JPH0632665A - ベントナイト及び水酸化化合物による耐火被覆材 - Google Patents
ベントナイト及び水酸化化合物による耐火被覆材Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 より高い耐火性能を有する耐火被覆材を提供
する。 【構成】 耐火被覆材の組成として、水硬性セメント、
ベントナイト、水酸化化合物を必須成分とし、水硬性セ
メント１００重量部に対して、ベントナイト５〜５００
重量部、水酸化化合物２０〜８００重量部を配合する。
好ましくはさらに任意要素として、炭酸塩化合物、水ガ
ラス、無機質軽量骨材、無機質繊維、再乳化合成樹脂粉
末を添加する。
する。 【構成】 耐火被覆材の組成として、水硬性セメント、
ベントナイト、水酸化化合物を必須成分とし、水硬性セ
メント１００重量部に対して、ベントナイト５〜５００
重量部、水酸化化合物２０〜８００重量部を配合する。
好ましくはさらに任意要素として、炭酸塩化合物、水ガ
ラス、無機質軽量骨材、無機質繊維、再乳化合成樹脂粉
末を添加する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、耐火性能を向上させた
耐火被覆材に関するものである。
耐火被覆材に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、吹き付け工法による耐火被覆材は
石綿、岩綿系耐火被覆材が大半を占めていたが、近年に
なりアスベスト公害などの社会問題により非石綿、非岩
綿系の耐火被覆材が開発されている。
石綿、岩綿系耐火被覆材が大半を占めていたが、近年に
なりアスベスト公害などの社会問題により非石綿、非岩
綿系の耐火被覆材が開発されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】建設省告示第２９９９
号、ＪＩＳ Ａ１３０４ により、鉄骨建築物に用いる
耐火被覆材は梁、柱において耐火構造となり得る耐火性
能基準が定められている。その基準は、梁部、柱部に対
して通常１時間耐火試験、２時間耐火試験、及び３時間
耐火試験を行うもので、１０００℃程に加熱した炉内に
おける耐火被覆材を施工した梁、柱の内部鉄骨温度が、
所定時間に平均温度３５０℃を越えてはならないという
ものである。
号、ＪＩＳ Ａ１３０４ により、鉄骨建築物に用いる
耐火被覆材は梁、柱において耐火構造となり得る耐火性
能基準が定められている。その基準は、梁部、柱部に対
して通常１時間耐火試験、２時間耐火試験、及び３時間
耐火試験を行うもので、１０００℃程に加熱した炉内に
おける耐火被覆材を施工した梁、柱の内部鉄骨温度が、
所定時間に平均温度３５０℃を越えてはならないという
ものである。
【０００４】現在の非石綿、比岩綿系の耐火被覆材の一
般的な性能は、柱部における１時間耐火試験で耐火被覆
材の厚みは２０ｍｍ、２時間耐火試験では３０ｍｍ、３
時間耐火試験では４０ｍｍ程である。すなわち３時間耐
火試験を満たす厚みは４０ｍｍ程となり、この厚みでは
一度に所定厚みまで吹き付けることが出来ず、２回吹き
しなくてはならないため吹き付け工事における作業効率
がかなり悪くなるものである。
般的な性能は、柱部における１時間耐火試験で耐火被覆
材の厚みは２０ｍｍ、２時間耐火試験では３０ｍｍ、３
時間耐火試験では４０ｍｍ程である。すなわち３時間耐
火試験を満たす厚みは４０ｍｍ程となり、この厚みでは
一度に所定厚みまで吹き付けることが出来ず、２回吹き
しなくてはならないため吹き付け工事における作業効率
がかなり悪くなるものである。
【０００５】本発明は、より薄い厚みで、要求される耐
火性能を満足する高い耐火性能を有する耐火被覆材を提
供することをその目的とする。
火性能を満足する高い耐火性能を有する耐火被覆材を提
供することをその目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明における耐火被覆
