JPH06326555A - サブバンド・フィルタ装置及びその応用 - Google Patents

サブバンド・フィルタ装置及びその応用

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JPH06326555A
JPH06326555A JP32002193A JP32002193A JPH06326555A JP H06326555 A JPH06326555 A JP H06326555A JP 32002193 A JP32002193 A JP 32002193A JP 32002193 A JP32002193 A JP 32002193A JP H06326555 A JPH06326555 A JP H06326555A
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JP
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signal
filter
stage
video signal
decimation
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JP32002193A
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James H Wilkinson
ヘドリー ウィルキンソン ジェームズ
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Sony Europe BV United Kingdom Branch
Original Assignee
Sony United Kingdom Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハードウェアが著しく少なくて済むサブバン
ド・フィルタ装置を得る。 【構成】 本発明フィルタ装置は、デシメーション段1
0と補間段11を具え、各段は低周波路と高周波路を含
む。デシメーション段の両路は、夫々デシメータ16
a,16bを有し、共通の入力18に接続される。補間
段の両路は、夫々補間器17a,17bを有し、加算器
19に接続される。デシメーション又は補間の一方の段
の低周波路に低域通過ハーフバンド・フィルタ14を、
他方の段の低周波路にオールパス・フィルタを含む。デ
シメーション又は補間の他方の段の高周波路に相補的高
域通過ハーフバンド・フィルタ15を、その段の他方の
段の高周波路にオールパス・フィルタを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サブバンド(帯域分
割)フィルタ装置及びその応用、特に、ビデオ信号処理
の分野における応用に関するものであるが、これに限ら
れるわけではない。
【0002】
【従来の技術】サブバンド符号化に使用するサブバンド
・フィルタ装置は、公知である。サブバンド符号化は、
1組のフィルタを使用して入力信号を数個の狭い帯域
(サブバンド)に分解する符号化技法に適用される技術
用語である。分離されたサブバンドは、通信や記録など
の目的で別々にデシメート(サブサンプル)される。デ
シメートされた信号は、復元段階で補間され、ろ波され
て加算され、原信号が再現される。サブバンド符号化は
一般に、音声及び(又は)ビデオ画像信号の処理に適用
される。
【0003】図1は、サブバンド符号化に用いる簡単な
フィルタ装置を示すブロック図である。この装置は、低
域通過フィルタ(LPF)1、LPF2、高域通過フィ
ルタ(HPF)3、HPF4を有する。フィルタ1及び
3は、共通の入力に接続され、入力されるサンプルのス
トリームを受信する。フィルタ1及び3の出力は、夫々
デシメータ5a及び5bに接続される。フィルタ2及び
4は夫々補間器6a及び6bから入力を受け、これらの
フィルタの出力は加算器7で合成され、フィルタ夫々の
出力となる。この装置は、デシメータ5a,5bと補間
器6a,6bの間の信号の記録や送信など(8で示
す。)を考慮に入れている。入力に供給された信号はフ
ィルタ1,3によってろ波され、デシメータ5a,5b
は夫々、これに供給されたサンプルを選択又は排除して
2の率でサンプルレートを減らす。よって、デシメータ
5a,5bの出力信号の記録、送信など(8)は、原入
力信号の半分のサンプルレートで行われる。このサンプ
ルレートは、対応するデシメータ5a,5bにより捨て
られたサンプルの位置にサンプルを発生する補間器6
a,6bによって復元される。
【0004】図2は、図1のサブバンド符号化フィルタ
装置を拡大した例を示す簡略図である。同図において、
LFは低周波数信号路、HFは高周波数信号路を表し、
記録、送信など(9)のために入力信号が8つの信号路
にデシメートされている。図2の配列では、信号の送信
や記録などは、8信号路の各々について原入力信号の1
/8のサンプルレートで行われる。
【0005】サブバンド符号化システムにおいても勿
論、できる限り良い復元画像を得ることが望ましい。種
々の異なるサブバンド符号化システムが、こわゆる「完
全な再現」に近い復元を行っている。我々の同時係属中
の英国特許出願GB−9111782.0号及びGB−
9115772.7号は、サブバンド符号化用の完全再
現フィルタ対を提案している。これらの出願で提案した
装置のフィルタは、完全再現、直線位相及び整数係数に
ついて鍵となる特性を示す。これらの装置は、周知の
「ハーフバンド」フィルタを使用するものである。ハー
フバンド・フィルタは、次のような特性を有する。即
ち、1/2ナイキスト点を中心とする対称的周波数応
答、直線位相応答、相補的HPF及びLPFの対を一緒
に用いると全域通過フィルタになること、全偶数タップ
係数が、ゼロ項を除き、ゼロであることである。このよ
うなフィルタは、図3に示すような代表的周波数応答及
び図4に示すような代表的時間応答(ただし、fn はナ
