JPH06325268A - 輻射式火災感知器 - Google Patents

輻射式火災感知器

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JPH06325268A
JPH06325268A JP5109677A JP10967793A JPH06325268A JP H06325268 A JPH06325268 A JP H06325268A JP 5109677 A JP5109677 A JP 5109677A JP 10967793 A JP10967793 A JP 10967793A JP H06325268 A JPH06325268 A JP H06325268A
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light
fire
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Nobuyuki Ichikawa
信行 市川
Ikuhisa Hatanaka
育久 畠中
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Nohmi Bosai Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の感知領域を有する輻射式火災感知器に
おいて、各感知領域毎に複数の火災感知状況及び火災受
信機による火災確定状況をそれぞれ視覚的に識別可能な
もの。 【構成】 複数の各感知領域毎に設けられた1対の受光
素子1Lと2L及び1Rと2Rと、受光素子の出力を増
幅する1対の増幅器11L,13Lと12L,14L、
及び11R,13Rと12R,14Rと、増幅器の出力
を量子化する量子化器、量子化器の出力から2波長の輻
射エネルギーの差分値を算出する演算手段及び算出され
た差分値から火炎を検出する火炎検出手段を含むセンサ
制御回路20と、点灯制御回路25L及び25Rと、動
作・火災表示灯5L及び5Rと、伝送制御回路21及び
信号送受信部22とを備えたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火炎から放射される輻
射光を検出して火災を感知する輻射式火災感知器、特に
複数の感知領域内の火災を単一の機器で感知する輻射式
火災感知器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、輻射式の火災感知器としては、火
炎から放射される特定波長帯の輻射エネルギーが一定量
以上に達したことを検出する定輻射式、火炎特有のちら
つきを検出するちらつき式、さらに複数の波長帯の輻射
エネルギーの大きさを比較する2波長式、3波長式等の
各種方式が存在する。そして、これらの輻射式火災感知
器においては、火炎から放射される紫外線や赤外線等の
輻射光を受光素子(例えばフォトダイオード、焦電素
子、放電管等)で検出するものが多い。
【0003】また前記受光素子の前面には、防塵用の透
明ガラスや光学フィルタなどよりなる透光性カバーを設
けて、前記火炎からの輻射光はこの透光性カバーを透過
して受光素子に受光させるが、外部からの異物、水分も
しくはガス等の通過は阻止する構造(例えば気密構造)
とし、受光素子及び内部の火災感知回路等の保護を行っ
ているものが多い。
【0004】また火災感知器は前記受光素子の検出信号
に基づき最初に火炎を検出すると、この火炎検出情報を
まず接続されている火災受信機に通報する。この通報を
受けた火災受信機は、この1回目の火炎検出通報を記憶
すると共に、蓄積復旧動作と呼ばれる動作、例えば、該
当火災感知器の1回目の火炎検出情報をリセットし、該
リセット後の所定時間内に再度火炎検出信号を受信する
と、はじめて実際の火災発生であると確定して、火災表
示灯の点灯、ベルの鳴動及び消火設備への信号送出等の
警報動作を行なっていた。このように火災受信機は、一
般に誤警報を防止するため、火災感知器の単発動作では
火災確定をせず、一定の冗長判断を行なうようにしてい
る。このため火災感知器の火災感知状況には、例えば全
く火炎が検出されていない状態、1回目の火炎が検出さ
れた状態、1回目の蓄積復旧動作中の状態、その後の所
定時間内に2回目の火炎が検出された状態、前記所定時
間内に2回目の火炎が検出されない状態、または前記所
定時間を経過後に再び火炎が検出された状態等の多くの
状態があり、さらにこれらの検出通報により火災受信機
が既に火災確定をした状態と、まだ火災確定をしていな
い状態とが存在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の輻
射式火災感知器では、前記多くの火炎感知状況及び火災
受信機による火災確定状況を明確に識別して表示する表
示手段がなく、例えば点検用テスタにより火災感知器の
点検試験を実施しても、火災感知器のそばにいる保守員
には、火災受信機が火災確定をしたか否かの判別が困難
であるという問題点があった。また輻射式火災感知器が
複数の感知領域を有する場合に、従来は、火災表示手段
をすべての感知領域に共通に使用しているため、火災表
示を行なったときに、どの感知領域からの火災表示であ
るのかが視覚的には判別できないという問題点もあっ
た。
【0006】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたもので、複数の感知領域を有する輻射式火災感知
器において、各感知領域毎に複数の火災感知状況及び火
災受信号機による火災確定状況をそれぞれ視覚的に識別
可能な輻射式火災感知器を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
輻射式火災感知器は、あらかじめ複数の感知領域をそれ
ぞれほぼ独立した3次元空間として設定し、該設定した
複数の各感知領域内の火炎からそれぞれ放射される輻射
光を各感知領域別に検出し、前記複数の各感知領域別の
火災を感知する輻射式火災感知器において、前記複数の
各感知領域からそれぞれ入射される輻射光を、前記感知
領域の配置により決まる方向別に受光できるように配置
され、該方向別に受光する輻射光の長波長成分と短波長
成分をそれぞれ検出する前記複数の各感知領域毎に設け
られた1対の受光素子と、前記複数の各感知領域毎に設
けられた1対の受光素子が検出した長波長成分と短波長
成分とをそれぞれ所望の増幅度により増幅する1対の増
幅器と、該1対の増幅器の出力信号をそれぞれ所定のサ
ンプルレートにより量子化する量子化器と、該量子化器
の出力する所定期間の長波長データと短波長データのそ
れぞれの平均値を算出し、該算出した長波長データの平
均値から短波長データの平均値を減算して差分値を算出
する演算手段と、該算出した差分値が火炎判別用にあら
かじめ設定されたしきい値を越えるかを判別し、前記し
きい値を越える場合には火炎の検出であると判断して火
炎検出信号を出力する火炎検出手段とをそれぞれ含む前
記複数の各感知領域毎に設けられた火災感知手段とを備
えたものである。
【0008】本発明の請求項2に係る輻射式火災感知器
は、前記本発明の請求項1に係る輻射式火災感知器にお
いて、前記演算手段が算出した差分値が、火炎判別用に
あらかじめ設定された第1のしきい値を越えるかの判別
及び前記第1のしきい値よりもやや大きな値に設定され
た第2のしきい値を越えるかの判別をそれぞれ行い、前
記第1のしきい値と第2のしきい値を共に越える場合は
近距離の火炎の検出であり、前記第1のしきい値のみを
越える場合は遠距離の火炎の検出であると判断して距離
情報も含む火炎検出信号を出力する火炎検出手段を備え
たものである。
【0009】本発明の請求項3に係る輻射式火災感知器
は、あらかじめ複数の感知領域をそれぞれほぼ独立した
3次元空間として設定し、該設定した複数の各感知領域
内の火炎からそれぞれ放射される輻射光を各感知領域別
に検出し、前記複数の各感知領域別の火災を感知する輻
射式火災感知器において、前記複数の各感知領域からそ
れぞれ入射される輻射光を、前記感知領域の配置により
決まる方向別に受光できるように配置され、該方向別に
受光する輻射光の長波長成分と短波長成分をそれぞれ検
出する前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の受光
素子と、前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の受
光素子が検出した長波長成分と短波長成分とをそれぞれ
所望の増幅度により増幅する1対の増幅器と、該1対の
増幅器の出力信号をそれぞれ所定のサンプルレートによ
り量子化する量子化器と、該量子化器の出力する所定期
間の長波長データと短波長データのそれぞれの平均値を
算出し、該算出した長波長データの平均値から短波長デ
ータの平均値を減算して差分値を算出する演算手段と、
該算出した差分値が火炎判別用にあらかじめ設定された
しきい値を越えるかを判別し、前記しきい値を越える場
合は火炎の検出であると判断して火炎検出信号を出力す
る火炎検出手段とをそれぞれ含む前記複数の各感知領域
毎に設けられた火災感知手段と、前記各感知領域毎の火
災感知手段がそれぞれ出力する火炎検出信号を含む情報
を受信機又は中継器に送信すると共に、前記受信機又は
中継器から前記各感知領域毎の表示指令を含む情報を受
信する送受信手段と、前記複数の各感知領域毎の火災感
知情報を、それぞれ2つの異なる色で発光する第1の表
示灯と第2の表示灯の点滅状態により表示する前記複数
の各感知領域毎に設けられた1対の表示灯と、前記送受
信手段が前記受信機又は中継器から受信する前記複数の
各感知領域毎の表示指令に基づき、該当感知領域の発光
色の異なる1対の各表示灯毎に、それぞれ連続点灯、低
い繰返しのフリッカ点灯、又はやや高い繰返しのフリッ
カ点灯のいずれかの点灯制御を行なう前記複数の各感知
領域毎に設けられた点灯制御手段とを備えたものであ
る。
【0010】本発明の請求項4に係る輻射式火災感知器
は、前記本発明の請求項3に係る輻射式火災感知器にお
いて、前記複数の各感知領域毎の火災感知情報を、それ
ぞれ緑色で発光する第1の表示灯と赤色で発光する第2
の表示灯の点滅状態により表示する前記複数の各感知領
域毎に設けられた1対の表示灯と、前記送受信手段が前
記受信機又は中継器から受信する前記複数の各感知領域
毎の表示指令に基づき、該当感知領域の緑色発光と赤色
発光の1対の表示灯について、最初の火炎検出の表示に
は緑色発光の第1の表示灯のフリッカ点灯を行ない、2
回目以降の火炎検出の表示には赤色発光の第2の表示灯
のフリッカ点灯を行ない、連続する3回以上の火炎検出
で火災確定の表示には赤色発光の第2の表示灯の連続点
灯をそれぞれ行なう前記複数の各感知領域毎に設けられ
た点灯制御手段とを備えたものである。
【0011】本発明の請求項5に係る輻射式火災感知器
は、あらかじめ複数の感知領域をそれぞれほぼ独立した
3次元空間として設定し、該設定した複数の各感知領域
内の火炎からそれぞれ放射される輻射光を各感知領域別
に検出し、前記複数の各感知領域別の火災を感知する輻
射式火災感知器において、前記複数の各感知領域からそ
れぞれ入射される輻射光を、前記感知領域の配置により
決まる方向別に受光できるように配置され、該方向別に
受光する輻射光の長波長成分と短波長成分をそれぞれ検
出する前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の受光
素子と、前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の受
光素子が検出した長波長成分と短波長成分とをそれぞれ
所望の増幅度により増幅する1対の増幅器と、該1対の
増幅器の出力信号をそれぞれ所定のサンプルレートによ
り量子化する量子化器と、該量子化器の出力する所定期
間の長波長データと短波長データのそれぞれの平均値を
算出し、該算出した長波長データの平均値から短波長デ
ータの平均値を減算して差分値を算出する演算手段と、
該算出した差分値が火炎判別用にあらかじめ設定された
しきい値を越えるかを判別し、前記しきい値を越える場
合は火炎の検出であると判断して火炎検出信号を出力す
る火炎検出手段とをそれぞれ含む前記複数の各感知領域
毎に設けられた火災感知手段と、前記各感知領域毎の火
災感知手段がそれぞれ出力する火炎検出信号を含む情報
を受信機又は中継器に送信すると共に、前記受信機又は
中継器から前記各感知領域毎の表示指令を含む情報を受
信する送受信手段と、前記複数の感知領域の数と同数
で、各感知領域毎にそれぞれ異なる色で発光する発光素
子を単一の表示灯内に収納し、前記複数の各感知領域毎
の火災感知情報を、前記単一の表示灯内の対応する発光
素子の点滅状態によりそれぞれ表示する前記複数の感知
領域に共通に設けられた単一の表示灯と、前記送受信手
段が前記受信機又は中継器から受信する前記複数の各感
知領域毎の表示指令に基づき、前記単一の表示灯内の該
当感知領域の発光素子について、最初の火炎検出の表示
には低い繰返しのフリッカ点灯を行ない、2回目以降の
火炎検出の表示にはやや高い繰返しのフリッカ点灯を行
ない、連続する3回以上の火炎検出で火災確定の表示に
は連続点灯をそれぞれ行なう前記複数の各感知領域毎に
設けられた点灯制御手段とを備えたものである。
【0012】本発明の請求項6に係る輻射式火災感知器
は、あらかじめ複数の感知領域をそれぞれほぼ独立した
3次元空間として設定し、該設定した複数の各感知領域
内の火炎からそれぞれ放射される輻射光を各感知領域別
に検出し、前記複数の各感知領域別の火災を感知する輻
射式火災感知器において、前記複数の各感知領域からそ
れぞれ入射される輻射光を、前記感知領域の配置により
決まる方向別に受光できるように配置され、該方向別に