材は、ベントナイト、水酸化化合物の加熱時の分解吸熱
作用と、この反応によりベントナイト、水酸化化合物の
構造水、及び結晶水より生成される水蒸気ガスによる不
燃性ガス層の加熱時の熱伝導の遅れの作用が、ベントナ
イト、および水酸化化合物の反応温度の違いのため、幅
広い温度帯で得られることで、より高い耐火性能を実現
するものである。
材は、ベントナイト、水酸化化合物の加熱時の分解吸熱
作用と、この反応によりベントナイト、水酸化化合物の
構造水、及び結晶水より生成される水蒸気ガスによる不
燃性ガス層の加熱時の熱伝導の遅れの作用が、ベントナ
イト、および水酸化化合物の反応温度の違いのため、幅
広い温度帯で得られることで、より高い耐火性能を実現
するものである。
【０００７】それは、水硬性セメント１００重量部に対
して、ベントナイト５〜５００重量部、水酸化化合物２
０〜８００重量部である組成を有することをその要旨と
する。更に、炭酸塩化合物を２０〜８００重量部含むこ
とが望まれる。また更に、水ガラスを５〜３００重量部
含むことが望まれる。また更に、無機質軽量骨材を５〜
５００重量部含むことが望まれる。また更に、無機質繊
維を１〜５０重量部含むことが望まれる。また更に、再
乳化合成樹脂粉末を１〜３００重量部含むことが望まれ
る。
して、ベントナイト５〜５００重量部、水酸化化合物２
０〜８００重量部である組成を有することをその要旨と
する。更に、炭酸塩化合物を２０〜８００重量部含むこ
とが望まれる。また更に、水ガラスを５〜３００重量部
含むことが望まれる。また更に、無機質軽量骨材を５〜
５００重量部含むことが望まれる。また更に、無機質繊
維を１〜５０重量部含むことが望まれる。また更に、再
乳化合成樹脂粉末を１〜３００重量部含むことが望まれ
る。
【０００８】（具体的な構成の説明）水硬性セメント
は、具体例としてポルトランドセメント、アルミナセメ
ント、シリカセメント、高炉セメント、フライアッシュ
セメント、耐硫酸セメント等が挙げられる。水硬性セメ
ントは高温状態時における耐火被覆材の鉄骨ヘの接着強
度の向上と、耐火被覆材の機械的強度の向上を目的とし
て使用するものである。ベントナイトとは、シリカ・ア
ルミナを主成分とするものであり、具体例としてカルシ
ウム系のベントナイト、モンモリロン石群鉱物中のモン
モリロナイトを好適に使用することができる。ベントナ
イトは耐火時の加熱により分解する時の吸熱作用と水蒸
気ガス層の形成による熱伝導の遅れの作用による耐火性
能の向上効果、及び加熱後の耐火被覆材の表面強度の向
上効果を達成するものである。またベントナイトはチク
ソトロピー性を有するため、吹き付け工事に際してダレ
防止作用も期待できる。その配合率は、水硬性セメント
１００重量部に対して、５〜５００重量部であるが、望
ましくは５０〜３００重量部である。ベントナイトの配
合率が下限値以下であると耐火時の加熱による分解吸熱
作用、水蒸気ガス層の形成による熱伝導の遅れの作用が
期待できず、また上限値以上であると耐火時の加熱によ
る分解吸熱作用、水蒸気ガス層の形成による熱伝導の遅
れの作用のそれ以上の効果は得られず、またクラック発
生の恐れがあるため好ましくない。
は、具体例としてポルトランドセメント、アルミナセメ
ント、シリカセメント、高炉セメント、フライアッシュ
セメント、耐硫酸セメント等が挙げられる。水硬性セメ
ントは高温状態時における耐火被覆材の鉄骨ヘの接着強
度の向上と、耐火被覆材の機械的強度の向上を目的とし
て使用するものである。ベントナイトとは、シリカ・ア
ルミナを主成分とするものであり、具体例としてカルシ
ウム系のベントナイト、モンモリロン石群鉱物中のモン
モリロナイトを好適に使用することができる。ベントナ
イトは耐火時の加熱により分解する時の吸熱作用と水蒸
気ガス層の形成による熱伝導の遅れの作用による耐火性
能の向上効果、及び加熱後の耐火被覆材の表面強度の向
上効果を達成するものである。またベントナイトはチク
ソトロピー性を有するため、吹き付け工事に際してダレ
防止作用も期待できる。その配合率は、水硬性セメント