イキスト周波数を表す。)をもつものとして図解的に示
すことができる。
【0006】図1に示すような装置として、上記GB−
9111782.0号は、低周波数のマッチしたデシメ
ーション及び補間フィルタの対1及び2と、高周波数の
マッチしたデシメーション及び補間フィルタの対3及び
4とを提案している。低周波数フィルタ1及び2の一方
は、ハーフバンド・フィルタである。他方の低周波数フ
ィルタは、ハーフバンド・フィルタより多くのタップを
有し、この他方のフィルタに対するタップ係数は、上記
2つの低周波数フィルタのたたみ込み(convolution)に
よって作られるハーフバンド・フィルタのゼロ項から得
られる1組の連立方程式の解により定められる。高周波
数フィルタについては、フィルタ3は2に対し補助的フ
ィルタであり、フィルタ4は1に対し相補的フィルタで
ある(即ち、3及び4は夫々2及び1と同じ大きさの係
数を有するが、1つおきの係数の極性が反転してい
る)。したがって、低周波数フィルタ対のたたみ込みは
ハーフバンド・フィルタであり、低及び高域通過部が対
称であれば、確実に「完全な再現」が達成される。上記
GB−9115772.7号は、これと類似の装置を提
案している。それは、1対のマッチしたデシメーション
及び補間フィルタをなす第1及び第2フィルタのうち、
第1フィルタはハーフバンド・フィルタであり、第2フ
ィルタは第1フィルタより多い少なくとも1対のタップ
を有し、第2フィルタのタップ係数は、第1及び第2フ
ィルタのたたみ込みにより作られるハーフバンド・フィ
ルタのゼロ項から得られる1組の連立方程式の解と、第
2フィルタの選択したタップ係数を、第2フィルタの残
りのタップ係数が上記選択したタップ係数の組に関する
連立方程式の解により定められるように設定することを
含む試行錯誤の繰返しとによって定められるものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来のものに比べ、ハードウェアが著しく少なくて済むサ
ブバンド・フィルタ装置を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明サブバン
ド・フィルタ装置は、デシメーション段及び補間段を有
し、各段は低周波路(パス)及び高周波路を含み、デシ
メーション段の各段は、1つのデシメータをもち入力信
号を受ける共通入力に接続され、補間段の各路は、1つ
の補間器をもち両路に沿って出力される信号を合成する
手段に接続される。本発明装置は更に、デシメーション
及び補間段の一方の段の低周波路に奇数のタップをもつ
低域通過ハーフバンド・フィルタを設け、その段の他方
の段の低周波路にオールパス(全域通過)フィルタを設
け、デシメーション及び補間数の他方の段の高周波路に
相補的な高域通過ハーフバンド・フィルタを設け、その
段の他方の段の高周波路にオールパス・フィルタを設け
る。
【0009】よって、本発明によるフィルタ装置は、2
つのデシメーション及び補間段の路の一方に夫々オール
パス・フィルタが設けられる(即ち、これらの路は単な
るオールパス路である)から、前に提案された装置の半
数のフィルタ段しか含まない。前に提案されたもので
は、高域及び低域通過部の各々に第1フィルタとしてハ
ーフバンド・フィルタを使用し、各部における第2フィ
ルタのタップに対する係数を、各部における2つのフィ
ルタのたたみ込みがハーフバンド・フィルタになるよう
に決定し、高域及び低域通過部を対称とすることによ
り、完全再現を達成しているが、本発明では、低及び高
域通過部の各々に1つのハーフバンド・フィルタのみを
設け、これらのフィルタを反対の段に置いて所要の対称
性を与えることにより、簡単に完全再現を達成してい
る。したがって、本発明によるフィルタ装置をサブバン
ド符号化システムに使用すれば、上述の従来装置に比
し、特に図2に示したような多数サブバンド符号化シス
テムにおいて、ハードウェアを著しく減少することがで
きる。
【0010】後述のように、ハーフバンド・フィルタ
は、完全再現を達成するために奇数タップの長さを有す
る必要がある。また、補間段路に沿って出力される信号
を合成する手段は、復元された信号が原信号レベルと同
じ信号レベルをもつように、ハーフバンド・フィルタの
中央タップの係数値に等しい率で、合成信号のレベルを
下げるように構成するのがよい。
【0011】本発明によるフィルタ装置は、ビデオ信号
処理の幾つかの分野で有利に使用することができる。特
に、LPFがフィルタ装置の補間段に在り、HPFがフ
ィルタ装置のデシメーション段に在る場合、本発明は、
フィルタ装置のデシメーション段の入力に供給されるプ
ログレッシブ(順次)走査フォーマット・ビデオ信号を
処理するための、次のようなフィルタ装置を具えたビデ
オ信号処理システムを提供する。そのシステムでは、ハ
ーフバンド・フィルタの遅延素子は、それらのフィルタ
が垂直フィルタとして構成されるようにライン遅延素子
であり、低周波路のデシメータは、これに供給される連
続するプログレッシブ走査フレームにおける奇数のピク
セル(画素)ライン及び偶数のピクセル・ラインを交互
に選択するように構成され、高周波路のデシメータは、
これに供給される対応する連続フレームにおける偶数ピ
クセル・ライン及び奇数ピクセル・ラインを交互に選択
するように構成される。これにより使用時に、デシメー
ション段の低周波路に沿って出力される信号は、入力プ
ログレッシブ走査フォーマット信号のフレームレートに
等しいフィールドレートを有する2:1飛越しフォーマ
ット・ビデオ信号となる。この構成は特に、デシメーシ
ョン段の低周波路に沿って出力される2:1飛越しフォ
ーマット信号がろ波されないので有利であり、したがっ
て垂直方向解像度のロス(損失)がなく、その上更に、
原プログレッシブ走査フォーマット信号を再現すること
ができる。これに対し、上述の前に提案されたフィルタ
装置を同じようにプログレッシブ走査−飛越し変換に使
用したとすると、デシメーション段の低周波路にフィル