受光する輻射光の長波長成分と短波長成分をそれぞれ検
出する前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の受光
素子と、前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の受
光素子が検出した長波長成分と短波長成分とをそれぞれ
所望の増幅度により増幅する1対の増幅器と、該1対の
増幅器の出力信号をそれぞれ所定のサンプルレートによ
り量子化する量子化器と、該量子化器の出力する所定期
間の長波長データと短波長データのそれぞれの平均値を
算出し、該算出した長波長データの平均値から短波長デ
ータの平均値を減算して差分値を算出する演算手段と、
該算出した差分値が、火炎判別用にあらかじめ設定され
た第1のしきい値を越えるかの判別及び前記第1のしき
い値よりもやや大きな値に設定された第2のしきい値を
越えるかの判別をそれぞれ行ない、前記第1のしきい値
と第2のしきい値を共に越える場合は近距離の火炎の検
出であり、前記第1のしきい値のみを越える場合は遠距
離の火炎の検出であると判断して距離情報も含む火炎検
出信号を出力する火炎検出手段とをそれぞれ含む前記複
数の各感知領域毎に設けられた火災感知手段と、前記各
感知領域毎の火災感知手段がそれぞれ出力する火炎検出
信号を含む情報を受信機又は中継器に送信すると共に、
前記受信機又は中継器から前記各感知領域毎の表示指令
を含む情報を受信する送受信手段と、前記複数の各感知
領域毎の火災感知情報を、それぞれ2つの異なる色で発
光する第1の表示灯と第2の表示灯の点滅状態により表
示する前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の表示
灯と、前記送受信手段が前記受信機又は中継器から受信
する前記複数の各感知領域毎の表示指令に基づき、該当
感知領域の発光色の異なる1対の各表示灯毎に、それぞ
れ連続点灯、低い繰返しのフリッカ点灯、又はやや高い
繰返しのフリッカ点灯のいずれかの点灯制御を行なう前
記複数の各感知領域毎に設けられた点灯制御手段とを備
えたものである。
【0013】本発明の請求項7に係る輻射式火災感知器
は、前記本発明の請求項6に係る輻射式火災感知器にお
いて、前記複数の各感知領域毎の火災感知情報を、それ
ぞれ緑色で発光する第1の表示灯と赤色で発光する第2
の表示灯の点滅状態により表示する前記複数の各感知領
域毎に設けられた1対の表示灯と、前記送受信手段が前
記受信機又は中継器から受信する前記複数の各感知領域
毎の表示指令に基づき、該当感知領域の緑色発光と赤色
発光の1対の表示灯について、最初の火炎検出の表示に
は緑色発光の第1の表示灯のフリッカ点灯を行ない、2
回目以降の火炎検出の表示には赤色発光の第2の表示灯
のフリッカ点灯を行ない、連続する3回以上の火炎検出
で火災確定の表示には赤色発光の第2の表示灯の連続点
灯をそれぞれ行なう前記複数の各感知領域毎に設けられ
た点灯制御手段とを備えたものである。
【0014】本発明の請求項8に係る輻射式火災感知器
は、あらかじめ複数の感知領域をそれぞれほぼ独立した
3次元空間として設定し、該設定した複数の各感知領域
内の火炎からそれぞれ放射される輻射光を各感知領域別
に検出し、前記複数の各感知領域別の火災を感知する輻
射式火災感知器において、前記複数の各感知領域からそ
れぞれ入射される輻射光を、前記感知領域の配置により
決まる方向別に受光できるように配置され、該方向別に
受光する輻射光の長波長成分と短波長成分をそれぞれ検
出する前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の受光
素子と、前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の受
光素子が検出した長波長成分と短波長成分とをそれぞれ
所望の増幅度により増幅する1対の増幅器と、該1対の
増幅器の出力信号をそれぞれ所定のサンプルレートによ
り量子化する量子化器と、該量子化器の出力する所定期
間の長波長データと短波長データのそれぞれの平均値を
算出し、該算出した長波長データの平均値から短波長デ
ータの平均値を減算して差分値を算出する演算手段と、
該算出した差分値が、火炎判別用にあらかじめ設定され
た第1のしきい値を越えるかの判別及び前記第1のしき
い値よりもやや大きな値に設定された第2のしきい値を
越えるかの判別をそれぞれ行ない、前記第1のしきい値
と第2のしきい値を共に越える場合は近距離の火炎の検
出であり、前記第1のしきい値のみを越える場合は遠距
離の火炎の検出であると判断して距離情報も含む火炎検
出信号を出力する火炎検出手段とをそれぞれ含む前記複
数の各感知領域毎に設けられた火災感知手段と、前記各
感知領域毎の火災感知手段がそれぞれ出力する火炎検出
信号を含む情報を受信機又は中継器に送信すると共に、
前記受信機又は中継器から前記各感知領域毎の表示指令
を含む情報を受信する送受信手段と、前記複数の感知領
域の数と同数で、各感知領域毎にそれぞれ異なる色で発
光する発光素子を単一の表示灯内に収納し、前記複数の
各感知領域毎の火災感知情報を、前記単一の表示灯内の
対応する発光素子の点滅状態によりそれぞれ表示する前
記複数の感知領域に共通に設けられた単一の表示灯と、
前記送受信手段が前記受信機又は中継器から受信する前
記複数の各感知領域毎の表示指令に基づき、前記単一の
表示灯内の該当感知領域の発光素子について、最初の火
炎検出の表示には低い繰返しのフリッカ点灯を行ない、
2回目以降の火炎検出の表示にはやや高い繰返しのフリ
ッカ点灯を行ない、連続する3回以上の火炎検出で火災
確定の表示には連続点灯をそれぞれ行なう前記複数の各
感知領域毎に設けられた点灯制御手段とを備えたもので
ある。
【0015】
【作用】本請求項1に係る発明においては、あらかじめ
複数の感知領域をそれぞれほぼ独立した3次元空間とし
て設定し、該設定した複数の各感知領域内の火炎からそ
れぞれ放射される輻射光を各感知領域別に検出し、前記
複数の各感知領域別の火災を感知する輻射式火災感知器
において、前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の
受光素子は、前記複数の各感知領域からそれぞれ入射さ
れる輻射光を、前記感知領域の配置により決まる方向別
に受光できるように配置され、該方向別に受光する輻射
光の長波長成分と短波長成分をそれぞれ検出する。また
前記複数の各感知領域毎に設けられた火災感知手段は、
それぞれ1対の増幅器、量子化器、演算手段及び火炎検
出手段を含み、該1対の増幅器は前記複数の各感知領域
毎に設けられた1対の受光素子が検出した長波長成分と
短波長成分とをそれぞれ所望の増幅度により増幅する。
量子化器は前記1対の増幅器の出力信号をそれぞれ所定
のサンプルレートにより量子化する。演算手段は前記量
子化器の出力する所定期間の長波長データと短波長デー
タのそれぞれの平均値を算出し、この算出した長波長デ
ータの平均値から短波長データの平均値を減算して差分
値を算出する。火炎検出手段は前記演算手段が算出した
差分値が火炎判別用にあらかじめ設定されたしきい値を
越えるかを判別し、前記しきい値を越える場合には火炎
の検出であると判断して火炎検出信号を出力する。
【0016】本請求項2に係る発明においては、前記請
求項1に係る発明において、前記火炎検出手段は、前記
演算手段が算出した差分値が、火炎判別用にあらかじめ
設定された第1のしきい値を越えるかの判別及び前記第
1のしきい値よりもやや大きな値に設定された第2のし
きい値を越えるかの判別をそれぞれ行い、前記第1のし
きい値と第2のしきい値を共に越える場合は近距離の火
炎の検出であり、前記第1のしきい値のみを越える場合
は遠距離の火炎の検出であると判断して距離情報も含む
火炎検出信号を出力する。
【0017】本請求項3に係る発明においては、あらか
じめ複数の感知領域をそれぞれほぼ独立した3次元空間
として設定し、該設定した複数の各感知領域内の火炎か
らそれぞれ放射される輻射光を各感知領域別に検出し、
前記複数の各感知領域別の火災を感知する輻射式火災感
知器において、前記複数の感知領域毎に設けられた1対
の受光素子は、前記複数の各感知領域からそれぞれ入射
される輻射光を、前記感知領域の配置により決まる方向
別に受光できるように配置され、該方向別に受光する輻
射光の長波長成分と短波長成分をそれぞれ検出する。前
記複数の各感知領域毎に設けられた火災感知手段は、そ
れぞれ1対の増幅器、量子化器、演算手段及び火炎検出
手段を含み、該1対の増幅器は前記複数の各感知領域毎
に設けられた1対の受光素子が検出した長波長成分と短
波長成分とをそれぞれ所望の増幅度により増幅する。量
子化器は前記1対の増幅器の出力信号をそれぞれ所定の
サンプルレートにより量子化する。演算手段は前記量子
化器の出力する所定期間の長波長データと短波長データ
のそれぞれの平均値を算出し、この算出した長波長デー
タの平均値から短波長データの平均値を減算して差分値
を算出する。火炎検出手段は前記演算手段が算出した差
分値が火炎判別用にあらかじめ設定されたしきい値を越
えるかを判別し、前記しきい値を越える場合には火炎の
検出であると判断して火炎検出信号を出力する。送受信
手段は、前記各感知領域毎の火災感知手段がそれぞれ出
力する火炎検出信号を含む情報を受信機又は中継器に送
信すると共に、前記受信機又は中継器から前記各感知領
域毎の表示指令を含む情報を受信する。前記複数の各感
知領域毎に設けられた1対の表示灯は、前記複数の各感
知領域毎の火災感知情報を、それぞれ2つの異なる色で
発光する第1の表示灯と第2の表示灯の点滅状態により
表示する。前記複数の各感知領域毎に設けられた点灯制
御手段は、前記送受信手段が前記受信機又は中継器から
受信する前記複数の各感知領域毎の表示指令に基づき、
該当感知領域の発光色の異なる1対の各表示灯毎に、そ
れぞれ連続点灯、低い繰返しのフリッカ点灯、又はやや
高い繰返しのフリッカ点灯のいずれかの点灯制御を行な
う。
【0018】本請求項4に係る発明においては、前記請
求項3に係る発明において、前記複数の各感知領域毎に
設けられた1対の表示灯は、前記複数の各感知領域毎の
火災感知情報を、それぞれ緑色で発光する第1の表示灯
と赤色で発光する第2の表示灯の点滅状態により表示す
る。前記複数の各感知領域毎に設けられた点灯制御手段
は、前記送受信手段が前記受信機又は中継器から受信す
る前記複数の各感知領域毎の表示指令に基づき、該当感
知領域の緑色発光と赤色発光の1対の表示灯について、
最初の火炎検出の表示には緑色発光の第1の表示灯のフ
リッカ点灯を行ない、2回目以降の火炎検出の表示には
赤色発光の第2の表示灯のフリッカ点灯を行ない、連続
する3回以上の火炎検出で火災確定の表示には赤色発光
の第2の表示灯の連続点灯をそれぞれ行なう。
【0019】本請求項5に係る発明においては、あらか
じめ複数の感知領域をそれぞれほぼ独立した3次元空間
として設定し、該設定した複数の各感知領域内の火炎か
らそれぞれ放射される輻射光を各感知領域別に検出し、
前記複数の各感知領域別の火災を感知する輻射式火災感
知器において、前記複数の各感知毎に設けられた1対の
受光素子は、前記複数の各感知領域からそれぞれ入射さ
れる輻射光を、前記感知領域の配置により決まる方向別
に受光できるように配置され、該方向別に受光する輻射
光の長波長成分と短波長成分をそれぞれ検出する。前記
複数の各感知領域毎に設けられた火災感知手段は、それ
ぞれ1対の増幅器、量子化器、演算手段及び火炎検出手
段を含み、該1対の増幅器は前記複数の各感知領域毎に
設けられた1対の受光素子が検出した長波長成分と短波
長成分とをそれぞれ所望の増幅度により増幅する。量子
化器は前記1対の増幅器の出力信号をそれぞれ所定のサ
ンプルレートにより量子化する。演算手段は前記量子化
器の出力する所定期間の長波長データと短波長データの
それぞれの平均値を算出し、この算出した長波長データ
の平均値から短波長データの平均値を減算して差分値を
算出する。火炎検出手段は前記演算手段が算出した差分
値が火炎判別用にあらかじめ設定されたしきい値を越え
るかを判別し、前記しきい値を越える場合には火炎の検
出であると判断して火炎検出信号を出力する。送受信手
段は、前記各感知領域毎の火災感知手段がそれぞれ出力
する火炎検出信号を含む情報を受信機又は中継器に送信
すると共に、前記受信機又は中継器から前記各感知領域
毎の表示指令を含む情報を受信する。前記複数の各感知
領域に共通に設けられた単一の表示灯は、前記複数の感
知領域の数と同数で、各感知領域毎にそれぞれ異なる色
で発光する発光素子を単一の表示灯内に収納し、前記複
数の各感知領域毎の火災感知情報を、前記単一の表示灯
内の対応する発光素子の点滅状態によりそれぞれ表示す
る。前記複数の感知領域毎に設けられた点灯制御手段
は、前記送受信手段が前記受信機又は中継器から受信す
る前記複数の各感知領域毎に表示指令に基づき、前記単
一の表示灯内の該当感知領域の発光素子について、最初
の火炎検出の表示には低い繰返しのフリッカ点灯を行
い、2回目以降の火炎検出の表示にはやや高い繰返しの
フリッカ点灯を行ない、連続する3回以上の火炎検出で
火災確定の表示には連続点灯をそれぞれ行なう。
【0020】本請求項6に係る発明においては、あらか
じめ複数の感知領域をそれぞれほぼ独立した3次元空間
として設定し、該設定した複数の各感知領域内の火炎か
らそれぞれ放射される輻射光を各感知領域別に検出し、
前記複数の各感知領域別の火災を感知する輻射式火災感
知器において、前記複数の各感知領域毎に設けられた1
対の受光素子は、前記複数の各感知領域からそれぞれ入
射される輻射光を、前記感知領域の配置により決まる方
向別に受光できるように配置され、該方向別に受光する
