JPH0632934A - 発泡性熱可塑性樹脂粒子 - Google Patents

発泡性熱可塑性樹脂粒子

Info

Publication number
JPH0632934A
JPH0632934A JP18676792A JP18676792A JPH0632934A JP H0632934 A JPH0632934 A JP H0632934A JP 18676792 A JP18676792 A JP 18676792A JP 18676792 A JP18676792 A JP 18676792A JP H0632934 A JPH0632934 A JP H0632934A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fatty acid
particles
thermoplastic resin
particle
higher fatty
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18676792A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Sakata
浩 坂田
Katsujirou Ozawa
克次郎 小沢
Nobuo Nagaoka
伸郎 長岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP18676792A priority Critical patent/JPH0632934A/ja
Publication of JPH0632934A publication Critical patent/JPH0632934A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ステアリン酸トリグリセライド等の高級脂肪
酸エステルと、テトラブロムビスフェノールA等の極性
基を有する芳香族化合物とを必須成分とする混合物を発
泡性粒子表面にコーティングする。 【効果】 耐ブロッキング性及び粒子間の融着性良好。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用な発泡性
熱可塑性樹脂粒子に関するものであり、更に詳細には高
級脂肪酸グリセリンエステルと極性基を有する芳香族化
合物を必須の成分とする混合物を樹脂粒子内に存在させ
るか、或いは樹脂粒子の表面を被覆せしめて得られる、
特に発泡性樹脂粒子の予備発泡工程のブロッキング性、
成形工程の金型充填性及び成形サイクル性が飛躍的に改
善された樹脂粒子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン等の如き熱可塑性樹脂に炭
化水素系発泡剤又はハロゲン化炭化水素系発泡剤等を熱
可塑性樹脂100重量部に対して1〜15重量部含ませ
た形の発泡性スチレン系樹脂粒子を、水蒸気等により軟
化点以上に加熱すると、内部に独立気泡を有する粒子状
の形態の、所謂予備発泡粒子が得られる。この予備発泡
粒子を小さな孔やスリットから水蒸気等で内部を加熱で
きる閉鎖型金型の中で更に水蒸気等で加熱すると、これ
らの発泡粒子の体積が膨張し、互いに融着して目的の成
形品となる。
【0003】この様な目的で使用される発泡性熱可塑性
樹脂粒子は上記の如く成形される各工程において種々の
欠点が見い出されているが、それらの中で特に、1.予
備発泡機内で粒子がブロッキングしやすく、その結果成
形工程での金型充填性が悪い。2.成形工程において金
型に投入された予備発泡粒を加熱融着させ、更に冷却し
て取り出す際に成形物を金型内で冷却する時間が長くか
かり、このため成形サイクルが長く、成形生産性が悪い
等の欠点があった。
【0004】これらの欠点を改善すべく、従来より、例
えば特公昭58−56568号公報には、高級脂肪酸の
トリグリセリンエステル類を当該発泡性熱可塑性樹脂粒
子の表面に被覆させる技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
公昭58−56568号公報記載の高級脂肪酸のトリグ
リセリンエステル類を発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面に
被覆させたものは、その予備発泡時における粒子のブロ
ッキングの問題及び成形サイクルが長くなるという問題
をある程度解決してはいるものの未だ充分なものでな
く、更に、成形工程において一体的に粒子を融着せしめ
る段階での粒子間の融着性が著しく低下するという事態
を招き、その結果として目的とする成形品の機械強度を
始めとして、その他の成形品物性、及び成形品外観にお
ける要求特性を低下させるという課題を有していた。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、予備発
泡時における粒子の耐ブロッキング性及び加熱成形後の
冷却時間の短時間化に伴って発泡成形体の生産性を著し
