JPH05246837A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JPH05246837A
JPH05246837A JP4084961A JP8496192A JPH05246837A JP H05246837 A JPH05246837 A JP H05246837A JP 4084961 A JP4084961 A JP 4084961A JP 8496192 A JP8496192 A JP 8496192A JP H05246837 A JPH05246837 A JP H05246837A
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健次 下村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 グアバの葉の溶媒抽出物を含む化粧料。 【効果】 美白作用が大きく、肌の柔軟性、潤滑性を保
ち、肌の老化を抑え、皮膚の黒化を防ぐ、従って肌を白
くし、柔軟性を保ち、肌のはり、つやを保つ。しかも天
然物で、多年内用等されてきており、安全性は確認され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は美白作用が高く、ヒアル
ロニダーゼの活性を阻害し、且つ肌荒れなどに有効な化
粧品に関する。
【0002】
【従来の技術】グアバはバンジロウ或いは番石榴と呼ば
れ、ふともも科、バンジロウ属の植物で、学名をプジジ
ウム グアヤバ エル(Psidium Guajava L.)という。
一般には、その実を生食、ジャム、ジュース等で食す
る。分布は、原産は熱帯アメリカであるが、熱帯、亜熱
帯の各地で広く栽培され、日本では九州南部で栽培さ
れ、琉球諸島では野生化している。また、薬として腸
炎、赤痢、消化不良性下痢に用いられている。
【0003】一方、化粧料の原料として使用できる美白
作用のある物質としては種々の物質が知られているが、
合成品は、長期間人間の肌に適用した場合の安全性の保
証がなく、使用が制約されつつある。一方、天然物では
美白作用の弱いものが多い。しかし人の肌に対する安全
性の面から天然物で、多年、人が食したりして、安全性
の面で保証されており、しかも美白作用が強く、更に皮
膚に対する他の効果も併せもつ物質が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、皮膚
に適用して安全であると共に、美白作用が大きく且つヒ
アルロニダーゼの活性を阻害し、更に肌荒れなどに有効
な成分を含んだ化粧料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため、すでに多年にわたって食用に供さ
れ、人体に対する安全性が確認されている植物をスクリ
ーニングして調べ、化粧品として利用価値のあるものを
検討した。その結果、グアバが非常に化粧品原料とし
て、或いは医薬部外品としての有効性を有することを見
い出した。確認された効果として、美白作用、ヒアルロ
ニダーゼの活性阻害、活性酸素抑制、抗酸化性が確認さ
れた。
【0006】すなわち本発明は、グアバの葉の溶媒抽出
物を含む化粧料である。
【0007】グアバの葉の利用方法としては、水或いは
親水性有機溶媒例えば、エタノール、メタノール、アセ
トン等で抽出する。しかしながら、化粧品原料の抽出で
あるから、水或いはエタノール或いはこれらの混合溶媒
での抽出が好ましいのは当然である。また、さらに抽出
液を凍結乾燥して粉体として利用することも利用方法に
よっては有効である。
【0008】この物質を他の化粧品原料例えばスクワラ
ン、ホホバ油等の液状油、ミツロウ、セチルアルコール
等の固体油、各種の活性剤、グリセリン、1,3ブチレ
ングリコール等の保湿剤や各種薬剤等を添加して、さま
ざまな剤形の化粧料を調製することができる。例えばロ
ーション、クリーム、乳液、パック等で目的に応じて利
用形態を考えればよい。
【0009】本発明の抽出物としての効果は、前記した
如く、第1に肌の美白作用である。第2にヒアルロニダ
ーゼの活性抑制作用である。ヒアルロニダーゼは、生体
中に広く分布し、皮膚にも存在する酵素で、その名の通
りヒアルロン酸を分解する。ヒアルロン酸はβ‐D‐N
‐アセチルグルコサミンとβ‐D‐グルクロン酸が交互
に結合した直鎖状の高分子多糖で、コンドロイチン硫酸
などとともに哺乳動物の結合組織に広く存在するグリコ
サミノグリカンの一種である。結合組織内でのヒアルロ