輻射光の長波長成分と短波長成分をそれぞれ検出する。
前記複数の各感知領域毎に設けられた火災感知手段は、
それぞれ1対の増幅器、量子化器、演算手段及び火炎検
出手段を含み、該1対の増幅器は前記複数の各感知領域
毎に設けられた1対の受光素子が検出した長波長成分と
短波長成分とをそれぞれ所望の増幅度により増幅する。
量子化器は前記1対の増幅器の出力信号をそれぞれ所定
のサンプルレートにより量子化する。演算手段は前記量
子化器の出力する所定期間の長波長データと短波長デー
タのそれぞれの平均値を算出し、この算出した長波長デ
ータの平均値から短波長データの平均値を減算して差分
値を算出する。火炎検出手段は前記演算手段が算出した
差分値が、火炎判別用にあらかじめ設定された第1のし
きい値を越えるかの判別及び前記第1のしきい値よりも
やや大きな値に設定された第2のしきい値を越えるかの
判別をそれぞれ行ない、前記第1のしきい値と第2のし
きい値を共に越える場合は近距離の火炎の検出であり、
前記第1のしきい値のみを越える場合は遠距離の火炎の
検出であると判断して距離情報も含む火炎検出信号を出
力する。送受信手段は、前記各感知領域毎の火災感知手
段がそれぞれ出力する火炎検出信号を含む情報を受信機
又は中継器に送信すると共に、前記受信機又は中継器か
ら前記各感知領域毎の表示指令を含む情報を受信する。
前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の表示灯は、
前記複数の各感知領域毎の火災感知情報を、それぞれ2
つの異なる色で発光する第1の表示灯と第2の表示灯の
点滅状態により表示する。前記複数の各感知領域毎に設
けられた点灯制御手段は、前記送受信手段が前記受信機
又は中継器から受信する前記複数の各感知領域毎の表示
指令に基づき、該当感知領域の発光色の異なる1対の各
表示灯毎に、それぞれ連続点灯、低い繰返しのフリッカ
点灯、又はやや高い繰返しのフリッカ点灯のいずれかの
点灯制御を行なう。
【0021】本請求項7に係る発明においては、前記請
求項6に係る発明において、前記複数の各感知領域毎に
設けられた1対の表示灯は、前記複数の各感知領域毎の
火災感知情報を、それぞれ緑色で発光する第1の表示灯
と赤色で発光する第2の表示灯の点滅状態により表示す
る。前記複数の各感知領域毎に設けられた点灯制御手段
は、前記送受信手段が前記受信機又は中継器から受信す
る前記複数の各感知領域毎の表示指令に基づき、該当感
知領域の緑色発光と赤色発光の1対の表示灯について、
最初の火炎検出の表示には緑色発光の第1の表示灯のフ
リッカ点灯を行ない、2回目以降の火炎検出の表示には
赤色発光の第2の表示灯のフリッカ点灯を行ない、連続
する3回以上の火炎検出で火災確定の表示には赤色発光
の第2の表示灯の連続点灯をそれぞれ行なう。
【0022】本請求項8に係る発明においては、あらか
じめ複数の感知領域をそれぞれほぼ独立した3次元空間
として設定し、該設定した複数の各感知領域内の火炎か
らそれぞれ放射される輻射光を各感知領域別に検出し、
前記複数の各感知領域別の火災を感知する輻射式火災感
知器において、前記複数の各感知領域毎に設けられた1
対の受光素子は、前記複数の各感知領域からそれぞれ入
射される輻射光を、前記感知領域の配置により決まる方
向別に受光できるように配置され、該方向別に受光する
輻射光の長波長成分と短波長成分をそれぞれ検出する。
前記複数の各感知領域毎に設けられた火災感知手段は、
それぞれ1対の増幅器、量子化器、演算手段及び火炎検
出手段を含み、該1対の増幅器は前記複数の各感知領域
毎に設けられた1対の受光素子が検出した長波長成分と
短波長成分とをそれぞれ所望の増幅度により増幅する。
量子化器は前記1対の増幅器の出力信号をそれぞれ所定
のサンプルレートにより量子化する。演算手段は前記量
子化器の出力する所定期間の長波長データと短波長デー
タのそれぞれの平均値を算出し、この算出した長波長デ
ータの平均値から短波長データの平均値を減算して差分
値を算出する。火炎検出手段は前記演算手段が算出した
差分値が、火炎判別用にあらかじめ設定された第1のし
きい値を越えるかの判別及び前記第1のしきい値よりも
やや大きな値に設定された第2のしきい値を越えるかの
判別をそれぞれ行ない、前記第1のしきい値と第2のし
きい値を共に越える場合は近距離の火炎の検出であり、
前記第1のしきい値のみを越える場合は遠距離の火炎の
検出であると判断して距離情報も含む火炎検出信号を出
力する。送受信手段は、前記各感知領域毎の火災感知手
段がそれぞれ出力する火炎検出信号を含む情報を受信機
又は中継器に送信すると共に、前記受信機又は中継器か
ら前記各感知領域毎の表示指令を含む情報を受信する。
前記複数の各感知領域に共通に設けられた単一の表示灯
は、前記複数の感知領域の数と同数で、各感知領域毎に
それぞれ異なる色で発光する発光素子を単一の表示灯内
に収納し、前記複数の感知領域毎の火災感知情報を、前
記単一の表示灯内の対応する発光素子の点滅状態により
それぞれ表示する。前記複数の感知領域毎に設けられた
点灯制御手段は、前記送受信手段が前記受信機又は中継
器から受信する前記複数の各感知領域毎の表示指令に基
づき、前記単一の表示灯内の該当感知領域の発光素子に
ついて、最初の火炎検出の表示には低い繰返しのフリッ
カ点灯を行ない、2回目以降の火炎検出の表示にはやや
高い繰返しのフリッカ点灯を行ない、連続する3回以上
の火炎検出で火災確定の表示には連続点灯をそれぞれ行
なう。
【0023】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示す輻射式火災感
知器の構成ブロック図である。図2は図1の輻射式火災
感知器の構造図であり、同図の(a)はその平面図を、
(b)はその断面図を示している。図3は図1の輻射式
火災感知器の左側と右側の2つの感知領域を示す図であ
り、図4は図2の受光素子と内部発光ダイオード(LE
D)との位置関係を示す図である。
【0024】最初に単一の火災感知器でも複数の感知領
域を有することが可能であることを説明する。図1の実
施例の輻射式火災感知器は、例えば壁面に設置される
と、火災感知器の正面方向(壁面に垂直な方向)に対し
て左右にそれぞれ45度の方向を中心軸とする2つのほ
ぼ独立した3次元空間の火災感知領域を有する。図3は
図1の輻射式火災感知器が壁面に設置された場合に、水
平面における左側と右側の感知領域を示すものであり、
例えば受光素子の受光面に垂直な直線距離で約50メー
トル程度までをこの感知領域とすることが可能である。
図3の左側と右側の感知領域内の火炎からそれぞれ放射
される輻射光は、方向別にその受光指向特性が前記感知
領域と一致するように配設された受光素子によりそれぞ
れ受光される。
【0025】図1〜図4において、1L,1Rは、それ
ぞれ左側と右側の感知領域に生じた火炎から放射される
赤外光のうち青色光成分(例えば波長が0.6〜0.7
5μ程度の成分であり、本発明では短波長成分ともい
う)を別個に受光する青色光受光素子であり、この実施
例では、共にフォトダイオードを使用する。2L,2R
は、それぞれ前記左側と右側の感知領域に生じた同一の
火炎から放射される赤外光のうち赤色光成分(例えば波
長が0.8〜2μ程度の成分であり、本発明では長波長
成分ともいう)を別個に受光する赤色光受光素子であ
り、この実施例では、共に焦電素子(赤外線を吸収し温
度変化を生じると、電圧又は焦電流を発生する素子)を
使用する。そして前記フォトダイオード1Lと焦電素子
2Lが図3の左側感知領域の受光センサとして、フォト
ダイオード1Rと焦電素子2Rが図3の右側感知領域の
受光センサとして、それぞれ炎の青色光成分と赤色光成
分とを別個に検出する。
【0026】3Lb,3Lrは、受光感度試験を行なう
ときに、それぞれ左側の青色光受光フォトダイオード1
Lと、左側の赤色光受光焦電素子2Lとを別個に照射す
るため、火炎と同一帯域の赤色光を、炎のゆらぎ周波数
である約8〜12Hzで点滅して発光する左側用の第2
の試験用の発光素子であり、この実施例では発光ダイオ
ードを用い、受光ガラス7の内側に設けられるので、以
下左側の内部LEDという。同様に、3Rb,3Rr
は、受光感度試験を行なうときに、それぞれ右側の青色
光受光フォトダイオード1Rと、右側の赤色光受光焦電
素子2Rとを別個に照射する火炎と同一帯域の赤色光を
約8〜12Hzで点滅して発光する右側用の第2の試験
用の発光素子であり、この実施例では発光ダイオードを
用い、受光ガラス7の内側に設けられるので、以下右側
の内部LEDという。上記左側又は右側の内部LED3
Lb,3Lr,3Rb,3Rrと、受光素子であるフォ
トダイオード1L,1R及び焦電素子2L,2Rとの位
置関係は本実施例では図4に示されているように、直接
照射するようになっている。なお、直接照射する代り
に、受光ガラス7の内面、またはフォトダイオード1
L,1R及び焦電素子2L,2Rの前面に設けた光学フ
ィルタの内面で反射させて照射、すなわち間接照射する
ようにしてもよい。
【0027】4L,4Rは、受光ガラス7の左側と右側
の光透過部分についての汚損程度(具体的には光の透過
率)の試験を行なうため、それぞれ受光ガラス7の外部
に設けられ、火炎と同一帯域の赤色光を前記約8〜12
Hzで点滅して発光する左側用と右側用の第1の試験用
の発光素子であり、汚損程度の試験時には、左側又は右
側の方向から発光した炎の擬似光を、それぞれ、受光ガ
ラス7を透過させ、その内側にある左側のフォトダイオ
ード1Lと右側のフォトダイオード1Rとを別個に照射
する。この実施例では、発光素子として発光ダイオード
を用い、以下左側、右側の外部LEDという。
【0028】5L,5Rは、それぞれ左側と右側の動作
・火災表示灯であり、この実施例では、緑色と赤色の2
色発光ダイオードを用い、緑色LEDは動作表示灯とし
て、赤色LEDは火災表示灯として使用している。そし
てこの2色LEDによる表示状態は、火災感知器が火炎
検出信号を受信機へ送信し、これを受信した受信機の指
示に基づき行なわれるものであるが、この実施例におい
ては、最初に火炎を検出したときには、緑色LEDによ
るフラッシング点灯が行なわれ、この最初の検出信号が
受信機により蓄積復旧(リセット)された後の連続する
2回目の火炎を検出したときには、赤色LEDによるフ
ラッシング点灯が行なわれ、連続する3回以上の火炎検
出信号が受信機により確認された後には、火災確定の表
示として赤色LEDによる連続点灯となる。なお、2色
LEDの表示モードは、上記3つの表示状態のほかに、
2つの各LEDについて、フラッシング点灯(点滅周波
数の低い場合と高い場合がある)、連続点灯又は消灯を
組み合せると、多くの表示モードが考えられる。下記の
表1にその表示モード例を示す。
【0029】
【表1】
【0030】この実施例においては、左側感知領域用の
動作・火災表示灯5Lと右側感知領域用の動作・火災表
示灯5Rとを個別に設けた場合の例を示したが、本発明
はこれに限定されるものではない。例えば複数の感知領
域の数と同数(この例では2個)で、各領域毎に異なる
色(例えば赤色と橙色の2色等)で発光する発光素子を
単一の表示灯内に収納し、前記複数の各感知領域毎の火
災感知情報を、前記単一の表示灯内の対応する発光素子
の点滅状態によりそれぞれ表示するようにしてもよい。
【0031】前記単一の表示灯を設けた場合には、機器
の構造が簡単になり、防水や気密の対策が容易となる。
また前記各感知領域毎に単一の発光素子の場合の表示法
としては、例えば、火炎が全く検出されない場合の表示
は消灯として、最初の火炎検出の表示には、比較的低い
繰返し周波数(例えば1〜2Hz程度)によるフリッカ
点灯を行ない、次に蓄積復旧後の2回目以降の火炎検出
の表示には、やや高い繰返し周波数(例えば5〜10H
z程度)によるフリッカ点灯を行ない、さらに連続する
3回以上の火炎検出で火災確定の表示には連続点灯を行
なうようにすれば、単一の発光素子でも少くとも4つの
状態表示が可能である。また、発光素子に流す電流値を
制御して、例えば強発光と弱発光の2通りを設けて、前
記フリッカ点灯や連続点灯と組合せれば、単一の発光素
子でもさらに多くの火災感知状況の表示が可能となる。
【0032】この実施例においては、点検用テスタの擬
似炎光源からの照射光をこの火災感知器に受光させて点
検試験を行なう場合に、前記テスタによる点検試験中で
あることを当該火災感知器に知らせるため、前記テスタ
にあらかじめ設けられた点検告知信号発生手段から火炎
に含まれる周波数帯とは異なる周波数で変調された光、
例えば約500Hzで点滅する光を発生する。6はこの
テスタから発生される前記点検告知信号の受光素子であ
り、この例では前記約500Hzで点滅する光を受光す
るフォトダイオードである。なお点検用テスタについて
は、図6及び図7により説明する。7は透光性カバーと
しての受光ガラスであり、火災発生時の炎信号をこの受
光ガラス7を透過させ、フォトダイオード1L,1R及
び焦電素子2L,2Rへ受光させる。8L,8Rは、そ
れぞれ左側の外部LED4L及び動作・火災表示灯5L
と、右側の外部LED4R及び動作・火災表示灯5Rの
上に設けられた透明ガラスである。9A,9Bは、それ
ぞれこの火災感知器のケースA、ケースBである。
【0033】図1の11L,11Rは、それぞれフォト
ダイオード1L,1Rの受光出力信号を増幅するプリア
ンプ、12L,12Rは、それぞれ焦電素子2L,2R
の受光出力信号を増幅するプリアンプ、13L,13
R,14L,14Rはそれぞれプリアンプ11L,11
R,12L,12Rの出力信号を増幅するアンプであ
る。ここで前記プリアンプ11L,11R,12L,1
2R及びアンプ13L,13R,14L,14Rは、各
受光素子から得られる出力信号のうち眞の火炎信号のみ
を増幅するため、例えば火災時の炎のゆらぎ周波数帯域