く向上でき、しかも成形工程における粒子間の融着性に
も著しく優れる発泡性熱可塑性樹脂粒子を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、高級脂肪酸グリセリンエステルと極性基を有
する芳香族化合物とを必須成分とする混合物が添加され
た予備発泡粒子を用いることにより、前記課題を解決で
きる発泡性熱可塑性樹脂粒子が、ひいては成形品物性に
優れた発泡性熱可塑性樹脂成形品が得られることを見い
出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、高級脂肪酸グリセリン
エステルと極性基を有する芳香族化合物とを必須成分
とする混合物が添加されていることを特徴とする発泡性
熱可塑性樹脂粒子に関する。
【0009】本発明で用いる高級脂肪酸グリセリンエ
ステルと極性基を有する芳香族化合物とを必須成分と
する混合物は、発泡性熱可塑性樹脂粒子内に含有されて
いてもよいし、或いは発泡性熱可塑性樹脂粒子の粒子表
面に有していてもよい。ここで混合物が発泡性熱可塑性
樹脂粒子内に含有されていている場合、配合された該混
合物の一部が粒子表面に存在していることが好ましい。
また、これらの中でも少量の添加で本発明の効果が顕著
に現れる点から該混合物を発泡性熱可塑性樹脂粒子内に
含有せずに粒子表面に有していることが好ましい。
【0010】上記混合物を発泡性熱可塑性樹脂粒子に添
加する方法としては例えば、該混合物の存在下にモノマ
ーを重合して樹脂粒子を形成する方法、懸濁重合して熱
可塑性樹脂粒子を形成した後、水性懸濁液の状態で該混
合物を添加し該熱可塑性樹脂粒子の軟化点以上の温度に
加熱する方法、及び、ドラムブレンダー、リボンミキサ
ー等を用いて公知慣用方法により単に混合する方法が挙
げられる。これらの方法においては粒子表面に出来るだ
け多く該混合物がくることが好ましく、この点からドラ
ムブレンダー、リボンミキサー等を用いて公知慣用方法
により単に混合する方法が好ましい。
【0011】本発明で用いる高級脂肪酸グリセリンエス
テルは、グリセリンと高級脂肪酸を反応させて得られる
脂肪酸エステル構造を有するグリセリン、或いは天然に
存在する高級脂肪酸グリセリンエステル等が挙げられ
る。グリセリンと高級脂肪酸を反応させて得られるもの
を用いる場合、その脂肪酸残基の種類に特に制限はない
が、中でも炭素原子数8〜24のものが、加熱成形後の
冷却時間の短縮効果に優れる点から好ましく、中でも炭
素原子数12〜22のものの冷却時間の短縮効果が最も
高く好ましい。
【0012】このようなグリセリンと高級脂肪酸を反応
させて得られる高級脂肪酸グリセリンエステルとして具
体的にはオレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モ
ノグリセライド、ラウリン酸モノグリセライド、ベヘニ
ン酸モノグリセライド、オレイン酸ジグリセライド、ス
テアリン酸ジグリセライド、ラウリン酸ジグリセライ
ド、ベヘニン酸ジグリセライド、オレイン酸トリグリセ
ライド、ステアリン酸トリグリセライド、ラウリン酸ト
リグリセライド、ベヘニン酸トリグリセライド等が挙げ
られる。これらは単独で用いても、或いは2種以上を混
合して用いてもよい。
【0013】また、天然に存在する高級脂肪酸グリセリ
ンエステルとして具体的には硬化牛脂肪酸モノグリセラ
イド、硬化牛脂肪酸ジグリセライド、硬化牛脂肪酸トリ
グセライド、椰子油若しくはパーム油から抽出されるグ
リセリンエステル等が挙げられる。
【0014】これらの中でもグリセリンと高級脂肪酸を
反応させて得られる高級脂肪酸グリセリンエステルが、
加熱成形後の冷却時間の短縮効果に著しく優れる点から
好ましい。
【0015】また、本発明で用いる高級脂肪族グリセリ
ンエステルは、上記具体例の通りグリセリン上の水酸基
が全てエステル化されている必要はなく、分子構造中水
酸基が残存していても充分に本発明の効果を奏するもの
であるが、1置換よりも2置換、2置換よりも3置換の
方が加熱成形後の冷却時間がより短かくなる点から好ま
しい。
【0016】また本発明で用いる極性基を有する芳香族
化合物は、分子構造中に極性基を置換基として持つ芳香
環を有する化合物であり、極性基としては例えば水酸
基、エーテル基、アミノ基、アミド基、イソシアネート
基、ウレタン基、カルボン酸基或いはエステル基等が挙
げられ、一方、芳香環とはベンゼン環、ナフタレン環等
の炭化水素系芳香環、フラン環やインドール環の様なヘ
テロ芳香環等が挙げられる。
【0017】上記芳香環、極性基の数等は特に制限され
ないが、化合物の極性を適性範囲に調製することにより
成形工程における粒子間の融着性を一段と向上させるこ
とができ、具体的には、極性基1個あたりの分子量が1
40〜300であるものが好ましい。
【0018】また、該芳香族化合物は分子量、常温で固
形であることが好ましく軟化点が40℃以上、中でも6
0℃以上であることが予備発泡時における粒子の耐ブロ
