JPH06329526A - ヒアルロニダーゼ阻害剤 - Google Patents

ヒアルロニダーゼ阻害剤

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JPH06329526A
JPH06329526A JP5119825A JP11982593A JPH06329526A JP H06329526 A JPH06329526 A JP H06329526A JP 5119825 A JP5119825 A JP 5119825A JP 11982593 A JP11982593 A JP 11982593A JP H06329526 A JPH06329526 A JP H06329526A
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JP
Japan
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hyaluronidase
cashew nut
nut shell
cardol
skin
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Pending
Application number
JP5119825A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Shimomura
健次 下村
Masami Nakamura
雅美 中村
Yoshito Fujiwara
義人 藤原
Masato Nomura
正人 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 カシューナッツ殻油、これに含まれるカルド
ール、アナカルド酸の少なくとも1種を含むヒアルロニ
ダーゼ阻害剤。 【効果】 ヒアルロニダーゼを存在下においても、ヒア
ルロン酸の分解を顕著に抑制し、その結果、これを配合
した化粧料を使用すると肌荒れや小皺を防ぎ、肌のしっ
とり感を保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚に適用して安全性が
高く、優れたヒアルロニダーゼ活性抑制作用を有するヒ
アルロニダーゼ阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、化粧料等に主として利用されてい
るヒアルロニダーゼ阻害剤としては、種々の物質が知ら
れているが、合成品は長期間人間の肌に適用した場合の
安全性の保証がなく使用が制限されつつある。また、ヒ
アルロニダーゼ活性抑制作用だけではなく化粧品として
期待される他の効果も有して、且つ、安全性が充分に確
保されているものがなかった。
【0003】カシューナッツ殻油に関して、本発明者ら
は、特開平3−217484号公報で抗酸化剤として、
特開平3−240718号公報でニキビ治療用皮膚外用
剤として、特開平3−240721号公報で口腔用組成
物として、特許を出願した。また、美白化粧料として、
カルドールを有効成分として、特開平4−89419号
公報で本発明者らが特許出願している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、天然
物で人体に安全であることが分かっており、しかも強い
ヒアルロニダーゼ活性抑制作用のある物質で、できれば
ヒアルロニダーゼ活性抑制作用以外の効果も発揮するよ
うなヒアルロニダーゼ阻害剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため、すでに多年にわたって食用又は薬用
に供されるか、又は人体に施用されて、人体に体する安
全性が確認されている動植物をスクリーニングして調
べ、ヒアルロニダーゼ阻害剤として利用価値のあるもの
を検討した。
【0006】その結果、カルドール、アナカルド酸又は
これを含有しているカシューナッツ殻油にヒアルロニダ
ーゼの活性を抑制する有効な作用があることを見い出し
本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明はカシューナッツ殻油を
有効成分として含有してなるヒアルロニダーゼ阻害剤で
あり、またその殻油に含まれるカルドール、アナカルド
酸の少なくとも1種がヒアルロニダーゼの活性の抑制に
有効に働いており、これを有効成分として含有してなる
ヒアルロニダーゼ阻害剤である。
【0008】カシューナッツ殻を乾留又は溶剤抽出して
得たカシューナッツ殻油又は該殻又はその殻油からの溶
剤抽出物を有効成分として含有するヒアルロニダーゼ阻
害剤である。
【0009】また、このカシューナッツ殻油に含まれて
いるカルドール、アナカルド酸の少なくとも1種を0.
