JPH06326214A - 多層配線構造及びその形成方法 - Google Patents

多層配線構造及びその形成方法

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JPH06326214A
JPH06326214A JP5114383A JP11438393A JPH06326214A JP H06326214 A JPH06326214 A JP H06326214A JP 5114383 A JP5114383 A JP 5114383A JP 11438393 A JP11438393 A JP 11438393A JP H06326214 A JPH06326214 A JP H06326214A
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wiring
hole
wirings
layer
holes
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JP5114383A
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Mamoru Kondo
衛 近藤
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異なる配線層の第1と第2方向のそれぞれの
配線を接続するスルーホールを分散させることによっ
て、多層配線構造による高密度化を達成した多層配線構
造を提供すると共に、その形成方法を提供するものであ
る。 【構成】 x方向の第1配線層の配線110乃至119
と第3配線層の配線130乃至139と、y方向の第2
配線層の配線220乃至229と第4配線層の配線24
0乃至249を、層間絶縁層等を貫通するスルーホール
310乃至319並びに330乃至339を介して接続
して、ブラインドスルーホールを避けられるようにし、
且つ、スルーホールの直接隣接を避け、任意のスルホー
ルと周囲に隣接するスルホール間に、何れかの配線が1
本以上通るスルーホールパターンとしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集積回路チップや電子
部品等が実装される回路基板、或いは集積回路装置の配
線構造として適用され得る多層配線構造及びその形成方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下、従来の多層配線構造の一例を図に
基づき説明する。図16は、プリント配線板上の多層配
線構造の概要を説明する為の平面図であり、集積回路チ
ップ1乃至3は、互いに信号の送受を行う為の配線で接
続されている。配線10乃至19は、チップ1とチップ
2とを接続し、配線40乃至49はチップ3に接続され
ており、配線20乃至29は、配線10乃至19、配線
40乃至49に略直交した配置となっている。配線10
乃至19及び40乃至49を第1配線層とし、配線20
乃至29を第2配線層とし、これらの配線層は絶縁層を
介して形成され、絶縁層に形成されたスルーホール30
乃至39,50乃至59を通して、第1と第2配線層が
結ばれている。例えば、配線10はスルーホール30を
介して配線20に接続され、配線20はスルーホール5
0を介して配線40に接続され、チップ1乃至3が接続
され、10ビットの信号がチップ1乃至3で送受できる
ようになされている。この一群の信号の数(n=10)
をビット幅という。
【0003】しかし、二層の配線構造では、ビット幅n
が20乃至100或いはそれ以上のビット幅になると、
必要な基板の面積が非常に大きなものとなるので、通
常、二層以上の多層配線構造になされている。図17
は、従来の多層配線構造の概要を模式的に示したもので
あり、横方向の配線層の数iが2、縦方向の配線層の数
jが2の場合の例である。又、この例は、ビット幅nが
20の信号を送受するため、第1と第3配線層及び第2
と第4配線層にそれぞれ分担して信号の送受がなされて
いる。即ち、ビット幅20の配線は、図17(a)に示
す配線110乃至119の第1配線層と、図17(b)
に示す配線130乃至139の第3配線層とに分けら
れ、これらの20本の配線はスルーホール310乃至3
19及び330乃至339を介して、第2配線層の配線
220乃至229及び第4配線層の240乃至249に
それぞれ接続されている。このような第1乃至第4配線
層が層間絶縁層を設けられて順次積層されて多層配線構
造を形成することによって、x方向の配線110乃至1
19及び130乃至139の20ビットの信号をy方向
の配線220乃至229及び240乃至249にそれぞ
れ伝えている。図17(a)と図17(b)に示した配
線構造が重ねられて多層配線構造が形成されている。
【0004】更に、従来の四層の多層配線構造につい
て、図18(a),(b)に基づいて説明する。図18
(a)は、スルーホール310,311の周辺部を示す
切り欠き平面図であり、図18(b)は、図18(a)
のA−A′線に沿った断面図である。同図(a),
(b)に於いて、4はプリント配線板等の基板であり、
その上に第1配線層の配線110,111が形成され、
基板4の裏面に第2配線層の配線220乃至222が形
成される。基板4にはスルーホール310,311が形
成され、その孔の中に導電体を入れることにより、第1
配線層の配線110,111と第2配線層の配線22
0,221がそれぞれ接続される。第2配線層には層間
絶縁膜51が付着され、層間絶縁膜51の裏面に配線1
30の第3配線層が形成され、層間絶縁膜52が付着さ
れている。層間絶縁膜52の裏面には配線240乃至2
42の第4配線層が形成され、更に、層間絶縁膜53が
付着されている。層間絶縁膜52にはスルーホール33
0が形成され、第3配線層の配線130と第4配線層の
配線240が接続されている。
【0005】次に、第1乃至第4の配線層の配線の設計
ルールについて説明する。図18(b)に於いて、Dは
スルーホールの周りのランドと呼ばれる丸い導体部分の
直径を示し、Eはランドと隣接する配線とのすき間の距
離である。図18(a)に示すFはランドとランドの間
のすき間の距離であり、Lは配線の幅、Sは配線間の距
離を示している。これらの寸法は、配線の加工技術向上
させることによって微細化することにより、小さくでき
るが、実際には製造技術の制約から微細化には限界があ
る。このような、製造上の制約から設定された設計条件
を、通常、設計ルールと称しており、設計ルールに則っ
て設計すれば、製造が可能なことが保証される。
【0006】さて、スルーホールの無い部分の配線幅α
