JP3953084B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法および静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法および静電荷像現像用トナー Download PDF

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Description

本発明は電子写真法、静電記録等において使用される静電荷像現像用トナーの製造方法に関するものである。
電子複写機等で使用される現像剤は、その現像工程において、例えば静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に一旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙に転写された後、定着工程においてコピー紙面に定着される。その際、潜像保持面上に形成される静電荷像を現像するための現像剤として、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤及びキャリアを必要としない一成分系像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。
該現像剤に含有されるトナーは、非磁性トナーの場合はバインダー樹脂を、磁性トナーの場合はバインダー樹脂と磁性粉とを主成分とし、着色剤や帯電制御剤、離型剤等を分散含有している。バインダー樹脂にはスチレン−アクリル系樹脂やポリエステル系樹脂が多く用いられ、それらの合成工程に用いられる原料モノマーや重合開始剤・合成用溶剤等が残存していることが多い。また、帯電制御剤中に不純物などとしてアミン類が含まれている場合もある。
現在、複写機やプリンタの定着方法としては、熱ロール定着法、オーブン定着法、フラッシュ定着法等の熱によってトナー中のバインダー樹脂を溶融状態として定着させる熱定着法が一般的である。その温度は、例えば熱ロール定着法の場合には100〜200℃程度である。その際、トナー中に前記のような原料モノマー、溶剤、不純物などが残存しているとそれらが揮発し、特有の臭気が電子写真装置から発生する問題があった。近年、複写機やプリンタの小型化によって、オフィス等では人の近くで動作することが多くなったため、かかる臭気の問題が注目されるに至っている。
また、トナー中の添加剤である帯電制御剤、着色剤、離型剤などの分散を均一化することが、トナー粒子の帯電性を均一にし、ひいてはコピー画質の向上、耐久性能の向上、環境依存性の改善になり、例えば特開平4−313762号公報にはトナー材料と一緒に水を添加して溶融混練するトナー製造方法が提案されている。しかしながら、近年トナーの生産性を考慮して混練工程で使用される混練機としては連続式押出機が多く用いられ、この様な押出機で前記特許公報の製造方法を採用しても添加剤の分散が十分でなく、トナー性能としても満足のいくものではなかった。
従って、本発明の第1の目的はトナー製造工程に由来する揮発成分を低減できるトナー製造方法を提供することにある。第2の目的はトナー中添加物の分散性がよく均一な組成のトナーの製造方法を提供することにある。第3の目的は環境依存性が少なく、貯蔵安定性に優れたトナーを提供することにある。第4の目的は連続コピーした場合でも、画像特性、画像品質、帯電特性等が安定していて、耐久性能に優れたトナーを提供することにある。
本発明者らが種々鋭意検討した結果、トナーの混練工程の途中に液体を添加することでトナー性能が改善されることを見い出して、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、脂及び着色剤を配合、混合した後、混練、粉砕、分級する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記樹脂のフロー軟化温度(Tm)が80〜150℃であり、かつ、混練工程で用いる装置が2軸の連続式押出機であり、該装置は送り部並びに第一及び第二のニーディング部とから構成されるスクリュを具備し、第一のニーディング部より後に液体を供給して混練することにより、得られるトナーのヘッドスペース法により測定される揮発成分量380ppm以下とすることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法
