JPH06326241A - 電子部品の梱包方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、粘着面を有する保持用テープを用
いて半導体装置等の電子部品を梱包する方法に関し、搬
送時には剥離することなく確実に保持して、搬送後は吸
着ピン等により容易にピックアップできる梱包状態にす
ることを目的とする。 【構成】 所定間隔毎に複数の貫通穴２を有するキャリ
アテープ１と、該キャリアテープ１の長手方向に平行な
両側位置に対応する一対の側片４，４’と該側片４，
４’の間を連結すると共に前記キャリアテープ１の貫通
穴２の部分に対応しその粘着面が前記貫通穴２を介して
前記キャリアテープ１の表面側を向く連結片５を有する
粘着テープ３とからなる保持用テープに対して、前記キ
ャリアテープ１表面の貫通穴２上に電子部品７を搭載し
た後、該電子部品を上方から押さえた状態として、下方
から粘着テープ３の連結片５を押し上げて該連結片５を
前記電子部品７の裏面に接着することにより該電子部品
７を保持する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、粘着面を有する保持用
テープを用いて半導体装置等の電子部品を梱包する方法
に関する。リードの変形等の破損が生じにくい電子部
品、例えばリード数の少ない半導体装置においては、粘
着面を有する薄い保持用テープの表面に所定間隔毎に接
着保持して、この保持用テープをロール状に巻いた状態
とすることにより梱包している。

【０００２】このような保持用テープを用いて梱包する
場合には、コンパクトにするために保護用テープを被せ
ることもなくその保持手段はテープの粘着力のみに頼っ
ていることから、搬送時においては剥離することなく確
実に保持されると共に、搬送後には吸着ピン等により容
易に保持用テープよりピックアップできるものが求めら
れる。

【０００３】

【従来の技術】図５及び図６は、従来の梱包方法を説明
するための図であり、図５は保持用テープの構成を示す
図、図６は保持用テープに電子部品を保持した状態を示
す図である。図５（ａ）は保持用テープの裏面図、図５
（ｂ）は図５（ａ）における線Ａ−Ａ’の断面図を示し
ている。尚、保持用テープはその一部のみをしめしてい
るが、実際には左右方向に長く延びている。

【０００４】従来の梱包に用いていた保持用テープは、
図５（ａ）（ｂ）から明らかなように、紙製のキャリア
テープ１１に等間隔で複数の貫通穴１２が設けられてお
り、この複数の貫通穴１２の中央部を裏面側より塞ぐよ
うに帯状の粘着テープ１３が貼られている。粘着テープ
１３の粘着面は、キャリアテープ１１と接着すると共
に、貫通穴１２の部分では貫通穴１２を介して表面側を
向いた状態となっている。

【０００５】尚、キャリアテープ１１の両側には、電子
部品を接着する際にキャリアテープ１１を移動させるた
めに用いる送り穴１６が形成されている。また、図示し
ないが保持用テープは通常リールに巻かれており、電子
部品接着の際にこれを引き出し、電子部品接着後に再び
リールに巻き取ることにより梱包する。

【０００６】次に保持用テープに電子部品を接着する工
程を図６により説明する。上記のように、リールに巻き
取られている保持用テープを引き出しながら、所定位置
にて電子部品１７をその中央部がキャリアテープ１１の
貫通穴１２の中央部に対応するように搭載する。即ち、
一対のリード端子が貫通穴を挟んで両側に位置する状態
とする。

【０００７】この際、キャリアテープ１１に貼られる粘
着テープ１３は、図５（ｂ）に示されるように貫通穴１
２の部分にて接着面が表面側を向いているが、電子部品
１７の搭載面には露出していない。そこで電子部品１７
の搭載後に、電子部品７を上方より押さえた状態で押上
げピン１８により太矢印で示すように下方より粘着テー
プ１３を押し上げて、電子部品１７の下面と接着させ
る。

【０００８】このように保持用テープに電子部品１７を
保持させた後、再びリールに巻き取って複数の電子部品
を梱包状態とする。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】保持用テープを用いた
電子部品の梱包においては、出荷状態には電子部品が脱
落することなく確実に接着されると共に、搬送後には吸
着ピン等により容易にピックアップできるものが求めら
れる。この脱落とピックアップに関する特性を図７に示
す。