である約8〜12Hz程度の交流信号のみを、内蔵する
帯域通過フィルタ(BPF)により抽出して増幅するよ
うに設計されている。例えばアクティブフィルタを組込
んだ狭帯域増幅器として設計され、入力信号のうちの直
流成分と約12Hz以上の高域成分は減衰させ、前記狭
帯域信号のみを増幅している。
【0034】またプリアンプ11Lとアンプ13L、1
2Lと14L、11Rと13R、又は12Rと14Rよ
りなる2段の増幅回路は、ハイゲインで高感度であるの
で、火災の輻射光エネルギーが小さい遠方又は小規模火
災の場合にも、十分な計測値が得られる回路として使用
される。そしてプリアンプ11L,12L,11R、又
は12Rのみの増幅回路は、ロウゲインで低感度である
ので、火災の輻射光エネルギーが大きい大規模の場合に
も、増幅回路の出力は飽和せず、正しい計測値が得られ
る回路として使用される。15L〜18L及び15R〜
18Rは、それぞれ平滑回路であり、例えば抵抗器とコ
ンデンサとで構成され、前記プリアンプ又はアンプの出
力信号を入力して、この入力信号の平滑化信号を出力し
てセンサ制御回路20へ供給する。
【0035】センサ制御回路20は、前記火災の輻射光
エネルギーの大小に応じて、プリアンプ出力の入力され
た平滑回路の出力、またはアンプ出力の入力された平滑
回路の出力のいずれかを選択し、さらにプリアンプ又は
アンプの増幅度を制御することにより、受光信号レベル
が微小レベルと飽和レベルの中間に存在するリニア領域
における信号値を計測する。19は点検告知信号受光素
子6の出力信号を増幅するアンプであるが、常時動作可
能ではなく、この火災感知器が外部の受信機や中継器か
ら点検開始許可信号を受信したときに、センサ制御回路
20によって動作不能状態から動作可能状態にセットさ
れるアンプである。
【0036】20はセンサ制御回路、21は伝送制御回
路であり、それぞれマイクロプロセッサMPU、複数の
リード・オンリ・メモリROM、複数のランダム・アク
セス・メモリRAM、入出力(I/O)インタフェース
等を内蔵するものである。
【0037】図5は図1のセンサ制御回路の一例を示す
構成ブロック図である。図5において、MPU1と、R
OM1〜ROM9、RAM1〜RAM6及びI/Oイン
タフェースとは、データバス及びアドレスバスを介して
相互に結合されている。そして、この実施例では、RO
M1は制御プログラムの記憶領域、ROM2は受光素子
及び増幅器を介して得られる受光出力信号の正常範囲基
準値の記憶領域、ROM3は受光素子単体の補正可能範
囲しきい値の記憶領域、ROM4は受光素子及び増幅器
を介して得られる受光出力信号の汚損補正可能範囲のし
きい値の記憶領域、ROM5は減光率基準値の記憶領
域、ROM6は火災判断用のしきい値の記憶領域、RO
M7は複数の火災感知器を識別するため各火災感知器毎
に付与されたアドレスコード、種別コード等の記憶領
域、ROM8はその他の補助記憶領域にそれぞれ割当て
られた読出し専用メモリである。
【0038】またRAM1はデータの作業領域、RAM
2は減光率データ格納領域、RAM3は受光素子単体の
受光感度算出値格納用領域、RAM4は受光センサから
の受光出力値格納用領域、RAM5はタイマ領域、RA
M6はその他の補助記憶領域にそれぞれ割当てられた読
み書き自在のメモリである。I/Oインタフェースは、
内部にA/D変換器、マルチプレクサ、出力ポート、入
力ポート等を含んでいる。このマルチプレクサは平滑回
路15L〜18L、15R〜18Rや、アンプ19から
アナログ入力信号を選択してA/D変換器へ供給し、A
/D変換器はこれをディジタルデータに変換して、セン
サ制御回路内でのディジタル信号処理を可能にする。ま
たこの出力ポートは、例えば点灯回路へ点灯制御信号を
出力し、入力ポートは例えば伝送制御回路21からのデ
ータを入力する。なお、I/Oインタフェースには、プ
リアンプ11L,11R,12L,12R及びアンプ1
3L,13R,14L,14Rの増幅度を制御するため
の出力ポート等も設けられているが、図示を省略してい
る。
【0039】22は信号送受信部であり、受信回路、デ
ータの直列/並列変換回路、送信回路、データの並列/
直列変換回路等で構成され、伝送制御回路21の制御に
基づき、信号伝送線を介して、受信機又は中継器とデー
タの送受信を行なう。23L,23Rは、それぞれセン
サ制御回路20からの出力信号に基づき、外部LED4
L,4Rの点灯を制御する点灯回路、24Lと24R
も、それぞれセンサ制御回路20からの出力信号に基づ
き、内部LED3Lb,3Lrと3Rb,3Rrの点灯
を制御する点灯回路である。
【0040】25L,25Rは、それぞれセンサ制御回
路20からの出力信号に基づき、動作・火災表示灯5
L,5Rの点灯(連続点灯及びフラッシング点灯を含
む)を制御する点灯制御回路である。26,27は、共
にクロック回路であり、それぞれのクロック信号を発生
し、センサ制御回路20、伝送制御回路21へ供給す
る。28,29は、共にリセット回路であり、電源投入
後の初期動作や手動操作によりそれぞれリセット信号を
発生し、センサ制御回路20、伝送制御回路21へ供給
する。
【0041】図6は火災感知器の点検用テスタの外観図
であり、同図の(a)は側面図を、(b)は前面図を示
している。図6において、31L,31Rは、それぞれ
左側と右側の擬似炎信号として、前記火炎の赤外光帯域
において、炎のゆらぎ周波数である約8〜12Hzで発
光する発光素子(例えば発光ダイオード)である。また
32は、この点検用テスタによりある火災感知器を点検
中に、該当火災感知器に点検試験中であることを知らせ
ることを目的とする点検告知信号として、上記炎のゆら
ぎ周波数より高い周波数(この実施例では約500H
z)で発光する発光素子である。また図6の(a)に示
されるように、点検用テスタには、左側(L)、右側
(R)、左右両方(中央位置)の3位置のいずれかを選
択するスイッチが設けられており、8〜12Hz用発光
素子31Lまたは31Rのいずれか一方、または両方を
選択して発光できるようにしている。なお以下の例で
は、左側(L)と右側(R)の片側づつ点検試験を行な
う場合について説明する。
【0042】図7は点検時の火災感知器と点検用テスタ
の位置関係を示す図である。図7において、点検時に
は、点検用テスタの前面を火災感知器の受光ガラス7に
かぶせるまで押しつける。その結果、8〜12Hz用発
光素子31L又は31Rから発光された光は、それぞれ
フォトダイオード1L及び焦電素子2L又はフォトダイ
オード1R及び焦電素子2Rにより受光され、また50
0Hz用発光素子32から発光された光は点検告知信号
受光素子6により受光され、火災感知器の点検動作を行
なうことが可能となる。
【0043】なお、上記実施例において、フォトダイオ
ード1Lと焦電素子2Lが左側感知領域用に設けられた
1対の受光素子の一例であり、同様に、フォトダイオー
ド1Rと焦電素子2Rが右側感知領域用に設けられた1
対の受光素子の一例である。また、プリアンプ11Lと
12L、またはプリアンプ11L及びアンプ13Lとプ
リアンプ12L及びアンプ14Lが左側受光素子用の1
対の増幅器であり、同様に、プリアンプ11Rと12
R、またはプリアンプ11R及びアンプ13Rとプリア
ンプ12R及びアンプ14Rが右側受光素子用の1対の
増幅器である。またセンサ制御回路20内のI/Oイン
タフェースに含まれるA/D変換器が量子化器の一例で
ある。
【0044】また、センサ制御回路20のMPU1,R
OM1とRAM4は演算手段の一例であり、センサ制御
回路20のMPU1,ROM1とROM6は火炎検出手
段の一例である。また伝送制御回路21と信号送受信部
22は送受信手段の一例であり、2色LEDを含む動作
・火炎表示灯5Lが左側感知領域用の1対の表示灯の一
例であり、同様に、2色LEDを含む動作・表示灯5R
が右側感知領域用の1対の表示灯の一例である。
【0045】またかりに、2色LEDを含む動作・火災
表示灯の一方のみを残して、他方を廃止したとすると、
この場合に残された動作・火災表示灯5L又は5Rは、
左右の2つの感知領域に共通に設けられた単一の表示灯
の一例となり、この場合に例えば、表示灯内の赤色LE
Dは左側感知領域用の火災感知情報表示に、また緑色L
EDは右側感知領域用の火災感知情報表示にそれぞれ使
用することができる。
【0046】またセンサ制御回路20と点灯制御回路2
5Lが左側感知領域用の点灯制御手段の一例であり、同
様に、センサ制御回路20と点灯制御回路25Rが右側
感知領域用の点灯制御手段の一例である。
【0047】図8は図1の輻射式火災感知器の制御プロ
グラムのメインルーチンを示すフローチャートである。
図9及び図10は、図1の輻射式火災感知器の受信割込
プログラムのその1及びその2を示すフローチャートで
ある。図11は図1の輻射式火災感知器の試験プログラ
ムを示すフローチャートである。図12及び図13は図
1の輻射式火災感知器の炎検出プログラムのその1及び
その2を示すフローチャートである。以下図8〜図13
を用いて、図1及び図4の火災感知器の動作を説明す
る。
【0048】図8のステップS31において、火災感知
器は、電源投入後のイニシャル処理を行なう。このイニ
シャル処理としては、例えば、センサ制御回路20及び
伝送制御回路21に含まれるRAMデータのクリアとR
OMデータのサムチェック(データの加算値のチェッ
ク)、図5のRAM3へ受光素子単体の補正用初期デー
タの格納、タイマ、カウンタ等のクリア、アンプの安定
化所要時間(例えば約0.5秒程度)の待機等の動作を
行なう。
【0049】図8のステップS32において、火災感知
器内のセンサ制御回路20は、図5のI/Oインタフェ
ースを用いて各受光センサの出力信号を平滑回路15L
〜18L、15R〜18Rから読込み、その値を量子化
してRAM4に格納する。前記I/Oインタフェース
は、MPU1の指令に基づき、内蔵するマルチプレクサ
により前記各平滑回路から出力される8つの入力信号か
ら逐次1つの信号を選択し、この選択された信号をA/
D変換器により量子化して、該量子化データを逐次RA
M4に格納し、該格納した複数データの平均値を算出す
る演算を行ない最終的な火災監視データを得るようにし
ている。
【0050】また前記A/D変換器を介したデータのサ
ンプリング周波数は、ナイキストのサンプリング定理に
基づき、火炎のゆらぎの最高周波数12Hzの2倍以上
の周波数、例えば25Hz以上とすることが望ましい
(即ちサンプリング周期は、0.04秒以下が望まし
い)。また前記サンプリングされた複数データの平均値
の算出は、サンプルデータの最大値と最小値の影響を排
除し、積分的機能を持たせるため、サンプルデータの数
はできるだけ多い方が望ましい。しかし火炎発生から火
災感知までに許容される時間は、一般に制約があるの
で、この時間的制約の範囲内で、左側及び右側の感知領
域につき、それぞれ長波長と短波長の各受光センサにつ
いて、可及的に多数のサンプルデータを収集し、この収
集したデータの平均値を算出して、この値を各波長域の
火災監視データとしている。
【0051】なお、受光センサの出力レベルが大きい場
合には、アンプから平滑回路を経た信号は飽和レベルと
なるので、その前段のプリアンプから平滑回路を経た信
号を取込み、飽和レベルに達する前のリニア領域におけ
る信号レベルを計測するようにしている。
【0052】図8のステップS33において、センサ制
御回路20は、受光素子単体の補正が必要か否かを判別
する。これはフォトダイオード1L,1R又は焦電素子
2L,2Rの各素子単体の受光感度が、使用後の時間の
経過と共に劣化することに対する補正の要否である。従
って所定期間毎に、内部LED3Lb,3Lrと3R
b,3Rrを駆動し、左側のフォトダイオード1L及び
焦電素子2Lと、左側のフォトダイオード1R及び焦電
素子2Rの受光出力値をそれぞれ計測し、該計測値と設
置初期の基準値との比を受光感度として算出し、該算出
値を図5のRAM3に格納しておく。
【0053】前記受光感度の算出値は、設置時の初期値
が1.00で、受光感度の低下に応じ、例えば、0.9
5、0.90、0.85…等と更新される。従って図5
のMPU1は、RAM3内の該当受光センサの受光感度
算出値を読出し、正常範囲(例えば1.00〜0.8
5)内であるか否かを判別し、ROM2に格納されてい
る正常範囲内であれば補正は不要と判断し、ステップS
35へ移り、正常範囲の下限値以下の値のときは補正は
必要と判断し、ステップS34において、前記火災監視
データに補正値(前記受光感度の逆数、即0.60の場
合には逆数の1/0.6)を乗算して補正演算を行な
う。これにより火災監視データは受光感度の低下による
影響が除去される。なお、前記受光感度には許容範囲
(例えば1.00〜0.50)をあらかじめ設定してR
OM3に格納しておき、受光感度の算出値が、この下限
値(上記例の0.50)以下になると、補正演算は行な
わずに、補正の限界を越えた旨の信号を出力する。この
詳細は図11おいて説明する。
【0054】図8のステップS35において、センサ制
御回路20は、受光ガラス7の汚損補正が必要か否かを
判別する。これは、例えば火災感知器がトンネル内等に
設置された場合、時間の経過と共に車の排気ガス等によ
り受光ガラス7の表面が汚れて、光の透過率が次第に低
下するからである。従って所定時間毎に外部LED4
L,4Rを用いて、受光ガラス7の左側及び右側の部分
の光の透過率をそれぞれ測定し、この減光率データをR
AM2に格納しておく。前記減光率データも、設置時の
初期値は1.00で、受光ガラス7の表面の汚れが進む
と、0.95、0.90、0.85、…等と更新され
る。
【0055】従って図5のMPU1はRAM2内の該当
する左側又は右側の減光率データを読出し、例えば1.