、および、脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、ヘッドスペース法により測定される揮発成分量が380ppm以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーに存する。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法を用いることにより、トナー定着時の臭気の少ないものが得られ、樹脂中の着色剤、帯電制御剤等の分散性のよいトナーが得られ、連続使用時でも画像・画質特性が安定しており、耐久性能の優れたトナーを与えるなど多大な工業的利益を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いる樹脂としてはトナーに適した公知の種類のものが使用できる。例えば、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体及びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体及びスチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂(飽和、不飽和を含む)、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、並びにポリカーボネート樹脂等があるが、本発明に用いるのに好ましい樹脂としてはスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂等を挙げることができる。また、上記樹脂は単独に使用するに限らず、2種以上併用することもできる。
樹脂のフロー軟化温度(Tm)としては80〜150℃程度がよく、更には90〜140℃程度が好ましい。80℃未満では紙への定着温度は低くて良好であるが、ホットオフセットが発生しやすく、またトナーが現像槽内部で破砕されやすくなりキャリア表面、ドクターブレードにトナーが固着するスペント現象が発生し、帯電特性の悪化を引き起こし、ひいては現像剤の耐久性能の悪化を招き問題がある。また、150℃より高いと定着温度紙への定着温度が高く、またトナー粉砕性が悪い等の問題がある。
樹脂のガラス転移温度は45℃程度以上が好ましく、45℃未満では40℃の高温で長時間トナーを放置した場合にトナーの固い凝集或いは固着を招くなど保存安定性が悪く、また、外添工程でトナー凝集物を生成し易い、更に篩別装置のスクリーン、側壁等に付着し凝集物を生成し易いなど使用上問題がある。
また、樹脂の製造は公知の溶液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等により行えばよく、必要に応じ低分子量体と高分子量体の重合方法は違えてもよい。更に、トナー臭気面より樹脂中の残存モノマー及び残存溶剤量等の軽沸物成分の総量は2,000ppm以下、好ましくは1,000ppm以下がよい。
本明細書で使用する樹脂の各試験方法を以下に説明する。
[フロー軟化温度(Tm)]フローテスター((株)島津製作所社製CFT−500)において、試料1gをノズル1mm×10mmのダイ、荷重30kg、予熱時間50℃で5分、昇温速度3℃/分の条件下で測定を行い、フロー開始から終了までの距離の中間点の温度を軟化温度とする。
[ガラス転移温度(Tg)]示差熱分析計((株)島津製作所社製DTA−40)において、昇温速度10℃/分の条件で測定した曲線の転移(変曲)開始部に接線を引き、その交点温度をガラス転移温度とする。本発明で用いる着色剤としては、公知の顔料、染料を用いればよい。例えば、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、紺青、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン系染料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、アントラキノン染料、モノアゾ及びジアゾ系染顔料などの着色剤を単独または2種以上混合して使用できる。着色剤の含有量は、現像により可視像を形成することができるようトナーを着色するに十分な量あればよく、例えば樹脂100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部が好適である。
更に、公知の正荷電性または負荷電性の帯電制御剤を単独または併用してトナーに使用してもよく、その使用量は所望する帯電量見合いで選定すればよく、例えば樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部程度が好ましい。正荷電性帯電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂などがある。負荷電性帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレーン化合物などがある。
更に、必要に応じてその他内添剤を助剤として単独または併用して使用してもよく、例えば公知の離型剤の低分子量オレフィン重合体、フィラー等を挙げることができる。まず、本発明のトナー製造フローについて図1に従い一例を説明するが、その要旨を超えない限り以下の説明に何等制限されるものではない。