ッキング性に優れる点から望ましい。
【0019】この様な条件を満足する極性基を有する芳
香族化合物の具体例としては、例えばパラタ−シャリ−
ブチルフェノール、β−ナフトール及びα−ナフトール
等のフェノール系化合物、ブチルフェノール−ホルマリ
ン重縮合物及びβ−ナフトール−α−ナフトール−ホル
マリン重縮合物等のフェノール系化合物−ホルマリン重
縮合物、テトラブロモビスフェノールA及びトリブロモ
フェノール等の含臭素フェノール系化合物、フェノール
−ジビニルベンゼン重付加物、β−ナフトール−ジビニ
ルベンゼン重付加物及びビスフェノールA−ジビニルベ
ンゼン重付加物等のフェノール系化合物とジビニルベン
ゼンの重付加物(以上、フェノール類)、上記各フェノ
ール類とエピクロルヒドリン或いはα−メチルエピクロ
ルヒドリンとの反応生成物であるエポキシ化物、ジアミ
ノジフェニルメタン等の芳香族アミンと脂肪族カルボン
酸或いは芳香族カルボン酸との縮合物であるアミド化合
物、ジフェニルメタンジイソシアネート及びナフタリン
−1,5−ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート
類と炭素原子数4〜24の脂肪族アルコール類との反応
生成物であるウレタン類、炭素原子数16〜24の脂肪
族カルボン酸類と上記フェノール類との反応生成物であ
るエステル類、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸及びピロメリット酸等の芳香族カルボン酸と
炭素原子数16〜24の脂肪族アルール類との反応生成
物であるエステル類等が挙げられる。
【0020】これらの中でもフェノール類、該フェノー
ル類とエピクロルヒドリンとの重縮合体、芳香族カルボ
ン酸と脂肪族アルコールとのエステルが成形工程におけ
るる粒子の融着性向上効果に優れる点から好ましく、こ
れらの中でも更に含臭素フェノール系化合物、フェノー
ル系化合物−ホルマリン重縮合物、フェノール系化合物
とジビニルベンゼンの重付加物、芳香族アルコールと炭
素原子数16〜24の脂肪族アルコールとのエステル等
が、極性基密度が低く、成形サイクルを更に短くすると
同時に、予備発泡時のブロッキングを一層減少させるこ
とができ、更に成形工程における粒子間の融着も極めて
高いレベルに向上させることができる点から好ましい。
【0021】また、発泡熱可塑性樹脂粒子に各種添加剤
を使用する場合、一般的にその軟化点が約120℃を越
える添加剤を使用する場合には発泡性、成形性及び成形
品物性に満足の行くものは得られないが、本発明によれ
ば、上記極性基を有する芳香族化合物の中で軟化点が1
20℃以上のものを用いても、その発泡性及び成形性に
全く悪影響がなく、優れた成形品物性を有するものが得
られる。この様に120℃以上の添加剤を使用しても成
形品物性に優れた成形品が得られることは誠に驚くべき
事である。
【0022】本発明に用いる混合物は、上述した高級
脂肪酸グリセリンエステルと極性基を有する芳香族化
合物を必須成分として含有するものであるが、その他の
成分として高級脂肪酸アマイド類、高級脂肪酸ポリグリ
セリンエステル類、金属石鹸、タルク、炭酸カルシウム
或いはシリカ等の無機化合物粉体やシリコーン油等の公
知慣用のコーティング剤を併用しても良く、かかる併用
により本発明の効果をより一層向上せしめることができ
る。
【0023】上記混合物の使用量としては樹脂粒子への
添加方法によって異なり、特に限定されるものではない
が、該混合物を発泡性樹脂粒子と単に混合して粒子表面
に有する場合は少量の使用で著しい効果が現れる。
【0024】この場合、具体的には樹脂粒子の表面に有
する場合の混合物の使用量は該樹脂粒子100重量部に
対して成形品の内部融着に優れる点から各々10重量部
以下、中でも予備発泡粒のブロッキング防止効果に優れ
る点から0.005〜0.5重量部となる範囲が好まし
い。
【0025】また、混合物中の高級脂肪酸グリセリン
エステルと極性基を有する芳香族化合物との配合比率
としては、添加方法によらず通常重量比で/=10
/90〜90/10であり、中でも35/65〜80/
20であることが、予備発泡粒のブロッキング防止効果
に優れる点から好ましい。
【0026】本発明で用いる発泡予備粒子を形成する熱
可塑性樹脂としてはスチレン系樹脂が好ましく、例えば
スチレンの単独重合体(ポリスチレン)、メチルスチレ
ンなどのアルキルスチレンの単独重合体、スチレンとア
ルキルスチレンとの共重合体、スチレンとアクリル酸或
いはメタクリル酸との共重合体、スチレンとアクリル酸
エステル或いはメタクリル酸エステルとの共重合体、ス
チレンとアクリロニトリルとの共重合体や上記スチレン
系重合体とポリオレフィンとのブレンド物等が挙げられ
るが、中でも成形時の冷却時間短縮効果が顕著に現れる
スチレンの単独重合体が好ましい。
【0027】本発明で用いる発泡性熱可塑性樹脂粒子
は、上記熱可塑性樹脂の原料となるモノマーを水性媒体
中で懸濁重合するか、或いは上記熱可塑性樹脂を押出法
