JPH06329008A - アンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents
アンチロックブレーキ制御装置Info
- Publication number
- JPH06329008A JPH06329008A JP12173293A JP12173293A JPH06329008A JP H06329008 A JPH06329008 A JP H06329008A JP 12173293 A JP12173293 A JP 12173293A JP 12173293 A JP12173293 A JP 12173293A JP H06329008 A JPH06329008 A JP H06329008A
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- pressure reduction
- decompression
- wheel
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 アンチロック制御中の車両が低μ路面から高
μ路面へ急激に移行した場合の減速度応答性の向上を図
る。 【構成】 車両が低μ路面から高μ路面へ急激に移行し
たこと(ロー→ハイジャンプ)を検出する路面μ急変検出
手段(JUMP)を備える。ホイルシリンダ液圧の減圧を
行う否かの判断を行う減圧判断手段(C0〜C3)は、上記
ロー→ハイジャンプが検出されると減圧判断が成立しに
くくなるように減圧スレッシュを設定する。
μ路面へ急激に移行した場合の減速度応答性の向上を図
る。 【構成】 車両が低μ路面から高μ路面へ急激に移行し
たこと(ロー→ハイジャンプ)を検出する路面μ急変検出
手段(JUMP)を備える。ホイルシリンダ液圧の減圧を
行う否かの判断を行う減圧判断手段(C0〜C3)は、上記
ロー→ハイジャンプが検出されると減圧判断が成立しに
くくなるように減圧スレッシュを設定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンチロックブレーキ
制御装置に関し、特に、アンチロック制御中の車両が路
面摩擦係数が低い路面から路面摩擦係数の高い路面へ急
激に移行した場合の車体減速度の応答特性の向上に関す
るものである。
制御装置に関し、特に、アンチロック制御中の車両が路
面摩擦係数が低い路面から路面摩擦係数の高い路面へ急
激に移行した場合の車体減速度の応答特性の向上に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般にアンチロックブレーキ制御装置で
は、例えば車輪速度と推定車体速度の差や、車輪の減速
度等により車輪のスキッド状況を検出し、これに応じて
ホイルシリンダ液圧を調節することにより車輪のスキッ
ドを適切なレベルに維持し、よって、制動距離の短縮、
車体の安定性、操縦性の確保等を図っている。
は、例えば車輪速度と推定車体速度の差や、車輪の減速
度等により車輪のスキッド状況を検出し、これに応じて
ホイルシリンダ液圧を調節することにより車輪のスキッ
ドを適切なレベルに維持し、よって、制動距離の短縮、
車体の安定性、操縦性の確保等を図っている。
【0003】図8は、従来のアンチロックブレーキ制御
装置による制御の一例を示している。停止していた車両
は時刻t1に発進して加速を続け、時刻t2からほぼ一定
速度で走行している。その後、運転者がブレーキペダル
を踏み込んでブレーキを作動させると、車両が減速を開
始すると共に車輪速度SPEEDが推定車体速度VRE
Fに対して沈み込み始める。
装置による制御の一例を示している。停止していた車両
は時刻t1に発進して加速を続け、時刻t2からほぼ一定
速度で走行している。その後、運転者がブレーキペダル
を踏み込んでブレーキを作動させると、車両が減速を開
始すると共に車輪速度SPEEDが推定車体速度VRE
Fに対して沈み込み始める。
【0004】図中時刻t3において、例えば車輪速度S
PEEDと推定車体速度VREFの差(車輪スリップ速
度SLIP)や車輪減速度d(−SPEED)/dt(以下、
DECELと表す。)が予め定めた基準に達すると、減
圧判断が成立し、アンチロックブレーキ制御装置が作動
してホルイシリンダ液圧を減圧する。この減圧により、
車輪速度SPEEDと推定車体速度VREFのシンクロ
状態が回復する(時刻t4)。
PEEDと推定車体速度VREFの差(車輪スリップ速
度SLIP)や車輪減速度d(−SPEED)/dt(以下、
DECELと表す。)が予め定めた基準に達すると、減
圧判断が成立し、アンチロックブレーキ制御装置が作動
してホルイシリンダ液圧を減圧する。この減圧により、
車輪速度SPEEDと推定車体速度VREFのシンクロ
状態が回復する(時刻t4)。
【0005】その後、車輪速度SPEEDが再び推定車
体速度VREFに対して沈み込みを開始すると、時刻t
5において再び減圧判断が成立してホイルシリンダ液圧
が減圧される。この減圧により車輪速度SPEEDと推
定車体速度VREFのシンクロ状態が回復するが、時刻
t6において再度減圧判断が成立するとホイルシリンダ
液圧が減圧される。
体速度VREFに対して沈み込みを開始すると、時刻t
5において再び減圧判断が成立してホイルシリンダ液圧
が減圧される。この減圧により車輪速度SPEEDと推
定車体速度VREFのシンクロ状態が回復するが、時刻
t6において再度減圧判断が成立するとホイルシリンダ
液圧が減圧される。
【0006】上記従来のアンチロックブレーキ制御装置
では、上記図8中時刻t3におけるアンチロック制御の開
始前の状態から最初にホイルシリンダ液圧を減圧すると
きの減圧判断(初回の減圧判断)は、一度減圧判断が成
立した後の2回目以降の減圧判断(時刻t5,t6)より
も減圧判断が成立しにくいように減圧判断の感度を設定
している場合が多い。例えば、車輪速度SPEEDと推
定車体速度VREFの差に基づいてホイルシリンダ液圧
を減圧するか否かの判断を行う場合には、初回の減圧判
断が成立する車輪スリップ速度SLIPは2回目以降の
減圧判断が成立する車輪スリップ速度SLIPよりも大
きく設定される。また、車輪減速度DECELにより減
圧判断を行う場合には、初回の減圧判断の成立する車輪
減速度DECELは2回目以降の減圧判断の場合よりも
大きく設定される。このように、初回の減圧判断におけ
る減圧判断が成立するか否かのしきい値(減圧スレッシ
ュ)を、2回目以降の減圧判断よりも厳しく設定するの
は、アンチロックブレーキ制御装置の不必要な作動を防
止するためである。
では、上記図8中時刻t3におけるアンチロック制御の開
始前の状態から最初にホイルシリンダ液圧を減圧すると
きの減圧判断(初回の減圧判断)は、一度減圧判断が成
立した後の2回目以降の減圧判断(時刻t5,t6)より
も減圧判断が成立しにくいように減圧判断の感度を設定
している場合が多い。例えば、車輪速度SPEEDと推
定車体速度VREFの差に基づいてホイルシリンダ液圧
を減圧するか否かの判断を行う場合には、初回の減圧判
断が成立する車輪スリップ速度SLIPは2回目以降の
減圧判断が成立する車輪スリップ速度SLIPよりも大
きく設定される。また、車輪減速度DECELにより減
圧判断を行う場合には、初回の減圧判断の成立する車輪
減速度DECELは2回目以降の減圧判断の場合よりも
大きく設定される。このように、初回の減圧判断におけ
る減圧判断が成立するか否かのしきい値(減圧スレッシ
ュ)を、2回目以降の減圧判断よりも厳しく設定するの
は、アンチロックブレーキ制御装置の不必要な作動を防
止するためである。
【0007】即ち、車輪が路面の小さな凹凸や小石を乗
り越える際の振動により、車輪速度SPEEDが瞬間的
に沈み込むことがある。このような振動に起因する車輪
速度SPEEDの沈み込みに対しても減圧判断が成立し
てホイルシリンダ液圧を減圧してしまうと、制動距離の
延びにつながる。また、このようにアンチロックブレー
キ制御装置が不要な作動を行うと運転者に対して不快感
を与えることになる。しかし、車両の発進直後は、車輪
速度SPEEDの沈み込みが上記振動によるものなの
か、あるいは、実際に車輪にロック兆候が生じているた
めなのかを判別することができない。そこで、従来のア
ンチロック制御装置では、上記のようにアンチロック制
御開始前の状態での初回の減圧判断における減圧スレッ
シュを厳しく設定し、わずかな車輪速度SPEEDの沈
み込みに対してはホイルシリンダ液圧を減圧しないよう
にする一方、一度減圧判断が成立した後はアンチロック
制御が必要であると判断し、初回の減圧スレッシュより
