにより、材料分散を阻害することなく、混練物中に
均一な気泡径を存在させることが可能となり、粉砕効率
の高い混練物を得ることができる。請求項13の効果
は、2軸又は1軸の押し出し溶融混練機を使用する場
合、押し出しスクリューから気体を供給する機能を持つ
溶融混練機を使用することにより、混練物の内側から確
実に混練物中に気体を供給できるため、均一な気泡を持
つ、粉砕効率の高い混練物を得ることができる。請求項
14の効果は、2軸又は1軸の押し出し溶融混練機を使
用する場合、溶融混練機のシリンダーから気体を供給す
る機能を持つ溶融混練機を使用することにより、混練物
中に気体を供給できるため、均一な気泡を持つ、粉砕効
率の高い混練物を得ることができる。また、混練装置の
改造も容易に、且つ、安価で行うことが可能である。請
求項15の効果は、混練操作において、気泡が混練物中
に存在すると混練エネルギーを気泡が吸収するため、他
の材料の結着樹脂中への分散状態が悪化する。そのため
に脱気行程を設けることが一般的であるが、本発明にお
いて、気体を供給する工程を脱気工程以前に設けること
は、材料分散を阻害するだけでなく、気泡の分散も悪化
するが、本発明では、気体を供給する工程を脱気工程以
降にする事により、材料の分散状態が良く、且つ、気泡
が微分散した粉砕効率の高い混練物を得ることができ
る。請求項16の効果は、気体の供給操作以降の混練行
程において、材料の分散性をあげることを目的とした、
特定のスクリューパターンを採用することで、気泡の微
分散した、粉砕効率の高い混練物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる押出溶融混練
機の構成及びスクリューパターンを示した図である。
【図2】本発明の第2の実施形態にかかる図であり、
(a)は、押出溶融混練機の構成及びスクリューパター
ンを示した図であり、(b)は、気体供給口を有するス
クリューの拡大図であり、(c)は、(b)に示すスク
リューの断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態にかかる図であり、
(a)は、押出溶融混練機の構成及びスクリューパター
ンを示した図であり、(b)は、(a)の説明図であ
る。
【図4】比較例で用いられる押出溶融混練機の構成及び
スクリューパターンを示した図である。
【図5】比較例で用いられる押出溶融混練機の構成及び
スクリューパターンを示した図である。
【図6】(a)は混練物であり、(b)は電子写真用ト
ナーである。
【図7】実施例5及び比較例11〜13で行う混練条件
を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 登司彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 赤澤 良彰 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 石田 稔尚 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 森西 康晴 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AB04 CA14 DA01 EA03 EA05 EA07 EA10

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤を内添分散している結着樹脂剤、
    着色剤、帯電制御剤及び必要に応じて離型剤を溶融混練
    し、該発泡剤を発泡させ、次いで得られた混練物を粉砕
    後、分級することを特徴とする電子写真用トナーの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 発泡剤を内添分散している結着樹脂剤に
    おける発泡剤の内添量を、混練物中の発泡剤から発生す
    る気泡の割合が10〜60体積%となるように制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 発泡剤を内添分散している結着樹脂剤に
    おける発泡剤の分散径を、混練物中の発泡剤から発生す
    る気泡が直径0.1〜50μmとなるように制御するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 結着樹脂剤中に2種類以上の分散径を持
    つ同一の発泡剤を内添分散させることを特徴とする請求
    項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 結着樹脂剤中に2種類以上の発泡剤を内
    添分散させることを特徴とする請求項1〜4に記載の電
    子写真用トナーの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1において、溶融混練を2軸又は
    1軸の押出溶融混練機を使用する場合、溶融混練中の樹
    脂温度分布を、結着樹脂中に内添分散させる発泡剤の発
    泡温度により制御することを特徴とする電子写真用トナ
    ーの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1において、溶融混練を2軸又は
    1軸の押出溶融混練機を使用する場合、溶融混練中の脱
    気を行うベント位置を、発泡剤の発泡工程以前に設定す
    ることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
  8. 【請求項8】 発泡剤を内添分散している結着樹脂剤、
    着色剤、帯電制御剤及び必要に応じて離型剤を溶融混練
    し、該発泡剤を発泡させ、次いで得られた混練物を粉砕
    後、分級して電子写真用トナーを製造する際に、前記発
    泡剤を発泡させる以前に脱気を行うことを特徴とする電
    子写真用トナーの製造方法。
  9. 【請求項9】 結着樹脂剤、着色剤、帯電制御剤及び必
    要に応じて離型剤を溶融混練する工程中に、気体を供給
    し、得られた混練物を粉砕後、分級することを特徴とす
    る電子写真用トナーの製造方法。
  10. 【請求項10】 混練物中の気泡の割合が10〜60体
    積%となるように気体の供給を制御することを特徴とす
    る請求項9に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  11. 【請求項11】 気体が不活性ガスである請求項9に記
    載の電子写真用トナーの製造方法。
  12. 【請求項12】 結着樹脂剤、着色剤、帯電制御剤及び
    必要に応じて離型剤を溶融混練する工程中に、気体を供
    給し、得られた混練物を粉砕後、分級して電子写真用ト
    ナーを製造する際に、前記気体を供給する前に脱気を行
    うことを特徴とする請求項9に記載の電子写真用トナー
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項9において、溶融混練を2軸又
    は1軸の押出溶融混練機を使用する場合、該押出溶融混
    練機の押し出しスクリューから気体を供給する機能を持
    つ溶融混練機を使用することを特徴とする電子写真用ト
    ナーの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項9において、溶融混練を2軸又
    は1軸の押出溶融混練機を使用する場合、該押出溶融混
    練機のシリンダーから気体を供給する機能を持つ溶融混
    練機を使用することを特徴とする電子写真用トナーの製
    造方法。
  15. 【請求項15】 請求項9において、溶融混練を2軸又
    は1軸の押出溶融混練機を使用する場合、溶融混練中の
    脱気を行うベント位置を、気体を供給する工程以前に設
    定することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項9において、溶融混練を2軸又
    は1軸の押出溶融混練機を使用する場合、気体供給位置
    以降にスクリューパターンとして分散を上げる効果の大
    きいパターンが備わっていることを特徴とする電子写真
    用トナーの製造方法。
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