トナー内添剤として、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコーン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。次に、混練工程では、バッチ式(例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等)または連続式の練り機を用いるが、連続生産できる等の優位性から近年は1軸または2軸押出機が主流であり、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出機、栗山製作所社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等がよい。
混練後、トナーは2本ロール等で圧延され、空冷・水冷等で冷却する冷却工程を経る。次いで、粉砕工程では、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕し、ジェットミル、高速ローター回転式ミル等で細粉砕し、一般的には段階的に所定トナー粒度まで粉砕する。
粉砕後、慣性分級方式のエルボジェット、遠心力分級方式のミクロプレックス、DSセパレーター等でトナーを分級し、平均粒子径3〜15μmのトナーを得る。分級工程で発生したトナー粗粉は粉砕工程に戻し、また発生した微粉はトナー原料の配合工程に戻して再利用してもよい。
更に、トナーに外添処理する場合には、分級トナーと公知の各種外添剤を所定量配合して、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の粉体にせん断力を与える高速攪拌機などで攪拌・混合するのがよい。この際、外添機内部で発熱があり、凝集物を生成し易くなる
ので外添機の容器部周囲を水で冷却するなどの手段で温度調整をする方が好ましく、更には外添機容器内部の材料温度は樹脂のガラス転移温度より約10℃低めの管理温度以下が好適である。
外添剤としては公知の無機または有機の各種外添剤を使用することができるが、特にトナーの流動性向上、凝集性抑制を図る為にチタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の無機微粉末が好適である。外添剤の混合量は、使用する外添剤及びトナー粒子の平均粒径、粒度分布などにより異なるが、所望するトナー流動性を得る量がよく、例えばトナー粒子100重量部に対して0.05〜10重量部、更には0.1〜8重量部が好適である。混合量が0.01重量部未満では流動性改善効果が少なく、高温での貯蔵安定性能が悪く、また混合量が10重量部より多いと一部遊離した外添剤により感光体にフイルミングを発生したり、現像槽内部に堆積し現像剤の帯電機能の劣化等の障害を引き起こし好ましくない。また、外添剤は高湿環境下での安定性面より、無機微粉末の場合には公知のシランカップリングなどの処理剤で疎水化処理されたものがより好ましく、更に、帯電性を考慮する場合には負荷電性を付与する処理剤としてはジメチルジクロルシラン、モノオクチルトリクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイルなど、正荷電性を付与する処理剤としてはアミノシランなどを使用すればよい。
この他、トナー外添剤として抵抗調整、研磨剤などの目的で、流動性改善用以外の公知のマグネタイト、ファライト、導電性チタン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化セリウム、ハイドロタルサイト類化合物、アクリルビーズ、シリコーンビーズ、ポリエチレンビーズなどの微粉末を適量混合してもよく、その混合量はトナー100重量部に対して0.005〜10重量部が好ましい。
得られたトナーは、キャリアを使用しない1成分系現像剤(マグネタイト等の磁性物を含有した磁性1成分トナー、または磁性物を含有しない非磁性1成分トナー)、或いは、鉄粉、フェライト、マグネタイト、磁性樹脂キャリア等の磁性キャリアと混合した2成分系現像剤として用いることができる。
本発明のトナー製造方法では、連続式押出機の途中に液体、特に不活性で連続式押出機中において揮発性を示す液体を供給することに特徴があり、該液体としては混練時に熱的安定性があるものであればよく、例えば工業用水、蒸留水などの水がよい。液体を添加する押出機の位置は混練物が溶融状態にある溶融層部がよく、例えば第一のニーディング部において混練物が固体状態から溶融状態に変化する場合には、第一ニーディング部より後に液体を供給すればよい。溶融状態より前の位置である固体状態に液体を供給した場合には、徐々に混練物の温度が上がり液体が気化し、混練物中に気泡ができ、樹脂への着色剤、帯電制御剤等の分散が向上せず好ましくない。液体の供給量は混練物の押出量100重量部に対して0.01〜5重量部程度がよく、更には0.03〜4重量部が好適である。液体の供給量が少ない場合には所望する効果が得にくく、また多い場合には混練物の分散が適度になりにくく好ましくない。液体の供給はプランジャーポンプ、ギヤポンプなどの市販の供給装置を使用して、水滴状にして添加・供給するのがよい。