でペレット化することによって得られるが、中でも得ら
れた粒子が球状である点からモノマーを水性媒体中で懸
濁重合する方法が好ましい。
【0028】この懸濁重合の際には重合開始剤を使用す
るが好ましく、重合開始剤としては、例えば過酸化ベン
ゾイル、過酸化ジクロルベンゾイル、ジクミルペルオキ
シド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジ(ペル
オキシベンゾエート)ヘキシン−3、1,3−ビス(t
−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、過酸化ラ
ウロイル、t−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオ
キシ)ヘキサン、およびt−ブチルペルベンゾエート、
メチルエチルケトンペルオキサイド、メチルシクロヘキ
サノンペルオキサイド等の有機過酸化物;アゾビス−イ
ソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート等の
アゾ系化合物等が挙げられ、これらは単独又は二種以上
混合して使用できる。この使用量は、モノマーおよび得
られる熱可塑性樹脂粒子の目的とする分子量により適宜
決められるものであるが、モノマー100重量部に対し
て0.1〜4重量部使用することが好ましい。
【0029】また、熱可塑性樹脂粒子中に発泡剤を含浸
させる方法として特に限定されず、上記懸濁重合時、懸
濁重合終了時、又は懸濁重合終了後粒子を乾燥させた後
に含浸することができるが、例えばオートクレーブ中で
相当程度、好ましくは80%以上の重合率を持った熱可
塑性樹脂粒子、或いは予め重合を終了し既に調製された
熱可塑性樹脂粒子と炭化水素発泡剤とを水性懸濁液の状
態で該熱可塑性樹脂粒子の軟化点以上の温度に加熱して
行うのが好ましい。
【0030】また発泡剤としては、用いる樹脂粒子の軟
化点より低い軟化点を有する炭化水素鎖(以下「発泡
剤」と略す。)とはいはゆる易揮発性の炭化水素鎖を差
し、そのうち代表的なものを例示すればプロパン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン及びそれらの異性体
等の鎖状炭化水素、シクロヘキサンやシクロペンタン等
の環状炭化水素、モノクロルエタン、ジクロルエタン及
びジクロルフルオルメタン等のハロゲン化炭化水素鎖等
が挙げられる。熱可塑性樹脂中に含有されるかかる発泡
剤の含有量としては前記熱可塑性樹脂或いはモノマー1
00重量部に対して1〜15重量部なる範囲が適当であ
り、当該発泡剤は混合して使用しても差し支えない。
【0031】またプロパン、ブタン、ペンタン或いはシ
クロヘキサン等を単独又は混合して使用する場合には、
トルエン、キシレン或いはエチルベンゼン等の芳香族炭
化水素や酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等の公
知慣用の溶剤を少量併用することもできる。さらにクレ
ーやエチレンビスアミン脂肪族カルボン酸とのアミド等
の核剤を添加しても差し支えない。
【0032】この様にして得られる発泡性熱可塑性系樹
脂粒子の粒子径は、成形品の用途により適性範囲が異な
るものであるが、通常0.5〜1.5mmである。
【0033】本発明の発泡性熱可塑性系樹脂粒子から成
形体を得る迄の工程は、通常行われている方法でよく、
特に限定されるものではないが、例えば、予じめ85〜
110℃の水蒸気を当ててかさ倍率20〜100倍に加
熱発泡し予備発泡粒子とし(予備発泡行程)、該予備発
泡粒子を大気にさらし、空気を粒子内に浸透させかつ粒
子に付着した水分を除去し(熟成工程)、次いでこの熟
成工程を経た予備発泡粒子を小さな孔やスリットが設け
られている閉鎖型金型の型内に充填し、更に水蒸気で加
熱再発泡することにより、個々の粒子を融着一体化した
成形体とする方法を挙げられる。
【0034】このようにして作られた発泡成形体は各種
緩衝材、断熱材、包装容器等に有用である。
【0035】
【実施例】次に本発明を製造例、実施例および比較例に
より具体的に説明する。
【0036】実施例1〜13 スチレンモノマーを用いて懸濁重合した後、直ちにプロ
パン、ブタンを主成分とする発泡剤を、ポリスチレン粒
子100重量部に対して6重量部の割合で含浸せしめ、
平均粒径0.8〜1.00mmのポリスチレンビーズを得
た。該ポリスチレン50kgと第1表に示される各種混
合物を第1表の配合割合に従ってリボンミキサーに投入
し、5分間攪拌混合して発泡性ポリスチレン粒子を得
た。
【0037】得られた発泡性ポリスチレン樹脂粒子を連
続式発泡機を用いて約60倍になるように予備発泡させ
た。この予備発泡粒子を目開き10mmの篩にかけ、篩に
残留した凝結粒子の予備発泡粒子に対する割合を算出し
た。その結果を第1表に示す。次いで、予備発泡粒子を
24時間放置した後、全自動成形機を用いて製品寸法4