【００１０】図７（ａ）は電子部品の保持力Ｐと保持用
テープの粘着面積の関係を示すグラフであり、点線Ｐ1
がピックアップ限界を、点線Ｐ2 が脱落限界をそれぞれ
示し、その間の領域が実際に使用可能となる実用領域と
なる。グラフ中はごく一般的な材料を用いた普通のテ
ープ、は材料を選択して特に粘着力を強くしたテープ
の特性を示している。

【００１１】図７（ａ）で明らかなように、粘着力を強
くしたテープは、確かに粘着面積が小さくても脱落は
防止できる。しかしながら、粘着力が強いために当然な
がらピックアップは困難となり、結果的には実用領域Ｑ
２が普通のテープを用いた場合の実用領域Ｑ１よりも狭
くなる。以上のことから、テープの粘着力を弱くするほ
ど実用領域が広くなることがわかるが、特に半導体装置
等の小型電子部品の場合には粘着面積を広くするには限
界があるため、実用的な範囲を選択する必要がある。

【００１２】以下、保持力Ｐと粘着面積Ｓに関しては、
テープを最も実用的な保持用テープとして考える。図
６に示すように従来の保持用テープを用いた梱包を行っ
た場合には、粘着テープ１３をキャリアテープ１１の貫
通穴１２の表面側に露出させるために、帯状の粘着テー
プ１３を直接押上げて伸張した状態としている。そのた
め矢印で示すような伸張した粘着テープ１３が戻ろうと
する力が大きく粘着テープ１３自体の長手方向の張力に
よっても保持力が大きく変わることになる。

【００１３】図７（ｂ）は、従来の梱包を行った場合の
保持力Ｐと張力Ｆの関係を示すグラフであり、図７
（ａ）のテープに対応している。尚、粘着面積は実
用領域内における最大の面積としている。従来の梱包方
法では、普通のテープ、粘着力を強くしたテープい
ずれもその粘着テープ自体の張力Ｆが大きくなると急激
に保持力は低下する。

【００１４】すなわち、長尺の粘着テープ１３の張力が
直接加わる部分を伸張した状態として電子部品１７を接
着しているため、伸張された粘着テープ１３が元に戻ろ
うとする力により、粘着面積が少なくなり保持力も弱く
なって脱落の可能性が高くなる。粘着テープ１３の伸張
された部分の元に戻ろうとする力は、時間の経過と共に
増していくため、梱包状態で長時間保管した後に搬送す
るような用途の場合には特に脱落の可能性が高くなる。

【００１５】本発明は、以上のような課題を解決して、
粘着面積を大きくすることなく脱落の防止を実現するこ
とを目的としている。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の電子部品の梱包方法は、所定間隔毎に複数の貫通穴
２を有するキャリアテープ１と、該キャリアテープ１裏
面に貼られ、該キャリアテープ１の長手方向に平行な両
側位置に対応する一対の側片４，４’と該側片４，４’
の間を連結すると共に前記キャリアテープ１の貫通穴２
の部分に対応し、その粘着面が前記貫通穴２を介して前
記キャリアテープ１の表面側を向く連結片５を有する粘
着テープ３とからなる保持用テープに対して、前記キャ
リアテープ１表面の貫通穴２上に電子部品７を搭載した
後、該電子部品７を上方より押さえた状態として、下方
から粘着テープ３の連結片５を押し上げて該連結片５を
前記電子部品７の裏面に接着することにより該電子部品
７を保持することを特徴とする。

【００１７】

【作用】上記の如き本発明によると、粘着テープの電子
部品との接着面に粘着テープ自体の長手方向の張力が直
接加わらないため、張力による電子部品の保持力の低下
は僅かとなり、時間が経過した場合においても保持力の
低下は少ない。そのため搬送中の脱落の可能生は少な
く、長時間保管した後に搬送する場合においても脱落は
起こりにくい。