１００重量部に対して、５〜５００重量部であるが、望
ましくは５０〜３００重量部である。ベントナイトの配
合率が下限値以下であると耐火時の加熱による分解吸熱
作用、水蒸気ガス層の形成による熱伝導の遅れの作用が
期待できず、また上限値以上であると耐火時の加熱によ
る分解吸熱作用、水蒸気ガス層の形成による熱伝導の遅
れの作用のそれ以上の効果は得られず、またクラック発
生の恐れがあるため好ましくない。
【０００９】水酸化化合物とは、具体例として水酸化ア
ルミニウム（（Ａｌ（ＯＨ）3 ））、ギブサイト等が挙
げられる。水酸化化合物は耐火時の加熱により分解する
ことによる吸熱作用と水蒸気ガス層の形成による熱伝導
の遅れの作用が期待できる。またその配合率は、水硬性
セメント１００重量部に対して、２０〜８００重量部で
あるが、望ましくは５０〜５００重量部である。水酸化
化合物の配合率が下限値以下であると耐火時の加熱によ
る分解吸熱作用、水蒸気ガス層の形成による熱伝導の遅
れの作用が期待できず、また上限値以上であると耐火時
の加熱による分解吸熱作用、水蒸気ガス層の形成による
熱伝導の遅れの作用のそれ以上の効果は得られないもの
である。
ルミニウム（（Ａｌ（ＯＨ）3 ））、ギブサイト等が挙
げられる。水酸化化合物は耐火時の加熱により分解する
ことによる吸熱作用と水蒸気ガス層の形成による熱伝導
の遅れの作用が期待できる。またその配合率は、水硬性
セメント１００重量部に対して、２０〜８００重量部で
あるが、望ましくは５０〜５００重量部である。水酸化
化合物の配合率が下限値以下であると耐火時の加熱によ
る分解吸熱作用、水蒸気ガス層の形成による熱伝導の遅
れの作用が期待できず、また上限値以上であると耐火時
の加熱による分解吸熱作用、水蒸気ガス層の形成による
熱伝導の遅れの作用のそれ以上の効果は得られないもの
である。
【００１０】炭酸塩化合物とは、具体例として炭酸カル
シウム（ＣａＣＯ3 ）、炭酸マグネシウム（ＭｇＣ
Ｏ3 ）等が挙げられる。炭酸塩化合物は耐火時の加熱に
より分解することによる吸熱作用と炭酸ガス層の形成に
よる熱伝導の遅れの作用が期待できる。またその配合率
は、水硬性セメント１００重量部に対して、２０〜８０
０重量部であるが、望ましくは５０〜５００重量部であ
る。
シウム（ＣａＣＯ3 ）、炭酸マグネシウム（ＭｇＣ
Ｏ3 ）等が挙げられる。炭酸塩化合物は耐火時の加熱に
より分解することによる吸熱作用と炭酸ガス層の形成に
よる熱伝導の遅れの作用が期待できる。またその配合率
は、水硬性セメント１００重量部に対して、２０〜８０
０重量部であるが、望ましくは５０〜５００重量部であ
る。
【００１１】水ガラスは、具体例としてメタけい酸ナト
リウム１種、２種に属し粉末または顆粒状であるものな
どが挙げられる。水ガラスは、水硬性セメントと同様に
高温状態時における耐火被覆材の鉄骨ヘの接着強度の向
上と、耐火被覆材の機械的強度の向上の目的、更に耐火
被覆材の表面強度の向上と化粧性の向上を目的として使
用するものである。またその配合率は、水硬性セメント
１００重量部に対して、５〜３００重量部であるが、望
ましくは３０〜２００重量部である。
リウム１種、２種に属し粉末または顆粒状であるものな
どが挙げられる。水ガラスは、水硬性セメントと同様に
高温状態時における耐火被覆材の鉄骨ヘの接着強度の向
上と、耐火被覆材の機械的強度の向上の目的、更に耐火
被覆材の表面強度の向上と化粧性の向上を目的として使
用するものである。またその配合率は、水硬性セメント
１００重量部に対して、５〜３００重量部であるが、望
ましくは３０〜２００重量部である。
【００１２】無機質軽量骨材とは、具体例として黒曜石
パーライト、真珠岩パーライト等が挙げられる。無機質
軽量骨材は本発明における耐火被覆材の軽量化、熱伝導
率の低減を目的として使用するものである。またその配
合率は、水硬性セメント１００重量部に対して、５〜５
００重量部であるが、望ましくは３０〜１２０重量部で
ある。無機質軽量骨材の配合率が下限値以下であると耐