1 は、配線間に距離Sが設けられ、最も外側の配線にそ
れぞれS/2の余裕をとるものとすれば、次式のように
表される。 α1 =n/2・(L+S) ……………………(1) 例えば、数値の例として、L、S、Eの値をそれぞれ
0.1mm、Dの値を0.8mm、配線数nを20とする
と、配線幅α1 は(1)式から2.0mmと求められる。
又、スルーホールのある部分では、対角線上でのスルー
ホール310と311の距離の最小値が(D+F)であ
るとすれば、配線幅α2 は次式のように表される。 α2 =[(n/2−1)・1/√2+1](D+F)…
………(2) 但し、最も外側のランドにもそれぞれF/2の余裕を取
るものとする。上記数値を用いると、配線幅α2
(2)式から6. 6mmと求められる。従って、ランドが
形成されることにより、スルーホールのない部分に比べ
3. 3倍の幅が必要となり、高密度化を妨げとなる。
【0007】更に、図18(b)の断面構造から明らか
なように、ブラインドスルーホールがあり、製造工程が
複雑になる。因に、スルーホール310のように穴の底
が貫通していないものをブラインドスルーホールとい
う。この構造では、スルーホール310とスルーホール
330は重なっているので、この2つを一度の製造工程
では形成することは困難であり、スルーホール310を
形成して配線220を作った後に、層間絶縁層51、配
線130、層間絶縁層52の各層を作ってから、スルー
ホール330を形成することになる。そこで、一度の製
造工程でスルーホールを形成するには、図19(a)の
平面図とそのB−B′線に沿った断面図である図19
(b)に示すように、重なった2つのブラインドスルー
ホールをずらすことによって、2つのスルーホール31
0,330は上下の各層をすべて貫通させることがで
き、一度のスルーホールの製造工程で製造ができる。即
ち、第1乃至第4配線層の配線をすべて形成した後、す
べての層を貫通するスルーホールを形成して、その内面
をメッキ等の方法により、縦方向と横方向の配線を導電
体で接続すればよい。しかし、この方法では、配線22
0とスルーホール330を接続させないために、接触し
ないように寸法余裕をとる必要があり、4層の配線層を
使用したとしても2層の配線と配線密度が変わらず、高
密度化は達成することができない。
【0008】次に、従来の半導体集積回路装置に基づ
き、その多層配線構造について図20を参照して説明す
る。図20は、従来の半導体集積回路装置に形成される
バスライン等の多層配線構造の一例を模式的に示した図
である。10ビットのバスラインは配線10乃至19に
よって回路ブロック100と200が接続され、これら
の配線がスルーホール30乃至39を介して配線20乃
至29に接続され、更に、スルーホール50乃至59を
介して配線40乃至49に接続されて回路ブロック30
0に接続されている。配線10乃至19と40乃至49
は第1配線層であり、配線20乃至29は第2配線層で
ある。3つの回路ブロック100乃至300は、信号の
送受をこのバスラインを通して行っている。しかし、バ
スライン上にスルーホールが対角線上に集中しているの
で高密度化を阻害する。
【0009】従って、バスラインのビット幅が大きい場
合は、先に説明したような4層の多層配線構造が考えら
れる。図21は、4層の多層配線構造の断面図を示して
おり、スルーホール310、330の周辺部を示す断面
図であり、400は半導体基板であり、その上に配線1
10が形成されている。層間絶縁層51乃至53によっ
て配線220乃至222,130を挟むように形成さ
れ、更に、層間絶縁層53の上に配線240乃至242
が形成されている。半導体集積回路装置では、D、E、
L、Sの各寸法がプリント配線板より小さく、約1ミク
ロン或いはそれ以下の寸法が使われるが、製造技術上、
スルーホールの直径Dが配線幅L等の数倍になることは
同様である。又、図22はスルーホール310と330
の位置をずらすことによって、スルーホールを一度のエ
ッチング工程等による製造工程でできるようにしたもの
である。図19(b)と略同様な形状であるが、半導体
基板400はスルーホールによって貫通することはな
い。因に、310等をスルーホールと称しているが、金
属配線と導電性を有する半導体を接続するものをコンタ
クトホールと呼び、図19(b)に示すようにプリント
基板等を貫通するものをスルーホールと称し、図21の
ように貫通しないものをブラインドスルーホール又はビ
アホールと称する場合があるが、ブラインドスルーホー
ルを区別して説明する以外、これらを総称してスルーホ
ール又は接続孔と呼ぶことにする。
【0010】図23は、従来の多層配線構造のスルーホ
ールパターンを模式的に示した図であり、配線数nが2
0の場合を示し、四層の配線からなる。このスルーホー
ルパターンは、図17(a),(b)を一つの図に描い
たものであり、それぞれの絶縁層にあるスルーホールの
位置をずらして描いている。同図に於いて、○印はスル
ーホールを示し、実線は第1と第3配線層の配線を示
し、点線は第2と第4配線層の配線を示し、点線と実線
の重なるところは実線で示している。又、○印内の実線
又は点線が交差する部分はスルーホールで接続されるこ
とを示し、接続しない箇所は、配線を○印の上下又は左
右に避けて描いている。同図から明らかなように、横の
配線110乃至119,130乃至139と縦の配線2
20乃至229,240乃至249とが交差する交差領
域には、層間絶縁層を貫通するスルーホールパターン3
10乃至319,330乃至339が対角線上に配列さ
れ、スルーホールパターンが集中している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の多層配線構造
は、横方向の配線が形成された配線層数をiとし縦方向
の配線が形成された配線層数をjとし、i,jは1以上
の整数からなるものであり、このような多層配線構造の
場合、個々のスルーホールの直径は製造上の都合から、
配線の幅より大きく形成されている。先に説明したよう
に、その直径は配線幅のピッチの4倍程度の大きさとし
ている。従って、回路上必要とする線幅に対して配線間
のスペースを多く必要とし、基板全体が大きくなり、高
密度化を阻害する要因となり、製造コストを高価なもの
とする欠点があるとと共に、配線長が長くなり浮遊容量
の発生により、電子回路の性能を悪化させる要因となる
欠点がある。
【0012】更に、斯る多層配線構造は、縦方向の配線
と横方向の配線の交差する交差領域のスルーホールの配
置がその長方形部或いは正方形部(縦と横の配線の数が
等しい)の対角線上に集中した配線構造となっており、
配線数nが少ない場合は、それほど問題とならないが、