も比較的緩やかな減圧スレッシュで減圧判断を行うよう
にしている。
り越える際の振動により、車輪速度SPEEDが瞬間的
に沈み込むことがある。このような振動に起因する車輪
速度SPEEDの沈み込みに対しても減圧判断が成立し
てホイルシリンダ液圧を減圧してしまうと、制動距離の
延びにつながる。また、このようにアンチロックブレー
キ制御装置が不要な作動を行うと運転者に対して不快感
を与えることになる。しかし、車両の発進直後は、車輪
速度SPEEDの沈み込みが上記振動によるものなの
か、あるいは、実際に車輪にロック兆候が生じているた
めなのかを判別することができない。そこで、従来のア
ンチロック制御装置では、上記のようにアンチロック制
御開始前の状態での初回の減圧判断における減圧スレッ
シュを厳しく設定し、わずかな車輪速度SPEEDの沈
み込みに対してはホイルシリンダ液圧を減圧しないよう
にする一方、一度減圧判断が成立した後はアンチロック
制御が必要であると判断し、初回の減圧スレッシュより
も比較的緩やかな減圧スレッシュで減圧判断を行うよう
にしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように減圧スレッシュを設定すると、車両が氷面路、雪
面路等の比較的路面摩擦係数の低い路面(低μ路面)か
らアスファルト等の比較的路面摩擦係数の高い路面(高
μ路面)に移行した場合に以下のような不都合が生じ
る。
ように減圧スレッシュを設定すると、車両が氷面路、雪
面路等の比較的路面摩擦係数の低い路面(低μ路面)か
らアスファルト等の比較的路面摩擦係数の高い路面(高
μ路面)に移行した場合に以下のような不都合が生じ
る。
【0009】図9に示すように、低μ路面においてアン
チロック制御中であって、時刻t7,t8において2回目
以降の減圧判断が成立しているときに、時刻t9におい
て車両が低μ路面から高μ路面に急激に移行すると、車
体減速度VDECが急速に立ち上がる。
チロック制御中であって、時刻t7,t8において2回目
以降の減圧判断が成立しているときに、時刻t9におい
て車両が低μ路面から高μ路面に急激に移行すると、車
体減速度VDECが急速に立ち上がる。
【0010】時刻t10,t11において、高μ路面の凹凸
等による振動により車輪速度SPEEDがわずかに沈み
込むと、既に低μ路面において、初回の減圧判断が成立
して減圧判断の減圧スレッシュが緩く設定されているた
め、実際には車輪はロック兆候にないにもかかわらず、
減圧判断が成立してホルイシリンダ液圧が減圧されてし
まう。この減圧により図9中A,Bで示すように上昇し
ようとしていた車体減速度VDECがいったん落ち込ん
でしまい、図9中二点鎖点で示すように、上記車輪の振
動に対して減圧を行わなければ本来得られる車体減速度
VDECを得ることができず、車輪の制動距離が延びて
しまう。
等による振動により車輪速度SPEEDがわずかに沈み
込むと、既に低μ路面において、初回の減圧判断が成立
して減圧判断の減圧スレッシュが緩く設定されているた
め、実際には車輪はロック兆候にないにもかかわらず、
減圧判断が成立してホルイシリンダ液圧が減圧されてし
まう。この減圧により図9中A,Bで示すように上昇し
ようとしていた車体減速度VDECがいったん落ち込ん
でしまい、図9中二点鎖点で示すように、上記車輪の振
動に対して減圧を行わなければ本来得られる車体減速度
VDECを得ることができず、車輪の制動距離が延びて
しまう。
【0011】本発明は、上記のような従来のアンチロッ
クブレーキ制御装置における問題を解決するためになさ
れたものであって、アンチロック制御中に低μ路面から
高μ路面に急激に移行した場合にも、路面摩擦の増大に
車体減速度が確実に応答して上昇し、よって、高μ路面
であれば本来得られるべき制動効率を確保することを目
的としてなされたものである。
クブレーキ制御装置における問題を解決するためになさ
れたものであって、アンチロック制御中に低μ路面から
高μ路面に急激に移行した場合にも、路面摩擦の増大に
車体減速度が確実に応答して上昇し、よって、高μ路面
であれば本来得られるべき制動効率を確保することを目
的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、車両
が路面摩擦係数の低い低μ路面から路面摩擦係数の高い
高μ路面に急激に移行したことを検出する路面μ急変検
出手段と、車輪及び/又は車体挙動によりホイルシリン
ダ液圧の減圧を行うか否かを判断し、車両が低μ路面か
ら高μ路面に移行したことを上記路面μ急変検出手段が
検出すると、上記減圧を行うか否かの判断の感度を異な
らせる減圧判断手段と、上記減圧判断手段の判断に基づ
いてブレーキ液圧を調整する手段とを備えるアンチロッ
クブレーキ制御装置を提供するものである。
が路面摩擦係数の低い低μ路面から路面摩擦係数の高い
高μ路面に急激に移行したことを検出する路面μ急変検
出手段と、車輪及び/又は車体挙動によりホイルシリン
ダ液圧の減圧を行うか否かを判断し、車両が低μ路面か
ら高μ路面に移行したことを上記路面μ急変検出手段が
検出すると、上記減圧を行うか否かの判断の感度を異な
らせる減圧判断手段と、上記減圧判断手段の判断に基づ
いてブレーキ液圧を調整する手段とを備えるアンチロッ
クブレーキ制御装置を提供するものである。
【0013】記減圧判断手段は、車両が低μ路面から高
μ路面に急激に移行したことを上記路面μ急変検出手段
が検出すると、減圧判断を行うか否かのしきい値である
減圧スレッシュを減圧判断が成立しにくくなるように設
定する構成とすることが好ましい。
μ路面に急激に移行したことを上記路面μ急変検出手段
が検出すると、減圧判断を行うか否かのしきい値である
減圧スレッシュを減圧判断が成立しにくくなるように設
定する構成とすることが好ましい。
【0014】さらに、上記減圧判断手段は、アンチロッ
ク制御の初回の減圧判断における減圧スレッシュを2回
目以降の減圧判断における減圧スレッシュよりも減圧判
断が成立しにくくなるように設定すると共に、アンチロ
ック制御中に車両が低μ路面から高μ路面に急激に移行
したことを上記路面μ急変検出手段が検出すると、検出
後の減圧判断における減圧スレッシュを上記初回の減圧
判断の減圧スレッシュと等しく設定する構成とすること
が好ましい。
ク制御の初回の減圧判断における減圧スレッシュを2回
目以降の減圧判断における減圧スレッシュよりも減圧判
断が成立しにくくなるように設定すると共に、アンチロ
ック制御中に車両が低μ路面から高μ路面に急激に移行
したことを上記路面μ急変検出手段が検出すると、検出
後の減圧判断における減圧スレッシュを上記初回の減圧
判断の減圧スレッシュと等しく設定する構成とすること
が好ましい。
【0015】上記路面μ急変検出手段は、アンチロック
制御中に前輪の一方の車輪の車輪加速度が所定値以上と
なった後、所定時間以内に他方の車輪の車輪加速度が上
記所定値以上となると、車両が低μ路面から高μ路面に
急激に移行したと判断する構成とすることが好ましい。
制御中に前輪の一方の車輪の車輪加速度が所定値以上と
なった後、所定時間以内に他方の車輪の車輪加速度が上
記所定値以上となると、車両が低μ路面から高μ路面に
急激に移行したと判断する構成とすることが好ましい。
【0016】あるいは、上記路面μ急変検出手段は、ア
ンチロック制御中に上記減圧判断手段が車両の全車輪に
対して所定時間減圧判断を行わなければ、車両が低μ路
面から高μ路面に急激に移行したと判断する構成として
もよい。
ンチロック制御中に上記減圧判断手段が車両の全車輪に
対して所定時間減圧判断を行わなければ、車両が低μ路
面から高μ路面に急激に移行したと判断する構成として
もよい。
【0017】
【作用】本発明のアンチロックブレーキ制御装置では、
車両が低μ路面から高μ路面に急激に移行したこと
(ロー→ハイジャンプ)を上記路面μ急変検出手段が検出
すると、上記減圧判断手段が減圧判断を行うか否かのし
きい値である減圧スレッシュを厳しく設定して減圧を行
うか否かの判断の感度を異ならせる構成としているた
め、高μ路面の凹凸等による車輪速度に振動に対して減
圧判断が成立することがなく、ロー→ハイジャンプによ
る路面摩擦係数の急激な増大に確実に対応して車体減速
度が上昇する。
車両が低μ路面から高μ路面に急激に移行したこと
(ロー→ハイジャンプ)を上記路面μ急変検出手段が検出
すると、上記減圧判断手段が減圧判断を行うか否かのし
きい値である減圧スレッシュを厳しく設定して減圧を行
うか否かの判断の感度を異ならせる構成としているた
め、高μ路面の凹凸等による車輪速度に振動に対して減
圧判断が成立することがなく、ロー→ハイジャンプによ
