JPH0632464U - 玉掛けワイヤーのからみ防止治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数本の玉掛けワイヤーを用いて玉掛け作業
を行う場合、それらの玉掛けワイヤーが相互にからみ合
って作業の支障となることを防止する治具を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 水平枠３０の内側を玉掛けワイヤー１を通す
複数個の通し窓３１に区切り、水平枠体３０には、クレ
ーンのフック２０を掛ける吊り金具３２を一体的に取り
付けた構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、クレーン等によって重量物を吊り込み移動させる場合に使用する 玉掛けワイヤーのからみ防止治具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

クレーン等により重量物を吊り込み移動させる場合、その吊り荷が傾くことな く、安定した状態で移動できるようにするため、あらかじめワイヤーロープや吊 りチェンその他シャックルやリングなどを用いて玉掛けを行うことは周知である 。

【０００３】 ところで、吊り荷の対象である重量物が、比較的長尺で、しかも幅をもった重 量物の場合、例えば一辺が２〜３メートルで、平面形状が四辺形を呈するような ものである場合は、あらかじめその重量物の四隅にワイヤーロープを掛け、この 四隅からのワイヤーロープによる、いわゆる４本掛けで吊り込むようにしている 。

【０００４】 さらに具体的に言えば、高層ビルの建設や外装補修工事等を行う際、その建物 のまわりに組立て解体式の鋼管足場を仮設し、工事終了後は、その鋼管足場をユ ニット毎に分割して吊り下ろすようにしている。このような場合は、その解体作 業を効率的に展開させるため、あらかじめユニットに対応する四辺形状の枠体を 設け、この枠体の四隅からワイヤーロープを下げた特別な吊り治具を設け、これ を使用するようにしている。すなわち、吊り治具の四隅から下げたワイヤーロー プを吊り荷の四隅に玉掛けして吊り下ろすようにしている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、吊り荷に４本のワイヤーロープを玉掛けし、いわゆる４本掛けで吊 り込もうが、それ以下ないし、それ以上の本数のワイヤーロープを玉掛けして吊 り込もうが、ワイヤーロープが複数本となっている場合、玉掛け時に、それら複 数のワイヤーロープがからみ合って玉掛け作業に支障をもたらす欠点があった。 特にからみ合った状態のワイヤーロープをほどきながら高所で作業を行う場合は 、作業自体が危険で、作業の安全性さらには効率性の点からも問題点があった。 この考案は、このような問題点を解消した玉掛けワイヤーのからみ防止治具を提 供することを目的として考案したものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成する手段として、この考案は、鋼管材または鋼棒材を用いて水 平枠体を作り、この水平枠体の内側を玉掛けワイヤーを通す複数個の通し窓に区 切り、さらに水平枠体には、クレーンのフックを掛ける吊り金具を一体的に取り 付けた構成としたことにある。

【０００７】

【作用】

この考案は、以上のように構成しているので、水平枠体に、一体的に取り付け た吊り金具を利用して防止治具自体をクレーンのフックに吊るしておく。そして 、水平枠体の内側に設けた個々の通し窓に玉掛けワイヤーの一本づつを通し、こ の水平枠体を介して玉掛けを行う。その結果、玉掛けワイヤーは、水平枠体の介 在によって相互にからみ合うようなことはない。

【０００８】

【実施例】

さらに、この考案による玉掛けワイヤーのからみ防止治具の構成を図面に示す 実施例に基いて具体的に説明する。 図１は、４本の玉掛けワイヤー１によって重量物１０を吊り込み移動させる場 合を示す。すなわち、クレーンのフック２０に前記４本の玉掛けワイヤー１を掛 けて、重量物１０を吊り込む場合を示す。

【０００９】 実施例では、からみ防止治具を構成する水平枠体３０は、鋼棒材を用いて水平 形状が四辺形を呈する枠体に構成し、その内側に横および縦方向に、同じく鋼棒 材を掛けわたし、６個の通し窓３１…を構成した。そしてこの水平枠体３０に門 型の吊り金具３２を一体的に取り付け、この吊り金具３２を前記クレーンのフッ ク２０に掛け吊るすように構成した。もちろん水平枠体３０の平面形状は、円形 でもよいし、さらに多角形でもよい。また吊り金具３２も門型でなく山型、その 他の形状でもよい。さらに通し窓３１も、６個ではなく、必要に応じて、すなわ ち玉掛けするワイヤー１の本数に応じて増減可能である。そして、前記通し窓３ １に、それぞれの玉掛けワイヤー１…を１本づつ通し、しかるべく吊り荷に玉掛 けして使用する。

【００１０】

【考案の効果】

この考案は、以上実施例を通して説明したように構成したので、玉掛けワイヤ ーが相互にからみ合うようなことがなく、作業が安全、特に高所で玉掛けするよ うな場合は安全である。 しかも治具としては、現場の鋼管材や鋼棒材の廃材を利用して簡単に作ること ができ、現場治具として好適である。

【００１１】

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案による玉掛けワイヤーのからみ防止治
具の使用状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１…玉掛けワイヤー １０…重量物 ２０…クレーンのフック ３０…水平枠体 ３１…玉掛けワイヤーの通し窓 ３２…吊り金具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平枠体の内側を玉掛けワイヤーを通す
   複数個の通し窓に区切るとともに、水平枠体には、クレ
   ーンのフックを掛ける吊り金具を一体的に取り付けたこ
   とを特徴とする玉掛けワイヤーのからみ防止治具。