火被覆材の軽量化、熱伝導率の低減は期待できず、上限
値以上であると耐火被覆材の機械的強度が劣化してしま
うことになる。
パーライト、真珠岩パーライト等が挙げられる。無機質
軽量骨材は本発明における耐火被覆材の軽量化、熱伝導
率の低減を目的として使用するものである。またその配
合率は、水硬性セメント１００重量部に対して、５〜５
００重量部であるが、望ましくは３０〜１２０重量部で
ある。無機質軽量骨材の配合率が下限値以下であると耐
火被覆材の軽量化、熱伝導率の低減は期待できず、上限
値以上であると耐火被覆材の機械的強度が劣化してしま
うことになる。
【００１３】次に無機質繊維とは、具体例として対アル
カリガラス繊維、セラミックファイバー等が挙げられ
る。無機質繊維は本発明における耐火被覆材の耐火時の
脱落、剥離を防止することを目的とし使用するものであ
る。またその配合率は、水硬性セメント１００重量部に
対して、１〜５０重量部であるが、望ましくは２〜１０
重量部である。配合率が下限値以下であると耐火被覆材
の上記作用を期待できず、また上限値以上に配合しても
それ以上の効果は得られない。
カリガラス繊維、セラミックファイバー等が挙げられ
る。無機質繊維は本発明における耐火被覆材の耐火時の
脱落、剥離を防止することを目的とし使用するものであ
る。またその配合率は、水硬性セメント１００重量部に
対して、１〜５０重量部であるが、望ましくは２〜１０
重量部である。配合率が下限値以下であると耐火被覆材
の上記作用を期待できず、また上限値以上に配合しても
それ以上の効果は得られない。
【００１４】更に再乳化合成樹脂粉末とは、具体例とし
て酢酸ビニル共重合系再乳化合成樹脂粉末を好適に使用
しうる。再乳化合成樹脂粉末の添加により、常温時にお
ける耐火被覆材の鉄骨への接着強度の向上と耐火被覆材
の表面強度の向上が期待できる。またその配合率は、水
硬性セメント１００重量部に対して、１〜３００重量部
であるが、望ましくは５〜１００重量部である。再乳化
合成樹脂粉末の配合率が下限値以下であると耐火被覆材
の鉄骨への接着強度の向上は期待できなく、上限値以上
に添加してもそれ以上の効果はなく、むしろ耐火被覆材
の耐火性能を害する。
て酢酸ビニル共重合系再乳化合成樹脂粉末を好適に使用
しうる。再乳化合成樹脂粉末の添加により、常温時にお
ける耐火被覆材の鉄骨への接着強度の向上と耐火被覆材
の表面強度の向上が期待できる。またその配合率は、水
硬性セメント１００重量部に対して、１〜３００重量部
であるが、望ましくは５〜１００重量部である。再乳化
合成樹脂粉末の配合率が下限値以下であると耐火被覆材
の鉄骨への接着強度の向上は期待できなく、上限値以上
に添加してもそれ以上の効果はなく、むしろ耐火被覆材
の耐火性能を害する。
【００１５】
【作用】本発明における耐火被覆材は、ベントナイト、
水酸化化合物の加熱時の分解吸熱作用と、この反応によ
りベントナイト、水酸化化合物の構造水、及び結晶水よ
り生成される水蒸気ガスによる不燃性ガス層の加熱時の
熱伝導の遅れの作用が、ベントナイト、および水酸化化
合物の反応温度の違いのため、幅広い温度帯で得られる
ことで、より高い耐火性能を実現するものである。
水酸化化合物の加熱時の分解吸熱作用と、この反応によ
りベントナイト、水酸化化合物の構造水、及び結晶水よ
り生成される水蒸気ガスによる不燃性ガス層の加熱時の
熱伝導の遅れの作用が、ベントナイト、および水酸化化
合物の反応温度の違いのため、幅広い温度帯で得られる
ことで、より高い耐火性能を実現するものである。
【００１６】すなわち、ベントナイトの構造水は、１５
０℃前後で脱水反応を起こし吸熱作用するが、結晶水は
７００℃前後で脱水反応を起こし吸熱作用をするため、
２００℃〜６００℃の温度において耐火性能上の欠点と
なるものである。しかし、水酸化化合物は、２５０℃〜
３５０℃において脱水吸熱作用を起こすため、ベントナ
イトの欠点を補うことができる。
０℃前後で脱水反応を起こし吸熱作用するが、結晶水は