る路面摩擦係数の急激な増大に確実に対応して車体減速
度が上昇する。
【0018】
【実施例】次に、図面に示す実施例について詳細に説明
する。図1及び図2は、本発明の第1実施例に係るアン
チロックブレーキ制御装置を示している。
する。図1及び図2は、本発明の第1実施例に係るアン
チロックブレーキ制御装置を示している。
【0019】図示のように、第1実施例のアンチロック
ブレーキ制御装置では、マスタシリンダ1とそれぞれ左
前輪、右後輪、左前輪、右後輪に対応するホイルシリン
ダ2A,2B,2C,2Dとの間に、常開のオン/オフ型
ソレイド弁からなるインレット・バルブ3A,3B,3
C,3Dを配置している。また、上記ホイルシリンダ2
A〜2Dより常閉のオン/オフ型ソレノイド弁からなる
アウトレット・バルブ4A,4B,4C,4D及びモータ
・ポンプ6を介してマスタシリンダ1側に還流する還流
ライン7を設けている。この還流ライン7には、アウト
レット・バルブ4A〜4Dとモータ・ポンプ6との間に
リザーバ9を配置している。
ブレーキ制御装置では、マスタシリンダ1とそれぞれ左
前輪、右後輪、左前輪、右後輪に対応するホイルシリン
ダ2A,2B,2C,2Dとの間に、常開のオン/オフ型
ソレイド弁からなるインレット・バルブ3A,3B,3
C,3Dを配置している。また、上記ホイルシリンダ2
A〜2Dより常閉のオン/オフ型ソレノイド弁からなる
アウトレット・バルブ4A,4B,4C,4D及びモータ
・ポンプ6を介してマスタシリンダ1側に還流する還流
ライン7を設けている。この還流ライン7には、アウト
レット・バルブ4A〜4Dとモータ・ポンプ6との間に
リザーバ9を配置している。
【0020】このアンチロックブレーキ制御装置では、
アンチロック非作動時には、上記インレット・バルブ3
A〜3Dを開弁し、アウトレット・バルブ4A〜4Dを
閉弁状態としている。また、アンチロック制御時には、
インレット・バルブ3A〜3Dを閉弁、アウトレット・
バルブ4A〜4Dを開弁とする減圧位置、インレット・
バルブ3A〜3Dを開弁、アウトレット・バルブ4A〜
4Dを閉弁とする加圧位置、及びインレット・バルブ3
A〜3Dとアウトレット・バルブ4A〜4Dの液圧を共
に閉弁とする保持位置の3位置制御でホイルシリンダ2
A〜2Dを調整する。
アンチロック非作動時には、上記インレット・バルブ3
A〜3Dを開弁し、アウトレット・バルブ4A〜4Dを
閉弁状態としている。また、アンチロック制御時には、
インレット・バルブ3A〜3Dを閉弁、アウトレット・
バルブ4A〜4Dを開弁とする減圧位置、インレット・
バルブ3A〜3Dを開弁、アウトレット・バルブ4A〜
4Dを閉弁とする加圧位置、及びインレット・バルブ3
A〜3Dとアウトレット・バルブ4A〜4Dの液圧を共
に閉弁とする保持位置の3位置制御でホイルシリンダ2
A〜2Dを調整する。
【0021】S0,S1,S2,S3は車輪速度検出手段であ
る。この車輪速度検出手段S0〜S3は、それぞれ車輪の
速度を検出して車輪速度信号として後述する信号処理部
10に送る。なお、添字0,1,2,3はそれぞれ左前
輪、右前輪,左後輪、右後輪を示している。
る。この車輪速度検出手段S0〜S3は、それぞれ車輪の
速度を検出して車輪速度信号として後述する信号処理部
10に送る。なお、添字0,1,2,3はそれぞれ左前
輪、右前輪,左後輪、右後輪を示している。
【0022】信号処理部10は、マイクロ・コンピュー
タからなり、図2に示すように、車輪及び車体挙動算出
手段CAL、路面μ急変検出手段JUMP、減圧判断手
段C0,C1,C2,C3、加減圧信号設定手段OUT0,OU
T1,OUT2,OUT3を備えている。
タからなり、図2に示すように、車輪及び車体挙動算出
手段CAL、路面μ急変検出手段JUMP、減圧判断手
段C0,C1,C2,C3、加減圧信号設定手段OUT0,OU
T1,OUT2,OUT3を備えている。
【0023】また、図2中、ACT0,ACT1,ACT2,
ACT3は上記インレット・バルブ3A〜3D、アウト
レット・バルブ4A〜4Dを備えたアクチュエータであ
る。
ACT3は上記インレット・バルブ3A〜3D、アウト
レット・バルブ4A〜4Dを備えたアクチュエータであ
る。
【0024】車輪及び車体挙動算出手段CALは、上記
車輪速度検出手段S0〜S3から車輪速度信号が入力さ
れ、この車輪速度信号に基づいて、各車輪の車輪速度S
PEEDi (i=0,1,2,3)、この車輪速度の1回
微分値である車輪減速度d(−SPEEDi)/dt(以下、
DECELiと表す。)、推定車体速度VREF等の車輪
及び車体挙動を算出する。また、上記車輪及び車体挙動
算出手段CALは、上記車輪速度SPEEDiと推定車
体速度の差(VREF−SPEEDi)である車輪スリッ
プ速度SLIPiを算出する。
車輪速度検出手段S0〜S3から車輪速度信号が入力さ
れ、この車輪速度信号に基づいて、各車輪の車輪速度S
PEEDi (i=0,1,2,3)、この車輪速度の1回
微分値である車輪減速度d(−SPEEDi)/dt(以下、
DECELiと表す。)、推定車体速度VREF等の車輪
及び車体挙動を算出する。また、上記車輪及び車体挙動
算出手段CALは、上記車輪速度SPEEDiと推定車
体速度の差(VREF−SPEEDi)である車輪スリッ
プ速度SLIPiを算出する。
【0025】路面μ急変検出手段JUMPは、上記車輪
及び車体挙動算出手段CALが検出した車輪及び車体挙
動に基づいて、車両が氷面路、雪面路等の比較的路面摩
擦係数の低い路面(低μ路面)から、アスファルト等の
比較的路面摩擦係数の高い路面(高いμ路面)に急激に
移行したこと(ロー→ハイジャンプ)を検出する。
及び車体挙動算出手段CALが検出した車輪及び車体挙
動に基づいて、車両が氷面路、雪面路等の比較的路面摩
擦係数の低い路面(低μ路面)から、アスファルト等の
比較的路面摩擦係数の高い路面(高いμ路面)に急激に
移行したこと(ロー→ハイジャンプ)を検出する。
【0026】減圧判断手段C0〜C3は、上記車輪及び車
体挙動算出手段CALが算出した上記車輪スリップ速度
SLIPi及び車輪減速度DECELiに基づいて、減圧
を行うか否かを判断する。また、減圧判断手段C0〜C3
は、上記路面μジャンプ検出手段JUMPがアンチロッ
ク制御中にロー→ハイシャンプを検出した場合には、減
圧判断が成立しにくくなるように減圧判断のしきい値
(成立スレッシュ)を厳しく設定する構成としている。
体挙動算出手段CALが算出した上記車輪スリップ速度
SLIPi及び車輪減速度DECELiに基づいて、減圧
を行うか否かを判断する。また、減圧判断手段C0〜C3
は、上記路面μジャンプ検出手段JUMPがアンチロッ
ク制御中にロー→ハイシャンプを検出した場合には、減
圧判断が成立しにくくなるように減圧判断のしきい値
(成立スレッシュ)を厳しく設定する構成としている。
【0027】加減圧信号設定手段OUT0〜OUT3は、
上記減圧判断手段C0〜C3の判断に基づいて上記アクチ
ュエータACT0〜ACT3に対して出力する加減圧信号
K0,K1,K2,K3を設定する。この加減圧信号K0〜K3
は、上記アクチュエータACT0〜ACT3のインレット
・バルブ3A〜3D及びアウトレット・バルブ4A〜4
Dを加圧位置、減圧位置又は保持位置とするデューティ
比を規定するものである。例えば、上記減圧判断手段C
0〜C3において減圧判断が成立した場合には、加減圧信
号Kiは「減圧」に設定され上記減圧位置と保持位置のデ
ューティ比が規定される。また、上記加減圧判断手段C
0〜C3において、減圧判断が成立しない場合には、加減
圧信号Kiは「加圧」に設定され、上記加圧位置と保持位
置のデューティ比が規定される。また、加減圧信号設定
手段OUT0〜OUT3は、上加圧又は減圧のデューティ
比を規定した加減圧信号KiをアクチュエータACT0〜
ACT3に出力し、アクチュエータACT0〜ACT3の
作動によりホイルシリンダの液圧が調整される。
上記減圧判断手段C0〜C3の判断に基づいて上記アクチ
ュエータACT0〜ACT3に対して出力する加減圧信号
K0,K1,K2,K3を設定する。この加減圧信号K0〜K3
は、上記アクチュエータACT0〜ACT3のインレット
・バルブ3A〜3D及びアウトレット・バルブ4A〜4
Dを加圧位置、減圧位置又は保持位置とするデューティ
比を規定するものである。例えば、上記減圧判断手段C
0〜C3において減圧判断が成立した場合には、加減圧信
号Kiは「減圧」に設定され上記減圧位置と保持位置のデ
ューティ比が規定される。また、上記加減圧判断手段C
0〜C3において、減圧判断が成立しない場合には、加減
圧信号Kiは「加圧」に設定され、上記加圧位置と保持位