混練物の溶融状態に液体を供給した位置より後部に複数のベント口を設けガス抜きする等して供給した液体を蒸気として混練物より除去することがよく、ベント口の全部または一部を真空ポンプなどで真空吸引すれば混練物の充填状態がよくなり、揮発成分の除去効率が良くなり好ましい。更に、ベント口とベント口の間のスクリュの構成は、ガスを遮断するシール効率の高いスクリュ構成とすればトナー中の揮発成分がより除去しやすくなり好ましい。
混練物は押出機の前部のニーディング部で自己発熱により固体状態または半溶融状態から溶融状態にすることでトナー添加物の分散を向上することができ、後部にニーディング
部を設けたり、スクリュ形状・構成を変えて、混練物が十分に溶融する高温状態にすることで着色剤等との濡れ性を向上することができる。尚、混練条件は使用する材料と所望するトナー性能によりスクリュ構成、スクリュ回転数、押出量、バレル温度、ベント数などを調整・制御することで適時選択することができる。
また、連続式押出機の軸数としては1軸または2軸がよい。スクリュ条数は2条、3条または4条などから分散性、生産性、混練温度等を考慮して適時選択すればよい。連続式押出機の大きさは、混練物のスクリュ送り部・ニーディング部と液体供給部及び複数のベント口を十分に配置できるものがよく、バレル内径をD(mm)とし、材料供給部からバレル先端までの長さをL(mm)とした場合のL/Dは30以上、更には35以上が好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。下記実施例中、単に「部」とあるのはいずれも「重量部」を意味するものとする。
[表1]
・スチレン/n−ブチルアクリレートの共重合樹脂 100部
(Tm=130℃、Tg=60℃)
・着色剤 カーボンブラックMA−100S(三菱化成(株)) 6部
・帯電制御剤 ボントロンP−51(オリエント化学工業(株)) 2部
・低分子量ポリプロピレン(蒸気圧浸透圧法の数平均分子量=7,500)
2部
・低分子量ポリエチレン PE130(ヘキスト(株)) 1部
の主原料を配合し、ナウターミキサーで混合し、連続式押出機((株)池貝製PCM−30、L/D=41)で混練し、冷却し、粗粉砕後にジェットミル粉砕、風力分級して平均粒径9μmの黒色トナーを得た。この黒色トナー100重量部に対してシリカ粉末(日本アエロジル(株)R972)0.35部とマグネタイト微粉末(戸田工業(株)EPT−1000)0.2部をヘンシェルミキサーにて外添処理し、外添トナーを得た。このトナー4部とメチルシリコーン含有樹脂で表面をコートされたCu−Zu−フェライトキャリア(平均粒径=100μm)96部をV型混合機で攪拌、混合し現像剤を作製した。
本現像剤をスタート用現像剤とし、外添トナーを補給トナーとして、負荷電性有機光半導体の感光体を装着した複写速度60枚/分の複写機30,000枚の実写テストを実施した。トナー熱ロール定着時の臭気判定については特願平5−197430号明細書、特願平5−197431号明細書で記載している官能検査とよく相関するヘッドスペース法で測定して行った。ヘッドスペース法とは、トナーを密閉容器中に封入し、複写機等の熱定着時の温度程度に加温し、容器中に揮発成分が充満した状態で速やかに容器中のガスをガスクロマトグラフに注入し、揮発成分量を測定するものである。さらに、ヘッドスペース法の測定を詳細に説明する。
●測定方法
1.試料の採取
ヘッドスペース用バイアルに1gの試料を採取する。試料は0.01gまで秤量する(単位重量当たりの面積を算出するのに必要)。専用クリンパーを用いてバイアルをセプタムを用いてシールする。
2.試料の加温
130℃の恒温槽に試料を立てた状態で入れ、30分間加温する。
3.クロマトグラフィ分離状態の設定
重量比で15%になるようにシリコンオイルSE−30でコーティングした担体(chromosorf w:AWCS)を内径3mm,長さ3mのカラムに充填したものを分
離カラムとして用いる。該分離カラムをガスクロマトグラフに装着し、Heをキャリアとして50ml/分で流す。分離カラムの温度を60℃にし、10℃/分で200℃まで昇温させながら測定する。200℃到達後5分間保持する。
4.試料の導入
サンプルビンを恒温槽から取り出し、直ちにガスタイトシリンジで1mlを注入する。
5.基準試料の導入
1000ppmに調整したスチレンのヘキサン溶液を基準試料とし、2μlを注入する。
●計 算
1000ppmのスチレン溶液を2μl注入するとスチレンが2μg注入されたことになり、常温常圧で容積換算すると0.43μlになる。従って、次式により揮発成分量を算出できる。
Figure 0003953084
●機 材
[表2]
ガスクロマトグラフ 島津製GC−9APF
加熱炉 島津製GC−4BPTF