交差する配線数(ビット幅)nが多くなればなる程、高
密度化を妨げ、回避しなければならない問題となってい
る。従来は、この問題を解決する為に、配線層の数を多
くすることによって、配線に要する面積の増加を抑えて
いた。しかし、配線層を増すことは製造工程が煩雑にな
る欠点があると共に、製造コストを高価なものとする欠
点があり、従来の多層配線構造の持つ問題点を本質的に
改善するものではない。更に、重要な問題点は、スルー
ホールが対角線上に集中した隣接構造となっており、そ
の部分にストレスが集中的に加わることである。即ち、
回路動作による発熱によって、対角線上に集中したスル
ーホール部に熱膨張等による機械的な応力が発生し易
く、熱ストレスによって配線層に亀裂が発生して、その
配線が断線するおそれがある。
【0013】例えば、64ビットのマイクロプロセサで
は、アドレス・バス及びデータ・バスがそれぞれ64本
あり、合計128本ものビット幅となり、これらの配線
を多層配線構造とし、そのスルーホール部が対角線上に
形成したとすると、高密度化の妨げや、熱ストレスによ
って配線の断線が発生し易くなることは容易に理解され
得るであろう。又、従来の多層配線構造においては、ス
ルーホールを一度の製造工程で形成できるように、ブラ
インドスルーホールを避けるべく、配線層によりブライ
ンドスルーホールをずらしたと仮定すると、基板を貫通
するスルーホールは形成できるが、その結果、隣接する
スルーホール間の寸法余裕を多く取る必要が生じ、高密
度化が達成できない欠点があった。更に、従来の多層配
線構造では、同一層間絶縁層のスルーホールが対角線上
に隣接しており、更に、他の層間絶縁層のスルーホール
もまた対角線上隣接しているので、互いの対角線上に形
成されたスルーホールの接触を回避する為に、スルーホ
ール間の寸法余裕を多く取る必要が生じ、一層高密度化
の妨げとなると共に、熱ストレスによる配線の断線が発
生するおそれが一層増すことになる。無論、他の集積回
路(化合物半導体集積回路又は超電導集積回路)におい
ても同様な多層配線構造となる部分があり、同様な問題
が発生する。
【0014】本発明は、上述のような問題点に鑑みなさ
れたものであって、従来の多層配線構造による高密度化
を阻害する要因を解消することができる多層配線構造及
びその形成方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述のような課題を解決
する為に、本発明の多層配線構造は、各配線層が層間絶
縁層を介して互いの配線が交差するように層状に形成さ
れ、前記各配線層の一つの配線層に形成された第1の方
向の配線のそれぞれを他の配線層の第2の方向の配線
と、前記層間絶縁層を貫くそれぞれ一つずつの接続孔を
通して互いに接続した多層配線構造であって、任意の接
続孔は該接続孔に隣接する、多くとも一つを除く他のす
べての接続孔との間に前記第1と第2の方向の一方の配
線又は両方の配線の1本以上が通る配置としたものであ
る。
【0016】又、本発明の多層配線構造は、各配線層が
層間絶縁層を介して互いの配線が交差するように層状に
形成され、前記各配線層の一つの配線層に形成された第
1の方向の配線のそれぞれを他の配線層の第2の方向の
配線と、前記層間絶縁層を貫くそれぞれ一つずつの接続
孔を通して、互いに接続した多層配線構造であって、前
記第1と第2方向のそれぞれの配線が1本以上で形成さ
れる複数の配線束を形成し、各配線束の接続孔が集まり
接続孔塊を形成し、任意の接続孔塊は該接続孔塊に隣接
する、多くとも一つを除く他のすべての接続孔塊との間
に前記第1と第2の方向の一方の配線束又は両方の配線
束の1本以上が通る配置としたものである。又、本発明
の多層配線構造は、長方形に配置した格子点の各行にp
個ずつの選択格子点を配置し同時に各列にq個ずつの選
択格子点を配置すると共に、前記選択格子点の任意の選
択格子点に隣接する格子点に選択格子点を配置しないよ
うにした長方形格子図形の中からn個の選択格子点を選
択して、接続孔または接続孔塊を配置し、前記接続孔ま
たは接続孔塊により、1方向のp配線層の1本の配線又
は配線束と、他の方向のq配線層の1本の配線又は配線
束とを接続したものである。更に、本発明の多層配線構
造は、第1と第2の方向の配線のそれぞれの配線を対角
線配置以外の分散したスルーホールパターンで接続する
と共に、前記第1方向の配線を更に他の複数の配線とを
前記スルーホールパターンと同一又は裏返しのスルーホ
ールパターンで接続するものである。
【0017】又、本発明の多層配線構造の形成方法は、
長方形に配置した格子点の各行にp個ずつの選択格子点
を配置し同時に各列にq個ずつの選択格子点を配置する
と共に、前記選択格子点の任意の選択格子点に隣接する
格子点に選択格子点を配置しないようにした長方形格子
図形の中から、n個の選択格子点を選択したスルーホー
ルパターンにより接続孔または接続孔を形成し、前記接
続孔または接続孔塊により、1方向のp配線層の1本の
配線又は配線束と、他の方向のq配線層の1本の配線又
は配線束とを接続して配線を形成するものである。更に
又、本発明の多層配線構造の形成方法は、長方形格子図
形を得る為に、a,b,c,d,e,fを一定の整数と
し、a,b,c,dは零でないものとし、a,cは1以
外の公約数を持たないものとし、b,dも1以外の公約
数を持たないものとし、周期TをT=ad−bcとし
て、一方の辺の長さがpT、他方の辺の長さがqTの長
方形格子に配置される選択格子点を、u,vを任意の整
数として、X、Y座標が X=au+bv+e, Y=bu+dv+f の関係となる長方形格子図形を用いて設定し、上記X,
Y座標によって設定される選択格子点に接続孔を配置す
るものである。
【0018】又、本発明の多層配線構造の形成方法は、
長方形に配置した格子点の各行にp個ずつの選択格子点
を配置し同時に各列にq個ずつの選択格子点を配置する
と共に、前記選択格子点の任意の選択格子点に隣接する
格子点に選択格子点を配置しないようにした第1の長方
形格子図形を形成する第1の形成手段と、前記第1の長
方形格子図形から1個以上の選択格子点を除去すると共
にそれに対応する行と列を削除し、且つ任意の選択格子
点に隣接した選択格子点を配置しないようになされた第
2の長方形格子図形を形成する第2の形成手段と、前記
第2の長方形格子図形の各選択格子点に接続孔又は接続
孔塊を配置し、この選択格子点に対応する行方向の線を
第1方向の配線又は配線束の一つに対応させ、列方向の
線を第2方向の配線又は配線束の一つに対応させる第3
の形成手段と、からなるものである。
【0019】
【作用】本発明の多層配線構造は、各配線層が層間絶縁
層を介して互いの配線が交差するように層状に形成さ