置のデューティ比が規定される。また、加減圧信号設定
手段OUT0〜OUT3は、上加圧又は減圧のデューティ
比を規定した加減圧信号KiをアクチュエータACT0〜
ACT3に出力し、アクチュエータACT0〜ACT3の
作動によりホイルシリンダの液圧が調整される。
【0028】次に、図3に示すフローチャートに基づい
て、第1実施例の作動について説明する。上記信号処理
部10は、この図3に示す処理を一定の周期(制御サイ
クル)で繰り返す。第1実施例では、この制御サイクル
を8msecに設定している。
て、第1実施例の作動について説明する。上記信号処理
部10は、この図3に示す処理を一定の周期(制御サイ
クル)で繰り返す。第1実施例では、この制御サイクル
を8msecに設定している。
【0029】まず、ステップ#1において、車輪速度検
出手段S0〜S3からの車輪速度信号を車輪及び車体挙動
算出手段CALに入力して車輪速度SPEEDiを算出
する。次に、ステップ#2において、車輪及び車体挙動
算出手段CALが車輪減速度DECELiを算出する。
さらに、ステップ#3−1において、車輪及び車体挙動
算出手段CALが推定車体速度VREFを算出する。
出手段S0〜S3からの車輪速度信号を車輪及び車体挙動
算出手段CALに入力して車輪速度SPEEDiを算出
する。次に、ステップ#2において、車輪及び車体挙動
算出手段CALが車輪減速度DECELiを算出する。
さらに、ステップ#3−1において、車輪及び車体挙動
算出手段CALが推定車体速度VREFを算出する。
【0030】次に、ステップ#4において、車両がアン
チロック制御中であるか否かを車輪及び車体挙動算出手
段CALが検査する。このステップ#4では、後述する
ステップ#6,#8,#9において減圧判断が成立する度
に“125"に設定されると共に、ステップ#3−2に
おいて、「0」であることが検出されるまでに毎サイク
ル「1」づつ減算されるアンチロックタイマTIMRを
検査し、このアンチロックタイマTIMRが「0」であれ
ば、アンチロック非作動中であると判断する一方、この
アンチロックタイマTIMRが「0」でなければ、アンチ
ロック制御中であると判断する。
チロック制御中であるか否かを車輪及び車体挙動算出手
段CALが検査する。このステップ#4では、後述する
ステップ#6,#8,#9において減圧判断が成立する度
に“125"に設定されると共に、ステップ#3−2に
おいて、「0」であることが検出されるまでに毎サイク
ル「1」づつ減算されるアンチロックタイマTIMRを
検査し、このアンチロックタイマTIMRが「0」であれ
ば、アンチロック非作動中であると判断する一方、この
アンチロックタイマTIMRが「0」でなければ、アンチ
ロック制御中であると判断する。
【0031】このステップ#4において、アンチロック
制御中と判断した場合には、ステップ#5に移行し、ア
ンチロック非作動中であると判断した場合には、ステッ
プ#6に移行する。
制御中と判断した場合には、ステップ#5に移行し、ア
ンチロック非作動中であると判断した場合には、ステッ
プ#6に移行する。
【0032】ステップ#5では、路面μ急変検出手段J
UMPが、車両が低μ路面から高μ路面に急激に移行し
たか否か、即ち、ロー→ハイジャンプであるか否かを検
査する。
UMPが、車両が低μ路面から高μ路面に急激に移行し
たか否か、即ち、ロー→ハイジャンプであるか否かを検
査する。
【0033】第1実施例では、左右前輪の車輪加速度d
(SPEED0)/dt、d(SPEED1)/dtからロー→ハ
イジャンプを検出する。即ち、路面μ急変検出手段JU
MPは、上記左右前輪の車輪加速度d(SPEED0)/d
t、dt(SPEED1)/dtのうち、いずれか一方が所定の
値C1(例えば、10G(Gは重力加速度)以上)に達した
ことを検出した後、所定の時間T1以内(例えば、100
msec以内)に他方の値が上記所定の値に達した場合に
は、ロー→ハイジャンプであると判断する。
(SPEED0)/dt、d(SPEED1)/dtからロー→ハ
イジャンプを検出する。即ち、路面μ急変検出手段JU
MPは、上記左右前輪の車輪加速度d(SPEED0)/d
t、dt(SPEED1)/dtのうち、いずれか一方が所定の
値C1(例えば、10G(Gは重力加速度)以上)に達した
ことを検出した後、所定の時間T1以内(例えば、100
msec以内)に他方の値が上記所定の値に達した場合に
は、ロー→ハイジャンプであると判断する。
【0034】図4は、ロー→ハイジャンプが検出される
場合の左右前輪の車輪速度SPEED0,SPEED1及
び車輪加速度d(SPEED0)/dt,d(SPEED1)/dt
の一例を示している。この図4に示すように、時刻t10
において、まず、右前輪の車輪加速度d(SPEED1)/
dtが所定の値C1に達し、その後所定時間T1内に左前輪
の車輪加減速度d(SPEED0)/dtが上記所定の値C1
に達すると、この時点で路面μ急変検出手段JUMP
は、車両が低μ路面から高μ路面に急激に移行したと判
断する。
場合の左右前輪の車輪速度SPEED0,SPEED1及
び車輪加速度d(SPEED0)/dt,d(SPEED1)/dt
の一例を示している。この図4に示すように、時刻t10
において、まず、右前輪の車輪加速度d(SPEED1)/
dtが所定の値C1に達し、その後所定時間T1内に左前輪
の車輪加減速度d(SPEED0)/dtが上記所定の値C1
に達すると、この時点で路面μ急変検出手段JUMP
は、車両が低μ路面から高μ路面に急激に移行したと判
断する。
【0035】なお、ロー→ハイジャンプの検出方法は、
上記の例に限定されるものではない。例えば、路面μ急
変検出手段JUMPは、アンチロック制御中に左右前輪
及び左右後輪の4輪の全てについて所定時間T2(例えば
300msec)以上減圧判断が成立しない場合に、車両が
低μ路面から高μ路面に急激に移行したと判断する構成
としてもよい。
上記の例に限定されるものではない。例えば、路面μ急
変検出手段JUMPは、アンチロック制御中に左右前輪
及び左右後輪の4輪の全てについて所定時間T2(例えば
300msec)以上減圧判断が成立しない場合に、車両が
低μ路面から高μ路面に急激に移行したと判断する構成
としてもよい。
【0036】図5は、この4輪についての減圧判断の不
成立の時間からロー→ハイジャンプが検出される一例を
示している。この図5に示すように、4輪のいずれにつ
いても減圧判断が成立しない時間が所定時間T2となる
と、その時点(時刻t12)で路面μジャンプ検出手段JU
MPは、車両が低μ路面から高いμ路面に移行したと判
断する。
成立の時間からロー→ハイジャンプが検出される一例を
示している。この図5に示すように、4輪のいずれにつ
いても減圧判断が成立しない時間が所定時間T2となる
と、その時点(時刻t12)で路面μジャンプ検出手段JU
MPは、車両が低μ路面から高いμ路面に移行したと判
断する。
【0037】上記ステップ#5において、ロー→ハイジ
ャンプが検出された場合には、ステップ#7に移行し、
ロー→ハイジャンプが検出されない場合には、ステップ
#8に移行する。
ャンプが検出された場合には、ステップ#7に移行し、
ロー→ハイジャンプが検出されない場合には、ステップ
#8に移行する。
【0038】上記ステップ#7では、ロー→ハイジャン
プ検出後に減圧判断が成立したか否かを検査する。この
ステップ#7では、後述するステップ#9において減圧
判断が成立すると「1」に設定され、上記ステップ#4で
アンチロック非作動中と判断すると「0」にクリアされる
フラグFLAGを検査する。そして、このフラグFLA
Gが「0」であればロー→ハイジャンプ検出後にまだ一度
も減圧判断が成立していないと判断してステップ#9に
移行し、フラグFLAGが「1」であればロー→ハイジャ
ンプ後に既に少なくとも1回は減圧判断が成立している
と判断して上記したステップ#8に移行する。
プ検出後に減圧判断が成立したか否かを検査する。この
ステップ#7では、後述するステップ#9において減圧
判断が成立すると「1」に設定され、上記ステップ#4で
アンチロック非作動中と判断すると「0」にクリアされる
フラグFLAGを検査する。そして、このフラグFLA
Gが「0」であればロー→ハイジャンプ検出後にまだ一度
も減圧判断が成立していないと判断してステップ#9に
移行し、フラグFLAGが「1」であればロー→ハイジャ
ンプ後に既に少なくとも1回は減圧判断が成立している
と判断して上記したステップ#8に移行する。
【0039】ステップ#9では、「減圧判断I」に基づい
てアンチロック制御の減圧判断が成立するか否かを検査
