JPH05306215A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JPH05306215A
JPH05306215A JP4131405A JP13140592A JPH05306215A JP H05306215 A JPH05306215 A JP H05306215A JP 4131405 A JP4131405 A JP 4131405A JP 13140592 A JP13140592 A JP 13140592A JP H05306215 A JPH05306215 A JP H05306215A
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cosmetic
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active oxygen
shikunshi
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Kenji Shimomura
健次 下村
Masami Nakamura
雅美 中村
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Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
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Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 使君子の溶媒抽出物を含む化粧料。 【効果】 美白作用が強く、ヒアルロニダーゼの活性を
抑制して、皮膚の潤滑性と柔軟性を保ち、活性酸素生成
を抑制して、抗酸化作用があるので、皮膚の老化を防
ぎ、黒化を防止する。従って、肌荒れを防ぎ、肌のつや
やはりを保つ。古くより内用薬として使用されているの
で、安全性が保証されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は美白作用が高く、ヒアル
ロニダーゼの活性を阻害し、且つ肌荒れなどに有効な化
粧品に関する。
【0002】
【従来の技術】使君子は双子葉植物網、離弁花亜網、て
んにんか目、しくんし科シクンシ属の学名をクイスクワ
リス インディカ エル(Quisqualis indica L.)と称
し、一般にしくんしと呼ばれる植物の果実を乾燥したも
のである。しくんしは中国の暖地に生息する常緑つる植
物である。用途としては駆虫、健胃薬として、回虫の駆
除、腹痛、消化不良、下痢などに応用される。
【0003】一方、化粧料の原料として使用できる美白
作用のある物質としては種々の物質が知られているが、
合成品は、長期間人間の肌に適用した場合の安全性の保
証がなく、使用が制限されつつある。一方、天然物では
美白作用が弱いものが多い。しかし人の肌に対する安全
性の面から天然物で、多年、人が食したりして、安全性
の面で保証されており、しかも美白作用が強く、更に皮
膚に対する他の効果も合わせてもつ物質が望まれてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、皮膚
に適用して安全であると共に、美白作用が大きく且つヒ
アルロニダーゼの活性を阻害し、更に肌荒れなどに有効
な成分を含んだ化粧料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため、すでに多年にわたって医薬等に内用
され、人体に対する安全性が確認されている植物をスク
リーニングして調べ、化粧品として利用価値のあるもの
を検討した。その結果、使君子が化粧品原料として、或
いは医薬部外品として非常に有効性を有することを見出
した。確認された結果として美白作用、ヒアルロニダー
ゼの活性阻害、活性酸素抑制、抗酸化性が確認された。
【0006】すなわち、本発明は、使君子の溶媒抽出物
を含む化粧料である。
【0007】使君子の利用方法としては、水或いは親水
性有機溶媒例えば、エタノール、メタノール、アセトン
等で抽出する。しかしながら、化粧品原料の抽出である
から、水或いはエタノール或いはこれの混合溶媒での抽
出が好ましいのは当然である。また、場合によっては、
グリセリン、1,3ブチレングリコール、プロピレング
リコール等の多価アルコール又は多価アルコールと水の
混液も抽出に利用できる。またさらに凍結乾燥して粉体
として利用することも利用方法によっては有効である。
【0008】この物質を他の化粧品原料例えばスクワラ
ン、ホホバ油等の液状油、ミツロウ、セチルアルコール
等の固体油、各種の活性剤、グリセリン、1,3ブチレ
ングリコール等の保湿剤や各種薬剤等を添加してさまざ
まな剤形の化粧料を調製することができる。例えばロー
ション、クリーム、乳液、パック等で目的に応じて利用
形態を考えればよい。