タが在るため、2:1飛越しフォーマット信号の垂直解
像度にロスが生じるであろう。したがって、その飛越し
信号の表示により得られる画像は、「軟調」のものにな
るであろう。
【0012】同じフィルタ構成、即ち補間段にLPFが
在り、デシメーション段にHPFが在る場合、本発明
は、フィルタ装置のデシメーション段の入力に供給され
るプログレッシブ走査フォーマット・ビデオ信号を処理
するための、次のようなフィルタ装置を具えたビデオ信
号処理システムをも提供する。そのシステムでは、ハー
フバンド・フィルタの遅延素子は、それらのフィルタが
時間フィルタとして構成されるようにフレーム遅延素子
であり、低周波路のデシメータは、上記プログレッシブ
走査信号の1つおきのフレームを選択するように構成さ
れ、高周波路のデシメータは、低周波路のデシメータに
より選択されたフレームに対応するフレームを排除する
ように構成される。これにより使用時に、デシメーショ
ン段の低周波路に沿って出力される信号は、入力信号の
フレームレートの1/2に等しいフレームレートをもつ
プログレッシブ走査フォーマット・ビデオ信号となる。
よって、原信号の完全な再現を可能とすると共に、低周
波路のデシメータによって出力されるフレームレートの
減少した信号をろ波することなく、プログレッシブ走査
信号のフレームレートの低減を達成することができる。
これに対し、上述の前に提案されたフィルタ装置を同じ
ように使用したとすると、これらの装置の低周波デシメ
ーション・フィルタは、フレームレートが減少した信号
に時間的なぼやけを生じるであろう。
【0013】上述したようなビデオ信号処理システムで
は、デシメートされた高周波出力は、別々のチャンネル
を介して低周波出力に送信したり、或いは送信するため
にデシメートされたオールパス出力の中に符号化したり
することができる。よって、該システムは、デシメーシ
ョン段の高周波路に沿って出力される信号を、送信する
ために、デシメーション段の低周波路に沿って出力され
る信号の中に符号化する手段と、送信された信号を、対
応する補間段路に供給するために成分信号に復号する手
段とを含んでもよい。
【0014】本発明を具体化したフィルタ装置は、エッ
ジ歪み効果を減らすために、ハーフバンド・フィルタに
供給されるサンプル・アレイのエッジ(端縁)において
サンプル値を鏡面反射させるような鏡像(対称)エッジ
拡張手段を含むことができる。この対称エッジ拡張手段
は、ハーフバンド・フィルタに供給するサンプルを記憶
するためのランダムアクセスメモリ(RAM)手段と、
あとで述べるように上記フィルタに供給すべきサンプル
に従って上記RAM手段に選択的にアドレスするための
アドレス指定手段とを含んでもよい。
【0015】本発明は、プログレッシブ走査フォーマッ
ト・ビデオ信号を2:1飛越しフォーマット信号に変換
し、あとで該2:1飛越しフォーマット信号を用いて原
プログレッシブ走査フォーマット信号を再現する方法に
まで拡張される。この方法は、これまで述べたフィルタ
装置を用いて実行される。
【0016】本発明はまた、第1のプログレッシブ走査
フォーマット・ビデオ信号を、該第1信号のフレームレ
ートの1/2に等しいフレームレートをもつ第2のプロ
グレッシブ走査フォーマット・ビデオ信号に変換し、そ
れから該第2信号を用いて上記第1信号をあとで再現す
る方法にも拡張される。その方法は、これまで述べたフ
ィルタ装置を用いて行われる。
【0017】更に、本発明は、4×4ビデオ信号を第1
及び第2の4:2:2ビデオ信号に変換し、あとで該第
1及び第2の4:2:2ビデオ信号から4×4ビデオ信
号を復元する方法にまで拡張される。その方法は、各フ
ィルタ装置についてこれまで述べた1対のフィルタ装置
を用いて行われる。この応用については、あとで述べ
る。
【0018】一般的にいって、本明細書において本発明
による装置を参照して特徴を述べた場合、同じ特徴が本
発明方法によって与えられ、その逆も同じであることを
理解されたい。
【0019】
【実施例】以下、図面により本発明を具体的に説明す
る。図5は、本発明によるサブバンド・フィルタ装置の
実施例を示すブロック図である。同図のサブバンド・フ
ィルタ装置は、全体的に10で示すデシメーション段
と、全体的に11で示す補間段とを有する。デシメーシ
ョン段10は、オールパス(信号)路12aと高周波路
13aとを含み、補間段11は、低周波路12bとオー
ルパス路13bとを含む。補間段11の低周波路12b
は、その中にLPF14に有する。デシメーション段の
高周波路13aは、その中にHPF15を有する。デシ
メーション段10のオールパス路及び高周波路は夫々、
その中にデシメータ16a及び16bを有する。同様
に、補間数11の低周波路及びオールパス路は夫々、そ
の中に補間器17a及び17bを有する。(分かり易く
するため、デシメータ16bをフィルタ15と離し、補
間器17aをフィルタ14と離して示したが、デシメー
タ16b及び補間器17aを夫々フィルタ15及び14
の一部として設けてもよいことは、勿論である。)デシ
メーション段10の両路12a,13aは、入力信号を
受けるため共通入力18に接続される。補間段11の両
路12b、13bは、これら両路に沿って出力される信
号を加算する加算器19に接続される。このフィルタ装
置は、入力18に供給される信号のサンプルレートの半
分のレートで信号の送信や記録など20を行う。
【0020】完全な再現を与えるため、LPF14及び
HPF15はハーフバンド・フィルタであり、また、H
PF15はLPF14の相補的フィルタである。即ち、
フィルタ15はフィルタ14と同じ大きさの係数を有す
るが、1つおきに係数の極性が反転されている。なお、
フィルタ14及び15は、奇数のタップを有する。
【0021】図6は、本発明によるサブバンド・フィル
タ装置の他の実施例を示すブロック図である。図6の実
施例は、図5のそれと大体似ており、対応する部分には
同じ符号を付してある。ただし、この例では、デシメー