７００℃前後で脱水反応を起こし吸熱作用をするため、
２００℃〜６００℃の温度において耐火性能上の欠点と
なるものである。しかし、水酸化化合物は、２５０℃〜
３５０℃において脱水吸熱作用を起こすため、ベントナ
イトの欠点を補うことができる。
【００１７】更に、炭酸塩化合物が添加されている場合
には、これは８００℃前後に分解吸熱作用を起こし、二
酸化炭素を発生して耐火被覆材表面に不燃性ガス層を形
成し、熱伝導の遅れの作用を持つので、更に幅広い温度
帯で耐火性能を発揮することができるものである。
には、これは８００℃前後に分解吸熱作用を起こし、二
酸化炭素を発生して耐火被覆材表面に不燃性ガス層を形
成し、熱伝導の遅れの作用を持つので、更に幅広い温度
帯で耐火性能を発揮することができるものである。
【００１８】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細
に説明する。なお、実施例及び比較例において、水硬性
セメントとしては白色セメント、ベントナイトとして
は、カルシウム系のベントナイト、水酸化化合物として
は水酸化アルミニウム、炭酸塩化合物としては炭酸カル
シウム、水ガラスとしてはメタけい酸ナトリウム１種、
無機質軽量骨材としては黒曜石パーライト、無機質繊維
としては耐アルカリガラス繊維、再乳化合成樹脂粉末と
しては酢酸ビニル共重合系再乳化合成樹脂粉末を用い
た。これらの配合率を各実施例、及び各比較例毎に変
え、これら材料を加水混練し得られた混合物を、鉄骨を
想定した１００×１００×１．５ｍｍの鉄板に１５ｍｍ
厚に塗布し、これを１０００℃に加熱された炉に曝し、
内部鉄骨の平均温度が３５０℃に達するまでの時間を求
めた。
に説明する。なお、実施例及び比較例において、水硬性
セメントとしては白色セメント、ベントナイトとして
は、カルシウム系のベントナイト、水酸化化合物として
は水酸化アルミニウム、炭酸塩化合物としては炭酸カル
シウム、水ガラスとしてはメタけい酸ナトリウム１種、
無機質軽量骨材としては黒曜石パーライト、無機質繊維
としては耐アルカリガラス繊維、再乳化合成樹脂粉末と
しては酢酸ビニル共重合系再乳化合成樹脂粉末を用い
た。これらの配合率を各実施例、及び各比較例毎に変
え、これら材料を加水混練し得られた混合物を、鉄骨を
想定した１００×１００×１．５ｍｍの鉄板に１５ｍｍ
厚に塗布し、これを１０００℃に加熱された炉に曝し、
内部鉄骨の平均温度が３５０℃に達するまでの時間を求
めた。
【００１９】実施例 １〜５ 表１に示すように、本発明に用いる各成分のうちベント
ナイトを除く成分を好適範囲に設定した状態で、ベント
ナイトの配合量を本発明の規定範囲の中で変化させたも
のである。実施例１〜５のいずれにおいても、１５ｍｍ
厚耐火試験において、耐火時間が６０分を上回ってお
り、従来の６０分耐火時間を達成するのに必要とされた
２０ｍｍを大きく下回る厚みで十分な耐火性能が得られ
ることが分かる。
ナイトを除く成分を好適範囲に設定した状態で、ベント
ナイトの配合量を本発明の規定範囲の中で変化させたも
のである。実施例１〜５のいずれにおいても、１５ｍｍ
厚耐火試験において、耐火時間が６０分を上回ってお
り、従来の６０分耐火時間を達成するのに必要とされた
２０ｍｍを大きく下回る厚みで十分な耐火性能が得られ
ることが分かる。
【００２０】
【表１】 実施例 ６〜１２ これらの実施例は、主に本発明の必須成分以外の各成分
を配合量の変化に対する影響を調べたものである。水硬
性セメント（白色セメント）、ベントナイト、及び水酸
化化合物（水酸化アルミニウム）が、規定範囲内で好適
に配合されるかぎり、他の任意的添加成分が変化して
も、所期する耐火性能、すなわち１５ｍｍ厚の塗工厚み
で６０分以上の耐火性能を実現しうるものであることが
分かる。
を配合量の変化に対する影響を調べたものである。水硬
性セメント（白色セメント）、ベントナイト、及び水酸
化化合物（水酸化アルミニウム）が、規定範囲内で好適
に配合されるかぎり、他の任意的添加成分が変化して