ン酸の機能として、細胞間隙に水を保持し、また組織内
にジェリー状のマトリックスを形成して細胞を保持した
り、皮膚の潤滑性と柔軟性を保ち、外力(機械的傷害)
および細菌感染を防止していると考えられている。皮膚
のヒアルロン酸は齢をとるにつれて減少し、その結果小
ジワやかさつきなどの老化をもたらすといわれている。
従って、これを分解するヒアルロニダーゼの活性を抑制
することは、製剤に使用されているヒアルロン酸の安定
性や、皮膚に塗布した後の製剤のヒアルロン酸及び皮膚
に存在していたヒアルロン酸の安定に寄与すると考えら
れる。
【0010】第3に活性酸素抑制作用である。空気中に
は酸素があり、これがないと生物(嫌気性のものを除
く)は存在しえない。しかし酸素は紫外線や酵素等の影
響を受けて活性酸素になる。活性酸素は脂肪酸を酸化
し、過酸化物を生成させる。生体の生体膜のリン脂質も
酸化させ、障害を与える。その上、生成した過酸化物と
活性酸素はDNAに損傷を与え、老化を促進すると言わ
れている。この活性酸素は、チロシンからメラニンを作
る機構にも影響を与え皮膚の黒化にも関与している。こ
の活性酸素を抑制することは皮膚にとって重要な、言い
換えれば化粧料に求められる重要な要素である。本発明
のグアバは又この活性酸素抑制作用、抗酸化性も有して
いる。
【0011】
【実施例】以下に実際の利用方法である実施例を記載す
るが、本発明はこの実施例によって何等限定されるもの
ではない。本実施例で使用したグアバの抽出物の製造例
を次に示す。
【0012】(製造例1)グアバの葉(乾燥品)10g
にエタノール300mlを加えて時々攪拌しつつ5日間放
置した。これを濾過後凍結乾燥した。
【0013】(製造例2)グアバの葉(乾燥品)10g
に50%エタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌し
つつ5日間放置した。これを濾過後凍結乾燥した。
【0014】(製造例3)グアバの葉(乾燥品)10g
に精製水300mlを加えて3時間加熱する。これを放冷
した後、濾過後凍結乾燥した。
【0015】(実施例1) ローション オリーブ油 0.5 製造例1のグアバのエタノール抽出物 0.5 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 2.0 エタノール 10.0 1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0 精製水 80.0
【0016】(実施例2) クリーム A スクワラン 20.0 オリーブ油 2.0 ミンク油 1.0 ホホバ油 5.0 ミツロウ 5.0 セトステアリルアルコール 2.0 グリセリンモノステアレート 1.0 ソルビタンモノステアレート 2.0 製造例2のグアバの50%エタノール抽出物 1.0 B 精製水 47.9 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0 グリセリン 5.0 1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 AとBをそれぞれ計量し、70℃まで加温し、BにAを
攪拌しつつ徐々に加えたのち、ゆっくり攪拌しつつ30
℃まで冷却した。
【0017】(実施例3) クリーム 実施例−3は実施例−2の製造例2の抽出物を製造例3
の抽出物に変え、A成分として作成したもの
【0018】(チロシナーゼ活性阻害) (試験方法)マツクルバルン(Mcllvaln)緩衝液0.9
ml、1.66mMチロシン(Tyrosine)溶液1.0ml、
前記製造例(凍結乾燥品)の0.1wt/v%水溶液(溶解
しにくい場合はエタノールを加えて溶解したのち精製水
を加えて、エバポレートし、エタノールを除去したの
ち、0.1wt/v%になるように調製した)1.0mlをス
クリューバイアルにとり、37℃恒温水槽中で5分以上
加温した。チロシナーゼ溶液(Sigma社製、マッシ
ュルーム由来、914ユニット/ml)0.1mlを加え、
37℃恒温水槽中で保温し、10分後に475nmで吸光
度を測定した。対照として、上記試料液のかわりに純水
を加え同様に測定した。この試験では試料の終濃度は
0.033%となる。 (計算式) チロシナーゼ活性阻害率(%)={B−(A−P)}/
B×100 但し A:試料検体の吸光度 B:対照の吸光度 P:試料検体の着色による吸光度(3倍希釈)
【0019】
【表1】
【0020】(ヒアルロニダーゼ活性抑制試験) (試験方法)0.4%ヒアルロン酸ナトリウム0.1M