50mm×300mm×150mmの不完全密閉状態の金型内
に圧縮空気で充填し、その直後金型を閉鎖状態とし、
0.5kg/cm2 (ゲージ圧)のスチームで加熱成形し、
加熱成形後の冷却時間を種々変更した製品を取り出し、
成形品寸法を測定し、成形品寸法が金型寸法の±2%以
内となる最短冷却時間を求めた。 又、製品を中心部で
折って破断させ、発泡粒子が破断しているものの比率
(融着度)を求めた。それ等の結果を第1表に示す。
【0038】比較例1 芳香族化合物/脂肪族グリセリンエステルの混合物を添
加をしない以外は実施例1と同様の操作にして発泡性熱
可塑性樹脂粒子を得、次いで同様に測定を行った。その
結果を第1表に示す。
【0039】比較例2 ステアリン酸トリグリセライドのみ50g添加した以外
は実施例1と同様にして発泡性熱可塑性樹脂粒子を得、
次いで同様に測定を行った。その結果を第1表に示す。
この結果よりステアリン酸トリグリセライドのみでは予
備発泡粒の凝結、及び成形品の融着率含水率の悪化が著
しいことは明らかである。
【0040】比較例3 テトラブロモビスフェノールAのみ50g添加した以外
は実施例1と同様にして発泡性熱可塑性樹脂粒子を得、
次いで同様に測定を行った。その結果を第1表に示す。
この結果よりテトラブロモビスフェノールAのみでは成
形品の融着度は向上するが冷却時間の短縮効果が殆んど
ないことが明らかである。
【0041】
【表1】 (第1表中、TBBPAはテトラブロモビスフェノールA、P
DVEOはフェノール−ジビニルベンゼン重付加物エポキシ
化物、DADPMはジアミノジフェニルメタン、DPMDIはジフ
ェニルメタンジイソシアネート、DPMDI-1,4-BUはジフェ
ニルメタンジイソシアネート−1,4−ブタンジオール
重縮合物、DSPAEはジステアリルフタル酸エステル、βー
NP-DVはβ−ナフトール−ジビニルベンゼン重付加物、
β-αはβ−ナフトール−α−ナフトール−ホルマリン
重縮合物、Aはステアリン酸トリグリセライド、Bはス
テアリン酸ジグリセライド、Cはステアリン酸モノグリ
セライドをそれぞれ表わす。)
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、予備発泡の際の粒子の
ブロッキング性が著しく減少され、成形金型内への充填
を円滑に行うことができ、また、加熱成形後の冷却時間
が短縮され、生産性を著しく向上できる。しかも成形工
程における粒子間の融着性にも極めて優れる。 従っ
て、本発明の樹脂粒子は、魚類や農作物等をいれる容器
として、電気部品や電気器具を収納し運搬する際の緩衝
材として、或いは建築用などの断熱材として有用であ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高級脂肪酸グリセリンエステルと極
    性基を有する芳香族化合物とを必須成分とする混合物が
    添加されていることを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒
    子。
  2. 【請求項2】 高級脂肪酸グリセリンエステルと極
    性基を有する芳香族化合物とを必須成分とする混合物を
    粒子表面に有する請求項1記載の樹脂粒子。
  3. 【請求項3】 極性基を有する芳香族化合物が、その
    極性基1個あたりの分子量が140〜300である請求
    項2記載の樹脂粒子。
  4. 【請求項4】 極性基を有する芳香族化合物が、フェ
    ノール類、該フェノール類とエピクロルヒドリンとの重
    縮合体、芳香族カルボン酸と脂肪族アルコールとのエス
    テルからなる群から選ばれるものである請求項3記載の
    樹脂粒子。
  5. 【請求項5】 フェノール類が、含臭素フェノール類、
    フェノール類とホルマリンとの重縮合物またはフェノー
    ル類とジビニルベンゼンとの重付加物であって、かつ、
    芳香族カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステルが、
    芳香族カルボン酸と炭素原子数が16〜24の脂肪族ア
    ルコールとのエステルである請求項4記載の樹脂粒子。
  6. 【請求項6】 極性基を有する芳香族化合物が、その
    軟化点が40℃以上のものである請求項1、2、3、4
    または5記載の樹脂粒子。
  7. 【請求項7】 高級脂肪酸グリセリンエステルが、炭
    素原子数8〜24の脂肪酸のトリグセライドである請求
    項1〜6の何れか1つに記載の樹脂粒子。