も、所期する耐火性能、すなわち１５ｍｍ厚の塗工厚み
で６０分以上の耐火性能を実現しうるものであることが
分かる。
【００２１】
【表２】 比較例 １〜３ 本発明の必須成分であるベントナイト及び水酸化アルミ
ニウムを選択的に添加しない場合、表３に示すように、
たとえ他の成分の配合量を増大しても所期する耐火性能
を得ることができない。このことから、ベントナイト及
び水酸化化合物は、それらが共存して優れた耐火性能を
実現しうるものであるとを確認し得た。
ニウムを選択的に添加しない場合、表３に示すように、
たとえ他の成分の配合量を増大しても所期する耐火性能
を得ることができない。このことから、ベントナイト及
び水酸化化合物は、それらが共存して優れた耐火性能を
実現しうるものであるとを確認し得た。
【表３】 また上記実施例より得られた耐火被覆材は、表面強度に
対してモルタルコンクリートに近いものであり、施工後
の飛散、剥離、脱落の恐れは全くないものであった。ま
た化粧性においては耐久性、耐候性に優れた白色系の耐
火被覆材が得られ、着色などを行う化粧作業にも適して
いるものであった。
対してモルタルコンクリートに近いものであり、施工後
の飛散、剥離、脱落の恐れは全くないものであった。ま
た化粧性においては耐久性、耐候性に優れた白色系の耐
火被覆材が得られ、着色などを行う化粧作業にも適して
いるものであった。
【００２２】
【発明の効果】本発明における耐火被覆材は、ベントナ
イト、水酸化化合物の加熱時の分解吸熱作用と、この反
応によりベントナイト、水酸化化合物の構造水、及び結
晶水より生成される水蒸気ガスによる不燃性ガス層の加
熱時の熱伝導の遅れの作用が、ベントナイト、および水
酸化化合物の反応温度の違いのため、幅広い温度帯で得
られることで、より高い耐火性能を実現するものであ
る。
イト、水酸化化合物の加熱時の分解吸熱作用と、この反
応によりベントナイト、水酸化化合物の構造水、及び結
晶水より生成される水蒸気ガスによる不燃性ガス層の加
熱時の熱伝導の遅れの作用が、ベントナイト、および水
酸化化合物の反応温度の違いのため、幅広い温度帯で得
られることで、より高い耐火性能を実現するものであ
る。
【００２３】従って耐火被覆材の施工厚みをより薄くす
ることが可能となり、従来二回吹きをしなければならな
かった吹き付け工事が、一回で済み、工期の短縮、作業
効率の向上、作業工程の簡略化、作業労働の軽減が可能
となるものである。
ることが可能となり、従来二回吹きをしなければならな
かった吹き付け工事が、一回で済み、工期の短縮、作業
効率の向上、作業工程の簡略化、作業労働の軽減が可能
となるものである。
【００２４】また水ガラス、再乳化合成樹脂粉末、水硬
性セメントを添加した場合はこれらの作用により表面強
度に対してモルタルコンクリートに近いものが出来るた
め、施工後の飛散、剥離、脱落の恐れは全くなく、柱部
において仕上げ作業にはセメント系フィラー等により表
面強度を補強する必要がない。このためセメント系フィ
ラーなどによる左官作業工程が省けるため、さらなる工
期の短縮、作業効率の向上、作業工程の簡略化、作業労
働の軽減が可能となる。また化粧性においては耐久性、
耐候性に優れた白色系の耐火被覆材であるため着色など
を行う化粧作業にも適しているものである。
性セメントを添加した場合はこれらの作用により表面強
度に対してモルタルコンクリートに近いものが出来るた
め、施工後の飛散、剥離、脱落の恐れは全くなく、柱部
において仕上げ作業にはセメント系フィラー等により表
面強度を補強する必要がない。このためセメント系フィ
ラーなどによる左官作業工程が省けるため、さらなる工
期の短縮、作業効率の向上、作業工程の簡略化、作業労
働の軽減が可能となる。また化粧性においては耐久性、
耐候性に優れた白色系の耐火被覆材であるため着色など
を行う化粧作業にも適しているものである。
Claims (6)
- 【請求項１】 水硬性セメント１００重量部に対して、
ベントナイト５〜５００重量部、水酸化化合物２０〜８