【0009】本発明の抽出物としての効果は、前記した
如く、第1に肌の美白作用である。第2にヒアルロニダ
ーゼの活性抑制作用である。ヒアルロニダーゼは、生体
中に広く分布し、皮膚にも存在する酵素で、その名の通
りヒアルロン酸を分解する。ヒアルロン酸はβ‐D‐N
‐アセチルグルコサミンとβ‐D‐グルクロン酸が交互
に結合した直鎖状の高分子多糖で、コンドロイチン硫酸
などとともに哺乳動物の結合組織に広く存在するグリコ
サミノグルカンの一種である。結合組織内でのヒアルロ
ン酸の機能として、細胞間隙に水を保持し、また組織内
にジェリー状のマトリックスを形成して細胞を保持した
り、皮膚の潤滑性と柔軟性を保ち、外力(機械的障害)
および細菌感染を防止していると考えられている。皮膚
のヒアルロン酸は齢をとるにつれて減少し、その結果小
ジワやかさつきなどの老化をもたらすといわれている。
従って、これを分解するヒアルロニダーゼの活性を抑制
することは、製剤に使用されているヒアルロン酸の安定
性や、皮膚に塗布した後の製剤のヒアルロン酸及び皮膚
に存在していたヒアルロン酸の安定に寄与すると考えら
れる。
【0010】第3に活性酸素抑制作用である。空気中に
は酸素があり、これがないと生物(嫌気性のものを除
く)は存在しえない。しかし酸素は紫外線や酵素等の影
響を受けて活性酸素になる。活性酸素は脂肪酸を酸化し
過酸化物を生成させる。生体の生体膜のリン脂質も酸化
させ、障害を与える。その上、生成した過酸化物と活性
酸素はDNAに損傷を与え、老化を促進するといわれて
いる。この活性酸素は、チロシンからメラニンを作る機
構にも影響を与え皮膚の黒化にも関与している。この活
性酸素を抑制することは皮膚にとって重要な、言い換え
れば化粧料に求められる重要な要素である。本発明の使
君子は又この活性酸素抑制作用、抗酸化性も有してい
る。
【0011】
【実施例】以下に実際の利用方法である実施例を記載す
るが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるもの
ではない。本発明で使用した使君子の抽出物の製造例を
次に示す。
【0012】(製造例1)使君子(乾燥品)を10gに
エタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置
した。これを濾過後凍結乾燥した。 (製造例2)使君子(乾燥品)を10gに50%エタノ
ール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置
した。これを濾過後凍結乾燥した。 (製造例3)使君子(乾燥品)を10gに精製水300
mlを加えて3時間加熱する。これを放冷した後濾過後凍
結乾燥した。
【0013】 (実施例1)ローション (重量%) オリーブ油 0.5 製造例1の使君子のエタノール抽出物 0.5 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 2.0 エタノール 10.0 1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0 精製水 80.0
【0014】 (実施例2)クリーム (重量%) A スクワラン 20.0 オリーブ油 2.0 ミンク油 1.0 ホホバ油 5.0 ミツロウ 5.0 セトステアリルアルコール 2.0 グリセリンモノステアレート 1.0 ソルビタンモノステアレート 2.0 製造例2の使君子の50%エタノール抽出物 1.0 B 精製水 47.9 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0 グリセリン 5.0 1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 AとBをそれぞれ計量し、70℃まで加温し、BにAを
撹拌しつつ徐々に加えたのち、ゆっくり撹拌しつつ30
℃まで冷却した。
【0015】(実施例3)実施例3は実施例2の製造例
2の抽出物を製造例3の抽出物に変え作成したクリー
ム。
【0016】(チロシナーゼ活性阻害) (試験方法)マツクルバルン(Mcllvaln)緩衝液0.9
ml、1.66mMチロシン(Tyrosine)溶液1.0ml、前
記製造例(凍結乾燥品)の0.1wt/v%水溶液(溶解し
にくい場合はエタノールを加えて溶解したのち精製水を
加えて、エバポレートし、エタノールを除去したのち、
0.1wt/v%になるように調製した)1.0mlをスクリ
ューバイアルにとり、37℃恒温水槽中で5分以上加温
した。チロシナーゼ溶液(Sigma 社製、マッシュルーム
由来、914ユニット/ml)0.1mlを加え、37℃恒
温水槽中で保温し、10分後に475nmで吸光度を測定
した。対照として、上記試料液のかわりに純水を加え同
様に測定した。この試験では試料の終濃度は0.033
%となる。 (計算式) チロシナーゼ活性阻害率(%)={B−(A−P)}/