【００１８】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照しなが
ら、詳細に説明する図１は本発明の梱包に用いる保持用
テープの一実施例を示す裏面斜視図、図２は電子部品を
保持した状態の保持用テープの裏面図及び断面図であ
る。保持用テープは、従来のものと同様、一定間隔毎に
貫通穴２が設けられる紙製のキャリアテープ１の裏面に
粘着テープ３が貼られる構成となっており、本実施例の
粘着テープ３は、一対の側片４，４’と一定間隔毎に両
側片４，４’間を連結する連結片５とからなる略梯子形
状をなしている。

【００１９】この粘着テープ３はキャリアテープ１の裏
面に貼られているが、複数の連結片５がキャリアテープ
１の貫通穴２に対応しており、粘着面が貫通穴２を介し
てキャリアテープ１の表面側を向いている。そして粘着
テープ３の両側片４，４’は、貫通穴２とは関係ないキ
ャリアテープ１の裏面における長手方向に平行な両端部
に接着されている。

【００２０】尚、キャリアテープ１には、粘着テープ３
の両側片４，４’の更に外側に位置する部分に電子部品
搭載時にキャリアテープ１を送るための送り穴６が設け
られている。このような保持用テープに対して半導体装
置等の電子部品を搭載して、粘着テープに接着させる。

【００２１】図２は、電子部品を保持した状態の保持用
テープを示すもので、図２（ａ）は裏面側の平面図、図
２（ｂ）は図２（ａ）のＡ−Ａ’断面図、図２（ｃ）は
図２（ａ）のＢ−Ｂ’断面図である。図１に示す保持用
テープは、図示しないがリールに巻き取られた状態、す
なわちロール状となっており、これを反対側のリールに
より引き出しながら電子部品の搭載を行っていく。

【００２２】まず、所定位置まで引き出された保持用テ
ープのキャリアテープ１表面の貫通穴２に対応する部分
に電子部品７を搭載する。即ち、貫通穴２の中央部と電
子部品７の中央部が対向して電子部品７の一対のリード
端子が貫通穴２を挟んで両側に位置する状態とする。そ
の後、従来技術においても説明したとおり、電子部品７
を上方から押さえておき、下方から押し上げピン（図示
なし）により粘着テープ３の連結片５を伸張させて貫通
穴２内を通過させ表面側に出して、電子部品７の下面に
接着する。

【００２３】電子部品７を接着した後は、順次リールに
巻き取られてロール状となり梱包状態となる。図２
（ａ）は裏面側であるため実際は電子部品７は見えない
が、点線により示している。粘着テープ３の両側片４，
４’の間の連結片５はキャリアテープ１の貫通穴２内に
伸張されている。

【００２４】これは図２（ｂ）（ｃ）で明らかであり、
伸張された粘着テープ３はキャリアテープ１の表面に搭
載される電子部品７の下面に接着して、電子部品７を保
持状態としている。本実施例では、粘着テープ３の長手
方向には一対の側片４，４’を設け、キャリアテープ１
の貫通穴２に対応し電子部品７と接着する部分は、両側
片４，４’間を連結する連結片５を位置させるようにし
ているため、電子部品７との接着部分に粘着テープ自体
の長手方向の張力が直接加わることがないため、その保
持力は強いものとなる。

【００２５】本実施例の保持用テープを用いて梱包した
場合の保持力特性を図３に示す。図３（ａ）は、粘着テ
ープ３の粘着面積Ｓに関する保持力Ｐの特性を示すもの
である。本実施例においても、従来技術で説明したとお
りピックアップ限界Ｐ1 と脱落限界Ｐ2 との関係から最
適の実用領域となるような粘着力を有する粘着テープを
用いている。

【００２６】これに対して図３（ｂ）は、張力Ｆに関す
る保持力Ｐの特性を示すもので、その粘着面積は実用領
域Ｑ３内に設定している。本実施例の粘着テープ３は、
伸張して電子部品７と接着する部分５が、粘着テープ３
の長手方向の張力を直接受ける部分ではないため、保持
力は図３（ｂ）に示すとおり、張力の増加に対しても急
激に減少することはなく、ある程度の張力を有するテー
プであってもピックアップ限界Ｐ1 と脱落限界Ｐ2 との
間の実用領域内となる。

【００２７】従って、電子部品の大きさ等から最適とさ
れる粘着面積としても、その保持力は十分なものとな
り、ある程度の時間経過した後でも、その保持力は持続
しているため、保管後に搬送するような場合でも脱落の
可能性は少ない。図４は、本発明の他の実施例を説明す
るための図であり、電子部品７を搭載した状態の保持用
テープの裏面図、及び断面図を示している。