ション段10は低周波路22a及びオールパス路23a
を有し、補間段11はオールパス路22b及び高周波路
23bを有する。本例では、LPF14はデシメーショ
ン段10の低周波路22aの中に在り、HPF15は補
間段11の高周波路23bの中に在る。
【0022】図5及び6のフィルタ装置の完全再現を達
成する動作は、これより図7を参照して説明する。図7
は、特定の入力及びハーフバンド・フィルタのセットに
対する図5の実施例における種々の段階に存在する信号
を示す。一般的にいえば、ハーフバンド・フィルタの係
数はどんなオーダーでもよいが、本例では、LFP14
を次のような係数をもつ1/4オーダーのハーフバンド
・フィルタとする。 −1,0,9,16,9,0,−1 和=32 よって、相補的HPFの係数は次のようになる。 1,0,−9,16,−9,0,1
【0023】いま、図7の(a)列に示す入力サンプル
のストリームより成る入力信号が、図5の装置の入力1
8に供給されたと仮定する。ただし、ハーフバンド・フ
ィルタの遅延素子は1サンプル遅延素子である。最初に
装置の低周波部を考えると、オールパス路12aのデシ
メータ16aより出力される信号は、図7の(b)列に
示すようになる。デシメータ16aは、単にサンプルレ
ートを2の率で下げるだけであり、本例では1つおきの
サンプルを選択し、他のサンプルを排除している。フィ
ルタ14,15は奇数タップ長をもつので、デシメータ
16a,16bは逆相を取り、デシメータ16aは入力
ストリームから偶数サンプルを選択する。補間器17a
の作用は、受信したサンプルストリームの、対応するデ
シメータ16aにより排除されたサンプルの位置に0値
サンプルを挿入して、原入力サンプルレートを復元する
ことである。補間器17aの出力はそれから、LPF1
4に供給され、ろ波される。上述した係数セットの場
合、LPF14の路12bへの出力は、図7の(c)列
に示すようになる。
【0024】次に装置の高周波部を考えると、図7の
(a)列に示す入力ストリームは、路13aにおけるH
PF15に供給され、ろ波される。上述した係数セット
の場合、HPF15の出力は図7の(d)列のようにな
る。デシメータ16bはそれから、受信したサンプルス
トリームから奇数サンプルを選択し、図7の(e)列に
示すように、原入力サンプルレートの半分のレートで出
力を生じる。同じく、路13bにおける補間器17b
は、受信したサンプルストリームの、対応するデシメー
タ16bにより排除されたサンプルの位置に対応する位
置に0値サンプルを挿入して、原入力サンプルレートを
復元する作用を行う。したがって、路13bへの補間器
17bの出力は、図7の(f)列のようになる。
【0025】補間段の両路12b,13bに沿って出力
される信号は、加算器19に供給され加算されて、図7
の(g)列に示すような加算出力を生じる。(a)列と
(g)列を比べると、16というスケーリング・ファク
タ(倍率)を別にして、完全な再現が達成されているこ
とが明らかである。16のスケーリング・ファクタは、
ハーフバンド・フィルタ14,15の中央タップに対す
る係数値に対応する。よって、加算器19の出力は、そ
のレベルを中央タップ係数値に等しい率で下げるため、
スケーラー(計数器)に供給してもよい。
【0026】上述の例は、図5の装置の動作を説明する
ものであったが、図6の装置についても、同様の解析を
行うことにより同じ結果が得られることが分かるであろ
う。
【0027】図7の簡単な例の考察から、完全再現を達
するには、ハーフバンド・フィルタは奇数のタップを有
する必要があることが明らかである。また、nビットの
入力サンプルの場合、デシメーション段のハーフバンド
・フィルタ14又は15の出力は、完全再現のためには
(n+1)ビット・サンプルを供給すべきであることが
認められる。デシメーション段のオールパス路12a又
は23aの出力は、依然としてnビットのままである。
このことは、出力が一般にnビットよりずっと高い解像
度のものでなければならない従来のろ波動作とは異なっ
ている。
【0028】図5のフィルタ装置は、これより図8を参
照して述べるように、プログレッシブ走査フォーマット
及び2:1飛越しフォーマット・ビデオ信号間の変換に
特に適することが分かった。毎秒xフレームに対応する
プログレッシブ走査フォーマット信号は、該プログレッ
シブ走査フォーマット信号の各フレームから、該フレー
ムの奇数ピクセル・ラインを選択して奇数フィールドを
作り、該フレームの偶数ピクセル・ラインを選択して偶
数フィールドを作ることにより、2:1飛越しフォーマ
ット信号の1フィールドを導出し、毎秒xフィールドに
対応する2:1飛越しフォーマット信号に変換すること
ができる。したがって、この処理は、図8に示すよう
に、フィールド毎にサンプルをずらす簡単な垂直サブサ
ンプリングである。図8の左側に、垂直−時間(V/
T)面内のプログレッシブ走査フォーマット信号のピク
セル・アレイを示す。即ち、該アレイの連続するコラム
(縦列)は、時間的に連続するフレームにおけるビデオ
画像の或るコラムのピクセルを表す。図8の右側に、垂
直−時間面内の2:1飛越しフォーマット信号の対応す
るピクセル・アレイを示す。したがって、同じく、該ア
レイの連続コラムは、時間的に連続するフィールドにお
けるビデオ画像の或るコラムのピクセルを表す。図に示
す如く、飛越し信号を作るため、該サブサンプリング処
理において各フィールドでコラムにおける1つおきのピ
クセルが排除される。排除されるピクセルの位置は、フ
ィールド毎に交番する。
【0029】図8に示す垂直サブサンプリングは、図5
に示したタイプのフィルタ装置によって行うことができ
る。この場合、フィルタは垂直フィルタとして構成さ
れ、フィルタの遅延素子はライン遅延素子、即ち、入力
ピクセル・サンプルを、入力18に供給されるプログレ
ッシブ走査フォーマット信号の1ライン(走査線)期間
遅らせる素子であるのがよい。オールパス路12aのデ
シメータ16aは、1入力フレームにおける1つおきの