005〜1重量%含んでなるヒアルロニダーゼ阻害剤で
ある。
【0010】カルドール、アナカルド酸は、カシューナ
ッツ自体にも含有されており、このカシューナッツは食
用にされていることは周知の事実である。従ってヒアル
ロニダーゼ阻害剤として皮膚に適用することについて安
全上の問題はない。
【0011】本発明者らは、現在用途の少ないカシュー
ナッツの殻に注目し、化学的手段を用いて、ヒアルロニ
ダーゼ阻害効果を発現する物質を測定した。その結果、
カシューナッツ中に含まれるヒアルロニダーゼ阻害物質
の量の数十倍もカシューナッツの殻に含有されているこ
とが判明した。
【0012】カシューナッツ殻油は、カシューナッツ殻
液又はカシューナッツオイルとも呼ばれている。カシュ
ーナッツトリー(Anacardium accidentale L.,ウルシ
科)の実の殻に含まれている油状の液である。
【0013】採取法には、溶剤抽出法と加熱法があり、
産地では主として加熱法が用いられる。即ち殻油はカシ
ューナッツの殻を乾留するか、殻から直接溶剤抽出する
ことによって得られる。成分としては、抽出法の場合は
アナカルド酸とカルドールが主成分であり、加熱法の時
は、カルダノールとカルドールが主成分である。
【0014】現在、カシューナッツ殻油は、カシューワ
ニスの原料として専ら用いられている。このカシューナ
ッツ殻油から、ヒアルロニダーゼ阻害物質以外の物質を
取り出してワニス原料等に用いることは何等問題はな
く、その選択は用途によって選択すればよい。
【0015】本発明においては、カシューナッツ殻油自
体を化粧料等に配合してもよく、また該殻油からの溶剤
抽出物を配合してもよい。一番容易な採取法としては、
n‐ヘキサンを用いて抽出する方法が安価、迅速であ
る。
【0016】カシューナッツ殻又は殻油からの抽出物は
カルドールとアナカルド酸が主成分である。その化学構
造式を次に示す。
【化1】
【化2】 但し、RはC1525、C1527、C1529のいずれかで
ある。
【0017】抽出物より、カルドール、アナカルド酸を
選択的に得る精製方法を例示すれば、カシューナッツ殻
油20gを表1のような溶媒各1リットルづつに溶解
し、A,B,Cの順にシリカゲルカラム(メルク社製2
30〜400メッシュ、300g)に通す。
【0018】
【表1】
【0019】各フラクションを20mlづつ採取し、純品
のカルドール、アナカルド酸と薄層クロマトグラフィー
を用いて比較確認し、同物質の存在するフラクションを
回収し、溶媒を除去する。
【0020】カシューナッツ殻油又は、該殻油からのn
‐ヘキサン抽出物からカルドール、アナカルド酸を単離
する場合、乾留などの熱処理が工程内に入っている場合
は、カシューナッツ殻油に含有されているアナカルド酸
はカルダノールに変化している。
【0021】本発明は、カシューナッツ殻油、該殻油の
溶媒抽出物、カルドール、アナカルド酸に強力なヒアル
ロニダーゼ阻害作用がある事を見い出した事にあり、こ
れは後記の実施例によって裏付けられる。
【0022】このようにして得られた、カシューナッツ
殻油或いはカルドール、アナカルド酸の少なくとも1種
をヒアルロニダーゼ活性抑制剤として利用する方法は、
特に制限はなく、クリーム、ローション、洗顔フォーム
或いは化粧品以外の食品に添加することは何等問題はな
い。
【0023】この物質を他の化粧品原料例えばスクワラ
ン、ホホバ油等の液状油、ミツロウ、セチルアルコール
等の固体油、各種の活性剤、グリセリン、1,3ブチレ
ングリコール等の保湿剤や各種薬剤等を添加してさまざ
まな剤形の化粧料を調製することができる。例えばロー
ション、クリーム、乳液、パック等で目的に応じて利用
形態を考えればよい。
【0024】ヒアルロニダーゼは、生体中に広く分布
し、皮膚にも存在する酵素で、その名の通りヒアルロン
酸を分解する。ヒアルロン酸はβ‐D‐N‐アセチルグ
ルコサミンとβ‐D‐グルクロン酸が交互に結合した直
鎖状の高分子多糖で、コンドロイチン硫酸などとともに
哺乳動物の結合組織に広く存在するグリコサミノグルカ
ンの一種である。
【0025】結合組織内でのヒアルロン酸の機能とし
て、細胞間隙に水を保持し、また組織内にジェリー状の
マトリックスを形成して細胞を保持したり、皮膚の潤滑
性と柔軟性を保ち、外力(機械的障害)および細菌感染
を防止していると考えられている。皮膚のヒアルロン酸
は齢をとるにつれて減少し、その結果小ジワやかさつき
などの老化をもたらすといわれている。
【0026】従って、これを分解するヒアルロニダーゼ
の活性を抑制することは、製剤に使用されているヒアル
ロン酸の安定性や、皮膚に塗布した後の製剤のヒアルロ
ン酸及び皮膚に存在していたヒアルロン酸の安定に寄与
すると考えられる。また、ヒアルロニダーゼは炎症酵素
としても知られ、活性抑制することは炎症を抑え、ま
た、アレルギーにも抑制的に働くことが知られている。
【0027】
【実施例】以下に実際の利用方法である実施例を記載す
るが、本発明はこの実施例によって何等限定されるもの
ではない。 (実施例1)ローション オリーブ油 0.5 ポリオキシエチレン(20.E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60.E.O.)硬化ヒマシ油 2.0 エタノール 10.0 カシューナッツ殻油 0.5 精製水 85.0