れ、層間絶縁層に形成されたスルーホールによって、異
なる配線層の第1と第2の方向の配線が接続されてお
り、そのスルーホールが交差領域の対角線上のみに集中
して形成されることなく、分散して形成されることによ
って、配線層の集積密度を高めて、同一基板に多くの回
路を集積するようになされたものであり、スルーホール
が対角線上に集中することによるその部分の熱或いは機
械的ストレスによるひび割れの発生を防止し、配線長の
短縮による浮遊容量の低減を図るものである。又、スル
ーホールパターンが同一又は裏返しのものを用いること
によって、複数の集積回路チップの端子又は回路ブロッ
クの接続点を正しい順序で接続するものである。又、本
発明の多層配線構造によればブラインドスルーホールを
避けた高密度配線が可能になる。
【0020】更に、本発明の多層配線構造の形成方法
は、長方形格子図形を利用して接続孔が形成される選択
格子点を配置するものと、長方形格子図形を算術処理に
よって発生させるものとがあり、配線とスルーホールの
接続順と配置関係を定め、スルーホールの3個以上連続
した隣接を避け、スルーホールを長方形格子図形全体に
分散させる効率のよい配置ができる。特に、後者は、長
方形格子図形を発生するのに簡単な整数計算で形成さ
れ、この図形をスルーホールパターンとするので、効率
よく形成できる。又、本発明の多層配線構造の他の形成
方法は、先に説明した選択格子点が隣接しない配置とし
た長方形格子図形を得る為に、上記X,Y座標による長
方形格子図形の中から1個以上の選択格子点を除去し、
それに対応する行と列を削除してできる、隣接する格子
点に選択格子点を配置しない図形を求め、これを用いて
スルーホールパターンを形成するものである。
【0021】
【実施例】以下、本発明の多層配線構造及びその形成方
法について図に基づき説明する。 実施例1 図1は、本発明に係る多層配線構造の一実施例を模式的
に示しており、図23の模式図と同じルールで図示され
ており、○印内の実線又は点線が交差する部分はスルー
ホールで接続される配線を示している。図1の実施例
は、配線数nが20本(n=20)の場合の例であり、
第1乃至第4配線層がそれぞれ10本の配線を分担し、
第1配線層と第3配線層の各配線が第2配線層と第4配
線層の各配線に対して直交するように配置されている。
この縦と横のそれぞれの配線が交わる部分を交差領域A
と称する。第1配線層の配線110乃至119と第3配
線層の配線130乃至139が横方向に走る2層(i=
2)の配線層からなり、第2配線層の配線220乃至2
29と第4配線層の配線240乃至249が縦方向に走
る2層(j=2)の配線層からなり、第1乃至第4配線
層が層状に形成されている。第1配線層の配線110乃
至119は、プリント配線板等の基板(層間絶縁層)に
形成されるスルーホール310乃至319を経由し、第
2配線層の配線220乃至229に接続されている。第
3配線層の配線130乃至139は層間絶縁層に形成さ
れるスルーホール330乃至339を経由し、第4配線
層の配線240乃至249に接続されている。
【0022】例えば、スルーホール310では実線で示
した横と縦の配線110と221が交差しており、これ
は配線110と221はスルーホール310で接続され
ていることを示している。又、点線で示した横と縦の配
線130と241はスルーホール310では接続されて
いない。配線130はスルーホール310を表す○印の
上側に避けて通るように配線され、縦の点線で示した配
線241は左側に避けて配線されている。無論、避けた
部分で縦横の点線が重なっている部分は、配線層が異な
るので接触することはない。又、スルーホール330で
は点線で示した配線130と246は交差しており、こ
れはスルーホール330で配線130と246が接続さ
れていることを示している。配線110と226はスル
ーホール330では接続されおらず、配線110はスル
ーホール330を表す○印の下側に避け、配線226は
右側に避けて配線されている。他の配線も同様な規則で
表示されており、それらの配線構造については説明は省
略する。
【0023】斯る多層配線構造では、スルーホールの配
置が交差領域A(長方形或いは正方形)の対角線上に集
中することなく、交差領域Aに分散するように形成され
ている。即ち、図1に示したパターンの特徴は、スルー
ホールの配置を対角線上のみに集中して配置されるのを
避け、スルーホールの配置を交差領域Aに広く均等に分
散させることで交差領域Aの高密度化と配線長の短縮を
図っている。最も近接するスルーホール310,332
の間には、配線131と111が通っており、スルーホ
ールの直接隣接を避ける配線構造となっている。すべて
のスルーホールは相互に重ならない位置にあるので、ブ
ラインドスルーホールを避けることができる。
【0024】図2(a),(b)及び図3(a),
(b)は、図1の多層配線構造の第1乃至第4配線層の
配線構造を分解して示した平面図であり、図4は図2,
図3のA−A’線に沿った断面図を示している。尚、配
線及びスルーホールは図1の記号と同一符号が付与され
ている。スルーホール310に基づいて説明すると、第
1配線層である図2(a)の配線110は、第2配線層
である図2(b)の配線221と基板4を貫通するスル
ーホール310で接続されている。図3(a)の第3配
線層及び図3(b)の第4配線層にも層間絶縁層52
3 を貫通するスルーホール310が形成されている。
しかし、それらの層の配線はスルーホール310を迂回
するように形成され、配線130とは接続されていな
い。図4に示すようにスルーホール310は層間絶縁層
等の全層を貫通しており、第1配線層の配線110と第
2配線層の配線221が接続され、第3と第4配線層の
配線とは接続されていない。
【0025】次に、本発明に係る多層配線構造の形成方
法について、設計手順に従って説明する。図5乃至図1
0は設計手順を説明する為の図であり、図4に示したよ
うに、Hはランドを除くスルーホールの直径、Fは隣接
する配線との隙間の寸法、Lは配線幅、Dはランドを含
めた直径、Sは配線間の距離をそれぞれ示している。図
5では、図1の縦横の配線の交点に対応する部分を格子
点と称し、これらの格子点の内、スルーホールの位置に
相当する格子点を選択格子点と呼ぶこととし、図1と同
一部分に同一符号を付与した。選択格子点の位置に大円
を配置し、その他の配線上の位置に小円を配置した。大
円の直径は(H+L+2F)と(D+S)の内の大きい
方の値とする。数値例としては、H=0.5mm、F=
0.1mm、L=S=0.1mm、D=0.8mmとすると、
(H+L+2F)は0.8mmとなり、(D+S)は0.