する。この減圧判断Iでは、車輪スリップ速度SLIPi
と車輪減度DECELiについて下記の式(1)及び式
(2)が同時に成立するれば、アンチロック制御の減圧判
断が成立すると判断する。
てアンチロック制御の減圧判断が成立するか否かを検査
する。この減圧判断Iでは、車輪スリップ速度SLIPi
と車輪減度DECELiについて下記の式(1)及び式
(2)が同時に成立するれば、アンチロック制御の減圧判
断が成立すると判断する。
【0040】 SLIPi>a1+0.05・VREF (単位はkm/h) (1)
【0041】 DECELi<a2−0.005・VREF (単位は重力加速度G) (2)
【0042】この減圧判断Iでは、上記式(1)の定数a1
を「4」、式(2)の定数a2を「−2.0」に設定している。
上記式(1)及び式(2)の右辺が、減圧判断が成立するか
否かのしきい値(減圧スレッシュ)である。
を「4」、式(2)の定数a2を「−2.0」に設定している。
上記式(1)及び式(2)の右辺が、減圧判断が成立するか
否かのしきい値(減圧スレッシュ)である。
【0043】このステップ#9において、減圧判断Iが
成立する場合には、ステップ#10に移行する。このス
テップ#10では、加減圧信号設定手段OUT0〜OU
T3が加減圧信号Kiを「減圧」としてインレット・バルブ
3A〜3D、アウトレット・バルブ4A〜4Dを減圧位
置及び保持位置とするデューティ比を設定する。
成立する場合には、ステップ#10に移行する。このス
テップ#10では、加減圧信号設定手段OUT0〜OU
T3が加減圧信号Kiを「減圧」としてインレット・バルブ
3A〜3D、アウトレット・バルブ4A〜4Dを減圧位
置及び保持位置とするデューティ比を設定する。
【0044】ステップ#9において、減圧判断Iが成立
しない場合は、高μ路面であって、かつ、アンチロック
制御の減圧判断が成立しない場合であるから、ステップ
#11において、加減圧信号設定手段OUTiが加減圧
信号Kiを「急加圧」として、インレット・バルブ3A〜
3D、アウトレット・バルブ4A〜4Dを加圧位置又は
保持位置とするデューティ比を設定する。
しない場合は、高μ路面であって、かつ、アンチロック
制御の減圧判断が成立しない場合であるから、ステップ
#11において、加減圧信号設定手段OUTiが加減圧
信号Kiを「急加圧」として、インレット・バルブ3A〜
3D、アウトレット・バルブ4A〜4Dを加圧位置又は
保持位置とするデューティ比を設定する。
【0045】一方、上記ステップ#8は、アンチロック
制御中であるがロー→ハイジャンプが検出されない場
合、又は、ロー→ハイジャンプは検出されたが既に少な
くとも1回減圧判断が成立した場合であり、この場合
は、「減圧判断II」に基づいて、減圧判断が成立するか否
かを判断する。この減圧判断IIは、上記減圧判断Iと同
様に、車輪スリップ速度SLIPiと車輪加減速度DE
CELiに基づいて上記式(1)及び式(2)により、アン
チロック制御の減圧判断が成立するか否かを検査する
が、減圧判断Iよりも減圧判断が成立しやすいように減
圧スレッシュを設定している。
制御中であるがロー→ハイジャンプが検出されない場
合、又は、ロー→ハイジャンプは検出されたが既に少な
くとも1回減圧判断が成立した場合であり、この場合
は、「減圧判断II」に基づいて、減圧判断が成立するか否
かを判断する。この減圧判断IIは、上記減圧判断Iと同
様に、車輪スリップ速度SLIPiと車輪加減速度DE
CELiに基づいて上記式(1)及び式(2)により、アン
チロック制御の減圧判断が成立するか否かを検査する
が、減圧判断Iよりも減圧判断が成立しやすいように減
圧スレッシュを設定している。
【0046】即ち、上記減圧判断Iでは上記式(1)の定
数a1を「4」、式(2)の定数a2を「−2.0」に設定して
減圧判断が成立しにくいように減圧スレッシュを設定し
ているのに対して、減圧判断IIでは、上記式(1)の定数
a1を「3」、上記式(2)の定数b1を「−1.2」に設定し
ており、減圧判断が比較的成立しやすい。
数a1を「4」、式(2)の定数a2を「−2.0」に設定して
減圧判断が成立しにくいように減圧スレッシュを設定し
ているのに対して、減圧判断IIでは、上記式(1)の定数
a1を「3」、上記式(2)の定数b1を「−1.2」に設定し
ており、減圧判断が比較的成立しやすい。
【0047】このステップ#8において、減圧判断が成
立する場合には、上記したステップ#10に移行する一
方、成立しない場合には、ステップ#12に移行する。
このステップ#12では、加減圧信号設定手段OUT0
〜OUT3が加減圧信号Kiを「加圧」として、インレット
・バルブ3A〜3D、アウトレット・バルブ4A〜4D
の加圧位置及び保持位置のデューティ比を設定する。
立する場合には、上記したステップ#10に移行する一
方、成立しない場合には、ステップ#12に移行する。
このステップ#12では、加減圧信号設定手段OUT0
〜OUT3が加減圧信号Kiを「加圧」として、インレット
・バルブ3A〜3D、アウトレット・バルブ4A〜4D
の加圧位置及び保持位置のデューティ比を設定する。
【0048】上記ステップ#6は、上記ステップ#4に
おいてアンチロック制御中でないと判断した場合、即
ち、初回の減圧判断であり、上記したステップ#9と同
じく減圧判断Iにより減圧判断が成立するか否かを判断
する。このステップ#6において減圧判断Iが成立する
場合には、ステップ#13に移行し、加減圧信号設定手
段OUT0〜OUT3が上記加減圧信号Kiを「減圧」とし
て、インレット・バルブ3A〜3D、アウトレット・バ
ルブ4A〜4Dの減圧位置及び保持位置のデューティ比
を設定する。
おいてアンチロック制御中でないと判断した場合、即
ち、初回の減圧判断であり、上記したステップ#9と同
じく減圧判断Iにより減圧判断が成立するか否かを判断
する。このステップ#6において減圧判断Iが成立する
場合には、ステップ#13に移行し、加減圧信号設定手
段OUT0〜OUT3が上記加減圧信号Kiを「減圧」とし
て、インレット・バルブ3A〜3D、アウトレット・バ
ルブ4A〜4Dの減圧位置及び保持位置のデューティ比
を設定する。
【0049】ステップ#14では、上記ステップ#1
0,#11,#12,#13でデューティ比を設定した加
減圧信号KiをアクチュエータACT0〜ACT3に出力
し、インレット・バルブ3A〜3D及びアウトレット・
バルブ4A〜4Dの開閉により、ホイルシリンダ液圧を
調整する。
0,#11,#12,#13でデューティ比を設定した加
減圧信号KiをアクチュエータACT0〜ACT3に出力
し、インレット・バルブ3A〜3D及びアウトレット・
バルブ4A〜4Dの開閉により、ホイルシリンダ液圧を
調整する。
【0050】図6は、本実施例に係るアンチロックブレ
ーキ制御装置による制御の一例を示している。なお、図
6中WCPiはホイルシリンダ液圧、VDECiは車体減
速度を示している。また、図6中、SPEEDi'、VD
EC'、WCPi'及びKi'は、それぞれ前記した従来の
アンチロックブレーキ制御装置の場合の車輪速度、車体
減速度、ホイルシリンダ液圧、加減圧信号を示してい
る。
ーキ制御装置による制御の一例を示している。なお、図
6中WCPiはホイルシリンダ液圧、VDECiは車体減
速度を示している。また、図6中、SPEEDi'、VD
EC'、WCPi'及びKi'は、それぞれ前記した従来の
アンチロックブレーキ制御装置の場合の車輪速度、車体
減速度、ホイルシリンダ液圧、加減圧信号を示してい
る。
【0051】時刻t21に、低μ路面を走行中の車両に対
して運転者がブレーキを作動させると、ホイルシリンダ
圧力WCPiが増加すると共に、車輪速度SPEEDiが
推定車体速度VREFに対して沈み込みを開始する。
して運転者がブレーキを作動させると、ホイルシリンダ
圧力WCPiが増加すると共に、車輪速度SPEEDiが
推定車体速度VREFに対して沈み込みを開始する。
【0052】車輪速度SPEEDiが推定車体速度VR
EFに対してある程度の量沈み込むと、上記図3のステ
ップ#6において、厳しい減圧スレッシュに設定した
「減圧判断I」が成立してホイルシリンダ液圧が減圧され
る(時刻t22)。
EFに対してある程度の量沈み込むと、上記図3のステ
ップ#6において、厳しい減圧スレッシュに設定した
「減圧判断I」が成立してホイルシリンダ液圧が減圧され
る(時刻t22)。
【0053】このように時刻t22に減圧判断Iが成立して
アンチロック制御が開始すると、この時刻t22以降は、
ステップ#8の緩い減圧スレッシュに設定した「減圧判
断II」により減圧を行うか否かの判断がなされ、これに
