JPH0632855Y2

JPH0632855Y2 - エアゾール用噴射釦

Info

Publication number: JPH0632855Y2
Application number: JP1988086140U
Authority: JP
Inventors: 泱藤尾; 邦雄大栗
Original assignee: 大阪エヤゾール工業株式会社
Priority date: 1988-06-29
Filing date: 1988-06-29
Publication date: 1994-08-31
Anticipated expiration: 2003-06-29
Also published as: JPH028565U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案はエアゾール用噴射釦に関し、例えばカラスク
リーナー、防曇剤等の発泡性エアゾール製品に用いた場
合、特に好適なものである。

〔従来の技術〕

第６図は、従来のエアゾール用噴射釦（以下、釦と略称
する。）の例を示すもので、図中符号１は釦である。こ
の釦１は、マウンティングカップ２に取り付けられたバ
ルブ３のステム４に嵌合されて、図示しないエアゾール
容器上部に固着されている。バルブ３はステム４、ガス
ケット５、ハウジング６、密閉体７およびバネ８とから
構成されており、ガスケット５およびハウジング６がマ
ウンテングカップ２の中央の立上部に圧接固定されてい
る。ハウジング６内にはステム４の下端部を嵌合した密
閉体７が収容されており、この密閉体７はハウジング６
内に収められたバネ８によって常時上方に付勢されてお
り、これによって密閉体７の上端部がガスケット５の下
面に押し付けられている。ガスケット５の中央の孔には
中空柱状のステム４が貫通して設けられており、その底
部付近にはその周壁を貫通する導出孔９が形成されてい
る。一方、ハウジング６の下端部には連結筒１０が形成
され、この連結筒１０には容器底部にまで延びるディッ
プチューブ１１が嵌合されている。また、釦１の内側中
央にはステム４の上端部を嵌合する嵌合孔１２が形成さ
れ、この嵌合孔１２の上方にはこれに連通する導入室１
３が形成されている。また、釦１の側部にはノズル１４
が設けられている。このノズル１４は有底円筒状のもの
であって、その底部中央部には噴射口１５が形成されて
いる。このノズル１４は、釦１の側部に形成され、上記
導入室１３に連通する円環状の挿入孔１６に嵌め込まれ
て釦１に固着されている。

このような釦１にあっては、釦１をエアゾール容器の底
方に押し下げることにより、ステム４が下方に押し下げ
られる。ステム４が押し下げられると、密閉体７がバネ
８の付勢力に抗して下方に移動し、密閉体７とガスケッ
ト５とが離間する。これにより、エアゾール容器内のエ
アゾール内容物がディップチューブ１１から連結筒１０
を経てハウジング６内に流入し、ここからガスケット５
と密閉体７との隙間を通って導出孔９を通過し、ステム
４内に流れ、導入室１３を経てノズル１４の噴射口１５
から噴射される。この際、発泡性のエアゾール内容物
は、噴射口１５を通過直後に発泡し、泡状の噴射物が噴
射される。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような釦１にあっては、釦１の押圧
解除後においてもステム４内部および導入室１３内に溜
まっているエアゾール内容物の一部が噴射口１５より自
発的に噴出し、これが噴射口１５の下方に泡状となって
付着し、外観上、非常に見苦しくなる不都合があった。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、押圧することにより発泡性のエアゾール内
容物を噴射する噴射口を有するエアゾール用噴射釦にお
いて、前記噴射口の下方近傍の表面に、前記発泡性のエ
アゾール内容物を泡を破壊する凹凸面を形成することを
解決手段とした。

〔作用〕

噴射口下方近傍の表面を粗面化することにより、粗面の
微小突起によって泡状物が破壊され、液状に変化する。
これにより外観上の見苦しさが解消される。

〔実施例〕

第１図ないし第３図は、この考案の釦の一例を示すもの
で、この例の釦は釦本体２１と取付リング２２と接続舌
片２３とから概略構成されている。釦本体２１はキャッ
プ状であって、その内部には噴射バルブのステムが嵌合
されるラッパ状のステム嵌合孔２４とこのステム嵌合孔
２４につづく導入室２５が形成され、この導入室２５は
細径の連絡路２６を介して釦本体２１側面に開口するノ
ズル挿入室２７に連通されており、ノズル挿入室２７に
はノズル２８が挿入、固着されている。ノズル２８には
噴射口２９が形成されている。