ピクセル・ラインを選択するように構成され、デシメー
タ16aが連続する入力フレームの奇数ピクセル・ライ
ンと偶数ピクセル・ラインとを交互に選択するように、
1つおきの入力フレームに対し1ライン遅延が適用され
る。デシメータ16bも、同じく各入力フレームにおけ
る1つおきのピクセル・ラインを選択するが、その動作
は、デシメータ16aの動作と1ライン期間だけ位相が
ずれている。こうして、デシメータ16aは、オールパ
ス路12a上の入力信号に対し、図8に示すサブサンプ
リング動作を行う。高周波路13a上の入力信号はろ波
され、デシメータ16bは、図8にて排除されたピクセ
ルとして示したろ波されたピクセルに対応するピクセル
を選択する。
【0030】したがって、上述の構成において、デシメ
ーション段のオールパス路12aにおけるデシメータ1
6aの出力は、図8に示すように、入力プログレッシブ
走査信号のフレームレートに対応するフィールドレート
をもつ通常の2:1飛越しフォーマット信号である。デ
シメーション段の高周波路13a上では、入力フレーム
がHPF15によって垂直方向にろ波され、上述の如く
デシメータ16bによってデシメートされる。よって、
デシメートされた高域通過出力は、デシメータ16aの
飛越しフォーマット出力における「欠落した」ピクセル
に対応するライン間トウィッタ(twitter)成分を表す。
また、オールパス路の飛越し出力は、この飛越し出力が
単に入力信号からサンプルを選択したものであるから、
該入力信号と同数のビットにより表されることに注意さ
れたい。
【0031】補間数では、各補間器17a及び17b
は、入力サンプルストリーム内の、対応デシメータ16
a又は16bにより排除されたサンプルの位置に対応す
る位置に、0値サンプルを導入することにより、原サン
プルレートを復元する動作をする。補間器17aの出力
はそれから、LPF14によって垂直方向にろ波され、
路12b及び13b上に生成されたサンプルストリーム
は、加算器19によって加算される。加算器19により
出力される信号のレベルは、前に述べた理由により、フ
ィルタ14,15の中央タップの係数に等しい率で下げ
られる。下げられた出力は、原入力プログレッシブ走査
フォーマット信号が完全に再現されたものを表す。
【0032】上述の構成により、プログレッシブ走査フ
ォーマット・ビデオ信号を、遠隔のTV受像機に送信す
るために標準の2:1飛越しフォーマット信号に変換す
ることができる。デシメートされた高域通過出力は、送
信のために飛越し信号の中に符号化することができ、或
いは付加チャンネルを介して送信することもできる。通
常のTV受像機は、高域通過データを無視するので、標
準2:1飛越し信号を受信して飛越しディスプレイを駆
動するであろう。しかし、高級受像機に上記フィルタ装
置の補間段を組入れて原プログレッシブ走査信号を復元
し、プログレッシブ走査ディスプレイを駆動することに
より、画質の向上を図ることができる。更に、デシメー
ション路12aにろ波過程がないので、通常の受像機に
使用される2:1飛越し信号における垂直解像度のロス
がないことに注意されたい。
【0033】図5に示したタイプのフィルタ装置はま
た、「フリッカ」を抑制するため、プログレッシブ走査
ビデオ信号のフレームレート変換に適用できる。即ち、
連続するフレームが表示されるフレームレートで表示画
像にフリッカが感ぜられる場合に、有利に使用できる。
従来のプログレッシブ走査TVディスプレイは、受信し
たプログレッシブ走査信号の各フレームを2回表示す
る、例えば50Hz信号の場合、100Hzでフレーム
を表示する、即ち50Hz信号の各フレームを2回表示
することにより、フリッカを抑制できる。こうするとフ
リッカは減るが、各フレームを2回表示することにより
2重映像効果が生じ動きがぼやけるので、運動描写の質
が低下する。図5に示したタイプのフィルタ装置を用い
ると、TV信号を標準レートの2倍で、例えば50Hz
の代わりに100Hzで得ることができる。送信のため
及び従来のTV受像機により通常の如く使用するため
に、50Hz信号を取出すことができる。しかし、フィ
ルタ装置の補間段を含む高級受像機によれば、表示する
ために元の100Hz信号を再現することができる。こ
れにより、フリッカは、運動描写の質を何ら減らすこと
なく抑制される。
【0034】図9に示すように、フレームレートを下げ
ることは、本質的に時間的サブサンプリングである。図
9の左側に、垂直−時間(V/T)面における100H
zのプログレッシブ走査ビデオ信号のピクセル・アレイ
を示す。図9の右側に、50Hzプログレッシブ走査信
号の対応するピクセル・アレイを示す。これより、10
0Hz信号の1つおきのフレームのピクセルが、サブサ
ンプリング処理にて排除されていることが分かる。この
時間的サブサンプリング処理は、図5に示したタイプの
フィルタ装置のデシメーション段により達成できる。こ
の場合、フィルタ14及び15は時間フィルタとして構
成され、これらフィルタの遅延素子はフレーム遅延素子
(即ち、入力サンプルを、入力18に供給されるプログ
レッシブ走査フォーマット信号の1フレーム期間だけ遅
らせる素子)である。オールパス路12aのデシメータ
16aは、これに供給される1つおきの入力フレームの
ピクセルを選択するよう構成される。デシメータ16b
は、デシメータ16aと1フレーム期間だけずれた位相
で動作する。こうすると、高周波路13aにおいて、入
力フレームはHPF15により時間的にろ波され、デシ
メータ16bは、図9において排除されたピクセルとし
て示したろ波されたピクセルに対応するピクセルを選択
することになる。
【0035】したがって、この構成により、デシメータ
16aの出力は、図9に示す入力信号のフレームレート
の半分のレートのプログレッシブ走査信号になることが
分かるであろう。路13aの高域通過デシメート出力
は、送信のためにデシメータ16aの出力に含めて符号
化し、或いは補助チャンネルを介して送信することがで