【0028】 (実施例2)クリーム A スクワラン 24.9 カルドール 0.1 オリーブ油 2.0 ミンク油 1.0 ホホバ油 5.0 ミツロウ 5.0 セトステアリルアルコール 2.0 グリセリンモノステアレート 1.0 ソルビタンモノステアレート 2.0 B 精製水 48.9 ポリオキシエチレン(20.E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60.E.O.)硬化ヒマシ油 1.0 グリセリン 5.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 AとBをそれぞれ計量し、70℃まで加温し、BにAを
撹拌しつつ徐々に加えたのち、ゆっくり撹拌しつつ30
℃まで冷却した。
【0029】(実施例3)実施例2のカルドールをアナ
カルド酸に置き換えたもの。
【0030】〔ヒアルロニダーゼ活性抑制試験〕 (試験方法)0.4%ヒアルロン酸ナトリウム0.1M
(pH6.0)リン酸緩衝溶液を6gはかりとり、37
℃の恒温水槽で5分間放置後、製造例の15mMジメチ
ルスルオキシド溶液(カシューナッツ殻油は0.1%ジ
メチルスルオキシド溶液)0.1mlと精製水0.9mlを
加え撹拌し0.01%ヒアルロニダーゼ(シグマ社製牛
睾丸製、タイプI−S)0.1M(pH6.0)リン酸
緩衝溶液を1ml加えて直ちに撹拌し、これを37℃の恒
温水槽に入れたオストワルド粘度計に入れた。これを1
分後、5分後、10分後、20分後、40分後に粘度を
測定した。対照として、上記試料液のかわりに純水を加
え同様に測定した。この試験では試料の終濃度は0.1
875mMとなる。ただし、カシューナッツ殻油は0.
00125%となる。1分後の粘度を100として、結
果を指数で表2〜4に示す。対照にくらべ、本発明の試
料液では、粘度低下が殆どなく、ヒアルロン酸の分解を
抑制していることは明らかである。
【0031】
【表2】
【表3】
【表4】
【0032】〔使用テスト〕女性6名づつの顔面を左右
に分け、一方を実施例、もう一方を比較例として毎日、
1回以上使用してもらって、3月後、アンケートした。
なお、比較例は実施例1よりカシューナッツ殻油を除い
たもの(比較例1)、実施例2よりカルドールを除いた
もの(比較例2)である。なお、12名を2班にわけ、
表5の試料を使って実験した。
【0033】
【表5】
【0034】判定基準は以下のようでアンケートの結果
を合計して合計値を求めまとめたのが表6である。 実施例の方が非常によい 3 実施例の方がかなりよい 2 実施例の方がややよい 1 差がない 0 比較例の方がややよい −1 比較例の方がかなりよい −2 比較例の方が非常によい −3
【0035】
【表6】
【0036】
【発明の効果】ヒアルロニダーゼ活性抑制試験の結果か
ら明らかなように、本発明のカシューナッツ殻油、カル
ドール、アナカルド酸の少なくとも1種を含む試料液で
はヒアルロニダーゼを加えても、ヒアルロン酸の分解が
顕著に抑制される。その結果、これをローション及びク
リームに配合した使用結果でも、肌荒れを防止し、小皺
を防ぎ、肌のしっとり感を明らかに保持していることが
明らかになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/60 9454−4C 35/78 AED C 7822−4C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カシューナッツ殻油を有効成分として含
    有してなるヒアルロニダーゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】 カルドール、アナカルド酸の少なくとも
    1種を有効成分として含有してなるヒアルロニダーゼ阻
    害剤。
JP5119825A 1993-05-21 1993-05-21 ヒアルロニダーゼ阻害剤 Pending JPH06329526A (ja)

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JP (1) JPH06329526A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008147077A1 (en) * 2007-05-29 2008-12-04 Jung-Haw Lee Trap net and vessel coating method
WO2015071374A1 (en) 2013-11-13 2015-05-21 L'oreal Use as a deodorant agent of a salified salicylic acid derivative, alone or in a mixture
JP2017533217A (ja) * 2014-10-30 2017-11-09 ロレアル 親油性サリチル酸誘導体の使用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008147077A1 (en) * 2007-05-29 2008-12-04 Jung-Haw Lee Trap net and vessel coating method
WO2015071374A1 (en) 2013-11-13 2015-05-21 L'oreal Use as a deodorant agent of a salified salicylic acid derivative, alone or in a mixture
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