9mmとなる。従って、大円の直径は0.9mmとなり、小
円の直径はL+S=0.2mmとなる。この計算結果か
ら、これらの円が重ならなければ設計ルールの寸法が確
保できるので多層配線構造の製造が可能であると判断さ
れる。
【0026】Hは単にスルーホールの直径ではなく、製
作誤差の余裕を含んだ設計ルール上の値である。図5の
配置は縦横の配線が直線になっているが、これを曲線に
すれば更に高密度化できる。これを示した図が図6であ
る。ただし、配線を余り大きく曲げると配線が長くなっ
て浮遊容量が大きくなり、伝送特性が悪化する要因とな
るので、伝送特性を考慮して適切な長さに設定する。
【0027】次に、図6のパターンに於いて、図1のス
ルーホール310乃至319に該当する選択格子点に図
7(a)の図形を入れ、スルーホール330乃至339
に該当する格子点に図7(b)の図形をはめ込むと図7
(d)のパターンができる。図7(a)は配線の接続が
行われるスルーホールを表す図形である。図7(b)は
その層では配線の接続が行われないスルーホールを示
し、小円によって配線がスルーホールを避けて通る道を
示しており、直径(H+F)の円1個と直径(L+S)
の小円3個を組み合わせた図形である。図7(d)に示
すように配線を表す小円を縦横の線でつなぐと、図8
(a)に示す第1配線層と図8(b)に示す第2配線層
の配線経路を決定することができる。図1のスルーホー
ル330乃至339に該当する選択格子点に図7(a)
の図形を入れ、スルーホール310乃至319に該当す
る選択格子点に図7(c)の図形を入れる。図7(c)
は図7(b)を180°回転した図形である。これによ
り、それぞれ図9(a)、(b)に示される第3配線層
と第4配線層の配線経路を決定することができる。第1
と第2配線層と第3と第4配線層のスルーホールパター
ンは、合同な図形であり、配線の位置が少しずれたとし
ても、貫通したスルーホールが他の配線に接触すること
がない。
【0028】次に、図10は図1の選択格子点(スルー
ホール)の配置を定める方法を説明する図である。xy
平面上に於けるxy座標が整数の点を格子点とし、スル
ーホールが形成される点を選択格子点とし、任意のxy
座標に対して新たなXY座標を設定して選択格子点を設
定するものである。3点の座標を設定する場合には、
a、b、c、d、e、fの6個の整数を適当に定めるこ
とによって、一つのスルーホールパターンがを設定する
ことができる。一例とし、先ず、(e,f)=(1,
2)として第1の座標点S0 を設定し、これを一つの選
択格子点とする。次に、座標点S0 を原点として、座標
点S0 に隣接しないように、(a,b)=(2,1)を
定め、座標点S0 にベクトル(a,b)を加えた座標点
1 を設定し、座標点S1 を第2の選択格子点とする。
次に、座標点S0 ,S1 に隣接しない座標点とし、
(c,d)=(1,3)と定める。座標点S0 にベクト
ル(c,d)を加えた座標点をS2 として選択格子点と
する。このようにして選択格子点となる座標点S0 ,S
1 ,S2 を設定する。座標点S0 に2つのベクトルを整
数回加えた点のx,y座標は、次式のように求められ
る。 x=au+cv+e …………………(3) y=bu+dv+f …………………(4) 但し、u、vは任意の整数であり、a、b、c、dは0
でないものとし、aとcは互いに素であり、bとdは互
いに素とする。
【0029】(3)式と(4)式から求められる点を選
択格子点とする。すると、この図形は、次式で表される
ような周期Tで配置される。
【0030】
【数1】
【0031】(5)式で求まる数値を周期として、同じ
パターンが縦横に繰り返され、スルーホールパターンが
形成される。図10の点線で囲んだx軸の1乃至5、y
軸の1乃至5の部分が基本パターンであり、この基本パ
ターンが繰り返されてマトリックス状に配列されてスル
ーホールパターンが形成されている。基本周期を横にp
回繰り返し、縦にq回繰り返すと、pT×qTの長方形
格子図形ができる。この図形はすべての行にp個の選択
格子点があり、すべての列にq個の選択格子点があり、
どの選択格子点も縦または横に直接隣接しない性質を有
する。尚、選択格子点と隣接する選択格子点の間に選択
格子点以外の格子点がない場合は、選択格子点と他の選
択格子点が直接隣接するという。
【0032】この性質を有する長方形格子の選択格子点
にスルーホールを適当に割り当てられている。この例で
は、uが奇数の選択格子点にスルーホール310乃至3
19を割当て、uが偶数の選択格子点にスルーホール3
30乃至339を割り当てたものである。又、この例で
は、配線数n=20が選択格子点の数と等しかったが、
もし配線数nが選択格子点の数20より小さい時は、配
線数nに応じた必要な範囲の選択格子点を任意に選んで
スルーホールを割り当てればよいことは当然である。無
論、隣接が生じないように不要な選択格子点と配線を除
去することにより、若干の高密度化が図れる。
【0033】実施例2 図11は、本発明に係る多層配線構造の他の実施例を示
す図である。配線数はn=8であり、縦、横共に2配線
層(i=j=2)とした。スルーホールパターンの基本
パターンを決める定数は、(a,b)=(1,1)、
(c,d)=(ー1,1)、(e,f)=(1,2)、
T=ad−bc=2 である。図11(a)はスルーホ
ールパターンと配線の接続関係を示している。uが奇数
の選択格子点を第1と第2配線層の接続に使い、vが偶
数のものを第3と第4配線層の接続に用いた。図11
(b)は配線を接続するスルーホールを示す図形であ
り、図11(c)は第1と第2配線層において接続の行
われないスルーホールを示す図形であり、配線がスルー
ホールを避けて通る道を確保するために、直径(H+
L)の大円と直径(L+F)の小円3個を組み合わせた
ものである。図11(d)の図形は図11(c)の図形
を180°回転した図形であり、第3と第4配線層に於
ける配線と接続されないスルーホールに使うものであ
る。
【0034】図11(e)は、図11(b),(c)及
び配線上の直径(L+S)の小円を各格子点に配置し、
各円が重ならない範囲で高密度化した図である。図11
(f)は、図11(e)のパターンから第1配線層の配
線110乃至113と第2配線層の配線220乃至22
3の配線経路を定めた図であり、図11(g)は、同様