00であれば補正は不要と判別し、ステップS37へ移
り、1.00以下の値のときは補正が必要と判別し、前
記ステップS32による平均値データ又はステップS3
4による補正データに対して、ステップS36におい
て、補正値(前記減光率データの逆数)を乗算して補正
演算を行なう。これにより、平均値データ又は補正デー
タは、受光ガラスの汚損による影響が除去される。なお
前記減光率のデータには許容範囲の下限値(例えば0.
50)をあらかじめ設定してROM4に格納しておき、
この下限値以下になると、前記補正演算は行なわずに、
補正の限界を越えた旨の信号を出力したり、また前記下
限値よりやや上の値(例えば0.6)に設定された前置
下限値になると、受光ガラスの清掃を要する旨の信号を
出力したりする。この詳細は図11において説明する。
【0056】一般に2波長式輻射火災感知器において
は、火炎の赤色光を検出する受光センサ(この例では焦
電素子)の受光出力から、火炎の青色光を検出する受光
センサ(この例ではフォトダイオード)の受光出力を減
算して差分値を求め、この差分値が火炎判別用のしきい
値を越える場合に火炎と判別している。この実施例にお
いては、MPU1は、図8のステップS37において、
必要に応じあらかじめ前記受光感度と汚れの補正演算が
それぞれ行なわれた、監視領域別の焦電素子の受光出力
算出値からフォトダイオードの受光出力算出値を減算
し、その差データを算出する。そして次のステップS3
8において、前記減算結果の差データが、図5のROM
6にあらかじめ格納されている火炎判別用しきい値を越
えるかどうかを判別し、火炎判別を行なう。
【0057】前記火炎判別用しきい値としては、単一の
しきい値で火炎の検出は可能である。しかしこの実施例
では、検出した火炎が遠いか、近いかも同時に判るよう
に、ステップS38で火炎判別を行なう場合に、図5の
ROM6には、火炎判別用に、やや小さな値である第1
のしきい値と、やや大きな値である第2のしきい値とを
格納するようにしている。当然第2のしきい値は第1の
しきい値より大きな値である。そして前記ステップS3
7で算出した差のデータを、ステップS38では、まず
前記第1のしきい値と比較して、第1のしきい値を越え
る場合は火炎と判別する。そして次に前記差のデータを
第2のしきい値と比較して、第2のしきい値を越える場
合は近距離の火炎と判別し、越えない場合は遠距離の火
炎と判別する。勿論前記差のデータが第1のしきい値を
越えない場合は、火炎ではないと判別することになる。
【0058】MPU1は、ステップS38の判別結果が
火炎でない場合は、ステップS32に戻り、ステップS
32〜S38の処理を繰返す。また判別結果が火炎の場
合には、ステップS39において、伝送制御回路21に
火炎検出を通報し、伝送制御回路21は、信号送受信部
22を駆動し、信号伝送線を介して受信機に火炎検出信
号を送信する。
【0059】なお火災感知器から火炎検出信号を受信し
た受信機は、この検出信号を確認すると、直ちに火炎蓄
積復旧信号を火災感知器に送信し、最初の火炎検出信号
をリセットさせ、再び火災感知器が2回目の火炎検出信
号を送信してくるかをチェックする。そして同一の火災
感知器から連続して所定回数(例えば3回)以上の火炎
検出信号が送信されてきた場合に、眞の火災であると判
断する。このようにして誤警報の発生を防止している。
【0060】図9及び図10により図1の火災感知器の
受信割込ルーチンを説明する。まず受信機が複数の火災
感知器のうちの1つを選択し、この選択した火災感知器
にある動作指令を行なう場合には、各火災感知器毎にあ
らかじめ付与されたアドレスと動作指令の情報を信号伝
送線を介して送信する。図9及び図10は、前記受信機
が送信したアドレスと動作指令の情報を受信した火災感
知器が割込み処理として行なうルーチンを示している。
図9の受信割込ルーチンでは、各火災感知器は、まず受
信したアドレスが自己に付与されているアドレスと一致
するかを判別する(ステップS41)。自己のアドレス
と受信アドレスが異なる場合は、受信割込ルーチンから
メインルーチンに戻る。
【0061】火災感知器は、自己のアドレスと受信アド
レスとが一致した場合には、まず受信指令が情報要求で
あるかを判別し(ステップS42)、判別結果がYES
の場合には、自己の現在の情報を受信機へ送出する(ス
テップS43)。ここで火災感知器の現在情報とは、例
えば、現在火炎が検出されているか、もし検出されてい
る場合には、何回目の検出であるか、現在受光ガラス7
の光透過率は許容範囲内であるか、現在受光素子の受光
感度は許容範囲内であるか、等の現在の状態を示す複数
の情報を含むものである。
【0062】受信指令が情報要求でない場合は、次に受
信指令が試験命令であるかを判別し(ステップS4
4)、判別結果がYESの場合には、火災感知器は、ま
ず図8のステップS33の処理と同様に、左側と右側の
内部LED3Lb,3Lrと、3Rb,3Rrとを順番
に発光させ、左側のフォトダイオード1L及び焦電素子
2Lと、右側のフォトダイオード1R及び焦電素子2R
の受光感度をそれぞれ測定する。そして測定した受光感
度が設定されたしきい値(例えば基準値の50%)以下
であれば、この感度不良を記憶し、さらにこの試験を複
数回繰返して、感度不良の回数が連続して所定回数(例
えば3回)以上に達すると、はじめて試験を行った受光
素子が故障であると判断して、該当受光素子の故障信号
を受信機へ送信する。
【0063】次に火災感知器は、図8のステップS35
の処理と同様に、外部LED4Lと4Rとを順番に発光
させ、受光ガラス7の汚損程度を示す光の透過率を測定
し、この測定した光の透過率があらかじめ設定されたし
きい値(例えば基準値の50%)以下であれば、この汚
損不良を記憶し、前記と同様にこの試験を複数回繰返し
て、汚損不良の回数が、連続して所定回数(例えば3
回)以上に達すると、受光ガラスの汚れの清掃を要する
旨の通報を受信機に行なう。そして試験処理終了後、メ
インルーチンに戻る。
【0064】受信指令が試験命令でない場合は、次に点
検開始指令であるかを判別し(ステップS46)、判別
結果がYESなら、さらに右側のみか、左側のみか、左
右両方かを判別し(ステップS47)、この判別結果に
より、図6に示した点検用テスタの擬似炎光源により右
側受光素子の点検処理(ステップS48)、左側受光素
子の点検処理(ステップS50)、または右側と左側の
受光素子の点検処理(ステップS49及びS50)を行
なう。上記ステップS46〜S50の処理内容を説明す
る前に、まず、点検開始指令及び点検告知信号の必要性
について説明する。図14はトンネル内に設置された複
数の火災感知器と信号伝送線を介して接続される受信機
とを示す図である。図14のように、一般にトンネル内
では、それぞれの火災感知領域が多少重複するように複
数又は多数の火災感知器が設置され、各火災感知器は、
共通の信号伝送線を介して受信機に接続されることが多
い。また火災感知器の数が多くなったり、信号伝送線が
長距離になった場合には、信号伝送線の途中に単数又は
複数の中継器を設け、伝送途中の信号の増幅及び中継を
行なう場合もある。
【0065】図14において、T1〜Tnは、それぞれ
#1〜#n火災感知器であり、いま#1〜#64までの
64個の火災感知器が設置されているものとする。そし
て保守員が前記テスタを用いて点検試験を行なう場合
に、必ずしも番号順に行なうとは限らないし、また使用
中に生じる機器の交換等により火災感知器のアドレスが
順番に設けられているとも限らない。従って点検試験に
よる火炎検出信号を受信する受信機側では、現在何番の
火災感知器をテスト中であるかを知る必要があり、従来
は設置場所の保守員が受信機側の保守員にトランシーバ
等で、これから何番の火災感知器のテストを行なうかを
連絡していた。
【0066】この実施例においては、火災感知器は前記
点検開始指令であるかを判別すると(ステップS4
6)、センサ制御回路20は、アンプ19に電源を供給
して、動作可能状態にセットする。また前記テスタに
は、擬似炎光源とは別に、点検告知信号(この例では約
500Hzの光信号)発生手段である発光素子32が設
けられており、点検試験を行なう火災感知器に対して、
現在テスタによる点検試験中であることを告知する信号
として前記約500Hzの光信号を照射する。
【0067】そして点検試験中の火災感知器は、前記約
500Hzの光信号を点検告知信号受光素子6及びアン
プ19を介して検出すると、この検出信号を自己のアド
レス番号と共に、受信機又は中継器等に送信する。従っ
て従来必要とされたトランシーバ等の連絡は不要とな
る。また前記テスタは、擬似炎光源からの光信号を火災
感知器に照射するから、受光ガラス7の汚損と受光素子
の感度が許容範囲内で、機器が正常に動作していれば、
該当火災感知器から火炎検出信号と点検中信号とが受信
機に送信される。
【0068】それ故、受信機側は、前記火炎検出信号と
点検中信号とを同時に受信することにより、点検試験中
の火災感知器が正常に動作したことを知ると共に、もし
他の火災感知器から火炎検出信号のみを受信した場合に
は、該当火災感知器が実際の火炎を検出したものである
ことを知ることができる。このように点検試験中の火災
感知器を除く、他のすべての火災感知器の火炎検出機能
を保持したままで、点検試験を行なうことができる。そ
して上記点検試験の処理が終了すると、該当火災感知器
はメインルーチンに戻る。
【0069】図9のステップS46において、点検開始
指令でないと判別された場合に、センサ制御回路20内
のMPU1は、図10のステップS51において、受信
した動作指令が動作表示灯(この実施例では、動作・火
災表示灯5L,5Rに含まれる2色LEDのうちの緑色
LED)の点灯又は消灯指令であるかを判別し、この判
別結果がYESの場合には、ステップS52において、
右側の動作灯か、左側の動作灯かを判別し、右側の場合
はステップS53で、また左側の場合はステップS54
で、それぞれ動作表示灯を点滅(フラッシング)点灯さ
せるか、または点滅状態を消灯させるかの動作を行な
う。上記点灯又は消灯動作が終了するとメインルーチン
に戻る。
【0070】図10のステップS51において、動作表
示灯の点灯又は消灯指令でないと判別された場合に、セ
ンサ制御回路20内のMPU1は、ステップS55にお
いて、受信した動作指令が火災表示灯(この実施例では
前記2色LEDのうちの赤色LED)の点灯又は消灯指
令であるかを判別し、この判別結果がYESの場合に
は、ステップS56において、右側の火災表示灯か、左
側の火災表示灯かを判別し、右側の場合はステップS5
7で、また左側の場合はステップS58で、それぞれ火
災表示灯を連続点灯とさせるか、または連続点灯状態を
消灯とさせるかの動作を行なう。上記点灯又は消灯動作
が終了するとメインルーチンに戻る。
【0071】図10のステップS55において、火災表
示灯の点灯又は消灯指令でないと判別された場合に、セ
ンサ制御回路20内のMPU1は、ステップS59にお
いて、受信した動作指令が蓄積復旧指令であるかを判別
する。ここで蓄積復旧指令とは、火災感知器が最初に火
炎を検出し、この検出信号を受信機に送信すると、この
検出信号を受信した受信機は、少し時間をおいて該当火
災感知器に対して、それまで収集して蓄積した火災監視
データをリセットさせ、再び新規データを収集させ、2
回目の火炎検出が行なわれるかどうかをテストしてみる
ため、即ち誤警報の発生を防止するために行なうリセッ
ト指令である。ステップS59の判別結果がYESの場
合には、右側か左側かを判別し(ステップS60)、右
側であればステップS61で、左側であればステップS
62で、それぞれ上記蓄積復旧の動作を行ない、その後
メインルーチンへ戻る。
【0072】図10のステップS59において、蓄積復
旧指令でないと判別された場合に、センサ制御回路20
内のMPU1は、ステップS63において、復旧指令で
あるかを判別し、この判別結果がYESの場合には、ス
テップS64において、すべてのデータをリセットさ
せ、NOの場合は直ちにメインルーチンに戻る。ここで
すべてのデータをリセットさせるとは、それまで収集し
た火災監視データのリセットのほか、動作表示灯や火災
表示灯の点灯データもリセット(即ち消灯)させて、火