基づいて設定された加減圧信号Kiによりホイルシリン
ダ液圧WCPiが調整される。
アンチロック制御が開始すると、この時刻t22以降は、
ステップ#8の緩い減圧スレッシュに設定した「減圧判
断II」により減圧を行うか否かの判断がなされ、これに
基づいて設定された加減圧信号Kiによりホイルシリン
ダ液圧WCPiが調整される。
【0054】時刻t23でいったん車輪速度SPEEDiが
推定車体速度VREFに対してシンクロ状態を回復する
が、再び車輪速度SPEEDiが推定車体速度VREF
に対して沈み込みを開始すると、時刻t24に上記ステッ
プ#8の「減圧判断II」が成立しホイルシリンダ液圧WC
Piが減圧される。
推定車体速度VREFに対してシンクロ状態を回復する
が、再び車輪速度SPEEDiが推定車体速度VREF
に対して沈み込みを開始すると、時刻t24に上記ステッ
プ#8の「減圧判断II」が成立しホイルシリンダ液圧WC
Piが減圧される。
【0055】上記したように「減圧判断II」は「減圧判断
I」よりも減圧スレッシュを緩く設定しているため、この
時刻t24におけるアンチロック制御開始後2回目以降の
減圧判断は、上記初回の減圧判断(時刻t22)よりも成立
しやすく、車輪速度SPEEDiの推定車体速度VRE
Fに対する沈み込みの程度が上記時刻t22よりも小さい
時点で減圧判断が成立する
I」よりも減圧スレッシュを緩く設定しているため、この
時刻t24におけるアンチロック制御開始後2回目以降の
減圧判断は、上記初回の減圧判断(時刻t22)よりも成立
しやすく、車輪速度SPEEDiの推定車体速度VRE
Fに対する沈み込みの程度が上記時刻t22よりも小さい
時点で減圧判断が成立する
【0056】次に、時刻t25において車両が低μ路面か
ら高μ路面に移行すると、それまではほぼ一定であった
車体減速度VDECが路面摩擦係数の増加に応答して急
速に立ち上がる。
ら高μ路面に移行すると、それまではほぼ一定であった
車体減速度VDECが路面摩擦係数の増加に応答して急
速に立ち上がる。
【0057】このロー→ハイジャンプは、路面μ急変検
出手段JUMPにより検出され(ステップ#5)、それ以
降はステップ#9の厳しい減圧スレッシュに設定した
「減圧判断I」に基づいてホイルシリンダ液圧WCPiを減
圧するか否かの判断を行う。
出手段JUMPにより検出され(ステップ#5)、それ以
降はステップ#9の厳しい減圧スレッシュに設定した
「減圧判断I」に基づいてホイルシリンダ液圧WCPiを減
圧するか否かの判断を行う。
【0058】即ち、第1実施例では、厳しい減圧スレッ
シュを有する「減圧判断I」に基づいてアンチロック制御
の減圧を行うか否かを判断し、一度「減圧判断I」が成立
してアンチロック制御が開始されると、この「減圧判断
I」よりも緩い減圧スレッシュを有する「減圧判断II」に基
づいて減圧を行うか否かを判断するが、ロー→ハイジャ
ンプを検出すると、厳しい減圧スレッシュを有する「減
圧判断I」に基づいて減圧を行うか否かの判断を行う構成
としている。
シュを有する「減圧判断I」に基づいてアンチロック制御
の減圧を行うか否かを判断し、一度「減圧判断I」が成立
してアンチロック制御が開始されると、この「減圧判断
I」よりも緩い減圧スレッシュを有する「減圧判断II」に基
づいて減圧を行うか否かを判断するが、ロー→ハイジャ
ンプを検出すると、厳しい減圧スレッシュを有する「減
圧判断I」に基づいて減圧を行うか否かの判断を行う構成
としている。
【0059】そのため、第1実施例では、例えば、図6
中C,Dで示すような高μ路面での路面の凹凸等による
車輪速度SPEEDiの振動に起因する推定車体速度V
REFに対する車輪速度SPEEDiのわずかな沈み込
みに対して減圧判断は成立しない。これに対して上記し
た従来の制御による場合、アンチロック制御中にロー→
ハイジャンプを検出した場合にも、減圧判断の感度を異
ならせていないため、上記した振動による車輪速度SP
EEDiの推定車体速度VREFに対する沈み込みC,D
に対しても減圧判断が成立する(時刻t26,t27)。よっ
て、第1実施例のアンチロックブレーキ制御装置は、従
来と比較して、車両が低μ路面から高μ路面に対して急
速に移行した場合に、車体減速度VDECが路面摩擦係
数の増加に応答してして急速に上昇し、高μ路面であれ
ば本来得られる大きな減速度を得ることができ、ロー→
ハイジャンプ時の制動距離の短縮を図ることができる。
中C,Dで示すような高μ路面での路面の凹凸等による
車輪速度SPEEDiの振動に起因する推定車体速度V
REFに対する車輪速度SPEEDiのわずかな沈み込
みに対して減圧判断は成立しない。これに対して上記し
た従来の制御による場合、アンチロック制御中にロー→
ハイジャンプを検出した場合にも、減圧判断の感度を異
ならせていないため、上記した振動による車輪速度SP
EEDiの推定車体速度VREFに対する沈み込みC,D
に対しても減圧判断が成立する(時刻t26,t27)。よっ
て、第1実施例のアンチロックブレーキ制御装置は、従
来と比較して、車両が低μ路面から高μ路面に対して急
速に移行した場合に、車体減速度VDECが路面摩擦係
数の増加に応答してして急速に上昇し、高μ路面であれ
ば本来得られる大きな減速度を得ることができ、ロー→
ハイジャンプ時の制動距離の短縮を図ることができる。
【0060】時刻t28において、車輪速度SPEEDiの
推定車体速度に対する沈み込み量がある程度の値を越え
ると、上記ステップ#9において、「減圧判断I」が成立
してホイルシリンダ液圧WCPiが減圧される。
推定車体速度に対する沈み込み量がある程度の値を越え
ると、上記ステップ#9において、「減圧判断I」が成立
してホイルシリンダ液圧WCPiが減圧される。
【0061】上記時刻t28においていったん減圧判断が
成立した後は、上記ステップ#8の「減圧判断II」に基づ
いて、即ち、比較的緩い減圧スレッシュにより減圧判断
が成立するか否かの判断が行なわれる。
成立した後は、上記ステップ#8の「減圧判断II」に基づ
いて、即ち、比較的緩い減圧スレッシュにより減圧判断
が成立するか否かの判断が行なわれる。
【0062】次に、図7に示す本発明の第2実施例につ
いて説明する。なお、この第2実施例において、配管及
び信号処理部10の構成は、図1及び図2に示す第1実
施例のものと同じである。
いて説明する。なお、この第2実施例において、配管及
び信号処理部10の構成は、図1及び図2に示す第1実
施例のものと同じである。
【0063】まず、第1実施例と同様に、ステップ#
1、ステップ#2、ステップ#3−1、ステップ#3−
2において、車輪速度SPEEDiの計算、車輪減速度
DECELiの計算、推定車体速度VREFの計算及び
アンチロックタイマTIMRの検査を行う。
1、ステップ#2、ステップ#3−1、ステップ#3−
2において、車輪速度SPEEDiの計算、車輪減速度
DECELiの計算、推定車体速度VREFの計算及び
アンチロックタイマTIMRの検査を行う。
【0064】次に、ステップ#21において、アンチロ
ック制御中であるか否かの検査を行う。このステップ#
21では、上記第1実施例のステップ#4と同一の方法
によりアンチロック制御中か否かを判断し、アンチロッ
ク制御中であると判断した場合には、ステップ#22に
移行する一方、アンチロック非作動中であると判断した
場合にはステップ#23に移行する。
ック制御中であるか否かの検査を行う。このステップ#
21では、上記第1実施例のステップ#4と同一の方法
によりアンチロック制御中か否かを判断し、アンチロッ
ク制御中であると判断した場合には、ステップ#22に
移行する一方、アンチロック非作動中であると判断した
場合にはステップ#23に移行する。
【0065】ステップ#22では、路面μ急変検出手段
JUMPが車両が低μ路面から高μ路面に急激に移行し
たか否かを検出する。このステップ#22におけるロー
→ハイジャンプを検出する方法は上記した第1実施例の
ステップ#5と同一である。ステップ#22でロー→ハ
イジャンプが検出されない場合には、上記ステップ#2
3に移行し、ロー→ハイジャンプが検出された場合に
は、ステップ#24に移行する。
JUMPが車両が低μ路面から高μ路面に急激に移行し
たか否かを検出する。このステップ#22におけるロー
→ハイジャンプを検出する方法は上記した第1実施例の
ステップ#5と同一である。ステップ#22でロー→ハ
イジャンプが検出されない場合には、上記ステップ#2
3に移行し、ロー→ハイジャンプが検出された場合に
は、ステップ#24に移行する。
【0066】上記ステップ#24は、アンチロック制御
中であって、かつ、ロー→ハイジャンプが検出された場