００重量部の配合組成物からなることを特徴とする耐火
被覆材。 - 【請求項２】 炭酸塩化合物を、水硬性セメント１００
重量部に対して、２０〜８００重量部含むことを特徴と
する請求項１記載の耐火被覆材。 - 【請求項３】 水ガラスを、水硬性セメント１００重量
部に対して、５〜３００重量部含むことを特徴とする請
求項１または２に記載の耐火被覆材。 - 【請求項４】 無機質軽量骨材を、水硬性セメント１０
０重量部に対して、５〜５００重量部含むことを特徴と
する請求項１ないし３のうちいずれか１に記載の耐火被
覆材。 - 【請求項５】 無機質繊維を、水硬性セメント１００重
量部に対して、１〜５０重量部含むことを特徴とする請
求項１ないし４のうちいずれか１に記載の耐火被覆材。 - 【請求項６】 再乳化合成樹脂粉末を、水硬性セメント
１００重量部に対して、１〜３００重量部含むことを特
徴とする請求項１なしい５のうちいずれか１に記載の耐
火被覆材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4189722A JPH0825809B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | ベントナイト及び水酸化化合物による耐火被覆材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4189722A JPH0825809B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | ベントナイト及び水酸化化合物による耐火被覆材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0632665A true JPH0632665A (ja) | 1994-02-08 |
| JPH0825809B2 JPH0825809B2 (ja) | 1996-03-13 |
Family
ID=16246099
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4189722A Expired - Lifetime JPH0825809B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | ベントナイト及び水酸化化合物による耐火被覆材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0825809B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008247720A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Nichias Corp | 不定形耐火物成形材料および不定形耐火物成形体 |
| JP2017145186A (ja) * | 2016-02-18 | 2017-08-24 | 黒崎播磨株式会社 | 耐火モルタル |
-
1992
- 1992-07-16 JP JP4189722A patent/JPH0825809B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008247720A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Nichias Corp | 不定形耐火物成形材料および不定形耐火物成形体 |
| JP2017145186A (ja) * | 2016-02-18 | 2017-08-24 | 黒崎播磨株式会社 | 耐火モルタル |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0825809B2 (ja) | 1996-03-13 |
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