災感知器を電源投入後の初期状態に復旧させることであ
る。この復旧処理の終了後にメインルーチンに戻る。
【0073】図11のフローチャートにより図1の火災
感知器の試験動作を説明する。この実施例では、図11
の試験ルーチンは、火災感知器の電源投入時、受信機か
らの試験指令、またはタイマ割込処理のいずれかの場合
に起動される。しかしどのような場合に、この試験ルー
チンを起動するかを、スイッチ等により選択するように
してもよい。図11のステップS71では、センサ制御
回路20は、左側又は右側の内部擬似光源(内部LE
D)3Lb,3Lr、又は3Rb,3Rrをフラッシン
グ点灯する。この場合に、前記擬似光は火炎のゆらぎ周
波数帯域である約8〜12Hzでフラッシングさせるよ
うにしている。
【0074】そしてセンサ制御回路20は、前記内部擬
似光源を発光させた状態で、受光素子である、フォトダ
イオード1Lと焦電素子2L、又はフォトダイオード1
Rと焦電素子2Lの検出信号に基づく各受光データを、
それぞれI/Oインタフェース内のマルチプレクサ及び
A/D変換器を介して逐次読込み、この読込んだデータ
を順次RAM4に格納する。そして火災感知までに許容
された時間の範囲内で、できるだけ多く読込んだ受光デ
ータの平均化処理を行ない、この平均化されたデータを
受光出力データとしてRAM4に格納する(ステップS
72)。前記受光データ収集の終了後に、センサ制御回
路20は、内部擬似光源を消灯し(ステップS73)、
前記平均化された受光データと、ROM2内にあらかじ
め格納されている受光感度基準値との比を該当受光素子
の受光感度として算出し、この受光感度の算出値があら
かじめ設定されROM2内に格納されている受光感度の
正常範囲(例えば1.00〜0.85)内であるか否か
により、前記受光データが正常か否かを判別する(ステ
ップS74)。
【0075】ステップS74の判別結果が正常の場合
は、補正は不要であると判断してステップS78へ移
り、正常でない場合はステップS75へ移る。ステップ
S75においては、前記受光感度の算出値が正常範囲内
ではないが、なお補正可能の範囲内であるかを次のよう
にして判別する。この実施例においては、前記受光感度
の許容範囲を、例えば1.00〜0.50のようにあら
かじめ設定してROM3に格納しておく。そして前記受
光感度の算出値が前記許容範囲の下限値(上記例の0.
50)以上であるか否かにより、前記受光データの補正
が可能であるか否かを判別する。
【0076】また、この実施例においては、前記受光感
度の許容範囲の下限値(前記0.50)よりもやや上の
値(例えば0.60)を前置下限値としてあらかじめ設
定しておき、前記ステップS75において、前記受光感
度の算出値が、前記前置下限値以下であるかの判別も同
時に行なうようにしている。
【0077】ステップS75で補正が可能と判別された
場合には、センサ制御回路20は、前記受光感度算出値
の逆数を前記受光データに乗算して、感度劣化の補正演
算を行ない、前記受光感度の値をRAM3に格納する
(ステップS76)。そしてステップS78へ移る。そ
してステップS75で、前記受光感度算出値が前記許容
範囲の下限値(上記例の0.50)以下であり、感度補
正が限界を越えて不可能と判別されると、火災感知器
は、ステップS77で該当受光素子の感度異常信号を受
信機へ送信する。またステップS75で、前記前置下限
値(上記例の0.60)との比較判別を行ない、前記受
光感度算出値が前記前置下限値以下になった場合には、
同様にステップS77で受信感度劣化の予告信号(感度
劣化の直前であり、部品の手配等の修理の準備を要する
ことを知らせる信号)を受信機に通報するようにしてい
る。
【0078】火災感知器から受光素子の異常信号を受信
した受信機は、該当火災感知器の同一受光素子の感度試
験を繰返して実施して、連続する所定回数(例えば3
回)以上の異常信号が返信された場合に、該当受光素子
は、故障したものと判断し、直ちに修理の指示を行な
う。また受信機が受光感度劣化の予告信号を受信した場
合も、同様に繰返し動作による確認を行ない、確認後修
理の準備を行なう。なお上記試験は左の試験と右側の試
験とを別個に行なう。
【0079】図11のステップS78では、センサ制御
回路20は、受光ガラス7の汚損試験のため、左側又は
右側の外部擬似光源(外部LED)4L又は4Rをフラ
ッシング点灯する。この場合に、前記光源は火災時の炎
のゆらぎ周波数帯域である約8〜12Hzでフラッシン
グさせるようにする。
【0080】そしてセンサ制御回路20は、この外部擬
似光源を発光させた状態で、受光素子である、フォトダ
イオード1L又は1Rの検出信号に基づく受光データ
を、それぞれI/Oインタフェース内のマルチプレクサ
及びA/D変換器を介して逐次読込み、この読込んだデ
ータを順次RAM4に格納する。そして時間の許容範囲
内で、できるだけ多く読込んだ受光データの平均化処理
を行ない、この平均化されたデータを受光出力データと
してRAM4に格納する(ステップS79)。なおこの
受光ガラス7の汚損試験の場合には、受光素子は1個で
足りるので、この実施例では焦電素子の受光データは利
用していない。
【0081】センサ制御回路20は、前記データ収集の
終了後に外部擬似光源を消灯し(ステップS80)、受
光ガラス7の左側と右側毎に、減光率の算出をする(ス
テップS81)。前記減光率は、前記平均化された受光
データとROM5にあらかじめ格納されている減光率基
準値との比として算出される。この実施例においては、
前記減光率の許容範囲を、例えば1.00〜0.50の
ようにあらかじめ設定してROM4に格納しておく。そ
して前記減光率の算出値が前記許容範囲の下限値(上記
例の0.50)以上であるか否かにより前記受光データ
の補正が可能であるか否かを判別する(ステップS8
2)。
【0082】また、この実施例においては、前記減光率
の許容範囲の下限値(前記0.50)よりもやや上の値
(例えば0.60)を前置下限値としてあらかじめ設定
しておき、前記ステップS82において、前記減光率の
算出値が、前記前置下限値以下であるかの判別も同時に
行なうようにしている。
【0083】ステップS82で補正が可能と判別された
場合には、センサ制御回路20は、前記減光率算出値の
逆数を前記受光データに乗算して、汚損の補正演算を行
ない、前記減光率の値をRAM2に格納する(ステップ
S83)。そしてステップS82で、前記減光率算出値
が前記許容範囲の下限値(上記例の0.50)以下であ
り、汚損補正が限界を越えて不可能と判別されると、火
災感知器は、ステップS84で受光ガラス7の左側又は
右側の汚損異常信号を受信機へ送信する。またステップ
S82で、前記前置下限値(上記例の0.60)との比
較判別を行ない、前記減光率算出値が前記前置下限値以
下になった場合には、同様にステップS84で汚損異常
の予告信号(汚損異常の直前であり、受光ガラス7の該
当受光方向の清掃を要することを知らせる信号)を受信
機に通報するようにしている。
【0084】火災感知器から汚損異常信号を受信した受
信機は、該当火災感知器の受光ガラスの汚損試験を繰返
して実施して、連続する所定回数(例えば3回)以上の
異常信号が返信された場合に、該当受光ガラスは汚損し
たものと判断し、直ちに清掃の指示を行なう。また受信
機が汚損異常の予告信号を受信した場合も、同様に繰返
し動作による確認を行ない、確認後清掃の準備指示を行
なう。なお上記試験は左側の試験と右側の試験とを別個
に行なう。
【0085】図12及び図13のフローチャートにより
図1の火災感知器の炎検出動作を説明する。なおこのフ
ローチャートに基づく炎検出動作は、実際に発生した火
炎の場合と、点検用テスタから発生される擬似炎信号の
場合に、共通に使用されるもので、図8のフローチャー
トのうち該当部分をさらに詳しく説明するものである。
図12のステップS91で、火災感知器は、イニシャル
処理を行なう。このイニシャル処理は図8のステップS
31の処理と同一のものであり、RAMデータのクリ
ア、ROMデータのサムチェック、受光素子単体の補正
用初期データの格納、カウンタのクリア、アンプの安定
化時間待ち等である。
【0086】そして次に受信データが自己の火災感知器
のアドレスと一致したかを判別し(ステップS92)、
一致した場合はステップS101へ移り、一致しない場
合は受光出力データを読込む(ステップS93)。そし
て時間の許容範囲内で、できるだけ多く読込んだ受光出
力データの平均値を算出する処理と、この算出値につい
て必要に応じて、受光感度の補正及び透光性ガラスの汚
損補正を行なう処理を、図8のステップS32〜S36
と同様に行なう。
【0087】図12のステップS94で、センサ制御回
路20は、図8のステップS38の処理と同様に、前記
2つの受光出力の差データと火災判別用しきい値との大
小比較により、炎が検出されたか否かの判別をする。こ
の際、受光出力は図8のステップS33〜S37の処理
と同様に補正が行なわれた上で判別される。ステップS
94の判別で炎が検出されない場合は、センサ制御回路
20は、炎検出回数を計数するためRAM6内に設けた
カウンタの値fを0にセットし、前記カウンタの計数値
をクリアする(ステップS95)。即ちこのカウンタは
炎検出信号が連続して入力される場合は、順次カウント
アップするが、計数途中で炎検出が行なわれないと、そ
れまでの計数値を0に戻すものである。その後ステップ
S92へ戻る。
【0088】またステップS94の判別により炎が検出
された場合は、センサ制御回路20は、前記カウンタの
それまでの計数値fに1を加算し(ステップS96)、
前記カウンタfの値があらかじめ設定した数F(例えば
3)と等しいか、またはF以上であるかを判別する(ス
テップS97)。この判別結果として、前記カウンタの
値fが設定数F未満の場合には、ステップS92へ戻
り、炎検出回数の加算を繰返す。
【0089】ステップS97の判別結果として、連続し
て炎検出を行った回数(前記カウンタの値f)が設定数
Fに達したか、またはFを越えた場合には、次に点検フ
ラグがオンかどうかを判別し(ステップS98)、ここ
で擬似炎信号の検出か(点検フラグがオン)、火災発生
による炎信号の検出か(点検フラグがオフ)を判断す
る。そして擬似炎信号の検出の場合には、火炎信号と点
検中信号を共に送出情報としてセットし(ステップS9
9)、火災の炎信号の検出の場合にには、火炎信号のみ
を送出情報としてセットし(ステップS100)、ステ
ップS92へ戻る。
【0090】センサ制御回路20は、ステップS101
で、受信データが情報要求指令であるかを判別し、情報
要求指令の場合には、火災感知器内にあらかじめセット
された情報、例えば前記ステップS99,S100でセ
ットした火炎検出情報等を送出し(ステップS10
2)、この送出の終了した情報をクリアする(ステップ
S103)。なお、ステップS102でセットされた情
報を送出する際、自己アドレスを付加して送出するよう
にしてもよい。ステップS101で情報要求指令ではな
いと判別された場合には、センサ制御回路20は、受信
データが点検開始許可信号であるかを判別し(ステップ
S104)、この判別結果がYESの場合には、点検告
知信号受光回路である図1のアンプ19の電源をオンと
し、点検用テスタが自己の火災感知器に対して、点検告
知信号である前記約500Hzの光信号を照射したとき
に、この照射光を検出可能な状態にセットする(ステッ
プS105)。
【0091】保守員が前記点検用テスタを、点検対象と
する火災感知器の受光ガラス7に接近させ作動させる
と、テスタから発光された前記約500Hzの光信号は
点検告知信号受光素子6及びアンプ19を介して検出さ
れ、センサ制御回路20に供給される。センサ制御回路
20は、点検告知信号を供給されると、直ちに図13の
右側上部に示される点検告知信号受信割込ルーチンを起
動し、まず自己の火災感知器がテスタにより点検試験中
であることを受信機に通報できるように、点検告知信号
を送出情報としてセットし(ステップS111)、点検
フラグをオンして(ステップS112)、ステップS9
2へ戻る。
【0092】ステップS104で点検開始許可信号でな
いと判別された場合には、センサ制御回路20は、図1
3のステップS106で、受信データが自己の火災感知