にして、スルーホールの位置は変えずに、図11
(b),(d)の図形を配置して、第3配線層の配線1
30乃至133と第4配線層の配線240乃至243の
配線経路を定めたものである。
【0035】図11(e)から明らかなように、スルー
ホール330と311、331と312、332と31
3がそれぞれ直接隣接している。これは、接続しないス
ルーホールを配線が避ける時に、311乃至313では
右側及び下側に避け、330乃至332では左側に避け
たためであるが、反対側に避けるよりも結果としては高
密度化されている。本発明の方法による選択格子点にス
ルーホールを配置したことにより、スルーホールは交差
領域Aに均等に分散されており、対角線上のみには集中
しておらず、この実施例の場合、3個以上の連続したス
ルーホールの直接隣接は避けられている。このように交
差領域Aにスルーホールを分散させたスルーホールパタ
ーンにおいても、本発明の課題である交差領域Aの高密
度化や熱ストレスによる配線層の亀裂の発生を回避する
ことができる。
【0036】実施例3 図12は、本発明の多層配線構造の他の実施例を示す平
面図である。同図に於いて、チップ1と2の信号の送受
は、配線110乃至113,130乃至133からなる
第1横方向バスと配線220乃至223,240乃至2
43からなる縦方向バスと配線410乃至413,43
0乃至433からなる第2横方向バスを経由して行われ
る。第1横方向バスは第1配線層の配線110乃至11
3と第3配線層の配線130乃至133からなり、縦方
向バスは第2配線層の配線220乃至223と第4配線
層の配線240乃至243からなり、第2横方向バスは
第1配線層の配線410乃至413と第3配線層の配線
430乃至433からなる。第1横方向バスと縦方向バ
スの接続はスルーホール310乃至313,330乃至
333により行われ、第2横方向バスと縦方向バスの接
続はスルーホール510乃至513,530乃至533
により行われる。第3横方向バスと縦方向バスの接続は
3310乃至3313,3330乃至3333によって
行われる。3つの交差領域A1 乃至A3 が形成され、交
差領域A1 と交差領域A3 のスルーホールパターンは等
しく、これらのスルーホールパターンに対して交差領域
2 のスルーホールパターンは、反転したパターンとな
っている。
【0037】チップ3の端子B0乃至B7は、チップ
1,2の端子配列に対して反転した配列となっており、
それに対応すべく、交差領域A2 のスルーホールパター
ンは、交差領域A1 のスルーホールパターンに対して反
転したパターンとなっている。更に、交差領域A3 のス
ルーホールパターンを交差領域A1 と同じパターンとす
ることにより、チップ3はチップ1,2に対応する端子
配列による接続が可能である。チップ1乃至3の端子B
0乃至B7を互いに共通接続することができる。これら
の交差領域A1 乃至A3 のスルーホールパターンでは、
接続の行われない配線をスルーホールを避けるように配
線すればよく、上下左右のどちら側に避けても接続関係
は影響ないので、交差領域A1 乃至A3 のスルーホール
パターンは、接続関係が同じもの又は裏返しのパターン
を用いている。
【0038】実施例4 図13及び図14は、本発明の多層配線構造の他の実施
例を示すスルーホールパターンである。図13(a)は
多層配線構造を模式的に示している。図13(b)はス
ルーホールパターンと配線との関係を示す図であり、ス
ルーホール310を例として説明すると、スルーホール
310に接続される配線110,220とスルーホール
310を配線134、152、240が避ける経路を示
している。この実施例ではスルーホールを避ける経路
は、すべて右側及び下側へ避けるようになされている。
図13(c)は設計ルールを守るため円が重ならない範
囲で高密度化した図を示している。図14(a),
(b),(c)は多層配線構造を各配線層に分離して説
明する為の平面図である。この実施例では、配線数(ビ
ット幅n=12),横方向層数(p=3),縦方向層数
(q=2)とした第1乃至第5配線層からなる5層の多
層配線構造である。第1配線層には横方向の配線110
乃至113が形成され、第3配線層には配線130乃至
135(132、133は欠番)が形成され、第5配線
層には配線152乃至155が形成される。又、第2配
線層には縦方向の配線221乃至224が形成され、第
4配線層には配線241乃至244が形成される。無
論、配線層の順列は実施例に限定するものではない。
【0039】次に、図14(a),(b),(c)のス
ルーホールパターンに基づいて接続関係について説明す
る。図14(a)のスルーホールパターンに示すよう
に、第1配線層の配線110は、スルーホール310を
介して縦方向の第2配線層の配線220に接続されてお
り、同様にスルーホール311,313が第1と第2配
線層の配線を接続している。スルーホールで配線が交差
している部分が配線接続部であり、他のスルーホールは
この層では接続されていない。又、図14(b)のスル
ーホールパターンでは、第3配線層の配線134が、ス
ルーホール334を介して縦方向の第4配線層の配線2
24に接続されている。スルーホール331,331,
335がこの層の配線接続を行っている。同様に、図1
4(b)のスルーホールパターンでは、第5配線層の配
線152が、スルーホール352を介して第4配線層の
配線242に接続されている。スルーホール353,3
54,355がこの層の配線接続を行っている。次に、
図13の選択格子点を決める為の定数について説明する
と、上記の実施例と同様に、a,b,,c,d,e,f
の値を定めて、三つの座標点を設定して選択格子点を決
定する。実施例では、(a,b)=(1,1)、(c,
d)=(−1,1)、(e,f)=(1,1)と定める
と、図13のスルーホールパターンが設定される。その
周期Tは、T=ad−bc=2と求められる。
【0040】無論、上記実施例では、図11(a)に示
した実施例のようにスルーホールは均等に交差領域に分
散している。最も近接した選択格子点の間、例えば、ス
ルーホール310と331の間では、図11(f),
(g)のスルーホールパターンから明らかなように、同
一絶縁層にそれぞれ一本の配線111,221,13
0,240が通っている。スルーホール330に対して