きる。どちらの場合も、従来のTV受像機は、補助デー
タを無視するので、平常どおり50Hz信号を受信して
使用できるであろう。しかし、高級受像機では、図5の
フィルタ装置の補間段11を含むことになろう。この場
合、各補間器17a及び17bは、対応するデシメータ
16a又は16bによって排除されたサンプルの位置に
対応する、入力サンプルストリーム内の位置に0値サン
プルを導入することにより、原入力プログレッシブ走査
信号のサンプルレートを復元する動作をする。補間器1
7aの出力は、それからLPF14によって時間的にろ
波され、両(信号)路12b及び13bに生成されたサ
ンプルストリームは、加算器19によって加算される。
加算器19の出力信号のレベルはそれから、原信号レベ
ルに戻すため、フィルタ14及び15の中央タップの係
数に等しい率で下げられる。この下げられた出力は、原
入力プログレッシブ走査フォーマット信号の完全に復元
されたものを表す。
【0036】よって、上述した構成によれば、通常の走
査レートの2倍でTV信号を作成し、従来の受像機に用
いるため標準フレームレート信号を導出して送信するこ
とができ、高級受像機では、原プログレッシブ走査信号
を復元して表示画質を改善することができる。デシメー
ション路12aにはろ波過程がないので、デシメータ1
6aが出力する標準フレームレート信号には、標準フレ
ームレート信号のみを用いる従来受像機における画像の
鮮明度を下げる如き時間的ぼやけがない。
【0037】上述より、図5のフィルタ装置の路12a
にフィルタがないため、サブサンプリング処理により該
路に沿う信号出力に或る程度のエイリアス(重複歪み)
が生じるが、これは、信号が、或るタイプのエイリアス
が普通の、走査を正確に表すような上述した機器では有
利である。
【0038】図6に示したタイプのフィルタ装置は、こ
れより図10を参照して述べる如き、4×4及び4:
2:2ビデオ信号間の変換に適用できる。4×4信号
は、Y,B−Y及びR−Yチャンネル並びに線形キー・
チャンネルKを有する全帯域幅信号である。そのデータ
レートは、2×CCIR601である。時に、4×4信
号を2つの4:2:2信号として2つのデジタルビデオ
テープレコーダ(DVTR)に記録する必要が生じる。
これは、図10に示すように、2つのデータ分割器20
a及び20bを用いて簡単な方法で達成できる。各デー
タ分割器は、図6に示したようなフィルタ装置のデシメ
ーション段10を含む。4×4信号のB−Yチャンネル
は、データ分割器20aを形成するデシメーション段1
0の入力18に供給される。同様に、4×4信号のR−
Yチャンネルは、データ分割器20bを形成するデシメ
ーション段10の入力18に供給される。データ分割器
20aは、B−Y信号を2つの信号CB 及びCB ′に分
割する。この2信号は、データ分割器20aにおけるデ
シメータ16a,16b夫々の出力である。即ち、図に
示すように、CB は、低周波(LF)デシメーション路
22aに沿って出力される信号であり、CB ′は、オー
ルパス(AP)デシメーション路23aに沿って出力さ
れる信号である。同様に、R−Y信号は、データ分割器
20bにより、該分割器におけるデシメータ16a,1
6b夫々の出力である2つの信号CR 及びCR ′に分割
される。即ち、CR は、低周波(LF)デシメーション
路22aに沿って出力される信号であり、CR ′は、オ
ールパス(AP)デシメーション路23aに沿って出力
される信号である。
【0039】色信号CB 及びCR は、4×4信号のY成
分と一緒に第1のDVTR(DVTR1)に供給され、
色信号CB ′及びCR ′は、K成分(信号Y″として送
られる。)と一緒に第2のDVTR(DVTR2)に供
給される。データ分割器のLF路上の信号をろ波する
と、一方のチャンネル(DVTR1へ)にエイリアスの
ない4:2:2ソース(信号源)が与えられ、他方のチ
ャンネル(DVTR2へ)に原データの単なる分割成分
が与えられる。即ち、DVTR1に供給されるY,
B ,CR 信号は、ナイキストの1/2周波数における
ハーフバンド・フィルタ14の応答が−6dBであるの
で、低エイリアス周波数内容をもつ色成分CB及びCR
を有する。したがって、Y,CB ,CR 信号から質のよ
い画像が得られる。Y″,CB ′,CR ′信号の色成分
は単にサブサンプルされた成分であるが、Y″,
B ′,CR ′信号は直接独立して使用しない単なる補
足的信号であるので、その質はここでは余り重要ではな
い。この信号は、2つの4:2:2信号から原4×4信
号を再現したい場合に使用する。この場合、B−Y成分
の完全な復元は、図6に示すような補間段11の補間器
17a,17bに信号CB ,CB′を供給することによ
り、簡単に達せられる。同様に、R−Y成分の完全な復
元も、図6に示すような補間段11の補間器17a,1
7bに信号CR ,CR ′を供給することにより、簡単に
達せられる。
【0040】どんなろ波動作においても、或る程度のエ
ッジ効果があるものである。入力サンプルストリームが
フィルタの複数タップに供給される場合、ろ波された出
力サンプルは、その中央タップに供給された入力サンプ
ルに対応するので、エッジ歪み効果が発生する。したが
って、入力サンプルアレイが有限の場合、該アレイのエ
ッジ(端縁)では、入力サンプルに対応するろ波出力サ
ンプルを生成するためのサンプルが不足する。このため
エッジ歪み効果が発生し、その歪みの程度は、当該フィ
ルタのオーダー(タップの数)に依存する。
【0041】エッジ歪み効果を減らす幾つかの方法があ
るが、本発明の実施例に使用するハーフバンド・フィル
タのような対称的、直線位相サブバンド・フィルタの場
合、エッジ効果は、鏡像(対称)エッジ拡張技法を用い
ることにより解消できると決定された。この技法によれ
ば、ハーフバンド・フィルタに供給されるサンプルアレ
イのエッジにおけるサンプルが、エッジの周りに鏡像の
ように対称的に拡張されて必要な入力サンプルを与え、