JP18676792A 1992-07-14 1992-07-14 発泡性熱可塑性樹脂粒子 Pending JPH0632934A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18676792A JPH0632934A (ja) 1992-07-14 1992-07-14 発泡性熱可塑性樹脂粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18676792A JPH0632934A (ja) 1992-07-14 1992-07-14 発泡性熱可塑性樹脂粒子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0632934A true JPH0632934A (ja) 1994-02-08

Family

ID=16194278

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18676792A Pending JPH0632934A (ja) 1992-07-14 1992-07-14 発泡性熱可塑性樹脂粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0632934A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012525464A (ja) * 2009-05-06 2012-10-22 ポルマ、カンパニー、リミテッド 成形性に優れたスキン層を有する発泡ポリスチレン粒子及びその製造方法、並びにこれを用いた発泡ポリスチレン成形物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012525464A (ja) * 2009-05-06 2012-10-22 ポルマ、カンパニー、リミテッド 成形性に優れたスキン層を有する発泡ポリスチレン粒子及びその製造方法、並びにこれを用いた発泡ポリスチレン成形物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1120649A (en) Process for producing expandable thermoplastic resin beads using polypropylene as nucleus
KR101256271B1 (ko) 감소된 열전도율을 갖는 스티렌 중합체 입자 발포 물질
CA2434051A1 (en) Expandable styrene polymers containing carbon particles
JPH073068A (ja) ビーズ状発泡性スチレン重合体
EP1485429B1 (en) Process for the preparation of compositions based on expandable vinylaromatic polymers with an improved expandability
US8536240B2 (en) Expandable polystyrene composition
KR950003323A (ko) 발포성스티렌계수지입자 및 그 입자로부터 얻어지는 발포성형체
CN113330062A (zh) 发泡性聚苯乙烯系树脂颗粒、聚苯乙烯系预发泡颗粒及发泡成型体
JPH0632934A (ja) 発泡性熱可塑性樹脂粒子
JP2008144169A (ja) 発泡成型品のための出発物の製造方法および得られた発泡成型品
JP4653321B2 (ja) 発泡性ゴム変性アクリロニトリル・スチレン系樹脂粒子、その製造法及び発泡成形体
JPH08198997A (ja) 発泡性ビニル系樹脂粒子
JPS5858372B2 (ja) 発泡可能な自消性熱可塑性樹脂粒子の製造方法
CA1120650A (en) Process for producing expandable thermoplastic resin beads
CA1137700A (en) Particulate styrene polymers containing blowing agent
JPH101561A (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子
JPH07278340A (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子およびその製造方法
JPH10330526A (ja) 耐熱性発泡樹脂粒子
JPS619432A (ja) 球状のプロピレン系樹脂粒子の製造方法
JPS6026502B2 (ja) 発泡性熱可塑性重合体粒子の製造法
JPH11246700A (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子および発泡成形品
JPS60252639A (ja) 改良された発泡性熱可塑性樹脂粒子
JPH10287763A (ja) 耐熱性発泡樹脂粒子
JPH047341A (ja) 発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法
JPH04189841A (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法