間に他の配線が通らないで隣接するスルーホールはスル
ーホール311の一つである。この実施例では、どのス
ルーホールでも、間に他の配線が通らないで隣接するス
ルーホールは多くともただ一つである。尚、この実施例
と図12の実施例を除く他の実施例では、スルホール間
に他の配線が通っている。この実施例のように、一部が
直接隣接するものであっても、スルーホールの集中を避
けることができるので、高密度化を図ることができると
共に熱ストレスによる配線の断線を防止することができ
る。
【0041】無論、図15のスルーホールパターンで示
すように、スルーホールが上述のような分散型のスルー
ホールパターンに限定することなく、図15に示すよう
な部分的にスルーホールが集中するスルーホール塊を分
散させるように形成したスルーホールパターンであって
もよい。図15(a)は、スルーホール塊が分散して形
成されており、配線束X1 乃至X4 と配線束Y1 乃至Y
4 が交差する部分にスルーホール塊形成されている。
又、図15(b)に示すように、スルーホールが集まる
スルーホール塊の大きさに差異があったとしても、スル
ーホール塊が分散していれば、スルーホールの集中が避
けられるので、縦と横の配線が交差する交差領域の高密
度化を図ることができると共に熱ストレスによる配線の
断線を防止することができる。
【0042】
【発明の効果】上述のように、本発明の多層配線構造及
びその形成方法は、2つ以上の集積回路チップを多層配
線で接続する際、ブラインドスルーホールを避け、スル
ーホールが対角線上に集中することなく、2つの方向の
配線を接続するスルーホールの配置或いはスルーホール
塊の配置を分散させることによって、配線層の高密度化
を達成したものである。従って、その空いた部分に他の
回路を集積することができるので、高密度に回路を集積
することができる利点があり、生産性が向上する効果を
奏するものである。
【0043】又、多層配線層の配線密度が高密度化され
るので、配線の長さが短くなり、浮遊容量等が減少し、
信号の遅延時間が小さくなり、動作速度が向上するの
で、バスライン等に極めて効果的である。又、スルーホ
ールの配置を分散させることによって、スルーホールの
集中を避けることにより、その部分に発生する熱ストレ
ス等の分散が図れるので、多層配線層や基板にひび割れ
が生じて配線が断線するのを防止することができ、信頼
性の高い多層配線構造とすることができる効果を奏す
る。特に、半導体集積回路装置の内部回路の多相配線構
造においては、スルーホールを分散することによって、
基板表面が平坦化されるので、露光工程やパターニング
工程においても精度を向上させる効果を奏するものであ
る。又、スルーホールパターンは同一のものと、反転し
た端子配列の集積回路チップ又は回路ブロックの場合
は、スルーホールパターンも反転した裏返しのものを用
いることによって、各集積回路チップ又は回路ブロック
の端子配列の順序を乱すことなく接続することができる
ので、基板やチップの回路設計及び製作に極めて効果的
である。
【0044】更に、本発明の多層配線構造の形成方法
は、交差領域の長方形格子図形によるスルーホールパタ
ーンの形成方法と、長方形格子図形の演算処理等によっ
てスルーホールパターンを形成する形成方法とがあり、
前者は、配線の交差部が可能な限り小さくなるように、
スルーホールと配線の位置をずらすことによって容易に
高密度化を図ることができる。又、後者によれば、スル
ーホールパターンを簡単な整数計算で長方形格子図形を
形成して作成することができるものである。従って、コ
ンピュータに設計ルールを記憶させて、設計条件を入力
することによって最適なスルーホールパターンを制作す
ることが可能であり、集積密度を高める為に極めて効果
的な多層配線構造の形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線構造の一実施例を模式的に示
した図である。
【図2】(a),(b)は本発明の多層配線構造の第1
と第2配線層を分解して示した平面図である。
【図3】(a),(b)は本発明の多層配線構造の第3
と第4配線層を分解して示した平面図である。
【図4】図2と図3のA−A′線に沿った断面図であ
る。
【図5】図1の多層配線構造の設計方法を説明する為の
図である。
【図6】図1の多層配線構造の設計方法を説明する為の
図であり、配線を曲げて高密度化したスルーホールパタ
ーンを示す図である。
【図7】(a)はスルーホールを示す図形、(b)はそ
の層では配線を接続しないスルーホールの図形、(c)
は(b)の図形を180°回転した図形、(d)は第1
と第2配線層のスルーホールパターンを示す図である。
【図8】(a)は第1配線層のスルーホールパターンを
示す図、(b)は第1配線層のスルーホールパターンを
示す図である。
【図9】(a)は第3配線層のスルーホールパターンを
示す図、(b)は第4配線層のスルーホールパターンを
示す図である。
【図10】スルーホールが配置される選択格子点を決定
する設計方法を説明する図である。
【図11】(a)は本発明の多層配線構造の他の実施例
を説明する為のスルーホールパターンを示し図、(b)
は配線が接続されるスルーホールを示す図形、(c),
(d)は配線されないスルーホールを示す図形、(e)
はスルーホールパターンの高密度化を図った図、(f)
は第1、第2配線層のスルーホールパターンを示す図、
(g)は第3、第4配線層のスルーホールパターンを示
す図である。
【図12】本発明の多層配線構造の他の実施例を示す平
面図である。
【図13】(a)は本発明に係る多層配線構造の他の実
施例のスルーホールパターンを示す模式図、(b)は選
択格子点に配置するパターン、(c)は配線を高密度化
したスルーホールパターンを示す図である。
【図14】(a)は第1と第2配線層のスルーホールパ
ターンを示す図、(b)は第3配線層のスルーホールパ
ターンを示す図、(c)は第4と第5配線層のスルーホ
ールパターンを示す図である。
【図15】(a),(b)は本発明に係る多層配線構造
の他の実施例をスルーホールパターンの示す図である。
【図16】従来の多層配線構造の一例を模式的に示す図
である。
【図17】(a)は従来の多層配線構造の第1と第2配
線層のスルーホールパターンを模式的に示す図、(b)