B×100 但し A:試料検体の吸光度 B:対照の吸光度 P:試料検体の着色による吸光度(3倍希釈)
【0017】
【表1】 製造例2の50%エタノール抽出物は、チロシナーゼ活
性阻害効果はなかった。
【0018】(ヒアルロニダーゼ活性抑制試験) (試験方法)0.4%ヒアルロン酸ナトリウム0.1M
(pH6.0)リン酸緩衝溶液を6gはかりとり、37
℃の恒温水槽で5分間放置後、前記製造例(凍結乾燥
品)の0.1wt/v%水溶液(溶解しにくい場合はエタノ
ールを加えて溶解したのち精製水を加えて、エバポレー
トし、エタノールを除去したのち、0.1wt/v%になる
ように調製した)1.0mlを加え撹拌し、0.01%ヒ
アルロニダーゼ(シグマ社製牛睾丸製、タイプI−S)
0.1M(pH6.0)リン酸緩衝溶液を1ml加えて直
ちに撹拌し、6mlを37℃の恒温水槽に入れたオストワ
ルド粘度計に入れた。これを1分後、5分後、10分
後、20分後、40分後に粘度を測定した。対照とし
て、上記試料液のかわりに純水を加え同様に測定した。
この試験では試料の終濃度は0.0125%となる。1
分後の粘度を100として、結果を指数で表2〜3に示
す。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】(活性酸素抑制試験効果)活性酸素を抑制
する効果を測定する方法は各種あるが、今回以下の方法
を利用した。 pH7.8 、50mMリン酸カリウム緩衝液(1.3mM DETAPAC 含有) 133ml 40 unit/mlカタラーゼの上記のリン酸カリウム緩衝液 5ml 2mM ニトロブルーテトラゾリウムの上記のリン酸カリウム緩衝液 5ml 1.8mM キサンチンの上記のリン酸カリウム緩衝液 17ml 160ml 上記の試薬の混合物を2.4ml、検体を0.3ml加え
て、キサンチンオキシナーゼ(予め検体を水とし、実験
するとき、吸光度が1分当り0.02前後上昇するよう
に上記のリン酸カリウム緩衝液で調整しておく)液を
0.3ml加えて直ちに吸光度(560nm)を測定する。
(測定は2分位し、直線性を確認する) 計算式 阻害率=((A−B)/A)×100 A:検体を水としたときの1分当りの吸光度の変化 B:検体の1分当りの吸光度の変化 濃度段階を数段階行い、50%活性酸素生成阻害濃度を
探した。検体の作成方法は前記製造例(凍結乾燥品)を
適当な濃度の水溶液(溶解しにくい場合はエタノールを
加えて溶解したのち精製水を加えて、エバポレートし、
エタノールを除去したのち適当な濃度%となるように調
製した)とした。製造例1,2,3についての、50%
活性酸素生成阻害濃度を表4に示す。
【0022】
【表4】 製造例1のエタノール抽出物の活性酸素抑制効果はなか
った。
【0023】(抗酸化試験)以下の試験液をネジキャッ
プ付50ml試験管に作成した。 検体 5mg 2%リノール酸エタノール溶液 10ml 0.1M,pH7.0リン酸緩衝液 10ml 精製水 5ml これを50℃の恒温槽に遮光して放置する。これを恒温
槽に入れる前、3日後、6日後、8日後に以下の測定を
した。試験液0.125ml、75%エタノール12.1
25ml、30%チオシアン酸アンモニウム0.125ml
を加えて撹拌し3分間放置後、0.02N塩化第一鉄
3.5%HCl水溶液0.125mlを加えて撹拌し3分
間放置後波長500nmで吸光度を測定した。セル長10
mm、対照セルは試験液を水に置き換えたもの。比較例と
してビタミンE(リケンEオイル700)、とジブチル
ヒドロキシトルエン(BHT)を測定した。
【0024】
【表5】 * 理研ビタミン株式会社製
【0025】(使用テスト)女性5名づつの顔面を左右
に分け、一方を実施例、もう一方を比較例として毎日、
1回以上使用してもらって、3月後、アンケートした。
なお、比較例は実施例より製造例の各種の使君子の抽出
物を水にかえたものである。(比較例1,2)なお、1
0名を2班にわけ、下記の試料を使って実験した。 判定基準は以下のようでアンケートの結果をまとめたの
が以下の表6である。 実施例の方が非常によい 3 実施例の方がかなりよい 2 実施例の方がややよい 1 差がない 0 比較例の方がややよい −1 比較例の方がかなりよい −2 比較例の方が非常によい −3
【0026】
【表6】
【0027】
【発明の効果】使君子の溶媒抽出物を含む化粧料は、美
白作用が強く、ヒアルロニダーゼの活性を抑制して、皮
膚の潤滑性と柔軟性を保ち、活性酸素生成を阻害し、抗
酸化作用があるので、脂肪酸の酸化と、過酸化物の生成
を抑制するので、皮膚の老化を防ぎ、皮膚の黒化を防止
する。従って、肌荒れを防ぎ、肌のつややはりを保つ。
古くより、漢方薬として使用されているので、人の肌に
対する安全性が保証されている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使君子の溶媒抽出物を含む化粧料。
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