合であり、このステップ#24では、第1実施例のステ
ップ#7と同一の方法により、ロー→ハイジャンプ検出
後に少なくとも1回減圧判断が成立したか否かを検査す
る。ステップ#24で既に減圧判断が成立したことを検
出した場合には、ステップ#25に移行し、検出しない
場合は上記したステップ#23に移行する。
中であって、かつ、ロー→ハイジャンプが検出された場
合であり、このステップ#24では、第1実施例のステ
ップ#7と同一の方法により、ロー→ハイジャンプ検出
後に少なくとも1回減圧判断が成立したか否かを検査す
る。ステップ#24で既に減圧判断が成立したことを検
出した場合には、ステップ#25に移行し、検出しない
場合は上記したステップ#23に移行する。
【0067】ステップ#25では、「減圧判断I」が成立
するか否かを検査する。ステップ#25で減圧判断Iが
成立する場合には、ステップ#26に移行して加減圧信
号Kiを「減圧」としてインレット・バルブ3A〜3D、
アウトレット・バルブ4A〜4Dの減圧位置及び保持位
置のデューティ比を設定する。
するか否かを検査する。ステップ#25で減圧判断Iが
成立する場合には、ステップ#26に移行して加減圧信
号Kiを「減圧」としてインレット・バルブ3A〜3D、
アウトレット・バルブ4A〜4Dの減圧位置及び保持位
置のデューティ比を設定する。
【0068】一方、ステップ#25で減圧判断が成立し
ない場合は、ステップ#27に移行して加減圧信号Ki
を「急加圧」として加圧位置及び保持位置のデューティ比
を設定する。
ない場合は、ステップ#27に移行して加減圧信号Ki
を「急加圧」として加圧位置及び保持位置のデューティ比
を設定する。
【0069】上記したステップ#23は、アンチロック
非作動中である場合、アンチロック制御中であるがロー
→ハイジャンプが検出されていない場合、アンチロック
制御中にロー→ハイジャンプを検出したが既に減圧判断
Iが成立した場合である。
非作動中である場合、アンチロック制御中であるがロー
→ハイジャンプが検出されていない場合、アンチロック
制御中にロー→ハイジャンプを検出したが既に減圧判断
Iが成立した場合である。
【0070】第2実施例では、このステップ#23にお
いて緩やかな減圧スレッシュに設定した減圧判断IIによ
り減圧判断を行う。このステップ#23において減圧判
断IIが成立する場合は、上記ステップ#26に移行する
一方、ステップ#23において減圧判断が成立しない場
合には、ステップ#28において、再度アンチロック制
御中か否かを検査し、アンチロック制御中である場合に
は、ステップ#29において加減圧信号Kiを「加圧」に
設定して加圧及び保持のデューティ比を設定する。
いて緩やかな減圧スレッシュに設定した減圧判断IIによ
り減圧判断を行う。このステップ#23において減圧判
断IIが成立する場合は、上記ステップ#26に移行する
一方、ステップ#23において減圧判断が成立しない場
合には、ステップ#28において、再度アンチロック制
御中か否かを検査し、アンチロック制御中である場合に
は、ステップ#29において加減圧信号Kiを「加圧」に
設定して加圧及び保持のデューティ比を設定する。
【0071】ステップ#30では、上記ステップ#2
6、ステップ#27、ステップ#29でデューティ比を
設定した加減圧信号KiをアクチュエータACT0〜AC
T3に出力してホイルシリンダ液圧を調整する。
6、ステップ#27、ステップ#29でデューティ比を
設定した加減圧信号KiをアクチュエータACT0〜AC
T3に出力してホイルシリンダ液圧を調整する。
【0072】この第2実施例では、アンチロック非作動
時、及び、アンチロック制御中であってもロー→ハイジ
ャンプが検出される前は、比較的緩い減圧スレッシュに
設定した減圧判断IIに基づいて減圧を行うか否かの判断
を行う一方(ステップ#23)、ロー→ハイジャンプが検
出されると上記減圧判断IIよりも厳しい減圧スレッシュ
を有する減圧判断Iに基づいて減圧判断を行う(ステップ
#25)構成としている。
時、及び、アンチロック制御中であってもロー→ハイジ
ャンプが検出される前は、比較的緩い減圧スレッシュに
設定した減圧判断IIに基づいて減圧を行うか否かの判断
を行う一方(ステップ#23)、ロー→ハイジャンプが検
出されると上記減圧判断IIよりも厳しい減圧スレッシュ
を有する減圧判断Iに基づいて減圧判断を行う(ステップ
#25)構成としている。
【0073】従って、第2実施例のアンチロックブレー
キ制御装置では、低μ路面を走行中は緩い減圧スレッシ
ュの減圧判断IIにより減圧判断が行なわれ、低い路面摩
擦係数に応じて確実にホイルシリンダ液圧の減圧が行な
われる一方、低μ路面から高μ路面に移行すると、厳し
い減圧スレッシュを有する減圧判断Iに基づいて減圧判
断が行なわれ、高μ路面の凹凸による振動等により不要
な減圧が行なわれることがなく、路面摩擦係数の増加に
応じて車体減速度が上昇し、制動距離の短縮を図ること
ができる。
キ制御装置では、低μ路面を走行中は緩い減圧スレッシ
ュの減圧判断IIにより減圧判断が行なわれ、低い路面摩
擦係数に応じて確実にホイルシリンダ液圧の減圧が行な
われる一方、低μ路面から高μ路面に移行すると、厳し
い減圧スレッシュを有する減圧判断Iに基づいて減圧判
断が行なわれ、高μ路面の凹凸による振動等により不要
な減圧が行なわれることがなく、路面摩擦係数の増加に
応じて車体減速度が上昇し、制動距離の短縮を図ること
ができる。
【0074】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく種々の変形が可能である。まず、上記実施例
では、インレット・バルブ3A〜3Dを常閉のオン/オ
フ型ソレノイド弁としているが、インレット・バルブ3
A〜3Dは流量制御切替弁としてもよく、この場合加圧
位置又は減圧位置の2位置制御となる。また、ホイルシ
リンダ液圧を調整するアクチュエータACT0〜ACT3
として、いわゆる容積拡張型のものを用いてもよい。
のではなく種々の変形が可能である。まず、上記実施例
では、インレット・バルブ3A〜3Dを常閉のオン/オ
フ型ソレノイド弁としているが、インレット・バルブ3
A〜3Dは流量制御切替弁としてもよく、この場合加圧
位置又は減圧位置の2位置制御となる。また、ホイルシ
リンダ液圧を調整するアクチュエータACT0〜ACT3
として、いわゆる容積拡張型のものを用いてもよい。
【0075】さらに、路面μジャンプ検出手段JUMP
が車輪のスキッドの継続時間を計測するスキッドタイマ
を備え、このスキッドタイマにより十分に長い時間のス
キッドが検出された後にのみ上記第1実施例のステップ
#5及び第2実施例のステップ#22のロー→ハイジャ
ンプの検出を行う構成としてもよい。この場合、長時間
のスキッドにより低μ路面を走行していることを確認し
てからロー→ハイジャンプの検出を行う構成となるた
め、ロー→ハイジャンプの誤検出を確実に防止すること
ができる。
が車輪のスキッドの継続時間を計測するスキッドタイマ
を備え、このスキッドタイマにより十分に長い時間のス
キッドが検出された後にのみ上記第1実施例のステップ
#5及び第2実施例のステップ#22のロー→ハイジャ
ンプの検出を行う構成としてもよい。この場合、長時間
のスキッドにより低μ路面を走行していることを確認し
てからロー→ハイジャンプの検出を行う構成となるた
め、ロー→ハイジャンプの誤検出を確実に防止すること
ができる。
【0076】さらにまた、上記減圧判断手段も必ずし
も、車輪スリップ速度と車輪減速度の両方から減圧を行
うか否かの判断を行う構成とする必要がなく、車輪挙
動、車体挙動から減圧を行うか否かの判断を行う構成の
ものであればよい。例えば、減圧判断手段を、車輪スリ
ップ速度又は車輪減速度のいずれか一方のみから減圧を
行うか否かの判断を行う構成としてもよい。
も、車輪スリップ速度と車輪減速度の両方から減圧を行
うか否かの判断を行う構成とする必要がなく、車輪挙
動、車体挙動から減圧を行うか否かの判断を行う構成の
ものであればよい。例えば、減圧判断手段を、車輪スリ
ップ速度又は車輪減速度のいずれか一方のみから減圧を
行うか否かの判断を行う構成としてもよい。
【0077】路面μ急変検出手段も上記実施例のものに
限定されず、車輪挙動、車体挙動から、あるいは、路面
摩擦係数を直接測定するセンサ手段によりロー→ハイジ
ャンプを検出することができるものであればよい。
限定されず、車輪挙動、車体挙動から、あるいは、路面
摩擦係数を直接測定するセンサ手段によりロー→ハイジ
ャンプを検出することができるものであればよい。