は従来の多層配線構造の第3と第4配線層のスルーホー
ルパターンを模式的に示す図である。
【図18】(a)は第1と第2配線層を示す切欠き平面
図、(b)は第1乃至第4配線層を示す断面図である。
【図19】(a)は従来の多層配線構造の一例を示す一
部切り欠き平面図、(b)はそのB−B′線に沿った断
面図である。
【図20】従来の半導体集積回路に於ける多層配線構造
の一例を示す平面図である。
【図21】従来の半導体集積回路に於ける多層配線構造
の一例を示す断面図である。
【図22】従来の半導体集積回路に於ける多層配線の一
例を示す断面図である。
【図23】従来の多層配線構造のスルーホールパターン
を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1〜3 集積回路チップ 4 基板 110〜139,152〜155,221〜224,2
40〜249 配線 310〜319,330〜339 スルーホール A,A1 〜A3 交差領域 51 〜53 層間絶縁層 X1 〜X4 行方向の配線束 Y1 〜Y4 列方向の配線束
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/46 Z 6921−4E

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各配線層が層間絶縁層を介して互いの配
    線が交差するように層状に形成され、前記各配線層の一
    つの配線層に形成された第1の方向の配線のそれぞれを
    他の配線層の第2の方向の配線と、前記層間絶縁層を貫
    くそれぞれ一つずつの接続孔を通して互いに接続した多
    層配線構造であって、任意の接続孔は該接続孔に隣接す
    る、多くとも一つを除く他のすべての接続孔との間に前
    記第1と第2の方向の一方の配線又は両方の配線の1本
    以上が通る配置としたことを特徴とする多層配線構造。
  2. 【請求項2】 各配線層が層間絶縁層を介して互いの配
    線が交差するように層状に形成され、前記各配線層の一
    つの配線層に形成された第1の方向の配線のそれぞれを
    他の配線層の第2の方向の配線と、前記層間絶縁層を貫
    くそれぞれ一つずつの接続孔を通して、互いに接続した
    多層配線構造であって、前記第1と第2方向のそれぞれ
    の配線が1本以上で形成される複数の配線束を形成し、
    各配線束の接続孔が集まり接続孔塊を形成し、任意の接
    続孔塊は該接続孔塊に隣接する、多くとも一つを除く他
    のすべての接続孔塊との間に前記第1と第2の方向の一
    方の配線束又は両方の配線束の1本以上が通る配置とし
    たことを特徴とする多層配線構造。
  3. 【請求項3】 長方形に配置した格子点の各行にp個ず
    つの選択格子点を配置し同時に各列にq個ずつの選択格
    子点を配置すると共に、前記選択格子点の任意の選択格
    子点に隣接する格子点に選択格子点を配置しないように
    した長方形格子図形から、n個の選択格子点を選択して
    スルーホールまたはスルーホール塊を配置し、前記接続
    孔または接続孔塊の各々により1方向のp層配線の1本
    の配線又は配線束と、他の方向のq層配線の1本の配線
    又は配線束とを接続したことを特徴とする多層配線構
    造。
  4. 【請求項4】 第1と第2の方向の配線のそれぞれの配
    線を対角線配置以外の分散したスルーホールパターンで
    接続すると共に、前記第1方向の配線を更に他の複数の
    配線とを前記スルーホールパターンと同一又は裏返しの
    スルーホールパターンで接続することを特徴とする多層
    配線構造。
  5. 【請求項5】 長方形に配置した格子点の各行にp個ず
    つの選択格子点を配置し同時に各列にq個ずつの選択格
    子点を配置すると共に、前記選択格子点の任意の選択格
    子点に隣接する格子点に選択格子点を配置しないように
    した長方形格子図形から、n個の選択格子点を選択した
    スルーホールパターンにより接続孔または接続孔塊を形
    成し、前記長方形正方格子図形の各行を1方向のp層配
    線の1本の配線又は配線束とし、各列を他の方向のq層
    配線の1本の配線又は配線束として配線を形成すること
    を特徴とする多層配線構造の形成方法。
  6. 【請求項6】 多層配線構造の形成方法に於いて、a,
    b,c,d,e,fを一定の整数とし、a,b,c,d
    は零でないものとし、a,cは1以外の公約数を持たな
    いものとし、b,dも1以外の公約数を持たないものと
    し、周期TをT=ad−bcとして、一方の辺の長さが
    pT、他方の辺の長さがqTの長方形格子に配置される
    選択格子点を、u,vを任意の整数として、X、Y座標
    が X=au+bv+e, Y=bu+dv+f の関係となる長方形格子図形を用いて設定し、上記X,
    Y座標によって設定される選択格子点に接続孔または接
    続孔塊を配置することを特徴とする多層配線構造の形成
    方法。
  7. 【請求項7】 多層配線構造の形成方法に於いて、長方
    形に配置した格子点の各行にp個ずつの選択格子点を配
    置し同時に各列にq個ずつの選択格子点を配置すると共
    に、前記選択格子点の任意の選択格子点に隣接する格子
    点に選択格子点を配置しないようにした第1の長方形格
    子図形を形成する第1の形成手段と、 前記第1の長方形格子図形から1個以上の選択格子点を
    除去すると共にそれに対応する行と列を削除し、且つ任
    意の選択格子点に隣接した選択格子点を配置しないよう
    になされた第2の長方形格子図形を形成する第2の形成
    手段と、 前記第2の長方形格子図形の各選択格子点に接続孔又は
    接続孔塊を配置し、この選択格子点に対応する行方向の
    線を第1方向の配線又は配線束の一つに対応させ、列方
    向の線を第2方向の配線又は配線束の一つに対応させる
    第3の形成手段と、 からなることを特徴とする多層配線構造の形成方法。
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