器への点検終了信号であるかを判別し、この判別結果が
YESの場合には、点検信号受光回路(図1のアンプ1
9)の電源をオフにする(ステップS107)。ステッ
プS106で点検終了信号でないと判別された場合に
は、センサ制御回路20は、図13のステップS108
で、受信データが自己の火災感知器への復旧信号である
かを判別し、この判別結果がYESの場合には、図10
のステップS36で説明した復旧処理と同一の処理を行
ないステップS92へ戻る。また判別結果が復旧信号で
ない場合は、直接ステップS92へ戻る。
【0093】上記実施例における輻射式火災感知器は、
設置面に対する前方の左側と右側の2つの感知領域を有
する場合の例を示したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、例えば、広場の中心に設けられ、前方の左
側と右側及び後方の左側と右側の4つの感知領域を有す
る場合でもよい。また一般に、複数の感知領域を有する
輻射式火災感知器の場合には、感知領域が狭い範囲に限
定されることにより火災発生場所が正確に把握できると
か、従来複数の火災感知器を要した領域が1つの火災感
知器ですむことによる設備費用の低減及び保守作業の容
易化等の効果が得られることが多い。
【0094】また上記実施例における輻射式火災感知器
は、複数の各感知領域内の火炎輻射光の長波長及び短波
長成分の受光出力をそれぞれ所定のサンプリングレート
により量子化し、所定時間内において前記量子化された
複数のデータをそれぞれ平均化し、この平均化された2
つの波長帯のデータの差分値を、あらかじめ設定された
しきい値と比較することにより火炎を検出する2波長輻
射式の場合の例を示したが、本発明はこれに限定される
ものではない。即ち複数の各感知領域毎の火炎輻射光の
受光出力をそれぞれ所定のサンプリングレートにより量
子化して単一のセンサ制御回路に読込むと、MPU1,
複数のROM及びRAM並びにI/Oインタフェース等
により構成され、高速でデジタル信号処理の可能な前記
センサ制御回路は、複数の感知領域の受光出力データか
らの火炎検出、汚損及び受光感度の自動補償並びに動作
・火災表示灯の点灯制御等の各種信号処理を、従来のア
ナログ信号処理器を各感知領域毎に複数個設けた場合の
処理時間とほぼ同等の処理時間、即ち実時間ですべて処
理することが可能となった。
【0095】このため従来のアナログ信号処理器を各感
知領域毎に複数個設けた場合の機器コストに比較して、
単一のデジタル信号処理器のコストは大幅に低減されて
いる。従って、火炎検出方式が、例えば単一の波長帯の
輻射エネルギー量を検出する定輻射式や、火炎特有のち
らつきを検出するちらつき式、さらに3波長またはこれ
以上の波長を利用する方式であっても、これらの火炎検
出方式には関係なく、複数の感知領域を有する輻射式火
災感知器に、本発明に係るセンサ制御回路を適用して、
同様にコスト低減の効果を奏することができる。
【0096】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、あらかじ
め複数の感知領域をそれぞれほぼ独立した3次元空間と
して設定し、該設定した複数の各感知領域内の火炎から
それぞれ放射される輻射光を各感知領域別に検出し、前
記複数の各感知領域別の火災を感知する輻射式火災感知
器において、前記複数の各感知領域毎に設けられた1対
の受光素子が検出した火炎輻射光の長波長成分と短波長
成分とを、それぞれ所定のサンプリングレートで量子化
し、所定時間内において前記量子化された複数のデータ
をそれぞれ平均化し、この平均化された2つの波長帯の
データの差分値を、あらかじめ設定されたしきい値と比
較することにより火炎を検出する火災感知手段を単一の
デジタル信号処理器により構成するようにしたので、従
来の各感知領域毎にアナログ信号処理を行なう火災感知
手段を複数個設けた場合に比較して、装置のコストが大
幅に低減された。
【0097】また本発明によれば、前記複数の各感知領
域内の火炎をそれぞれ検出する火災感知手段は、前記1
対の受光素子出力からそれぞれ算出した2つの波長帯の
データの差分値に対して、火炎判別用にあらかじめ設定
された第1のしきい値を越えるかの判別及び前記第1の
しきい値よりもやや大きな値に設定された第2のしきい
値を越えるかの判別をそれぞれ行ない、前記第1のしき
い値と第2のしきい値を共に越える場合は近距離の火炎
の検出であり、前記第1のしきい値のみを越える場合は
遠距離の火炎の検出であると判断して距離情報も含む火
炎検出信号を得るようにしたので、各感知領域内の火災
発生場所が正確に把握できるようになった。
【0098】また本発明によれば、前記複数の感知領域
を有する輻射式火災感知器において、前記火災感知手段
が、各感知領域毎に1対の受光素子出力からそれぞれ算
出した2つの波長帯における輻射エネルギーの差分値に
対して、あらかじめ設定された単一のしきい値との大小
比較により火炎検出を行なうか、またはあらかじめ設定
された2つのしきい値との大小比較により距離情報も含
む火炎検出を行なうと、該火炎検出信号は直ちに受信機
に送信されると共に、前記受信機から受信する該当感知
領域の表示指令に基づき、点灯制御手段が、複数の各感
知領域毎にそれぞれ設けられた発光色の異なる1対の各
表示灯について、それぞれ連続点灯、低い繰返しのフリ
ッカ点灯、又はやや高い繰返しのフリッカ点灯のいずれ
かの点灯制御を行なうようにしたので、前記各感知領域
毎に1対の表示灯の表示モードにより、最初に火炎検出
をした状態、蓄積復旧後に2回目の火炎検出をした状
態、または連続する3回以上の火炎検出で受信機により
火災確定された状態等の火災感知状況を、それぞれ視覚
的に判別できるようになった。
【0099】また本発明によれば、前記複数の各感知領
域毎にそれぞれ設けられる1対の表示灯を緑色表示灯と
赤色表示灯として、前記点灯制御手段は、受信機から受
信する各感知領域毎の表示指令に基づき、各感知領域毎
の表示灯について、最初の火炎検出の表示には緑色表示
灯のフリッカ点灯を行ない、2回目以降の火炎検出の表
示には赤色表示灯のフリッカ点灯を行ない、連続する3
回以上の火炎検出で受信機により火災確定された表示に
は赤色表示灯の連続点灯を行なうようにしたので、各感
知領域毎の火災感知状況がきわめて明確に判別できるよ
うになった。
【0100】また本発明によれば、前記複数の各感知領
域毎の火災感知状況をそれぞれ表示するため、前記複数
の感知領域の数と同数で、各感知領域毎にそれぞれ異な
る色で発光する発光素子を収納した単一の表示灯を設
け、前記点灯制御手段は、受信機から受信する各感知領
域毎の表示指令に基づき、前記単一の表示灯内の該当感
知領域の発光素子について、最初の火炎検出の表示には
低い繰返しのフリッカ点灯を行ない、2回目以降の火炎
検出の表示にはやや高い繰返しのフリッカ点灯を行な
い、連続する3回以上の火炎検出で火災確定の表示には
連続点灯をそれぞれ行ない、複数の感知領域の表示が単
一の表示灯ですむようにしたので、防水や気密の機器構
造が簡単になり、装置の低コスト化が計られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す輻射式火災感知器の構
成ブロック図である。
【図2】図1の輻射式火災感知器の構成図である。
【図3】図1の輻射式火災感知器の左側と右側の感知領
域を示す図である。
【図4】図2の受光素子と内部LEDとの位置関係を示
す図である。
【図5】図1のセンサ制御回路の一例を示す構成ブロッ
ク図である。
【図6】火災感知器の点検用テスタの外観図である。
【図7】点検時の火災感知器と点検用テスタとの位置関
係を示す図である。
【図8】図1の輻射式火災感知器の制御プログラムのメ
インルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図1の輻射式火災感知器の受信割込プログラム
のその1を示すフローチャートである。
【図10】図1の輻射式火災感知器の受信割込プログラ
ムのその2を示すフローチャートである。
【図11】図1の輻射式火災感知器の試験プログラムを
示すフローチャートである。
【図12】図1の輻射式火災感知器の炎検出プログラム
のその1を示すフローチャートである。
【図13】図1の輻射式火災感知器の炎検出プログラム
のその2を示すフローチャートである。
【図14】トンネル内に設置された複数の火災感知器と
信号伝送線を介して接続される受信機とを示す図であ
る。
【符号の説明】
1L,1R 左側、右側フォトダイオード 2L,2R 左側、右側焦電素子 3Lb,3Lr 左側内部LED 3Rb,3Rr 右側内部LED 4L,4R 左側、右側外部LED 5L,5R 左側、右側動作・火災表示灯 6 点検告知信号受光素子 7 受光ガラス 8L,8R 左側、右側透明ガラス 9A ケースA 9B ケースB 11L,12L 左側プリアンプ 11R,12R 右側プリアンプ 13L,14L 左側アンプ 13R,14R 右側アンプ 15L〜18L 左側平滑回路 15R〜18R 右側平滑回路 19 アンプ 20 センサ制御回路 21 伝送制御回路 22 信号送受信部 23L,24L 左側点灯回路 23R,24R 右側点灯回路 25L,25R 左側、右側点灯制御回路 26,27 クロック回路 28,29 リセット回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 あらかじめ複数の感知領域をそれぞれほ
    ぼ独立した3次元空間として設定し、該設定した複数の
    各感知領域内の火炎からそれぞれ放射される輻射光を各
    感知領域別に検出し、前記複数の各感知領域別の火災を
    感知する輻射式火災感知器において、 前記複数の各感知領域からそれぞれ入射される輻射光
    を、前記感知領域の配置により決まる方向別に受光でき
    るように配置され、該方向別に受光する輻射光の長波長
    成分と短波長成分をそれぞれ検出する前記複数の各感知
    領域毎に設けられた1対の受光素子と、 前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の受光素子が
    検出した長波長成分と短波長成分とをそれぞれ所望の増
    幅度により増幅する1対の増幅器と、該1対の増幅器の
    出力信号をそれぞれ所定のサンプルレートにより量子化
    する量子化器と、該量子化器の出力する所定期間の長波
    長データと短波長データのそれぞれの平均値を算出し、
    該算出した長波長データの平均値から短波長データの平
    均値を減算して差分値を算出する演算手段と、該算出し
    た差分値が火炎判別用にあらかじめ設定されたしきい値
    を越えるかを判別し、前記しきい値を越える場合には火
    炎の検出であると判断して火炎検出信号を出力する火炎
    検出手段とをそれぞれ含む前記複数の各感知領域毎に設
    けられた火災感知手段とを備えたことを特徴とする輻射
    式火災感知器。
  2. 【請求項2】 前記火炎検出手段は、前記演算手段が算
    出した差分値が、火炎判別用にあらかじめ設定された第
    1のしきい値を越えるかの判別及び前記第1のしきい値
    よりもやや大きな値に設定された第2のしきい値を越え
    るかの判別をそれぞれ行い、前記第1のしきい値と第2
    のしきい値を共に越える場合は近距離の火炎の検出であ
    り、前記第1のしきい値のみを越える場合は遠距離の火
    炎の検出であると判断して距離情報も含む火炎検出信号
    を出力することを特徴とする請求項1記載の輻射式火災
    感知器。
  3. 【請求項3】 あらかじめ複数の感知領域をそれぞれほ
    ぼ独立した3次元空間として設定し、該設定した複数の
    各感知領域内の火炎からそれぞれ放射される輻射光を各
    感知領域別に検出し、前記複数の各感知領域別の火災を
    感知する輻射式火災感知器において、 前記複数の各感知領域からそれぞれ入射される輻射光
    を、前記感知領域の配置により決まる方向別に受光でき
    るように配置され、該方向別に受光する輻射光の長波長
    成分と短波長成分をそれぞれ検出する前記複数の各感知