【0078】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るアンチロックブレーキ制御装置では、車両が低μ
路面から高μ路面に急激に移行したこと(ロー→ハイジ
ャンプ)を検出する路面μ急変検出手段を備え、ロー→
ハイジャンプが検出された場合には、減圧判断手段の減
圧を行うか否かの判断の感度を異ならせる構成としてい
るため、ロー→ハイジャンプの場合には、路面摩擦係数
の増大に車体減速度が確実に応答し、車体減速度が速や
かに上昇する。
に係るアンチロックブレーキ制御装置では、車両が低μ
路面から高μ路面に急激に移行したこと(ロー→ハイジ
ャンプ)を検出する路面μ急変検出手段を備え、ロー→
ハイジャンプが検出された場合には、減圧判断手段の減
圧を行うか否かの判断の感度を異ならせる構成としてい
るため、ロー→ハイジャンプの場合には、路面摩擦係数
の増大に車体減速度が確実に応答し、車体減速度が速や
かに上昇する。
【0079】即ち、上記減圧判断手段は、上記ロー→ハ
イジャンプが検出された場合には減圧スレッシュを減圧
判断が成立しにくくなるように設定する構成としている
ため、高μ路面における路面の凹凸等による車輪速度の
振動に起因する推定車体速度に対する車輪速度の沈み込
みに対して減圧判断が成立してホイルシリンタ液圧が減
圧されてしまうことがなく、路面摩擦係数の増大に車体
減速度が確実に応答し、制動距離の短縮を図ることがで
きると共に、不要な減圧作動により運転者が不快感を受
けることもない。
イジャンプが検出された場合には減圧スレッシュを減圧
判断が成立しにくくなるように設定する構成としている
ため、高μ路面における路面の凹凸等による車輪速度の
振動に起因する推定車体速度に対する車輪速度の沈み込
みに対して減圧判断が成立してホイルシリンタ液圧が減
圧されてしまうことがなく、路面摩擦係数の増大に車体
減速度が確実に応答し、制動距離の短縮を図ることがで
きると共に、不要な減圧作動により運転者が不快感を受
けることもない。
【0080】また、アンチロック制御の初回の減圧判断
における減圧スレッシュをこの初回の減圧判断が成立し
た後の2回目以降の減圧判断における減圧スレッシュよ
りも厳しく設定し、上記路面μ急変検出手段がアンチロ
ック制御中にロー→ハイジャンプを検出すると上記減圧
判断手段が上記減圧スレッシュを上記初回の減圧判断の
場合と等しく設定する構成としても、上記振動により減
圧判断が成立することがなく、ロー→ハイジャンプ時の
路面摩擦係数の増大に車体減速度が確実に応答し、制動
距離の短縮を図ることができる。
における減圧スレッシュをこの初回の減圧判断が成立し
た後の2回目以降の減圧判断における減圧スレッシュよ
りも厳しく設定し、上記路面μ急変検出手段がアンチロ
ック制御中にロー→ハイジャンプを検出すると上記減圧
判断手段が上記減圧スレッシュを上記初回の減圧判断の
場合と等しく設定する構成としても、上記振動により減
圧判断が成立することがなく、ロー→ハイジャンプ時の
路面摩擦係数の増大に車体減速度が確実に応答し、制動
距離の短縮を図ることができる。
【図1】 本発明の第1実施例に係るアンチロックブレ
ーキ制御装置を示す概略図である。
ーキ制御装置を示す概略図である。
【図2】 信号処理部を示す概略図である。
【図3】 第1実施例のアンチロックブレーキ制御装置
の作動を示すフローチャートである。
の作動を示すフローチャートである。
【図4】 ロー→ハイジャンプの検出の一例を示す線図
である。
である。
【図5】 ロー→ハイジャンプの検出の他の一例を示す
線図である。
線図である。
【図6】 第1実施例のアンチロックブレーキ制御装置
による制御の一例を示す線図である。
による制御の一例を示す線図である。
【図7】 本発明の第2実施例を示すフローチャートで
ある。
ある。
【図8】 従来のアンチロックブレーキ制御装置による
作動の一例を示す線図である。
作動の一例を示す線図である。
【図9】 従来のアンチロックブレーキ制御装置の問題
点を説明するための線図である。
点を説明するための線図である。
S0,S1,S2,S3 車輪速度検出手段 CAL 車輪及び車体挙動算出手段 JUMP 路面μ急変検出手段 C0,C1,C2,C3 減圧判断手段 OUT0,OUT1,OUT2,OUT3 加減圧信号設定手
段
段
Claims (5)
- 【請求項1】 車両が路面摩擦係数の低い低μ路面から
路面摩擦係数の高い高μ路面に急激に移行したことを検
出する路面μ急変検出手段と、 車輪及び/又は車体挙動によりホイルシリンダ液圧の減
圧を行うか否かを判断し、車両が低μ路面から高μ路面
に移行したことを上記路面μ急変検出手段が検出する
と、上記減圧を行うか否かの判断の感度を異ならせる減
圧判断手段と、 上記減圧判断手段の判断に基づいてブレーキ液圧を調整
する手段とを備えるアンチロックブレーキ制御装置。 - 【請求項2】 上記減圧判断手段は、車両が低μ路面か
ら高μ路面に急激に移行したことを上記路面μ急変検出
手段が検出すると、減圧判断を行うか否かのしきい値で
ある減圧スレッシュを減圧判断が成立しにくくなるよう
に設定する請求項1に記載のアンチロックブレーキ制御
装置。 - 【請求項3】 上記減圧判断手段は、アンチロック制御
の初回の減圧判断における減圧スレッシュを2回目以降
の減圧判断における減圧スレッシュよりも減圧判断が成
立しにくくなるように設定すると共に、アンチロック制
御中に車両が低μ路面から高μ路面に急激に移行したこ
とを上記路面μ急変検出手段が検出すると、検出後の減
圧判断における減圧スレッシュを上記初回の減圧判断の
減圧スレッシュと等しく設定することを特徴とする請求
項2に記載のアンチロックブレーキ制御装置。 - 【請求項4】 上記路面μ急変検出手段は、アンチロッ
ク制御中に前輪の一方の車輪の車輪加速度が所定値以上
となった後、所定時間以内に他方の車輪の車輪加速度が
上記所定値以上となると、車両が低μ路面から高μ路面
に急激に移行したと判断する請求項1から請求項3に記
載のアンチロックブレーキ制御装置。 - 【請求項5】 上記路面μ急変検出手段は、アンチロッ
ク制御中に上記減圧判断手段が車両の全車輪に対して所
定時間減圧判断を行わなければ、車両が低μ路面から高
μ路面に急激に移行したと判断する請求項1から請求項
3に記載のアンチロックブレーキ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12173293A JPH06329008A (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | アンチロックブレーキ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12173293A JPH06329008A (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | アンチロックブレーキ制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06329008A true JPH06329008A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=14818517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12173293A Withdrawn JPH06329008A (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | アンチロックブレーキ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06329008A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6457785B1 (en) | 1995-12-26 | 2002-10-01 | Denso Corporation | Brake control apparatus for vehicle |
-
1993
- 1993-05-24 JP JP12173293A patent/JPH06329008A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6457785B1 (en) | 1995-12-26 | 2002-10-01 | Denso Corporation | Brake control apparatus for vehicle |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000801 |