取付リング２２は、円筒状であってエアゾール容器のマ
ウンティングカップ（図示せず）の巻締部に嵌合される
ようになっている。

接続舌片２３は、取付リング２２釦本体２１との連結す
るもので、ノズル２８の下方に位置し取付リング２２か
ら一体に釦本体２１に連結されている。また、この接続
舌片２３は、釦本体２１の幅よりもやや狭い幅を有し、
薄肉となって弾力性、可撓性を有し、釦本地２１を上方
より圧すれば接続舌片２３がヒンジとなって釦本体２１
が下方に押し下げられ、押圧を解除すれば、釦本体２１
が初期位置に復帰するようになっている。

また、釦本体２１の上面にはローレット３０が形成され
ている。

そして、釦本体２１のノズル２８の下方の側表面には微
細な凹凸面３１が形成されて粗面化されている。この凹
凸面３１は釦本体２１の成形時と同時に形成してもよ
く、また成形後に刃物などを用いて切削して形成しても
よく、さらには凹凸面が形成された接着テープなどを貼
着したものであってもよい。凹凸面３１の表面の粗さ
は、比較的粗いものが好ましく、ＪＩＳ−Ｂ−０６０１
で定める最大高さ（Ｒmax）が５０〜５００μｍの範囲
が望ましく、さらに凸部の先端が鋭角のものが好まし
い。

このような釦は、その取付リング２２をエアゾール容器
のマウンティングカップの巻締部に嵌合させ、噴射バル
ブのステムを釦本体２１のステム嵌合孔２４に嵌合させ
てエアゾール容器に取り付けられる。

そして、釦本体２１をその上方から押せば、接続舌片２
３のヒンジ作用によって釦本体２１は下方に移動し、ス
テムが下方に押され、エアゾール内容物がノズル２８の
噴射口２９から噴射される。釦本体２１の押圧を解除し
てエアゾール内容物の噴射を停止した後においても、先
と同様にステム内部および導入室２５内部に溜ったエア
ゾール内容物は前述のようにノズル２８の噴射口２９か
ら自発的に突出されるが、発泡性のエアゾール内容物か
ら一旦生成した泡がノズル２８の下方の凹凸面３１に当
って破壊され、液状となって凹凸面３１上を流下する。
このため、発泡性のエアゾール内容物の泡がノズル２８
の下方に付着したまま残ることがなくなり、外観が見苦
しくなることがない。

また、泡が破壊されて生じた液状のエアゾール内容物を
マウンティングカップ内に導くために、第４図に示すよ
うに接続舌片２３に小さい流下孔３２を形成しておけ
ば、釦本体２１外面がエアゾール内容物で汚れることが
ない。

第５図はこの考案の噴射釦の他の例を示すもので、この
例の釦は、取付リングおよび接続舌片を欠くもので、ス
テム嵌合孔２４にバルブのステムを嵌合することによっ
てエアゾール容器に取り付けられるものである。この例
の釦にあっても、そのノズル２８の下方の表面に凹凸面
３１が形成されて粗面化されており、先の例の同様に、
泡が破壊されて液状となり、外観が見苦しくなることが
ない。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案のエアゾール用噴射釦
は、その噴射口の下方近傍の表面に、発泡性のエアゾー
ル内容物の泡を破壊する凹凸面を形成したものであるの
で、発泡性のエアゾール内容物を噴射したのち、残留す
る内容物が自発的に噴射口から吐出し、発泡して泡とな
って噴射口の下方に付着して残ることがなく、外観が見
苦しくなることがない。また特に、本願考案では、エア
ゾール内容物の泡を破壊する凹凸面は、毛髪の間に挿入
され頭皮に刺激を与える針状突起等に比べ、小さく形成
することができ、複雑な形状の金型等が不要になり、製
造作業性を向上できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案の噴射釦の第１の例を示
すもので、第１図は正面図、第２図は平面図、第３図は
横断面図、第４図はこの考案の噴射釦の第２の例を示す
平面図、第５図はこの考案の第３の例を示す正面図、第
６図は従来の噴射釦の取付状態を示す断面図である。２１…釦本体、２８…ノズル、２９…噴射口、３１…凹
凸面。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】押圧することにより発泡性のエアゾール内
容物を噴射する噴射口を有するエアゾール用噴射釦にお
いて、前記噴射口の下方近傍の表面に、前記発泡性のエアゾー
ル内容物の泡を破壊する凹凸面を形成したことを特徴と
するエアゾール用噴射釦。