アレイのエッジ近くの入力サンプルに対応するろ波(さ
れた)出力サンプルを発生することができる。例えば、
値が0〜max(最大)に及ぶサンプル位置をもつ入力
アレイの場合、鏡像拡張は次のように行われる。 値<0の場合, 値=−値 値>maxの場合, 値=(max* 2)−値
【0042】換言すると、データは、鏡像のようにアド
レス指定される。サイズNのサンプルブロックが与えら
れると、ゼロより小さいサンプルアドレスは、どれも極
性符号が反転され、値Xをもつ(N−1)より大きいサ
ンプルアドレスは、どれも極性符号が反転され、値Xを
もつ(N−1)より大きいサンプルアドレスは、どれも
(2* (N−1)−X)に変更される。例えば、N=2
56で最大アドレスが255の場合、256のアドレス
値は(510−256)=254に変更される。
【0043】図11は、鏡像拡張技法を示す説明図であ
る。中央のブロック30は、与えられたサンプルアレイ
のサンプルの組を表し、これに対応するろ波出力サンプ
ルを発生しようとするものである。この例では、上記サ
ンプルの組を、ピクセル位置0にある左側画像エッジ3
2からピクセル位置(n−1)にある右側画像エッジま
でのnピクセルのラインである、と仮定する。左側画像
エッジ32から右へのピクセル位置1,2,3,‥‥
は、左側画像エッジ32の左へ鏡面反射(36)され
る。右側画像エッジ34から左へのピクセル位置n−
1,n−2,‥‥は、右側画像エッジ34の右へ鏡面反
射(38)される。鏡面反射(対称拡張)されるピクセ
ル位置の数は、該反射に関係するフィルタのタップ数に
依存する。即ち、当該フィルタが全部で(2m+1)の
タップを有する場合、mピクセルが鏡面反射される。
【0044】図12は、図11の鏡像拡張技法を実施す
る装置を示すブロック図である。同図の装置は、別個の
部品を用いてデジタルフィルタ内で鏡像拡張を行うもの
である。例えば、上述のプログレッシブ走査・飛越し変
換に図5のフィルタ装置を使用する場合に行われる垂直
ろ波動作において、1フレームのピクセルに対応する入
力サンプルがランダムアクセスメモリ(RAM)40に
記憶される。RAMアドレス制御器42は、デジタルフ
ィルタ集積回路(IC)44に供給すべきピクセル値を
選択するため、RAMに対する読出し及び書込みアドレ
スを選択的に指定する。この場合、ピクセルのコラム
(縦列)をろ波しようとしているので、鏡像拡張は上下
の画像エッジの周りに行わなければならない。この例で
は、フィルタの遅延素子はライン遅延素子であるから、
記憶されたフレームにおけるピクセル・ラインは、該フ
レームの上下のエッジの周りに鏡像拡張すべきである。
したがって、RAMアドレス制御器42は、ピクセル・
ラインのフィルタへの供給を制御し、鏡像拡張されたピ
クセル・ラインは、フレーム・ブランキング期間に供給
される。RAM40,RAMアドレス制御器42及びデ
ジタルフィルタIC44を含む装置46は、上述の例に
おけるフィルタ14,15のどちらか一方を構成するの
に使用できる。その場合、RAMアドレス制御器42
は、RAM40へのサンプルの書込みと、デジタルフィ
ルタIC44へのサンプルの供給とを制御する。ろ波処
理を時間軸に沿って行う場合、エッジ拡張も、時間軸に
沿って行わなければならない、即ち、遅延素子はフィー
ルド又はフレーム遅延素子でなければならない。
【0045】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
サブバンド符号化システムに用いるサブバンド・フィル
タ装置を、従来のものに比べハードウェアが著しく少な
くて済むように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サブバンド符号化に用いる簡単なフィルタ装置
の例を示すブロック図である。
【図2】サブバンド符号化に用いる多段フィルタ装置の
例を示すブロック図である。
【図3】本発明に用いるハーフバンド・フィルタの代表
的な周波数応答を示す特性図である。
【図4】本発明に用いるハーフバンド・フィルタの時間
応答を示す特性図である。
【図5】本発明サブバンド・フィルタ装置の第1の実施
例を示すブロック図である。
【図6】本発明サブバンド・フィルタ装置の第2の実施
例を示すブロック図である。
【図7】図5のフィルタ装置の完全再現動作を示す説明
図である。
【図8】図5の装置によるビデオ信号のプログレッシブ
走査から飛越しフォーマットの変換を示す説明図であ
る。
【図9】図5の装置によるプログレッシブ走査ビデオ信
号のフレームレートの低減を示す説明図である。
【図10】図6のフィルタ装置の応用例を示すブロック
図である。
【図11】本発明フィルタ装置のエッジ効果を減らすた
めの鏡像拡張技法を示す説明図である。
【図12】図11の鏡像拡張技法を実現する装置の例を
示すブロック図である。
【符号の説明】
10 デシメーション段 11 補間段 (12a,12b),(22a,22b) 低周波路 (13a,13b),(23a,23b) 高周波路 16a,16b デシメータ 18 共通入力 17a,17b 補間器 19 合成手段 14 低域通過ハーフバンド・フィルタ(LPF) 15 高域通過ハーフバンド・フィルタ(HPF) 46 鏡像エッジ拡張手段 40 ランダムアクセスメモリ手段(RAM) 42 アドレス指定手段 44 デジタルフィルタIC

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デシメーション段及び補間段を具え、各
    段から低周波路及び高周波路を有するサブバンド・フィ
    ルタ装置であって、 上記デシメーション段の上記両路は夫々その中にデシメ
    ータを含み、入力信号を受信するための共通入力に接続
    され、 上記補間段の上記両路は夫々その中に補間器を含み、上
    記両路に沿って出力される信号を合成するための手段に
    接続され、 上記デシメーション又は補間段の一方の段の低周波路