サンプルビン 島津製バイアル(内容量 20ml)
セプタム 同上バイアル用セプタム(耐熱温度 150℃)
ガスタイトシリンジ DYNATECH PRECISION
SAMPLING Corp.製
ガスタイトシリンジ(内容積 2ml)
<実施例1>
○混練条件
連続式押出機(株)池貝製PCM−30の概略図を図2〜4に示し、混練条件は次の通りとした。
[表3]
・L(長さ)/D(内径)=41
・スクリュ軸数:2軸(同方向回転)
・スクリュ条数:2条
・混練物押出量:15kg/Hr(材料供給口4よりスクリュフィーダーを使用し自然落下で供給した)
・ベント真空吸引:ベント口7を真空ポンプで吸引した。(ベント口5と6は開放状態とした)
・液体供給:水をプランジャーポンプ13を介して液体供給口8より混練物押出量100部に対して4部で供給した。
○結 果
ヘッドスペース法測定値:樹脂が900ppmに対してトナーが380ppmであり、実写時のトナー臭気も少なかった。
トナー分散性:混練物のカーボン分散を光学顕微鏡で観察したが、凝集物がなく分散性
が良好であった。
実写テスト:初期から最後まで画像濃度が1.35以上で、カブリが1.0以下で安定して良好であり、30,000枚後の現像槽底部のトナー飛散量も7mgと少なく良好であった。
<実施例2>
○混練条件
実施例1のベント真空吸引のみ次の通り変更した。
・ベント真空吸引:ベント口6と7を真空ポンプで吸引した。(ベント口5は開放状態とした)
○結 果
ヘッドスペース法測定値:トナーが310ppmであり、実写時のトナー臭気も少なかった。
トナー分散性:実施例1と同様良好であった。
実写テスト:初期から最後まで画像濃度が1.35以上で、カブリが1.0以下で安定して良好であり、30,000枚後の現像槽底部のトナー飛散量も5mgと少なく良好であった。
<比較例1>
○混練条件
液体供給をなしとした以外は実施例1に同様とした。
○結 果
ヘッドスペース法測定値:トナーが570ppmであり、やや実写時のトナー臭気があった。
トナー分散性:実施例1と同様にカーボンブラックを観察したが、凝集物が点在して多く見られた。
実写テスト:初期のカブリが1.7と高く、約10,000枚以降でカブリが1.0以下であった。画像濃度はほぼ良好であった。30,000枚後の現像槽底部のトナー飛散量も52mgと多めで悪かった。
通常トナー製造フローの一例 連続式押出機の概略図 図2のA−A′断面図 ニーディング部スクリュ(41)と送り部スクリュ(43、44)の一例 送り部スクリュのパドルの一例を示す概略図 ニーディング部スクリュのパドルの一例を示す概略図 ニーディング部スクリュのパドルの一例を示す概略図 ニーディング部スクリュのパドルの一例を示す概略図
符号の説明
1 押出機本体
2 駆動部
3 スクリュ本体
4 材料供給口
5 ベント口
6 ベント口
7 ベント口
8 液体供給口
9 混練物出口
10 フィーダー駆動部
11 材料貯蔵部
12 スクリュフィーダー
13 液体供給装置
14 液体貯蔵部
15 真空ポンプ
20 バレルC0
21 バレルC1
22 バレルC2
23 バレルC3
24 バレルC4
25 バレルC5
26 バレルC6
27 バレルC7
28 バレルC8
29 バレルC9
30 バレルC10
31 バレルC11
32 バレルダイ
41 ニーディング部スクリュ
42 ニーディング部スクリュ
43 送り部スクリュ
44 送り部スクリュ
45 送り部スクリュ

Claims (4)

  1. 脂及び着色剤を配合、混合した後、混練、粉砕、分級する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記樹脂のフロー軟化温度(Tm)が80〜150℃であり、かつ、混練工程で用いる装置が2軸の連続式押出機であり、該装置は送り部並びに第一及び第二のニーディング部とから構成されるスクリュを具備し、第一のニーディング部より後に液体を供給して混練することにより、得られるトナーのヘッドスペース法により測定される揮発成分量380ppm以下とすることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 供給した液体を更に蒸気として混練物より除去することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 液体が水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 脂及び着色剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、ヘッドスペース法により測定される揮発成分量が380ppm以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
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