(pH6.0)リン酸緩衝溶液を6gはかりとり、37
℃の恒温水槽で5分間放置後、前記製造例(凍結乾燥
品)の0.1wt/v%水溶液(溶解しにくい場合はエタノ
ールを加えて溶解したのち精製水を加えて、エバポレー
トし、エタノールを除去したのち、0.1wt/v%になる
ように調製した)1.0mlを加え攪拌し0.01%ヒア
ルロニダーゼ(シグマ社製牛睾丸製、タイプI−S)
0.1M(pH6.0)リン酸緩衝溶液を1ml加えて直
ちに攪拌し、6mlを37℃の恒温水槽に入れたオストワ
ルド粘度計に入れた。これを1分後、5分後、10分
後、20分後、40分後に粘度を測定した。対照とし
て、上記試料液のかわりに純水を加え同様に測定した。
この試験では試料の終濃度は0.0125%となる。1
分後の粘度を100として、結果を指数で表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】(活性酸素抑制試験)活性酸素を抑制する
効果を測定する方法は各種あるが、今回以下の方法を利
用した。 pH7.8 50mMリン酸カリウム緩衝液(1.3mM DETAPAC 含有)133ml 40unit/ml カタラーゼの上記のリン酸カリウム緩衝液 5ml 2mMニトロブルーテトラゾリウムの上記のリン酸カリウム緩衝液 5ml 1.8mMキサンチンの上記のリン酸カリウム緩衝液 17ml 160ml 上の試薬の混合物を2.4ml、検体を0.3ml加えてキ
サンチンオキシナーゼ(予め検体を水とし、実験すると
き、吸光度が1分当たり0.02前後上昇するように上
記のリン酸カリウム緩衝液で調整しておく)液を0.3
ml加えて直ちに吸光度(560nm)を測定する。(測定
は2分位し、直線性を確認する) 計算式 阻害率=(A−B)/A×100 但し A:検体を水としたときの1分当りの吸光度の変
化 B:検体の1分当りの吸光度の変化 濃度段階を数階段行い、50%活性酸素生成阻害濃度を
探した。検体の作成方法は前記製造例(凍結乾燥品)を
適当な濃度の水溶液(溶解しにくい場合はエタノールを
加えて溶解したのち精製水を加えて、エバポレートし、
エタノールを除去したのち適当な濃度%なるように調製
した)とした。結果を50%活性酸素阻害濃度で表3に
示す。
【0023】
【表3】
【0024】(抗酸化試験)以下の試験液をネジキャッ
プ付50ml試験管に作成した。 検 体 5mg 1%リノール酸エタノール溶液 10ml 0.1M,pH7.0リン酸緩衝液 10ml 精製水 5ml これを40℃の恒温槽に遮光して放置する。これを恒温
槽に入れる前、12日後、16日後、20日後、24日
後に以下の測定をした。試験液0.125ml、75%エ
タノール12.125ml、30%チオシアン酸アンモニ
ウム0.125mlを加えて攪拌し3分間放置後、0.0
2N塩化第一鉄3.5%HCl水溶液0.125mlを加
えて攪拌し3分間放置後波長500nmで吸光度を測定し
た。セル長10mm、対照セルは試験液を水に置き換えた
もの。(同一検体を3回測定し、平均した)結果を表4
に示す。
【0025】
【表4】
【0026】(使用テスト)女性7名づつの顔面を左右
に分け、一方を実施例、もう一方を比較例として毎日、
1回以上使用してもらって、3月後、アンケートした。
なお、比較例は実施例より製造例の各種のグアバの葉を
水にかえたものである。(比較例1,2)なお、14名
を2班にわけ、下記の試料を使って実験した。
【0027】
【表5】 判定基準は以下のようでアンケートの結果をまとめたの
が以下の表5である。 実施例の方が非常によい 3 実施例の方がかなりよい 2 実施例の方がややよい 1 差がない 0 比較例の方がややよい −1 比較例の方がかなりよい −2 比較例の方が非常によい −3
【0028】
【表6】
【0029】
【発明の効果】本発明のグアバの溶媒抽出物を配合した
化粧料は、美白作用が大きく且つヒアルロニダーゼの活
性を阻害し、従ってヒアルロン酸が安定となり、更に活
性酸素を抑制し、抗酸化作用を認められ、肌の老化を抑
え、皮膚の黒化を抑制する。従って肌を白くし、柔軟性
を保持し、肌のつや、はりを保つ。しかも天然物で、多
年医薬品として内用され、安全性は確認されている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グアバの葉の溶媒抽出物を含む化粧料。
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