【００２８】本実施例の梱包に用いる保持用テープは、
前実施例と同様のキャリアテープ１の裏面に、その貫通
穴２の部分に切起こし片９を有する粘着テープ８を貼り
つける。切起こし片９は、キャリアテープ１の貫通穴２
より表面側に露出しており、ここに電子部品７を搭載す
れば、その下面が粘着テープ８に接着する。

【００２９】この保持用テープの粘着テープ８の電子部
品７との接着部は、上記のように切起こした状態である
ため、従来の強制的に伸張させたもののように粘着テー
プ自体の張力を全て受けることはない。少なくとも一端
はフリー状態になっているため、張力は加わらない。そ
の張力と保持力の特性は、略前実施例と同様で図３
（ｂ）に示すような特性となる。

【００３０】

【効果】本発明の電子部品の梱包方法によれば、キャリ
アテープの貫通穴より露出される粘着テープの電子部品
との接着面に、粘着テープ自体の長手方向の張力が直接
加わらない構成となっているため、張力による電子部品
の保持力の低下は僅かであり、一定時間経過後において
も十分な保持力を維持することができる。

【００３１】従って、電子部品の大きさに対応する限ら
れた粘着面積とした場合でも、搬送中の脱落の可能生は
少なく、長時間保管した後に搬送する場合においても脱
落は起こりにくい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の梱包に用いる保持用テープの一実施例
を示す裏面斜視図である。

【図２】本発明の梱包方法を説明するための保持用テー
プへの電子部品の接着状態を示す裏面図、及び断面図で
ある。

【図３】本発明の梱包方法における電子部品の保持力特
性を示すグラフである。

【図４】本発明の他の実施例を説明するための保持用テ
ープの裏面図、及び断面図である。

【図５】従来の梱包方法を説明するための保持用テープ
の裏面図、及び断面図である。

【図６】従来の梱包方法を説明するための保持用テープ
への電子部品の接着状態を示す断面図である。

【図７】従来の梱包方法における電子部品の保持力特性
を示すグラフである。

【符号の説明】

１・・・・・・キャリアテープ ２・・・・・・貫通穴 ３・・・・・・粘着テープ ４・・・・・・側片 ５・・・・・・連結片 ６・・・・・・送り穴 ７・・・・・・電子部品

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定間隔毎に複数の貫通穴（２）を有す
   るキャリアテープ（１）と、 該キャリアテープ（１）裏面に貼られ、該キャリアテー
   プ（１）の長手方向に平行な両側位置に対応する一対の
   側片（４，４’）と該側片（４，４’）の間を連結する
   と共に前記キャリアテープ（１）の貫通穴（２）の部分
   に対応し、その粘着面が前記貫通穴（２）を介して前記
   キャリアテープ（１）の表面側を向く連結片（５）を有
   する粘着テープ（３）とからなる保持用テープに対し
   て、 前記キャリアテープ（１）表面の貫通穴（２）上に電子
   部品（７）を搭載した後、該電子部品（７）を上方より
   押さえた状態として、下方から粘着テープ（３）の連結
   片（５）を押し上げて該連結片（５）を前記電子部品
   （７）の裏面に接着することにより該電子部品（７）を
   保持することを特徴とする電子部品の梱包方法。
2. 【請求項２】 所定間隔毎に複数の貫通穴（２）を有す
   るキャリアテープ（１）と、 該キャリアテープ（１）の裏面に貼られ、該キャリアテ
   ープ（１）の長手方向に平行となる中心線上に前記キャ
   リアテープの貫通穴（２）を塞ぐと共に、前記貫通穴
   （２）に対応する部分には切り起こし片（９）が設けら
   れる粘着テープ（８）と、からなる保持用テープに対し
   て、 前記キャリアテープ（１）表面の貫通穴（２）上に電子
   部品（７）を搭載することにより、前記粘着テープ
   （８）の切り起こし片（９）を前記電子部品（７）の裏
   面に接着して電子部品（７）を保持することを特徴とす
   る電子部品の梱包方法。