    領域毎に設けられた1対の受光素子と、 前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の受光素子が
    検出した長波長成分と短波長成分とをそれぞれ所望の増
    幅度により増幅する1対の増幅器と、該1対の増幅器の
    出力信号をそれぞれ所定のサンプルレートにより量子化
    する量子化器と、該量子化器の出力する所定期間の長波
    長データと短波長データのそれぞれの平均値を算出し、
    該算出した長波長データの平均値から短波長データの平
    均値を減算して差分値を算出する演算手段と、該算出し
    た差分値が火炎判別用にあらかじめ設定されたしきい値
    を越えるかを判別し、前記しきい値を越える場合には火
    炎の検出であると判断して火炎検出信号を出力する火炎
    検出手段とをそれぞれ含む前記複数の各感知領域毎に設
    けられた火災感知手段と、 前記各感知領域毎の火災感知手段がそれぞれ出力する火
    炎検出信号を含む情報を受信機又は中継器に送信すると
    共に、前記受信機又は中継器から前記各感知領域毎の表
    示指令を含む情報を受信する送受信手段と、 前記複数の各感知領域毎の火災感知情報を、それぞれ2
    つの異なる色で発光する第1の表示灯と第2の表示灯の
    点滅状態により表示する前記複数の各感知領域毎に設け
    られた1対の表示灯と、 前記送受信手段が前記受信機又は中継器から受信する前
    記複数の各感知領域毎の表示指令に基づき、該当感知領
    域の発光色の異なる1対の各表示灯毎に、それぞれ連続
    点灯、低い繰返しのフリッカ点灯、又はやや高い繰返し
    のフリッカ点灯のいずれかの点灯制御を行なう前記複数
    の各感知領域毎に設けられた点灯制御手段とを備えたこ
    とを特徴とする輻射式火災感知器。
  4. 【請求項4】 前記複数の各感知領域毎の火災感知情報
    を、それぞれ緑色で発光する第1の表示灯と赤色で発光
    する第2の表示灯の点滅状態により表示する前記複数の
    各感知領域毎に設けられた1対の表示灯と、 前記送受信手段が前記受信機又は中継器から受信する前
    記複数の各感知領域毎の表示指令に基づき、該当感知領
    域の緑色発光と赤色発光の1対の表示灯について、最初
    の火炎検出の表示には緑色発光の第1の表示灯のフリッ
    カ点灯を行ない、2回目以降の火炎検出の表示には赤色
    発光の第2の表示灯のフリッカ点灯を行ない、連続する
    3回以上の火炎検出で火災確定の表示には赤色発光の第
    2の表示灯の連続点灯をそれぞれ行なう前記複数の各感
    知領域毎に設けられた点灯制御手段とを備えた請求項3
    記載の輻射式火災感知器。
  5. 【請求項5】 あらかじめ複数の感知領域をそれぞれほ
    ぼ独立した3次元空間として設定し、該設定した複数の
    各感知領域内の火炎からそれぞれ放射される輻射光を各
    感知領域別に検出し、前記複数の各感知領域別の火災を
    感知する輻射式火災感知器において、 前記複数の各感知領域からそれぞれ入射される輻射光
    を、前記感知領域の配置により決まる方向別に受光でき
    るように配置され、該方向別に受光する輻射光の長波長
    成分と短波長成分をそれぞれ検出する前記複数の各感知
    領域毎に設けられた1対の受光素子と、 前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の受光素子が
    検出した長波長成分と短波長成分とをそれぞれ所望の増
    幅度により増幅する1対の増幅器と、該1対の増幅器の
    出力信号をそれぞれ所定のサンプルレートにより量子化
    する量子化器と、該量子化器の出力する所定期間の長波
    長データと短波長データのそれぞれの平均値を算出し、
    該算出した長波長データの平均値から短波長データの平
    均値を減算して差分値を算出する演算手段と、該算出し
    た差分値が火炎判別用にあらかじめ設定されたしきい値
    を越えるかを判別し、前記しきい値を越える場合は火炎
    の検出であると判断して火炎検出信号を出力する火炎検
    出手段とをそれぞれ含む前記複数の各感知領域毎に設け
    られた火災感知手段と、 前記各感知領域毎の火災感知手段がそれぞれ出力する火
    炎検出信号を含む情報を受信機又は中継器に送信すると
    共に、前記受信機又は中継器から前記各感知領域毎の表
    示指令を含む情報を受信する送受信手段と、 前記複数の感知領域の数と同数で、各感知領域毎にそれ
    ぞれ異なる色で発光する発光素子を単一の表示灯内に収
    納し、前記複数の各感知領域毎の火災感知情報を、前記
    単一の表示灯内の対応する発光素子の点滅状態によりそ
    れぞれ表示する前記複数の感知領域に共通に設けられた
    単一の表示灯と、 前記送受信手段が前記受信機又は中継器から受信する前
    記複数の各感知領域毎の表示指令に基づき、前記単一の
    表示灯内の該当感知領域の発光素子について、最初の火
    炎検出の表示には低い繰返しのフリッカ点灯を行ない、
    2回目以降の火炎検出の表示にはやや高い繰返しのフリ
    ッカ点灯を行ない、連続する3回以上の火炎検出で火災
    確定の表示には連続点灯をそれぞれ行なう前記複数の各
    感知領域毎に設けられた点灯制御手段とを備えたことを
    特徴とする輻射式火災感知器。
  6. 【請求項6】 あらかじめ複数の感知領域をそれぞれほ
    ぼ独立した3次元空間として設定し、該設定した複数の
    各感知領域内の火炎からそれぞれ放射される輻射光を各
    感知領域別に検出し、前記複数の各感知領域別の火災を
    感知する輻射式火災感知器において、 前記複数の各感知領域からそれぞれ入射される輻射光
    を、前記感知領域の配置により決まる方向別に受光でき
    るように配置され、該方向別に受光する輻射光の長波長
    成分と短波長成分をそれぞれ検出する前記複数の各感知
    領域毎に設けられた1対の受光素子と、 前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の受光素子が
    検出した長波長成分と短波長成分とをそれぞれ所望の増
    幅度により増幅する1対の増幅器と、該1対の増幅器の
    出力信号をそれぞれ所定のサンプルレートにより量子化
    する量子化器と、該量子化器の出力する所定期間の長波
    長データと短波長データのそれぞれの平均値を算出し、
    該算出した長波長データの平均値から短波長データの平
    均値を減算して差分値を算出する演算手段と、該算出し
    た差分値が、火炎判別用にあらかじめ設定された第1の
    しきい値を越えるかの判別及び前記第1のしきい値より
    もやや大きな値に設定された第2のしきい値を越えるか
    の判別をそれぞれ行ない、前記第1のしきい値と第2の
    しきい値を共に越える場合は近距離の火炎の検出であ
    り、前記第1のしきい値のみを越える場合は遠距離の火
    炎の検出であると判断して距離情報も含む火炎検出信号
    を出力する火炎検出手段とをそれぞれ含む前記複数の各
    感知領域毎に設けられた火災感知手段と、 前記各感知領域毎の火災感知手段がそれぞれ出力する火
    炎検出信号を含む情報を受信機又は中継器に送信すると
    共に、前記受信機又は中継器から前記各感知領域毎の表
    示指令を含む情報を受信する送受信手段と、 前記複数の各感知領域毎の火災感知情報を、それぞれ2
    つの異なる色で発光する第1の表示灯と第2の表示灯の
    点滅状態により表示する前記複数の各感知領域毎に設け
    られた1対の表示灯と、 前記送受信手段が前記受信機又は中継器から受信する前
    記複数の各感知領域毎の表示指令に基づき、該当感知領
    域の発光色の異なる1対の各表示灯毎に、それぞれ連続
    点灯、低い繰返しのフリッカ点灯、又はやや高い繰返し
    のフリッカ点灯のいずれかの点灯制御を行なう前記複数
    の各感知領域毎に設けられた点灯制御手段とを備えたこ
    とを特徴とする輻射式火災感知器。
  7. 【請求項7】 前記複数の各感知領域毎の火災感知情報
    を、それぞれ緑色で発光する第1の表示灯と赤色で発光
    する第2の表示灯の点滅状態により表示する前記複数の
    各感知領域毎に設けられた1対の表示灯と、 前記送受信手段が前記受信機又は中継器から受信する前
    記複数の各感知領域毎の表示指令に基づき、該当感知領
    域の緑色発光と赤色発光の1対の表示灯について、最初
    の火炎検出の表示には緑色発光の第1の表示灯のフリッ
    カ点灯を行ない、2回目以降の火炎検出の表示には赤色
    発光の第2の表示灯のフリッカ点灯を行ない、連続する
    3回以上の火炎検出で火災確定の表示には赤色発光の第
    2の表示灯の連続点灯をそれぞれ行なう前記複数の各感
    知領域毎に設けられた点灯制御手段とを備えた請求項6
    記載の輻射式火災感知器。
  8. 【請求項8】 あらかじめ複数の感知領域をそれぞれほ
    ぼ独立した3次元空間として設定し、該設定した複数の
    各感知領域内の火炎からそれぞれ放射される輻射光を各
    感知領域別に検出し、前記複数の各感知領域別の火災を
    感知する輻射式火災感知器において、 前記複数の各感知領域からそれぞれ入射される輻射光
    を、前記感知領域の配置により決まる方向別に受光でき
    るように配置され、該方向別に受光する輻射光の長波長
    成分と短波長成分をそれぞれ検出する前記複数の各感知
    領域毎に設けられた1対の受光素子と、 前記複数の各感知領域毎に設けられた1対の受光素子が
    検出した長波長成分と短波長成分とをそれぞれ所望の増
    幅度により増幅する1対の増幅器と、該1対の増幅器の
    出力信号をそれぞれ所定のサンプルレートにより量子化
    する量子化器と、該量子化器の出力する所定期間の長波
    長データと短波長データのそれぞれの平均値を算出し、
    該算出した長波長データの平均値から短波長データの平
    均値を減算して差分値を算出する演算手段と、該算出し
    た差分値が、火炎判別用にあらかじめ設定された第1の
    しきい値を越えるかの判別及び前記第1のしきい値より
    もやや大きな値に設定された第2のしきい値を越えるか
    の判別をそれぞれ行ない、前記第1のしきい値と第2の
    しきい値を共に越える場合は近距離の火炎の検出であ
    り、前記第1のしきい値のみを越える場合は遠距離の火
    炎の検出であると判断して距離情報も含む火炎検出信号
    を出力する火炎検出手段とをそれぞれ含む前記複数の各
    感知領域毎に設けられた火災感知手段と、 前記各感知領域毎の火災感知手段がそれぞれ出力する火
    炎検出信号を含む情報を受信機又は中継器に送信すると
    共に、前記受信機又は中継器から前記各感知領域毎の表
    示指令を含む情報を受信する送受信手段と、 前記複数の感知領域の数と同数で、各感知領域毎にそれ
    ぞれ異なる色で発光する発光素子を単一の表示灯内に収
    納し、前記複数の各感知領域毎の火災感知情報を、前記
    単一の表示灯内の対応する発光素子の点滅状態によりそ
    れぞれ表示する前記複数の感知領域に共通に設けられた
    単一の表示灯と、 前記送受信手段が前記受信機又は中継器から受信する前
    記複数の各感知領域毎の表示指令に基づき、前記単一の
    表示灯内の該当感知領域の発光素子について、最初の火
    炎検出の表示には低い繰返しのフリッカ点灯を行ない、
    2回目以降の火炎検出の表示にはやや高い繰返しのフリ
    ッカ点灯を行ない、連続する3回以上の火炎検出で火災
    確定の表示には連続点灯をそれぞれ行なう前記複数の各
    感知領域毎に設けられた点灯制御手段とを備えたことを
    特徴とする輻射式火災感知器。
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