    に、奇数のタップをもつ低域通過ハーフバンド・フィル
    タを含み、その段の他方の段の低周波路にオールパス・
    フィルタを含み、 上記デシメーション又は補間段の他方の段の高周波路
    に、相補的高域通過ハーフバンド・フィルタを含み、そ
    の段の他方の段の高周波路にオールパス・フィルタを含
    むサブバンド・フィルタ装置。
  2. 【請求項2】 上記補間段の上記両路に沿って出力され
    る信号を合成する手段は、上記ハーフバンド・フィルタ
    の中央タップに対する係数値に等しい率で、合成された
    信号のレベルを下げるように構成された請求項1の装
    置。
  3. 【請求項3】 上記ハーフバンド・フィルタに供給され
    るサンプル・アレイのエッジにおけるサンプル値を鏡像
    拡張する鏡像エッジ拡張手段を含む請求項1の装置。
  4. 【請求項4】 上記鏡像エッジ拡張手段は、上記ハーフ
    バンド・フィルタに供給されるべきサンプルを記憶する
    ランダムアクセスメモリ手段と、上記フィルタに供給さ
    れるべきサンプルに従って上記メモリ手段を選択的にア
    ドレスするためのアドレス指定手段とを有する請求項3
    の装置。
  5. 【請求項5】 入力信号がnビット・サンプルより成る
    場合、上記ハーフバンド・フィルタを中に含む上記デシ
    メーション段の一方の路に沿って出力される信号は(n
    +1)ビット・サンプルより成り、上記デシメーション
    段の他方の路に沿って出力される信号はnビット・サン
    プルより成る請求項1の装置。
  6. 【請求項6】 請求項1のフィルタ装置を具えたサブバ
    ンド符号化システム。
  7. 【請求項7】 上記補間段に上記低域通過フィルタがあ
    り、上記デシメーション段に上記高域通過フィルタがあ
    る請求項1の装置。
  8. 【請求項8】 請求項7のフィルタ装置を含み、該フィ
    ルタ装置の上記デシメーション段の入力に供給されるプ
    ログレッシブ走査フォーマット・ビデオ信号を処理する
    ためのビデオ信号処理システムであって、 上記ハーフバンド・フィルタの遅延素子は、該フィルタ
    が垂直フィルタとして構成されるようにライン遅延素子
    であり、上記低周波路のデシメータは、それに供給され
    る連続するプログレッシブ走査フレームにおける奇数ピ
    クセル・ライン及び偶数ピクセル・ラインを交互に選択
    するように構成され、上記高周波路のデシメータは、そ
    れに供給される対応する連続フレームにおける偶数ピク
    セル・ライン及び奇数ピクセル・ラインを交互に選択す
    るよう構成され、 それによって使用時に、上記デシメーション段の上記低
    周波路に沿って出力される信号が、上記入力プログレッ
    シブ走査フォーマット信号のフレームレートに等しいフ
    ィールドレートをもつ2:1飛越しフォーマット・ビデ
    オ信号であるビデオ信号処理システム。
  9. 【請求項9】 請求項7のフィルタ装置を含み、該フィ
    ルタ装置の上記デシメーション段の入力に供給されるプ
    ログレッシブ走査フォーマット・ビデオ信号を処理する
    ためのビデオ信号処理システムであって、 上記ハーフバンド・フィルタの遅延素子は、該フィルタ
    が時間的フィルタとして構成されるようにフレーム遅延
    素子であり、上記低周波路のデシメータは、上記プログ
    レッシブ走査信号の1つおきのフレームを選択し、上記
    高周波路のデシメータは、上記低周波路のデシメータに
    よって選択されたフレームに対応するフレームを排除す
    るように構成され、 それによって使用時に、上記デシメーション段の上記低
    周波路に沿って出力される信号が、上記入力信号のフレ
    ームレートの1/2に等しいフレームレートをもつプロ
    グレッシブ走査フォーマット・ビデオ信号であるビデオ
    信号処理システム。
  10. 【請求項10】 上記デシメーション段の上記高周波路
    に沿って出力される信号を、送信するために、上記デシ
    メーション段の上記低周波路に沿って出力される信号の
    中に符号化する手段と、送信された信号を、上記補間段
    の対応路に供給するために、その成分信号に復号する手
    段とを含む請求項8のシステム。
  11. 【請求項11】 上記デシメーション段の上記高周波路
    に沿って出力される信号を、送信するために、上記デシ
    メーション段の上記低周波路に沿って出力される信号の
    中に符号化する手段と、送信された信号を、上記補間数
    の対応路に供給するために、その成分信号に復号する手
    段とを含む請求項9のシステム。
  12. 【請求項12】 プログレッシブ走査フォーマット・ビ
    デオ信号を2:1飛越しフォーマット信号に変換し、あ
    とで該2:1飛越しフォーマット信号を用いて原プログ
    レッシブ走査フォーマット・ビデオ信号を復元する方法
    であって、請求項1のフィルタ装置を用いて行う方法。
  13. 【請求項13】 第1のプログレッシブ走査フォーマッ
    ト・ビデオ信号を、該第1信号のフレームレートの1/
    2に等しいフレームレートをもつ第2のプログレッシブ
    走査フォーマット・ビデオ信号に変換し、あとで該第2
    信号を用いて上記第1信号を復元する方法であって、請
    求項1のフィルタ装置を用いて行う方法。
  14. 【請求項14】 4×4ビデオ信号を第1及び第2の
    4:2:2ビデオ信号に変換し、あとで該第1及び第2
    の4:2:2ビデオ信号から上記4×4ビデオ信号を再
    現する方法であって、各々が請求項1のフィルタ装置で
    ある1対のフィルタ装置を用いて行う方法。
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